熱中症の頭痛【2026年版】原因・特徴・対処法・市販薬の注意点・病院に行くべき症状を完全解説

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熱中症の頭痛【2026年版】原因・特徴・対処法・市販薬の注意点・病院に行くべき症状を完全解説

【この記事の要約】
熱中症の頭痛は、脱水による血液の粘度上昇・低ナトリウム血症による脳細胞の浮腫・体温上昇による脳血管の拡張・脳への血流不足が複合的に重なって起きます。熱中症による頭痛はⅡ度(中等症)以上のサインであり、Ⅰ度(めまい・こむら返り)から悪化している状態です。頭痛以外に吐き気・嘔吐・強い倦怠感・判断力の低下が伴う場合は中等症(Ⅱ度)が疑われます。意識障害・けいれん・呼びかけへの無反応が加わる場合は重症(Ⅲ度・熱射病)であり即座に119番通報が必要です。熱中症の頭痛への対処法は①即座に涼しい場所に移動する、②体を冷やす(首・脇の下・鼠径部に保冷剤)、③スポーツドリンク・経口補水液で水分と塩分を補給する、の3ステップです。市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン・イブプロフェン・アスピリン等)は熱中症の頭痛には原則として使用を控えることが推奨されます。理由は、これらの薬が熱中症の根本原因(脱水・体温調節の破綻)に対応しないうえ、胃腸・腎臓への負担を増大させるリスクがあるからです。30分以上たっても症状が改善しない・水が飲めない・吐き気が強い場合は医療機関への受診が必要です。

暑い日の外出後や屋外作業の後に強い頭痛を感じたとき、それが熱中症によるものかどうか判断に迷うことがあります。

頭痛薬を飲んで安静にすれば治るのか、それとも病院に行くべきなのか。

熱中症による頭痛は適切な対処が遅れると重症化・多臓器障害に至るリスクがあります。

一方で正しい対処法を知っていれば、多くのケースは自宅でも回復させることができます。

この記事では、熱中症による頭痛の原因・特徴・見分け方・応急処置・市販薬の注意点・医療機関受診が必要なタイミングを詳しく解説します。

【この記事の信頼性について】
本記事は環境省・厚生労働省・日本救急医学会・日本頭痛学会・消防庁の公式データ・ガイドラインをもとに作成しています。熱中症の診断・治療については必ず医師・医療機関にご相談ください。意識障害・呼びかけへの無反応・けいれんがある場合は即座に119番通報してください。本記事は医療的な診断を行うものではありません。

