【この記事の要約】
防災週間は毎年8月30日から9月5日までの7日間です。中日にあたる9月1日が防災の日にあたります。この1週間をうまく使うコツは、7日分をまとめてやろうとせず、1日1テーマに割り振ることです。初日はハザードマップ、2日目は避難経路、3日目は備蓄の点検、というように分けていけば、1日15分から30分で終わります。全部を一度にやろうとするから続かないのです。この記事では、7日間の具体的な進め方を日ごとに示します。あわせて、家族構成別の重点、子どもとの取り組み方、一人暮らしの場合、職場や学校での進め方、自治体のイベントの探し方まで整理しました。今年の防災週間を、実際に手が動く1週間にしていただければと思います。
結論:7日間を1日1テーマに分けると続きます
先に結論をお伝えします。防災週間を有効に使う最大のコツは、作業を分散させることです。
多くの方が、防災の準備を「まとまった時間が取れたらやろう」と考えます。しかし、そのまとまった時間は永遠に来ません。私自身もそうでした。
防災週間は7日間あります。この構造を活かしてください。1日にひとつのテーマだけを扱えば、1回15分から30分で終わります。
そして、7日間を終えたときには、備えが一通り点検された状態になっています。これが、この記事でお伝えしたい進め方です。
防災週間とは何か
はじめに、基本を確認しておきます。
防災週間は、毎年8月30日から9月5日までの7日間です。中日である9月1日が防災の日にあたります。
この期間、国や自治体、企業、学校などで防災訓練や啓発活動が集中的に行われます。ニュースで大規模な訓練が報じられるのも、多くはこの期間です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 毎年8月30日〜9月5日 |
| 日数 | 7日間 |
| 中心となる日 | 9月1日(防災の日) |
| 位置づけ | 祝日ではなく、啓発のための期間 |
| 主な取り組み | 総合防災訓練、避難訓練、備蓄の点検、啓発イベント |
防災の日そのものの由来や、なぜ9月1日なのかという背景については、防災の日は9月1日|祝日ではない理由と関東大震災に由来する背景を解説で詳しく扱っています。
なぜ1日ではなく1週間なのか
ここには実務的な理由があると私は考えています。
9月1日だけに訓練を集中させると、その日が平日か休日かで参加できる人が偏ります。企業も学校も自治体も、都合のよい日を選べません。
1週間という幅があれば、それぞれの事情に合わせて実施できます。土日を含むため、家庭で取り組む余裕も生まれます。
つまり防災週間とは、参加しやすさを確保するための仕組みです。この幅を活かさない手はありません。
7日間のプログラム
具体的な進め方を示します。日付は目安ですので、都合に合わせて入れ替えて構いません。
| 日付 | テーマ | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 8月30日 | 自宅のリスクを知る(ハザードマップ) | 20分 |
| 8月31日 | 避難先と避難経路を決める | 30分 |
| 9月1日 | 備蓄を点検する(防災の日) | 30分 |
| 9月2日 | 住まいの安全を確認する | 30分 |
| 9月3日 | 連絡手段を確認する | 15分 |
| 9月4日 | 非常持ち出し袋を見直す | 30分 |
| 9月5日 | 家族で話し合ってまとめる | 30分 |
合計しても3時間半ほどです。1週間に分散させれば、1日あたりの負担はほとんど感じないはずです。
1日目(8月30日)自宅のリスクを知る
最初にやるべきは、自分の家が何に弱いかを知ることです。ここが分からないまま備えても、優先順位を間違えます。
市区町村のウェブサイトで、ハザードマップを開いてください。紙で配布されている場合もあります。
確認するのは次の点です。
- 洪水による浸水想定区域に入っているか。入っている場合は何メートルか
- 土砂災害警戒区域、または特別警戒区域に該当するか
- 津波の浸水想定はあるか
- 近くに液状化しやすい地盤があるか
- 大規模火災の延焼リスクが想定されている地域か
