【この記事の要約】
防災用品点検の日は、3月1日・6月1日・9月1日・12月1日の年4回です。1年に一度ではなく4回に分けているところに意味があります。備蓄品の期限は少しずつやってくるため、まとめて確認しようとすると必ず取りこぼしが出るからです。そして季節ごとに点検すべき中身が変わります。3月は冬物の入れ替えと地震への備え、6月は梅雨と台風の準備、9月は台風本番期の総点検、12月は防寒と凍結対策です。1回あたり30分、年間で2時間ほど。この程度なら続けられます。この記事では、4回それぞれで何を見るべきかを具体的に示し、点検を習慣にするための工夫までまとめました。
結論:年4回に分けるから続く
先に結論をお伝えします。防災用品の点検は、年1回より年4回のほうが確実です。
理由は2つあります。
一つ目は、期限の管理です。非常食、飲料水、電池、常備薬。これらの期限はばらばらにやってきます。年1回の点検では、その間に切れたものを何か月も放置することになります。
二つ目は、季節への対応です。夏に必要な備えと、冬に必要な備えは違います。年4回であれば、季節の変わり目ごとに中身を入れ替えられます。
そして何より、1回あたりの負担が大きく軽くなります。これが続けられるかどうかを決めます。年1回で全部やろうとすると大仕事になり、結局やらないまま終わります。30分ずつ4回のほうが、はるかに現実的です。
防災用品点検の日とは
防災用品点検の日は、3月1日、6月1日、9月1日、12月1日の年4回です。
この日付を見て、規則性に気づいた方もいるでしょう。3か月ごと、季節の変わり目に設定されています。
| 日付 | 季節 | この時期の主な災害リスク |
|---|---|---|
| 3月1日 | 冬から春へ | 地震、雪解けによる融雪災害、春の強風 |
| 6月1日 | 梅雨入り前 | 大雨、洪水、土砂災害 |
| 9月1日 | 台風の本番期 | 台風、高潮、秋雨前線による大雨 |
| 12月1日 | 冬本番の前 | 大雪、暴風雪、水道管の凍結、火災 |
9月1日は防災の日と重なっています。防災の日の由来や意味については防災の日は9月1日|祝日ではない理由と関東大震災に由来する背景を解説で扱っています。
4回に分ける狙い
この制度で私が優れていると思うのは、点検を季節と結びつけた点です。
備蓄というと、非常食と水を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし実際に必要なものは、季節によって変わります。
真夏の停電で必要なのは、冷却と熱中症対策です。真冬の停電で必要なのは、防寒と暖房の代替手段です。同じ「停電への備え」でも、中身がまったく違います。
季節の変わり目に点検日を置くことで、この入れ替えが自然に組み込まれます。
3月1日の点検:冬から春への切り替え
3月の点検では、冬物の整理と、地震への備えの2つを中心に見ていきます。
入れ替えるもの
- 使い捨てカイロ。残りを確認し、翌シーズン分として保管するか消費する
- 厚手の防寒具。持ち出し袋から出し、薄手のものへ入れ替える
- 凍結防止用の保温材。屋外の配管から外すかどうかを判断する
- スノーブラシやスコップ。車から降ろす前に、次の冬まで保管する場所を決める
この時期に確認したいこと
3月は、東日本大震災が起きた月です。地震への備えを見直す時期として定着しています。
- 家具の固定金具が緩んでいないか
- 寝室に倒れてくるものがないか
- ガラス飛散防止フィルムが剥がれていないか
- 枕元に靴とライトがあるか
- 感震ブレーカーが設置されているか
加えて、雪の多い地域では融雪による災害にも注意が必要です。急な気温上昇で雪解け水が増え、河川が増水することがあります。
6月1日の点検:梅雨と台風に備える
6月の点検は、水害への備えが中心になります。
確認する項目
- ハザードマップの浸水想定を再確認する
- 雨樋や側溝に落ち葉が詰まっていないか
- 土のうや止水板の準備があるか
- 長靴とレインウェアが使える状態か
- 停電に備えた明かりと電源の充電状態
- 貴重品や思い出の品を高い場所へ移せるか
特に重要なのが、雨樋と側溝です。詰まっていると、大雨のときに水があふれ、思わぬ場所が浸水します。晴れている6月上旬にしかできない作業です。
