【この記事の要約】
防災士の資格取得にかかる費用は研修受講料・試験料・認証登録料の合計で約60,000〜70,000円が一般的です。ただし熊本県では、県が主体となって防災士育成を支援している制度があるほか、熊本市・八代市・阿蘇市・菊池市・合志市・宇土市・宇城市・山鹿市・玉名市など県内複数の自治体が費用の一部または全額を助成する制度を設けています。熊本県は2016年の熊本地震(最大震度7が2回)・阿蘇山の火山活動・南海トラフ巨大地震による津波リスク・球磨川流域の洪水リスク(2020年令和2年7月豪雨)という複合的な大規模災害を実際に経験・リスクとして抱えており、全国的にも防災士育成への意識が特に高い県のひとつです。2026年度の受講を検討している方は、4〜5月にお住まいの自治体の防災担当窓口へ助成制度の確認を行うことを強く推奨します。
防災士の資格を取りたいけれど、費用が高くて迷っている。
熊本県で助成制度はあるの?
申し込みの手順はどうすればいい?
こうした疑問を持つ熊本県在住の方に向けて、この記事を書いています。
防災士は、NPO法人日本防災士機構が認証する民間資格です。
地震・津波・台風・火山噴火・土砂災害・洪水など多様な災害に備え、地域の防災リーダーとして活動できる知識と実践力を証明するものです。
熊本県は2016年4月に最大震度7を2回記録する熊本地震に見舞われ、死者・関連死を含め273名が亡くなった(2023年時点の確定値)という、戦後最大級の内陸直下型地震を経験した地域です。
さらに2020年7月には令和2年7月豪雨で球磨川が氾濫し、人吉市・芦北町・球磨村など球磨川流域の自治体で甚大な被害が発生しました。
こうした実際の大規模災害の経験から、熊本県では地域防災リーダーとしての防災士の育成に対する意識が全国的にも特に高く、県・各市町村ともに積極的な支援体制が整っています。
この記事では、防災士の資格取得にかかる費用の内訳・熊本県内で助成制度が確認できる自治体情報・助成制度の仕組みと申請の流れ・研修場所・試験の難易度・よくある疑問を、NPO法人日本防災士機構・防災士研修センター・熊本県庁・熊本県内各自治体の公式情報をもとに詳しく解説します。
【この記事の信頼性について】
本記事はNPO法人日本防災士機構「防災士になるには」「助成制度自治体一覧」・防災士研修センター公式サイト・熊本県庁公式サイト・熊本県内各自治体の公式情報・防災ベーシック編集部独自調査をもとに作成しました。助成制度の内容は自治体によって異なり、年度ごとに変更・廃止される場合があります。必ずお住まいの自治体の最新情報をご確認ください。
防災士とは何か(要点だけ)
防災士は、NPO法人日本防災士機構が認証する民間資格です。更新の必要がない終身資格です。
2016年と2026年。10年で二度の大地震を経験した県です。何が助かり、何が足りなかったかを語れる人が求められています。
資格の成り立ちと取得者数は防災士とは?取得者27万人・更新なしの終身資格に整理しました。この記事は、熊本県の費用と助成に絞って進めます。
費用の目安と、熊本県での実際
全国的な相場は、研修受講料が約52,800円〜、受験料3,000円、認証登録料5,000円。合計でおおよそ60,000〜70,000円です。
被災した市町村ほど、制度を設けている傾向があります。益城町、大津町、阿蘇市、高森町、山都町。
受講の前提として普通救命講習の修了証が要ります。消防署が実施するものは無料の場合が多くあります。費用の全国比較は防災士の助成金・補助金一覧にまとめました。
なぜ熊本県は防災士の育成に積極的なのか
熊本県が防災士育成に特に積極的な理由は、実際に経験した大規模災害の数々にあります。
2016年4月14日・16日の熊本地震では、最大震度7の揺れが2回発生するという前例のない事態が起きました。
直接死50名・関連死223名(2023年確定値)という甚大な人的被害が生じ、約20万棟の建物被害(全壊・半壊・一部損壊合計)をもたらしました。
この経験から、行政の公助には限界があり、地域住民による共助が人命救助に直結するという現実を熊本県民は痛感しました。
