防災公園とは?種類・役割・機能・全国の代表的な防災公園を徹底解説【2026年版】
【この記事の要約】
防災公園とは、地震・台風・火災などの大規模災害が発生した際に、避難場所・救援活動の拠点・延焼遮断帯などの防災機能を備えた公園のことです。通常時は市民の憩いの場・スポーツ施設として活用されながら、災害時には避難場所・仮設住宅用地・救援物資の集積拠点・ヘリコプターの離発着場所として機能します。これをフェーズフリーの代表的な事例と呼ぶこともあります。防災公園は規模・役割によって①広域防災拠点公園(国・都道府県レベルの大規模公園)、②地区防災公園(市区町村単位の中規模公園)、③街区公園型防災公園(住宅地の近隣小規模公園)に大きく分類されます。国土交通省は防災公園の整備を全国で推進しており、2020年代には全国の都市公園の約1割以上が何らかの防災機能を持つとされています。本記事では防災公園の定義・種類・具体的な防災設備・全国の代表的な事例・防災公園を活用するための知識を体系的に解説します。
身近な公園が災害時に避難場所として指定されているのを見たことがある方は多いはずです。
しかしなぜ公園が避難場所になるのか・公園にどんな防災機能があるのかを詳しく知っている方は少ないです。
防災公園は単なる緑地ではありません。
災害時に地域住民の命を守るための重要なインフラとして整備されています。
この記事では防災公園の基本的な定義から具体的な設備・機能・全国の代表事例・市民が防災公園をどう活用するかまでを体系的に解説します。
【この記事の信頼性について】
本記事は国土交通省・内閣府・消防庁の公式情報・各都市公園の公式資料をもとに作成しています。防災公園の整備状況・設備の内容は自治体・公園によって異なります。最新情報は各市区町村・公園管理者の公式情報をご確認ください。
防災公園とは:定義と基本的な考え方
防災公園とは、都市公園の中でも特に防災機能を備えた公園の総称です。
国土交通省は都市公園を都市の防災・減災に活用するための整備指針を策定しており、防災機能を持つ公園を防災公園と位置付けています。
防災公園の最大の特徴はフェーズフリーの考え方を体現していることです。
フェーズフリーとは日常時(平常時)と緊急時(災害時)の両方で役立つ物・場所・仕組みのことです。
防災公園は平常時には市民が散歩・スポーツ・イベントを楽しむ憩いの空間として機能します。
そして災害時には避難場所・救援活動の拠点・延焼遮断帯・仮設住宅用地として機能します。
この二重の機能を持つことが防災公園の本質です。
都市公園と防災公園の関係
日本の都市公園は都市公園法(1956年制定)に基づいて整備されています。
都市公園は街区公園・近隣公園・地区公園・総合公園・運動公園・広域公園・国営公園などに分類されます。
このうち特に防災機能を重点的に備えた公園を防災公園と呼んでいます。
すべての都市公園が防災公園というわけではありませんが、国土交通省は都市公園全体の防災機能を強化する方針を打ち出しており、新設・改修の機会に防災設備を追加する公園が増えています。
防災公園が整備されるようになった背景
日本で防災公園の整備が本格化したきっかけは、1995年の阪神・淡路大震災です。
阪神・淡路大震災では都市直下型地震の直後から住宅密集地での大規模火災が発生し、約6,400人が死亡しました。
避難場所として機能する公園・緑地の不足・延焼遮断帯の整備不足が被害を拡大させた要因の一つと指摘されました。
この教訓を受けて国土交通省・建設省(当時)は都市公園の防災機能を大幅に強化する方針を打ち出しました。
2011年の東日本大震災・2016年の熊本地震・2024年の能登半島地震でも公園の避難場所・救援拠点としての機能が重要な役割を果たしました。
こうした大規模災害の教訓を積み重ねながら、日本の防災公園は進化し続けています。
防災公園の種類:規模と役割による分類
防災公園は規模・役割・対象とする避難の種類によっていくつかのカテゴリーに分類されます。
広域防災拠点公園(国・都道府県レベル)
広域防災拠点公園は大規模地震・広域災害が発生した際に、国・都道府県レベルでの救援活動の司令塔となる大規模公園です。
