地震と魚の大量死の関係を徹底解説|なぜ地震前後に魚が死ぬ・打ち上げられるのか?科学的メカニズムと事例【2026年最新版】

・当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天市場・各種ASP)およびGoogleアドセンスを利用しています。
・記事内リンク経由でご購入いただいた場合、サイト運営者に紹介料が発生することがあります。
・掲載内容は収益に左右されず、実際に試した情報・公的機関の情報をもとに作成しています。

Amazonプライムデー、まもなく開催!

Amazonセールもチェック
Amazonをチェックする ▶

地震と魚の大量死の関係を徹底解説|なぜ地震前後に魚が死ぬ・打ち上げられるのか?科学的メカニズムと事例【2026年最新版】

「地震の前に魚が大量に海岸に打ち上げられた」

「地震の後、川や海の魚が大量死した」

「深海魚が打ち上げられると地震が来る、というのは本当?」

こうしたニュース・情報をSNSやニュースで目にしたことがある方は多いでしょう。

日本は世界でも有数の地震大国です。

気象庁の統計によると、日本では年間約2,000回前後の有感地震が発生しています。

それだけ地震が多い国だからこそ「地震と魚の大量死・打ち上げ」という現象への関心は高く、両者の関係についての疑問は絶えません。

この記事では「地震が魚に与える影響・魚の大量死との関係」について、気象庁・水産庁・国土地理院・農林水産省・海洋研究開発機構(JAMSTEC)・各大学の研究論文・学術知見をもとに、科学的・客観的に解説します。

「地震前兆としての魚の異常行動」という俗説についても、現時点の科学的な見解を正直に提示します。

  • 地震が魚の大量死を引き起こすメカニズム(科学的解説)
  • 地震による海底地殻変動と海洋環境の変化
  • 地震後の水質変化・溶存酸素低下が魚に与える影響
  • 地震と深海魚の打ち上げ:科学的に何がわかっているか
  • 「地震前兆としての魚の異常行動」の科学的見解
  • 地震と魚の大量死に関する主な事例
  • 地震後の水産業・漁業への影響
  • 地震と魚の関係から学ぶ防災の視点

【情報の出典について】
本記事は気象庁「地震・津波の解説」・水産庁「水産資源・漁業被害に関する資料」・国土地理院「地殻変動データ」・海洋研究開発機構(JAMSTEC)「海底環境調査」・農林水産省「水産業における災害対策」・東京大学地震研究所・京都大学防災研究所・国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の研究資料等をもとに作成しています。防災ベース編集部が内容をわかりやすく解説しました。

目次

「地震と魚の大量死」の関係:まず全体像を理解する

「地震と魚の大量死」の関係を理解するためには、まず「地震がどのように海洋・河川環境に影響を与えるか」という全体像を把握することが重要です。

地震が魚に与える影響は「1つのメカニズム」だけで説明できるものではありません。

複数の異なるメカニズムが「地震の規模・場所・地形・水深・地質条件」によって異なる形で組み合わさります。

現在、科学的に検証されている「地震が魚・水生生物に影響を与えるメカニズム」は主に以下の通りです。

  • 海底・河床の地殻変動による物理的衝撃:地震の振動が直接水中・水底に伝わる
  • 海底・地中からの有毒ガス・硫化水素・メタンの湧出:地殻変動によって海底・地底に蓄積されたガスが噴出する
  • 溶存酸素(DO)の急激な低下:地殻変動・海底の撹乱によって水中の酸素濃度が下がる
  • 水温・塩分濃度の急変:地熱活動・海底温水湧出・海水の混合によって水温・塩分が変化する
  • 津波・海底地滑りによる水流・水圧の急変:津波の水圧・急流が魚の浮袋・内臓を損傷させる
  • 土砂崩れ・地滑りによる河川・湖沼の水質汚染:陸上の土砂が河川・湖沼に大量流入して水質が急変する
  • 電磁気的異常(仮説段階):地震前後の地殻応力変化によって発生する電磁気異常が魚の行動に影響する可能性

