介護施設の防災対策とは?BCP義務化と家族が確認すべき点

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【この記事の要約】
結論から書きます。介護施設の防災は、努力目標ではなく義務です。2021年度の介護報酬改定で、すべての介護サービス事業者に業務継続計画(BCP)の策定が義務づけられました。そして2024年4月からは、未策定の事業所に「業務継続計画未策定減算」が適用されています。施設・居住系サービスで所定単位数の3パーセント、その他のサービスで1パーセントの減算です。BCPには自然災害BCPと感染症BCPの2種類があり、浸水想定区域や土砂災害警戒区域にある施設には、水防法にもとづく避難確保計画も別途義務づけられています。この記事では、制度の全体像、施設が取るべき手順、そして家族として何を確認すればよいかを整理しました。

「親が入所している介護施設、災害のときは本当に大丈夫なんだろうか」。そう不安に思ったことはありませんか。私自身、家族を介護施設に預けるようになってから、その施設がどんな防災対策を行っているのか、初めて真剣に調べた経験があります。結論からお伝えします。介護施設の防災対策は、もはや「やっていれば安心」という努力目標ではありません。業務継続計画(BCP)の策定と訓練の実施は、法令に基づく義務です。この記事では、介護施設に特有の防災上の課題、BCP義務化の現状、施設が取るべき具体的な対策、そして家族として施設をどう見極めればいいのかまで、私の経験も交えながら、できるだけ詳しく、丁寧にお伝えしていきます。読み終わるころには、施設の防災体制を見る目が、確実に変わっているはずです。専門的な制度の話も含まれますが、一つずつ、丁寧に整理していきたいと思います。

目次

制度の全体像

介護施設では、入所者の多くが自力での避難が難しいという特性上、一般の建物以上に踏み込んだ防災対策が求められます。2021年度の介護報酬改定で、全ての介護サービス事業者に業務継続計画(BCP)の策定が義務づけられ、2024年4月からは、未策定の事業所に対する「業務継続計画未策定減算」が導入されました。施設・居住系サービスでは所定単位数の3パーセント、その他のサービスでは1パーセントが減算される仕組みです。一部の経過措置も、2025年3月末までにほぼ終了しており、現在は原則としてすべての事業所でBCPの策定が完了していなければならない状態です。BCPには、地震や水害を想定した「自然災害BCP」と、感染症の流行に備えた「感染症BCP」の2種類があります。さらに、浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地する施設には、水防法にもとづく「避難確保計画」の作成と訓練も、別途義務づけられています。入所者一人ひとりに合わせた個別避難計画や、医療的ケアが必要な方への対応、地域との連携体制も、実効性のある防災には欠かせません。家族としては、施設選びの際に、こうした計画の有無や訓練の実施状況を確認することが、大切な判断材料になります。

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結論:介護施設の防災は「義務」であり、備蓄だけでは不十分です

まず、いちばんお伝えしたいことをお話しします。介護施設における防災対策は、水や食料を備蓄しておけば十分、というレベルの話ではありません。理由は、入所者の多くが、自力での歩行や判断が難しい、要配慮者と呼ばれる方々だからです。一般の住宅であれば、自分の判断で避難できる場面でも、介護施設では、職員の人手や判断力、そして事前に定めた計画がなければ、円滑な避難は実現できません。だからこそ、国は2021年度の介護報酬改定で、業務継続計画(BCP)の策定を義務化し、2024年度からは、未策定の施設に対する減算制度まで導入しました。防災対策は、施設にとって「やったほうがいいこと」ではなく、「やらなければならないこと」に変わったのです。この変化を理解することが、施設運営者にとっても、家族にとっても、最初の一歩になります。

介護施設の防災に関する基礎知識と、現在の義務化の状況

ここからは、もう少し詳しく制度と背景を見ていきます。専門的な内容も含みますが、できるだけかみ砕いて、丁寧にお伝えします。制度の変遷を理解することで、なぜここまで厳格な対応が求められるようになったのかも、自然と見えてくるはずです。