浸水想定区域なら追加で
自宅が浸水想定区域にある場合は、次も確認してください。
- 避難のタイミングを家族で決めているか
- 車をどこへ移動させるか決めているか
- 2階へ運び上げるものの優先順位
- 火災保険の水災補償に入っているか
水災補償は、契約内容によって対象外になっている場合があります。梅雨入り前に証券を確認しておいてください。
9月1日の点検:台風本番期の総点検
9月の点検が、年4回のうち最も重要だと私は考えています。防災の日であり、防災週間の中日でもあるためです。
この日は、年に一度の備蓄の総点検を行うつもりで臨んでください。
備蓄をすべて出して確認する
収納から全部出してしまうのが基本です。目で見える状態にしないと、奥にあるものを見落とします。
| 品目 | 確認すること |
|---|---|
| 非常食 | 賞味期限。半年以内に切れるものは日常で消費する |
| 飲料水 | 1人1日3リットル×3日分あるか。期限は切れていないか |
| 乾電池 | 使用推奨期限と液漏れの有無。サイズ別の本数 |
| モバイルバッテリー | 実際に充電できるか。膨らんでいないか |
| 携帯トイレ | 1人1日5回分で足りているか。凝固剤の期限 |
| 常備薬・救急用品 | 使用期限。消毒液は開封後の期限に注意 |
| カセットボンベ | 製造から7年以内か。錆びていないか |
具体的な点検の進め方は防災の日にやる防災グッズ点検|期限切れが起きやすい6品目と選び方にまとめています。
台風への備えも同時に
9月は台風の最盛期です。備蓄の点検とあわせて、次も確認してください。
- 飛ばされそうな物が屋外にないか
- 雨戸やシャッターが動くか
- 養生テープや飛散防止フィルムの在庫
- 停電に備えた保冷剤の準備
12月1日の点検:冬本番に備える
12月の点検は、寒さへの対策が中心です。
防寒への切り替え
- 持ち出し袋に防寒具、アルミシート、カイロを追加する
- 寝袋や毛布がすぐ出せる場所にあるか
- カセットボンベの本数を増やす。寒冷地用も検討する
- 灯油の在庫と、ストーブの動作確認
- 暖房が止まったときの代替手段があるか
ここで注意していただきたいのが、カセットボンベです。気温が下がるとガスが気化しにくくなり、火力が落ちます。標準的な製品は5度を下回ると弱くなります。
冬季の備蓄には、イソブタンを配合した寒冷地用のボンベを一定量そろえておくと安心です。
凍結と火災への備え
冬に特有のリスクも確認します。
- 屋外の水道管に保温材が巻かれているか
- 水抜き栓の場所と操作方法を家族が知っているか
- 給湯器の電源が入っているか(凍結防止機能のため)
- 暖房器具の周りに燃えやすい物がないか
- 住宅用火災警報器が作動するか
火災警報器は、設置から10年が交換の目安とされています。ボタンを押すか、ひもを引いて音が鳴るか確認してください。電池切れの場合は警告音が鳴ることもありますが、完全に切れると無反応になります。
冬は暖房器具の使用が増え、火災の発生が最も多い季節です。警報器が動かない状態で冬を迎えることは避けてください。
4回の点検を一覧で整理する
年間の流れをまとめます。この表を保存して、点検日に見返してください。
| 点検日 | 重点テーマ | 入れ替えるもの | 確認する設備 |
|---|---|---|---|
| 3月1日 | 地震への備え | 冬物から薄手へ | 家具固定、感震ブレーカー |
| 6月1日 | 大雨・洪水 | 雨具、長靴 | 雨樋、側溝、止水板 |
| 9月1日 | 備蓄の総点検 | 期限切れの入れ替え | 雨戸、屋外の飛散物 |
| 12月1日 | 寒さと凍結 | 防寒具、カイロ | 水道管の保温、火災警報器 |
4回すべてに共通する項目もあります。次の3つは毎回確認してください。
- 非常食と飲料水の期限
- 明かり(懐中電灯、ランタン)が点灯するか
- モバイルバッテリーの充電状態
住まいの形によって点検箇所が変わります
同じ点検日でも、住まいによって見るべき場所が違います。自分の住環境に当てはめてください。
マンションの場合
