給水車・給水所の使い方|容器は10リットル以下、水は3日で使い切る

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【この記事の要約】
断水したとき、頼りになるのが給水車と給水所です。ただし、行けば当然に水がもらえるわけではありません。最初につまずくのが容器です。水は1リットルで1キロあり、20リットルのポリタンクは、満杯にすると20キロになります。多くの方は運べません。おすすめは10リットル以下、あるいはリュックで背負える給水袋です。持ち物、並ぶ時間、水の運び方、そして受け取ったあとの保存期間まで、実務の全体像を整理します。受け取った水は常温で約3日、冷蔵庫で約10日が目安です。沸かしたり浄水器を通したりすると、かえって日持ちしなくなります。理由も含めて説明します。

目次

結論:容器の選び方で成否が決まります

先に結論をお伝えします。

給水所で最も多い失敗は、容器選びです。具体的には、大きすぎる容器を持って行ってしまうことです。

水は1リットルで約1キロあります。つまり次のようになります。

容量 水の重さ 運べるかどうか
20リットル 約20キロ 成人男性でも数十メートルが限界
10リットル 約10キロ 多くの方が運べる。推奨
6リットル 約6キロ 女性・高齢の方でも運べる
4リットル 約4キロ 子どもでも運べる

20リットルのポリタンクは、たしかに一度に多く運べます。しかし満水にすれば20キロです。米袋4つ分を、給水所から自宅まで持ち帰ることになります。

私がおすすめするのは、10リットル以下の容器を複数用意することです。あるいは、背負えるリュック型の給水袋です。

この判断ひとつで、給水所が使えるかどうかが変わります。

給水車と給水所は別のものです

まず用語を整理しておきます。混同されやすい部分です。

種類 内容 特徴
給水車 タンクを積んだ車両が巡回する 時間と場所が変動する。情報の確認が必須
給水所(応急給水拠点) 浄水場や配水池などに設けられた固定の場所 場所が決まっている。事前に調べられる
仮設給水栓 公園や学校に一時的に設置される蛇口 被害状況に応じて設置される

覚えておいていただきたいのは、固定の給水拠点は、平常時から場所が決まっているということです。

お住まいの自治体の水道局が、地図を公開しています。災害が起きてから調べるのでは遅いので、今のうちに確認しておいてください。

給水車はいつ来るのか

これが最も多く寄せられる質問だと思います。

正直にお伝えすると、事前には分かりません。被害の規模と場所によって、その都度決まるためです。

情報は次の経路で出ます。

  • 自治体の防災行政無線
  • 自治体の公式サイト・SNS
  • ラジオ(特に地元のコミュニティFM)
  • 広報車の巡回
  • 町内会・自治会からの連絡

停電が重なると、スマートフォンの電池が心配になります。だからラジオが役に立ちます。詳しくは防災用情報収集グッズの選び方とおすすめ10選【2026年最新版】ラジオ・スマホ・アプリを徹底解説をご覧ください。

持って行くもの

給水所へ向かう前に、次を用意してください。

持ち物 理由
水の容器(10リットル以下を複数) 重さの問題。後述します
台車・キャリーカート 運搬が一気に楽になる
リュック 両手を空けられる
ポリ袋(大きめ) 容器が汚れているときの内袋にする
タオル こぼれた水を拭く。容器の緩衝材にもなる
油性ペン 受け取った日付を書く
防寒具または日除け 並ぶ時間が長くなる
身分証 自治体によって確認される場合がある

台車があると、20リットルでも運べます。ただし段差や階段では使えないため、過信は禁物です。

容器がないときの代用

手元に専用の容器がない場合、次のもので代用できます。

  • 飲み終えたペットボトル(2リットル)を複数
  • 厚手のポリ袋を段ボール箱に入れて使う
  • クーラーボックスにポリ袋を敷く
  • キャリーケースにポリ袋を入れる

