熱中症特別警戒情報とは何か【2026年版】発令基準・警戒アラートとの違い・発令時の行動・確認方法を完全解説

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熱中症特別警戒情報とは何か【2026年版】発令基準・警戒アラートとの違い・発令時の行動・確認方法を完全解説

【この記事の要約】
熱中症特別警戒情報とは、2024年4月施行の改正気候変動適応法に基づき新設された熱中症特別警戒アラートの通称です。環境省と気象庁が共同で運用する熱中症関連の警戒情報のうち最上位に位置づけられており、発令基準は対象都道府県内のすべてのWBGT(暑さ指数)観測地点において翌日または当日のWBGTが35℃以上と予測される場合です。下位区分の熱中症警戒アラート(いずれかの地点でWBGT33℃以上)と比較して発令条件が極めて厳しく、日本全体を覆う規模の熱波が発生した際にのみ発令される最高水準の警戒情報です。特別警戒アラートが発令された場合に取るべき行動は①不要不急の外出を全面中止する、②エアコンを最大限に活用して室温28℃以下を維持する、③エアコンがない・故障している場合は直ちにクーリングシェルターへ移動する、④独居高齢者・乳幼児のいる家庭への緊急連絡・訪問を実施する、⑤屋外での仕事・スポーツを即時中止する——の5つです。2024年の制度創設以降、特別警戒アラートの発令に備えた準備を今から整えておくことが重要です。

2024年から運用が始まった熱中症特別警戒情報(熱中症特別警戒アラート)は、日本の熱中症対策において最上位に位置する警戒情報です。

しかし熱中症警戒アラートとどう違うのか・どんな状況で発令されるのか・発令されたら何をすべきなのか、正確に理解している方はまだ多くありません。

特別警戒アラートはその名の通り、通常の熱中症警戒アラートをはるかに超える極めて深刻な暑熱環境が予測されるときにのみ発令される情報です。

発令された場合の行動は、地震の避難指示や大雨特別警報発令時に匹敵する緊急性を持ちます。

この記事では、熱中症特別警戒情報の正確な定義・発令基準・警戒アラートとの違い・確認方法・発令時に命を守るための具体的行動を徹底解説します。

【この記事の信頼性について】
本記事は環境省・気象庁・内閣府・消防庁・厚生労働省の公式データ・法令・ガイドラインをもとに作成しています。熱中症特別警戒アラートの発令状況は環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)・気象庁公式サイト(jma.go.jp)でご確認ください。熱中症の診断・治療については必ず医師・医療機関にご相談ください。

目次

熱中症特別警戒情報が生まれた背景

熱中症特別警戒情報を理解するには、その設立背景となった近年の熱中症被害の深刻化と法改正の流れを知ることが重要です。

熱中症の気象災害化:救急搬送10万人超・死者1,000人超の現実

熱中症は毎年夏に日本全国で甚大な人的被害をもたらす気象災害です。

消防庁のデータによると、熱中症による救急搬送者数は2018年に95,137人、2024年には約105,000人超と過去最多水準を記録しています。

厚生労働省の人口動態統計では、熱中症による年間死亡者数は2018年に1,581人、2023年に1,000人超を記録しています。

大規模な台風による年間死者が多い年でも数十〜百人規模であることと比較すると、熱中症の人的被害の規模は圧倒的です。

熱中症は地震・水害と並ぶ最大級の気象災害として位置づけるべき現実があります。

気候変動による熱波の激甚化

地球温暖化の進行により、日本の夏の高温化は確実なトレンドとなっています。

気象庁のデータでは、日本の年平均気温は100年当たり約1.3℃のペースで上昇しており、猛暑日(最高気温35℃以上)や熱帯夜(夜間最低気温25℃以上)の日数は長期増加傾向を示しています。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書は、温室効果ガスの排出が続く限り2030〜2040年代にかけて熱波の頻度・強度・継続期間がさらに増加すると警告しています。

こうした背景のもと、既存の熱中症警戒アラートだけでは対応しきれない規模の熱波に備えた最上位の警戒情報として、熱中症特別警戒アラートが創設されました。

2024年気候変動適応法改正による法制化

熱中症特別警戒アラートの根拠法は、2024年4月に施行された改正気候変動適応法(気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律)です。

この改正では、熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの発令体制が法律に明文化されました。

また同改正により、市区町村による指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)の指定・公表・特別警戒アラート発令時の開放が義務づけられました。