この結果によって、その後の6日間の重点が変わります。浸水想定が3メートルなら2階への垂直避難が有効ですが、5メートルを超えるなら建物の外へ逃げる必要があります。
ハザードマップの読み方は【2026年版】ハザードマップの見方・読み方を徹底解説|色の意味・使い方までで解説しています。
この日のうちに写真を撮っておく
ハザードマップの該当箇所をスマートフォンで撮影しておいてください。いざというとき、ウェブサイトを探す余裕はありません。
家族の共有アルバムに入れておけば、全員がすぐ見られます。
2日目(8月31日)避難先と避難経路を決める
1日目に調べた結果をもとに、どこへ逃げるかを決めます。
ここで重要なのは、避難先が災害の種類によって変わることです。地震のときの避難所と、洪水のときの避難所は同じとは限りません。
| 災害 | 避難先の考え方 |
|---|---|
| 地震 | 建物が無事なら在宅避難。倒壊の恐れがあれば避難所へ |
| 洪水 | 浸水想定の外へ。または想定より高い階へ |
| 土砂災害 | 斜面から離れた場所へ。垂直避難は補助的な手段 |
| 津波 | とにかく高い場所へ。距離より高さを優先 |
| 大規模火災 | 広域避難場所へ |
避難所の場所を調べたら、実際に歩いてみてください。これが2日目の本題です。
歩いて初めて分かること
地図上では近く見えても、実際に歩くと違って見えます。
- 途中にブロック塀や自動販売機があり、地震で倒れる恐れがある
- アンダーパスや低い道を通るため、大雨のとき冠水する
- 川を渡らないと行けない
- 坂が急で、高齢の家族には負担が大きい
- 夜間は街灯がなく暗い
こうした点は、歩いてみないと分かりません。問題があれば、別の経路を第2案として決めておいてください。
できれば、夜に一度歩いてみることをおすすめします。災害は昼間に起きるとは限りません。
3日目(9月1日)備蓄を点検する
防災の日にあたる日です。ここでは買い足すのではなく、まず点検します。
ありがちな失敗が、点検せずに買い足すことです。結果として同じものが重複し、期限切れが放置されます。
手順は単純です。備蓄品をすべて床に出してください。目で見える状態にすることが要点です。
そのうえで、次を確認します。
- 非常食の賞味期限。切れているもの、半年以内に切れるものを分ける
- 飲料水の期限。1人1日3リットル×3日分が確保できているか
- 乾電池の使用推奨期限と液漏れの有無
- モバイルバッテリーが実際に充電できるか
- 携帯トイレの数。1人1日5回分で足りているか
- 常備薬や救急用品の期限
期限が近いものは、その日の夕食や翌週の食事で消費してください。これがローリングストックの実践です。
点検の具体的な進め方は防災の日にやる防災グッズ点検|期限切れが起きやすい6品目と選び方にまとめています。
足りないものはメモに残す
この日はメモを取るだけで構いません。買い物は後日でも間に合います。
その場で通販の注文まで済ませてしまうのも有効です。防災週間の時期は、関連商品のセールが行われることもあります。
4日目(9月2日)住まいの安全を確認する
備蓄が整っていても、家の中で怪我をすれば意味がありません。この日は室内を見直します。
地震のとき、負傷の原因として多いのが家具の転倒と落下物です。備蓄より優先度が高いという見方もあります。
確認する場所を挙げます。
| 場所 | 確認すること |
|---|---|
| 寝室 | 倒れてくる家具が枕元にないか。ガラスが飛んでこないか |
| 玄関までの通路 | 逃げ道をふさぐ家具が置かれていないか |
| キッチン | 食器棚に扉のストッパーがあるか。冷蔵庫が固定されているか |
| リビング | テレビが転倒しないか。本棚の上に重いものがないか |
| 窓 | 飛散防止フィルムが貼られているか |
特に寝室は最優先です。就寝中に地震が起きれば、身を守る動作が取れません。
優先順位をつけて手を打つ
すべてを一度に対策する必要はありません。この日は、最も危険な1か所だけでも手を打ってください。
突っ張り棒やL字金具は、数百円から手に入ります。効果に対して費用は小さいほうです。
5日目(9月3日)連絡手段を確認する
この日は15分で終わります。しかし、効果は大きい項目です。