これらのメカニズムを一つずつ詳しく解説していきます。

地震による海底・地殻変動が魚に与える直接的な物理的影響

大きな地震が発生すると「地震波(P波・S波・表面波)」が地盤だけでなく海水・河川水中にも伝わります。

水中を伝わる地震波の衝撃

地震波は「岩盤・地盤・水」の順に伝わります。

水は「非圧縮性が高い流体」であるため、地震波のエネルギーは水中を非常に効率よく伝達します。

特に「海底直下を震源とする直下型地震・海溝型地震」では、海底から直接海水に強烈な圧力波が伝わります。

この水中圧力波(水中衝撃波)が「魚の浮き袋・内耳・側線器官」に物理的なダメージを与えます。

魚の浮き袋は「水圧の変化に応じてガスを調整し、水中での浮力をコントロールする器官」です。

急激な水圧変動が生じると「浮き袋が破裂・損傷する」ことがあります。

浮き袋が損傷した魚は「正常に浮力をコントロールできなくなり、水面に浮かんでくる・海岸に打ち上げられる」状態になります。

また魚の「側線器官(水流・振動・圧力変化を感知する器官)」に過剰な刺激が与えられることで「神経・感覚器官へのダメージ」が生じる可能性も指摘されています。

海底地滑り・海底崩壊による水流変化

大規模な海底地震は「海底の地滑り・崩壊」を引き起こすことがあります。

海底地滑りは「大量の堆積物・土砂が一気に移動する」現象で、その際に「濁流・急激な水流・水圧変化」が発生します。

この濁流・急水流は「海底・海中の魚・底生生物を押し流す・圧死させる」直接的な被害を与えます。

また海底地滑りによって「海底の嫌気性(無酸素)堆積物が撹乱されると、硫化水素などの有毒ガスが大量に溶け出す」という二次的な影響も生じます。

地震後の海底ガス噴出・有毒物質溶出による魚の大量死

地震が魚の大量死を引き起こすメカニズムの中で「最も直接的・広域的な影響」を与えることがあるのが「海底・地底からの有毒ガス・有害物質の湧出」です。

硫化水素(H₂S)の噴出

海底・湖底の深い堆積物の中には「嫌気性細菌が有機物を分解して生成した硫化水素(H₂S)」が大量に蓄積されていることがあります。

通常はこの硫化水素は「深い堆積物の中に閉じ込められて表層には出てこない」状態です。

しかし地震によって「海底・湖底の地盤が変動・撹乱される」と、この硫化水素が大量に水中に溶け出します。

硫化水素は「強い毒性を持つ有毒ガス」で、水中の濃度が高まると「魚・甲殻類・貝類など水生生物が窒息・中毒死する」という深刻な影響を与えます。

硫化水素は「卵の腐ったような臭い(腐卵臭)」が特徴です。

地震後に海岸・河岸に「腐卵臭とともに大量の死んだ魚が打ち上げられた」という事例では、硫化水素の噴出が原因のひとつとして疑われます。

メタンガスの噴出

海底には「メタンハイドレート(固体状のメタンガス)」や「生物分解由来のメタンガス」が蓄積している地点が多数存在します。

地震によってこのメタンガスが大量に噴出すると「水中の酸素が消費される・水中の化学的組成が急変する」ことで魚類に影響を与えます。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査では「海底地震活動が活発な地域でメタン湧出量が増加する」という知見が報告されています。

地熱活動の活発化による熱水噴出

地震は「海底火山・地熱活動」を活発化させることがあります。

海底から噴出する「熱水(高温・高pH・重金属を含む)」は、局所的に水温・水質を急変させます。

この急激な水温・水質変化が「その海域に生息する魚・生物の大量死」を引き起こすことがあります。

伊豆・小笠原海域など「海底火山が多い地域」では、地震後の熱水噴出による魚の異常・大量死事例が過去に報告されています。

地震後の溶存酸素低下と水質変化が魚に与える影響

地震後の「水質変化・溶存酸素の急激な低下」は、魚の大量死の重要な原因のひとつです。

溶存酸素(DO)とは何か

溶存酸素(DO:Dissolved Oxygen)とは「水中に溶け込んでいる酸素の量」のことです。

魚はエラで水中の溶存酸素を取り込んで呼吸しています。

溶存酸素が低下すると「魚が呼吸困難になり、死亡する」という事態が生じます。

水産庁の基準では「溶存酸素が5mg/L以下になると魚類への影響が現れ始め、2mg/L以下では大量死が起きうる」とされています。

地震による溶存酸素低下のメカニズム

地震が溶存酸素を低下させるメカニズムは複数あります。

  • 海底・湖底の撹乱による有機物の巻き上がり:堆積有機物が水中に巻き上がり、その分解(酸化)に酸素が消費されて溶存酸素が低下する
  • 硫化水素・メタンの溶出:これらのガスが水中に溶け込むと溶存酸素と反応して消費される
  • 水温上昇:地熱活動の活発化・熱水噴出によって水温が上昇すると、水の酸素溶解度が低下して溶存酸素が減少する
  • 水の成層構造の崩壊:地震動によって水の成層構造(上層と下層で水質・温度が異なる状態)が崩れ、深層の低酸素水が表層に湧き上がる「湧昇」が起きる場合がある