国民の命を守るための熱中症対策が、個人の健康管理から社会インフラの整備へと格上げされた法改正です。

熱中症特別警戒情報とは:正式な定義と発令主体

熱中症特別警戒情報は、熱中症特別警戒アラートの通称です。

メディアや行政が熱中症特別警戒情報・熱中症特別警戒アラートを同義として使う場合が多いため、本記事でも両者を同義として扱います。

正式名称と発令主体

正式名称は熱中症特別警戒アラートです。

発令主体は環境省と気象庁の共同です。

根拠法は気候変動適応法(2024年4月施行・改正版)です。

事務局は環境省が担当し、気象データの提供・予測は気象庁が担います。

熱中症関連情報の体系における位置づけ

熱中症特別警戒アラートは、日本の熱中症関連警戒情報の最上位に位置します。

熱中症に関連する公的情報を警戒レベル順に整理すると以下の通りです。

【最上位】熱中症特別警戒アラート(全観測地点でWBGT35℃以上)
 ↑
【上位】熱中症警戒アラート(いずれかの観測地点でWBGT33℃以上)
 ↑
【中位】高温注意情報(最高気温35℃以上予想・気象庁)
 ↑
【参考情報】暑さ指数(WBGT)実況値・予測値(環境省・常時公表)

熱中症特別警戒情報(特別警戒アラート)の発令基準

熱中症特別警戒アラートの発令基準は、対象都道府県内のすべてのWBGT観測地点において翌日または当日のWBGTが35℃以上と予測される場合です。

暑さ指数(WBGT)とは

WBGTはWet Bulb Globe Temperatureの略であり、湿球黒球温度とも呼ばれます。

1950年代にアメリカ軍が熱中症予防のために開発した指標で、現在は国際標準化機構(ISO)・日本工業規格(JIS)でも採用されています。

気温だけでなく、湿度・輻射熱(太陽や地面からの熱放射)を組み合わせて人体が暑熱環境から受けるストレスを数値化した指標です。

WBGTの計算式は以下の通りです。

WBGT(屋外)= 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度

湿球温度の重みが70%と大きい理由は、発汗による体温冷却に対する湿度の影響が最も大きいからです。

高湿度環境では汗が蒸発しにくく、体温調節が機能しにくくなります。

WBGT35℃とはどの程度の暑さか

特別警戒アラートの基準となるWBGT35℃は、極めて過酷な暑熱環境を意味します。

気温・湿度との対応関係は以下の通りです(目安)。

気温(℃) 湿度(%) WBGT(℃)の目安 熱中症リスク
35℃ 40% 約28〜29℃ 厳重警戒(激しい運動中止)
38℃ 60% 約32〜33℃ 危険(外出原則回避・警戒アラート水準)
40℃ 60% 約34〜35℃ 極めて危険(特別警戒アラート水準)
40℃以上 70%以上 35℃以上 命に直結する危機的状況

WBGT35℃以上は、日本スポーツ協会が定める運動の指針のうち最高レベルの危険水準(WBGT31℃以上での運動禁止)を大幅に超えます。

この水準の暑熱環境では、屋外での活動どころか適切な冷却措置がない屋内にいるだけでも命の危険があります。

特別警戒アラートの発令条件が極めて厳しい理由

熱中症警戒アラートが都道府県内のいずれかの観測地点でWBGT33℃以上と予測されれば発令されるのに対し、特別警戒アラートは都道府県内のすべての観測地点でWBGT35℃以上が必要です。

この条件の厳しさは意図的なものです。

特別警戒アラートが頻繁に発令されると社会的な警戒感が薄れる(狼少年効果)ことを防ぐため、本当に命に関わる極限的な状況でのみ発令される情報として設計されています。

したがって特別警戒アラートが発令されたということは、普通の猛暑日をはるかに超えた、歴史的な規模の熱波が発生していることを意味します。

発令のタイミングと発令期間

発令タイミングは熱中症警戒アラートと同様です。

  • 前日発令(17時頃):翌日のWBGTが都道府県内全地点で35℃以上と予測される場合に前日夕方に発令
  • 当日発令(5時頃):前日予測より高温となる見通しの場合・前日に予測できなかった高温が見込まれる場合に当日朝に発令

