熱中症警戒アラートとは何か【2026年版】発令基準・特別警戒アラートとの違い・発令時の行動・確認方法を完全解説

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熱中症警戒アラートとは何か【2026年版】発令基準・特別警戒アラートとの違い・発令時の行動・確認方法を完全解説

【この記事の要約】
熱中症警戒アラートとは、熱中症の危険性が極めて高い気象状況が予測される場合に環境省と気象庁が共同で発令する情報です。都道府県ごとに発令され、対象地域内のいずれかの暑さ指数(WBGT)観測地点で翌日または当日にWBGT33℃以上が予測されると発令されます。2021年4月の全国運用開始以降、毎年夏に数十〜百回以上の発令が記録されています。2024年からは上位区分として熱中症特別警戒アラートが新設されました。特別警戒アラートは対象都道府県内のすべての観測地点でWBGT35℃以上が予測される場合に発令される最上位の警戒情報です。熱中症警戒アラート発令時に取るべき行動は主に5つです。①不要不急の外出を控える、②エアコンを積極的に使用する、③こまめな水分・塩分補給を行う、④高齢者・乳幼児・持病のある方への声かけと見守りを強化する、⑤クーリングシェルターの場所を把握し活用する。情報の確認方法は環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)・気象庁公式サイト・NHK・各種気象アプリです。

毎年夏になると、テレビやスマートフォンに熱中症警戒アラートという情報が届くようになりました。

しかし何℃になったら発令されるのか・猛暑日とどう違うのか・発令されたら何をすべきなのか、正確に答えられる方はまだ多くありません。

熱中症警戒アラートは単なる注意喚起ではありません。

毎年全国で10万人を超える救急搬送・1,000人を超える死者を出す熱中症という気象災害から命を守るための、公式の防災情報です。

この記事では、熱中症警戒アラートの仕組み・発令基準・特別警戒アラートとの違い・確認方法・発令時の具体的な行動を徹底的に解説します。

【この記事の信頼性について】
本記事は環境省・気象庁・消防庁・厚生労働省の公式データ・指針をもとに作成しています。熱中症警戒アラートの発令基準・確認方法は環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)が一次情報です。医療的な熱中症の診断・治療については必ず医師・医療機関にご相談ください。

目次

熱中症警戒アラートが生まれた背景

熱中症警戒アラートが導入される以前、熱中症に関する公的な警戒情報は存在していませんでした。

気象庁は高温注意情報(最高気温35℃以上が予想される場合に府県予報区単位で発表)を2013年から運用していましたが、この情報は気温のみを基準とした情報であり、湿度・輻射熱を加味した体感的な暑さを反映していないという限界がありました。

2018年夏の衝撃:熱中症死者1,000人超

2018年夏は日本における熱中症対策の転換点となった年です。

同年7月には西日本豪雨(7月6〜8日)という大規模水害の直後に記録的な熱波が日本列島を直撃しました。

7月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃という現在も破られていない国内最高気温を記録しました。

この夏の熱中症による救急搬送者数は全国で95,137人に達し、死者数は厚生労働省の人口動態統計によると1,581人を記録しました。

熱中症が単なる個人の健康問題ではなく、地震・洪水と同レベルの気象災害であることが社会的に認識された年でした。

試験的運用から全国展開へ

環境省と気象庁は2020年から関東甲信越地域での試験的な運用を開始しました。

試験運用の結果を踏まえ、2021年4月から全国運用が開始されました。

さらに2024年4月の気候変動適応法改正により、熱中症警戒アラートの制度的な根拠が法律に明記されるとともに、新たな上位区分として熱中症特別警戒アラートが創設されました。

熱中症警戒アラートとは:正式な定義と発令主体

熱中症警戒アラートとは、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、環境省と気象庁が共同で発令する情報です。

正式名称は熱中症警戒アラートであり、通称そのまま使われています。

発令の主体と根拠法令

発令主体は環境省と気象庁の共同です。

2024年の気候変動適応法(気候変動適応法・令和6年改正)施行により、熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの発令体制が法律に基づく制度として位置づけられました。

