防災士試験の過去問【2026年版】出題傾向・頻出問題・合格のための勉強法を完全解説
【この記事の要約】
防災士資格取得試験は3択式30問で、24問以上正解で合格(合格率約90%)という比較的合格しやすい試験です。ただし日本防災士機構は過去問を公開しておらず、試験問題の持ち帰りも不可であるため、市販の問題集・受験者の口コミ・ブログ情報をもとに傾向を把握することが対策の中心になります。出題範囲は防災士教本(日本防災士機構発行)の全範囲で、頻出テーマは①地震・津波の基礎知識(マグニチュード・震度・南海トラフ等)、②気象災害・水害(線状降水帯・避難情報の種別)、③土砂災害(土砂災害警戒区域・前兆現象)、④災害時の応急処置・救命措置(心肺蘇生法・AED・止血法)、⑤避難所の運営・要配慮者への対応、⑥防災士の役割・共助・自助の概念、⑦BCP(事業継続計画)・地区防災計画です。合格のための効率的な学習法は防災士教本を通読した上で模擬問題・類似問題で知識を確認し、苦手分野を集中的に復習することです。1〜2週間の集中学習で十分に合格できる試験です。
防災士の資格を取りたいと思い調べ始めると、真っ先に気になるのが試験問題の内容です。
過去問を探してみると、日本防災士機構は過去の試験問題を公開していないという壁にぶつかります。
公式の過去問集がないなら、どうやって試験対策をすればいいのかと迷う方が多いです。
この記事では、防災士試験の仕組み・出題傾向・頻出テーマ・効率的な対策方法を体系的に解説します。
実際に防災士を取得した経験者の情報・受験者の口コミ・防災士教本の内容をもとに、合格に直結する情報をまとめています。
【この記事の信頼性について】
本記事は特定非営利活動法人日本防災士機構の公式情報・防災士教本の学習範囲・受験経験者の情報をもとに作成しています。試験問題は日本防災士機構が非公開としており、本記事の問題例は傾向を把握するための参考例です。最新の試験情報は日本防災士機構の公式ウェブサイト(bousaisi.jp)で必ずご確認ください。
防災士試験の基本情報
防災士資格取得試験の仕組みを正確に把握することが、効率的な対策の出発点です。
試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験形式 | 3択式(3つの選択肢から正解を1つ選ぶ) |
| 出題数 | 30問 |
| 合格基準 | 24問以上正解(正答率80%以上) |
| 試験時間 | 研修機関により異なるが通常50〜60分程度 |
| 合格率 | 約90%(日本防災士機構の公表データ) |
| 過去問の公開 | 非公開(機構では一切公開していない) |
| 問題の持ち帰り | 不可(解答用紙とともに回収) |
| 再受験 | 研修を修了した人は再受験可能(再受験は無料) |
| 出題範囲 | 防災士教本(日本防災士機構発行)の全範囲 |
防災士試験の最大の特徴:過去問が公開されていない
防災士試験の対策において最も重要な事実を最初にお伝えします。
日本防災士機構は公式に過去問を公開していません。
試験問題の持ち帰りも禁止されています。
そのため市場に流通している防災士の問題集・過去問と称するものは、受験者の記憶や教本の内容をもとに作成された類似問題・予想問題です。
厳密な意味での公式過去問は存在しません。
これは防災士試験対策において覚えておくべき大前提です。
それでも過去問対策が有効な理由
公式過去問がないにもかかわらず、過去問対策が有効なのには理由があります。
防災士試験の出題範囲は防災士教本に明確に定められており、出題テーマの傾向はある程度一定しています。
毎年多くの受験者が試験直後に記憶をもとに問題の概要をブログ・SNSに投稿しています。
その情報を集約した類似問題集は、出題傾向を把握する上で十分に参考になります。
合格率90%という数字が示す通り、しっかりと教本を読んで類似問題で知識を確認すれば合格できる試験です。
防災士試験の出題範囲:防災士教本の構成
防災士試験の出題範囲の核心は防災士教本(日本防災士機構発行)です。
教本の内容を理解することが、最も確実な試験対策になります。
防災士教本の主な章構成
防災士教本は以下のような章で構成されています(版によって内容は更新されます)。