2020年7月の令和2年7月豪雨では、球磨川が氾濫し人吉市・芦北町・球磨村などで死者65名・行方不明者2名(熊本県内)という戦後最大の水害被害が熊本県内で発生しました。
これらの実際の大規模災害の経験が、熊本県全体の防災士育成への高い意識につながっています。
防災士はその共助の核となる地域防災リーダーを育成するための資格です。
自治体にとって住民に防災士資格を取得してもらうことは、行政コストを抑えながら防災対応能力を向上させる最も効率的な方法のひとつです。
熊本県の防災士助成制度:2026年版 対象自治体情報
以下は、NPO法人日本防災士機構の公式サイト・防災士研修センターの公開情報・各自治体の公式サイト・防災ベーシック編集部独自調査をもとにまとめた、熊本県内で防災士資格取得費用の助成実績が確認できる情報です。
【重要な注意事項】
この情報は2025〜2026年度時点の調査をもとにしています。助成制度の有無・内容・金額・条件は自治体によって異なり、年度ごとに変更・廃止される場合があります。必ずお住まいの自治体の防災担当窓口またはWebサイトで最新情報を確認してください。
熊本県内で助成実績が確認される主な自治体
| 自治体名 | 助成の特徴・備考 | 問い合わせ先の目安 |
|---|---|---|
| 熊本市 | 県庁所在地で県内最大の都市。2016年熊本地震の直撃を受けた政令指定都市。NPO法人日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。研修会場へのアクセスが最も良好。詳細は市の防災担当窓口に要確認 | 熊本市危機管理防災総室 |
| 八代市 | 球磨川下流域に位置し2020年豪雨でも被害を受けた沿岸・河川都市。日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 八代市総務部防災課 |
| 阿蘇市 | 阿蘇山(中岳)の活火山を抱える自治体。2016年熊本地震でも甚大な被害を受けた。火山防災と地震防災の双方が重要な地域。日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 阿蘇市総務部防災課 |
| 菊池市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 菊池市総務部防災課 |
| 合志市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 合志市総務部防災課 |
| 宇土市 | 2016年熊本地震で市庁舎が全壊した自治体として全国的に知られる。日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 宇土市総務部防災課 |
| 宇城市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 宇城市総務部防災課 |
| 山鹿市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 山鹿市総務部防災課 |
| 玉名市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 玉名市総務部防災課 |
| 人吉市 | 2020年令和2年7月豪雨で市街地が浸水し甚大な被害を受けた球磨川沿いの都市。洪水・土砂災害への防災士育成の重要性が特に高い地域。詳細は市に確認 | 人吉市総務部防災課 |
| 天草市 | 天草諸島からなる離島都市。南海トラフ地震による津波リスクが高く、島嶼部の孤立リスクも抱える。詳細は市に確認 | 天草市総務部防災課 |
| 荒尾市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 荒尾市総務部防災課 |
| 水俣市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。詳細は市に要確認 | 水俣市総務部防災課 |
| 上天草市 | 日本防災士機構の公式助成自治体一覧に掲載実績あり。離島地域であり台風・津波リスクへの対策が重要な地域。詳細は市に要確認 | 上天草市総務部防災課 |