1. なぜ介護施設には特別な防災対策が必要なのか

介護施設を利用する方の多くは、身体機能や認知機能に何らかの制約を抱えています。車椅子を使用している方、歩行に介助が必要な方、状況の理解や判断に時間がかかる方など、災害時に自力で避難することが難しい「要配慮者」が集中している場所、それが介護施設です。私は、実際に家族の施設を訪れたとき、フロアの構造や、エレベーターに依存した避難経路の多さを目の当たりにして、平時とはまったく異なる困難さを実感しました。

2. BCP義務化の経緯を時系列で整理する

介護施設のBCPをめぐる制度は、段階的に強化されてきました。2021年度の介護報酬改定で、全ての介護サービス事業者を対象に、BCPの策定が義務づけられました。しかし、当初は十分な経過措置が設けられていたこともあり、実際の策定は思うように進みませんでした。厚生労働省が2023年度に実施した調査では、感染症BCPの策定完了事業者が29.3パーセント、自然災害BCPが26.8パーセントにとどまっていたとされています。こうした状況を受けて、2024年4月から「業務継続計画未策定減算」が導入され、施設・居住系サービスでは所定単位数の3パーセント、その他のサービスでは1パーセントの減算が科されるようになりました。さらに、一部認められていた経過措置も、2025年3月末までにほぼ終了し、現在は原則としてすべての事業所が、BCPを策定済みであることが求められています。

3. BCPには「自然災害」と「感染症」の2種類がある

介護施設に求められるBCPは、大きく分けて2種類あります。一つは、地震や水害、火災などを想定した「自然災害BCP」。もう一つは、新型コロナウイルスのような感染症の流行を想定した「感染症BCP」です。それぞれ、想定するリスクの性質が異なるため、対応の中身も大きく変わってきます。私は、この2種類が別々に必要だと知ったとき、防災と感染対策を、切り離さずに一体で考える視点の大切さに気づかされました。

4. 水防法にもとづく「避難確保計画」という、もう一つの義務

浸水想定区域や、土砂災害警戒区域内に立地している介護施設には、BCPとは別に、水防法にもとづく「避難確保計画」の作成と、避難訓練の実施が義務づけられています。この計画では、避難を開始する具体的なタイミングや、避難先、職員の役割分担などを、あらかじめ定めておく必要があります。ハザードマップ上で自分の家族が利用している施設がどの区域に立地しているかを確認することも、家族としてできる備えの一つだと私は考えています。

5. 職員の「参集」という、介護施設ならではの難しい課題

介護施設の防災を考えるうえで、見落とされがちなのが、職員自身も被災者になり得るという事実です。大規模な災害が発生した場合、職員が自分の家族の安否確認や、自宅の被害対応に追われ、施設にすぐ駆けつけられないことがあります。そのため、BCPには、誰が、どのような基準で施設に参集するのか、参集できる職員が限られる中でどう業務を回すのかといった、現実的な計画が求められます。私は、この点を知ってから、施設の職員体制そのものが、防災力に直結しているのだと理解しました。

6. 福祉避難所としての役割を担う施設もある

介護施設の中には、地域の要配慮者を受け入れる「福祉避難所」として、自治体から指定を受けている施設もあります。この場合、入所者だけでなく、地域から避難してくる方々への対応も、あわせて計画に組み込む必要があります。自分の家族が利用している施設が、こうした役割を担っているかどうかも、確認しておく価値のあるポイントです。

7. 過去の災害から見えてきた課題

過去に発生した大規模な水害や地震では、介護施設が浸水や倒壊の被害を受け、入所者の避難や安否確認に大きな困難が生じた事例が報告されています。特に、夜間や早朝など、職員数が手薄な時間帯に災害が発生した場合、人手不足がより深刻な問題として顕在化しやすいことが、繰り返し指摘されてきました。こうした教訓が、現在のBCP義務化や、避難確保計画の強化につながっていると私は理解しています。

