【防災士監修】防災グッズでいらなかったもの12選と本当に必要なもの完全ガイド|被災者の体験談から学ぶ賢い備え方2026年版
「防災グッズを一生懸命揃えたのに、実際の災害では全然使わなかった」
「防災セットを買ったが、中のものが邪魔なだけで結局捨てた」
「いざというとき本当に役立つものが何か分からない」
「防災用品にお金をかけすぎて、本当に必要なものが揃えられなかった」
防災に関心を持ち、準備を始めた方の多くが抱えるのが「本当に必要なものがわからない」という悩みです。
防災グッズ市場には数えきれないほどの商品が溢れています。
しかし実際の被災現場では、「買ったはいいが一度も使わなかった」「場所を取るだけで邪魔になった」「使い方が分からなくて持て余した」というグッズが必ず存在します。
防災準備において最も重要なのは「多く揃えること」ではなく、「実際の被災シナリオで本当に使えるものを選ぶこと」です。
この記事では、東日本大震災・熊本地震・能登半島地震などの被災経験者の体験談・防災士の専門的見解をもとに、「いらなかった防災グッズ12選」と「本当に役立った防災グッズ」を完全解説します。
防災グッズ選びで「買って後悔」を一切なくすための完全ガイドとして活用してください。
「いらなかった防災グッズ」が生まれる3つの根本原因
「いらなかった」と感じる防災グッズには、共通のパターンがあります。
個別のグッズを見ていく前に、「なぜいらないグッズを買ってしまうのか」という根本原因を理解しましょう。
原因① 「想像上の被災シナリオ」と「実際の被災現場」のギャップ
防災グッズを選ぶとき、多くの人が「映画やテレビの映像」に影響を受けます。
しかし実際の被災現場は映像とは大きく異なります。
ロープを使う機会・テントを建てる必要性・コンパスで方角を確認するシーン——これらは映画的な「サバイバル」の場面であり、多くの被災者が経験する「避難所での長期生活・在宅避難・物資の待機」という現実とはかけ離れています。
「実際の被災生活で何に困るか」を具体的にイメージして選ぶことが、いらないグッズを買わないための最重要のポイントです。
原因② 「多機能・高スペック」への過信
「多機能なものほど役立つ」という思い込みが、いらないグッズを増やす大きな原因です。
手回し発電・ソーラー充電・AM/FMラジオ・Bluetooth・USB充電ポート・LEDライト・温度計——これだけの機能を詰め込んだ防災ラジオは「スペック上は完璧」に見えます。
しかし被災直後のパニック状態で、説明書なしに複雑な操作をこなせる人は非常に少ないです。
防災用品において「シンプルに使えること」は「多機能であること」より重要です。
原因③ 「自分の状況・家族構成・居住環境」を無視して選ぶ
インターネットで「防災グッズ ランキング」を検索して出てくるリストは、あなたの家族構成・住んでいる地域・居住形態・身体的条件に合わせて作られていません。
乳幼児がいる家庭・高齢者がいる家庭・ペットがいる家庭・マンションに住んでいる方・一戸建てに住んでいる方・持病がある方——それぞれの「本当に必要なもの」は異なります。
「万人向けのランキング」をそのままコピーするのではなく、「自分の状況でこれが本当に必要か?」と一つひとつ問い直す視点が必要です。
【被災者の体験談から厳選】防災グッズでいらなかったもの12選
以下は、実際の被災経験者の声・防災士による分析をもとにした「いらなかった防災グッズ」です。
「持っていたが一度も使わなかった」「むしろ邪魔だった」「別のもので代替できた」という声が多かったものを厳選しました。
① ロープ・カラビナ(登山用具)
防災袋の「必需品リスト」によく載っているロープですが、実際の被災現場では「使わなかった」という声が圧倒的に多いアイテムです。
熊本地震の被災経験をもとに防災士の土界谷梨紗氏がまとめた調査でも、「ロープを準備していたが使うシーンがなかった」という回答が多数を占めました。