| 益城町 | 2016年熊本地震で最大震度7を記録した震央地域の自治体。最も甚大な被害を受けた地域のひとつ。防災士育成への意識が特に高い自治体。詳細は町に確認 | 益城町総務部防災課 |
| 西原村 | 2016年熊本地震で甚大な被害を受けた阿蘇外輪山麓の自治体。詳細は村に確認 | 西原村総務課防災担当 |
| 南阿蘇村 | 2016年熊本地震で阿蘇大橋が崩落するなど甚大な被害を受けた。大規模土砂崩れが複数発生した地域。防災士育成の必要性が特に高い自治体。詳細は村に確認 | 南阿蘇村総務課防災担当 |
| 球磨村 | 2020年令和2年7月豪雨で球磨川の氾濫により壊滅的な被害を受けた自治体。洪水・土砂災害防災士育成の観点から防災士の役割が特に重要。詳細は村に確認 | 球磨村総務課防災担当 |
| その他の熊本県内自治体 | 玉東町・南関町・長洲町・和水町・大津町・菊陽町・南小国町・小国町・産山村・高森町・西原村・南阿蘇村・御船町・嘉島町・甲佐町・山都町・氷川町・芦北町・津奈木町・錦町・多良木町・湯前町・水上村・相良村・五木村・山江村・球磨村・あさぎり町・苓北町など、独自の助成制度を設けている可能性がある | 各自治体の防災・危機管理担当窓口に直接お問い合わせください |
一覧に含まれていない自治体でも、独自の助成制度を設けているケースがあります。
お住まいの市区町村の公式Webサイトで「防災士 助成」「防災士 補助金」と検索するか、防災担当課(危機管理課・防災安全課等)に直接電話することが最も確実な確認方法です。
熊本県全域向けの広域支援の可能性
熊本県庁では、2016年熊本地震・令和2年7月豪雨の教訓を踏まえた県全体の防災力強化を重点施策として推進しています。
熊本県の防災危機管理部門では、県内防災力強化のための各種施策を実施しています。
都道府県レベルの防災士育成支援制度については熊本県庁の防災担当部局に直接確認することを推奨します。
熊本県での防災士研修・受講場所
防災士になるには、日本防災士機構が認証した研修機関の講座を受講する必要があります。
熊本県内・周辺で防災士研修が開催される主な会場・研修機関を紹介します。
防災士研修センター主催(熊本市等での開催)
防災士研修センター(bousaishi.net)は、日本防災士機構が認証する主要な研修機関のひとつです。
熊本市を中心に、熊本県内での研修が年間を通じて開催されることがあります。
最新の開催日程は防災士研修センター公式サイト(bousaishi.net/lecture/course.html)で確認できます。
自治体によっては「指定研修機関での受講のみ助成対象」という条件が設けられていることがあるため、申し込み前に自治体へ確認することが重要です。
熊本県内での自治体・団体主催の研修
熊本県内でも、自治体や各種団体が防災士研修センターと連携して、県内在住者向けに研修を開催するケースがあります。
熊本市などの大規模自治体での開催情報は、自治体の広報誌・公式Webサイトで随時発表されます。
自治体主催の研修では、費用を全額または一部自治体が負担するケースがあり、非常に有利な条件で受講できます。
年度初め(4〜5月)に、お住まいの自治体の防災担当窓口または広報誌で今年度の防災士研修の開催予定を確認することが重要です。
熊本県の助成は、どの型か
助成には、市区町村が実施する個別のものと、都道府県が実施する広域のものがあります。
熊本県は助成自治体の数が全国最多の水準です。日本防災士機構の一覧だけで16自治体が挙がっています。
全国での実施状況は防災士の助成金・補助金一覧に整理しました。
助成制度を活用した防災士取得:STEP別完全ガイド
防災士について、さらに詳しく
この記事は熊本県の助成制度に絞って書きました。資格そのものについては、別の記事に詳しくまとめています。
資格の全体像と費用の内訳は防災士とは?取得者27万人・更新なしの終身資格に整理しました。全国の助成制度を横断で見たい場合は防災士の助成金・補助金一覧が使えます。
