熱中症とは?完全ガイド【2026年版】発生場所の最多は住居|症状の段階・応急処置・暑さ指数・水分補給を防災士が解説

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【この記事の要約】
2025年5月から9月に熱中症で救急搬送された方は、全国で10万510人。統計を取り始めてから最も多い数字です。そして、いちばん多く発生した場所は屋外ではありません。住居で、全体の38.1%を占めます。東京23区の調査では、屋内で亡くなった方のうち約85%がエアコンを使っていませんでした。熱中症は、炎天下の運動場で起きる事故ではなく、自分の家の中で起きる災害です。この記事では、危険を測る唯一の数字である暑さ指数、症状の三段階と119番を呼ぶ基準、応急処置の四手順、そして水だけでは足りない理由をまとめます。あわせて、熱中症に関する50本以上の記事へテーマ別に案内します。

【この記事の信頼性について】本記事は公的機関の資料・公表データをもとにした一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療を行うものではありません。持病がある方・体調に不安がある方、ペットの体調に異変がある場合は、自己判断せず医師・獣医師にご相談ください。症状が重い、または急激に悪化している場合は速やかに医療機関を受診し、緊急時は119番通報してください。

目次

結論|熱中症は、屋外ではなく家の中で起きています

先に結論を書きます。

熱中症と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは、真夏の運動場や工事現場だと思います。炎天下で汗を流している人が倒れる。そういう絵です。

しかし、数字はまったく違うことを示しています。

総務省消防庁が公表した2025年5月から9月の確定値によれば、熱中症で救急搬送された方は全国で10万510人でした。調査を始めた2008年以降で、最も多い数字です。

そのうち、発生場所として最も多かったのは「住居」で、38.1%。次が道路で19.7%、屋外の公共の場所が12.1%と続きます。

つまり、およそ5人に2人は、自分の家で熱中症になっています。

この事実を出発点にしてください。そうしないと、対策の方向がずれます。「外に出るときだけ気をつければいい」という考え方では、いちばん多い場面を素通りしてしまいます。

数字で見る熱中症

項目 数値
救急搬送された人数(2025年5〜9月) 10万510人(2008年の調査開始以降で最多)
65歳以上の高齢者 5万7,433人(全体の57.1%)
18歳以上65歳未満 全体の33.9%
発生場所の最多 住居 38.1%(道路19.7%、屋外の公共の場所12.1%)
入院が必要だった方(中等症・重症) 36.4%
亡くなった方(2024年) 5〜9月で2,098人、年間2,160人(過去最多)

この表で、私がいちばん重く受け止めているのは「入院が必要だった方が36.4%」という数字です。

熱中症は、3人に1人以上が入院する病気です。「ちょっと具合が悪いだけ」で済む話ではありません。

なぜ、家の中で起きるのか

理由は、いくつも重なっています。

一、暑さを感じにくくなるからです。年齢を重ねると、暑さやのどの渇きを感じ取る力が落ちます。本人は暑いと思っていないのに、室温は危険な水準に達している。これが、高齢の方の熱中症でくり返し起きていることです。

二、エアコンを使わないからです。東京23区の調査では、屋内で亡くなった方のうち約85%がエアコンを使っていませんでした(未設置を含みます)。令和6年度の夏に亡くなった306人のうち、8割以上が高齢の方でした。

三、我慢が美徳だと思われているからです。電気代が気になる。もったいない。昔はこれで平気だった。その感覚が、いまの夏には通用しません。気候そのものが変わっています。

四、夜も下がらないからです。熱帯夜が続くと、体は夜のあいだに熱を捨てられません。疲れが翌日に持ち越され、何日もかけて限界に近づいていきます。これを蓄積型と呼びます。

一つひとつを詳しく知りたい方は、次の記事へ進んでください。

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危険を測る数字は、気温ではありません

ここが、熱中症対策でいちばん誤解されている点です。

天気予報の気温だけを見て判断すると、危険を読み違えます。体にとっての暑さは、気温だけでは決まらないからです。

暑さ指数という物差し

使うべき数字は暑さ指数(WBGT)です。これは、気温、湿度、日射や地面からの照り返しの三つを組み合わせて計算されます。

なかでも湿度の重みが大きいのが特徴です。理由は単純で、人間が体温を下げる主な手段が汗の蒸発だからです。湿度が高いと、汗が蒸発しません。蒸発しなければ、体は冷えません。