発令区域は都道府県単位です。

同じ都道府県内の複数地点で観測された暑さ指数(WBGT)データをもとに、都道府県全体への発令可否を判断します。

暑さ指数(WBGT)とは

熱中症警戒アラートの発令基準は気温ではなく、暑さ指数(WBGT)が使われています。

WBGTはWet Bulb Globe Temperatureの略であり、湿球黒球温度とも呼ばれます。

気温だけでなく、湿度・輻射熱(太陽や地面からの熱放射)を組み合わせた体感的な暑さを数値化した指標です。

日本の夏は高温多湿のため、同じ気温でも湿度が高ければ体感はより過酷になります。

気温のみを基準とした情報では日本の夏の実態を正確に反映できないため、WBGTが採用されています。

WBGTは以下の3つの要素を組み合わせて計算されます。

  • 湿球温度(水で濡らした温度計で測る温度。湿度の影響を反映):70%の重み
  • 黒球温度(黒く塗った球体の中の温度計で測る温度。日射・輻射熱の影響を反映):20%の重み
  • 乾球温度(通常の気温):10%の重み

WBGTの計算式:WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

気温と暑さ指数(WBGT)の対応は以下の通りです(湿度60〜65%の場合の目安)。

気温(℃) WBGT(℃)の目安 熱中症リスク
28℃程度 21〜25℃程度 注意(積極的に水分補給)
31℃程度 25〜28℃程度 警戒(積極的に休憩・水分補給)
35℃程度(猛暑日水準) 28〜31℃程度 厳重警戒(激しい運動中止)
38℃程度 31℃以上 危険(外出原則回避)
40℃以上(酷暑日水準) 33〜35℃以上 極めて危険(警戒アラート〜特別警戒アラート発令水準)

熱中症警戒アラートの発令基準

熱中症警戒アラートの発令基準は、発令区域(都道府県)内のいずれかのWBGT観測地点において、翌日または当日のWBGTが33℃以上と予測される場合です。

発令のタイミング

熱中症警戒アラートは主に2つのタイミングで発令されます。

  • 翌日の発令(前日夕方発表):原則として前日の17時頃に翌日分が発令されます。翌日の最も暑くなる時間帯(主に正午〜15時頃)のWBGTが33℃以上と予測される場合に発令されます
  • 当日の発令(当日朝発表):当日の朝(5時頃)にも発令・継続の判断が行われます。前日の予測より当日の気温が上昇する見通しとなった場合や、前日に予測できなかった高温が見込まれる場合に当日発令が行われます

発令期間

熱中症警戒アラートの発令期間は毎年4月下旬〜10月上旬頃です。

この期間外は発令されません。

以前は5月〜9月でしたが、近年の気候変動による春・秋の高温化を受けて発令期間が延長されています。

発令区域の単位

発令区域は都道府県単位です。

北海道は地域が広いため複数の区域に分けて発令されます(石狩・空知・後志、渡島・檜山、胆振・日高、上川・留萌、宗谷、網走・北見・紋別、十勝、釧路・根室の8区域)。

都道府県全体への発令であるため、同じ都道府県内でも低地・内陸部と山間部では実際の暑さが異なる場合があります。

都道府県全体への発令を受けた上で、居住地のWBGT実測値をJ-SHIS・環境省熱中症予防情報サイトで個別に確認することが推奨されます。

熱中症特別警戒アラートとは:2024年新設の最上位警戒情報

2024年4月から、熱中症警戒アラートの上位区分として熱中症特別警戒アラートが運用を開始しました。

特別警戒アラートの発令基準

熱中症特別警戒アラートの発令基準は、対象都道府県内のすべてのWBGT観測地点において、翌日または当日のWBGTが35℃以上と予測される場合です。

警戒アラートとの違いを整理すると以下の通りです。

区分 発令基準 観測地点の条件
熱中症警戒アラート 都道府県内いずれかの地点でWBGT33℃以上と予測 一部の観測地点でも発令
熱中症特別警戒アラート 都道府県内すべての地点でWBGT35℃以上と予測 都道府県内全地点が条件を満たす場合のみ発令