2番目と3番目は覚えておくと便利です。ポリ袋を二重にして箱の中に広げれば、それだけで容器になります。

ただし飲用にする場合、袋の清潔さには注意してください。食品用と表示のあるものを使ってください。

並ぶときに知っておきたいこと

給水所は混雑します。実際に並ぶ場面を想定して、実務的な注意点を挙げておきます。

時間帯をずらす

混みやすいのは、朝一番と夕方です。仕事や家事の前後に集中するためです。

可能であれば、日中の時間帯を狙ってください。待ち時間が大きく変わります。

複数人で行かない、という判断

家族総出で並ぶ必要はありません。一人が並び、容器を運ぶ人員だけを別に確保するほうが効率的です。

ただし、高齢の方や小さなお子さんがいるご家庭では、留守番の安全も考えてください。

近所と協力する

私が最も有効だと考えているのが、これです。

近隣で声を掛け合い、車や台車を持っている方がまとめて運ぶ。この形にすれば、全員が往復する必要がなくなります。

特に高齢の単身世帯にとっては、水の運搬は大きな負担です。声をかけるだけでも意味があります。

順番を守る

当たり前のことですが、災害時は皆が余裕を失っています。

過去の災害でも、給水所でのトラブルは報告されています。急ぐ気持ちは分かりますが、揉めれば全体が遅くなります。

受け取った水の保存期間

ここが最も見落とされている部分です。知らないまま飲み続けると、体調を崩す原因になります。

水道水には塩素が含まれており、それが雑菌の繁殖を抑えています。しかし時間が経つと塩素は抜けていきます。

東京都水道局が示している目安は次のとおりです。

保存方法 目安
常温(直射日光を避ける) 約3日
冷蔵庫 約10日

「もらってきたから当分安心」とはなりません。3日で使い切る前提で考えてください。

沸かしてはいけません

意外に思われるかもしれませんが、重要な点です。

保存する水を煮沸すると、塩素が抜けます。浄水器を通した場合も同じです。

塩素がなくなれば、雑菌が繁殖しやすくなります。つまり、きれいにしたつもりが日持ちしなくなるのです。

保存用の水は、蛇口から出たそのままの状態で容器に入れてください。

容器は口までいっぱいに入れる

空気に触れる面積を減らすためです。

半分だけ入れて保管すると、残りの空間の空気が水質を落とします。満たしてから栓をしてください。

日付を書いておく

油性ペンを持って行くようすすめた理由がこれです。

受け取った日を容器に書いておけば、いつまで飲めるかが分かります。断水が続くと日付の感覚が曖昧になるため、この一手間が効きます。

期限を過ぎた水も捨てないでください

飲用に適さなくなっても、生活用水としては使えます。

トイレを流す、手や体を拭く、掃除に使う。断水中はこうした用途にも水が要ります。

期限切れの水は、用途を分けて残しておいてください。

どれだけの量が必要か

持って行く容器の大きさと数を決めるために、必要量を計算しておきましょう。

飲用と調理に必要な水は、1人1日3リットルが目安とされています。

世帯 1日 3日分
1人暮らし 3リットル 9リットル
2人世帯 6リットル 18リットル
3人世帯 9リットル 27リットル
4人世帯 12リットル 36リットル

4人世帯の3日分は36リットル、つまり36キロです。一度では運べません。

ただし、保存が3日しかもたないことを思い出してください。3日分をまとめて確保しても、期限が来ます。

現実的には、2日に1回、10リットル前後を運ぶというサイクルになります。

生活用水は別に必要です

上の数値は飲用と調理の分だけです。

トイレ、洗面、体を拭く、食器を洗う。こうした生活用水を含めると、必要量は跳ね上がります。目安として1人1日20リットル前後と言われることもあります。

これを給水所からすべて運ぶのは不可能です。だから風呂の残り湯が重要になります。

容器の種類と選び方

容器選びが重要だとお伝えしました。具体的な種類を見ていきます。

種類 容量の目安 長所 短所
ポリタンク(硬質) 10〜20リットル 丈夫。繰り返し使える かさばる。保管場所を取る
折りたたみ給水袋 5〜20リットル 畳めて場所を取らない。安価 耐久性が低い。自立しにくい
リュック型給水袋 10〜20リットル 背負える。両手が空く やや高価
ウォーターバッグ(角型) 10リットル前後 蛇口付きで注ぎやすい 蛇口部分が壊れやすい
ペットボトル 2リットル 手元にある。小分けできる 数が必要。口が細く入れにくい

