台風で飛行機が欠航・遅延する基準と影響・払い戻し・対処法を徹底解説
【この記事の要約】
台風が接近・上陸すると飛行機の欠航・遅延が相次ぎます。欠航の判断は航空会社が風速・視程・滑走路状況などを総合的に判断して行います。明確な数値基準は航空会社によって異なりますが、空港の地上風速がおおむね25〜30m/s以上になると欠航の可能性が高まります。台風による欠航・遅延の場合、航空会社は原則として払い戻し・振替便への変更を無料で対応します。ただし自己都合でのキャンセルはキャンセル料が発生するため注意が必要です。JAL・ANAなどの大手航空会社は台風接近が予測された時点で特別対応(事前キャンセル・変更手数料免除)を発表することがあります。LCC(格安航空会社)は大手と対応ポリシーが異なる場合があるため予約時に規約を確認することが重要です。旅行保険(航空機遅延費用補償)に加入している場合は遅延・欠航時の宿泊費・食事代が補償される可能性があります。本記事では台風による飛行機への影響・欠航の基準・判断タイミング・払い戻し手続き・振替便の確保方法・LCCの対応・旅行保険の活用・空港での過ごし方まで詳しく解説します。
台風シーズンに飛行機を利用する予定がある方にとって、欠航・遅延は最も心配なトラブルの一つです。
欠航になった場合に払い戻しはされるのか、振替便はどう確保するのか、事前にキャンセルすべきタイミングはいつかなど、知っておくべき情報は多岐にわたります。
この記事では台風と飛行機の欠航・遅延に関する情報を網羅的に解説します。
【この記事の信頼性について】
本記事はJAL・ANA・各LCCの公式ウェブサイト・国土交通省航空局の情報・消費者庁の旅行トラブル対応ガイドラインをもとに作成しています。航空会社の対応ポリシーは変更される場合があるため、最新情報は各航空会社の公式サイトでご確認ください。
台風が飛行機に与える影響の種類
台風が接近・上陸した際に飛行機が受ける影響はいくつかの種類があります。
欠航
欠航とは予定されていた航空便が飛ばないことです。台風による欠航は安全上の理由から航空会社が独自に判断して決定します。
欠航の場合は搭乗できなかった乗客に対して払い戻しまたは振替便の提供が行われます。
遅延
遅延とは予定の出発・到着時刻より遅れて運航することです。
台風の接近状況によっては出発前に待機・上空でホールディング(旋回待機)して様子を見ることがあります。
遅延が長引いた場合は最終的に欠航に切り替わるケースもあります。
目的地変更(ダイバート)
ダイバートとは目的の空港に着陸できない場合に近隣の別空港に着陸することです。
台風の影響で目的地空港の視程・風速が悪化した場合に発生します。
ダイバート後の最終目的地への移動手段は航空会社が手配することが多いです。
出発空港での地上待機
台風が接近している目的地の状況が改善するまで出発を遅らせることがあります。搭乗後に機内で長時間待機するケースもあります。
台風による欠航の判断基準
飛行機が欠航になる具体的な判断基準を理解しておくことは重要です。
風速による基準
空港での地上風速が一定以上になると航空機の安全な離着陸が困難になります。一般的な目安として以下の基準が参考になります。
| 風速の目安 | 飛行機への影響 |
|---|---|
| 15m/s前後 | 着陸・離陸に注意が必要なレベル。運航は継続されることが多い |
| 20〜25m/s程度 | 運航の可否を慎重に判断するレベル。機種・航空会社によって対応が異なる |
| 25〜30m/s以上 | 多くの便で欠航・遅延が発生するレベル |
| 30m/s超 | ほぼ全便が欠航になるレベル。空港自体が閉鎖される場合がある |
ただしこれらは目安であり・航空会社は風速だけでなく風向・ガスト(突風)・視程・降水強度・滑走路の状態など複数の要素を総合的に判断します。
機体の種類(ボーイング737・エアバスA350など)によっても運航限界値が異なります。
視程による基準
台風に伴う豪雨・強風によって視程(見通せる距離)が悪化した場合も欠航の原因になります。
計器着陸システム(ILS)を使用した着陸では視程が300〜600m程度まで低下しても運航できる場合がありますが・システムの故障・設備の有無によって限界が変わります。
滑走路・空港施設の状況
台風により滑走路が浸水・損傷した場合や空港施設(管制塔・ターミナルビル)が被害を受けた場合は空港全体が閉鎖されることがあります。
2018年の台風21号(チェービー)では関西国際空港が高潮・浸水被害で閉鎖され・多数の旅客が孤立しました。