すべての観測地点でWBGT35℃以上という条件は極めて厳しいため、特別警戒アラートは普通の猛暑日ではまず発令されません。

日本国内で類を見ない規模の熱波が発生した場合にのみ発令される最上位の警戒情報です。

特別警戒アラートが発令されたら何をするか

特別警戒アラートが発令された場合は、命を守ることを絶対最優先にした行動が求められます。

  • 不要不急の外出を全面的に中止する
  • エアコンを最大限に活用し、室温を28℃以下に保つ
  • エアコンがない・故障している場合は、直ちにクーリングシェルター(市区町村指定の涼しい場所)に移動する
  • 独居高齢者・乳幼児のいる家庭への緊急連絡・訪問を実施する
  • 屋外での仕事・スポーツ活動を即時中止する
  • 水分・塩分補給を継続的に行う(のどが渇く前に飲む)

市区町村は特別警戒アラートが発令された場合にクーリングシェルターを開放する義務があります(2024年気候変動適応法改正により義務化)。

熱中症警戒アラートの発令実績:毎年どのくらい発令されているか

熱中症警戒アラートは全国運用が始まった2021年以降、毎年多数発令されています。

主な年別の発令状況は以下の通りです。

全国の発令延べ回数(目安) 特記事項
2021年 約900回以上 全国運用初年度。7〜8月に集中発令
2022年 約1,000回以上 6月下旬から記録的な早期高温。東京都で初の6月発令
2023年 約900回以上 9月まで高温が続く異例の秋口高温
2024年 約1,200回以上(過去最多水準) 熱中症特別警戒アラートが初めて運用開始。熱中症救急搬送者数が過去最多水準
2025年 発令多数 引き続き全国各地で多数発令

発令回数は都道府県単位の延べ数であり、同じ日に全国47都道府県すべてに発令されれば1日で47回としてカウントされます。

年間1,000回以上の発令は、日本のほぼすべての都道府県で夏の間に複数回以上アラートが発令されていることを意味しています。

熱中症警戒アラートの確認方法

熱中症警戒アラートはさまざまな方法で確認できます。

環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)

環境省が運営する熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)が最も包括的な情報源です。

同サイトでは以下の情報をリアルタイムで確認できます。

  • 全国の熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの発令状況(都道府県別)
  • 全国約840地点のWBGT実況値・予測値(3時間ごと・翌日まで)
  • 暑さ指数の実況マップ(全国を色分けして表示)
  • クーリングシェルターの検索機能(市区町村を選んで最寄りの施設を確認)

スマートフォンのブラウザでもアクセスでき、ホーム画面にショートカットを追加しておくと便利です。

気象庁公式サイト(jma.go.jp)

気象庁公式サイトでも熱中症警戒アラートの発令情報が確認できます。

府県天気予報のページで、各都道府県の熱中症警戒アラートの発令有無が表示されます。

NHK・テレビ・ラジオ

NHKは熱中症警戒アラートが発令された際にニュース・テレビ放送・NHKのWebサイト・NHKラジオで情報を発信します。

民放各社でも同様に天気予報コーナーや速報テロップで情報が提供されます。

気象アプリ

tenki.jp・weathernews・Yahoo!天気など主要な気象アプリの多くは、熱中症警戒アラートの通知機能を備えています。

アプリの通知設定で熱中症警戒アラートの通知をオンにしておくことで、発令時に自動的に通知を受け取ることができます。

この設定を今すぐ確認・有効化しておくことを強く推奨します。

市区町村の公式Webサイト・防災メール

多くの市区町村は自治体の防災メール・公式SNSでも熱中症警戒アラートの情報を発信しています。

居住地の市区町村の防災メール登録・公式SNSフォローを行っておくと、地域に密着した情報を受け取ることができます。

熱中症警戒アラート発令時に取るべき行動

熱中症警戒アラートが発令されたときの具体的な行動を、個人・家庭・地域コミュニティの視点で解説します。

個人・家庭レベルの行動

熱中症警戒アラートが発令された日の推奨行動は以下の通りです。

  • 不要不急の外出を控える:特に日中(10時〜16時)の外出は原則として避ける。買い物・通院などは朝早い時間帯に済ませる
  • エアコンをためらわずに使用する:室温計で居室の室温を確認し、28℃を超えたら即座にエアコンを稼働させる。電気代よりも命を優先する
  • 水分・塩分をこまめに補給する:のどが渇く前に飲む習慣をつける。目安は1〜1.5時間に1回・コップ1杯(200ml)程度。スポーツドリンク・経口補水液も活用する
  • 体調の変化に敏感になる:めまい・立ちくらみ・大量の発汗・頭痛・吐き気は熱中症の初期症状。症状を感じたらすぐに涼しい場所に移動し、水分・塩分を補給する
  • 就寝中もエアコンを使用する:熱帯夜(夜間の最低気温25℃以上)にはタイマーをかけずにエアコンを継続運転する。就寝前後の水分補給も忘れずに行う