私がすすめるのは、リュック型と折りたたみ式の組み合わせです。

リュック型で背負い、折りたたみ式を予備として持つ。この形なら、量と運びやすさの両方に対応できます。

折りたたみ式を選ぶときの注意

安価で場所を取らないため人気がありますが、弱点もあります。

薄い素材のものは、地面に置いた際に破れることがあります。給水所のアスファルトには小石や破片があります。

下に敷くものを一枚持って行くだけで、破損を防げます。タオルや折りたたんだレジ袋で構いません。

蛇口付きが便利です

容器から水を注ぐとき、蛇口があると格段に楽になります。

10リットルの容器を持ち上げて傾けるのは、力がいるうえにこぼれます。蛇口付きなら、置いたまま必要な分だけ出せます。

高齢のご家族が使う場合は、特にこの点を重視してください。

買う前に確認したいこと

  • 飲料用として使える素材か(食品衛生法に適合しているか)
  • 口が広く、洗いやすいか
  • 取っ手がしっかりしているか
  • 畳んだときの大きさ

1番目は重要です。灯油用のポリタンクは飲料に使えません。色で区別されていることが多いので、確認してから買ってください。

容器の手入れ

買って置いておくだけでは、いざというとき使えないことがあります。

初めて使う前に洗う

新品でも、製造時のにおいが残っていることがあります。一度水でよく洗ってください。

洗剤を使った場合は、すすぎを十分にしてください。残った洗剤は水の味を損ないます。

使ったあとは乾かす

水を入れたまま長期間放置すると、内部にぬめりが発生します。

使用後は空にして、口を開けたまま完全に乾かしてから畳んでください。

年に一度は状態を見る

折りたたみ式は、畳んだ折り目の部分が劣化します。数年経つと、そこから漏れることがあります。

防災用品の点検日を決めて、水を入れて漏れがないかを確かめてください。9月1日の防災の日が分かりやすい機会です。

点検の考え方は防災の日にやる防災グッズ点検|期限切れが起きやすい6品目と選び方にまとめています。

断水する前にやっておくこと

給水所に頼る量をあらかじめ減らしておけば、断水したあとの負担はそれだけ軽くなります。

風呂に水を張っておく

最も効果的な準備です。一般的な浴槽の容量は180〜200リットル前後あります。

台風の接近が分かっているときなど、断水が予想される場面では張っておいてください。トイレを流す水がこれでまかなえます。

ただし、小さなお子さんがいるご家庭では溺水の危険があります。浴室に鍵をかけるなどの対策をしてください。

ペットボトルの備蓄

飲用は備蓄でまかなうのが基本です。給水所は補助と考えてください。

3日分、できれば7日分を用意しておけば、給水所に並ぶ回数を減らせます。

給水拠点の場所を調べておく

これは今日できることです。

お住まいの自治体の水道局サイトで、応急給水拠点の地図を確認してください。自宅から何メートルか、どの道を通るかまで把握しておくと安心です。

できれば一度歩いてみてください。水を積んだ台車で通れる道かどうかが分かります。

運び方の工夫

重い水を少しでも楽に、そして安全に運ぶための実務をまとめます。

背負うのが最も楽です

手で提げるより、背負うほうが体への負担が小さくなります。

リュック型の給水袋という製品があります。折りたためるため保管場所も取りません。1つあると状況が変わります。

専用品がなくても、給水袋をリュックに入れれば同じことができます。

両手を空ける

片手に容器、片手に傘という状態は危険です。災害後の道路は、段差や破片で足元が悪くなっています。

転倒すれば水を失うだけでなく、怪我をします。両手が空く形を優先してください。

小分けにして往復する

一度に運ぼうとしないでください。