土砂流入による河川・湖沼の水質急変

地震に伴う土砂崩れ・地滑りが河川・湖沼に大量の土砂を流入させると「水の濁度上昇・pH変化・溶存酸素低下・重金属の溶出」などによって水質が急変します。

この「土砂流入による水質急変」は内陸部の河川・湖沼での魚の大量死の主要原因のひとつです。

2004年の新潟県中越地震では、地震に伴う土砂崩れによって河川に大量の土砂が流入し、アユをはじめとする魚類の大量死が確認されました(新潟県水産局調査)。

2011年の東日本大震災でも、津波・地盤変動の影響で一部河川・湖沼の水質が急変して魚類への影響が確認されました(水産庁資料)。

津波が魚に与える影響

大きな海底地震が発生すると「津波」が発生することがあります。

津波は「魚に対しても直接的な影響」を与えます。

津波の水流・水圧変化による魚への影響

津波は「波長が非常に長く(数十〜数百km)・水深全体にわたる水の動き」です。

これは通常の波が「表層の水のみが動く」のと根本的に異なります。

津波の接近時には「海岸付近の水が沖に引かれる(引き波)」という現象が起きます。

この引き波に伴う「急激な水位低下・水圧変化・流速変化」が魚の浮き袋・内耳に物理的ダメージを与える可能性があります。

津波による陸上水域への海水・淡水の混合

津波が沿岸部を遡上すると「海水が河川・湖沼・池に大量流入する」という現象が起きます。

淡水魚は「急激な塩分濃度の上昇(浸透圧ショック)」によって短時間で大量死することがあります。

東日本大震災後の宮城県・岩手県の沿岸河川・海岸沼では「津波による海水流入で淡水魚が大量死した」という事例が複数報告されています。

逆に「海水魚が津波遡上で河川の淡水域に迷い込む」という事例も発生しました。

地震と深海魚の大量打ち上げ:科学的に何がわかっているか

地震と深海魚の打ち上げは「地震前兆現象」として広くメディアで取り上げられます。

代表的な深海魚は「リュウグウノツカイ(竜宮の使い)」です。

「リュウグウノツカイが打ち上げられると地震が来る」という俗信は日本で広く知られています。

ここでは現時点での科学的な見解を正確に解説します。

リュウグウノツカイとは何か

リュウグウノツカイ(学名:Regalecus glesne)はアカマンボウ目リュウグウノツカイ科の深海魚です。

水深200〜1000m程度の深海に生息し、全長は最大で8〜10m以上に達します。

「銀色の体・長い背びれ・特徴的な赤い腹びれ」が特徴で、古来「龍宮の使い(海の使者)」として恐れられました。

普段は深海に生息しているため「海岸に打ち上げられる」こと自体が「なんらかの異常な出来事があった」として注目されます。

深海魚が打ち上げられる「通常の原因」

深海魚が海岸に打ち上げられる原因として、現在の海洋学では以下の「通常の自然現象」が主要な説明として支持されています。

  • 病気・老衰・寄生虫感染による衰弱:深海魚も人間と同様に老衰・疾病・寄生虫感染によって死亡する。衰弱した個体が浮力を失って浅海・海岸に漂着する
  • 嵐・荒天による水流変化:大型台風・嵐の際に深海の水流が変化して、深海魚が浅海に押し上げられる場合がある
  • 冬季の深層水の湧昇:冬季は海面が冷却されて重い水が沈み、代わりに深層水が湧き上がる「湧昇」が起きることがある。この際に深海魚が浅海に運ばれる場合がある
  • 捕食から逃げた結果の迷い込み:大型捕食動物(クジラ・マグロ等)から逃げて浅海に迷い込んだ深海魚が、水圧の急変で浮き袋が損傷して死亡・漂着する場合がある