面積は数十〜数百ヘクタール規模のものが多く、以下の機能を持ちます。
- 自衛隊・消防・警察・海上保安庁等の救援部隊の集結・活動拠点
- ヘリコプターの離発着場(ヘリポート)
- 大型輸送車両が乗り入れられる幅員の広い園路
- 救援物資の大量集積・仕分け・配送の拠点
- 医療救護・DMAT(災害派遣医療チーム)の活動拠点
- 大量の避難者(数万人規模)の収容・一時滞在
代表的な広域防災拠点公園には東京の昭和記念公園・大阪の鶴見緑地・神戸の須磨離宮公園等があります。
地区防災公園(市区町村レベル)
地区防災公園は市区町村の単位で一次避難場所・避難広場として機能する中規模公園です。
面積は数ヘクタール〜数十ヘクタール程度が一般的です。
以下の機能を持ちます。
- 地域住民の一次避難場所(自宅が倒壊・延焼した場合の第一避難先)
- 消防活動の拠点(消火栓・防火水槽・消防用ホースの収納設備)
- 住民の安否確認・人員把握の場所
- 救援物資の地域内配布拠点
- 仮設住宅の建設用地(中長期的な役割)
街区公園型防災公園(住宅地近隣の小規模公園)
街区公園型防災公園は住宅地の中に点在する小さな公園に防災機能を付加したものです。
面積は0.1〜1ヘクタール程度の小さな公園ですが、住民の徒歩圏内にあるという点で日常的な防災活動の場として重要です。
以下の機能を持つものが多いです。
- かまど兼用ベンチ(ベンチの下に食器・調理道具を収納できる)
- マンホールトイレ(下水管に接続した緊急時用トイレ)
- 手押しポンプ式井戸(水道停止時の生活用水確保)
- 防災倉庫(毛布・発電機・救助用器具等の備蓄)
- ソーラーパネル付き防災照明(停電時でも夜間照明を確保)
広域避難場所(震災時の延焼遮断機能)
特に地震火災・延焼からの避難に特化した概念が広域避難場所です。
東京都・大阪市など住宅密集地を抱える都市では、大地震後の同時多発火災に備えて数ヘクタール以上の広大な緑地・公園を広域避難場所に指定しています。
広域避難場所は延焼遮断帯として機能し、周囲の住宅火災の熱・煙から避難者を守ります。
東京都では約190か所の広域避難場所が指定されており、総面積は約10,000ヘクタールに及びます。
防災公園の具体的な防災設備・機能
防災公園には通常の公園にはない様々な防災設備が整備されています。
代表的な設備を詳しく解説します。
①かまど兼用ベンチ・テーブル
防災公園でよく見かけるベンチの中には、側板を外すと飯ごう・鍋・フライパンを置ける調理台として使えるかまど兼用ベンチがあります。
ベンチの本体・脚部は熱に強いコンクリート・レンガ製が多く、ベンチの下に調理道具・食器が収納されているケースもあります。
外観は通常のベンチと変わらないため、普段は市民が休憩に使いながら災害時には炊き出し調理台として機能します。
東日本大震災・熊本地震でも実際にかまど兼用ベンチが炊き出しに活用されました。
②マンホールトイレ
大規模地震の後は上下水道が数日〜数週間使えなくなることが多く、トイレ問題は被災者生活の最大のストレス要因の一つです。
マンホールトイレは公園内の下水管のマンホールに接続した緊急時専用トイレです。
平常時はマンホールの蓋をしているだけですが、災害時に専用のトイレ便座・テント(プライバシー確保)を設置することで機能します。
1基のマンホールで数人〜数十人が同時に利用できる多数配置型のものもあります。
東日本大震災後にマンホールトイレの整備が全国で急速に進み、現在では多くの防災公園に設置されています。
③手押しポンプ式井戸・防災井戸
断水時に生活用水を確保するための手押しポンプ式井戸(防災井戸)を整備している防災公園があります。
飲料水としての使用は水質検査が必要ですが、トイレの洗浄水・消火用水・衛生管理用水として使用できます。
地下水脈のある地域では電動ポンプではなく手押しポンプを採用することで、停電時でも水を汲み上げられます。
④防災倉庫・備蓄庫
防災公園内に設置された防災倉庫・備蓄庫には地域住民向けの非常用物資が備蓄されています。
備蓄内容は公園の規模・管理主体によって異なりますが、一般的には以下のようなものが収納されています。
- 毛布・アルミブランケット
