洪水の危険性を徹底解説|命・建物・健康・財産へのリスクと被害の実態【2026年最新版】

洪水の危険性を徹底解説|命・建物・健康・財産へのリスクと被害の実態【2026年最新版】

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洪水の危険性を徹底解説|命・建物・健康・財産へのリスクと被害の実態【2026年最新版】

「洪水って、どのくらい危ないの?」「浸水したら、どんな危険があるの?」「水が引いた後も危険なの?」

こうした疑問を持ちながらも、洪水の「具体的な危険性」を正確に理解していない方は多くいます。

洪水は「日本で最も頻繁に起きる自然災害のひとつ」です。

政府広報オンラインによると、平成23年(2011年)から令和2年(2020年)までの10年間で、水害が発生した市町村は「全市町村の97%」にのぼります。

つまり「洪水は一部の地域だけの問題」ではなく「日本全国ほぼすべての地域が当事者になりうる問題」なのです。

また気象庁のデータによれば、1時間降水量50mm以上の大雨の平均年間発生回数は、昭和51〜60年(1976〜1985年)の約226回から、令和4年(2022年)までの10年間では約328回へと「約1.5倍に増加」しています。

地球温暖化・気候変動の影響で、洪水の危険性は今後さらに高まると予測されています。

「洪水の危険性を正しく知る」ことが、命を守る防災行動の第一歩です。

この記事では「洪水の危険性」を「命・建物・健康・財産」の4つの観点から、国土交通省・気象庁・内閣府・厚生労働省・MSDマニュアルなどの公的資料・信頼性の高い専門機関の情報をもとに徹底的に解説します。

  • 洪水の種類とそれぞれの危険性
  • 洪水が「命」に与える危険性
  • 洪水が「建物・住宅」に与える危険性
  • 洪水が「健康」に与える危険性(感染症・低体温症等)
  • 洪水が「財産・生活」に与える危険性
  • 洪水の危険性が高い「場所・地形・状況」
  • 洪水の危険性が高まっている背景(気候変動・都市化)
  • 洪水の危険性から身を守るために今すぐできること

【情報の出典について】
本記事は国土交通省「洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ」・気象庁「洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)」・同「大雨・洪水警報の危険度分布」・政府広報オンライン「洪水災害から命を守ろう」・MSDマニュアル家庭版「洪水から身体と健康を守るために」・内閣府「避難情報に関するガイドライン(令和3年5月改定)」・ニュートン・コンサルティング「洪水・内水」・日本防災支援機構「洪水や浸水になる要因」等の公的資料・専門機関の情報をもとに作成しています。防災ベース編集部が内容をわかりやすく解説しました。