「深海魚打ち上げと地震の関係」の科学的見解

「深海魚の打ち上げが地震の前兆である」という説については、現時点では「科学的な有意な相関関係は証明されていない」というのが国際的な科学界の見解です。

この問題を最も体系的に研究したのが「2019年に東京大学大気海洋研究所等の研究チームが発表した研究」です。

この研究では「1928〜2011年の間に日本に打ち上げられた深海魚336件と周辺地域の地震活動」を統計的に解析しました。

結果として「深海魚の打ち上げと地震(特にM6.0以上)の発生の間に、統計的に有意な相関関係は認められなかった」と結論付けられています(Oike et al., 2019, Bulletin of the Seismological Society of America)。

この研究は「深海魚の打ち上げが地震の予知に使えるかどうか」という問いに対して「現時点の科学では使えないと判断すべき」という科学的根拠を提供しています。

ただし研究者の中には「地震前の地殻応力変化によって生じる微弱な電磁気異常・地下水の変化・海底地盤の微妙な変動が、感覚器官が鋭敏な深海魚の行動に影響する可能性は否定できない」という意見もあります。

この「前兆現象としての可能性」は「仮説の段階」であり「証明された科学的事実ではない」という点を正確に理解してください。

「地震前兆としての魚の異常行動」の科学的見解

「地震の前に魚や動物が異常行動をとる」という話は世界中で古くから伝えられています。

「ナマズが地震前に暴れる」「金魚が狂ったように泳ぐ」「魚が一斉に海岸に打ち上げられる」などの話が日本でも広く知られています。

これらの「動物前兆行動(earthquake precursor behavior)」について、現時点の科学的な状況を解説します。

動物が地震前に異常行動を示す可能性のある理由(仮説)

動物が地震を事前に感知できる可能性として、研究者が検討している仮説は以下の通りです。

  • P波(初期微動)の感知:地震の本格的な揺れ(S波)が来る前に届く「P波(初期微動)」を動物が人間より先に感知するという説。ただしP波が届くのは地震発生の数秒〜数十秒前であり「地震予知」にはならない
  • 電磁気異常の感知:地震前に地殻の歪みが増加することで「微弱な電磁気異常(地磁気変動・電場変化)」が発生し、これを「電気感覚・磁気感覚を持つ魚(エイ・サメ・ナマズ等)」が感知するという説
  • 地下水の化学的変化の感知:地震前に地下水の溶存ガス・イオン濃度・ラドン濃度が変化することを、側線・化学感覚が鋭敏な魚が感知するという説
  • 地殻応力変化による低周波音波・超低周波音波の発生:地震前の地殻変動が人間には聞こえない低周波音波を発生させ、これを感知する動物が行動変化を示すという説

科学的に証明されているか?

これらの仮説については「証明された科学的事実ではない」という点を明確にします。

動物前兆行動の研究は世界中で進められていますが「動物の異常行動から地震を予知できる」という再現性のある科学的証拠は、現時点では確立されていません。

この問題を研究した「米国地質調査所(USGS)」の公式見解では「動物行動による地震予知の科学的証拠は現在のところ不十分」とされています。

また日本の気象庁も「地震の前兆として動物の異常行動を用いた信頼性の高い予知手法は確立されていない」という立場をとっています。

一方で「動物の異常行動が地震と全く関係ない」とも断言できません。

現在も東京大学地震研究所・京都大学防災研究所・産業技術総合研究所(産総研)などで継続的な研究が進められています。

⚠️ SNSの「地震前兆情報」に注意
SNS上では「深海魚が打ち上げられた・ナマズが暴れた→大地震が来る」という投稿が定期的に拡散されます。
現時点の科学では「動物の行動から地震を予知できる」という証拠は確立されていません。
こうした情報を「地震の確実な前兆」として受け取ることは「根拠のない恐怖・誤った安心感・パニック行動」につながるリスクがあります。
気象庁の公式情報・緊急地震速報を軸にした防災行動をとることが重要です。

地震と魚の大量死に関する主な事例

「地震と魚の大量死・打ち上げ」に関して記録されている主な事例を紹介します。

「地震の影響であることが科学的に確認・または強く示唆された事例」と「原因が不明・多因子が関係する事例」を区別して提示します。

2011年東日本大震災後の魚類への影響

2011年3月11日に発生したマグニチュード9.0の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は、日本の観測史上最大規模の地震です。

