台風15号(チャンホン)の進路|11日夕方から夜に関東へ上陸予想、茨城が最有力【8月10日更新】

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【この記事の要約】
この記事は8月9日に更新しました。台風15号は11日から12日にかけて東北地方へ接近・上陸するおそれがあります。詳しくはこの下の赤い枠をご覧ください。
以下は公開当初(8月5日)の要約です。台風15号(チャンホン)は、2026年8月5日15時にウェーク島近海で発生しました。大型で、発生時点の中心気圧は998ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルです。今後は北上したあと進路を北西に変え、9日ごろには日本のはるか東を西寄りに進む見込みとされています。10日ごろには北北西へ向かう予想です。現時点で日本への直接の影響は見通せませんが、進路によってはお盆の時期の天気に関わる可能性があります。同じ時期に台風13号・14号も存在し、いわゆるトリプル台風の状況です。この記事では、台風15号の現況と今後の見通し、発生位置が遠いうちにやっておくべき備え、そして情報の追い方を防災士の立場から整理します。

【追記:2026年8月12日20時30分時点】茨城県に上陸し、熱帯低気圧に変わりました
この記事は8月5日に公開し、9日・10日・11日に更新してきました。結果をお伝えします。台風15号は8月11日20時ごろ、茨城県南部に上陸しました。そして、茨城県への台風の上陸は、1951年の統計開始以来はじめてのことです。上陸後は関東平野から甲信を通って12日未明に東海地方へ達し、北寄りに進路を変えて日本海へ抜けました。8月12日9時、日本海で熱帯低気圧に変わっています。台風としての15号は、これで終わりました。ただし、8月12日9時、小笠原近海で台風17号(ナンカー)が発生しました。大きさは大型で、17号としては統計史上3番目に早い発生です。

目次

2026年8月12日20時30分時点の最終結果

予想はどう変わり、どうなったか

時点 上陸の予想 中心気圧
8月5日(公開時) 影響は見通せない 998ヘクトパスカル
8月9日 東北地方へ接近・上陸のおそれ 990ヘクトパスカル
8月10日 関東または福島県(茨城県が最有力) 990ヘクトパスカル
8月11日朝 茨城県付近へ夕方から夜に上陸 985ヘクトパスカル
8月11日夕 19時前後に茨城県へ上陸の見通し 980ヘクトパスカル
実際の結果 11日20時ごろ、茨城県南部に上陸 985ヘクトパスカル(22時時点)

予想は、東北から関東へ、そして茨城県へと絞り込まれ、最終的にほぼその通りになりました。数日前の予想が大きく外れることもあれば、直前の予想がほぼ的中することもある。台風情報は、時間が近づくほど精度が上がるものだと理解しておくと、受け取り方が変わります。

観測された値

地点 観測値
茨城県北茨城市 最大瞬間風速 29.3メートル
千葉県銚子市 1時間に34.5ミリの雨(19時56分まで)
茨城県常陸太田市徳田 1時間に16.0ミリの雨
台風の勢力(11日22時) 985ヘクトパスカル、最大風速25メートル、最大瞬間風速35メートル

茨城県への上陸が意味すること

1951年に統計が始まってから、茨城県に台風が上陸した記録はありませんでした。今回が初めてです。

これは、記録上の珍しさという話にとどまりません。その地域に、参考にできる過去がなかったということです。近くを通過した経験は何度もあっても、中心が真上を通るのは別の出来事でした。

同じことは、どの地域にも起こりえます。「うちには大きな台風は来ない」という言い伝えは、判断の根拠としては弱いものです。統計は、これまで起きたことしか記録していません。これから起きることは、記録の外にもあります。

台風が去った後も、警戒は続きます

熱帯低気圧に変わったからといって、危険が消えたわけではありません。

地盤が緩んでいます。大雨が降った斜面には、水がしみ込んでいます。この状態は、雨がやんでからも数日続きます。次に雨が降ったとき、いつもより少ない雨量で土砂災害が起きることがあります。判断の仕方は土砂災害警戒情報とは?大雨警報との違いと避難の判断、前ぶれと逃げ方は土石流とは?前ぶれ・逃げる方向・危険な場所の調べ方にまとめました。