欠航の決定タイミング
欠航の決定は当日の運航便に近い時間帯に発表されることが多いです。台風の進路・強度は直前まで変化するため・早期に確定的な欠航決定を出すことは難しいのが実情です。
ただし大手航空会社は台風接近が予測された時点で事前の特別対応(変更手数料免除など)を発表することがあります。
欠航情報は各航空会社の公式サイト・アプリ・予約確認メールで通知されます。
JAL・ANAの台風時の対応方針
JAL(日本航空)の台風時対応
JALは台風などの悪天候が予測される場合に特別対応を発表します。
特別対応が発表された対象期間・対象路線の予約については以下の対応が適用されることがあります。
- 変更手数料・払い戻し手数料の免除(特別対応期間に限る)
- 他便・他日への無料振替(座席に空きがある場合)
- 欠航便の払い戻しは全額(払い戻し手数料なし)
JALの特別対応の適用条件・期間・対象路線はJALの公式ウェブサイトで発表されます。対応期間外の自己都合による変更・キャンセルは通常のキャンセル料が適用されます。
ANA(全日本空輸)の台風時対応
ANAもJALと同様に台風接近時に特別対応を発表します。特別対応の内容はJALとほぼ同様です。
- 欠航便の全額払い戻し(手数料なし)
- 特別対応発表期間中の変更手数料免除
- 振替便への無料変更(空席状況による)
ANAの最新の特別対応情報はANA公式サイトの運航情報ページで確認できます。ANAアプリ・マイレージクラブへの登録がある場合はプッシュ通知で情報を受け取れます。
大手とLCCの対応の違い
| 項目 | JAL・ANA(大手) | LCC(格安航空会社) |
|---|---|---|
| 欠航時の払い戻し | 全額払い戻し(手数料なし)が基本 | 全額払い戻しが基本だが規約による。手続きが必要 |
| 振替便の提供 | 同社便・コードシェア便への振替が比較的スムーズ | 振替便がない・または選択肢が少ない場合がある |
| 特別対応の発表 | 台風接近前から特別対応を発表することが多い | 特別対応の発表が少なく・対応が後手になる場合がある |
| カスタマーサポート | 電話・空港カウンターでの対応が充実している | 電話サポートが限定的・ウェブ手続きが中心のLCCが多い |
| 自己都合キャンセル | キャンセル料が発生(特別対応期間外) | キャンセル料が高い場合がある。規約確認が重要 |
主要LCCの台風時対応
ジェットスター・ジャパン
ジェットスターは悪天候が予測される場合にFlight Flexというオプション未加入の場合でも欠航時の払い戻し・振替に対応します。
欠航時の払い戻しはジェットスタードル(電子バウチャー)での返金が基本です。現金での払い戻しも選択できますが・手続きに時間がかかる場合があります。
ピーチ・アビエーション
ピーチも欠航時には払い戻し・振替の対応を行います。台風などの悪天候による欠航は航空会社都合のため・全額払い戻しの対象になります。
自己都合でのキャンセルは購入した運賃種別によってキャンセル料が異なります。
スカイマーク
スカイマークは大手に近いサービス水準を持ちながら低価格を維持している航空会社です。台風による欠航時の払い戻し・振替対応はJAL・ANAに準じる対応が取られることが多いです。
払い戻し・振替手続きの具体的な方法
欠航が確定した場合の払い戻し手順
欠航が確定した場合の払い戻し手順は以下の通りです。
- 航空会社の公式サイト・アプリで欠航を確認する
- 払い戻しか振替かを選択する(期限内に手続きが必要な場合がある)
- 払い戻しの場合はオンライン手続きまたは空港カウンターで申請する
- クレジットカード払いの場合は同カードへの返金(数日〜数週間かかる場合がある)
- 現金・コンビニ払いの場合は指定の方法で返金を受ける
振替便の確保方法
振替便を確保する方法は以下の通りです。
- 航空会社の公式サイト・アプリで振替可能な便を検索する
- 空席がある便への振替を申請する
- 台風接近時は振替希望者が集中するため・早めに手続きすることが重要
- 電話サポートが混雑する場合は公式アプリ・ウェブサイトからの手続きが速い場合がある
- 空港カウンターでの手続きも可能だが・行列が長くなることがある
払い戻しの対象となる費用
台風による欠航時の払い戻し対象は以下の通りです。
- 航空運賃(本体)
- 燃油サーチャージ
- 空港使用料・旅客施設使用料
- 座席指定料金(有料座席を指定した場合)
- 手荷物追加料金(LCCで別途支払った場合)