試験の対策は防災士試験の過去問【2026年版】と防災士試験の合格率は約80〜90%に書いています。3択30問で24問正解が合格ラインです。研修をきちんと受けていれば、過度に恐れる試験ではありません。
そして、資格を取ったあとの話は防災士に更新は必要?にあります。更新の義務はありませんが、知識のほうは古くなります。
熊本県は、10年で二度の震度7級を経験しました
制度の話はここまでにします。熊本県の防災士が置かれている状況は、全国のどことも違うからです。
地震調査研究推進本部が公表している記録から、近年の分を抜き出します。
| 発生年月日 | 名称 | 規模 | 県内の被害 |
|---|---|---|---|
| 2016年4月14日〜 | 平成28年熊本地震 | M6.5(前震)/M7.3(本震) | 死者270人・負傷2,737人 住家全壊8,657棟・半壊34,491棟 |
| 2019年1月3日 | 熊本県熊本地方 | M5.1 | 負傷4人 |
| 2024年8月8日 | 日向灘 | M7.1 | 負傷2人 |
| 2026年7月28日 | 令和8年熊本地震 | M7.1 | 死者39人・負傷353人 住家全壊1,252棟・半壊1,046棟 |
2016年と2026年。わずか10年で二度です。
この記事を読んでいる方の中には、両方を経験された方もいると思います。制度の説明より先に、この事実を書いておくべきだと考えました。
2016年が残した「前震と本震」という教訓
平成28年熊本地震で、多くの命が失われた理由のひとつが前震と本震の順序でした。
4月14日にM6.5が起き、その後4月16日にM7.3が発生しています。最初の地震を「本震」だと思って自宅に戻った人が、二度目で被害に遭いました。
気象庁はこの経験を受けて、余震の発生確率の伝え方を見直しています。
「大きな地震のあと、もっと大きな地震が来ることがある」。熊本が全国に示した教訓です。地域で伝えるとき、ここは外せません。
布田川・日奈久という二つの断層帯
熊本県には、評価された活断層が全国有数の数だけ存在します。
| 断層帯 | 想定規模 | 30年以内の確率 |
|---|---|---|
| 布田川断層帯(布田川区間) | M7.0程度 | ほぼ0% |
| 布田川断層帯(宇土半島北岸区間) | M7.2程度以上 | 不明 |
| 日奈久断層帯(八代海区間) | M7.3程度 | ほぼ0%〜16% |
| 日奈久断層帯(日奈久区間) | M7.5程度 | ほぼ0%〜6% |
| 日奈久断層帯(高野−白旗区間) | M6.8程度 | 不明 |
| 緑川断層帯 | M7.4程度 | 0.04%〜0.09% |
| 人吉盆地南縁断層 | M7.1程度 | 1%以下 |
| 出水断層帯 | M7.0程度 | ほぼ0%〜1% |
日奈久断層帯の八代海区間は、最大16%と評価されています。これは国内の活断層の中でも高い部類です。
日奈久断層帯については日奈久断層帯とは?割れ残った2区間と30年確率、熊本で警戒すべき理由にまとめました。
2016年に動いたのは布田川断層帯と日奈久断層帯の北部でした。日奈久断層帯の南側は、まだ動いていません。
布田川断層帯については布田川断層帯とは?2016年に動いた区間と、動いていない区間の違いにまとめました。
阿蘇という、もうひとつの条件
熊本県には活火山があります。1975年の阿蘇山北縁の地震(M6.1)では、負傷者10人、住家16棟が全壊しました。
そして2016年の地震では、阿蘇地域で道路や橋が寸断され、集落が孤立しました。
地震・火山・土砂災害・豪雨。熊本県はこれらが重なりうる場所です。
まとめ|熊本県の防災士に、いま求められること
資格を取ったあとに何をするか。熊本県では、答えが具体的です。
一、二度の経験を、記録として残す
2016年と2026年。これだけの経験を持つ地域は、全国にほとんどありません。
何が助かり、何が足りなかったか。それを言語化して残せるのは、その場にいた人だけです。
二、「揺れたあと、もっと大きいのが来る」を徹底する
2016年の教訓の中心です。最初の揺れで自宅に戻らないこと。
この一点を地域で共有できているかどうかが、次の被害を左右します。
三、日奈久断層帯の南側を意識する