- 第1章:防災の基礎(防災士の役割・自助・共助・公助・フェーズフリー等)
- 第2章:地震・津波による災害(地震のメカニズム・南海トラフ・建物被害・津波の特性)
- 第3章:気象災害・風水害(線状降水帯・台風・洪水・内水氾濫・ハザードマップ)
- 第4章:土砂災害(土砂崩れ・地すべり・土石流・土砂災害警戒区域・前兆現象)
- 第5章:火山災害(噴火のメカニズム・火山ガス・火砕流・噴火警戒レベル)
- 第6章:大規模火災(延焼・避難行動・消火の基礎知識)
- 第7章:避難行動・避難所運営(避難情報の種別・避難所の生活・要配慮者への対応)
- 第8章:応急手当(心肺蘇生法・AED・止血法・骨折の応急処置・熱中症対応)
- 第9章:家庭・地域の防災(家具の固定・備蓄・地区防災計画)
- 第10章:事業所の防災(BCP・BCP策定の手順・事業継続の考え方)
- 第11章:災害情報・気象情報(気象警報・特別警報・防災気象情報・緊急地震速報)
試験は教本全体から満遍なく出題されます。
ただし受験者の情報をもとにすると、特定の章からの出題頻度が高い傾向があります。
分野別の頻出テーマと重要ポイント
受験者の情報・類似問題集の出題傾向をもとに、特に重要な頻出テーマを分野別に解説します。
これらのテーマを優先的に学習することで効率的な試験対策ができます。
① 防災士の役割・自助・共助・公助(第1章)
防災士試験において最初に問われやすい基本中の基本テーマです。
重要キーワードと内容
- 自助:自分と家族の命を自分で守る行動(備蓄・避難計画・家具固定等)
- 共助:地域・近隣住民が互いに助け合う行動(避難誘導・安否確認・避難所運営)
- 公助:行政・消防・警察・自衛隊による公的な支援・救助
- 防災士の役割:自助・共助を中心に地域防災力を高めるリーダーとして活動する
- フェーズフリー:日常時と緊急時の両方で役立つ物・サービス・仕組みの概念
過去問傾向問題例①(3択)
問:防災士の主な役割として最も適切なものはどれか?
① 消防・警察などの公助を主体として地域防災活動を行う
② 自助・共助を推進し、地域の防災力を高めるリーダーとして活動する
③ 行政の防災計画の策定・審査を専門に担当する
正解:②
防災士の役割は自助・共助を推進し、地域コミュニティの防災力を高めることです。消防・警察等の公助を補完する立場です。
② 地震・津波(第2章)
防災士試験で最も出題頻度が高いカテゴリーの一つです。
重要キーワードと内容
- マグニチュード(M)と震度の違い:Mは地震のエネルギーの大きさ(対数スケール)。震度は特定の地点での揺れの強さ。Mが1上がると地震のエネルギーは約32倍になる
- 震度階(0〜7、5と6は強弱の2区分あり:計10段階):震度7が最高。震度5弱以上から家具が動き始め、震度6強以上で立っていられない
- 南海トラフ地震:駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界で発生する超巨大地震。30年以内の発生確率70〜80%。想定死者数最大32万人(2014年内閣府試算)
- 首都直下地震:東京直下のM7クラスの地震。死者数最大2.3万人・全壊棟数最大約61万棟(東京都試算)
- 津波の特性:地震後すぐに津波が到達することがある。陸上での速度は自動車程度(時速30〜50km)。高い場所への迅速な避難が命を守る唯一の方法
- 液状化現象:地震の振動により砂地盤が液体状になる現象。埋め立て地・川沿いの低地で発生しやすい
- 緊急地震速報:P波(初期微動)を検知してS波(本震)の到達前に発表する警報。到達まで数秒〜数十秒。その短時間に身の安全を確保する行動をとる
過去問傾向問題例②(3択)
問:マグニチュード(M)に関する記述として正しいものはどれか?
① MはMの値が1大きくなるとエネルギーは10倍になる
② MはMの値が1大きくなるとエネルギーは約32倍になる
③ MはMの値が1大きくなるとエネルギーは100倍になる
正解:②
マグニチュードは対数スケールで、1増えると地震エネルギーは約32倍(10の1.5乗)になります。M2増えると約1,000倍になります。
過去問傾向問題例③(3択)
問:南海トラフ地震の30年以内の発生確率として、2024年時点で発表されている数値に最も近いものはどれか?