ロープ・カラビナが活躍するのは「山岳救助・崖からの脱出・レスキュー活動」などの特殊なシナリオです。
一般の住宅・マンション・都市部での被災シナリオでは、ロープを使って崖を登り降りするような状況はほぼ発生しません。
ロープを大量に積む前に、水・食料・携帯トイレ・照明の充実を優先してください。
なお「荷物の固定・洗濯物を干す」という用途であれば、パラコード(細くて強い多用途ロープ)を1本持つ程度で十分です。
② 大型発電機(ガソリン式)
「停電でも家電が使える」という魅力から防災用に発電機を購入する方がいますが、実際の被災生活での評価は高くありません。
大型発電機の問題点は以下のとおりです。
- 重量が大きく(多くは50〜100kg超)移動が困難
- ガソリンが必要で、被災直後はガソリンスタンドに長蛇の列が発生する
- 排ガスが出るため屋内使用不可・近隣への騒音問題
- エンジンの始動・燃料の補充・メンテナンスに専門知識が必要
- 定期的なメンテナンスを怠ると緊急時に動かない
被災者の声でも「重くて動かせなかった」「ガソリンが手に入らなかった」「使い方が分からなくて結局使えなかった」という体験談が多く聞かれます。
一般家庭の防災用途には、ポータブル電源(Jackery・EcoFlow等)の方が「コンパクト・静音・屋内使用可・ソーラー充電可」という圧倒的な利便性を持ちます。
ガソリン式大型発電機は農業・工業・商業施設など「大量の電力が継続的に必要」という特殊用途向けです。
③ コンパス(方位磁石)
「避難路を確認するために必要」という理由でコンパスを防災袋に入れる方がいますが、実際の被災現場では使われないアイテムの代表格です。
現代の都市部では「スマートフォンのGPS・地図アプリ」で十分かつ正確に現在地・避難経路を確認できます。
スマートフォンが使えない状況(充電切れ・電波なし)では、「印刷したハザードマップ・市区町村の避難所マップ」の方がコンパスより実用的です。
コンパスを正確に使いこなすには、地図との組み合わせと読み方の訓練が必要です。
平時にコンパスを使った訓練をしていない方にとって、パニック状態の被災時にコンパスを正確に使いこなすことは非常に困難です。
④ 組み立て式テント(大型・ドーム型)
大型テントはいくつかの特定のシナリオ(自宅が倒壊・長期の屋外避難が必要・プライバシー確保が必要)では有効です。
しかし多くの被災者にとって「いらなかった」と感じるグッズの一つです。
その理由を見ていきます。
- 避難所内での使用が制限される:体育館・公民館の屋内に大型テントを建てることは、多くの避難所で禁止・制限されている
- 重くてかさばる:緊急の持ち出し避難に大型テントを持って逃げることは現実的でない
- 設営の難易度:焦った状況・暗い中・初めての設営でテントを建てることは思いのほか難しい
- 在宅避難が選択できる場合は不要:自宅が安全であれば自宅で避難する方が圧倒的に快適であり、テントは不要になる
テントが本当に必要かどうかは「自宅が倒壊・浸水のリスクがあるかどうか」によって判断してください。
在宅避難が可能な環境であれば、テントより「7日分の水・食料・携帯トイレ」への投資が優先です。
⑤ 多機能防災ラジオ(Bluetooth・高機能タイプ)
前述のとおり、多機能すぎる防災ラジオは「使いこなせなかった」という声が多いアイテムです。
被災直後の混乱・パニック・停電・暗闇という状況の中で、複雑な操作を要求される機器はほぼ使えません。
防災用ラジオに必要な機能は「AM/FMが聞けること・単体で動作すること」のみです。
| 機能 | 防災での必要性 | 判定 |
|---|---|---|
| AM/FM受信 | 緊急放送の受信に必須 | ◎ 必須 |
| 手回し発電 | 電池・充電なしで使える保険として有効 | ○ あると良い |
| ソーラー充電 | 長期停電で電池がなくても使える | ○ あると良い |
| USB給電出力 | スマートフォンの充電補助として有効 | ○ あると良い |