- 非常用食料・飲料水
- 発電機・投光器
- 担架・救助用ロープ・スコップ・バール
- テント・ブルーシート
- 消火器・消火用ホース
- AED(自動体外式除細動器)
防災倉庫の鍵の管理は自治会・町内会・公園管理者が担うことが多く、発災直後の混乱時にも倉庫を速やかに開けられる体制が整備されている公園が増えています。
⑤ヘリポート・ヘリコプター離発着場
広域防災拠点公園や大型の防災公園には、ヘリコプターの離発着が可能なヘリポートが整備されています。
ヘリポートは道路が寸断された場合でも空路で救援物資・救助隊員・医療班を輸送するための重要なインフラです。
ヘリポートの周囲には障害物(樹木・電線・構造物)が設置されないよう設計上の配慮がなされています。
国際基準(ICAO基準)に準じたヘリポートを持つ公園では、自衛隊・消防・警察・海上保安庁のヘリが利用できます。
⑥非常用電源設備・ソーラーパネル
停電時でも公園の照明・情報端末・充電設備を維持するために、防災公園にはソーラーパネル・蓄電池・非常用発電機が整備されているケースがあります。
ソーラー街灯は平常時から太陽光で発電・蓄電し、停電時には自動的に切り替わって公園内を照らします。
最近では市民がスマートフォンを充電できる防災充電ステーションを設置する公園も増えています。
⑦放送・情報提供設備
大型防災公園には防災行政無線の屋外スピーカー・電光掲示板・多言語対応の案内板が設置されています。
災害時に行政・公園管理者から避難者に対して避難情報・物資配給情報・救護情報を発信できる体制が整えられています。
⑧耐震性貯水槽
消火活動用の水を確保するために公園の地下に耐震性貯水槽を設置しているケースがあります。
100トン〜数千トン規模の貯水槽に常時水を溜めており、消防車が接続して消火用水として使用します。
地震による水道管の破断で消火栓が使えなくなった場合でも、貯水槽から消火用水を確保できます。
防災公園の機能:災害フェーズ別の役割
防災公園は災害の発生から復旧・復興のフェーズに応じて異なる機能を発揮します。
発災直後(0〜72時間)
- 住民の一次避難場所・緊急避難場所として機能
- 安否確認・人員把握の場所
- 負傷者の応急救護所
- 消防・救助隊の活動拠点
- 延焼遮断帯として周囲への火災延焼を防ぐ
- ヘリポートとして空からの救援隊・物資受け入れ
緊急対応期(3日〜1週間)
- 救援物資(食料・水・毛布・医療品)の受け入れ・配送拠点
- 自衛隊・警察・消防・医療チームの集結・宿営地
- 被災者への炊き出し・物資配給の場所
- マンホールトイレ・仮設トイレの設置場所
応急対応期(1週間〜1か月)
- 仮設住宅の建設用地(芝生広場・駐車場等を転用)
- ボランティアセンターの設置場所
- 廃棄物・がれきの一時集積場所(緊急的な用途)
- 被災者のメンタルヘルス支援・コミュニティ活動の場
復旧・復興期(1か月以降)
- 仮設住宅の建設地として継続使用
- 被災地コミュニティの集会・活動の場
- 子どもの遊び場・スポーツスペースとしての機能回復
全国の代表的な防災公園・広域避難場所の事例
全国各地に整備された代表的な防災公園・広域避難場所を紹介します。
国営昭和記念公園(東京都立川市・昭島市)
国営昭和記念公園は東京都立川市・昭島市にまたがる総面積約180haの国営公園です。
南関東地域における広域防災拠点として指定されており、大規模広域災害発生時には自衛隊・警察・消防等の広域応援部隊の集結・活動拠点となります。
内閣府の基幹的広域防災拠点の一つであり、東京湾岸直下型地震・首都直下地震が発生した際の救援活動の中心基地として整備されています。
園内にはヘリポート・救援物資の集積・仕分けスペース・自衛隊の宿営地として使えるキャンプ場等の施設が整備されています。
大阪府営鶴見緑地(大阪市鶴見区)
大阪府営鶴見緑地は1990年の花の万博(EXPO90)の跡地を整備した公園です。
総面積約120haで大阪府の広域防災拠点として指定されています。
近畿圏での大規模地震・南海トラフ地震に備えた救援活動の拠点として機能します。
ヘリポート・大型テントサイト・備蓄倉庫・かまど設備が整備されています。