川の水位が高いままです。上流に降った雨が流れてくるため、下流では時間差で水位が上がります。

海のうねりが残ります。お盆の時期と重なります。海水浴を予定している方は、「お盆は溺れるから泳ぐな」は迷信?もあわせてご覧ください。

そして、次の台風が発生しています。台風17号は大型で、13日は小笠原近海を北寄りに進み、15日から17日にかけて日本の東を北上する見込みです。ただし進路の予報円は大きく、本州方面に近づかない可能性もあります。お盆の移動を予定している方は、最新の情報を確認してください。

台風17号については、台風17号(ナンカー)の進路と、予報円が大きいときの判断にくわしくまとめました。大型と強いの違い、予報円の読み方、お盆の移動をどう考えるかを扱っています。

ここから下は、2026年8月5日の公開時点で書いた内容です。最新の状況は上の追記をご覧ください。

【8月5日時点の内容】結論:いま慌てる必要はないが、お盆の予定は早めに考える

先に結論をお伝えします。2026年8月5日時点で、台風15号に対して緊急の対応は必要ありません。

発生位置はウェーク島の近海です。日本からはるか東へ離れた海上にあたります。勢力もまだ強くなく、直ちに日本へ影響する段階ではありません。

ただし、二つの理由から関心は持ち続けてください。

一つ目は、進路の誤差が大きいことです。発生直後の台風は、5日先の予想が大きく振れます。日本の東を通り過ぎるのか、進路を西へ寄せるのかは、まだ確定していません。

二つ目は、時期がお盆に近いことです。10日前後に日本の東を進む見通しであれば、帰省や旅行の時期と重なります。交通機関への影響が出れば、予定の変更が必要になります。

つまり、いますぐ備蓄を買いに走る段階ではありません。しかし、お盆の予定の見直しについては、早めに考え始めておくべき段階だと言えます。

台風15号(チャンホン)の現況

発表されている数値を整理します。以下は2026年8月5日時点の情報です。台風の状況は刻々と変わりますので、最新情報は必ず気象庁の発表をご確認ください。

項目 内容
発生日時 2026年8月5日15時
発生位置 ウェーク島近海
国際名 チャンホン
大きさ 大型
中心気圧 998ヘクトパスカル
中心付近の最大風速 18メートル
最大瞬間風速 25メートル
進行 北北東へ毎時15キロ

数字を読み解いてみましょう。

中心気圧998ヘクトパスカルというのは、台風としては弱い部類です。日本に大きな被害をもたらす台風は、900台前半から940台の中心気圧であることが多くあります。

最大風速18メートルという値も、台風の基準を満たしたばかりの水準です。気象庁では、最大風速が毎秒17.2メートル以上になった熱帯低気圧を台風と呼びます。つまり、発生の条件をわずかに超えた段階です。

ここで注意していただきたいのは、これが現時点の値にすぎないという点です。台風は暖かい海の上を進みながら発達します。今後どこまで強まるかは、通過する海域の水温と上空の風に左右されます。

「大型」の意味を誤解しない

台風15号は「大型」と発表されています。この言葉を強い台風の意味に受け取ると、判断を誤ります。

気象庁は、台風の大きさと強さを別々の基準で表します。

区分 何を表すか 階級
大きさ 風速15メートル以上の範囲の半径 大型、超大型
強さ 中心付近の最大風速 強い、非常に強い、猛烈な

大型とは、影響が及ぶ範囲が広いという意味です。中心の風が強いかどうかは別の話です。

台風15号は現時点で「大型」とだけ表現されており、強さの階級はついていません。範囲は広いものの、勢力そのものはまだ強くない状態です。

一方で、範囲が広いということは、中心から離れていても風が吹くということでもあります。今後発達すれば、影響を受ける地域は広くなります。

今後の進路の見通し

発表されている進路予想を整理します。

時期 予想される動き
8月6日ごろ ウェーク島近海を北上する
その後 次第に進路を北西へ変える
8月9日ごろ 日本のはるか東を西北西へ進む
8月10日ごろ 進路を北北西に変える見通し