| Bluetooth接続 | 防災ラジオとして不要・電池消耗を招く | × 不要 |
| 温度計・湿度計 | 防災ラジオとして不要 | × 不要 |
| MP3再生機能 | 防災ラジオとして不要 | × 不要 |
防災ラジオはシンプルで操作が直感的なものを選んでください。
ソニー ICF-B300・パナソニック RF-TJ20のような「AM/FM受信・手回し発電・ソーラー充電・USB出力」のシンプルな機能に絞ったモデルが防災用途では最適です。
⑥ 懐中電灯(単体タイプ・旧式タイプ)
懐中電灯自体は有用ですが、「単体の懐中電灯」にのみ頼ることは「いらなかった」に近い評価を受けることがあります。
理由はシンプルです。
懐中電灯は「片手がふさがる」という致命的な欠点を持っています。
被災時に想定される照明が必要な場面——瓦礫の中を移動する・子どもを抱えて逃げる・荷物を運ぶ・応急処置をする・地図を見る——これらはすべて「両手が空いていること」が重要です。
懐中電灯の代わりに「ヘッドライト(ヘッドランプ)」を選ぶことで、両手が空く・暗所作業が可能になるという圧倒的な優位性が生まれます。
「懐中電灯を持っている→ヘッドライトに切り替える」という見直しだけで、防災力が大幅に向上します。
ヘッドライトのおすすめはブラックダイヤモンド スポット350・ペツル アクティック コアなどです。
乾電池式か「充電式+乾電池切り替え両用モデル」を選ぶことで、停電時の充電切れリスクを回避できます。
⑦ 小容量の乾電池式モバイルバッテリー
「電池4本でスマートフォンが充電できる」という乾電池式モバイルバッテリーは、防災袋の定番アイテムとして売られています。
しかし実際の被災状況での評価は低いです。
問題点は「コストパフォーマンスの悪さ」です。
乾電池4本(単3形)で得られる電力量は約8,000mAh程度ですが、実際にモバイルバッテリーを経由してスマートフォンに充電できる電力は変換ロスにより大幅に減少し、スマートフォンを1回充電できるかできないかという程度です。
乾電池4本のコスト(100〜200円×4本)でスマートフォン1回分の充電——このコスパの悪さが「いらなかった」という評価につながっています。
スマートフォンの充電確保には、大容量ポータブル電源(Jackery・EcoFlow等)とソーラーパネルの組み合わせが長期的な停電に対して圧倒的に有効です。
乾電池式モバイルバッテリーを持つ場合は「緊急用の最後の手段として1個」という位置づけにとどめ、メイン電源はポータブル電源で確保しましょう。
⑧ 保存期間が短い防災食(普段食べ慣れていないもの)
「防災セットに含まれているから」という理由で揃えた保存食が「賞味期限内に消費できずに廃棄」という経験をした方は非常に多いです。
また「普段食べ慣れていない食品」は、被災時のストレスで食欲が落ちた状況ではさらに食べにくくなります。
子ども・高齢者・アレルギーのある方・嚥下に問題がある方にとっては、「備えてあった非常食が食べられなかった」という問題も実際に発生しています。
防災食の選び方の正解は「普段食べ慣れていて・賞味期限が長くて・ローリングストック(定期的に使い回す)できるもの」です。
アルファ米・レトルトカレー・缶詰・乾麺・フリーズドライ食品など、日常食として消費しながら備蓄を維持するローリングストック方式が最も無駄がありません。
⑨ 固形燃料(使い捨てタイプ)
固形燃料は防災用熱源として販売されていることがありますが、被災者の評価では「使いにくかった」という声が多いアイテムです。
固形燃料の問題点は以下のとおりです。
- 長期保存中に固まって着火困難になる場合がある
- 火力が弱く・調理に時間がかかる
- 風に弱く・屋外での使用が難しい
- 一回の調理で複数個が必要で消費量が多い
- カセットコンロ・アウトドアバーナーと比べて汎用性が低い
熱源の備えにはカセットコンロ(イワタニ カセットフー タフまる等)とカセットガスボンベの備蓄が最もコストパフォーマンスが高い選択です。
