熱中症警戒情報とは何か【2026年版】発令基準・警戒アラートとの違い・発令時の行動・確認方法を完全解説

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熱中症警戒情報とは何か【2026年版】発令基準・警戒アラートとの違い・発令時の行動・確認方法を完全解説

【この記事の要約】
熱中症警戒情報とは、熱中症の危険性が高まる暑熱環境が予測される場合に発表される公的な気象・健康情報の総称です。狭義では環境省と気象庁が共同で運用する熱中症警戒アラート(2021年全国運用開始・発令基準:都道府県内いずれかの地点でWBGT33℃以上)を指す場合が多く、広義では気象庁の高温注意情報(最高気温35℃以上予想時)・環境省の暑さ指数(WBGT)情報・2024年新設の熱中症特別警戒アラート(都道府県内すべての地点でWBGT35℃以上)を含む、熱中症関連情報全般を指します。熱中症は毎年全国で10万人超の救急搬送・1,000人超の死者をもたらす気象災害です。警戒情報が発令された際に取るべき行動は5つです。①不要不急の外出を控える、②エアコンを積極的に使用する、③こまめな水分・塩分補給を行う、④高齢者・乳幼児への見守りを強化する、⑤クーリングシェルターを活用する。情報は環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)・気象庁公式サイト・NHK・各種気象アプリで確認できます。

熱中症警戒情報という言葉をニュースや気象アプリで目にする機会が増えています。

しかし熱中症警戒情報と熱中症警戒アラートは同じものなのか・高温注意情報とどう違うのか・何℃になったら発令されるのか、正確に理解している方は多くありません。

熱中症関連の公的情報は複数の種類があり、それぞれ発令主体・基準・対象地域・推奨行動が異なります。

この記事では、熱中症警戒情報の定義・各情報の発令基準と違い・確認方法・発令時の具体的な行動を詳しく解説します。

【この記事の信頼性について】
本記事は環境省・気象庁・消防庁・厚生労働省の公式データ・ガイドラインをもとに作成しています。熱中症警戒情報の最新発令状況は環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)・気象庁公式サイト(jma.go.jp)でご確認ください。熱中症の診断・治療については医師・医療機関にご相談ください。

目次

熱中症警戒情報とは:広義と狭義の整理

熱中症警戒情報という言葉には、広義と狭義の2つの使われ方があります。

メディアや気象アプリによって使い方が異なるため、まず整理しておくことが重要です。

広義の熱中症警戒情報

広義では、熱中症の危険性を伝えるすべての公的情報を熱中症警戒情報と呼びます。

具体的には以下の4種類が含まれます。

  • 気象庁の高温注意情報(最高気温35℃以上が予想される場合に発表)
  • 環境省・気象庁共同の熱中症警戒アラート(WBGT33℃以上予測時に発令)
  • 環境省・気象庁共同の熱中症特別警戒アラート(全観測地点でWBGT35℃以上予測時に発令)
  • 環境省熱中症予防情報サイトで提供される暑さ指数(WBGT)の実況値・予測値情報

狭義の熱中症警戒情報

狭義では、環境省と気象庁が共同で運用する熱中症警戒アラートを指すことが多いです。

2021年の全国運用開始以降、メディア・行政・教育機関では熱中症警戒アラートが熱中症警戒情報の代名詞として扱われることが増えています。

この記事では、広義の熱中症警戒情報を包括的に解説した上で、最も重要な熱中症警戒アラートと特別警戒アラートについて詳しく説明します。

熱中症警戒情報が整備された背景

熱中症警戒情報の体系が整備されるまでには、2018年夏の衝撃的な被害が大きな転換点となりました。

2018年夏:熱中症の大規模災害化

2018年7月、西日本豪雨(7月6〜8日)の直後に記録的な熱波が日本列島を直撃しました。

7月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃という現在も破られていない国内最高気温を記録しました。