災害時、家族が別々の場所にいる可能性は高いものです。学校、職場、外出先。そのとき、どうやって安否を伝え合うかを決めておきます。
確認するのは次の3つです。
- 災害用伝言ダイヤル171の使い方。実際に体験利用してみる
- 携帯電話会社の災害用伝言板の場所
- 集合場所。連絡がつかない場合にどこへ行くか
171は、毎月1日と15日などに体験利用ができます。防災週間中も体験できる期間が設けられることがあります。
一度触ってみると、思ったより手順が多いことが分かります。本番で初めて触るのでは間に合いません。
電話はつながらない前提で考える
大規模災害では、音声通話は規制されます。つながりにくくなるのは、通信設備が壊れるからだけではありません。
一方、データ通信は比較的つながりやすい傾向があります。メッセージアプリやSNSのほうが連絡が取れることも多いです。
複数の手段を用意しておいてください。ひとつに頼るのが最も危険です。
6日目(9月4日)非常持ち出し袋を見直す
3日目に点検した備蓄は、在宅避難のためのものです。この日は、持って逃げるためのものを見ます。
非常持ち出し袋でよくある失敗が、重すぎることです。あれもこれもと詰めた結果、いざというとき持てません。
目安として、成人男性で15キロ以内、女性で10キロ以内、高齢の方はさらに軽くしてください。
実際に背負ってみる
この日にやっていただきたいのは、背負って家の中を歩くことです。
重すぎないか。肩が痛くならないか。階段を降りられるか。これらは背負わないと分かりません。
重すぎたら、思い切って減らしてください。持ち出せない荷物は、ないのと同じです。
季節に合わせて入れ替える
防災週間は、夏物から秋冬物へ切り替える良いタイミングでもあります。
これから涼しくなります。夏用の冷却シートを減らし、防寒具やアルミシートを加えてください。カイロを入れておくのも有効です。
7日目(9月5日)家族で話し合ってまとめる
最終日は、6日間で分かったことを家族で共有します。
この日が最も大切だと私は考えています。備えは、家族全員が知っていて初めて機能するからです。
話し合う項目を挙げます。
- 自宅がどの災害に弱いか
- 災害の種類ごとに、どこへ逃げるか
- 備蓄がどこに置いてあるか
- 非常持ち出し袋を誰が持つか
- 連絡が取れないときの集合場所
- 今年やり残した課題は何か
時間は15分でも構いません。その場ですべてを完璧に決めきる必要はなく、話題にのぼらせておくこと自体に意味があります。一度話しておけば、次に災害の報道を見たときの受け止め方が変わります。
やり残しは来年ではなく次の点検日へ
1週間で全部は終わりません。それでいいのです。
ただし「来年の防災週間にやろう」と先送りすると、1年後になります。防災用品点検の日は3月1日、6月1日、9月1日、12月1日と年4回あります。次の点検日を目標にしてください。
住まいの形によっても進め方が変わります
戸建てと集合住宅では、確認すべき点が違います。自分の住まいに合わせて読み替えてください。
マンションにお住まいの場合
まず知っておいていただきたいのが、停電と断水が連動することです。
中高層のマンションでは、受水槽にためた水をポンプで各階へ送ります。停電するとポンプが止まり、上の階から水が出なくなります。水道が生きていても断水するのです。
エレベーターも止まります。高層階にお住まいなら、階段で上り下りする前提の備えが必要です。水を運び上げる作業は、想像以上の重労働になります。
このため、マンションでは在宅避難を前提にした備蓄を厚めにするのが現実的です。運び込む労力を考えれば、あらかじめ家に置いておくほうが確実です。
加えて、管理組合や管理会社の防災対応も確認してください。防災倉庫の有無、備蓄の内容、安否確認の方法などです。
戸建てにお住まいの場合
戸建てで重要になるのが、建物そのものの強さです。
1981年5月以前に建築確認を受けた住宅は、旧耐震基準にあたります。この場合、耐震診断を検討する価値があります。多くの自治体で診断費用の助成制度があります。
あわせて確認したいのが、外まわりです。
- ブロック塀にひび割れや傾きがないか
- 屋根瓦やアンテナが緩んでいないか