高齢者への特別な配慮

熱中症死亡者の約90%以上は65歳以上の高齢者です。

特に独居高齢者はエアコンの使用を控える傾向があり、気づかれないうちに重症化するリスクが高い状況にあります。

高齢者への対応として以下の行動を推奨します。

  • 熱中症警戒アラート発令日は、独居高齢者の家族・近親者が電話またはLINE等で安否確認を行う
  • 近隣に独居高齢者が住んでいる場合は訪問し、エアコンが稼働しているか・水分補給ができているかを確認する
  • 民生委員・地域包括支援センター・自主防災組織による見守り訪問を実施する
  • 高齢者が使用するエアコンのフィルター清掃・故障の事前確認を夏前に行っておく
  • 緊急時(意識の混濁・呼びかけへの無反応)は即座に119番へ通報する

乳幼児・子どもへの配慮

乳幼児・小学校低学年の子どもは体重当たりの体表面積が大きく、外気温の影響を受けやすい特性があります。

また自分で水分補給を求めることが難しいため、保護者が意識的に定期的な水分補給を促す必要があります。

  • 熱中症警戒アラート発令日の日中の外遊び・公園遊びは原則中止する
  • 30分に1回程度の水分補給を保護者がリードして行う
  • ベビーカーへの長時間の乗車は避ける(地表に近い位置は大人より気温が高い)
  • チャイルドシートでの車内放置は短時間でも絶対に避ける(外気温35℃の駐車中の車内は30分で50℃を超えることがある)

屋外での仕事・スポーツを行う方への対応

熱中症警戒アラート発令日に農業・建設業・清掃業など屋外作業が避けられない方への対応です。

厚生労働省は熱中症予防に関するガイドラインで、WBGT28℃以上では作業を制限し、積極的な休憩・水分補給・冷却を義務づけています。

  • WBGT33℃以上(警戒アラート発令水準)では屋外作業を原則中止または大幅に制限する
  • 作業が必要な場合は早朝(6〜8時台)・夕方(17時以降)に集中させ、日中のピーク時間帯(10〜16時)の屋外作業を避ける
  • 15〜20分に1回の水分補給(1回200〜250ml程度)・日陰での休憩を義務づける
  • 通気性の良い吸汗速乾素材の作業服・日差しを遮る帽子・冷却ベストを着用する
  • 2人以上での作業を原則とし、相互の体調チェックを定期的に行う

学校での部活動・スポーツ活動については、熱中症警戒アラート発令日には屋外活動を中止し、屋内での軽い活動に変更することが推奨されます。

日本スポーツ協会はWBGT31℃以上での運動原則禁止を指針として定めており、警戒アラート発令水準(WBGT33℃以上)はこれを大幅に上回ります。

クーリングシェルターとは:熱中症警戒アラート発令時の避難先

熱中症警戒アラートが発令された際の重要な防災インフラが、クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)です。

クーリングシェルターの定義と設置根拠

クーリングシェルターとは、熱中症の危険性が高い気象状況のときに、涼を取るために誰でも無料で立ち入ることができる施設です。

2024年の気候変動適応法改正により、市区町村が涼しい環境を有する施設を指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)として指定・公表することが義務づけられました。