この夏の熱中症による救急搬送者数は全国で95,137人に達しました。

厚生労働省の人口動態統計によると、2018年の熱中症による死亡者数は1,581人を記録しました。

台風や豪雨による年間死者数を大幅に上回るこの被害は、熱中症が地震・水害と同レベルの気象災害であることを日本社会に突きつけました。

既存の高温注意情報の限界

2018年以前、熱中症に関する主な公的警戒情報は気象庁の高温注意情報でした。

高温注意情報は最高気温35℃以上(猛暑日)が予想される場合に発表される情報です。

しかしこの情報には重大な限界がありました。

気温だけを基準としており、熱中症リスクに大きく影響する湿度・輻射熱(太陽や地面からの熱放射)を反映していなかったのです。

同じ気温35℃でも、湿度30%の乾燥した日と湿度80%の蒸し暑い日では、体感温度も熱中症リスクも大きく異なります。

この問題を解決するために導入されたのが、湿度と輻射熱を組み合わせた暑さ指数(WBGT)を基準とする熱中症警戒アラートです。

試験運用から全国展開・そして法制化へ

環境省と気象庁は2020年に関東甲信越地域で試験運用を開始しました。

試験運用の成果を踏まえ、2021年4月から全国運用が開始されました。

さらに2024年4月には気候変動適応法が改正され、熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの発令体制が法律に明記されました。

同改正では、市区町村によるクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)の指定・開放の義務化も定められました。

暑さ指数(WBGT)とは:熱中症警戒情報の核心指標

熱中症警戒アラートを正しく理解するためには、発令基準となる暑さ指数(WBGT)を知ることが必要です。

WBGTの定義

WBGTはWet Bulb Globe Temperatureの略であり、湿球黒球温度とも呼ばれます。

1950年代にアメリカ軍が熱中症予防のために開発した指標で、現在は国際標準化機構(ISO)・日本工業規格(JIS)でも採用されています。

気温・湿度・輻射熱の3要素を組み合わせ、人体が暑熱環境から受けるストレスを数値化した指標です。

WBGTの計算要素

WBGTは以下の3種類の温度を組み合わせて計算されます。

  • 湿球温度(70%の重み):水で濡らしたガーゼを巻いた温度計で測定。湿度が高いほど湿球温度が上昇し、体の汗が蒸発しにくい状態を反映する
  • 黒球温度(20%の重み):黒く塗った中空の球(直径15cm程度)の中に入れた温度計で測定。太陽の直射日光・地面・周囲からの輻射熱の影響を反映する
  • 乾球温度(10%の重み):通常の気温計で測定した気温。湿球温度・黒球温度と比較すると影響は最小

計算式は以下の通りです。

WBGT(屋外)= 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

湿球温度の重みが70%と大きい理由は、発汗による体温冷却に対する湿度の影響が極めて大きいからです。

高湿度の環境では汗が蒸発しにくく、体温調節が機能しにくくなります。

日本の夏は高温多湿のため、WBGTは単純な気温より熱中症リスクを正確に反映します。

気温とWBGTの対応関係

気温とWBGTの大まかな対応関係(湿度60〜65%の場合の目安)は以下の通りです。

気温(℃) WBGT(℃)の目安 日本スポーツ協会の運動指針
約28℃ 21〜25℃程度 注意(積極的な水分補給)
約31℃(真夏日水準) 25〜28℃程度 警戒(積極的な休憩・水分補給)
約35℃(猛暑日水準) 28〜31℃程度 厳重警戒(激しい運動は中止)
約38℃ 31℃以上 危険(運動は原則禁止)
約40〜41℃以上(酷暑日水準) 33〜35℃以上 警戒アラート〜特別警戒アラート発令水準

熱中症関連の警戒情報:4種類の違いと発令基準

熱中症に関連する公的情報は4種類あります。

それぞれの違いを正確に理解することが、適切な防災行動につながります。

情報①:高温注意情報(気象庁)

高温注意情報は、気象庁が2013年から運用している熱中症予防を目的とした情報です。

府県予報区(都道府県の気象業務上の区分)単位で、翌日または当日の最高気温が35℃以上(猛暑日)と予想される場合に発表されます。

基準は気温のみであり、湿度・輻射熱は考慮されません。

気象庁は現在、高温注意情報と熱中症警戒アラートを並行して運用しています。

高温注意情報はWBGTを基準とした熱中症警戒アラートが発令されない地域・時期でも発表されるため、両者を補完的に確認することが推奨されます。

情報②:熱中症警戒アラート(環境省・気象庁共同)