八代市、芦北町、水俣市。まだ動いていない区間の上にある地域です。
確率が16%という数字は、決して低くありません。2016年で終わったと考えないでください。
そして、被災後の手続きを知っておくこと
二度の経験がある県だからこそ、罹災証明や支援制度の実務に詳しい防災士の価値が高いと考えています。
被災後の手続きは罹災証明書の取り方にまとめました。
熊本県は、助成自治体の数が全国最多の水準です
熊本県の特徴を、先に数字で示します。
| 出典 | 掲載されている熊本県内の自治体 |
|---|---|
| 日本防災士機構 | 熊本市、八代市、人吉市、荒尾市、水俣市、阿蘇市、長洲町、和水町、大津町、高森町、益城町、山都町、芦北町、錦町、湯前町、山江村(16自治体) |
| 防災士研修センター | 熊本市、菊池市、山鹿市、天草市、合志市、水俣市、大津町、長洲町、多良木町 |
日本防災士機構の一覧に16自治体。これは全国の都道府県の中でも最多クラスです。
二つの一覧を合わせると、20を超える市町村が登場します。県内45市町村のうち、半数近くにあたります。
この密度には、理由があります
2016年の平成28年熊本地震で、県内で270人が亡くなり、住家8,657棟が全壊しました。
そして2026年7月28日の令和8年熊本地震では、死者39人、住家全壊1,252棟。10年で二度です。
助成自治体の顔ぶれを見てください。益城町、大津町、阿蘇市、高森町、山都町。いずれも2016年に大きな被害を受けた地域です。
被災した自治体が、防災士の育成に予算を割いている。制度の分布が、被害の分布と重なっています。
益城町という名前について
益城町は、2016年の熊本地震で震度7を二度観測した町です。
前震と本震、いずれも震度7。同一地点で震度7が二度記録されたのは、日本の観測史上でこのときが初めてです。
その町が助成制度の一覧に名を連ねています。経験した地域が、次の担い手を育てようとしている。この事実は、制度の説明以上のことを語っていると思います。
球磨川流域の自治体も並びます
人吉市、錦町、湯前町、山江村、芦北町、多良木町。これらは球磨川流域の市町村です。
2020年の令和2年7月豪雨で、球磨川が氾濫し甚大な被害が出た地域にあたります。
熊本県の防災士育成は、地震と水害の両方を背景に持っています。これが他県との違いです。
金額については確認できていません
各市町村の助成額・補助率・条件は、公開情報からは確認できませんでした。
この記事では、確認していない数字を書くことはしません。お住まいの市町村の防災担当課へ直接お問い合わせください。
聞き方は簡単です。「防災士の資格取得に助成はありますか。上限と条件を教えてください」。この一言で足ります。
掲載されていても、制度が続いているとは限りません
防災士研修センターの一覧には、「制度の運用を終了していた場合もある」と明記されています。
過去の実績であって、現在の保証ではありません。受講の申し込み前に、必ず確認してください。
一覧にない市町村でも、聞く価値があります
宇土市、宇城市、玉名市、上天草市、南阿蘇村、西原村、御船町、嘉島町、甲佐町。
2016年に被害を受けた地域が、まだ他にもあります。一覧に名前がなくても、制度が新設されている可能性があります。
二度の震災を経験した県です。防災士を増やす動きは、いまも続いていると考えるほうが自然だと思います。
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助成制度を活用して防災士資格を取得するための流れを詳しく解説します。
自治体によって手続きの順番が異なる場合があります。
以下はあくまで一般的な流れの目安であり、必ず事前に各自治体に確認してください。
STEP 1:自治体の助成制度を確認する(4〜5月推奨)
まず、お住まいの自治体の防災担当窓口またはWebサイトで助成制度の有無・内容・申請期間を確認します。
年度初め(4〜5月)に確認することで、定員オーバーによる機会損失を防げます。
確認すべき項目は以下の通りです。
- 助成制度の有無
- 助成の上限金額・補助率(全額補助か一部補助か)