指定施設はエアコンが稼働している公民館・図書館・市区町村の庁舎・商業施設・コンビニエンスストア・スーパーマーケットなどが多く指定されています。

クーリングシェルターの探し方

最寄りのクーリングシェルターを見つける方法は以下の3つです。

  • 市区町村の公式Webサイト:指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)の一覧が掲載されています。夏前に一度確認し、自宅・職場・学校から徒歩10〜15分以内の施設を把握しておくことを推奨します
  • 環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp):同サイトにクーリングシェルターの検索機能が設けられています。市区町村名を入力することで最寄りの施設を確認できます
  • 市区町村の防災アプリ・公式SNS:アラート発令時にクーリングシェルターの開設情報をリアルタイムで発信する市区町村が増えています

クーリングシェルターを利用するタイミング

以下の状況ではためらわずにクーリングシェルターに移動してください。

  • 自宅のエアコンが故障している・エアコンが設置されていない
  • 停電でエアコンが使えない状態になっている
  • 外出中に強い頭痛・めまい・吐き気などの熱中症症状を感じた
  • 熱中症特別警戒アラートが発令され、自宅室温が急上昇している
  • 独居高齢者で体調不良を感じているが病院に行くほどでもない場合

熱中症警戒アラートと備蓄:夏の防災準備として整えるべきもの

熱中症警戒アラートへの備えとして、以下のものを事前に準備しておくことを推奨します。

飲料水・経口補水液の備蓄

熱中症警戒アラートが続く猛暑日・酷暑日には発汗量が増え、通常より多くの水分補給が必要になります。

防災備蓄の観点からは、1人あたり1日3L以上の飲料水を最低3〜7日分備蓄することが推奨されます。

経口補水液(OS-1等)・スポーツドリンク(イオン飲料)・塩飴・塩タブレットも備蓄しておくと、軽度〜中程度の熱中症初期対応に役立ちます。

冷却グッズの備蓄

停電時・エアコン故障時に備えた冷却グッズを用意しておくことが重要です。

  • 保冷剤(複数個):首・脇の下・鼠径部(大腿動脈のある太ももの付け根)に当てることで体温を効率よく下げられる
  • 冷却タオル(水に濡らすと冷感が持続するタイプ)
  • ハンディファン(USB充電式・モバイルバッテリー対応):身体に水をスプレーして扇風機で風を当てると気化熱で体表温度が下がる
  • 携帯型霧吹き(ミストスプレー)
  • 遮熱カーテン・遮光カーテン:窓からの輻射熱を大幅に遮断できる
  • すだれ・よしず:窓の外側に設置することで窓ガラスへの直射日光を防ぐ

エアコンの事前整備

夏前(5月〜6月中旬)のうちにエアコンのフィルター清掃・試運転を行い、故障していないことを確認しておくことが重要です。

夏のピーク時(7〜8月)はエアコンの修理依頼が集中するため、修理まで数日〜数週間かかるケースがあります。

エアコンが故障したまま熱中症警戒アラート発令期間を迎えないよう、早めの点検を実施してください。

熱中症警戒アラートと熱中症の関係:数字で見る規模感

熱中症警戒アラートが発令される水準の暑さは、単なる不快感ではなく人命に関わる気象災害です。

熱中症の救急搬送数・死亡者数の実態

消防庁が毎年夏季(5〜9月)に集計する熱中症の救急搬送データは以下の通りです。

  • 2018年(記録的猛暑):救急搬送者数95,137人・死亡者数(搬送後死亡含む)160人
  • 2022年:救急搬送者数71,029人
  • 2023年:救急搬送者数91,467人
  • 2024年:救急搬送者数約105,000人超(過去最多水準)

厚生労働省の人口動態統計では、熱中症による年間死亡者数は2018年に1,581人、2023年には1,000人超を記録しています。

台風による年間死者が多い年でも数十人規模であることと比較すると、熱中症の人的被害の規模は圧倒的です。

熱中症警戒アラートは地震・台風と同じレベルの気象災害情報として位置づけるべきです。

熱中症死亡の最大の特徴:屋内死亡・高齢者死亡が多い

熱中症で亡くなる方の約90%以上が65歳以上の高齢者です。

さらに死亡場所の約50〜60%が自宅屋内という点が最大の特徴です。

炎天下の屋外ではなく、エアコンをつけない自宅屋内で気づかれないまま亡くなるパターンが最多です。

熱中症警戒アラートが発令された際に自宅で過ごしている高齢者への見守りが、地域コミュニティにとって最も重要な防災行動のひとつです。

熱中症警戒アラートと地球温暖化:今後の見通し

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書は、温室効果ガスの排出が続く限り2030〜2040年代にかけて熱波・高温日の頻度・強度・継続期間がさらに増加し続けると警告しています。