8. 個別避難計画という、一人ひとりに合わせた備え

介護施設の防災を考えるうえで、施設全体のBCPだけでなく、入所者一人ひとりの状態に合わせた「個別避難計画」の考え方も重要です。歩行が可能な方、車椅子が必要な方、医療的なケアが常時必要な方では、避難にかかる時間も、必要な人手もまったく異なります。私は、この個別性を無視した一律の計画では、実際の災害時にはうまく機能しないだろうと感じています。

9. 備蓄品は、入所者の特性に合わせて用意する必要がある

一般的な防災備蓄では、水や食料、簡易トイレなどが基本とされますが、介護施設ではさらに、嚥下機能に配慮した介護食、おむつやパッド類、常備薬の予備など、入所者の状態に応じた備蓄が欠かせません。介護施設で使われている介護食の種類を見ると、一般家庭の備蓄とは異なる視点が必要だと分かります。

10. 施設見学で、防災について聞いてみてください

施設を見学するときは、防災対策について直接質問してみてください。避難訓練の記録や備蓄品のリストを、担当者がその場で提示できる施設があります。一方で、あいまいな回答しか返ってこない施設もあります。防災への取り組み姿勢には、施設によって大きな差があります。見学は、それを確かめる機会でもあります。

介護施設が取るべき具体的な防災対策のステップ

仕組みがわかったところで、実際にどう対策を進めればいいのか、具体的にお伝えします。施設運営に関わる方はもちろん、家族としてチェックする際の視点としても、参考にしてみてください。一つひとつは決して難しいことではありません。

ステップ1:自施設のリスクを、ハザードマップで確認する

まずは、施設が立地する地域のハザードマップを確認し、洪水、土砂災害、地震の際の揺れやすさなど、どのようなリスクがあるかを把握することが出発点になります。リスクの種類によって、備えるべき内容が大きく変わってくるためです。

ステップ2:自然災害BCPと感染症BCPを、それぞれ策定する

厚生労働省が公表しているガイドラインやひな形を参考にしながら、自然災害BCPと感染症BCPを、それぞれ策定します。どちらか一方だけでは、義務を満たしたことにはならない点に注意が必要です。

ステップ3:職員の参集基準と、業務の優先順位を明確にする

災害発生時に、誰が、どのタイミングで施設に向かうのか、参集できる人数が限られる場合に、どの業務を優先するのかを、具体的に定めておきます。入所者の安否確認や、医療的ケアが必要な方への対応など、優先順位をあらかじめ決めておくことが、混乱を減らす鍵になります。

ステップ4:定期的な訓練を実施し、計画を見直す

BCPは、策定して終わりではありません。定期的に訓練を行い、実際に計画通りに動けるかを確認し、うまくいかなかった点を見直していく必要があります。特に、夜間を想定した訓練は、日中の訓練だけでは見えてこない課題を洗い出すために重要です。

ステップ5:地域や関係機関との連携体制を築く

介護施設だけで、すべての対応を完結させることは困難です。近隣の医療機関、他の介護施設、自治体、そして地域住民との連携体制を、平時から築いておくことが、災害時の助け合いにつながります。私は、施設同士が協定を結び、被災した施設の入所者を、別の施設が一時的に受け入れる仕組みがあることを知り、こうした横のつながりの大切さを深く実感しました。

家族としてできる確認のステップ

家族の立場からは、施設の担当者に、BCPの策定状況や、直近の訓練実施日、避難先の候補などを、直接尋ねてみることをおすすめします。すべてを詳細に開示してもらえるとは限りませんが、質問への回答の様子から、施設の防災への姿勢がある程度見えてきます。私は、家族の入所前に、こうした質問を実際に投げかけてみました。

医療的ケアが必要な方への対応を計画に組み込む

たんの吸引や、経管栄養など、医療的なケアを必要とする入所者がいる場合、停電時の医療機器の電源確保や、代替的なケア方法を、あらかじめ計画に盛り込んでおく必要があります。かかりつけ医や訪問看護ステーションとの連携体制も、あわせて確認しておくことが大切です。