この見通しどおりであれば、台風15号は日本の東の海上を北上することになります。本州へ上陸する進路ではありません。

ただし、ここで強調しておきたいことがあります。発生から5日先の予想は、大きく外れる可能性があるということです。

なぜ予想が難しいのか

理由は三つあります。

一つ目は、発生直後だからです。台風の進路は周囲の風に流されて決まります。発達しきっていない段階では、どの流れに乗るかが定まりません。

二つ目は、太平洋高気圧の位置が影響することです。高気圧の張り出しが強ければ台風は西へ、弱ければ北へ向かいます。この高気圧の勢力は日々変化します。

三つ目は、ほかの台風の存在です。この時期は台風13号・14号も存在しており、複数の台風が周囲の気圧配置に影響を与えます。

実際、報道でも進路の誤差が大きいことが指摘されています。「日本の東を通る」という予想を鵜呑みにせず、日々更新を確認してください。

予報円の読み方

進路予想図に描かれる白い円を予報円と呼びます。この円は、台風の中心がその中に入る確率がおよそ70パーセントであることを示しています。

言い換えれば、3割程度は円の外を通る可能性があるということです。円の端をかすめる進路も、円が示す範囲に含まれます。

発生直後の台風は、この円が大きく描かれます。予想が難しいことが、円の大きさとして表現されているわけです。

円が小さくなってきたら、進路が固まってきたサインです。そのタイミングで具体的な備えに移れば十分間に合います。

同じ時期に3つの台風があります

台風15号を見るうえで、もうひとつ知っておいていただきたいことがあります。

2026年8月5日時点で、台風13号・台風14号・台風15号の3つが同時に存在していました。いわゆるトリプル台風の状況です。

台風 国際名 状況
台風13号 ドルフィン 大型で非常に強い。沖縄地方へ接近する見込み
台風14号 クジラ 南シナ海で発生。日本への直接の影響はない見通し
台風15号 チャンホン ウェーク島近海で発生。今後の進路に注意

この3つのうち、いま最も警戒が必要なのは台風13号です。8月5日21時の時点で中心気圧945ヘクトパスカル、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルという勢力でした。7日21時には那覇市の北西およそ80キロに達する見込みとされています。

沖縄地方にお住まいの方は、台風15号よりも先に台風13号への備えを進めてください。この勢力は、建物に被害が出る水準です。

台風14号は南シナ海で発生し、フィリピン方面へ向かっています。日本への直接の影響は見込まれていません。

詳しくはトリプル台風とは?3つ同時発生の仕組みと藤原の効果、備え方を解説台風13号(ドルフィン)の進路と勢力は?2026年8月時点の状況と備えを解説で整理しています。

複数あるときは対象を絞る

3つあると聞くと不安になるかもしれません。しかし、3つとも同じように警戒する必要はありません。

自分の住む地域にとって、どれが脅威なのか。それを見極めることが最初の一歩です。

沖縄なら台風13号。本州なら、当面は台風15号の動きを追いながら準備を進める段階です。3つすべてを追いかけるより、対象を1つに絞ったほうが、やるべきことははっきりします。

いまの段階でやっておくべきこと

台風が遠いうちにできることを整理します。近づいてから慌てないための準備です。

1. 備蓄の在庫を数える

買い足す前に、まず数えてください。何がどれだけあるかを把握しなければ、必要な量は分かりません。

飲料水、調理不要の食料、カセットボンベ、電池、簡易トイレ。この5つが基本です。

目安は1人1日3リットルの水と、3日分の食料です。4人家族なら水は36リットル、2リットルのペットボトルで18本になります。

いま数えておけば、買い出しは1回で済みます。台風が近づいてからでは、水やカセットボンベといった定番の品から店頭より消えていきます。数えるだけなら15分ほどで終わりますので、今夜のうちに済ませてしまうことをおすすめします。