目次

洪水の種類とそれぞれの危険性:まず「どんな洪水か」を知る

「洪水」と一言でいっても、その種類・発生メカニズム・危険性の性質は大きく異なります。

自分の地域・家庭がどのタイプの洪水リスクにさらされているかを把握することが「正しい危険性の理解」につながります。

外水氾濫(がいすいはんらん)の危険性

外水氾濫とは「河川の水位が上昇して堤防を越える・または堤防が決壊することで、大量の水が市街地・住宅地に流れ込む」現象です。

国土交通省の分類では「洪水」はこの「外水氾濫」を指します。

外水氾濫には以下の2つのパターンがあります。

越水(えっすい):堤防の高さを超えて水が溢れ出すパターン。水位上昇から氾濫までに「ある程度の時間的余裕」がある場合が多い

堤防決壊(ていぼうけっかい):堤防が水圧・浸食等により一部または全体が崩れて破れるパターン。決壊すると「一瞬で大量の濁流が流れ込む」ため、命の危険が極めて高い

特に堤防決壊は「発生から周辺住民が対処できるまでの時間がほぼない」ため、最も危険な洪水のパターンといえます。

気象庁の資料では「山間部等の流れの速い中小河川では、水流によって川岸が削られて家屋が押し流されるおそれがある」と明記されています。

内水氾濫(ないすいはんらん)の危険性

内水氾濫とは「下水道・排水路・水路の処理能力を超える大雨が降り、雨水が道路・住宅地・地下空間に溢れ出す」現象です。

「都市型水害」とも呼ばれます。

ニュートン・コンサルティングの解説によれば「都市の排水能力は時間あたり約50mm相当」であり、これを超える降雨が発生すると内水氾濫が起きる可能性があります。

近年のゲリラ豪雨では「1時間に100mm超」の降雨が発生するケースもあり、内水氾濫のリスクは高まっています。

内水氾濫の危険性で特に注意が必要なのは以下の点です。

ハザードマップに表示されないエリアでも発生する:外水氾濫のハザードマップ(河川洪水)に掲載されていないエリアでも内水氾濫は起きる。「うちは洪水浸水想定区域外だから安全」という誤解が命取りになりうる

  • 地下空間への急激な流入:地下鉄・地下街・地下駐車場・建物の地下室は「短時間で数メートル水没する」ことがある
  • アンダーパスの急激な浸水:道路が低くなるアンダーパスは「周囲より地面が低い」ため、集中的に雨水が流れ込み急速に水没する

高潮(たかしお)の危険性

高潮は「台風・発達した低気圧による気圧低下と強風により、海面が通常より大幅に上昇して沿岸部に海水が流れ込む」現象です。

高潮は「海水」であるため「塩害による農作物・建物設備への長期的なダメージ」という追加の危険性があります。

沿岸部・ゼロメートル地帯(海抜がゼロメートル以下の地域)に居住している方は、洪水ハザードマップに加えて「高潮ハザードマップ」も必ず確認してください。

土石流・鉄砲水(急流河川)の危険性

山間部・丘陵地に近い地域では、集中豪雨によって「鉄砲水(山から急激に流れ出す大量の水・土砂・流木が混合した流れ)」が発生することがあります。

日本技術士会九州本部の解説によると「日本は山が多く、河川は急流で短いという地形的特徴があり、降雨が山間部から急速に下流に流れ込むため、短時間で洪水が発生しやすい」とされています。

熊本地建設コンサルタントの解説でも「山を突き抜ける河川・河川の合流部・川幅が狭くなるところ・微高地に囲まれた低地」という地形は洪水が発生しやすい条件とされています。

土石流・鉄砲水は「発生から到達まで数分という場合がある」ため、特に逃げ遅れのリスクが高い危険な洪水の形態です。

洪水が「命」に与える危険性

洪水が人の命に与える危険性を具体的に解説します。

MSDマニュアル家庭版によると「洪水は世界で最も多く起こる自然災害であり、竜巻・台風・落雷などに比べて、洪水ではより多くの人が毎年亡くなっている」とされています。

洪水の「死亡リスク」を軽視することは禁物です。

命への危険性①:溺水(できすい)

洪水による死亡原因のうち最も多いのが「溺水(溺れて死亡すること)」です。

溺水のリスクが特に高い場面は以下の通りです。

浸水した道路での歩行中の転倒・流水への流入:浸水が30〜50cmでも「流れがある場合は成人でも転倒・流される」リスクがある(国土交通省)

  • 車中での水没:浸水した道路を走行中に車がエンストして逃げ遅れた場合、車内に水が浸入して溺れるリスクがある
  • 地下空間(地下室・地下駐車場)での水没:短時間で水位が上昇し、ドアが水圧で開けられなくなる
  • 増水した川・用水路への転落:「川の様子を見に行った」「用水路に近づいた」ことで転落・流される事故が毎年発生している
  • 垂直避難が間に合わなかった場合の1階・地下での溺水:国土交通省は「浸水した道路・増水した河川に近づくことの危険性」を繰り返し注意喚起しています。