目次

熱中症と頭痛の関係:なぜ頭が痛くなるのか

熱中症で頭痛が起きる理由を理解するには、熱中症が体の中でどのような変化を引き起こすかを知る必要があります。

理由①:脱水による血液の粘度上昇と脳血流の変化

熱中症の主要な病態の一つが脱水です。

大量の発汗により体液(血液・細胞間液)の水分量が減少します。

血液中の水分が減ると、血液の粘度(ドロドロ度)が上昇します。

粘度が上がった血液は流れにくくなり、脳への血流が低下します。

脳は全身の臓器の中で最も大量の血流・酸素を必要とする臓器です。

脳血流が低下すると、頭痛が起きます。

脱水性の頭痛は特に頭全体が締め付けられるような痛み・頭重感として現れることが多いです。

理由②:低ナトリウム血症による脳細胞の浮腫

汗には水分だけでなく塩分(ナトリウム)も含まれています。

1Lの汗には約1〜2gの塩分が含まれており、大量発汗により血中ナトリウム濃度が低下します(低ナトリウム血症)。

さらに水だけを大量補給した場合には、血中ナトリウムがさらに希釈されます。

血中ナトリウム濃度が低下すると、浸透圧の変化により細胞外から細胞内に水が移動します。

脳細胞が水を吸い込んで腫れる(脳細胞浮腫)と、頭蓋骨という硬い容器の中で脳の体積が増加し、強い頭痛が起きます。

この低ナトリウム血症による頭痛は、水だけを大量補給することでむしろ悪化する可能性があります。

理由③:体温上昇による脳血管の拡張

体温が上昇すると、脳内の血管が拡張します。

脳血管が拡張すると血管壁の伸展受容器が刺激され、拍動性(ズキズキする)の頭痛が起きます。

このメカニズムは、片頭痛が血管の拡張によって起きるのと類似しています。

熱中症による頭痛がズキズキと拍動を感じるタイプである場合、体温上昇による血管拡張が主な原因であることが多いです。

理由④:脳への血流の再配分と相対的な血流不足

体温調節のために皮膚血管が拡張すると、全身の血液が皮膚近くに集まります。

同時に脱水による循環血液量の低下が重なると、脳への血液供給が相対的に不足します。

脳が必要とする酸素・ブドウ糖の供給が低下することで、頭痛・倦怠感・判断力の低下が起きます。

熱中症の頭痛の特徴:他の頭痛との見分け方

熱中症による頭痛には特徴的なパターンがあります。

偏頭痛・緊張型頭痛・くも膜下出血などとの違いを理解することで、熱中症かどうかの判断に役立てられます。

熱中症による頭痛の典型的な特徴

  • 発症のタイミング:高温・高湿度の環境での活動中・活動後に発症する。屋外での長時間の外出・スポーツ・作業後・炎天下での移動後に突然起きる
  • 痛みの性質:頭全体が締め付けられるような痛み(脱水性)またはズキズキと拍動を伴う痛み(血管拡張性)のいずれか、あるいは両方が混在する
  • 痛みの強さ:軽度〜中等度から始まり、対処が遅れると急速に強くなる傾向がある
  • 伴う症状:吐き気・嘔吐・強い倦怠感・顔の紅潮・大量の発汗(または発汗の停止)・めまいが同時に現れることが多い
  • 発熱との関係:体温が上昇していることが多い(38℃以上になる場合もある)
  • 改善・悪化の要因:涼しい場所に移動して水分・塩分補給を行うと改善することが多い。対処が遅れると悪化する

偏頭痛・緊張型頭痛との違い

項目 熱中症による頭痛 偏頭痛 緊張型頭痛
発症状況 高温・高湿度環境での活動中・直後 ストレス・睡眠不足・月経周期など。光・音・においで誘発されることも 長時間の同一姿勢・精神的ストレス・眼精疲労
痛みの部位 頭全体が多い 片側が多い(両側の場合もある) 頭全体・後頭部〜首
痛みの性質 締め付け感またはズキズキ 拍動性のズキズキ(中〜重度) 圧迫感・締め付け感(軽〜中等度)
吐き気・嘔吐 あることが多い あることが多い 少ない
発熱・体温上昇 あることが多い ない ない
改善法 涼しい場所・水分塩分補給で改善することが多い 暗い静かな場所での安静・偏頭痛薬 姿勢の改善・休息・軽いストレッチ・鎮痛薬

絶対に見逃してはいけない頭痛:くも膜下出血との違い

以下の特徴を持つ頭痛は熱中症ではなく、くも膜下出血・脳卒中などの脳血管疾患の可能性があります。

即座に119番通報してください。

  • 今まで経験したことがないほどの激しい頭痛が突然起きた(バットで殴られたような痛み)
  • 頭痛の後に急速に意識が低下した
  • 手足の麻痺・しびれ・ろれつが回らない症状が伴う
  • 視野が欠ける・二重に見えるなどの視覚異常が伴う
  • 首の後ろが非常に硬く痛い(髄膜炎・くも膜下出血の可能性)

これらの症状は熱中症では起きにくい症状です。

特に突然の激烈な頭痛は、命に関わる緊急疾患のサインである可能性が高いです。

熱中症の頭痛は何度(重症度)のサインか

熱中症の重症度は日本救急医学会の分類によりⅠ度(軽症)・Ⅱ度(中等症)・Ⅲ度(重症)の3段階に分けられています。

頭痛は主にⅡ度(中等症)以上のサインです。

Ⅰ度(軽症):頭痛はまだ出ていない段階

Ⅰ度の主な症状はめまい・立ちくらみ・筋肉のこむら返り・大量の発汗・気分の不快感です。

体温調節機能が限界に近づいているが、まだ重大な障害は起きていない段階です。

この段階で適切な対処(涼しい場所への移動・水分塩分補給)を行えば、多くの場合はⅡ度への移行を防げます。

Ⅰ度の症状を軽視して活動を続けると、Ⅱ度・Ⅲ度へと急速に悪化する可能性があります。

Ⅱ度(中等症):頭痛が現れる段階

Ⅱ度になると頭痛が主要な症状として現れます。

Ⅱ度の主な症状は以下の通りです。

  • 頭痛(持続的・拍動性・圧迫感など)
  • 吐き気・嘔吐
  • 強い倦怠感・虚脱感(体の力が抜ける感覚)
  • 集中力・判断力の低下(会話はできるがおかしな言動が増える)
  • 皮膚の紅潮・熱感
  • 体温の上昇(38℃程度になることがある)