まず知っておいていただきたいのが、停電と断水が連動することです。受水槽の水をポンプで各階へ送る方式では、停電するとポンプが止まり、上の階から水が出なくなります。
このため、マンションでは水の備蓄をやや厚めに持つのが現実的です。給水所から水を運び上げる作業は、階段では困難だからです。
点検日には次も確認してください。
- ベランダの避難ハッチの上に物を置いていないか
- 隔て板の前に荷物を積んでいないか
- 玄関ドアが変形したときに備えたバールがあるか
- 管理組合の防災倉庫に何が入っているか
避難ハッチと隔て板は、いざというときの避難経路です。物置代わりに使ってしまうと、逃げられなくなります。
戸建ての場合
戸建てでは、建物の外まわりが点検の対象に加わります。
- ブロック塀にひび割れや傾きがないか
- 屋根瓦やアンテナが緩んでいないか
- 雨樋の詰まりや外れがないか
- 物置や自転車が固定されているか
- プロパンガスのボンベが鎖で固定されているか
- 浄化槽やタンクの周囲に異常がないか
ブロック塀は特に注意してください。過去の地震では、倒壊した塀の下敷きになる事故が繰り返し起きています。傾きやひび割れがあるなら、専門業者に相談してください。
賃貸の場合
賃貸では、設備に手を加えられる範囲が限られます。その分、置き方の工夫が中心になります。
突っ張り棒式や粘着マット式の転倒防止器具は、原状回復を損なわずに使えます。年に一度は緩みがないか確認してください。
加えて、契約している火災保険の内容も点検の対象です。家財の補償額が実態に合っているか、水災が対象に含まれているかを見ておいてください。
点検日ごとの所要時間の目安
実際にどれくらいかかるのか、内訳を示します。
| 作業 | 目安の時間 |
|---|---|
| 備蓄を収納から出す | 5分 |
| 期限を確認して仕分ける | 10分 |
| 明かりと電源の動作確認 | 5分 |
| 持ち出し袋の季節入れ替え | 5分 |
| 屋外・設備の確認 | 5分 |
| 記録とメモ | 5分 |
合計で35分ほどです。9月の総点検はもう少しかかりますが、それ以外は20分程度で終わることも多いでしょう。
この時間なら、休日の朝に組み込めます。長期休暇を待つ必要はありません。
点検を習慣にする工夫
制度があっても、実行しなければ意味がありません。続けるための方法を挙げます。
カレンダーに繰り返し予定として登録する
これが最も確実です。スマートフォンのカレンダーに、年4回の繰り返し予定として入れてください。
通知は前日に設定しておくと、心の準備ができます。当日の朝に通知が来ても、予定が埋まっていて動けません。
記録を残す
点検した日と、確認した内容をメモしておいてください。ノートでもスマートフォンでも構いません。
記録があると、前回何を確認したかが分かります。そして、期限が近いものを次回の課題として引き継げます。
私は、備蓄の一覧表を作り、期限の欄を設けています。点検のたびに更新すれば、次に切れるものが一目で分かります。
家族で分担する
一人で全部やろうとすると負担になります。分担してください。
非常食の期限は子どもに数えてもらう。屋外の確認は大人が行う。こうして分ければ、30分もかかりません。
子どもが関わることで、備蓄がどこにあるかを覚えてもらえる利点もあります。
完璧を目指さない
全部を毎回確認しようとすると続きません。時間がないときは、非常食の期限だけでも構いません。
点検を「やらなければならない義務」にすると、負担になって遠ざかります。「今回はここだけ見た」で十分です。
家族構成によって点検の重点が変わります
備蓄の中身は、誰と暮らしているかで変わります。点検の際、この視点を忘れないでください。
| 世帯 | 点検で特に見るもの |
|---|---|
| 乳幼児がいる | 液体ミルク、おむつのサイズ、離乳食の月齢表示 |
| 高齢の家族がいる | 常備薬の残量、お薬手帳、入れ歯の洗浄用品、大人用おむつ |
| 持病がある | 処方薬の日数、医療機器の予備電源 |
| ペットがいる | フードの期限、猫砂の予備、キャリーケースの状態 |
| 一人暮らし | 安否を知らせる相手の連絡先が最新か |
子どもの成長に合わせた見直し
乳幼児がいるご家庭で最も見落とされやすいのが、サイズと月齢です。