東京都・光が丘公園(東京都練馬区)
光が丘公園は総面積約60.5haの都立公園で、東京都の広域避難場所に指定されています。
周囲の住宅密集地・高層マンション群から避難してきた数万人規模の避難者を収容できる広大な芝生広場を持ちます。
マンホールトイレ・防災倉庫・かまど兼用ベンチ・防災井戸が整備されており、街区型防災公園の機能も兼ね備えています。
横浜市・三ツ沢公園(横浜市神奈川区)
三ツ沢公園は横浜市の広域避難場所に指定されている都市公園です。
陸上競技場・球技場等のスポーツ施設を持ちながら、災害時には大規模な避難者受け入れ・救援活動の拠点として機能します。
球技場のフィールドは仮設住宅の建設用地として転用できる設計になっています。
名古屋市・鶴舞公園(名古屋市昭和区)
鶴舞公園は名古屋市の防災公園として整備されており、マンホールトイレ・備蓄倉庫・かまど兼用ベンチ・防災井戸を備えています。
南海トラフ地震に備えた地域避難拠点として名古屋市の防災計画に位置付けられています。
札幌市・円山公園(北海道札幌市中央区)
円山公園は札幌市内の広域避難場所の一つです。
北海道では冬季の大規模地震・暴風雪災害に備えた防災公園の整備が特に重要です。
円山公園には防災倉庫・耐寒性の高い設備が整備されており、冬季の避難生活に対応した備蓄が行われています。
北海道での防災公園は冬季の低温・降雪環境での避難生活支援という特有のニーズに対応しています。
防災公園の課題と今後の整備方向性
防災公園は整備が進む一方で、いくつかの課題も指摘されています。
課題①:整備の地域間格差
防災公園の整備は都市部・大都市圏では進んでいますが、地方都市・農村部では整備が遅れているケースがあります。
国土交通省は都市公園等整備緊急計画・みどりの防災減災機能強化プランなどを通じて地域間格差の解消を推進しています。
ただし財政的な制約から整備スピードは地域によって大きく異なります。
課題②:設備の老朽化と維持管理
1990年代後半〜2000年代に整備された防災設備の老朽化が進んでいます。
かまど兼用ベンチの破損・マンホールトイレの詰まり・防災倉庫の備蓄物資の期限切れなどの問題が各地で報告されています。
防災設備の定期的な点検・更新・備蓄物資の入れ替えを継続することが、防災公園の実効性を維持する上で不可欠です。
課題③:市民への周知不足
防災公園の場所・設備・使い方が地域住民に十分に知られていないケースがあります。
多くの方が最寄りの防災公園の場所を知らない・マンホールトイレやかまど兼用ベンチの使い方を知らないという問題があります。
自治会・町内会が主体となった防災訓練・防災公園の見学会を定期的に実施することが周知の有効な手段です。
課題④:冬季・異常気象への対応
北海道・東北・北陸などの豪雪地帯では冬季に防災公園を避難場所として利用することは難しい面があります。
屋外の避難広場は冬季に積雪・凍結するため、屋外での長時間待機は低体温症のリスクがあります。
冬季の避難は屋外の防災公園より屋内の指定避難所(学校・公民館等)への速やかな移動が重要です。
防災公園は冬季においても救援物資の集積・ヘリポートとしての機能を維持します。
今後の整備方向性
国土交通省・国交省都市局は防災公園の整備について以下の方向性を示しています。
- グリーンインフラ(緑地の多機能活用)の推進:防災機能・生物多様性・雨水浸透・熱島効果緩和を兼ねた緑地整備
- スマート防災公園:ICT・IoTを活用したリアルタイムの被災状況把握・物資管理・避難者情報管理システムの整備
- 民間連携:隣接する民間施設との連携による防災機能の強化(ホテル・大型商業施設との協定等)
- 複合施設化:防災機能と子育て支援・スポーツ施設・コミュニティ機能を組み合わせた複合防災公園の整備
市民が防災公園を活用するための知識
防災公園を実際の災害時に有効活用するために、市民が日頃から備えておくべき知識を解説します。
最寄りの防災公園・広域避難場所の確認方法
最寄りの防災公園・広域避難場所を確認するための方法は以下の通りです。
- 市区町村のハザードマップ(避難場所・避難所の一覧が記載されている)