Ⅱ度では自力での対処(水分塩分補給・体を冷やす)が可能な場合もありますが、水が飲めない・30分以上たっても症状が改善しない場合は医療機関への受診が必要です。

Ⅲ度(重症・熱射病):意識障害が加わる段階

Ⅲ度では頭痛に加えて以下の症状が現れます。

これらのいずれかが見られたら即座に119番通報してください。

  • 意識障害(呼びかけへの無反応・ぼーっとして返答できない・意識消失)
  • けいれん(体が震える・強直する)
  • 深部体温の急上昇(40℃以上)
  • まっすぐ歩けない(小脳・神経機能への障害)
  • 皮膚が灼熱状態で乾燥している(発汗が停止した状態)

Ⅲ度(熱射病)では多臓器障害が進行しており、救急医療による迅速な体温冷却・輸液治療が不可欠です。

熱中症の頭痛への対処法:3ステップ応急処置

頭痛が熱中症によるものと判断した場合の具体的な対処法を解説します。

STEP1:即座に涼しい場所に移動する

最初に行うべきことは、高温環境からの離脱です。

エアコンの効いた室内・日陰・クーリングシェルターに移動します。

自分で歩けない場合は、周囲の人に助けを求めて日陰に移動させてもらってください。

頭痛の原因が体温上昇・脱水であるため、まず熱の入力を止めることが最優先です。

移動後は横になり(できれば足をやや高くする)、安静を保ちます。

STEP2:体を積極的に冷やす

次に体を冷やして体温を下げます。

特に以下の3か所を重点的に冷やすことが効果的です。

  • 首(頸部):頸動脈(太い動脈)が皮膚表面近くを走っており、冷やすことで冷やされた血液が脳に届き、脳温度を効率よく下げられる
  • 脇の下(腋窩):腋窩動脈が皮膚表面近くを走っており、効率的な体温低下が期待できる
  • 鼠径部(太ももの付け根):大腿動脈が走っており、下半身の体温低下に効果的

保冷剤・氷・冷たいタオルをこれらの部位に当てます。

うちわ・扇風機・ハンディファンで体に風を当てることも体温低下に有効です。

体に水を軽くスプレーしてから扇風機で風を当てると、気化熱でより効率よく体表温度を下げられます。

STEP3:水分と塩分を補給する

水分・塩分補給が熱中症の頭痛の根本原因(脱水・低ナトリウム血症)に対応する対処法です。

水分補給の飲み物の選択は以下の通りです。

  • スポーツドリンク(イオン飲料):水分と塩分(ナトリウム)を同時に補給できる。熱中症時の水分補給に最も適した飲み物の一つ
  • 経口補水液(OS-1等):スポーツドリンクより塩分濃度が高く、中程度の脱水・熱中症の応急処置に特に適している
  • 塩水(水500mlに食塩0.5g程度):スポーツドリンクがない場合の代替。砂糖を加えると吸収効率が上がる
  • 水+塩飴・塩タブレット:水と塩分を別々に補給する方法。手元にスポーツドリンクがない場合に有効