10リットルを2回運ぶほうが、20リットルを1回運ぶより安全です。時間はかかりますが、確実です。

台車を使う場合

段差に注意してください。水は重心が高くなりやすく、転倒しやすいものです。

荷崩れを防ぐため、ロープやゴムバンドで固定してください。

集合住宅にお住まいの場合

マンションやアパートでは、追加の問題があります。

停電すればエレベーターが止まります。10リットルの水を持って階段を上ることになります。

高層階にお住まいなら、1回の運搬量をさらに減らしてください。5リットル程度を複数回に分けるほうが現実的です。

また、建物の受水槽に水が残っていることがあります。管理会社に確認してみてください。

階段での運搬のコツ

階段を上るときは、容器を体の前ではなく背中側に置いてください。前で抱えると重心が前に出て、足元が見えなくなります。

リュック型が有利なのは、この点でも同じです。手すりをつかめる状態を保てます。

踊り場ごとに一度置いて休む。この習慣を決めておくと、無理をしません。

共用部に置かない

運搬の途中で容器を廊下や階段に置いたままにすると、他の住人の通行を妨げます。

避難経路でもあるため、災害時は特に注意してください。休むときも、通行の邪魔にならない位置を選んでください。

世帯の状況で変わる注意点

誰が水を運ぶかによって、現実的な計画は変わります。

高齢の方のいる世帯

10リットル、つまり10キロを持ち歩くのは、体力のある方でも負担です。

無理をすれば転倒し、骨折につながります。断水中に骨折すれば、生活は一気に立ち行かなくなります。

5リットル以下に分け、回数を増やしてください。あるいは、家族や近所の方に依頼してください。

自治体によっては、高齢者や障害のある方への個別配達を行う場合があります。事前に確認しておくと安心です。

小さなお子さんのいる世帯

お子さんを連れて水を運ぶのは、非常に難しいことです。両手がふさがるためです。

可能であれば、どちらかが家に残ってください。それが難しい場合は、ベビーカーに容器を載せる方法があります。

ただし、お子さんを乗せたまま重い水を積むのは危険です。転倒の恐れがあります。

また、乳児用のミルクに使う水には注意が必要です。給水された水道水は使えますが、必ず一度沸かしてから使ってください。保存には向かなくなりますが、その場で使う分には問題ありません。

一人暮らしの方

必要量そのものは少なくて済みます。1日3リットルなら、往復1回で数日分をまかなえます。

むしろ注意したいのは、情報が入りにくいことです。同居家族がいないぶん、給水車の巡回を見逃しやすくなります。

近所付き合いがあれば、教えてもらえます。この点でも、日頃の関係が効いてきます。

ペットのいる世帯

忘れられがちですが、ペットにも水が必要です。

体重10キロの犬でおよそ0.5〜1リットル程度が1日の目安とされます。人間の分に加えて計算してください。

ペットの備えはペットの災害避難|同行避難と同伴避難の違いと動物の種類別の備え方で詳しく扱っています。

断水が長引くとき

数日で復旧する場合と、1週間以上かかる場合では、対応が変わります。

復旧までの目安

原因 復旧までの目安
水道管の工事・小規模な破損 数時間〜1日
停電による給水停止 停電の復旧とほぼ同時
地震による配水管の損壊 数日〜数週間
浄水場の被災 数週間以上になることも

地震の場合、地域によって復旧時期に大きな差が出ます。同じ市内でも、先に復旧する地区とそうでない地区があります。

長期化が見えたときの判断

1週間を超えそうだと分かった時点で、選択肢を広げてください。

  • 親戚や知人の家に一時的に移る
  • 入浴施設や公衆浴場を利用する(営業状況の確認が必要)
  • コインランドリーを使う
  • 避難所の給水設備を利用する