気温が同じ30℃でも、湿度が50%の日と80%の日では、体への負担がまったく違います。「今日は気温が低いから大丈夫」と思った日ほど、危ないことがあります。

暑さ指数 区分 取るべき行動
31以上 危険 外出は原則やめる。涼しい室内へ移る
28〜31 厳重警戒 激しい運動は中止。外出時は炎天下を避ける
25〜28 警戒 運動の合間に定期的に休息を取る
21〜25 注意 激しい運動では危険がある

この数字は環境省が公表しており、地域ごとに調べられます。夏のあいだ、天気予報と同じ習慣で確認してください。

アラートが出たら、予定を変える

暑さ指数が33以上と予測されると熱中症警戒アラート、対象地域のすべての地点で35以上と予測されると熱中症特別警戒アラートが発表されます。

アラートが出た日は、予定そのものを変えてください。「気をつけて出かける」ではなく「出かけない」です。屋外の運動や作業は中止か延期を検討してください。

症状で判断する|三つの段階と、119番を呼ぶ線

ここは、覚えておいていただきたい部分です。

熱中症は重症度によって三段階に分けられます。そして、救急車を呼ぶかどうかの判断基準は、はっきりしています。

段階 あらわれる症状 対応
Ⅰ度(軽症) めまい、立ちくらみ、こむら返り、大量の汗 涼しい場所で冷やし、水分と塩分を補う。付き添う
Ⅱ度(中等症) 頭痛、吐き気、嘔吐、だるさ、力が入らない 医療機関を受診する。自力で水分が取れないなら救急要請
Ⅲ度(重症) 意識がはっきりしない、けいれん、まっすぐ歩けない、体が熱い ためらわず119番。冷やしながら待つ

迷ったときの判断は、この一つで足ります

段階を覚えるのが難しければ、これだけで構いません。

自分で水を飲めるかどうか。

飲めないなら、それはすでに医療の領域です。無理に飲ませようとしないでください。意識がはっきりしない人に飲ませると、気管に入るおそれがあります。

そして、もう一つ。呼びかけへの反応が鈍い、受け答えがかみ合わない。この様子が見えたら、体温を測る前に119番してください。判断は、あとから医療者がします。

汗をかいていないほうが危ない場合があります

覚えておいてほしい逆説があります。

汗が出なくなり、皮膚が熱く乾いている状態は、体温調節が破綻したしるしです。「汗をかいていないから大丈夫」ではありません。むしろ危険な段階です。

応急処置は、四つの手順です

誰かが倒れたとき、慌てずに済むように、順番を書いておきます。

一、涼しい場所へ移す。エアコンの効いた室内が最善です。それが無理なら、日陰で風の通る場所へ。移動そのものが最初の処置です。

二、衣服をゆるめる。ベルト、ボタン、締めつけているものを外します。熱を逃がす道を開けてください。

三、体を冷やす。ここに要点があります。首の両側、脇の下、脚のつけ根。この三か所には太い血管が通っていて、冷やした血液が全身へ回ります。氷や保冷剤があれば当ててください。なければ、濡らしたタオルと、あおぐことでも効果があります。

四、水分と塩分を補う。ただし、本人が自分で飲める場合にかぎります。少しずつ、何度かに分けて。

この四つをやりながら、症状が改善しなければ医療機関へ。改善しても、その日はもう活動を再開しないでください。いちど熱中症になった体は、同じ日にもういちどなりやすくなっています。

水を飲んでいるのに、なぜ倒れるのか

「ちゃんと水は飲んでいました」。熱中症になった方から、よく聞く言葉です。

水だけでは足りません。理由を書きます。

汗で出ていくのは、水だけではないからです

汗には塩分が含まれています。大量に汗をかいたあと、水だけを飲むと、血液中の塩分濃度がさらに下がります。

すると体は「水分が多すぎる」と判断して、尿として出そうとします。飲んだのに、脱水が進む。これが起きます。

足がつるのは、その初期のサインです。熱けいれんと呼ばれる、熱中症のⅠ度にあたる症状です。

場面で、飲むものを変える

場面 適した飲み物
日常のこまめな補給 水、麦茶
汗を大量にかいたあと スポーツドリンク、塩分を含む飲料
脱水の症状が出ている 経口補水液
運動の最中 ハイポトニック飲料(吸収が速い)
避けたいもの アルコール、大量のカフェイン(利尿作用がある)