「少しくらいなら大丈夫」という過信が命を奪います。

命への危険性②:急激な流水・濁流による流出・圧死

堤防の決壊や急流河川の氾濫では「大量の水・土砂・流木が混合した濁流」が発生することがあります。

気象庁の解説では「水かさの深い破壊力の大きな氾濫流が生じると、家屋が押し流されるおそれもある」とされています。

このような濁流に巻き込まれた場合は「泳ぐことも・助けを求めることも困難」な状態になります。

特に「木造住宅に住んでいる・想定浸水深が2m以上の地域」に居住している場合は、このリスクを深刻に受け止めてください。

命への危険性③:低体温症

洪水時は「冷たい雨水・洪水水に体が浸かる・長時間濡れた状態で強風にさらされる」ことで体温が急激に下がります。

低体温症(体の中心体温が35℃以下に低下した状態)は「意識障害・判断力の低下・心停止」につながる命に関わる危険な状態です。

台風・秋〜冬の洪水では特にリスクが高くなります。

水温が低い河川・海水に落ちた場合は「夏でも30分以内に低体温症の症状が出始める」ことがあります。

命への危険性④:感電(かんでん)

洪水時・浸水時に「水没した電化製品・電源コード・電柱が倒れた電線」に近づくことで感電するリスクがあります。

浸水した室内でブレーカーを落とさずに家電を操作しようとした場合も感電の危険があります。

洪水で1階が浸水している・または浸水しそうな場合は「分電盤のブレーカーを落とす(オフにする)」ことが重要です。

ブレーカーが浸水している場合は「絶対に近づかず電力会社に連絡」してください。

命への危険性⑤:アンダーパス・地下空間での急速水没

道路のアンダーパス(線路・高架道路の下を通る低い部分)は「周囲より地面が低い」ため、洪水時・内水氾濫時に急速に水が流れ込んで短時間で深い浸水状態になります。

気象庁の資料では「住宅の地下室や道路のアンダーパスでは、浸水や冠水の深さが周囲より早い段階から急激に上昇する傾向があり、命が脅かされる危険性がある」と明記されています。

アンダーパス内での車の立往生→脱出できずに溺水、という事故は過去に複数の死亡事例につながっています。

🚨 「浸水したアンダーパス」は絶対に通行しない
浸水しているアンダーパスは「どんなに急いでいても・どんなに浅く見えても」絶対に通行しないでください。
「少し浸水しているだけに見えた」「エンジンが止まって脱出できなくなった」という死亡事故が過去に多数発生しています。
迂回路を使うことで数十分の遅れが生じても「命には替えられない」という判断をしてください。

洪水が「建物・住宅」に与える危険性

洪水は人命だけでなく「建物そのもの」にも深刻なダメージを与えます。

建物への被害は「住む場所を失う・長期の避難生活を余儀なくされる・多額の修繕費が必要になる」という生活の根本を揺るがす問題につながります。

建物への危険性①:床下・床上浸水による構造的ダメージ

浸水によって建物が受けるダメージは「浸水深」によって段階的に深刻になります。

浸水深の目安 建物への主なダメージ 復旧のおおよその費用・期間
床下浸水(床面以下) 床下への泥・汚水の流入。基礎・木材の腐食。白アリ・カビの繁殖。電気配線への影響 清掃・消毒・乾燥に数日〜1週間以上。費用は数万円〜数十万円
床上浸水50cm未満 1階の床・壁・断熱材・下地材・電気配線への浸水ダメージ。家具・家電の水濡れ フローリング・壁の張り替えが必要。費用は50万〜150万円以上
床上浸水50cm〜1m 1階全体の床・壁・柱・断熱材・電気系統への深刻なダメージ。家財ほぼ全損 大規模リフォームが必要。費用は100万〜300万円以上。居住不能期間が発生
床上浸水1m以上 1階ほぼ全壊・全設備の使用不能。建物の構造的損傷。場合によっては建て替えが必要 建て替えになる場合も。費用は数百万〜数千万円。長期の仮住まいが必要
流水・急流による倒壊・流失 建物が濁流・流木の衝撃で傾く・倒壊する・流失する。特に木造建物のリスクが高い 全損・建て替えが必要。費用は建物の再建費用全額