備蓄品を定期的に点検し、入れ替える

備蓄品は、用意して終わりではなく、消費期限や使用期限を定期的に確認し、入れ替えていく必要があります。特に、介護食や薬品類は、期限が過ぎていないか、こまめなチェックが欠かせません。私は、施設によっては、備蓄品の点検日をカレンダーに明記し、担当者を決めて管理していることを知り、こうした運用の丁寧さも、施設選びの参考になると感じました。

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自然災害BCPと感染症BCP、地震想定と水害想定の違いを整理する

ここで、混同されやすい2種類のBCPと、代表的な災害想定の違いを比較してみましょう。それぞれの特徴を知ることで、施設の対応をより深く理解できます。表を見ながら、自施設や家族の施設と照らし合わせてみてください。

比較項目自然災害BCP感染症BCP
主な想定リスク地震、水害、土砂災害、火災など新型コロナウイルスなどの感染症の流行
主な対応内容避難、安否確認、施設の物理的被害への対応ゾーニング、感染防護具の備蓄、職員の健康管理
職員体制の課題参集困難、通信手段の確保職員自身の感染・濃厚接触による欠勤
訓練の頻度目安年1回以上が推奨されることが多い年1回以上が推奨されることが多い

この表からもわかるように、自然災害と感染症では、想定すべきリスクの性質がまったく異なります。どちらか一方に力を入れれば良いというものではなく、両方の視点から、バランスよく備えを進めることが求められています。

地震想定と水害想定、対応の違い

地震は、発生を事前に予測することが難しく、突発的な対応が求められます。一方、水害は、台風や大雨など、ある程度の予兆をもとに、事前の避難判断ができる場合が多いという違いがあります。この違いから、水防法にもとづく避難確保計画では、「どのタイミングで避難を開始するか」という判断基準が、特に重要な項目として位置づけられています。

入所施設と通所施設、防災対応の違い

特別養護老人ホームのような入所施設と、デイサービスのような通所施設では、防災対応の性質も異なります。入所施設は、24時間体制での対応が必要になる一方、通所施設は、利用者が自宅にいる時間帯の対応まで想定する必要はありません。ただし、通所施設であっても、送迎中に災害が発生した場合の対応など、それぞれに固有の課題があります。

都市部と地方の施設、防災上の違い

都市部の施設は、人口密集地であるがゆえに、避難所の混雑や、道路渋滞による支援の遅れが課題になりやすい傾向があります。一方、地方の施設は、近隣の医療機関や避難先までの距離が遠いことや、支援が届くまでに時間がかかることが、課題として挙げられます。私は、この違いを知ってから、施設の立地環境によって、備えるべき優先順位が変わってくるのだと理解しました。

施設の立地や種類に応じて、どこに重点を置くべきか判断する

「結局、自分の施設や、家族が利用している施設は、何を優先すべきなのか」。ここでは、判断のための具体的な基準をお伝えします。当てはまる項目から、優先順位を考えてみてください。

浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地している場合

こうした区域に立地する施設は、水防法にもとづく避難確保計画の作成と訓練が、法令上の義務になります。BCPとあわせて、避難のタイミングや避難先の確保を、最優先で整備する必要があります。

耐震性に不安がある建物の場合

建物の耐震性が十分でない場合は、地震発生時の建物被害を前提とした避難計画や、代替施設の確保が重要になります。建て替えや改修が難しい場合でも、避難経路の複数確保や、什器の固定といった、できる範囲での対策を進めることをおすすめします。

夜間の職員体制が手薄な施設の場合

夜間の人員配置が少ない施設では、夜間を想定した訓練と、少人数でも対応できる業務フローの整備が、特に重要な課題になります。地域住民やボランティアとの連携体制も、あわせて検討する価値があります。

家族として施設を選ぶ、または見直す場合

これから施設を選ぶ、あるいは今の施設で大丈夫か見直したいという家族の立場であれば、BCPの策定状況、避難訓練の実施頻度、そして立地のハザードリスクを、優先的に確認することをおすすめします。担当者への質問を通じて、施設の防災への向き合い方を、直接感じ取ることが大切です。