経口補水液は、日常的に飲み続けるためのものではありません。塩分濃度が高く、治療に近い位置づけの飲み物です。元気なときに常飲するものではない、と覚えておいてください。

そして、飲み方にも要点があります。のどが渇く前に、少しずつ。のどの渇きを感じた時点で、体はすでに水分を失っています。とくに高齢の方は、この感覚が鈍くなります。時間を決めて飲むほうが確実です。

とくに気をつけたい方

同じ環境にいても、危険の度合いは人によって違います。

高齢の方

搬送された方の57.1%が65歳以上です。暑さを感じにくく、のどの渇きも感じにくい。そのうえ体内の水分量そのものが少なくなっています。

ご家族が離れて暮らしている場合、室温を数字で確認できるようにしておくことが効きます。温度計を見える場所に置く。電話で「部屋は何度?」と聞く。「暑くない?」ではなく、数字を聞いてください。

お子さん

体温調節の仕組みが未発達です。そして背が低いぶん、地面からの照り返しを強く受けます。大人が感じている暑さより、数℃高い世界にいると考えてください。

ベビーカーの中は、さらに地面に近くなります。自分から「暑い」と言えない年齢では、大人が先に気づくしかありません。

屋外で働く方

2025年6月から、職場の熱中症対策が法令で義務づけられました。体制の整備や、異常があったときの報告の仕組みが求められています。

災害と熱中症は、同時に来ます

ここからが、防災を扱うこのサイトとして、いちばんお伝えしたい部分です。

熱中症の対策は、電気が来ていることを前提にしています。エアコンをつける。扇風機を回す。冷蔵庫で保冷剤を作る。すべて電気です。

その前提が崩れるのが、災害です。

夏の停電は、着込んでもしのげません

冬の停電なら、重ね着と寝袋でしのげます。夏の停電には、その手がありません。ここが決定的に違います。

できることは限られています。日射を止める。二か所の窓を開けて風の道をつくる。濡らしたタオルを首と脇の下に当てる。そして、涼しい場所へ移動することをためらわないでください。

発電機を、室内で使わないでください

暑さから逃げようとして、別の危険に入り込むことがあります。

2026年8月、千葉県の豪雨で停電した住宅の室内で発電機を使った30代の男性が、一酸化炭素中毒で亡くなりました。雨をやり過ごしたあとの、停電した部屋での出来事です。

一酸化炭素は無色で無臭です。そして「窓を開ければ大丈夫」は成り立ちません。詳しくは災害時の一酸化炭素中毒|換気では防げない理由にまとめました。

片づけの現場が、いちばん危ない

水害のあと、泥のかき出しが始まります。真夏なら、これは炎天下の重労働です。

しかも装備が問題を大きくします。感染を防ぐために、長靴、厚手の手袋、マスク、長袖が必要です。身を守るための装備が、そのまま熱をこもらせます。

そのうえ断水していれば、水分補給そのものを控えがちになります。トイレに行きにくいから飲まない。これが被災地で起きることです。

片づけは、明日もできます。その日の作業を切り上げる判断を、どうか持っていてください。

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備えておくもの

最後に、道具の話をします。

ただ、順番を間違えないでください。グッズは、エアコンの代わりにはなりません。あくまで補助です。そのうえで、役に立つものを挙げます。

温度計と湿度計これが最優先だと私は考えています。感覚は当てになりません。数字が見えるだけで、行動が変わります。

経口補水液。常温で保存でき、期限も長い。防災の備蓄としても使えます。

保冷剤とタオル。首と脇の下を冷やすためのものです。

日傘と帽子。直射日光を遮るだけで、体感はかなり変わります。日傘は男性にも有効です。

明るい色の服。色によって表面温度は大きく変わります。黒い服は熱を吸収します。

いつ危ないのか|時期と時間帯

危険は、夏のあいだ一様にあるわけではありません。偏りがあります。

体が暑さに慣れる前が、危ない

意外に思われるかもしれませんが、いちばん暑い日が、いちばん危ないとはかぎりません。

人の体は、暑さにさらされ続けると少しずつ順応します。汗をかき始めるのが早くなり、汗に含まれる塩分が減って、効率よく体温を下げられるようになります。この変化には、おおむね数日から2週間ほどかかると言われます。