熱中症警戒アラートは、環境省と気象庁が共同で運用する情報です。

発令基準は、都道府県内のいずれかのWBGT観測地点において翌日または当日のWBGTが33℃以上と予測される場合です。

2021年4月から全国運用が開始されました。

発令区域は都道府県単位です(北海道は8区域に分割)。

発令タイミングは主に2つです。

  • 前日発令(17時頃):翌日の最も暑くなる時間帯のWBGTが33℃以上と予測される場合に前日夕方に発令
  • 当日発令(5時頃):前日予測より高温となる見通しの場合や、前日に予測できなかった高温が見込まれる場合に当日朝に発令

発令期間は毎年4月下旬〜10月上旬頃です。

情報③:熱中症特別警戒アラート(環境省・気象庁共同)

熱中症特別警戒アラートは、2024年4月の気候変動適応法改正により新設された最上位の警戒情報です。

発令基準は、都道府県内のすべてのWBGT観測地点において翌日または当日のWBGTが35℃以上と予測される場合です。

警戒アラートが都道府県内のいずれかの地点で基準を超えれば発令されるのに対し、特別警戒アラートはすべての観測地点が基準を超える場合にのみ発令されます。

この条件は極めて厳しく、普通の猛暑日ではまず発令されない情報です。

日本列島全体を覆う規模の熱波が発生した場合にのみ発令される最上位の危機情報です。

情報④:暑さ指数(WBGT)情報(環境省)

環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)では、全国約840地点のWBGT実況値と予測値が3時間ごとに更新されています。

アラートの発令有無にかかわらず、自分の居住地・活動地点のWBGTをリアルタイムで確認できる情報です。

WBGT31℃以上は危険水準(運動は原則禁止)であり、警戒アラートが発令されていない日でもWBGTの実況値を確認することが重要です。

4種類の情報を一覧で整理する

情報の種類 発令主体 発令基準 発令区域 主な特徴
高温注意情報 気象庁 最高気温35℃以上予想 府県予報区 気温のみが基準。湿度・輻射熱は考慮しない
熱中症警戒アラート 環境省・気象庁 都道府県内いずれかの地点でWBGT33℃以上予測 都道府県単位 湿度・輻射熱を加味したWBGTを基準。2021年全国運用開始
熱中症特別警戒アラート 環境省・気象庁 都道府県内すべての地点でWBGT35℃以上予測 都道府県単位 最上位の警戒情報。2024年新設。発令条件は極めて厳しい
暑さ指数(WBGT)情報 環境省 発令基準なし(実況値・予測値を常時公表) 全国約840観測地点 地点別リアルタイム情報。アラート発令の有無にかかわらず確認可能

熱中症警戒情報の確認方法

熱中症警戒情報を確認するための主要な手段を解説します。

環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)

環境省が運営する熱中症予防情報サイトは、熱中症関連情報の一次情報源です。

同サイトでは以下の情報をリアルタイムで確認できます。

  • 全国の熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの発令状況(都道府県別・色分けマップ)
  • 全国約840地点のWBGT実況値・3時間ごとの予測値
  • 全国のWBGT実況分布マップ
  • クーリングシェルター検索機能(市区町村別)
  • 熱中症予防の基礎知識・行動指針

スマートフォンのブラウザでもアクセス可能です。

ホーム画面にショートカットを追加しておくと、毎朝確認する習慣をつけやすくなります。

気象庁公式サイト(jma.go.jp)