発令期間は毎年4月下旬〜10月上旬頃(熱中症警戒アラートと同じ運用期間)です。

発令区域は都道府県単位(北海道は8区域)です。

熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラートの違い

2つの情報を混同しないよう、主要な違いを整理します。

比較項目 熱中症警戒アラート 熱中症特別警戒アラート
発令主体 環境省・気象庁(共同) 環境省・気象庁(共同)
根拠法 気候変動適応法 気候変動適応法(2024年改正で明文化)
運用開始 2021年4月(全国) 2024年4月
WBGT基準 33℃以上 35℃以上
観測地点の条件 都道府県内いずれかの地点が基準超 都道府県内すべての地点が基準超
発令頻度 年間数十〜百回以上(都道府県延べ数) 極めてまれ(日本列島規模の熱波時のみ)
クーリングシェルター開放義務 義務なし(推奨) 市区町村に開放義務あり(法律で規定)
推奨される行動レベル 不要不急の外出を控える・エアコン使用 外出全面中止・即クーリングシェルター移動

熱中症特別警戒情報が発令されたときに取るべき行動

熱中症特別警戒アラートが発令されたときの行動は、通常の熱中症警戒アラート発令時よりも一段高い緊急性で取り組む必要があります。

個人・家庭の最優先行動

特別警戒アラート発令時に個人・家庭が取るべき行動は以下の通りです。

  • 不要不急の外出を全面的に中止する:買い物・散歩・通院など、命に関わらない外出はすべて中止する。特に日中(10〜16時)の屋外活動は原則ゼロにする
  • エアコンを最大限に活用する:室温計で居室の室温を確認し、28℃を超えたら即座にエアコンを稼働させる。電気代よりも命を最優先にする
  • エアコンがない・故障している場合は直ちにクーリングシェルターに移動する:特別警戒アラート発令時は市区町村のクーリングシェルターが開放されている。ためらわずに利用する
  • 水分・塩分をこまめに補給する:のどが渇く前に飲む。30〜60分に1回・コップ1杯(200ml)程度の目安で継続的に補給する。スポーツドリンク・経口補水液を活用する
  • 就寝中もエアコンを継続稼働する:熱帯夜(夜間最低気温25℃以上)はタイマーなしでエアコンを運転する。就寝前・起床直後の水分補給も忘れない
  • 体調の変化に敏感になる:めまい・立ちくらみ・大量の発汗・頭痛・吐き気・強い倦怠感は熱中症の初期症状。これらを感じたら即座に涼しい場所に移動し水分・塩分を補給する

高齢者への緊急対応

熱中症死亡者の約90%以上は65歳以上の高齢者です。

また熱中症死亡場所の約50〜60%が自宅屋内であることが分かっています。

エアコンをつけない自宅屋内で気づかれないまま重症化するパターンが最も多い状況です。

特別警戒アラート発令時は、独居高齢者への対応が地域コミュニティにとって最も緊急性の高い防災行動です。

  • 特別警戒アラート発令が予告された前日夕方(17時頃の発令情報公表後)に、独居高齢者の家族・親族が電話またはSNSで安否確認を行う
  • 近隣に独居高齢者が住んでいる場合は発令日の朝に訪問し、エアコンが稼働しているか・室温が適切か・水分補給ができているかを確認する
  • エアコンが故障している・設置されていない独居高齢者はクーリングシェルターへの移動を家族・地域が協力して支援する
  • 民生委員・地域包括支援センター・自主防災組織が連携して見守り訪問・安否確認を実施する
  • 意識の混濁・呼びかけへの無反応・ぐったりしている場合は即座に119番へ通報する

乳幼児・子どもへの特別な配慮

乳幼児・小学校低学年の子どもは体重当たりの体表面積が大きく、外気温の影響を大人より受けやすい特性があります。

また自分から体調の悪化を言葉で伝えることが難しいため、保護者が積極的に観察・対応する必要があります。

  • 特別警戒アラート発令日の外出は原則すべて取りやめる
  • 30分に1回程度の水分補給を保護者がリードして行う
  • チャイルドシートでの車内放置は特別警戒アラート発令日でなくても絶対に避ける。外気温40℃超の駐車中の車内は短時間で命に関わる温度になる
  • 屋内でも室温管理を徹底し、子どもが活動する部屋のエアコンを常時稼働させる