問題は、その順応ができていない時期に、急に暑くなる日です。

梅雨明け直後。連休明け。曇りや雨が続いたあと、いきなり気温が上がった日。気温そのものは真夏日程度でも、搬送される方が増えます。体がまだ夏用になっていないからです。

だから、「まだ7月だから」「今日は35℃もないから」という理由で油断しないでください。前の日との差のほうが、体にはこたえます。

時間帯の偏り

日中では、気温が最も高くなる午後2時前後に危険が集中します。屋外の作業や運動は、この時間帯を外すだけで負担が変わります。

そして、見落とされやすいのが夜間です。

熱帯夜が続くと、体は夜のあいだに熱を捨てられません。睡眠中は自分で水分を取れず、汗だけが出ていきます。朝、起きた時点ですでに脱水に近い状態になっていることがあります。

対策は単純です。寝る前に一杯、起きてすぐに一杯。そして、夜もエアコンを切らないでください。タイマーで切れる設定にしていると、明け方に室温が上がります。

屋内の熱は、遅れてやってきます

建物は日中に熱をため込み、それを夜にかけて放出します。外の気温が下がっても、部屋の壁や天井はまだ熱を持っています。

「夕方になって涼しくなったから窓を開けよう」としても、部屋が冷えないのはこのためです。最上階や西向きの部屋にお住まいの方は、とくに影響を受けます。

同じ暑さでも、危険が高まる条件があります

環境が同じでも、その日の体の状態によって危険度は変わります。心当たりがある日は、いつもより早めに休んでください。

条件 なぜ危険が高まるのか
睡眠不足 体温を調節する働きが落ちる。判断力も鈍る
前日の飲酒 利尿作用で水分が失われた状態から一日が始まる
下痢や嘔吐のあと すでに水分と塩分を大量に失っている
発熱、風邪 体温が高い状態から始まり、余力がない
朝食を抜いた 水分も塩分も糖分も補給されていない
持病がある 心臓、腎臓、糖尿病などは体温や水分の調節に影響する
服用中の薬がある 利尿薬や一部の血圧の薬などは、水分の保持や心拍の反応に影響することがある

薬については、自己判断で飲むのをやめないでください。「夏はどう気をつければよいか」を、処方した医師や薬剤師に聞いてください。それが正しい確認のしかたです。

そして、もうひとつ。いちど熱中症になった方は、その後しばらく再発しやすくなります。去年なった、先週なった。それは、今年も今週も気をつけるべき理由になります。

やってはいけない対処

よかれと思ってやったことが、逆に働くことがあります。代表的なものを挙げます。

扇風機だけで乗り切ろうとする

風を当てれば涼しい。これは、気温が体温より低いあいだだけ成り立ちます。

室温が体温を超えるような環境では、扇風機は熱風を当てているのと変わりません。汗の蒸発を助ける効果は残りますが、湿度が高ければそれも働きません。

扇風機は、エアコンと組み合わせて空気を回すために使ってください。単独で猛暑をしのぐ道具ではありません。

意識がはっきりしない人に、水を飲ませる

助けたい気持ちは分かります。しかし、反応が鈍い人に水を飲ませると、気管に入るおそれがあります。

飲めないなら、それは飲ませる段階ではなく、救急要請の段階です。冷やしながら、救急車を待ってください。

「少し休めば治る」と考える

Ⅰ度であれば、涼しい場所で休んで回復することもあります。ただし、そのあいだ一人にしないでください。

熱中症は、短時間で段階が進みます。休んでいるうちに悪化し、誰も気づかなかったという事態が起こり得ます。付き添うことも処置のうちです。

のどが渇いてから飲む

のどの渇きは、すでに水分が足りていないという信号です。それを合図にしていると、常に後追いになります。

とくに高齢の方は、この感覚が鈍くなります。時間を決めて飲むほうが確実です。

電気代を理由にエアコンを止める

最後に、これをお伝えしたいと思います。

屋内で亡くなった方の約85%が、エアコンを使っていませんでした。この数字の背景には、経済的な事情もあります。軽々しく「使えばいい」とは言えません。

そのうえで、書いておきます。熱中症で入院すれば、電気代よりはるかに大きな負担になります。自治体によっては、暑さをしのぐために開放している公共施設があります。図書館、公民館、商業施設。涼しい場所へ移動することも、立派な対策です。