気象庁公式サイトでは、高温注意情報と熱中症警戒アラートの発令状況を確認できます。

各都道府県の天気予報ページに熱中症警戒アラートの発令情報が統合されています。

週間天気予報と合わせて確認することで、数日先の熱中症リスクを事前に把握できます。

NHK・民放テレビ・ラジオ

NHKは熱中症警戒アラートが発令された際に、ニュース・天気予報・Webサイト・ラジオで情報を発信します。

民放各社も天気予報コーナーや速報テロップで警戒アラートの情報を提供します。

特に高齢者はテレビ・ラジオが情報収集の主要手段であることが多いため、家族が高齢者に情報を伝える仕組みを作ることも重要です。

気象アプリの通知機能

tenki.jp・weathernews・Yahoo!天気など主要な気象アプリの多くは、熱中症警戒アラートの通知機能を備えています。

通知設定をオンにしておくと、アラート発令時に自動でプッシュ通知を受け取ることができます。

今すぐアプリの通知設定を確認し、熱中症警戒アラートの通知を有効にしておくことを強く推奨します。

市区町村の防災メール・公式SNS

多くの市区町村は自治体の防災メール・公式SNS(X・LINE)でも熱中症警戒アラートの発令情報を発信しています。

特別警戒アラートが発令された場合はクーリングシェルターの開放情報も市区町村から発信されます。

居住地の市区町村の防災メール登録・公式SNSフォローを済ませておくことを推奨します。

熱中症警戒情報が発令されたときに取るべき行動

熱中症警戒情報(主に熱中症警戒アラート)が発令された日の推奨行動を、対象別に解説します。

個人・家庭の基本行動

熱中症警戒アラート発令日の推奨行動は以下の通りです。

  • 不要不急の外出を控える:特に日中(10〜16時)の外出は原則として避ける。買い物・通院などは早朝(8時台まで)に済ませる
  • エアコンをためらわずに使用する:室温計で居室の室温を確認し、28℃を超えたら即座にエアコンを稼働させる。節電より命を優先する
  • 水分・塩分をこまめに補給する:のどが渇く前に飲む習慣をつける。目安は1〜1.5時間に1回・コップ1杯(200ml)程度。スポーツドリンク・経口補水液も活用する
  • 体調の変化に敏感になる:めまい・立ちくらみ・大量の発汗・頭痛・吐き気は熱中症の初期症状。これらを感じたらすぐに涼しい場所に移動し水分・塩分を補給する
  • 就寝中もエアコンを使用する:熱帯夜(夜間最低気温25℃以上)はタイマーをかけずにエアコンを継続運転する。就寝前後の水分補給も行う

高齢者への特別な配慮

熱中症死亡者の約90%以上は65歳以上の高齢者です。

さらに熱中症死亡場所の約50〜60%が自宅屋内です。

エアコンをつけない自宅屋内で気づかれないまま重症化するパターンが最も多い状況です。

高齢者・その家族・地域コミュニティが取るべき行動は以下の通りです。

  • 熱中症警戒アラート発令日は、独居高齢者の家族が電話またはSNSで安否確認を行う
  • 近隣に独居高齢者が住んでいる場合は訪問し、エアコンが稼働しているか・水分補給ができているかを確認する
  • 民生委員・地域包括支援センター・自主防災組織が連携して見守り訪問を実施する
  • エアコンの使用をためらう高齢者には電気代よりも命が大切であることを家族が事前に伝えておく
  • 高齢者が使うエアコンのフィルター清掃・故障確認を夏前に行っておく
  • 緊急時(意識の混濁・呼びかけへの無反応)は即座に119番へ通報する

乳幼児・子どもへの配慮

乳幼児・小学校低学年の子どもは体重当たりの体表面積が大きく、外気温の影響を大人より受けやすい特性があります。

また自分から水分補給を求めることが難しいため、保護者が意識的に水分補給を促す必要があります。

  • 熱中症警戒アラート発令日の日中の外遊び・公園遊びは原則中止する
  • 30分に1回程度の水分補給を保護者がリードして行う
  • ベビーカーへの長時間の乗車を避ける(地表に近い位置は大人の目線より気温が高い場合がある)
  • チャイルドシートでの車内放置は短時間でも絶対に避ける(外気温35℃の駐車中の車内は30分で50℃を超えることがある)

屋外での仕事・スポーツを行う方への行動指針

農業・建設業・清掃業など屋外作業が避けられない方のための行動指針です。

厚生労働省の熱中症予防対策のガイドラインでは、WBGT28℃以上での作業制限・積極的な休憩・水分補給が推奨されています。

  • WBGT33℃以上(警戒アラート発令水準)では屋外作業を原則中止または大幅に制限する
  • 作業が必要な場合は早朝(6〜8時台)・夕方(17時以降)に集中させ、日中(10〜16時)の屋外作業を最小化する
  • 15〜20分に1回の水分補給(1回200〜250ml程度)・日陰での休憩を義務づける
  • 通気性の良い吸汗速乾素材の作業服・日差しを遮る帽子・冷却ベストを着用する
  • 2人以上での作業を原則とし、相互の体調チェックを定期的に行う