機内食・空港ラウンジ利用料などの付帯サービスは払い戻し対象外になる場合があります。
事前キャンセルのタイミングと注意点
特別対応が発表された場合のキャンセルタイミング
航空会社が特別対応を発表した場合は対応期間中にキャンセル・変更手続きを行うことで手数料が免除されます。
特別対応の発表は台風接近の数日前〜前日に行われることが多いです。特別対応期間が終了した後のキャンセルは通常の手数料が適用されます。
特別対応がない場合の判断
台風接近が予測されているが特別対応が発表されていない場合のキャンセル判断は難しいです。欠航になるまでキャンセル料なしで払い戻しを受けるには欠航確定まで待つことが原則です。
しかし欠航確定後は振替便の空席が少なくなることがあります。旅行の目的・代替交通手段の有無・旅行保険の内容を確認して総合的に判断することをおすすめします。
自己都合キャンセルの費用目安
| キャンセルのタイミング | 一般的なキャンセル料の目安(大手航空会社) |
|---|---|
| 出発55日前まで | 無料〜運賃の一部(運賃種別による) |
| 出発54〜28日前 | 運賃の30〜40%程度 |
| 出発27〜8日前 | 運賃の40〜50%程度 |
| 出発7日前〜前日 | 運賃の50〜70%程度 |
| 出発当日〜出発後 | 運賃の100%(払い戻し不可)が多い |
キャンセル料は購入した運賃種別(特割・旅割・フレックスなど)によって大きく異なります。
フレックス運賃など高額な運賃種別はキャンセル料が低い・または無料の場合があります。予約時に運賃規則を確認しておくことが重要です。
旅行保険と航空機遅延費用補償
台風による欠航・遅延に備えて旅行保険の航空機遅延費用補償を活用することが有効です。
航空機遅延費用補償とは
航空機遅延費用補償とは旅行保険のオプション(または基本補償)の一つです。飛行機の遅延・欠航によって発生した追加費用を補償します。
主な補償内容は以下の通りです。
- 宿泊費(遅延・欠航で予定外の宿泊が必要になった場合)
- 食事代(一定時間以上の遅延時に発生した費用)
- 交通費(代替交通手段を利用した場合)
- 乗継遅延による追加費用
補償が適用される条件の目安
保険会社・商品によって異なりますが、一般的な補償適用条件は以下の通りです。
- 出発遅延:定刻出発から3〜6時間以上の遅延(保険会社によって異なる)
- 欠航:航空会社が欠航を確定した便
- 乗継遅延:乗継便に乗れなかった場合
- 手荷物遅延:手荷物が遅延して到着した場合の購入費用
クレジットカードの旅行保険
ゴールドカード・プラチナカードには付帯旅行保険として航空機遅延費用補償が含まれることがあります。
補償額は保険専用商品より低い場合が多いですが、追加費用なしで利用できるメリットがあります。自分が持つクレジットカードの補償内容を台風シーズン前に確認しておくことをおすすめします。
台風時に空港で取るべき行動
空港到着前の確認事項
台風接近時に空港に向かう前に以下を確認してください。
- 搭乗予定便の運航状況を航空会社公式サイト・アプリで確認する
- 空港へのアクセス(電車・バス・モノレール)が台風の影響で運休・遅延していないか確認する
- 欠航の可能性が高い場合は空港へ向かうことで余計な交通費・時間を浪費しないようにする
空港に着いてしまった場合の対処法
空港に到着後に欠航が確定した場合・または欠航が濃厚な場合は以下の行動を取ります。
- まず航空会社のカウンターで状況を確認する(混雑する場合は公式アプリで手続きする)
- 振替便を希望する場合は早めに申請して空席を確保する
- 払い戻しを希望する場合は手続き方法(オンライン可能か・カウンター手続きか)を確認する
- 帰宅・宿泊の手段を確保する(台風接近時は交通機関全般が混雑・運休しやすい)
- 旅行保険に加入している場合は欠航証明書を航空会社から取得する
欠航証明書の取得
旅行保険の欠航補償を申請するためには欠航証明書(または遅延証明書)が必要です。
欠航証明書は航空会社の空港カウンター・または公式サイトから取得できます。保険申請時に必要になるため、欠航が確定したら必ず取得しておきましょう。
台風時の空港での過ごし方
台風の影響で空港での待機が長時間になる場合があります。以下の点に注意して快適に過ごすようにしましょう。
- スマートフォンの充電:空港内の充電スポットを早めに確保する。モバイルバッテリーを持参していると安心
- 食料・飲料の確保:台風接近時は空港内の店舗が混雑・早期閉店する場合がある
- 現金の準備:停電時はキャッシュレス決済が使えない場合がある