建物への危険性②:水圧による構造的ダメージ

洪水水が建物の壁・基礎に圧力をかけることで「壁のひび割れ・基礎の損傷」が発生することがあります。

特に「水が一方向から押し寄せる場合(堤防決壊による氾濫など)」は、洪水水の圧力が壁・窓に集中して構造的なダメージを与えます。

外観上は大きなダメージがないように見えても「内部の基礎・構造材が損傷している」ケースがあるため、洪水後は「建築士・工務店」による構造的な点検を受けることをおすすめします。

建物への危険性③:カビ・腐食・白アリ被害

洪水後の「清掃・乾燥・消毒が不十分なまま放置した場合」に深刻な二次被害が発生します。

カビの発生:浸水した建物の床下・壁内・断熱材に「48〜72時間以内にカビが発生し始める」ことがある。カビは人体への健康被害(アレルギー・ぜんそく等)にもつながる

木材の腐食:床下・柱・梁などの木材が長期間湿潤状態になることで腐食が進行する。建物の耐久性・耐震性が大幅に低下する

白アリの侵入・繁殖:洪水後の湿潤した木材は白アリが好む環境になる。腐食と白アリの複合被害で、洪水後数年で建物が使用不能になるケースもある

洪水後の「迅速な清掃・乾燥・消毒」は「命を守る」だけでなく「建物を守る」ためにも最優先の作業です。

建物への危険性④:地盤沈下・液状化

洪水に伴って「地盤の液状化(地震・水の浸透によって地盤が軟化・流動化する現象)」が発生することがあります。

液状化が起きた場合は「建物の傾き・沈下・基礎の損傷」が起きることがあります。

軟弱地盤(埋め立て地・河川沿いの堆積地・後背湿地)に建つ建物は液状化リスクが高い傾向にあります。

自宅の地盤情報は「地盤サポートマップ(https://supportmap.jp/)」などで確認できます。

洪水が「健康」に与える危険性

「水が引いたら危険が去った」と思いがちですが、洪水後も健康への危険は続きます。洪水後の健康被害は「命に関わる場合」もあります。

健康への危険性①:感染症

洪水後の汚染された泥・ヘドロ・洪水水には「多種の病原体」が含まれています。

MSDマニュアル家庭版では「洪水後の水は汚染されている可能性が高く、皮膚・目・口からの病原体感染に注意が必要」と記載されています。

洪水後に注意が必要な主な感染症は以下の通りです。

レプトスピラ症:動物(ネズミ・犬等)の尿に汚染された洪水水・泥から皮膚・粘膜・傷口から感染する。発熱・激しい筋肉痛・黄疸・腎不全等を引き起こす。重症化すると死亡することがある

破傷風(はしょうふう):土壌中の破傷風菌が傷口から侵入して感染する。けいれん・呼吸困難を引き起こす重篤な感染症。洪水後の瓦礫・釘・金属片で傷を負った場合は特に注意が必要

腸管感染症(大腸菌・ノロウイルス等):下水・汚水に汚染された洪水水が口から入ることで感染する。嘔吐・下痢・腹痛等の症状を引き起こす

皮膚感染症(蜂窩織炎・皮膚炎等):汚染された洪水水・泥が皮膚に接触することで皮膚感染症が起きることがある。特に傷がある部位・肌が荒れている部位は感染リスクが高い

カビ(アスペルギルス症・アレルギー):洪水後の建物に発生したカビの胞子を吸入することで、アレルギー・ぜんそく・真菌性肺炎等を引き起こすことがある。免疫力が低下している方はリスクが高い