おむつは半年でサイズが変わります。離乳食も月齢に応じて内容が変わります。前回の点検時に用意したものが、すでに合わなくなっていることは珍しくありません。
年4回の点検は、この変化に追いつくためにも役立ちます。半年に一度では、成長に間に合わないことがあります。
薬の備えには限界がある
処方薬は、まとめて何か月分も受け取ることができません。数日分の余裕を持つのが現実的な範囲です。
そのため、お薬手帳のコピーやスマートフォンでの撮影が重要になります。避難先で処方を受ける際、内容が分かれば対応が早くなります。
点検日には、この写真が最新かどうかを確認してください。処方が変わっていれば撮り直します。
点検と一緒にやると効率がよいこと
せっかく備蓄を出すのですから、あわせて済ませておくと効率的な作業があります。
保管場所の見直し
備蓄は1か所にまとめないほうが安全です。その部屋が使えなくなったとき、すべてを失うためです。
分散の目安を示します。
- 自宅の複数の部屋に分けて置く
- 2階と1階の両方に置く(浸水と倒壊の両方に備える)
- 車のトランクにも一部を置く
- 職場のロッカーにも最低限を置く
ただし車内は夏に高温になります。保存水や一部の非常食は品質が落ちるため、車載向けの製品を選んでください。
家族への情報共有
点検が終わったら、どこに何があるかを家族に伝えてください。これを省くと、備蓄を知っているのが一人だけという状態になります。
その人が不在のときに災害が起きれば、備蓄はないのと同じです。点検の最後に5分だけ、共有の時間を取ってください。
ハザードマップの再確認
ハザードマップは更新されます。河川の改修や新しい浸水想定の公表によって、自宅の位置づけが変わることがあります。
年4回すべてで見る必要はありませんが、6月の点検時に一度確認する習慣をつけると安心です。
点検で見つかりやすい問題
実際に点検すると、よく見つかる問題があります。あらかじめ知っておくと、対処が早くなります。
期限切れの非常食
最も多いのがこれです。買ったときは5年先だったものが、いつの間にか切れています。
賞味期限は「おいしく食べられる期限」であり、少し過ぎたからといって直ちに食べられなくなるわけではありません。ただし品質は落ちます。
切れる前に食べて買い足す。これを繰り返すのがローリングストックです。点検日は、その入れ替えのタイミングになります。
電池の液漏れ
長期間入れっぱなしにした乾電池は、液漏れを起こすことがあります。機器の端子が腐食し、使えなくなります。
懐中電灯やラジオは、電池を抜いた状態で保管し、使うときに入れる方式にすると安全です。
モバイルバッテリーの劣化
リチウムイオン電池は、満充電のまま放置すると劣化が進みます。逆に、空のまま長期間置いても劣化します。
保管時は残量50から60パーセント程度が良いとされています。点検のたびに調整してください。
膨らんでいるものは危険です。使用をやめ、自治体のルールに従って処分してください。
持ち出し袋の中身が季節に合っていない
夏に詰めたまま冬を迎えている、というケースがよくあります。真冬にアルミシートがなければ、命に関わります。
季節ごとの点検日は、まさにこの入れ替えのために設けられています。
期限が切れたものをどうするか
点検で必ず出てくるのが、期限切れや期限間近の品です。どう扱うかを整理します。
非常食は食べて減らす
期限が半年以内に迫ったものは、日常の食事に回してください。これがローリングストックの実践です。
アルファ米は炊飯の代わりに、レトルトは忙しい日の一品に、缶詰はそのまま。特別なことをする必要はありません。
ここで大切なのは、食べた分をその週のうちに買い足すことです。「あとで買おう」と思うと、備蓄が減ったまま数か月が過ぎます。
期限が切れてしまった場合
賞味期限は、おいしく食べられる期限です。少し過ぎたからといって、直ちに食べられなくなるわけではありません。
ただし、消費期限は意味が異なります。こちらは安全に食べられる期限で、過ぎたものは避けてください。
| 表示 | 意味 | 過ぎた場合の扱い |
|---|---|---|
| 賞味期限 | おいしく食べられる期限 | 状態を見て判断。膨張や異臭があれば廃棄 |