認知症対応型の施設の場合

認知症の入所者が多い施設では、環境の変化に対する不安や混乱が、避難行動をより難しくすることがあります。日頃から避難訓練に慣れておくことや、職員が一人ひとりの特性を把握しておくことが、他の施設以上に重要になります。私は、認知症ケアの専門性と、防災対応力は、切り離せない関係にあるのだと感じています。

今日からできる、介護施設の防災対策チェックポイント

ここまでの内容を踏まえて、今日からできるチェックポイントをまとめます。

  • 自然災害BCPと感染症BCPが、それぞれ策定されているか確認する
  • 施設が立地する地域のハザードマップを確認する
  • 浸水想定区域内であれば、避難確保計画の有無を確認する
  • 直近の避難訓練がいつ実施されたか確認する
  • 夜間や職員手薄な時間帯の対応方針を確認する
  • 近隣施設や医療機関との連携体制について確認する

特に、避難訓練の実施状況は、意外と見落とされがちです。計画書があるだけでは、実際に機能するかどうかはわかりません。定期的に訓練を重ねているかどうかが、実効性を測る重要な指標になります。

家族との連絡体制も、あわせて確認しておく

災害時、施設と家族との連絡手段がどうなっているかも、事前に確認しておきたいポイントです。電話がつながりにくい状況を想定し、災害用伝言ダイヤルや、施設独自の安否確認システムなど、複数の連絡手段が用意されているかを確認しておくと安心です。

施設だけに任せきりにせず、家族としてもできる備えをする

施設の防災対策がしっかりしていても、家族としての備えを怠ってよいわけではありません。緊急連絡先の共有、面会時の避難経路の把握、そして万が一の際にどう対応するかを、家族内でも話し合っておくことをおすすめします。私は、家族の入所後、実際に施設の避難経路を一緒に歩いて確認する機会をしっかり持ちました。

地域住民との合同訓練にも目を向ける

一部の施設では、地域の自治会や消防団と合同で、避難訓練を実施しているところもあります。こうした地域との結びつきは、実際の災害時に、施設だけでは対応しきれない場面での助け合いにつながります。施設を選ぶ際は、地域との連携実績についても、確認してみる価値があります。

よくある質問

ここでは、介護施設の防災に関して、よく寄せられる疑問にお答えします。施設運営者の方にも、ご家族の方にも、参考にしていただければと思います。

Q1. BCPを策定していない介護施設は、法令違反になりますか?

2025年4月以降、原則としてすべての介護サービス事業者にBCPの策定が義務づけられており、未策定の場合は介護報酬の減算対象になります。訪問系サービスと居宅介護支援事業所は、2026年度末まで対象外とされていますが、それ以外の事業所は、早急な対応が求められます。

Q2. BCP未策定減算は、具体的にどのくらいの金額になりますか?

施設・居住系サービスでは所定単位数の3パーセント、その他のサービスでは1パーセントが減算されます。具体的な金額は、施設の規模やサービス内容、利用者数によって異なります。

Q3. 自然災害BCPと感染症BCPは、両方とも必要ですか?

はい。想定するリスクの性質が異なるため、どちらか一方だけでなく、両方を策定することが求められています。片方だけでは義務を満たしたことにはなりません。

Q4. 避難確保計画は、すべての介護施設に必要ですか?

浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地している施設が対象です。該当しない施設には、この計画の作成義務はありませんが、自施設の立地リスクは、念のため確認しておくことをおすすめします。

Q5. 家族は、施設のBCPの内容を見せてもらえますか?

施設によって対応は異なりますが、多くの施設では、家族からの問い合わせに、ある程度の説明をしてもらえることが多いです。詳細な文書の開示までは難しい場合もありますが、策定状況や訓練実施の有無は確認できることが多く、遠慮せず尋ねてみる価値があります。

Q6. 夜間に災害が発生した場合、施設はどう対応するのですか?