- 申請の時期・締め切り
- 対象者の条件(推薦が必要かどうか)
- 助成対象となる研修機関に指定がないか
- 申請に必要な書類の種類
- 助成金の支払いタイミング(先払いか後払いか)
STEP 2:必要に応じて推薦を取得する
自治体によっては、自主防災組織・自治会・区長などによる推薦書が必要です。
推薦書の作成には時間がかかる場合があるため、早めに依頼することが重要です。
まだ自主防災組織に加入していない方は、これをきっかけに地域の組織に参加することをおすすめします。
STEP 3:普通救命講習を受講する
防災士資格取得の要件として、普通救命講習(AED・心肺蘇生法)の修了証が必要です。
お住まいの地域の消防署では定期的に普通救命講習を無料で実施しています。
熊本県内では熊本市消防局・八代市消防本部・人吉市消防本部・天草市消防本部など各消防機関が開催しており、消防署のWebサイトまたは電話で申し込み方法を確認できます。
研修本講座の受講前に修了証を取得しておくことで、その後の手続きがスムーズになります。
STEP 4:防災士研修講座を申し込む
助成申請の準備が整ったら、防災士研修機関への受講申し込みを行います。
自治体によって「指定の研修機関での受講のみ助成対象」という条件が設けられていることがあるため、申し込み前に必ず確認します。
熊本県内で開催される研修の最新情報は、防災士研修センター公式サイト(bousaishi.net)または各自治体の広報で確認してください。
STEP 5:通信学習を完了し、会場研修に参加する
申し込み後、研修機関からテキスト(防災士教本)が届きます。
事前課題(通信学習)を自宅で行い、会場研修(2日間)に持参します。
会場研修では防災に関する講義・グループワーク・実習が行われます。
研修2日目の最終時間に、日本防災士機構主催の防災士資格取得試験が実施されます。
STEP 6:防災士試験に合格する
試験は50問・三択形式で、30問以上の正解(正答率60%以上)で合格です。
研修内容をしっかり学んでいれば十分合格できる難易度であり、合格率は約80〜90%と高水準です。
試験で不合格になった場合でも、追試験の機会があります。
STEP 7:認証登録申請を行う
試験合格後、NPO法人日本防災士機構に認証登録申請を行います。
申請料(5,000円)を支払い、修了証明書・救命講習修了証・試験合格証明書などを提出します。
登録が完了すると、防災士証(カード型)と防災士認証状(賞状型)が届き、正式に防災士として認定されます。
STEP 8:自治体に助成金の申請書類を提出する
認証登録が完了したら、速やかに自治体に助成金の申請書類を提出します。
必要書類の例は以下の通りです(自治体によって異なります)。
- 助成金交付申請書(各自治体の様式)
- 防災士認証状または防災士証の写し
- 受講料・試験料・登録料の領収書の写し
- 誓約書(様式が設けられている場合)
- 推薦書(事前推薦が必要な場合)
- 住民票(自治体によって要求される場合)
書類の提出期限は多くの自治体で年度末(3月31日)が設けられています。
書類審査・承認後、指定口座に助成金が振り込まれます。
助成制度を活用する際の重要な注意事項
注意①:受講前に事前申請・承認が必要な場合がある
自治体によっては研修受講後に申請するのではなく、受講前の事前申請・承認が必要な場合があります。
事前申請なしに研修を受けてから申請しても、助成が受けられない可能性があります。
必ず最初に自治体に「いつ・どのタイミングで申請するか」を確認してください。
注意②:年度をまたぐと助成が受けられない場合がある
助成制度の対象期間は通常4月1日〜3月31日の1年度内です。
研修受講から認証登録申請・助成申請まで、すべての手続きを同一年度内に完了させる必要があります。
余裕を持って5〜9月頃に研修を受講し始めるスケジュールを組むことを強くおすすめします。
注意③:定員に達すると受付終了になる
助成人数に上限を設けている自治体では、年度ごとの予算が尽きた時点で受付が終了します。
人気の制度は4〜6月の早い時期に定員に達することがあります。