- 国土交通省のハザードマップポータルサイト(disaportal.gsi.go.jp)で指定緊急避難場所を検索できる
- 市区町村の防災担当窓口・防災ポータルサイト
- Yahoo!防災速報・NHKハザードマップ等の防災アプリ
確認する際には自宅だけでなく、職場・学校・よく行く場所の周辺の避難場所も合わせて確認することを推奨します。
防災公園の見学・防災訓練への参加
防災公園の設備・使い方を知るためには、実際に公園を訪れて設備を確認することが最も効果的です。
以下の点を事前に確認しておくと災害時に役立ちます。
- 防災倉庫の場所と開錠担当者(自治会・町内会の防災担当者を把握しておく)
- マンホールトイレの設置場所・使い方
- かまど兼用ベンチの場所・調理道具の収納場所
- 防災井戸の場所・ポンプの使い方
- ヘリポート・救援物資受け入れエリアの場所
地域の自治会・消防署が主催する防災訓練では、防災公園の設備を実際に操作する訓練が実施されることがあります。
積極的に参加して操作方法を体で覚えておくことが、いざという時の迷いのない行動につながります。
防災公園はあくまでも補完的な備え
防災公園が整備されているからといって、個人・家庭の防災備蓄が不要になるわけではありません。
防災公園の物資は限られており、すべての避難者に十分な物資が行き渡るとは限りません。
内閣府・消防庁は家庭での7日分以上の食料・水の備蓄を推奨しています。
防災公園は公的なセーフティネットです。
個人・家庭の自助備蓄と、地域の共助・公助としての防災公園を組み合わせることが最も確実な防災対策です。
公園利用時のマナー:平常時と災害時の切り替え
防災設備が整備された公園には以下のような注意が必要です。
- かまど兼用ベンチの下の収納スペースを私的利用しない(防災用品の盗難・破損の防止)
- マンホールトイレの蓋・設備を平常時にいたずらしない
- 防災倉庫の扉・鍵を不用意に操作しない
- ヘリポート・緊急車両進入路となる園路に私有物を放置しない
防災公園の設備は地域全体の命を守るための共有財産です。
平常時から大切に扱い、設備の異常・破損を発見した場合には公園管理者・市区町村に速やかに報告することが地域防災力の維持につながります。
防災公園と地域防災力の関係
防災公園は物理的なインフラだけでなく、地域のコミュニティ防災力を高める場としても機能します。
防災公園を核にした地域防災活動
防災公園を定期的な防災訓練の会場として活用することで、地域住民が防災設備の操作方法を習得できます。
防災訓練では以下のような活動が行われています。
- かまど兼用ベンチを使った炊き出し訓練
- マンホールトイレの設置・使用訓練
- AEDを使った心肺蘇生訓練
- 防災倉庫の開錠・備蓄品の確認
- 避難誘導訓練(要配慮者の搬送訓練を含む)
- 夜間の避難訓練(停電を想定した懐中電灯での移動訓練)
こうした訓練を積み重ねることで、実際の災害時に住民が落ち着いて正確な行動をとれる地域防災力が育ちます。
地区防災計画と防災公園の連携
2014年の災害対策基本法改正で制度化された地区防災計画では、地域の防災公園・避難場所の活用方法を明記することが推奨されています。
地区防災計画の中に以下のような内容を盛り込むことが有効です。
- 防災公園の避難場所としての開設基準(誰が・いつ・どのような条件で開設するか)
- 防災倉庫の開錠担当者と連絡先の明記
- 要配慮者の防災公園への誘導担当者の指定
- 炊き出し担当班・トイレ管理班等の役割分担
地区防災計画に防災公園の活用方法を盛り込むことで、計画と実際の避難場所が連動した実効性の高い防災体制が構築できます。
防災公園を知ることが防災の第一歩
防災公園は都市の安全・安心を支える重要なインフラです。
しかし整備されているだけでは効果を発揮しません。
地域住民が防災公園の場所・設備・使い方を知り、日頃から訓練を積み重ねることで、初めて防災公園が本来の機能を発揮します。
まず今日、自宅・職場・学校の近くにある防災公園・広域避難場所をハザードマップで確認することから始めてください。
その小さな一歩が、いざという時に自分と家族の命を守ることにつながります。