屋外での仕事が避けられない場合の対応

農業・建設業・清掃業など、特別警戒アラート発令日でも屋外作業が完全には避けられない場合があります。

厚生労働省の熱中症予防対策のガイドラインに基づき、以下の対応が求められます。

  • WBGT35℃以上(特別警戒アラート発令水準)では屋外作業を原則全面中止とする
  • どうしても作業が必要な場合は早朝(6時台まで)・夕方(18時以降)に限定し、最短時間で完了させる
  • 2人以上での作業を義務とし、相互の体調確認を10〜15分に1回行う
  • 10〜15分に1回の水分補給(1回200ml程度)・日陰での十分な休憩を確保する
  • 冷却ベスト・吸汗速乾素材の作業服・遮熱帽子を着用する
  • 体調不良者が発生した場合は即座に作業を中止し涼しい場所に移動させ、状態によっては119番通報を行う

学校・スポーツ活動での対応

特別警戒アラートが発令された場合、学校での屋外活動・体育・部活動は即時中止が原則です。

環境省・文部科学省は特別警戒アラート発令時の屋外活動中止を強く推奨しています。

競技会・大会の場合も主催者・学校・部活動顧問は延期・中止を最優先に判断してください。

日本スポーツ協会が定める運動禁止基準(WBGT31℃以上)を特別警戒アラートの水準(WBGT35℃以上)が大幅に超えることを考えると、いかなる競技でも強行開催は生命を危険にさらす行為です。

クーリングシェルター:特別警戒アラート発令時の最重要避難インフラ

熱中症特別警戒アラートが発令された場合に開放が義務づけられているのがクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)です。

クーリングシェルターの法的根拠と市区町村の義務

2024年改正気候変動適応法により、市区町村は以下の2点が義務づけられました。

  • エアコン等の冷却設備を有する施設をクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)として指定・公表すること
  • 熱中症特別警戒アラートが発令された場合、指定したクーリングシェルターを開放すること

これは熱中症警戒アラート(通常版)の発令時にはクーリングシェルターの開放義務がない点と異なります。

特別警戒アラートの発令時には全国すべての市区町村がクーリングシェルターを開放する義務を負います。

クーリングシェルターとして指定される施設の例

市区町村によって指定施設は異なりますが、一般的に以下のような施設が指定されています。

  • 市区町村の庁舎・出張所・支所
  • 公民館・集会所・コミュニティセンター
  • 図書館・博物館・文化施設
  • スポーツセンター・体育館(屋内エアコン設備のある施設)
  • 協定を結んだコンビニエンスストア・スーパーマーケット・ドラッグストア
  • 協定を結んだ銀行・郵便局・商業施設

特別警戒アラート発令時には、これらの施設が誰でも無料で利用できる涼みの場所として開放されます。

クーリングシェルターの探し方・事前確認の方法

特別警戒アラートが発令されてから初めてクーリングシェルターを探すのでは遅い場合があります。

夏前に以下の方法で最寄りのクーリングシェルターを把握しておくことが重要です。

  • 市区町村の公式Webサイト:指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)の一覧が掲載されています。自宅・職場・学校から徒歩10〜15分以内の施設を事前に把握しておきます
  • 環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp):市区町村名を入力することで最寄りのクーリングシェルターを検索できます
  • 市区町村の防災アプリ・公式SNS:特別警戒アラート発令時にリアルタイムで開放施設の情報を発信する市区町村が増えています

クーリングシェルターをためらわずに使う

日本人は公共施設を利用することに遠慮する傾向があります。

しかし特別警戒アラートが発令された日に、エアコンのない・故障した自宅にとどまることは命を危険にさらす行為です。

以下の状況ではためらわずにクーリングシェルターに移動してください。

  • 自宅のエアコンが故障している・設置されていない
  • 停電でエアコンが使えない状態になっている
  • 外出中に強い頭痛・めまい・吐き気などの熱中症症状を感じた
  • 特別警戒アラートが発令され自宅室温が28℃を超えている
  • 独居高齢者が体調不良を感じているが病院に行くほどでもない状態

熱中症特別警戒情報の確認方法

熱中症特別警戒アラートの発令情報を確認するための主要な手段を整理します。

環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)

最も包括的な一次情報源です。

以下の情報をリアルタイムで確認できます。

  • 熱中症特別警戒アラート・警戒アラートの全国発令状況(都道府県別・色分けマップ)
  • 全国約840地点のWBGT実況値・3時間ごとの予測値
  • クーリングシェルターの検索機能(市区町村別)
  • 熱中症予防の基礎知識・行動指針

スマートフォンのホーム画面にショートカットを追加しておき、毎朝確認する習慣をつけることを推奨します。

気象庁公式サイト(jma.go.jp)