学校の部活動・スポーツ活動については、熱中症警戒アラート発令日には屋外活動を中止し屋内での軽い活動に変更することが推奨されます。

日本スポーツ協会はWBGT31℃以上での運動原則禁止を定めており、警戒アラート発令水準(WBGT33℃以上)はこれを大幅に超えています。

熱中症特別警戒アラート発令時の行動

特別警戒アラートが発令された場合は、命を守ることを絶対最優先にした行動が求められます。

  • 不要不急の外出を全面的に中止する
  • エアコンを最大限に活用し室温を28℃以下に保つ
  • エアコンがない・故障している場合は直ちにクーリングシェルターに移動する
  • 独居高齢者・乳幼児のいる家庭への緊急連絡・訪問を実施する
  • 屋外での仕事・スポーツ活動を即時中止する
  • 水分・塩分補給をのどが渇く前に継続的に行う

市区町村は特別警戒アラートが発令された場合にクーリングシェルターを開放する義務があります(2024年気候変動適応法改正により義務化)。

クーリングシェルターの活用:熱中症警戒情報発令時の重要な避難インフラ

熱中症警戒情報が発令された際の重要な防災インフラがクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)です。

クーリングシェルターとは

クーリングシェルターとは、熱中症の危険性が高い気象状況のときに涼を取るために誰でも無料で立ち入ることができる施設です。

2024年の気候変動適応法改正により、市区町村がエアコン設備を有する施設をクーリングシェルターとして指定・公表することが義務づけられました。

指定施設には公民館・図書館・市区町村庁舎・商業施設・コンビニエンスストアなどが多く含まれます。

クーリングシェルターを使うべきタイミング

以下の状況ではためらわずにクーリングシェルターに移動してください。

  • 自宅のエアコンが故障している・設置されていない
  • 停電でエアコンが使えない状態になっている
  • 外出中に強い頭痛・めまい・吐き気などの熱中症症状を感じた
  • 熱中症特別警戒アラートが発令され、自宅室温が急上昇している
  • 独居高齢者が体調不良を感じているが病院に行くほどでもない場合

クーリングシェルターの探し方

  • 市区町村の公式Webサイト:指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)の一覧が掲載されています。夏前に確認し、自宅・職場・学校から徒歩10〜15分以内の施設を把握しておくことを推奨します
  • 環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp):市区町村名を入力することで最寄りの施設を検索できます
  • 市区町村の防災アプリ・公式SNS:アラート発令時にクーリングシェルターの開設情報をリアルタイムで発信する自治体が増えています

熱中症警戒情報に対応する備蓄と事前準備

熱中症警戒情報への備えとして、事前に準備しておくべきものを解説します。

飲料水・経口補水液の備蓄

熱中症警戒アラートが続く猛暑日・酷暑日には、通常より多くの水分補給が必要になります。

防災備蓄として1人あたり1日3L以上の飲料水を最低3〜7日分用意することを推奨します。

経口補水液(OS-1等)・スポーツドリンク・塩飴・塩タブレットも備蓄しておくと、熱中症初期対応に役立ちます。

冷却グッズの準備

停電・エアコン故障に備えた冷却グッズを用意しておくことが重要です。

  • 保冷剤(複数個):首・脇の下・鼠径部(太ももの付け根)に当てることで体温を効率よく下げられる
  • 冷却タオル(水に濡らすと冷感が持続するタイプ)
  • ハンディファン(USB充電式・モバイルバッテリー対応):身体に水をスプレーして扇風機で風を当てると気化熱で体表温度が下がる
  • 携帯型霧吹き(ミストスプレー)
  • 遮熱カーテン・遮光カーテン:窓からの輻射熱を大幅に遮断できる

エアコンの事前整備

夏前(5〜6月中旬)にエアコンのフィルター清掃・試運転を行い、故障していないことを確認しておくことが重要です。

夏のピーク時(7〜8月)はエアコンの修理依頼が集中するため、修理まで数日〜数週間かかるケースがあります。

故障したままアラート発令期間を迎えないよう、早めの点検を推奨します。

熱中症警戒情報と気候変動:今後の見通し

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書は、温室効果ガスの排出が続く限り2030〜2040年代にかけて熱波・高温日の頻度・強度・継続期間がさらに増加すると警告しています。