⚠ 洪水後の清掃作業での感染症予防
洪水後の室内清掃・瓦礫撤去作業は「感染症のリスクが高い作業」です。
必ず「長袖・長ズボン・長靴・防水ゴム手袋・N95マスク」を着用してから作業を開始してください。
素手・素足での作業は絶対に避けてください。
作業後は「石鹸と流水で手・顔・全身を洗う」ことを徹底してください。
「洪水後の清掃作業から数日以内に発熱・激しい筋肉痛が出た場合」はレプトスピラ症等の感染症の可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。

健康への危険性②:断水による衛生悪化

洪水後は「断水」が長期間続くことがあります。断水が続くと「手洗い・入浴・トイレの流水・調理・飲料水の確保」が困難になります。

手洗いができないことで感染症が拡大するリスクが高まります。飲料水が確保できない場合、「汚染された水を飲む」ことで腸管感染症・化学物質中毒のリスクがあります。

洪水後は「市区町村の水道事業者から『飲料可能』の安全宣言が出るまで」、水道水を飲料・調理に使用しないことが厳守事項です。

健康への危険性③:メンタルヘルスへの影響

洪水による被害は「精神的・心理的な影響」も深刻です。

厚生労働省の資料では、大規模な自然災害の後に「PTSD(心的外傷後ストレス障害)・うつ病・不眠症」が発生するリスクが高まることが指摘されています。

特に「家・家財を全損した方・家族・知人が犠牲になった方・長期避難生活を強いられた方」はメンタルヘルスへの影響が深刻になりやすいです。

洪水後のメンタルヘルスの問題は「本人が気づきにくい」という特徴があります。

家族・支援者が「ストレス症状・変化」に気づいたら、市区町村の相談窓口・精神科医療機関への相談を検討してください。

健康への危険性④:一酸化炭素中毒

洪水・停電後の「発電機・カセットコンロ・バーベキューコンロ等の室内使用」は一酸化炭素中毒の重大なリスクがあります。

過去の災害では「復旧作業中・停電時の室内での発電機使用による一酸化炭素中毒死」の事例が報告されています。

発電機・炭・薪を使う機器は「必ず屋外・換気が十分に確保された場所」で使用してください。

室内・ガレージ・テント内での使用は絶対に避けてください。

洪水が「財産・生活」に与える危険性

洪水は「命・健康・建物」だけでなく「財産・生活基盤全体」にも深刻な影響を与えます。

財産への危険性①:家財・家電の全損

床上浸水が発生した場合、1階に置いてある家財・家電は「ほぼ全損」になることが多いです。

テレビ・冷蔵庫・洗濯機・パソコン・エアコン(室外機)・エコキュートなどは「一度浸水すると修理が困難で買い替えが必要になる」場合がほとんどです。

床上浸水1mでは家財の損害額が100万〜300万円以上になることも珍しくありません。

財産への危険性②:車の全損

浸水した駐車場・道路に駐車していた車は「浸水によって全損になる」ことがあります。

エンジン・電子制御システムへの浸水は「修理費が車両価値を超える」ことが多く、全損扱いになります。

洪水・台風接近時は「車を高い場所・地下でない場所・水害リスクのない場所」に移動させることが重要です。

ただし「自動車の移動は洪水が切迫する前に完了させる」ことが前提です。洪水が始まった後の車の移動は命を危険にさらします。

財産への危険性③:重要書類・データの損失

洪水による「通帳・印鑑・保険証書・権利証・パスポート・マイナンバーカード」の紛失・損傷は、その後の生活再建に深刻な影響を与えます。

これらの書類の再発行には「時間・費用・各種手続き」が必要になります。

特に「パソコン・スマートフォンに保存された写真・データ」の損失は「金銭的には替えが効かない」大切な記録の永久喪失につながることもあります。

重要書類のコピー・写真・データは「クラウドストレージ(Google Drive・iCloudなど)にバックアップしておく」ことで洪水による損失リスクを大幅に下げることができます。