気象庁公式サイトでも特別警戒アラート・警戒アラートの発令情報が確認できます。

各都道府県の天気予報ページに統合されているため、週間天気予報と合わせて数日先の熱中症リスクを事前に把握できます。

NHK・民放テレビ・ラジオ

NHKは特別警戒アラートが発令された際に、ニュース・天気予報・速報テロップ・NHK公式Webサイト・NHKラジオで情報を発信します。

特別警戒アラートは重大な気象情報として大きく報道されることが予想されます。

テレビ・ラジオが主要な情報源である高齢者への情報伝達に活用してください。

気象アプリの通知機能

tenki.jp・weathernews・Yahoo!天気など主要な気象アプリは、熱中症警戒アラート・特別警戒アラートのプッシュ通知機能を備えています。

今すぐアプリの通知設定を確認し、特別警戒アラートの通知をオンにしておくことを強く推奨します。

市区町村の防災メール・公式SNS

市区町村は特別警戒アラートが発令された場合に防災メール・公式SNS(X・LINE)でクーリングシェルターの開放情報を発信します。

居住地の市区町村の防災メール登録・公式SNSフォローを夏前に済ませておくことを推奨します。

熱中症特別警戒情報に備えた事前準備

特別警戒アラートが発令されてから慌てて準備するのでは遅い場合があります。

夏前に以下の準備を整えておくことが重要です。

エアコンの事前整備・故障時の対策

特別警戒アラートが発令された日にエアコンが故障していれば、命の危険に直結します。

夏前(5〜6月中旬)にエアコンのフィルター清掃・試運転を行い、故障していないことを確認しておくことが最重要の事前準備です。

夏のピーク時(7〜8月)はエアコンの修理依頼が集中するため、修理まで数日〜数週間かかるケースがあります。

エアコンが故障した場合の修理業者の連絡先を事前に調べておき、緊急時にすぐに連絡できるようにしておいてください。

飲料水・経口補水液の備蓄

特別警戒アラートが発令されるような極端な暑熱環境では、通常より多くの水分補給が必要になります。

防災備蓄として1人あたり1日3L以上の飲料水を最低3〜7日分用意することを推奨します。

経口補水液(OS-1等)・スポーツドリンク(イオン飲料)・塩飴・塩タブレットも備蓄しておくと、軽度〜中程度の熱中症初期対応に役立ちます。

冷却グッズの準備

停電・エアコン故障に備えた冷却グッズを用意しておくことが重要です。

  • 保冷剤(複数個):首・脇の下・鼠径部(太ももの付け根)に当てることで体温を効率よく下げられる
  • 冷却タオル(水に濡らすと冷感が持続するタイプ)
  • ハンディファン(USB充電式・モバイルバッテリー対応):身体に水をスプレーして扇風機で風を当てると気化熱で体表温度が下がる
  • 携帯型霧吹き(ミストスプレー)
  • 遮熱カーテン・遮光カーテン:窓からの輻射熱を大幅に遮断できる
  • すだれ・よしず:窓の外側に設置することで直射日光を防ぐ(輻射熱を外側でカットできるため遮熱効果が高い)

家族内・地域内での情報共有と役割分担

特別警戒アラートが発令された場合にどう行動するかを、夏前に家族・地域内で共有しておくことが重要です。

  • 家族内で最寄りのクーリングシェルターの場所と行き方を共有しておく
  • 高齢者のいる家庭は、特別警戒アラート発令日のエアコン使用・水分補給の役割を家族で分担して確認する
  • 自主防災組織・町内会で独居高齢者の見守り担当を事前に決めておく
  • 緊急時(意識障害・呼びかけへの無反応)の119番通報をためらわないことを家族全員で確認しておく

熱中症が発生してしまったときの対処法

特別警戒アラート発令中に熱中症が発生した場合の対処法を解説します。

熱中症の重症度分類

熱中症は重症度によって3段階に分類されます。

重症度 主な症状 対処法
Ⅰ度(軽症) めまい・立ちくらみ・筋肉のこむら返り・大量の発汗・気分の不快感 涼しい場所に移動・水分・塩分補給・安静。症状が改善しない場合は医療機関へ
Ⅱ度(中等症) 頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・集中力・判断力の低下 涼しい場所に移動・水分・塩分補給・体を冷やす。水が飲めない・症状が改善しない場合は医療機関へ搬送
Ⅲ度(重症) 意識障害・けいれん・高体温(深部体温40℃以上)・歩行困難・呼びかけへの無反応 即座に119番通報。救急隊到着まで体を全力で冷やし続ける(特に首・脇・鼠径部)