この地震・津波は魚類・水産業に甚大な影響を与えました。

  • 津波による沿岸漁場の壊滅的な破壊(岩手・宮城・福島の漁港・養殖施設の大規模被害)
  • 津波の海水流入による沿岸河川への塩水浸入、淡水魚への影響
  • 地盤沈下による沿岸漁場の水深変化・海底環境の変化
  • 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の海洋への影響(これは地震・津波の二次的影響)

水産庁の報告では「東日本大震災後の三陸沖・福島沖の水産資源への影響」が継続的にモニタリングされています。

2004年新潟県中越地震後の内陸河川での魚類被害

2004年10月に発生したマグニチュード6.8の新潟県中越地震では「地震に伴う土砂崩れによって大量の土砂が信濃川水系に流入」しました。

この土砂流入によって河川水の濁度が急上昇・溶存酸素が低下し「アユをはじめとする河川魚が大量死した」ことが新潟県水産局の調査で確認されています。

特に魚野川・信濃川の支流では「土砂崩れ直後から数日間にわたって大量の死魚が流れ下った」という記録が残っています。

2016年熊本地震後の阿蘇地域の河川での魚類被害

2016年4月に発生したマグニチュード7.3の熊本地震(本震)では「阿蘇地域での大規模な地滑り・土砂崩れ」が発生しました。

この土砂崩れによって「大量の土砂が白川・黒川などの阿蘇の河川に流入し、河川水の濁度上昇・水質急変が生じた」ことが報告されています。

熊本県農林水産部の調査では「地震後に阿蘇地域の河川でヤマメ・アユなどの魚類への影響が確認された」とされています。

能登半島地震(2024年1月)後の漁業への影響

2024年1月1日に発生したマグニチュード7.6の令和6年能登半島地震では「能登半島北部の海底地形・沿岸地形が大きく変動した」ことが国土地理院・海上保安庁の調査で確認されました。

能登半島の一部では「地盤が最大で4m以上隆起した」という記録的な地盤変動が確認されました。

この地盤隆起によって「海底が露出する・従来の漁場の水深が大幅に変化する」という漁業環境への深刻な影響が生じました。

水産庁の調査では「能登半島地震後、石川県の一部漁場で漁獲量の変化・魚種の変化」が確認されており、地震による海底地形変化が漁業資源にも影響している可能性が指摘されています。

世界の事例:チリ地震後の魚類大量死

2010年2月にチリで発生したマグニチュード8.8の地震後、チリ沿岸部では「大量のイワシ・アジ・その他の魚類が海岸に打ち上げられた」という事例が報告されています。