財産への危険性④:収入・仕事への影響

洪水は「個人の収入・事業」にも影響します。

自宅で仕事をしている方(テレワーク・自営業等)が洪水で家・設備が損傷した場合、「仕事ができない期間の収入減」という経済的打撃を受けます。

農業・水産業を営んでいる方は「洪水による農地・養殖場・設備の損傷」で事業継続が困難になるケースがあります。

2019年台風19号では「農作物の被害額が全国で約3,000億円」に達したと農林水産省が発表しています。

洪水の危険性が特に高い「場所・地形・状況」

「どんな場所・地形・状況で洪水の危険性が特に高いか」を理解することで、自分のリスクを正確に把握できます。

危険性が高い場所・地形

河川沿い・堤防付近の低地:外水氾濫・堤防決壊の直接影響を受けやすい。浸水速度が速い

ゼロメートル地帯(海抜ゼロメートル以下の地域):一度浸水すると自然排水できず、長期間(数日〜1週間以上)浸水が続くことがある。東京・大阪・名古屋の一部がこれに該当する

扇状地(かなじょうち)・後背湿地(こうはいしっち):河川が山地から平地に出る地点(扇状地)と、河川の天然堤防背後の低湿な土地(後背湿地)は「洪水水が集まりやすい・地盤が軟弱」な地形

山間部の谷沿い・急流河川沿い:短時間の豪雨で急激に水位が上昇する。土石流・鉄砲水のリスクが高い

都市部のアスファルト・コンクリート面積が多い地域:雨水が地中に浸透せず排水システムに集中するため、内水氾濫リスクが高い

地下空間(地下鉄・地下街・地下駐車場・建物の地下室):短時間で急速に水没するリスクがある。一度水が流れ込むと脱出が困難になる

危険性が特に高まる状況

    • 夜間・暗い状況:浸水深・流れ・危険箇所の視認が困難になる。足元の側溝・マンホール・段差が見えなくなる
    • 強風・嵐が同時発生している場合:台風では「洪水+強風+倒木・飛来物」の複合的な危険がある
    • 土砂災害との複合発生:急斜面に近い地域では「洪水と土砂崩れ・土石流が同時に発生する」複合災害のリスクがある
    • 停電が発生している場合:電灯・信号が消え、危険箇所への誘導機能が失われる。感電した電線・機器を目視で判断することが難しくなる
    • 下水道が満水の場合:排水管・トイレからの汚水逆流が起き、室内が汚染される

洪水の危険性が高まっている背景:気候変動と都市化

日本における洪水の危険性は「自然の地形的要因」だけでなく「気候変動・都市化という人為的要因」によっても高まっています。

背景①:気候変動による豪雨の増加・激化

政府広報オンラインによると「1時間降水量50mm以上の大雨の平均年間発生回数は、1976〜1985年の約226回から2013〜2022年の約328回へと約1.5倍に増加」しています。

「線状降水帯」は特に注目される気象現象です。

線状降水帯とは「積乱雲が帯状に次々と発生・発達して、同じ地域に長時間にわたって集中的な豪雨をもたらす現象」で、2024年・2025年と毎年被害が報告されています。

気象庁は「地球温暖化の進行に伴い、豪雨の発生頻度・降水量は今後さらに増加する見込み」としており、洪水の危険性は将来的に今以上に高まると予測されています。

背景②:都市化による雨水流出量の増加

日本防災支援機構の解説によると「都市化によるアスファルト・コンクリートなどの不透水面積の増加が、雨水の地中への浸透を妨げ、表面流出量を増加させている」とされています。