① 30〜40%
② 50〜60%
③ 70〜80%
正解:③
地震調査研究推進本部は南海トラフ地震の30年以内の発生確率を70〜80%と評価しています(2024年発表)。
③ 気象災害・水害(第3章)
近年の気候変動に伴い出題頻度が高まっているカテゴリーです。
2021年以降に改定された避難情報の種別は必ず覚えておく必要があります。
重要キーワードと内容
- 線状降水帯:発達した雨雲(積乱雲)が線状に連なり同じ場所に集中的な大雨をもたらす現象。時間雨量50mm以上が数時間継続することがある。近年の豪雨災害の主要因
- 特別警報:数十年に一度レベルの危険な気象状況のときに気象庁が発表する最高レベルの警報。大雨・暴風・高潮・波浪・暴風雪・大雪の6種類。発表時は命を守る行動が求められる
- 避難情報の種別(2021年改正):警戒レベル1(早期注意情報)・レベル2(大雨注意報等)・レベル3(高齢者等避難)・レベル4(避難指示)・レベル5(緊急安全確保)の5段階。旧制度の避難勧告はレベル4に統合された
- 内水氾濫:排水能力を超えた雨水が道路・住宅地に溢れる現象。河川から離れた都市部でも発生する
- ハザードマップ:洪水・土砂災害・高潮等の想定浸水域・危険箇所を地図上に示したもの。市区町村が作成・公表する。国土交通省のハザードマップポータルサイトで全国分を確認できる
過去問傾向問題例④(3択)
問:2021年の災害対策基本法改正で廃止された避難情報はどれか?
① 避難準備情報
② 避難勧告
③ 避難指示(緊急)
正解:②
2021年の法改正で避難勧告は廃止され、避難指示に一本化されました。レベル3は高齢者等避難、レベル4は避難指示となっています。
過去問傾向問題例⑤(3択)
問:線状降水帯の説明として正しいものはどれか?
① 線状降水帯とは1本の積乱雲が線状に移動する現象のことである
② 線状降水帯とは発達した雨雲が線状に連なり同じ場所に長時間集中的な大雨をもたらす現象である
③ 線状降水帯は冬季に日本海側でよく発生する降雪現象の一種である
正解:②
線状降水帯は複数の積乱雲が次々と発生・連なり、同じ地域に長時間大雨をもたらします。近年の豪雨災害の主要因となっています。
④ 土砂災害(第4章)
土砂災害に関する問題は数値・区分の暗記が求められるテーマです。
重要キーワードと内容
- 土砂災害の3種類:土砂崩れ(急斜面が突然崩落)・地すべり(斜面が緩やかに移動)・土石流(土砂・岩石が水と混じって高速で流れ下る)
- 土砂災害警戒区域(イエローゾーン):土砂災害が発生した場合に住民の生命・身体に危害が生じるおそれのある区域。開発行為の制限はなし
- 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン):土砂災害が発生した場合に建物が損傷し住民に危害が生じるおそれが特に高い区域。建築物の構造規制あり
- 土石流の速度:時速20〜40kmに達することがある。人が逃げるよりはるかに速い。早期避難が唯一の対策
- 前兆現象:湧き水・地下水の急増・地鳴り・山鳴り・斜面の亀裂・川の濁りと流木の増加など
過去問傾向問題例⑥(3択)
問:土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の説明として正しいものはどれか?