熱中症Ⅰ度・Ⅱ度への初期対応手順

  1. 即座に涼しい場所(エアコンの効いた室内・日陰)に移動させる
  2. 衣服をゆるめ、体から熱が逃げやすくする
  3. 冷たい水・経口補水液を少しずつ飲ませる(一度に大量に飲ませない)
  4. 首・脇の下・鼠径部を保冷剤・冷たいタオルで冷やす(大きな血管を冷やすことで体温が効率よく下がる)
  5. うちわ・扇風機・ハンディファンで風を当て、気化熱で体表温度を下げる
  6. 30分程度で症状が改善しない場合・水が飲めない状態の場合は医療機関への搬送を検討する

熱中症Ⅲ度(重症)への対応

意識がない・呼びかけに反応しない・けいれんがある場合は即座に119番へ通報してください。

通報後、救急隊が到着するまで以下の応急処置を継続します。

  • 呼吸がある場合は回復体位(横向きに寝かせる)で気道を確保する
  • 首・脇の下・鼠径部に保冷剤を当て、全力で体を冷やし続ける
  • 水を無理に飲ませない(意識障害がある場合は誤嚥のリスクがある)
  • 呼吸が停止している場合は心肺蘇生法(胸骨圧迫)を行う

よくある疑問:Q&A

Q. 熱中症特別警戒アラートはこれまでに何回発令されましたか?

2024年4月の運用開始以降、2026年5月時点で実際に発令された事例は限られています。

特別警戒アラートの発令条件(都道府県内全観測地点でWBGT35℃以上)は極めて厳しく、通常の猛暑日ではまず発令されません。

しかし気候変動の進行により今後発令される夏が来ることは十分想定されるため、今から準備しておくことが重要です。

Q. 特別警戒アラートが発令されたら学校・保育所は休みになりますか?

法律で一律に休校・休園が義務づけられているわけではありません。

学校・保育所・幼稚園は設置者・管理者が判断します。

文部科学省・環境省は特別警戒アラート発令時の屋外活動中止・登下校への配慮を指導しています。

お子さんのいる家庭は学校・保育所・幼稚園の対応方針を夏前に確認しておくことを推奨します。

Q. 特別警戒アラートと大雨特別警報はどちらが優先されますか?

大雨特別警報が発令された場合は、大雨・洪水・土砂災害への避難対応が最優先です。

両者が同時に発令されるような極端な状況は通常起こりにくいですが、万一の場合は洪水・土砂崩れのリスクが高い地域では避難の必要性を優先して判断してください。

避難先・避難場所はエアコンが稼働していることを確認してから移動することを推奨します。

Q. クーリングシェルターは夜間も利用できますか?

施設の種類によって開放時間が異なります。

夜間も開放しているクーリングシェルターとしては、市区町村の庁舎・一部の公共施設・協定を結んだコンビニエンスストアなどがあります。

夜間の利用可否・開放時間は市区町村の公式サイトまたは環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)で事前に確認してください。

まとめ:熱中症特別警戒情報への備えは今から始める

熱中症特別警戒情報(特別警戒アラート)は、2024年の気候変動適応法改正によって新設された最上位の熱中症警戒情報です。

都道府県内すべての観測地点でWBGT35℃以上という極めて厳しい発令条件を持ち、日本列島規模の歴史的熱波が発生した際にのみ発令されます。

発令された場合は外出全面中止・エアコン最大活用・クーリングシェルターへの避難という命を守る行動を迷わず取ることが求められます。

今すぐ実践してほしいことを5つ挙げます。

  • 環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)をブックマークし、毎朝WBGTとアラート発令状況を確認する習慣をつける
  • 気象アプリの通知設定で熱中症特別警戒アラートの通知を今すぐオンにする
  • 市区町村の公式サイトで最寄りのクーリングシェルターの場所・開放条件・夜間利用可否を確認する
  • エアコンのフィルター清掃・試運転を今すぐ実施し、故障時の修理業者の連絡先を把握しておく
  • 独居高齢者の家族・近隣住民と特別警戒アラート発令時の連絡・支援体制を今のうちに決めておく

地球温暖化の進行により、熱中症特別警戒情報が実際に発令される夏が来ることは避けられない現実として近づいています。

地震・洪水と同じように熱中症特別警戒情報を防災情報の中心に位置づけ、今から備えを整えることが命を守る最も重要な防災行動です。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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