農地・森林が多かった昔は「雨水の多くが地中に浸透するか植物に吸収された」ため、河川への流入量は緩やかでした。

都市化が進んだ現代では「降った雨がほぼそのまま排水溝・河川に流れ込む」ため、同じ雨量でも「洪水発生リスクが格段に高くなっている」という現実があります。

背景③:老朽化する治水インフラ

日本の堤防・下水道・排水ポンプ等の治水インフラの多くは「高度経済成長期(1960〜1980年代)」に整備されました。

これらのインフラが「建設から40〜60年以上」経過し、老朽化が進んでいる一方で「維持管理・更新のための予算・人員が不足している」という問題があります。

また当時の設計基準は「現在の気候変動後の豪雨頻度・強度を想定していない」ため、「設計上の治水能力を超える豪雨」が発生しやすくなっています。

洪水の危険性から身を守るために今すぐできること

「洪水の危険性を理解する」ことは「適切な行動をとるための第一歩」です。理解を実際の防災行動につなげるために「今すぐできること」を整理します。

今日中に実践できること

  • ハザードマップポータルサイトで自宅の洪水リスクを確認する(https://disaportal.gsi.go.jp/):自宅の想定浸水深・浸水継続時間・避難場所を確認する。所要時間10〜15分
  • 気象庁の「洪水キキクル」をブックマークする(https://www.jma.go.jp/bosai/flood/):近くの河川の洪水危険度をリアルタイムで確認できる
  • スマートフォンにNHKニュース・防災アプリをインストールして通知設定をオンにする:洪水警報・避難情報をプッシュ通知で受け取れる
  • 市区町村の防災メール・防災SNSに登録する:地域の避難情報をいち早く受け取れる
  • 家族全員でハザードマップの内容・避難場所・避難ルートを口頭で共有する:「話し合い」だけでゼロ円・30分でできる重要な防災行動

今週中にやること

  • ライフジャケット(家族全員分)を購入・または購入計画を立てる
  • 大容量モバイルバッテリー(ソーラー充電対応)を準備する
  • 防災ラジオ(手回し充電・ソーラー対応)を準備する
  • 備蓄品(食料・飲料水)を2階以上・棚の上段に移動する
  • 重要書類(通帳・保険証書・権利証等)のデジタルコピーをクラウドに保存する
  • 家族でマイ・タイムライン(洪水発生時の行動計画)を作成する

台風・梅雨シーズン前(毎年5〜6月)にやること

  • 吸水土のう・水のう用ポリ袋を備蓄する
  • 排水口・雨どい・側溝の清掃・詰まりを確認・解消する
  • 防水テープ・排水口逆流防止プラグを購入・設置確認する
  • 車を洪水時に移動させる場所(高台・安全な駐車場)を事前に決める
  • 火災保険の証券を確認し、水災補償の有無・内容を確認する

「洪水の危険性を知る」ことが最大の防災

洪水は「日本全国どこでも・誰にでも起こりうる」身近な危険です。

「うちは大丈夫」という根拠のない思い込みが「逃げ遅れ・準備不足」につながり、命・健康・財産を失う原因になります。

この記事でご紹介した「洪水の危険性」の中で特に重要なポイントをまとめます。

  • 洪水は「外水氾濫・内水氾濫・高潮・土石流」という複数の種類があり、それぞれ危険の性質が異なる
  • 溺水・急流流出・低体温症・感電・アンダーパス水没など「命への危険」は多様で深刻
  • 床上浸水・倒壊・カビ・腐食・液状化など「建物への危険」は生活基盤を脅かす
  • 感染症(レプトスピラ症・破傷風等)・断水・メンタルヘルスなど「健康への危険」は洪水後も続く
  • 家財全損・車全損・重要書類損失など「財産・生活への危険」も甚大
  • 気候変動・都市化によって洪水の危険性は「今後さらに高まる」と予測されている

「洪水の危険性を正しく知り、正しく恐れる」ことが「洪水に強い家庭・地域をつくる」第一歩です。

今後も「洪水・水害から命と暮らしを守るための正確な情報」をお届けします。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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