① 開発行為の制限はあるが、建築物の構造規制はない区域
② 土砂災害が発生した場合に建物が損傷し住民に特に危害が生じるおそれが高く、建築物の構造規制がある区域
③ 土砂災害の警戒が必要なすべての区域を指す一般的な呼称
正解:②
レッドゾーンは建物の構造規制・移転勧告の対象になる特別な規制区域です。イエローゾーン(警戒区域)と混同しないよう注意が必要です。
⑤ 応急手当・救命措置(第8章)
防災士試験において確実に出題されるカテゴリーです。
数値の暗記が特に重要です。
重要キーワードと数値
- 心停止後の時間と生存率:心停止後1分ごとに生存率が約7〜10%低下。4〜6分で不可逆的な脳障害が始まる可能性がある
- 胸骨圧迫(心臓マッサージ)の基準:成人の場合、圧迫の深さは約5cm(6cmを超えない)・圧迫のテンポは1分間に100〜120回・胸骨の下半分の中央を圧迫
- 人工呼吸と胸骨圧迫の比率:訓練を受けた者が行う場合、胸骨圧迫30回:人工呼吸2回(30:2)を繰り返す
- AED(自動体外式除細動器)の使用方法:電源を入れる→電極パッドを貼る→音声ガイダンスに従い解析・ショックを実施→胸骨圧迫を再開。AEDは心室細動(不規則な心臓の震え)に有効
- 止血法:直接圧迫止血法が基本(傷口を清潔なタオル等で直接強く押さえる)。止血帯法は四肢の動脈性大出血の場合に使用
- 熱中症の重症度分類:Ⅰ度(めまい・筋肉痛・大量発汗)→Ⅱ度(頭痛・吐き気・体温上昇)→Ⅲ度(意識障害・けいれん・臓器障害)。Ⅲ度は救急搬送が必要
- RICE処置:Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)。捻挫・打撲・肉離れの初期処置
過去問傾向問題例⑦(3択)
問:成人への胸骨圧迫(心臓マッサージ)の適切な圧迫の深さはどれか?
① 約2〜3cm
② 約5cm(6cmを超えない)
③ 約8〜10cm
正解:②
日本蘇生協議会のガイドラインでは、成人への胸骨圧迫は約5cmの深さ(最大6cm)で1分間に100〜120回のテンポで行うとされています。
過去問傾向問題例⑧(3択)
問:心停止後に速やかに対応すべき理由として最も適切なものはどれか?
① 心停止後は体温が急激に低下するため低体温症になるリスクがある
② 心停止後は1分ごとに生存率が約7〜10%低下し、4〜6分で脳に不可逆的な障害が生じる可能性があるため
③ 心停止後30分以内であれば完全に回復できる可能性があるため
正解:②
心停止後は時間が経つほど脳への酸素供給が途絶え、脳細胞の不可逆的な障害が進みます。1秒でも早い胸骨圧迫・AEDの使用が救命率を高めます。
⑥ 火山災害(第5章)
火山噴火に関する基本的な知識と数値が問われます。
重要キーワードと内容
- 噴火警戒レベル(1〜5):レベル1(活火山であることに留意)→レベル2(火口周辺規制)→レベル3(入山規制)→レベル4(高齢者等避難)→レベル5(避難)。2〜3の間には警戒区域の設定が伴う
- 火砕流:高温の火山ガス・岩石・灰が一体となって斜面を高速(時速100km以上に達することがある)で流れ下る現象。到達速度が人の逃走速度をはるかに超えるため最も危険な火山現象の一つ
- 火山ガス(二酸化硫黄・硫化水素):火口周辺だけでなく風向きによって離れた場所でも危険濃度に達することがある
- 日本の活火山数:気象庁が監視する活火山は111(2023年時点)。日本は世界有数の火山国
過去問傾向問題例⑨(3択)
問:噴火警戒レベルで住民避難が呼びかけられるレベルはどれか?