- 雨樋が落ち葉で詰まっていないか
- 物置や自転車が固定されているか
- プロパンガスのボンベが鎖で固定されているか
これらは秋の台風シーズンにも直結します。防災週間はちょうど良い点検の機会です。
賃貸にお住まいの場合
賃貸では、壁に穴を開ける家具固定がためらわれます。しかし方法はあります。
突っ張り棒式、粘着マット式、ベルト式など、原状回復を損なわない器具が数多くあります。組み合わせて使うと効果が上がります。
また、災害で建物が損傷した場合の修繕は、原則として貸主の責任です。自己判断で修理を発注する前に、管理会社へ連絡してください。
防災週間に見落とされやすいこと
ここまで一通りの流れを示しました。加えて、忘れられがちな項目を挙げておきます。
現金の備え
停電すると、キャッシュレス決済は使えません。ATMも止まります。
小額紙幣と小銭を、ある程度手元に置いておいてください。千円札を中心に数万円あると安心です。公衆電話用の十円玉も、少し用意しておくと役立ちます。
重要書類のコピー
保険証、運転免許証、健康保険証、通帳、権利証。これらのコピーや写真を用意しておいてください。
クラウドに保存しておけば、家が被災しても取り出せます。罹災証明の申請や保険金の請求で必要になります。
お薬手帳
持病のある方には必須です。避難先で薬を処方してもらう際、内容が分かるかどうかで対応が変わります。
紙の手帳を持ち出せない場合に備え、スマートフォンで撮影しておいてください。
自宅の写真
意外に思われるかもしれませんが、被災前の家の状態を撮っておくと役に立ちます。
罹災証明や保険の請求で、被害の程度を示す資料になります。各部屋と外観を撮っておくだけで構いません。
家族構成によって重点が変わります
同じ7日間でも、力を入れるべき場所は世帯によって違います。
| 世帯 | 特に力を入れたい日 | 理由 |
|---|---|---|
| 乳幼児がいる | 3日目・6日目 | 液体ミルクやおむつなど、代替の効かない備蓄がある |
| 高齢の家族がいる | 2日目・6日目 | 避難経路の負担と、荷物の重さが課題になる |
| 一人暮らし | 5日目 | 安否を知らせる相手を決めておく必要がある |
| ペットがいる | 2日目・3日目 | 同行避難できる避難所か、事前確認が要る |
| 持病がある | 3日目 | 常備薬とお薬手帳の確保が最優先になる |
| 共働き | 5日目・7日目 | 子どもの引き渡し方法を決めておく必要がある |
自分の家に当てはめて、重点を置く日を決めてください。
子どもと一緒に取り組む工夫
防災週間は、子どもに防災を伝える良い機会です。ただし、怖がらせては逆効果になります。
私がおすすめしたいのは、遊びの形にすることです。
- 非常食を実際に食べてみて、好きな味を選んでもらう
- 懐中電灯を使って、夜に部屋を移動してみる
- 避難所まで歩き、途中でクイズを出す
- 非常持ち出し袋に、自分で選んだものを1つ入れてもらう
- 家族の集合場所を、子どもに決めてもらう
自分で選んだり決めたりしたことは、記憶に残ります。押しつけると忘れます。
学校でも防災週間に訓練が行われます。その日、家で「今日どんなことをしたの」と聞くだけでも復習になります。
一人暮らしの場合
一人暮らしの方は、家族で共有する工程がありません。その分、別の準備が必要です。
最も重要なのが、安否を知らせる相手を決めておくことです。実家の家族、友人、職場の誰か。ひとりで構いません。
そのうえで、次を伝えておいてください。
- いま住んでいる住所と、最寄りの避難所
- 連絡がつかないときにどうしてほしいか
- 持病や服用している薬があるか
誰も自分の状況を知らない状態が、一人暮らしで最も危ういところです。
また、備蓄は自分の分だけで済むため、量の管理は簡単です。3日分から始めて、余裕ができたら1週間分へ増やしてください。
職場と学校での防災週間
家庭だけでなく、職場や学校でもこの期間に取り組みが行われます。
職場でできること
企業では、この時期に防災訓練を実施することが一般的です。参加するだけでなく、次の点も確認しておいてください。
- 職場に何日分の備蓄があるか
- 帰宅困難になったとき、そこにとどまれるか