カセットボンベ1本で約60〜70分の使用が可能で・入手性が高く・使い方が直感的で・アウトドアでもそのまま使えます。
⑩ 衛生用品の大量備蓄(一種類に偏った備蓄)
「マスクを100枚備蓄した」「ウェットティッシュを20パック買い込んだ」という一つのアイテムへの偏った大量備蓄が「いらなかった」につながるケースがあります。
特に2020年のコロナ禍以降、マスクや除菌グッズを過剰に備蓄した方の「結局使い切れなかった・保管場所がなくなった」という声が増えています。
衛生用品は「ローリングストックで少量を継続的に維持する」方式が、廃棄ロスを最小化します。
マスク・除菌グッズ・トイレットペーパー・ウェットティッシュは日常消費品として循環させながら「常に一定量が手元にある状態」を維持することが理想です。
⑪ 市販の「お任せ防災セット」の中の不要品
市販の防災セット(1万〜3万円台)には「一般家庭向け」として多数のグッズが詰め込まれています。
しかしセットの中に含まれるすべてのアイテムが、あなたの家族に必要とは限りません。
「赤ちゃんがいない家庭に乳児用品が入っている」「一人暮らしに4人分の食料が入っている」「ペットがいないのにペット用品が入っている」——このようなミスマッチが「いらなかったもの」を生む構造的な原因です。
市販の防災セットを購入する場合は、中身を一つひとつ確認して「本当に自分の家族の状況に合っているか」を吟味してください。
セットから不要なものを除いて「自分の家族に本当に必要なもの」で埋め直すカスタマイズが重要です。
⑫ 防犯ブザー・催涙スプレー(複数個の過剰備蓄)
「被災後の治安悪化に備える」という理由で防犯グッズを大量に備蓄する方がいます。
日本の大規模災害の被災地における実際の治安状況は、映画的な「略奪・暴力の横行」とは大きく異なります。
東日本大震災・熊本地震・能登半島地震の被災地においても、被災者同士の助け合い・自治的な秩序維持が機能したという記録が多数あります。
防犯グッズは「1人1つ持つ」という程度で十分です。
備蓄の優先度・コストを「水・食料・トイレ・照明・電源」に集中させることの方が圧倒的に重要です。
「いらなかった」の反省から学ぶ:本当に役立った防災グッズ10選
被災者が「あってよかった」「これがなければ乗り越えられなかった」と語る防災グッズを紹介します。
「いらなかった」と「役立った」を対比することで、本当に必要なものが明確に見えてきます。
役立ったグッズ① ヘッドライト(ヘッドランプ)
「両手が空く照明」の価値は実際の避難・作業で初めて実感できます。
子どもを抱えながら移動・瓦礫を避けながら歩行・暗闇でリュックから物を取り出す——すべての場面でヘッドライトが懐中電灯より優れています。
ブラックダイヤモンド スポット350(200ルーメン以上・防水IPX4以上・乾電池式)が最もバランスの取れたモデルとして被災者・登山愛好者双方から高い評価を得ています。
役立ったグッズ② 携帯トイレ(凝固剤付き)
被災者が「最も重要だったが備えていなかった」と後悔する筆頭が「携帯トイレ」です。
断水時に通常の水洗トイレを使うと排水管が詰まり・下水が逆流します。
「トイレに行けないため水分を控えた→脱水症状・エコノミークラス症候群が悪化した」という被災者の証言が熊本地震・東日本大震災・能登半島地震で多数記録されています。
4人家族で7日間の在宅避難を想定した場合、1人1日5回として140回分の携帯トイレが必要です。
携帯トイレは「最も軽視されがちで、最も重要な備蓄品」の一つです。
役立ったグッズ③ カセットコンロ+ガスボンベ
「温かい食事が精神的な安定に大きく貢献した」という被災者の声は、複数の大規模災害の体験談で繰り返し登場します。
カセットコンロは「使い方がシンプル・ガスボンベが入手しやすい・家族全員が使える」という圧倒的な汎用性を持ちます。