2. お盆の予定を確認する

これが今回最も重要な準備かもしれません。

台風15号は10日前後に日本の東を進む見通しです。帰省や旅行の時期と重なります。

航空券や新幹線の予約がある方は、変更や払い戻しの条件を今のうちに確認しておいてください。台風接近時には問い合わせが集中し、電話もつながりにくくなります。

航空会社は、台風の接近が見込まれる段階で事前に運休を決めることがあります。決まってから動くより、条件を知っておくほうが選択肢は多く残ります。

3. ハザードマップを確認する

自宅が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っているかを確認してください。市区町村のウェブサイトで公開されています。

この確認は、台風が来てからでは間に合いません。そして一度調べておけば、次の台風でも、大雨のときでもそのまま使える情報になります。

あわせて、避難所の場所と、そこまでの経路も見ておいてください。経路が冠水しやすい道であれば、より早い段階で移動する必要があります。

4. 屋外の状況を見ておく

飛ばされそうな物がないかを、いまのうちに把握しておきましょう。

植木鉢、物干し竿、自転車、ゴミ箱、屋外の椅子。こうしたものは、風速20メートルを超えると動き始めます。

加えて、雨樋の詰まりも確認してください。落ち葉が詰まっていると、大雨のときに水があふれます。晴れているうちにしかできない作業です。

5. 停電への備えを点検する

台風の被害で最も生活に響くのが停電です。夏場であれば、エアコンが止まることで熱中症の危険も生じます。

確認しておきたいのは次の点です。

  • 懐中電灯やランタンが点灯するか
  • 電池の残量と予備の本数
  • モバイルバッテリーが満充電か
  • ポータブル電源がある場合は充電状態
  • 冷凍庫に保冷剤を作っておく
  • 手回し充電ラジオが動作するか

保冷剤は見落とされがちですが、有効です。停電時に冷蔵室へ移せば、庫内の温度上昇を遅らせられます。凍らせた水のペットボトルでも代用できます。

また、冷凍庫は密閉したままなら24〜48時間ほど保ちます。停電したら開閉を最小限にしてください。

6. 断水への備えも同時に

停電と断水は連動します。マンションでは、ポンプが止まれば水が出なくなるためです。

台風が近づいたら浴槽に水をためておくと、トイレを流す水として使えます。ただし小さなお子さんがいるご家庭では、転落の危険があるためふたをしておいてください。

飲料水は別に確保してください。浴槽の水は生活用水です。

7. スマートフォンの設定を整える

気象庁の防災情報や、お住まいの自治体の防災アプリを入れておいてください。

緊急速報メールの受信設定も確認しておきましょう。機種によっては、設定が無効になっていることがあります。

モバイルバッテリーの充電も、いまのうちに済ませておくと安心です。

お盆の移動に備えて確認しておきたいこと

今回の台風15号で、最も現実的な影響が出うるのが交通です。項目ごとに整理します。

航空便

台風の影響を最も受けやすいのが飛行機です。強風や横風の基準を超えると、着陸できません。

近年、航空会社は接近が見込まれる段階で事前に運航の可否を発表するようになっています。当日まで待つのではなく、前もって判断が示されます。

お盆の時期は予約が埋まっており、振替の便が取りにくくなります。運休が決まってから動くと、数日先まで席がないという事態も起こります。

予約がある方は、変更や払い戻しの条件を今のうちに確認しておいてください。台風による運休の場合、手数料なしで対応されるのが一般的です。

鉄道

新幹線や在来線も、風速や雨量が基準を超えると運転を見合わせます。

特に注意したいのが、計画運休です。あらかじめ運休を発表し、利用者に移動を控えてもらう仕組みが定着しています。前日には発表されることが多くあります。

運転再開後も、車両や乗務員の配置が戻るまで通常ダイヤにはなりません。混雑は数日続きます。

船便

離島への航路は、最も早く欠航します。うねりの影響を受けるため、台風が遠くても運航できなくなることがあります。

島にお住まいの方、島へ行く予定のある方は、生活物資の確保も含めて余裕を持った計画にしてください。

高速道路

強風時には、橋やトンネル出口で通行止めになります。特に大型車や軽自動車は横風の影響を受けやすく、危険です。

迂回路が限られる区間もあります。出発前に道路情報を確認してください。

交通機関 影響が出始める目安 確認しておくこと
航空便 接近の1〜2日前に発表 変更・払い戻しの条件
新幹線・在来線 前日に計画運休を発表 運休区間と再開の見込み
船便 うねりの段階で欠航 代替手段の有無
高速道路 強風・大雨で通行止め 迂回路と休憩場所