| 消費期限 | 安全に食べられる期限 | 過ぎたものは食べない |
缶詰が膨らんでいる、袋が膨張している、開けたときに異臭がする。これらは明確な廃棄のサインです。もったいないと思っても、食べないでください。
水の期限も同じ考え方
長期保存水の期限は、中身が腐る期限ではありません。容器から水分が蒸発し、表示された量を下回るまでの期間を示しています。
ただし、保管環境によって品質は変わります。直射日光の当たる場所や、においの強い物の近くは避けてください。ペットボトルはにおいを吸収します。
寄付という選択肢
期限が近い非常食は、フードバンクや子ども食堂で受け入れられることがあります。自治体が回収する取り組みもあります。
ただし、受け入れ条件は団体によって異なります。期限までの残り日数に基準があることが多いため、事前に確認してください。
点検日に買い足すべきか
点検で不足が見つかったとき、その場で買うべきか迷う方もいるでしょう。
私の考えは、メモに残して後日でよい、というものです。理由は3つあります。
一つ目は、慌てて買うと重複するからです。何があるか把握してから買うほうが無駄がありません。
二つ目は、比較する時間が必要だからです。同じ用途の製品でも、性能や価格に差があります。
三つ目は、価格の変動です。防災用品はセールの対象になることがあります。急ぎでなければ、待つ選択肢もあります。
ただし、命に直結するものは別です。明かりや水が不足しているなら、その日のうちに手当てしてください。
私が点検で意識していること
私は北海道の札幌に住んでいます。北海道では、季節による備えの差が本州より大きくなります。
12月の点検が、私にとっては最も重い作業です。防寒具、暖房の代替、水道管の凍結対策。確認すべき項目が多いためです。
2018年の胆振東部地震は9月に起きました。全道が停電するブラックアウトを経験しています。あれが真冬だったらと考えると、いまでも背筋が寒くなります。
暖房が止まった真冬の北海道で、数日間を過ごせるか。この問いを持って12月の点検に臨むようにしています。
点検は「不安を減らす作業」
点検というと、面倒な義務のように感じるかもしれません。しかし私は、逆の効果があると考えています。
何がどれだけあるか把握できていれば、災害の報道を見ても落ち着いていられます。逆に、把握できていないと漠然とした不安が続きます。
年に4回、30分ずつ。この投資で、残りの364日を落ち着いて過ごせるなら、悪くない取引だと思っています。
もうひとつ、点検を続けていて気づいたことがあります。回を重ねるほど、時間が短くなるという点です。
初回はどこに何があるか分からず、収納をひっくり返すことになります。しかし記録を残しておけば、2回目からは確認作業だけで済みます。
最初の1回だけは腰が重いかもしれません。そこを越えれば、あとは楽になります。
点検日は防災を思い出す装置
災害の記憶は、時間とともに薄れます。これは人として自然なことで、責められるものではありません。
だからこそ、思い出す仕組みが要ります。年4回の点検日は、その装置として機能します。
備蓄を手に取れば、なぜこれを買ったのかを思い出します。家族と話せば、どこへ逃げるかを再確認できます。点検の本当の効果は、この「思い出す」ところにあるのかもしれません。
よくある質問
Q. 防災用品点検の日はいつですか
A. 3月1日、6月1日、9月1日、12月1日の年4回です。3か月ごと、季節の変わり目に設定されています。9月1日は防災の日と重なります。
Q. なぜ年4回もあるのですか
A. 理由は2つあります。備蓄品の期限がばらばらにやってくるため、年1回では取りこぼしが出ること。そして季節によって必要な備えが変わるため、変わり目ごとに入れ替える必要があることです。
Q. 1回の点検にどれくらい時間がかかりますか
A. 30分ほどが目安です。年間で2時間程度になります。全部を毎回やろうとせず、季節ごとの重点に絞れば、この時間で収まります。
Q. 4回のうちどれが最も重要ですか
A. 9月1日です。防災の日と重なり、台風の本番期でもあります。この日は備蓄をすべて収納から出して、期限を総点検してください。ほかの3回は、季節の入れ替えが中心になります。