取得を検討しているなら、新年度が始まった4〜5月中に必ず自治体に問い合わせることが重要です。
注意④:過去の取得に遡及して助成を受けることはできない
すでに自己負担で防災士資格を取得済みの場合、過去に遡って助成を申請することはできません。
これから取得を検討している方は、受講前に必ず助成制度を確認してから動き始めることが大切です。
注意⑤:制度の廃止・変更がある
助成制度は毎年度の自治体予算によって変更・廃止される場合があります。
本記事の情報は2025〜2026年度時点の情報をもとにしており、最新の状況と異なる可能性があります。
必ずお住まいの自治体の防災担当窓口またはWebサイトで最新情報を直接確認してください。
熊本県で制度を確認する手順
いちばん確実なのは電話です。市区町村の危機管理防災課・総務課に「防災士の資格取得に助成はありますか。上限と条件を教えてください」と聞いてください。
Webで調べるなら、自治体サイトで「防災士 助成」「防災士 補助金」と検索します。全国の状況は防災士の助成金・補助金一覧で確認できます。
受講を申し込む前に確認してください。事前申請が条件の制度では、先に申し込むと対象外になります。
試験と、受講の段取り
試験は3択30問で、24問正解が合格ラインです。研修を受けたうえで臨めば、極端に難しいものではありません。
2016年の教訓は「最初の揺れで自宅に戻らない」でした。研修で学ぶ知識に、この地域の経験が重なります。
合格率の実際は防災士試験の合格率は約80〜90%、出題の傾向は防災士試験の過去問【2026年版】に書いています。
熊本県特有の災害リスクと防災士が果たす役割
防災士の学習内容をより深く活かすために、熊本県特有の災害リスクを理解しておくことが重要です。
熊本地震の教訓(直下型地震・震度7が2回)
2016年4月14日21時26分、熊本県益城町で震度7(M6.5)の前震が発生しました。
その28時間後の4月16日1時25分、再度益城町・西原村で震度7(M7.3)の本震が発生するという、観測史上初めて同一地域で2回の最大震度7を記録する事態となりました。
この地震では直接死50名・関連死223名(2023年時点)・約20万棟の建物被害が生じました。
熊本地震の最大の教訓は、一度目の揺れが収まった後も二度目の揺れに警戒し続けること・倒壊した建物に取り残された人を地域の住民が救出したケースが多数あったことです。
防災士として「熊本地震型」の連続大地震への備え・倒壊建物からの救助技術・余震が続く中での避難所運営のノウハウを地域住民に伝えることが、熊本県の防災士に特有の重要な役割です。
阿蘇山・火山噴火リスク
阿蘇山中岳は日本を代表する活火山のひとつです。
2016年10月には熊本地震後初の噴火(爆発的噴火)が発生し、噴煙が高度1万1,000mに達しました。
阿蘇市・南阿蘇村・高森町・産山村・小国町など阿蘇山周辺の自治体は、噴火・火砕流・火山灰降灰のリスクに常に備えることが求められます。
防災士として噴火警戒レベルの意味・噴石・火砕流・大量降灰への対応・観光客への避難誘導を地域住民に伝えることが重要です。
令和2年7月豪雨・球磨川洪水リスク
2020年7月4日未明、令和2年7月豪雨により球磨川が氾濫しました。
人吉市・芦北町・球磨村・八代市などで甚大な洪水・土砂災害が発生し、熊本県内で死者65名・行方不明者2名という戦後最大の水害被害となりました。
特に球磨村では集落全体が浸水し、老人福祉施設で14名が亡くなるという事例が全国的な注目を集めました。
球磨川流域の市町村では、洪水ハザードマップに基づく早期避難・要援護者の事前避難支援・避難所運営の徹底を防災士がリードする役割が特に重要です。
南海トラフ巨大地震・津波リスク
熊本県は南海トラフ巨大地震発生時に、県南部の八代海・不知火海・天草・水俣・芦北地区の沿岸に津波が到達すると内閣府の被害想定で示されています。
天草市・上天草市・八代市・水俣市・芦北町・津奈木町などの沿岸自治体では、南海トラフ地震への津波避難対策が重要課題です。
天草諸島などの離島では台風時の孤立リスクも高く、防災士による地域自立型の防災体制の構築が求められます。
土砂災害リスク(阿蘇・球磨・天草)