- 安否確認の連絡方法が決まっているか
- 自宅までの徒歩ルートを知っているか
都市部では、災害時にむやみに移動しないことが求められています。徒歩帰宅は危険を伴うため、職場にとどまる前提の備えが必要です。
学校での取り組み
学校では、避難訓練や引き渡し訓練が行われます。引き渡し訓練は、保護者が子どもを迎えに行く手順を確認するものです。
この訓練には、できるだけ参加してください。本番で初めて手順を知るのでは、混乱します。
参加できない場合も、配布される資料には目を通しておいてください。誰が迎えに行くか、代理人は誰かを決めておく必要があります。
自治体のイベントを探す方法
防災週間中は、各地でイベントや訓練が行われます。参加すると、書籍では得られない実感が得られます。
探し方は次のとおりです。
- 市区町村のウェブサイトの防災担当課のページ
- 広報誌の8月号・9月号
- 自治体の防災アプリやメール配信
- 消防署のウェブサイト
- 地域の防災センターや起震車の体験情報
特におすすめしたいのが、起震車での揺れの体験です。震度6強や7の揺れがどのようなものかを知ると、家具固定の必要性が腹に落ちます。映像で見るのと、体で知るのとでは受け止め方が変わります。
参加費は無料のものがほとんどです。子ども向けのプログラムを用意している自治体も多く、家族で行く場所として成立します。
ただし、人気のある体験は事前予約が必要な場合があります。8月に入ったら、早めに確認しておいてください。
消火器の使い方、煙が充満した部屋からの避難、応急手当。こうした体験も各地で実施されています。
防災週間が終わったあとに大切なこと
1週間で終わりにしないでください。ここが分かれ目です。
防災週間の価値は、備えを点検する習慣のきっかけを作ることにあります。1回きりのイベントにしてしまうと、翌年まで何もしないことになります。
私がおすすめしているのは、点検日をカレンダーに登録してしまうことです。3月1日、6月1日、9月1日、12月1日。スマートフォンの繰り返し予定に入れておけば、忘れません。
年4回、それぞれ30分。合計しても年2時間です。この程度なら続きます。
季節ごとに見るべき点が変わります
| 時期 | 重点 |
|---|---|
| 3月 | 冬物の入れ替え。地震への備えを見直す |
| 6月 | 梅雨と台風に備える。浸水対策と雨具 |
| 9月 | 台風の本番期。備蓄の総点検 |
| 12月 | 防寒具、暖房、凍結対策 |
私が防災週間をどう使っているか
私は北海道の札幌に住んでいます。北海道では9月1日の時点で、すでに秋の気配があります。
この地域にとって、防災週間は夏から冬へ切り替える節目でもあります。冷却グッズをしまい、防寒具を出す。その作業をこの週に組み込んでいます。
2018年の胆振東部地震は9月6日に起きました。防災週間が終わった直後です。あの年、全道が停電するブラックアウトを経験しました。
季節の変わり目に大きな災害が起きうるということを、私はあの経験から学びました。防災週間で点検を終えた状態にしておけたかどうかは、その後の数日を大きく左右します。
備えを整えるのに、遅すぎるということはありません。しかし、早いに越したこともありません。
もうひとつ、あの経験から学んだことがあります。備えの有無より、家族が同じ情報を持っているかどうかのほうが、実際の場面では効いてくるという点です。
停電した夜、懐中電灯がどこにあるかを全員が知っていれば、探し回らずに済みます。逆に、立派な備蓄があっても置き場所を知っているのが一人だけなら、その人が不在のときには機能しません。
だから私は、防災週間の最終日を最も重視しています。7日目の家族での共有こそが、それまでの6日間を意味あるものに変えてくれます。
よくある質問
Q. 防災週間はいつからいつまでですか
A. 毎年8月30日から9月5日までの7日間です。中日にあたる9月1日が防災の日です。日付は毎年固定されており、曜日にかかわらず同じ期間で実施されます。
Q. 防災の日と防災週間は何が違いますか
A. 範囲が違います。防災の日は9月1日の1日だけを指し、防災週間はその前後を含む7日間を指します。防災週間の中に防災の日が含まれている、という関係です。
Q. 防災週間は祝日や休日になりますか