飲む量と速度の目安は、一度に大量に飲まず少量(50〜100ml)をゆっくり飲み始め、吐き気がなければ徐々に増やすことです。

一度に大量に飲むと嘔吐する可能性があり、かえって脱水が悪化します。

吐き気が強くて水が飲めない状態の場合は、自己対処の限界を超えています。

医療機関に連れて行き、点滴による輸液治療を受けてください。

熱中症の頭痛に市販の頭痛薬(鎮痛薬)を飲んでよいか

熱中症による頭痛に、市販の解熱鎮痛薬(頭痛薬)を服用してよいかは多くの方が疑問に思う点です。

結論から言うと、熱中症による頭痛に市販の解熱鎮痛薬を使用することは原則として推奨されません。

なぜ市販の頭痛薬(解熱鎮痛薬)は熱中症に適さないのか

市販の主要な解熱鎮痛薬はアセトアミノフェン(カロナール・タイレノール等)・イブプロフェン(イブ等)・アスピリン・ロキソプロフェン(ロキソニンS等)の4種類です。

これらの薬が熱中症の頭痛に適さない主な理由は以下の通りです。

理由①:熱中症の根本原因に対応しない

市販の解熱鎮痛薬は頭痛の痛みを抑える・解熱させる作用を持ちます。

しかし熱中症による頭痛の根本原因は脱水・低ナトリウム血症・体温調節破綻です。

痛みを薬で抑えても、原因が解消されなければ熱中症は進行し続けます。

頭痛が薬で和らいだことで熱中症が治ったと誤解し、休息・水分補給・体の冷却が遅れるリスクがあります。

理由②:NSAIDs(イブプロフェン・アスピリン・ロキソプロフェン)は腎臓・胃腸への負担を増大させる

イブプロフェン・アスピリン・ロキソプロフェンはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれるグループです。

NSAIDsはプロスタグランジンの産生を抑制することで解熱・鎮痛作用を発揮しますが、同時に腎臓への血流を維持するプロスタグランジンの産生も抑制します。

熱中症では脱水・循環血液量の低下により腎臓への血流がすでに低下しています。

この状態でNSAIDsを服用すると、腎臓への血流がさらに低下し、急性腎障害のリスクが高まります。

また熱中症による吐き気・嘔吐がある状態でNSAIDsを服用すると、胃腸障害(胃粘膜のびらん・出血)のリスクも高まります。

理由③:アセトアミノフェンも熱中症時は慎重に

アセトアミノフェンはNSAIDsと異なり、腎臓・胃腸への直接的な負担が比較的少ない解熱鎮痛薬です。

しかし熱中症による重篤な脱水状態では、肝臓での代謝に必要なグルタチオンが枯渇しやすくなります。

この状態でアセトアミノフェンを大量服用すると、肝障害のリスクが高まる可能性があります。

また熱中症の頭痛に対してアセトアミノフェンが有効であることを示す医学的なエビデンスは十分ではありません。

市販薬に頼る前にすべきこと

熱中症の頭痛に薬を飲む前に、以下の基本対処を必ず先に行ってください。

  • 涼しい場所に移動してエアコンを稼働させる
  • 首・脇の下・鼠径部に保冷剤を当てて体温を下げる
  • スポーツドリンク・経口補水液・塩水で水分と塩分を補給する
  • 横になって安静を保つ

これらの対処を30〜60分継続し、頭痛が軽快してきたかどうかを確認してください。

基本対処で改善する見込みがある段階で市販の頭痛薬に頼ることは、必要性が低く、むしろリスクがあります。

どうしても市販薬を使う場合の注意点

熱中症の対処を十分に行った上でも頭痛が続き、どうしても鎮痛薬を使用したい場合は以下の点に注意してください。

  • NSAIDs(イブプロフェン・アスピリン・ロキソプロフェン)は熱中症時の使用をできる限り避ける
  • アセトアミノフェンを使用する場合は、十分な水分補給・体の冷却が先であることを確認した上で用量を守って服用する
  • 嘔吐がある・水が飲めない状態では薬の服用はリスクがある。この状態では病院での治療が必要
  • 薬を飲んで痛みが和らいでも、熱中症の対処(水分補給・体の冷却・安静)を継続する

病院に行くべきタイミング:見逃してはいけないサイン

以下の状態が一つでも当てはまる場合は、自己対処を続けるのではなく医療機関を受診してください。

即座に119番通報すべき症状(Ⅲ度・重症の疑い)

  • 呼びかけに反応しない・意識がない
  • 名前を呼んでも目を開けない・返答ができない
  • けいれん(体が震える・強直する)が起きている
  • まっすぐ歩けない・立てない
  • 皮膚が非常に熱く乾燥している(発汗が止まっている)
  • 体温が40℃以上になっている