研究者らは「地震による海底の撹乱・溶存酸素の低下・水質変化」が複合的に作用した可能性を指摘しています。

また「地震の振動による魚の群れの方向感覚の混乱」という説も提唱されています。

地震後の水産業・漁業への影響

地震が魚に与える影響は「魚そのもの」だけでなく「水産業・漁業」全体に波及します。

この点についても整理します。

漁港・養殖施設の物理的被害

大規模地震・津波は「漁港・養殖施設・漁船・漁具」に壊滅的な物理的被害を与えます。

東日本大震災では「東北3県の水産業に約8,000億円規模の被害が生じた」と水産庁が報告しています。

漁港の修復・養殖施設の再建には「数年〜10年単位の時間と多大なコスト」がかかります。

海底地形の変化による漁場の変容

大規模地震による「海底の地形変化・隆起・沈降」は「従来の漁場の場所・水深・底質を大きく変える」ことがあります。

魚は「水温・水深・底質・餌の分布」に応じて生息場所を選ぶため、海底地形が変わると「従来の漁場から魚が移動する・魚種が変わる」という影響が生じます。

能登半島地震後の石川県の調査では「地盤隆起によって従来の浅場漁場が著しく変化した」という報告が出ています。

水質汚染による養殖魚・貝類への影響

地震による「土砂崩れ・津波・ライフライン破壊(浄化槽・下水道の損壊)」は河川・沿岸水域の水質汚染を引き起こすことがあります。

汚染された水質は「養殖魚・カキ・ホタテ・ウニ・アワビなどの貝類・藻類」に深刻な影響を与えます。

養殖魚・貝類は「野生の魚と異なり、一定の場所から移動できない」ため、水質悪化の影響をより大きく受けます。

農林水産省では「大規模地震後の養殖漁場の水質モニタリング」を実施して被害状況の把握と支援を行っています。

地震と魚の関係から学ぶ防災の視点

「地震が魚に与える影響」を理解することは、私たち人間の防災にどう活かせるでしょうか。

「深海魚の打ち上げ」情報は地震予知に使えないが、ハザード認識には役立つ

前述の通り「深海魚の打ち上げが地震の確実な前兆」という科学的証拠はありません。

しかし「海洋環境の変化・異常な自然現象」に目を向ける習慣は「自分の地域のリスクを意識し続ける」という防災意識の維持に役立ちます。

「深海魚が打ち上げられたから地震が来る」という短絡的な解釈ではなく「この地域は地震リスクが高い・防災対策を見直す機会だ」という判断材料として活用することが賢明です。

地震後の河川・海岸への立ち入りには注意が必要

地震後は「河川・海岸・湖沼での魚の大量死」が起きる可能性があります。

「死んだ魚を素手で触る・腐敗した魚が浮いた水に入る」ことで「細菌・ウイルス・有害物質への接触リスク」が高まります。

地震後に河川・海岸で大量の死魚を発見した場合は「素手で触らない・近くで泳がない・その水を飲まない」という対応をとってください。

また地震後に「腐卵臭がする海・川」には「硫化水素が溶出している可能性がある」ため、近づかないことが安全です。

地震後の魚・水産物の安全性確認

大規模地震後は「地震の影響を受けた地域の魚・水産物の安全性」について、農林水産省・水産庁・各都道府県の水産部局が安全検査・モニタリングを実施します。

地震後に購入する水産物については「公的機関の安全確認情報」を確認してください。

東日本大震災後の水産物については「厚生労働省・水産庁が継続的にモニタリング検査を実施し、結果を公表している」ことが参考になります。

漁業・水産業の防災・事業継続計画(BCP)の重要性

漁業・水産業に携わる方・水産物に依存する食品産業・流通業の方にとって「地震が水産業に与える影響」を事前に理解してBCP(事業継続計画)を策定しておくことが重要です。

農林水産省では「水産業の防災・事業継続計画の策定ガイドライン」を公開しています。

「地震発生後に漁場・養殖施設の被害状況を速やかに確認する手順」「被害が生じた場合の代替調達ルート」などを事前に準備しておきましょう。

まとめ:地震と魚の関係を正しく理解する

この記事では「地震が魚・水生生物に与える影響・魚の大量死との関係」について、科学的な観点から解説してきました。

重要なポイントをまとめます。

  • 地震は複数のメカニズムで魚に影響を与える:物理的衝撃(水中圧力波)・有毒ガス噴出(硫化水素・メタン)・溶存酸素低下・水温変化・土砂流入による水質変化・津波による水流・水圧変化など、複数のメカニズムが複合して作用する
  • 実際に地震後の魚の大量死・漁業被害は多数記録されている:2004年新潟県中越地震・2011年東日本大震災・2016年熊本地震・2024年能登半島地震などで、科学的調査によって地震との関連が確認された魚類被害が記録されている
  • 「深海魚打ち上げ=地震前兆」は科学的に証明されていない:2019年の東京大学研究では「深海魚打ち上げと地震発生の有意な相関は認められなかった」と結論付けられている。「動物前兆行動」についても現時点では科学的根拠が不十分
  • SNSの「地震前兆情報」は慎重に扱う:科学的根拠のない前兆情報による過剰反応・パニックより、気象庁の公式情報に基づいた防災行動が重要
  • 地震後の河川・海岸への立ち入りには危険がある:硫化水素噴出・水質汚染・細菌感染リスクを認識して、死魚が多い水域への不用意な接触を避ける

「地震と魚の関係」という自然現象を正しく理解することは「自然の複雑さへの敬意」と「科学的思考による冷静な判断」の両方を鍛える機会になります。

正確な情報を持つことが「根拠のない恐怖やデマに惑わされない」防災の基盤です。

防災ベースでは今後も「防災・アウトドア・キャンプ・サバイバルに役立つ正確な情報」をお届けします。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

Amazonプライムデー、まもなく開催!

Amazonセールもチェック Amazonをチェックする ▶

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

コメント

コメントする

目次