Q. 忘れずに実施するにはどうすればよいですか
A. スマートフォンのカレンダーに繰り返し予定として登録してください。通知は前日に設定すると、心の準備ができます。当日の朝の通知では、予定が埋まっていて動けないことが多いです。
Q. 賞味期限が切れた非常食は捨てるべきですか
A. 賞味期限はおいしく食べられる期限であり、直ちに食べられなくなるわけではありません。ただし品質は落ちます。切れる前に食べて買い足すローリングストックに切り替えると、無駄が出ません。
Q. モバイルバッテリーはどう保管すべきですか
A. 残量50から60パーセント程度が良いとされています。満充電のまま放置しても、空のまま置いても劣化が進みます。点検のたびに残量を調整してください。膨らんでいるものは使用をやめてください。
Q. 点検で足りないものが見つかったら、すぐ買うべきですか
A. 明かりや水など命に直結するものは、その日のうちに手当てしてください。それ以外はメモに残し、後日でも構いません。慌てて買うと重複しますし、比較する時間もあったほうが良い買い物ができます。
Q. 冬の点検で特に注意することは何ですか
A. カセットボンベです。気温が下がるとガスが気化しにくくなり、5度を下回ると火力が落ちます。冬季はイソブタンを配合した寒冷地用を一定量そろえておいてください。あわせて水道管の凍結対策も確認します。
Q. 賞味期限と消費期限は何が違いますか
A. 賞味期限はおいしく食べられる期限、消費期限は安全に食べられる期限です。賞味期限を少し過ぎたものは状態を見て判断できますが、消費期限を過ぎたものは食べないでください。缶が膨らんでいる、異臭がする場合は期限内でも廃棄してください。
Q. 期限が近い非常食を寄付できますか
A. フードバンクや子ども食堂で受け入れられることがあります。自治体が回収する取り組みもあります。ただし期限までの残り日数に基準があることが多いため、事前に条件を確認してください。
Q. 備蓄は1か所にまとめるべきですか
A. 分散をおすすめします。1か所にまとめると、その部屋が使えなくなったときにすべてを失います。自宅の複数の部屋、1階と2階、車のトランク、職場のロッカーなどに分けてください。ただし車内は夏に高温になるため、車載向けの製品を選んでください。
Q. マンションで特に点検すべき場所はありますか
A. ベランダの避難ハッチと隔て板です。上や前に物を置いていると、いざというときに避難経路として使えません。物置代わりにしてしまいがちな場所ですので、点検日に必ず確認してください。
Q. 一人暮らしでも年4回やる必要がありますか
A. 備蓄の量が少ない分、1回あたりの時間は短くて済みます。10分程度で終わることも多いでしょう。むしろ一人暮らしは誰も気づいてくれないため、自分で点検する習慣の価値が高いと考えています。
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まとめ
防災用品点検の日について、要点を整理します。
- 3月1日、6月1日、9月1日、12月1日の年4回
- 年1回より4回のほうが、期限の取りこぼしが減る
- 季節ごとに点検すべき中身が変わる
- 3月は冬物の入れ替えと地震への備え
- 6月は雨樋や側溝の詰まり、水害への準備
- 9月は備蓄の総点検。4回のうち最も重要
- 12月は防寒具、寒冷地用ボンベ、水道管の凍結対策
- 毎回共通で見るのは、食料と水の期限、明かり、充電
- カレンダーに繰り返し予定として登録すると忘れない
- 1回30分、年間2時間。完璧を目指さないほうが続く
防災の準備というと、大がかりなものを想像しがちです。しかし実際に必要なのは、少しずつ確認し続けることです。
年4回という頻度は、そのためによく考えられた設計だと私は思っています。次の点検日を、いまカレンダーに入れてみてください。
登録の作業は1分もかかりません。そして一度入れてしまえば、来年も再来年も自動的に通知が届きます。意志の力に頼らず、仕組みで続ける。これが最も確実な方法だと考えています。
次に来る点検日は12月1日です。冬本番を前に、防寒と凍結対策を見直すタイミングになります。
それだけで、備えは動き始めます。