医療機関への受診が必要な症状

  • 涼しい場所で水分補給・体の冷却を30分行っても頭痛が改善しない・悪化する
  • 吐き気・嘔吐が強く水が飲めない状態が続いている
  • 頭痛とともに強い倦怠感・虚脱感があり自力での行動が困難
  • 判断力・言動がおかしい(本人は気づかないことが多い。周囲の人が判断する)
  • 高齢者・乳幼児・妊婦・持病のある方で熱中症の症状が出ている(重症化リスクが高い)
  • 自宅にいる独居高齢者の家族が以上の症状のいずれかを電話で報告してきた場合

症状の改善が見られる場合でも翌日受診を推奨する状況

  • 意識はあったが一時的にぼーっとした・記憶があいまいな時間帯があった
  • 大量の嘔吐があり翌日も食欲がない・倦怠感が強い
  • 腎臓・心臓・肝臓などの基礎疾患がある方が熱中症症状を経験した場合(臓器へのダメージを確認するための血液検査が必要なことがある)

熱中症の頭痛を繰り返さないための予防策

熱中症による頭痛を経験した方が、再発させないために実践すべき予防策を解説します。

日常的な水分補給習慣

熱中症の頭痛の最大の原因の一つが脱水です。

脱水を予防するためには、のどが渇く前に定期的に水分を補給する習慣が不可欠です。

  • 起床直後にコップ1杯(200ml)の水を飲む(就寝中の発汗で失われた水分を補給する)
  • 外出前にコップ1〜2杯の水分を補給する
  • 活動中は1〜1.5時間に1回・コップ1杯(200ml)を目安に補給する
  • 就寝前にコップ1杯の水分を補給する(夜間の発汗に備える)
  • 1日の合計水分摂取量の目安は成人で食事から補う分も含めて2L程度

室内環境の温度・湿度管理

熱中症による頭痛の多くは自宅屋内でも発生します。

環境省は室温28℃以下・湿度70%以下を熱中症予防の目安として推奨しています。

居室に温湿度計を設置し、室温28℃を超えたらためらわずにエアコンを稼働させてください。

エアコンのフィルターは夏前に清掃・試運転を行い、正常に稼働することを確認してください。

外出時の工夫

外出時の熱中症予防のポイントは以下の通りです。

  • 出発前に十分な水分補給を行う
  • 帽子・日傘で直射日光を遮る
  • 通気性・吸汗速乾性のある服装を選ぶ
  • 日中(10〜16時)の不要な外出を控える
  • 外出先でもこまめに日陰・エアコンの効いた施設で休憩を取る
  • スポーツドリンク・経口補水液・塩飴を携帯する

暑さ指数(WBGT)と熱中症警戒アラートの確認

毎朝、環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)または気象アプリで、その日のWBGT予測値と熱中症警戒アラートの発令状況を確認する習慣をつけてください。

WBGT28℃以上(厳重警戒水準)と予測される日は、外出計画・水分補給の強化を事前に準備します。

WBGT31℃以上(危険水準)と予測される日は、屋外での激しい活動を中止・制限することを原則とします。

暑熱順化:体を段階的に暑さに慣らす

暑熱順化は熱中症リスクを下げる最も根本的な予防策の一つです。

梅雨明け前の6月から段階的に屋外での活動時間を増やし、体を暑い環境に慣らしておくことで、梅雨明け後の急激な高温に対応できる体温調節能力を高めることができます。

暑熱順化には通常2週間程度かかります。

WBGT25℃以下の時間帯(早朝・夕方)に1日20〜30分のウォーキングから始め、徐々に時間と強度を増やしていくことが安全な順化プログラムです。

体調不良・睡眠不足・飲酒翌日には暑熱順化の運動を中止してください。

高齢者・子どもの熱中症頭痛への特別な注意

高齢者の場合:頭痛を訴えない重症化に注意

高齢者は加齢による体温調節能力の低下・口渇感の低下・熱さを感じるセンサーの感度低下により、重症化するまで自覚症状を訴えないことがあります。

頭痛を訴えないまま意識が低下していた・ぐったりしていたというケースが高齢者の熱中症では多く見られます。

家族・介護者は以下の変化を注意深く観察してください。

  • いつもより反応が遅い・返答がかみ合わない
  • 食欲がない・水分を飲もうとしない
  • 顔が赤く皮膚が熱い
  • 室温が高いのにエアコンをつけていない
  • ぐったりして動きたがらない