熊本県は火山性・急峻な地形を多く抱え、大雨・地震に伴う土砂災害リスクが高い地域です。
2016年熊本地震では南阿蘇村の阿蘇大橋付近で大規模土砂崩れが発生しました。
2020年の令和2年豪雨でも球磨川流域で多数の土砂災害が発生しています。
国土交通省の土砂災害警戒区域は県内各地に多数設定されており、山間部・河川沿いに居住する方への早期避難の重要性を伝える防災士の役割は非常に大きいです。
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よくある疑問:Q&A
Q. 熊本県では防災士の試験はどこで受けられますか?
研修講座と同じ会場で実施されます。
熊本県内(熊本市等)で開催される研修の場合は県内会場で受験できます。
最新の開催情報は防災士研修センター公式サイト(bousaishi.net)または各自治体の広報で確認してください。
Q. 助成制度を使って取得した場合、地域活動への参加は義務ですか?
自治体によって条件が異なります。
多くの自治体では「取得後に地域の自主防災組織・防災活動に参加すること」を条件として設けています。
資格取得後は地域の防災訓練・避難所運営訓練・防災講演などに積極的に参加することが、助成をしてくれた自治体・地域住民への本来の恩返しになります。
Q. 熊本地震の被災地(益城町・南阿蘇村等)在住でも受講できますか?
もちろん受講できます。
むしろ2016年熊本地震の被災経験を持つ地域の住民が防災士の知識を体系的に習得することは、次の大規模地震への備えとして非常に意義深いことです。
益城町・南阿蘇村・西原村など被災地域でも自主防災組織の活動が活発化しており、防災士としての活躍の場が広がっています。
お住まいの自治体の防災担当窓口に助成制度・研修情報を問い合わせてみてください。
Q. 球磨川流域(人吉市・球磨村等)在住ですが、洪水対応に特化した防災士の学習はできますか?
防災士の研修カリキュラムには洪水・河川氾濫・土砂災害・避難情報の種類と意味・避難所運営など、水害対応に関連する内容が含まれています。
令和2年7月豪雨の経験を持つ球磨川流域の方々が防災士として習得できる知識・スキルは、次の大規模水害に備えた地域防災力の向上に直結します。
ハザードマップの正しい読み方・避難情報の種類と対応行動・要援護者の事前避難計画(個別避難計画)の策定支援など、水害対策に特化した活動を防災士として地域でリードできます。
Q. 防災士の資格は更新が必要ですか?費用はかかりますか?
防災士は更新不要の終身資格です。
一度取得すれば更新手続き・更新費用は一切かかりません。
ただし防災に関する知識・技術は常にアップデートされています。
資格取得後も最新の防災情報を継続的に学ぶ姿勢が、真の防災士としての資質を保つうえで重要です。
Q. 2026年度の熊本県内での研修開催日はいつですか?
2026年度の開催日程は、防災士研修センター(bousaishi.net/lecture/course.html)または各自治体の公式Webサイト・広報誌で随時発表されます。
熊本県内開催の情報は、熊本県庁の防災担当部局または各自治体の防災担当窓口への問い合わせで確認するのが最も確実です。
4〜5月に確認し、早めに申し込みの準備を進めることを推奨します。
熊本県で防災士を目指す方へ
資格取得の費用は全国相場で約63,800円。安くはありませんが、制度を使えば負担は大きく変わります。
日奈久断層帯の南側は、まだ動いていません。2016年で終わったと考えないでください。
まず、お住まいの自治体に制度があるかを確認してください。そこからです。