自宅に留まることにこだわりすぎると、体力を消耗します。特に夏場は衛生状態が悪化しやすく、健康を損ないます。

水が出ても、すぐ飲まない

復旧直後の水は、濁っていることがあります。工事の際に管内の錆や砂が動くためです。

蛇口を開けたら、しばらく流してください。透明になり、においがなくなってから使ってください。

不安があれば、自治体の水道局に確認してください。飲用の可否について案内が出ます。

私が北海道で考えていること

私は札幌に住んでいます。冬の断水には、特有の難しさがあります。

冬は水が凍ります

運搬中に凍ることはまずありませんが、屋外やベランダに置いておけば凍ります。

凍れば容器が破損します。水は凍ると体積が増えるためです。屋内で保管してください。

雪道の運搬は危険です

凍結した路面で10キロの荷物を持つのは、転倒の危険が高い行為です。

雪国では、そりを使う方法があります。子ども用のプラスチックそりに容器を載せて引く。これが最も安全で楽です。

雪のある地域にお住まいなら、覚えておいてください。

2018年に感じたこと

胆振東部地震のブラックアウトでは、地域によって断水も発生しました。

あのとき強く感じたのは、日頃の準備の差がそのまま出るということでした。風呂に水を張る習慣があった家庭と、そうでない家庭では、初日の過ごし方がまったく違いました。

給水所は確かに助けになります。しかし、そこへ行かずに済む備えがあるほうが、はるかに楽です。

水運びは想像より重労働です

防災の話をするとき、給水所は「行けば水がもらえる場所」として語られがちです。

しかし実際には、往復の移動、待ち時間、そして重量物の運搬がセットになります。1回あたり1時間近くかかることも珍しくありません。

これが毎日、あるいは2日に1度続きます。仕事や片付けと並行して行うことを考えれば、負担の大きさが見えてきます。

だから私は、備蓄を重視しています。備蓄は、この重労働を減らすための投資です。

備えは他人のためにもなります

もうひとつ、お伝えしたいことがあります。

ご自身の備えが足りていれば、給水所に並ぶ回数が減ります。その分、本当に必要としている方が早く水を受け取れます。

備蓄は自分のためのものですが、結果として地域全体の負担を軽くします。

そして余裕があれば、運搬に困っている方を手伝えます。台車や車を持っている方は、その存在自体が地域の資源になります。

よくある質問

Q. 給水車はいつ来ますか

A. 事前には分かりません。被害の規模と場所によってその都度決まります。自治体の防災行政無線、公式サイトやSNS、ラジオ、広報車の巡回で情報が出ます。停電時はスマートフォンの電池が心配になるため、ラジオが役立ちます。

Q. どの容器を持って行けばよいですか

A. 10リットル以下を複数、が基本です。水は1リットルで約1キロあり、20リットルのポリタンクは満水で約20キロになります。多くの方は運べません。リュック型の給水袋があれば背負えるため、さらに楽になります。

Q. 容器がない場合はどうしますか

A. 飲み終えたペットボトル、厚手のポリ袋を段ボール箱やクーラーボックスに敷いたもの、キャリーケースにポリ袋を入れたもので代用できます。飲用にする場合は、食品用と表示のあるポリ袋を使ってください。

Q. 受け取った水はどのくらいもちますか

A. 東京都水道局の目安では、常温で約3日、冷蔵庫で約10日です。「もらってきたから当分安心」とはなりません。容器に受け取った日付を書いておくと管理しやすくなります。

Q. 水を沸かして保存したほうが安全ですか

A. 逆効果です。煮沸すると塩素が抜け、雑菌が繁殖しやすくなります。浄水器を通した場合も同じです。保存用の水は、蛇口から出たそのままの状態で容器に入れてください。

Q. 容器はどのように満たせばよいですか

A. 口元までいっぱいに入れてください。空気に触れる面積を減らすためです。半分だけ入れて保管すると、残った空間の空気が水質を落とします。

Q. 期限を過ぎた水は捨てるべきですか

A. 捨てないでください。飲用に適さなくなっても、トイレを流す、体を拭く、掃除に使うといった生活用水として使えます。断水中はこうした用途にも水が必要です。

Q. 1日にどれだけの水が必要ですか

A. 飲用と調理で1人1日3リットルが目安です。4人世帯なら1日12リットル、3日で36リットルになります。ただし保存が3日しかもたないため、実際は2日に1回10リットル前後を運ぶサイクルになります。

Q. 生活用水はどう確保しますか