これらの変化がWBGT高値・熱中症警戒アラート発令日に観察された場合は、熱中症の可能性を疑い早急に対処・受診を検討してください。

子どもの場合:自分で頭痛を伝えられない年齢への対応

乳幼児・幼稚園児は頭痛を言葉で正確に伝えることが難しいです。

以下のサインを熱中症の頭痛・体調不良の間接的なサインとして観察してください。

  • いつもより泣き止まない・グズる(乳児)
  • 顔が赤く熱い・ぐったりしている
  • 水分を欲しがらない・飲もうとしない
  • 遊ぶ意欲がなく横になりたがる
  • 目がうつろ・焦点が定まらない

屋外での活動・外出後にこれらの変化が見られた場合は、速やかに涼しい場所に移動させ、水分補給・体の冷却を行い、改善しない場合は医療機関を受診してください。

熱中症の頭痛に関するよくある疑問:Q&A

Q. 熱中症の頭痛はどのくらいで治りますか?

Ⅱ度(中等症)の頭痛であれば、適切な対処(涼しい場所への移動・水分塩分補給・体を冷やす)を30〜60分継続することで軽快し始めることが多いです。

2〜3時間の安静・水分補給で大幅に改善するケースがほとんどです。

ただし30分以上対処しても改善しない・悪化する場合は医療機関への受診が必要です。

Ⅲ度(重症・熱射病)の頭痛は自己対処では対応できないため、即座に119番通報してください。

Q. 熱中症の頭痛後に翌日も頭が痛い場合はどうすればよいですか?

翌日も頭痛・倦怠感が続く場合は、脱水の回復が不十分・または熱中症による臓器への負担が続いている可能性があります。

翌日の頭痛が続く場合は医療機関(内科・救急外来)を受診し、血液検査(腎機能・肝機能・電解質)を受けることを推奨します。

特に高齢者・持病のある方は翌日も症状が残る場合は必ず受診してください。

Q. 熱中症の頭痛と日射病の頭痛は違いますか?

日射病は医学的には熱中症の一種(主に直射日光に当たることで起きる熱中症)として扱われています。

現在の医学・救急医療の分類では、日射病・熱射病・熱けいれん・熱疲労はすべて熱中症(Ⅰ〜Ⅲ度)として統一して分類されています。

日射病か熱中症かで対処法が変わるわけではなく、共通の3ステップ(涼しい場所への移動・体を冷やす・水分塩分補給)で対処してください。

Q. 冷房の効いた部屋にいるのに頭痛がします。熱中症の可能性はありますか?

可能性はあります。

屋外での活動後にエアコンの効いた室内に戻った場合でも、それまでに進行した脱水・低ナトリウム血症の影響で頭痛が続くことがあります。

涼しい室内に入ってからも十分な水分・塩分補給を行い、安静を保つことが必要です。

また冷房が効いているように見えても、室温計で実際に28℃以下になっているかを確認してください。

エアコンのフィルターが詰まっている・室温設定が高すぎるなどで、思ったより室温が下がっていないケースがあります。

まとめ:熱中症の頭痛は重要なシグナル。正しく対処して命を守る

熱中症による頭痛は、脱水・低ナトリウム血症・体温上昇という複合的な原因によって起きます。

頭痛が熱中症のサインであることを理解し、薬で痛みを抑えることよりも根本原因への対処(冷却・水分塩分補給)を優先することが重要です。

対処の3原則を改めて確認します。

  • まず涼しい場所に移動する:エアコンの効いた室内・日陰・クーリングシェルターへ
  • 体を冷やす:首・脇の下・鼠径部に保冷剤を当てる。扇風機・ハンディファンで風を当てる
  • 水分・塩分を補給する:スポーツドリンク・経口補水液を少しずつ飲む

30分の対処で改善しない・水が飲めない・意識がおかしい場合は医療機関・119番通報に切り替えてください。

市販の解熱鎮痛薬(特にNSAIDs)は熱中症時の使用は推奨されません。

熱中症の頭痛は適切な対処で回復できる症状です。

正しい知識を持ち、躊躇せず行動することが命を守る最短の道です。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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