気象庁のデータでは、日本の年平均気温は100年当たり約1.3℃のペースで上昇しており、猛暑日数・熱帯夜数は長期増加トレンドを示しています。

熱中症警戒アラートの年間発令回数・熱中症による救急搬送者数は今後さらに増加することが予想されます。

2024年に新設された熱中症特別警戒アラートが実際に多数発令される夏が来ることも想定しておく必要があります。

よくある疑問:Q&A

Q. 熱中症警戒情報と熱中症警戒アラートは同じものですか?

使う機関・文脈によって異なります。

熱中症警戒情報という言葉は、気象庁・環境省・メディアが熱中症に関連する複数の警戒情報の総称として使う場合があります。

一方、熱中症警戒アラートは環境省と気象庁が共同発令する特定の情報を指す正式名称です。

環境省・気象庁の公式情報では熱中症警戒アラート・特別警戒アラートという名称が使われているため、この2つを基準として理解することを推奨します。

Q. 熱中症警戒アラートが出ていない日は熱中症のリスクはないですか?

そうではありません。

WBGT28℃以上(気温約31℃程度)の段階でも、激しい運動や屋外作業での熱中症リスクは高い状態にあります。

警戒アラートが発令されていない日でも、夏日・真夏日・猛暑日の水準では適切な水分補給・休憩・直射日光回避を継続することが重要です。

環境省熱中症予防情報サイトのWBGT実況値を確認し、WBGT28℃を超えたら積極的な熱中症対策を行ってください。

Q. 熱中症になってしまったときの対処法は?

意識がある場合は涼しい場所(エアコンの効いた室内・日陰)に移動させます。

衣服をゆるめ、冷たい水・経口補水液を少しずつ飲ませます。

首・脇の下・鼠径部を保冷剤・冷たいタオルで冷やすと効果的です。

意識がない・呼びかけに反応しない・呼吸が異常な場合は即座に119番へ通報してください。

水分を飲めない状態(意識があっても嘔吐がある等)の場合も医療機関への搬送が必要です。

Q. 熱中症警戒情報は全都道府県に同時に発令されることはありますか?

気象条件によっては複数の都道府県に同日発令されることは多くあります。

しかし全47都道府県への同時発令は、それだけ広範な熱波が日本全土を覆う状態を意味するため、実際には一部地域への集中発令がほとんどです。

特に関東・東海・近畿・九州地方は発令頻度が高い地域です。

北海道・東北地方への発令は件数が少ないものの、近年の気候変動により増加傾向にあります。

Q. 職場・学校での熱中症警戒情報への対応義務はありますか?

法律で詳細な行動義務が定められているわけではありませんが、労働安全衛生法・厚生労働省のガイドラインに基づき、事業者は労働者の熱中症予防措置を講じる義務があります。

WBGT28℃以上での作業制限・水分補給の確保・休憩場所の設置が推奨されています。

学校については、文部科学省・日本スポーツ協会が熱中症警戒アラート発令時の屋外活動中止を指導していますが、最終判断は学校・教育委員会が行います。

まとめ:熱中症警戒情報を正しく理解して命を守る

熱中症警戒情報は、熱中症という毎年10万人超の救急搬送・1,000人超の死者をもたらす気象災害から命を守るための公式防災情報です。

高温注意情報・熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラート・WBGT情報という4種類の情報を正しく理解し、それぞれのレベルに応じた行動を取ることが重要です。

今すぐ実践してほしいことを5つ挙げます。

  • 環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)をブックマークし、毎朝アラート発令状況とWBGT予測値を確認する習慣をつける
  • 気象アプリの通知設定で熱中症警戒アラートの通知を今すぐオンにする
  • 市区町村の公式サイトで最寄りのクーリングシェルターの場所と開放条件を事前に確認する
  • エアコンのフィルター清掃・試運転を夏前に実施し、故障時の修理業者の連絡先を把握しておく
  • 独居高齢者の家族・近隣住民への見守り体制を整え、アラート発令日の連絡ルールを決めておく

地球温暖化の進行により、熱中症警戒情報が発令される日数は今後さらに増加することが確実視されています。

地震・洪水と同じように、熱中症対策を防災計画の中心に位置づけることが、これからの夏を生き抜くために欠かせません。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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