イワタニ カセットフー タフまるは「風防付き・屋外使用可・鍋・フライパンが安定して置ける設計」でアウトドア防災兼用として最高の評価を得ています。
カセットガスボンベは最低でも21本(7日間・1日3本使用)の備蓄を推奨します。
役立ったグッズ④ 大容量ポータブル電源+ソーラーパネル
2024年の能登半島地震では、孤立集落への電力供給が1〜2週間以上途絶えた地域があります。
「スマートフォンが使えない=情報が得られない=二次被害リスクが高まる」という現代の被災シナリオにおいて、大容量ポータブル電源の価値は年々高まっています。
Jackery エクスプローラー1000 Pro・EcoFlow DELTA 2などの大容量モデルは「スマートフォン・タブレット・ノートPC・扇風機・電気毛布・医療機器のバックアップ電源」として機能します。
ソーラーパネル(100W以上)との組み合わせで「太陽光で充電→夜間に使用」というサイクルが確立でき、長期停電でも電力切れが起きない環境が作れます。
役立ったグッズ⑤ 耳栓・アイマスク
「まさかこれが命綱になるとは思わなかった」という声が最も多いのが耳栓・アイマスクです。
避難所での集団生活では、赤ちゃんの泣き声・いびき・足音・照明が24時間続きます。
「眠れない→極度の疲弊→免疫低下→持病悪化→災害関連死」という連鎖を防ぐのが睡眠の確保です。
耳栓(3M イヤーソフト等)・アイマスク・折りたたみ枕という「睡眠3点セット」は100〜500円の出費で避難所生活の質を大幅に改善します。
コストとリターンの比率で言えば、防災グッズ全体で最もコスパの高い備えの一つです。
役立ったグッズ⑥ 現金(小銭を含む)
「キャッシュレス決済が一切使えなくなった」という状況が大規模停電・通信障害が発生した被災地では必ず発生します。
ATM・クレジットカード・QRコード決済——これらはすべて「電力と通信」に依存しています。
被災者の体験談では「現金を持っていなかったため、物資を手に入れられなかった」という声が東日本大震災・熊本地震・能登半島地震の三つで共通して見られます。
最低3万円・できれば10万円の現金(1,000円・500円・100円の小銭を含む)を自宅に備えておくことを強く推奨します。
役立ったグッズ⑦ ウォーキングシューズ(厚底・グリップ力がある靴)
「地震直後に素足で逃げようとしたが、ガラスの破片が散乱していて動けなかった」という体験談は阪神淡路大震災から現在まで繰り返し報告されています。
ベッドサイドに「厚底のスニーカー」「スリッパ型の防災サンダル」を常備しておくことで、深夜の地震発生時でも素足での怪我を防げます。
また、避難所・被災地での長距離歩行に耐えられる靴の備えは「被災後の行動力」を大きく左右します。
役立ったグッズ⑧ 浄水器(ソーヤーミニ等)
断水が長期化した被災地では「安全な飲料水の確保」が最も深刻な問題の一つになります。
ソーヤーミニ(SP128)は細菌99.9999%除去・最大38万リットル対応という性能を持ち、河川水・雨水・ペットボトルに溜めた水から安全な飲料水を作れます。
重量わずか56gでリュックに入れても負担ゼロという軽量性も、避難袋への収納に最適な特性です。
役立ったグッズ⑨ お薬手帳・保険証のコピー・重要書類のコピー
「物」ではなく「書類」の備えが命を救うケースが実際の被災現場で多く報告されています。
お薬手帳(またはそのコピー・写真)があれば、かかりつけ医以外の医療機関でも迅速に適切な薬を処方してもらえます。
健康保険証・マイナンバーカード・通帳・印鑑・権利証・パスポートのコピーは、被災後の各種手続き・補償申請・住宅再建において不可欠です。
これらはコスト0円で今すぐ準備できる「最高コスパの防災準備」です。
役立ったグッズ⑩ モバイルバッテリー(大容量・20,000mAh以上)
スマートフォンの充電に特化した「大容量モバイルバッテリー」は、ポータブル電源が届く前の「つなぎの電源」として非常に有効です。
Anker 737 Power Bank(26,800mAh)などの大容量モデルは、スマートフォンを7〜8回充電できます。