A. なりません。防災の日も防災週間も、学校や会社が休みになる日ではありません。防災意識を高めるための啓発期間という位置づけです。
Q. 7日間すべてやらないと意味がありませんか
A. そんなことはありません。1日だけでも実施する価値があります。特に優先度が高いのは、ハザードマップの確認と備蓄の点検です。時間が取れないなら、この2つだけでも行ってください。
Q. 何から始めればよいですか
A. ハザードマップの確認からです。自宅がどの災害に弱いかが分からなければ、何を優先すべきかも決まりません。市区町村のウェブサイトで20分あれば確認できます。
Q. 子どもが小さいのですが、何ができますか
A. 遊びの形にしてください。非常食を食べてみる、懐中電灯で夜の部屋を歩く、避難所まで散歩する。自分で選んだり決めたりしたことは記憶に残ります。怖がらせる内容は避けてください。
Q. 一人暮らしでもやる意味はありますか
A. あります。むしろ重要です。誰も自分の状況を知らない状態が最大のリスクだからです。安否を知らせる相手をひとり決め、住所と最寄りの避難所を伝えておいてください。
Q. 自治体のイベント情報はどこで探せますか
A. 市区町村の防災担当課のページ、広報誌の8月号と9月号、防災アプリ、消防署のウェブサイトで確認できます。起震車での揺れの体験は特におすすめです。
Q. 非常持ち出し袋はどれくらいの重さが目安ですか
A. 成人男性で15キロ以内、女性で10キロ以内が目安とされます。高齢の方はさらに軽くしてください。実際に背負って階段を降りてみて、無理があれば減らしてください。持ち出せない荷物は意味がありません。
Q. マンションと戸建てで、やることは違いますか
A. 違います。マンションでは停電でポンプが止まり断水するため、在宅避難を前提に備蓄を厚めにするのが現実的です。戸建てでは建物の耐震性と、ブロック塀や屋根など外まわりの点検が重要になります。1981年5月以前の建物なら耐震診断の検討をおすすめします。
Q. 賃貸なので家具を壁に固定できません
A. 突っ張り棒式、粘着マット式、ベルト式など、壁に穴を開けずに使える器具があります。複数を組み合わせると効果が上がります。転倒防止は費用に対する効果が大きい対策ですので、賃貸でもぜひ取り入れてください。
Q. 現金はどれくらい用意しておくべきですか
A. 停電するとキャッシュレス決済もATMも使えません。千円札を中心に数万円あると安心です。釣り銭が出ない場面もあるため、小額紙幣と小銭で持っておいてください。公衆電話用の十円玉も少し用意しておくと役立ちます。
Q. 防災週間が終わったら次はいつ点検すればよいですか
A. 防災用品点検の日である12月1日が次の目安です。3月1日、6月1日、9月1日、12月1日と年4回あります。カレンダーの繰り返し予定に登録しておくと忘れません。
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まとめ
防災週間について、要点を整理します。
- 期間は毎年8月30日から9月5日までの7日間
- 中日の9月1日が防災の日。いずれも祝日ではない
- 1週間あるのは、参加しやすさを確保するため
- 7日分をまとめてやらず、1日1テーマに分けると続く
- 初日はハザードマップ、2日目は避難経路と決めていく
- 備蓄は買い足す前に、床に出して点検する
- 家具の固定は備蓄より優先度が高い場合がある
- 非常持ち出し袋は実際に背負って重さを確かめる
- 最終日に家族で共有しないと、備えは機能しない
- 次の点検は12月1日。年4回をカレンダーに登録する
防災週間の本当の価値は、7日間で完璧な備えを作ることではありません。備えを見直す習慣のきっかけを作ることです。
今年は1日目だけで終わっても構いません。来年は3日目まで進めばいい。そうやって少しずつ積み上げていけば、数年後にはかなりの備えになっています。
大切なのは、完璧を目指さないことです。理想的な備えを思い描くほど、着手が遅れます。今年は1日分だけでも進めば、去年より前に進んでいます。
まずは今日、ハザードマップを開いてみてください。所要時間は20分ほどです。そこからすべてが始まります。