- 宿泊の確保:長時間待機・翌日以降の搭乗になる場合は早めにホテルを確保する(混んでしまうため)
- 交通手段の確認:台風の影響で電車・バスが運休している場合があるため代替手段を確認する
台風時の飛行機利用に関するよくある疑問
Q. 台風でも飛行機は飛ぶことがありますか
台風が接近していても風速・視程・滑走路状態が運航限界内であれば飛行機は飛びます。
台風の中心から離れた地域では台風が接近していても運航に支障がない場合があります。一方で台風の中心から遠い空港でも強風域に入ると影響を受けることがあります。
Q. 欠航する便とそうでない便の違いは何ですか
同じ空港発着の便でも機種・出発時刻・台風の進行状況によって欠航の有無が異なることがあります。大型機(ボーイング777など)は小型機より強風耐性が高い傾向があります。
また台風の通過タイミングと出発時刻のずれによって、同じ空港でも午前便は欠航・午後便は運航ということが起こります。
Q. 振替便がない場合はどうすればいいですか
振替便の空席がない場合は払い戻しを受けて代替手段(新幹線・高速バス・フェリーなど)を検討することになります。
台風通過後は需要が集中するため振替便の確保が難しくなります。旅行日程に余裕がある場合は1〜2日後の便を検討するのも選択肢です。
Q. 台風で欠航になった場合ホテル代は補償されますか
航空会社都合の欠航でも、原則として航空会社がホテル代を補償することはありません。
ただし一部の大手航空会社は欠航時に提携ホテルの紹介・斡旋を行う場合があります。ホテル代の補償を受けるためには旅行保険(航空機遅延費用補償)への加入が有効です。
Q. 台風接近中に飛行機に乗るのは危険ですか
航空会社は安全が確保できない状況では運航しません。運航が継続されている便は安全基準をクリアしていると判断された便です。
ただし台風接近時の飛行では乱気流・揺れが発生することがあります。シートベルトを常時着用して乗務員の指示に従うことが重要です。
台風に備えた飛行機予約のコツ
台風シーズンの旅行計画時の注意点
7〜10月の台風シーズンに飛行機を利用する旅行を計画する際は以下の点を心がけましょう。
- 旅行日程に1日以上の余裕を持たせる(欠航時の代替日程を確保する)
- キャンセル料が低い・または無料の運賃種別(フレックス運賃など)で予約を検討する
- 旅行保険(航空機遅延費用補償付き)に必ず加入する
- LCCを利用する場合はキャンセル・変更ポリシーを予約前に確認する
- 台風シーズン後半(9〜10月)は沖縄・九州・四国などの台風多発地域へのアクセスで欠航リスクが高い
ANAマイレージ・JALマイレージ特典航空券の場合
マイレージ特典航空券(特典航空券)の場合も航空会社都合の欠航ではマイルが返還されます。
特別対応が発表された期間中の変更・キャンセルは発券手数料が免除される場合があります。
特典航空券の扱いは通常の有償航空券と若干異なることがあるため、マイレージ会員ページで確認してください。
台風と新幹線・鉄道の欠航(運休)との比較
台風時には飛行機だけでなく新幹線・特急列車も運休になることがあります。代替交通手段を検討する際の参考として比較します。
| 交通手段 | 台風時の特徴 | 払い戻し・振替対応 |
|---|---|---|
| 飛行機 | 風速・視程で欠航判断。比較的早めに欠航決定が出る場合がある | 航空会社都合の欠航は全額払い戻し・振替対応あり |
| 新幹線 | 強風・大雨・土砂崩れで運休。台風通過後も早期に運転再開することが多い | 運休時は全額払い戻し・列車変更手数料免除あり |
| 高速バス | 強風・通行止めで運休。代替手段として利用するときも欠便になることがある | 会社・路線によって異なる |
| フェリー | 高波・強風で欠航。台風前日から欠航になることが多い | 会社都合の欠航は全額払い戻しが基本 |
台風時の代替交通手段として新幹線が最も安定している場合が多いです。ただし避難・観光客の集中により新幹線の指定席も満席になりやすいです。
台風接近が予測された時点で早めに代替手段を確保することをおすすめします。
台風と飛行機の関係は天候という不確実な要素が大きく関わるため、完全な予測・対策は難しい面があります。
しかし事前に航空会社の対応ポリシーを理解し・旅行保険に加入し・代替交通手段を把握しておくことで、いざというときのダメージを最小限に抑えることができます。
台風シーズンの旅行では最新の台風情報を常にチェックしながら柔軟な対応を心がけるようにしましょう。