① レベル2
② レベル3
③ レベル5
正解:③
噴火警戒レベル5は居住地域への重大な被害をもたらす噴火が発生または切迫している状況で住民避難が呼びかけられます。レベル4は高齢者等の避難、レベル3は入山規制です。
⑦ 避難所の運営・要配慮者への対応(第7章)
近年出題頻度が増加しているカテゴリーです。
重要キーワードと内容
- 指定緊急避難場所と指定避難所の違い:指定緊急避難場所は命を守るために一時的に避難する場所(公園・高台等)。指定避難所は被災して自宅に戻れない方が一定期間生活する場所(学校・公民館等)
- 福祉避難所:要配慮者(高齢者・障害者・乳幼児・妊婦等)が適切なケアを受けながら避難生活を送るための避難所。一般の指定避難所とは別に設置される
- 要配慮者・避難行動要支援者:高齢者・障害者・乳幼児・妊婦・外国人等、避難時に特別な配慮が必要な方を要配慮者という。中でも自力での避難が困難で支援が必要な方を避難行動要支援者と呼び、市区町村は名簿の作成が義務付けられている
- DWAT(災害派遣福祉チーム):避難所での要配慮者への福祉的支援を行うための専門チーム
- 避難所でのトイレ問題:大規模災害後の断水時には避難所でもトイレ問題が深刻になる。携帯トイレ・仮設トイレの整備が急務となる
⑧ 防災士制度・BCP・地区防災計画(第1・10・9章)
防災士制度の仕組みとBCPの基本概念も出題頻度が高いテーマです。
重要キーワードと内容
- 防災士資格の取得要件:①認定研修機関での研修受講(救急救命講習を含む)、②防災士資格取得試験の合格、③日本防災士機構への認証申請(認証料別途)。3つをすべて満たして初めて防災士として認証される
- BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画):自然災害・感染症等の緊急事態が発生した際に事業への影響を最小化し、重要業務を継続または早期復旧させるための計画。大企業だけでなく中小企業にも策定が推奨されている
- 地区防災計画:2014年の災害対策基本法改正で新設された制度。地域の住民・事業者等が自分たちの地区の特性に合わせて自主的に策定する防災計画。市区町村に提案・認定される仕組み
- コミュニティタイムライン:台風・水害等の発生が予測される場合に誰が・いつ・何をするかを事前に定めた防災行動計画。地域全体で共有することで混乱なく避難行動がとれる
過去問傾向問題例⑩(3択)
問:防災士として認証されるために必要な要件に含まれないものはどれか?
① 認定研修機関での研修受講(救急救命講習を含む)
② 防災士資格取得試験の合格
③ 都道府県知事への届出と登録
正解:③
防災士の認証は日本防災士機構への申請によって行われます。都道府県への届出は必要ありません。研修受講・試験合格・機構への認証申請の3つが必要です。
防災士試験の合格に向けた効率的な勉強法
防災士試験は合格率90%という数字が示す通り、適切な準備をすれば十分に合格できる試験です。
ただし準備なしで挑むと30問中24問という合格基準に達せない可能性があります。
以下の学習ステップを参考にしてください。
学習ステップ1:防災士教本の通読(1〜3日)
防災士試験の最も確実な対策は防災士教本(研修受講時に配布される)を通読することです。
教本の内容がそのまま試験に出題されるため、教本を理解することが対策の核心です。
読み方のポイントは以下の通りです。
- 数字・数値(マグニチュードのエネルギー比・胸骨圧迫の深さと速度・南海トラフの発生確率等)は必ず暗記する
- 定義・区分(土砂災害警戒区域とレッドゾーンの違い・指定緊急避難場所と指定避難所の違い等)を正確に区別して覚える
- 2021年以降に改正された制度(避難情報の種別・熱中症特別警戒アラート等)は必ず最新内容を確認する
- 難しい章を無理に深読みせず、試験に出そうな重要ポイントに集中する
学習ステップ2:類似問題・模擬問題での知識確認(2〜4日)
教本通読後に類似問題・模擬問題を解いて知識の定着度を確認します。
問題を解くことで教本を読んでいただけでは気づかなかった理解不足が明確になります。
利用できる問題集・学習リソースは以下の通りです。
- 防災士試験対策アプリ(Google Play・App Store):スマートフォンで通勤・通学中にスキマ時間で練習できる。350〜775問を収録したアプリが無料または低価格で提供されている
- note・ブログ・受験体験記:受験者が試験後の記憶をもとに公開している問題概要。傾向把握に役立つ
- 楽天・メルカリ・フリマアプリの問題集:受験者が作成した類似問題集・予想問題集が流通している。200〜500問程度の問題集が1,000〜3,000円程度で入手できる。ただし公式過去問ではないことを理解した上で参考程度に活用する