USB-C PD対応(急速充電)・2ポート以上(複数デバイスの同時充電)・残量表示があるものを選んでください。
「常にフル充電の状態で保管・定期的に充放電して性能を維持する」という管理習慣が、いざというときに使えるバッテリーを確保する重要な実践です。
防災グッズ選びの正しい考え方:「いらなかった」をゼロにするための5原則
「いらなかった」を生まない防災グッズ選びの原則をまとめます。
-
「使い方を知らないものは買わない」
買う前に「自分がこれを使えるか」を問い直してください。使い方を知らないグッズは、緊急時には使えないグッズです。アウトドア用品はキャンプで実際に使って慣れることで「使える防災グッズ」に変わります。 -
「重さとサイズを常に意識する」
持ち出し袋は「実際に背負って15分歩ける重さ」が上限です。重さが増えるほど避難のスピードが落ち・移動距離の限界が縮まります。理想的な持ち出し袋の重さは成人で10kg以下・高齢者・子どもを連れる方はさらに軽量化が必要です。 -
「ローリングストックで備蓄を管理する」
「備えたまま使わない→賞味期限切れで廃棄」を防ぐには、日常的に消費・補充を繰り返すローリングストック方式が最善です。食料・水・乾電池・衛生用品はすべてローリングストックの管理対象にしてください。 -
「家族の構成・住んでいる地域・想定災害に合わせる」
万人向けのランキングをそのまま採用せず、「自分の家族に本当に必要か」を一つひとつ確認してください。乳幼児・高齢者・ペット・持病・マンション・一戸建て——これらの違いが防災グッズの最適解を変えます。 -
「年1回の見直しを習慣にする」
防災グッズは「一度揃えたら終わり」ではありません。家族構成の変化・引越し・新しい知識の取得にあわせて年1回の棚卸しと見直しが必要です。見直しのタイミングとして「9月1日の防災の日」または「1月17日の阪神淡路大震災の日」を活用することをお勧めします。
今すぐ確認すべき:防災グッズの優先順位チェックリスト
「何を揃えるべきか分からない」という方のために、防災の優先順位を明確に示します。
以下の順番で揃えることで、「いらなかった」への後悔を最小化できます。
| 優先度 | カテゴリー | 具体的なアイテム |
|---|---|---|
| 最優先 | 水 | 飲料水(2L×人数×7日分)・ウォータータンク |
| 最優先 | トイレ | 携帯トイレ凝固剤付き(1人×5回×7日分) |
| 最優先 | 照明 | ヘッドライト(家族全員分)・予備電池 |
| 最優先 | 熱源 | カセットコンロ・ガスボンベ(最低21本) |
| 最優先 | 書類 | お薬手帳・保険証・通帳・重要書類のコピー |
| 最優先 | 現金 | 最低3万円(小銭込み) |
| 高優先 | 食料 | 缶詰・レトルト食品・アルファ米(7日分) |
| 高優先 | 電源 | 大容量ポータブル電源・ソーラーパネル |
| 高優先 | 情報 | 防災ラジオ(シンプル操作のもの) |
| 高優先 | 衛生 | ウェットティッシュ・消臭剤・マスク |
| 高優先 | 医療 | 救急箱・常備薬・処方薬(2週間分) |
| 高優先 | 睡眠 | 耳栓・アイマスク・折りたたみ枕 |
| 中優先 | 防寒 | 寝袋・毛布・使い捨てカイロ |
| 中優先 | 水確保 | 携帯浄水器(ソーヤーミニ等) |
「最優先」の6カテゴリーを全て揃えてから、「高優先」「中優先」へと順番に準備を進めてください。
防災グッズ選びで「いらなかった」という後悔は、事前の正しい知識と「本当に使えるものだけを選ぶ」という視点を持つことで確実に防げます。
「多く揃えること」より「本当に必要なものを確実に揃えること」——この発想の転換が、命を守る本物の防災準備の第一歩です。



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