そして、離れて暮らすご家族がいるなら。「エアコンをつけて」と言うより、電話で室温の数字を聞くほうが届きます。

そろえるもの|数値で選ぶ

道具は、エアコンの代わりにはなりません。あくまで補助です。そのうえで、役に立つものを基準とともに挙げます。

もの 選ぶ基準 詳しく
温度計・湿度計 これが最優先だと考えています。感覚は当てになりません。見える場所に置き、離れて暮らす家族の部屋にも一つ
経口補水液 常温で保存でき、期限も長い。防災の備蓄としても使えます。元気なときに常飲するものではない点に注意 経口補水液とは飲料の徹底比較
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よくある質問

熱中症は、屋外で気をつければよいのですか

いいえ。搬送された方の発生場所として最も多いのは住居で、38.1%です。道路は19.7%、屋外の公共の場所は12.1%。屋内のほうが多いという前提で対策を組んでください。

エアコンは何度に設定すればよいですか

よく言われる28℃は、エアコンの設定温度ではなく、室内温度の目安として示された数字です。設定温度を28℃にしても、部屋の断熱や日当たりによっては室温が下がりきりません。温度計で実際の室温を見て、下がっていなければ設定を下げてください。詳しくはエアコン設定温度の記事に書きました。

水とスポーツドリンク、どちらを飲むべきですか

場面によります。日常のこまめな補給なら水や麦茶で十分です。大量に汗をかいたあとは、塩分を含む飲料のほうが適しています。脱水の症状が出ているなら経口補水液です。

足がつるのは熱中症ですか

熱けいれんという、熱中症のⅠ度にあたる症状の可能性があります。塩分が不足しているサインです。水だけを飲んでいると起きやすくなります。

汗をかいていないので大丈夫ですよね

逆です。皮膚が熱く乾いている状態は、体温調節が働かなくなったしるしで、危険な段階です。ただちに冷やし、救急要請を検討してください。

救急車を呼ぶ基準はありますか

ひとつだけ覚えるなら、「自分で水を飲めるかどうか」です。飲めない、あるいは呼びかけへの反応が鈍いなら、119番してください。

いちど回復したら、活動を再開してよいですか

その日は、やめてください。いちど熱中症になった体は、同じ日にもういちど起こしやすくなっています。

高齢の親が離れて暮らしています。何ができますか

室温を数字で確認できるようにしてください。温度計を見える場所に置き、電話では「暑くない?」ではなく「部屋は何度?」と聞いてください。感覚は当てになりません。

停電したら、どうすればよいですか

日射を止め、風の道をつくり、濡らしたタオルで首と脇の下を冷やしてください。そして涼しい場所へ移動することをためらわないでください。なお、発電機を室内で使ってはいけません。一酸化炭素中毒で亡くなる例が起きています。

ペットも熱中症になりますか

なります。犬や猫は人間と体温調節の仕組みが違い、症状の出方も応急処置も異なります。それぞれの記事にまとめました。

職場に熱中症の対策義務はありますか

2025年6月から、労働安全衛生規則の改正により職場の熱中症対策が義務づけられています。義務化の内容熱中症予防管理者の記事をご覧ください。

まとめ

長くなりましたので、要点を整理します。

熱中症は、家の中で起きています。搬送された方の38.1%が住居です。屋内で亡くなった方の約85%は、エアコンを使っていませんでした。

気温ではなく、暑さ指数で判断してください。湿度が高い日は、気温が低くても危険です。31以上は、外出をやめる水準です。

救急車を呼ぶ線は、自分で水を飲めるかどうかです。飲めないなら、迷わず119番してください。

冷やす場所は、首の両側、脇の下、脚のつけ根。太い血管が通っている三か所です。

水だけでは足りません。汗で失うのは水と塩分の両方です。場面に応じて飲むものを変えてください。

そして、災害と熱中症は同時に来ます。停電すれば、対策の前提そのものが崩れます。夏の停電は、着込むことでは解決しません。

2025年に搬送された10万510人は、過去最多の数字でした。この夏も、来年の夏も、条件は厳しくなる方向にあります。

それでも、熱中症は防げます。温度計を置く。数字を見る。我慢しない。この三つだけで、多くが避けられます。

気になる項目があれば、上の記事へ進んでください。どうか、無事に夏を越えてください。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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