- YouTube(セイショップの基礎問題シリーズ等):音声聞き流し形式の問題集。通勤・家事中に学習できる
学習ステップ3:苦手分野の集中復習(1〜2日)
模擬問題で間違えた問題・苦手な分野を教本で重点的に復習します。
特に数値・定義の暗記が必要な以下の分野を重点的に確認してください。
- マグニチュードの計算(1増えると約32倍)
- 胸骨圧迫の深さ(約5cm)と速度(100〜120回/分)
- 南海トラフ地震の30年以内発生確率(70〜80%)
- 避難情報の5段階と各レベルの行動
- 土砂災害警戒区域(イエロー)と特別警戒区域(レッド)の違い
- 噴火警戒レベル1〜5の各段階の意味
- 防災士認証の3要件
学習ステップ4:試験当日の注意点
防災士試験当日に確認すべき注意点を以下にまとめます。
- 試験問題は持ち帰り不可。解答を確認する機会は試験終了後にはない
- 3択問題は消去法が有効。明らかに誤りの選択肢を除外して残りから正解を選ぶ
- 問題文を最後まで丁寧に読む。誤っているものはどれかという問い方の場合に正しいものを選ぶ間違いが発生しやすい
- 1問あたり2分以内で解答する意識を持つ(30問で60分なら平均2分)
- 迷った問題はマークして最後に見直す
研修機関別の試験の特徴と注意点
防災士の研修は日本防災士機構が認定する複数の研修機関で実施されています。
研修機関によって研修の内容・試験の難易度・問題の出題傾向に若干の差異があります。
研修機関の種類
- 防災士機構認定の防災士養成研修機関(大学・専門学校・自治体・NPO等):2〜3日間の集合研修形式が多い。救急救命講習が研修プログラムに含まれている
- eラーニング対応研修機関:オンラインで研修講義を受講し、別日に実技研修(救急救命)と試験を受ける形式
- 自治体・消防等が実施する研修:費用が低価格または無料のケースがある。居住地域の防災担当課に確認する
研修機関選びのポイント
- 研修料金(15,000〜50,000円程度まで幅がある)
- 実施場所・日程(通勤・通学のしやすさ)
- eラーニング対応か対面研修のみか
- 受講者の口コミ・合格実績
防災士試験に向けてよくある疑問:Q&A
Q. 防災士試験の合格率90%というのは本当ですか?
日本防災士機構の公表データでは合格率は約90%です。
ただしこれは研修を受講し教本で学習した受験者の合格率であり、準備なしで受験した場合に必ず合格できる数字ではありません。
事前の教本通読・模擬問題での練習が確実な合格につながります。
Q. 防災士試験はどのくらいの勉強時間が必要ですか?
教本を通読して模擬問題を解く時間として、多くの合格者は10〜20時間程度の学習時間を確保しています。
1〜2週間(毎日1〜2時間)の学習ペースが目安です。
防災・気象・応急処置の知識がある方はより短い時間で対応できます。
逆に医療・気象・防災の知識が少ない方は教本の通読に時間がかかる傾向があります。
Q. 試験で落ちたらどうなりますか?
研修を修了した方は再受験が可能です。
再受験は無料です。
ただし試験はいつでも受けられるわけではなく、研修機関または日本防災士機構に再受験のスケジュールを確認する必要があります。
Q. 防災士の資格を取っても意味がないという意見がありますが?
防災士資格そのものに国家資格のような業務独占権限はありません。
しかし防災士の学習過程で得た体系的な防災知識・応急手当技術は日常生活・地域活動・職場での防災対策に直接役立ちます。
地域の防災訓練・自主防災組織・学校・企業での防災教育においてリーダーシップを発揮するための基礎として、防災士資格の価値は十分にあります。
資格の取得自体をゴールにするのではなく、取得した知識・資格を地域と職場の防災力向上のために活かすことが大切です。
まとめ:防災士試験対策の核心
防災士試験の対策をまとめます。
- 公式過去問は非公開。防災士教本の通読が最も確実な対策
- 頻出テーマは地震・津波・気象災害・土砂災害・応急手当・避難情報・防災士制度・BCP
- 数値の暗記(マグニチュードのエネルギー比・胸骨圧迫の深さ・南海トラフの発生確率等)が得点を上げるポイント
- 2021年以降の制度改正(避難情報の種別・特別警戒アラート等)は必ず最新内容を確認する
- 模擬問題・類似問題集・スマートフォンアプリを活用してスキマ時間に反復練習する
- 1〜2週間・10〜20時間の学習で合格を目指す
防災士資格は取得してからが本番です。
学んだ知識を地域・職場・家庭の防災力向上に活かし続けることが、防災士として認証された方に求められる姿勢です。