気象庁のデータでは、日本の年平均気温は100年当たり約1.3℃のペースで上昇しており、猛暑日数・熱帯夜数は長期増加トレンドを示しています。

熱中症警戒アラートの年間発令回数は今後さらに増加することが予想されます。

アラートが発令されるたびに命を守るための行動を取ることができるよう、今から正確な知識と具体的な準備を持っておくことが重要です。

よくある疑問:Q&A

Q. 熱中症警戒アラートが出ていなければ熱中症にならないですか?

そうではありません。

熱中症警戒アラートはWBGT33℃以上が予測される場合に発令されますが、WBGT28℃以上(厳重警戒水準)でも激しい運動中の熱中症リスクは高い状態です。

アラートが発令されていない日でも、夏日・真夏日・猛暑日の水準では適切な水分補給・休憩・直射日光回避を継続することが重要です。

Q. 熱中症警戒アラートが出た日に外出しなければいけない場合はどうしますか?

日中(10時〜16時)の外出を避けられない場合は以下の対策を徹底してください。

  • 日傘・帽子・長袖の吸汗速乾素材の衣服で直射日光・輻射熱を防ぐ
  • 30〜60分に1回のペースで日陰・屋内での休憩と水分・塩分補給を行う
  • 携帯型霧吹きとハンディファンを持参し、気化冷却を活用する
  • 目的地までの途中にクーリングシェルター・コンビニ等の涼める場所を事前に確認しておく
  • 体調の変化(頭痛・めまい・強い発汗)を感じたら直ちに涼しい場所に移動する

Q. 熱中症になってしまったらどうすればいいですか?

意識がある場合はまず涼しい場所(エアコンの効いた室内・日陰)に移動させます。

衣服をゆるめ、冷たい水・経口補水液を少しずつ飲ませます。

首・脇の下・鼠径部を保冷剤・冷たいタオルで冷やすと効果的です。

意識がない・呼びかけに反応しない・呼吸が異常な場合は即座に119番に通報してください。

水分を飲めない状態(意識があっても嘔吐がある等)の場合も病院への搬送が必要です。

Q. 熱中症警戒アラートが出た日の屋外スポーツ・部活は中止すべきですか?

原則として中止すべきです。

熱中症警戒アラート発令水準(WBGT33℃以上)は、日本スポーツ協会が定める運動中止基準(WBGT31℃以上)を超えています。

環境省・文部科学省も熱中症警戒アラート発令時の屋外活動中止・延期を推奨しています。

競技会・大会の場合は主催者・学校・部活動顧問が状況を判断しますが、アラート発令日には延期・中止を優先する判断が適切です。

まとめ:熱中症警戒アラートへの備えは今すぐ始める

熱中症警戒アラートは、毎年全国で10万人超の救急搬送・1,000人超の死者をもたらす熱中症という気象災害から命を守るための公式の防災情報です。

WBGT33℃以上で発令される警戒アラート・WBGT35℃以上(全地点)で発令される特別警戒アラートの違いを正しく理解し、発令されたときの行動を家族全員で共有しておくことが重要です。

今すぐ実践してほしいことを5つにまとめます。

  • 環境省熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)をブックマークし、毎朝WBGTとアラート発令状況を確認する習慣をつける
  • 気象アプリの通知設定で熱中症警戒アラートの通知をオンにする
  • 市区町村の公式サイトで最寄りのクーリングシェルターの場所と開放条件を確認する
  • エアコンのフィルター清掃・試運転を今すぐ実施し、故障時の対応(修理業者の連絡先確認)を済ませておく
  • 独居高齢者の家族・近隣住民への見守り体制を整え、アラート発令日の連絡ルールを決めておく

地球温暖化の進行により、熱中症警戒アラートが発令される日数は今後さらに増加することが確実視されています。

地震・洪水への備えと同じように、熱中症対策を防災計画の中心に位置づけることが、これからの夏を生き抜くために欠かせません。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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