A. 給水所からすべて運ぶのは不可能です。生活用水を含めると1人1日20リットル前後になるとも言われます。断水が予想される場面では、事前に風呂へ水を張っておいてください。浴槽の容量は180〜200リットル前後あります。

Q. マンションの高層階ではどうすればよいですか

A. 停電でエレベーターが止まるため、1回の運搬量をさらに減らしてください。5リットル程度を複数回に分けるほうが現実的です。建物の受水槽に水が残っている場合もあるため、管理会社に確認してみてください。

Q. どんな容器を買えばよいですか

A. リュック型と折りたたみ式の組み合わせをおすすめします。リュック型で背負い、折りたたみ式を予備にする形です。蛇口付きだと注ぐときに楽になります。購入時は、飲料用として使える素材かを必ず確認してください。灯油用のポリタンクは飲料に使えません。

Q. 折りたたみ式の注意点はありますか

A. 薄い素材のものは、地面に置いた際に破れることがあります。給水所のアスファルトには小石や破片があるためです。下に敷くものを一枚持って行くだけで防げます。タオルや折りたたんだレジ袋で構いません。

Q. 容器の手入れはどうしますか

A. 使用後は空にして、口を開けたまま完全に乾かしてから畳んでください。水を入れたまま放置すると内部にぬめりが出ます。折りたたみ式は折り目が劣化するため、年に一度は水を入れて漏れがないか確かめてください。

Q. 赤ちゃんのミルクに使えますか

A. 使えますが、必ず一度沸かしてから使ってください。保存には向かなくなりますが、その場で使う分には問題ありません。煮沸すると塩素が抜けるため、沸かした水を作り置きしないでください。

Q. 復旧したらすぐ飲めますか

A. すぐには飲まないでください。復旧直後の水は、工事で管内の錆や砂が動くため濁っていることがあります。蛇口を開けてしばらく流し、透明になりにおいがなくなってから使ってください。不安があれば水道局に確認してください。

Q. 断水はどのくらいで復旧しますか

A. 原因によります。工事や小規模な破損なら数時間から1日、停電が原因なら停電の復旧とほぼ同時です。地震で配水管が損壊した場合は数日から数週間、浄水場が被災すればさらに長期化します。同じ市内でも地区によって差が出ます。

Q. 雪道で水を運ぶ方法はありますか

A. そりが有効です。子ども用のプラスチックそりに容器を載せて引けば、転倒の危険を抑えられます。凍結路面で10キロの荷物を持ち歩くのは危険です。また、屋外に置くと凍って容器が破損するため、屋内で保管してください。

まとめ

給水車と給水所の使い方について、要点を整理します。

  • 水は1リットルで約1キロ。20リットルは20キロになる
  • 容器は10リットル以下を複数用意する
  • リュック型の給水袋なら背負えて負担が小さい
  • 給水車の時間は事前に分からない。情報経路を確保しておく
  • 応急給水拠点は場所が決まっている。今のうちに調べておく
  • 油性ペンを持参し、受け取った日付を容器に書く
  • 保存の目安は常温で約3日、冷蔵庫で約10日
  • 煮沸や浄水器の使用は塩素を抜くため、保存には逆効果
  • 容器は口元までいっぱいに満たす
  • 期限切れの水も生活用水として使える
  • 飲用と調理で1人1日3リットルが目安
  • 断水が予想されるときは、事前に風呂へ水を張る

給水所は心強い仕組みです。しかし、頼りきりにすると生活が水運びだけで終わってしまいます。

備蓄で飲用をまかない、風呂の水で生活用水を確保する。そのうえで足りない分を給水所で補う。この組み合わせが現実的です。

今日できることをひとつ挙げます。お住まいの自治体の水道局サイトで、応急給水拠点の場所を調べてみてください。数分で終わります。その数分が、断水した日の負担を大きく変えます。

あわせて、ご自宅にある容器の容量も確かめてみてください。20リットルのポリタンクしかないようなら、10リットル以下のものを1つ足しておくと安心です。

断水は、地震だけでなく台風でも大雪でも起こります。特別な事態ではなく、いつ来てもおかしくないものとして備えておいてください。

水は、備蓄のなかで最も重く、最もかさばり、そして最も欠かせないものです。だからこそ、運ぶ手段まで含めて考えておく価値があります。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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