夜間の職員体制が手薄な施設では、少人数でも対応できる業務フローや、近隣住民・関係機関との連携体制を、あらかじめ計画にしっかり盛り込んでおくことが求められています。具体的な対応は施設ごとに異なるため、直接確認することをおすすめします。

Q7. 福祉避難所とは、どのような施設ですか?

自治体から指定を受け、地域の要配慮者を災害時に受け入れる役割を担う施設です。すべての介護施設が該当するわけではなく、指定の有無は自治体や施設に直接確認する必要があります。

Q8. 施設の耐震性は、どうすれば確認できますか?

建物の建築年や、耐震基準への適合状況について、施設の担当者に直接確認する方法が一般的です。自治体が公表している情報を確認できる場合もあるため、あわせて調べてみることをおすすめします。

Q9. 通所施設(デイサービスなど)にも、BCPは必要ですか?

はい。通所系サービスも義務化の対象に含まれています。送迎中の災害対応など、通所施設特有のリスクも、計画にしっかり含める必要があります。

Q10. 家族として、面会時にできる確認はありますか?

避難経路や、避難口の位置、消火設備の設置状況などを、実際に目で見て確認しておくとよいでしょう。可能であれば、避難訓練の見学を申し出てみるのも、有効な一つの方法です。

Q11. 職員の人数が少ない施設は、防災上不利になりますか?

人手が少ない施設では、災害時の対応がより難しくなる傾向があります。だからこそ、地域や他施設との連携体制、そして現実的な業務の優先順位づけが、他の施設以上に重要になります。

Q12. BCPの内容は、一度作ったら見直す必要はありませんか?

いいえ。訓練の結果や、職員体制の変化、地域のリスク情報の更新などにあわせて、定期的に見直しを行うことが推奨されています。

Q13. 個別避難計画とは何ですか?

入所者一人ひとりの身体状況やケアの内容に応じて、避難にかかる時間や必要な支援を具体的に定めた計画です。施設全体のBCPを補完する、より個別性の高い備えとして位置づけられています。

Q14. 医療的ケアが必要な入所者がいる場合、特に確認すべきことはありますか?

停電時の医療機器の電源確保方法や、かかりつけ医・訪問看護ステーションとの連携体制について、施設に確認しておくことをおすすめします。

Q15. 地域との合同訓練を実施している施設は、良い施設と言えますか?

一概には言えませんが、地域との連携実績は、施設の防災への積極的な姿勢を示す一つの指標にはなります。他の確認項目とあわせて、総合的に判断することをおすすめします。

制度は今後も変わっていく可能性がある

介護報酬制度や、防災に関する法令は、災害の発生状況や社会情勢に応じて、今後も見直されていく可能性があります。施設運営者は、最新の制度動向を継続的に確認し、家族の立場でも、定期的に施設の対応状況をチェックしていくことが大切だと私は感じています。

まとめ

ここまで、介護施設の防災について、私の経験も交えながら詳しくお伝えしてきました。あらためて要点を整理します。介護施設の防災対策は、単なる備蓄や心構えのレベルを超えて、業務継続計画(BCP)の策定という、法令上の義務になっています。2021年度の介護報酬改定で義務化が始まり、2024年4月には未策定減算が導入され、2025年4月以降は、ほぼすべての事業所でBCPの策定が求められる状況です。自然災害BCPと感染症BCP、それぞれの整備に加え、浸水想定区域などに立地する施設では、水防法にもとづく避難確保計画も必要になります。入所者一人ひとりの状態に応じた個別避難計画や、医療的ケアへの対応、地域との連携も、実効性のある防災には欠かせません。家族の立場としては、施設のBCP策定状況や、訓練の実施頻度、立地のリスクを確認し、施設任せにせず、自分たちでもできる備えを進めることが大切です。この記事が、施設運営に携わる方にとっても、大切な家族を預ける方にとっても、防災を考えるための一助になれば嬉しいです。

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9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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