台風15号が近づいてきたらどうするか

もし進路が日本寄りに変わった場合の行動を、時系列で整理します。

時期 やること
接近の3日前 予定の変更を判断。交通機関の情報を確認
2日前 買い出しを済ませる。屋外の片づけ
前日 浴槽に水をためる。充電を満タンに。雨戸を閉める
当日の朝 避難の要否を判断。必要なら明るいうちに移動
暴風域に入る6時間前 外出をやめ、屋内で待機
通過後 被害を確認。次の台風の位置をチェック

特に守っていただきたいのが、暴風域に入る6時間前という基準です。風が強まってからの移動は、避難ではなく危険な外出になります。

台風は地震と違い、来ることが事前に分かります。この時間の余裕を活かせるかどうかが、被害の分かれ目です。

暴風域に入る確率を使う

判断に役立つのが、気象庁が発表する「暴風域に入る確率」です。都道府県ごとに、今後72時間以内に暴風域へ入る確率が数字で示されます。

この数字が上がってきたら、備えを実行に移す段階です。感覚ではなく数値で判断できるため、家族との相談もしやすくなります。

台風15号が発達するとしたら、どこで起きるか

現時点の勢力は強くありません。では、今後発達する可能性はあるのでしょうか。判断の材料を挙げます。

台風が発達する条件は、大きく三つあります。

一つ目は、海面水温です。おおむね27度以上の海域を進むと、水蒸気の供給を受けて発達します。夏の北西太平洋は、広い範囲でこの条件を満たしています。

二つ目は、上空の風の状態です。上空と下層で風向や風速の差が大きいと、渦の構造が崩れて発達できません。この差が小さい海域では、台風はまとまりを保って強まります。

三つ目は、乾いた空気の流入です。周囲から乾燥した空気が入り込むと、雲の発達が抑えられて勢力は落ちます。

台風15号は、これから暖かい海域を進む見通しです。条件が整えば発達する余地があります。一方で、北上して海面水温の低い海域に入れば、勢力は落ちていきます。

発達しても遠ければ影響は小さい

ここで押さえておきたいのは、勢力と影響は別だという点です。

どれほど強い台風でも、日本から離れた海上を進めば陸上への被害は生じません。逆に、それほど強くない台風でも、直撃すれば被害は出ます。

ニュースで「猛烈な勢力に発達」と聞くと不安になりますが、まず確認すべきは進路です。勢力の見出しに引きずられないでください。

遠くても届く「うねり」

ただし、例外があります。うねりです。

台風が遠くにあっても、その周辺で発生した波は長い距離を伝わります。数百キロ、時には千キロ以上離れた海岸に、高い波として到達します。

晴れていて風も弱いのに、突然大きな波が打ち寄せる。海水浴やサーフィン、釣りの最中に事故が起きやすいのはこの状況です。

台風15号が日本の東を進む場合、太平洋側の海岸ではうねりが高まる可能性があります。お盆の時期は海に行く方も多いので、海岸に近づく前に必ず波浪の情報を確認してください。

「台風は遠いから大丈夫」という判断が、海では通用しません。私が最も気をつけていただきたい点です。

台風の名前について

チャンホンという名前を不思議に思った方もいるかもしれません。

北西太平洋で発生する台風には、台風委員会に加盟する14の国と地域が提案した名前が順番に付けられています。それぞれが10個ずつ提案し、合計140個の名前が用意されています。

発生順に一覧の上から使われ、140個を使い切ると最初に戻ります。おおむね5年ほどで一巡する計算です。

日本が提案した名前は、テンビン、ヤギ、ウサギなど、すべて星座に由来しています。ドルフィンやクジラという名前も、この一覧に含まれるものです。

なお、大きな災害をもたらした台風の名前は、その後使われなくなることがあります。加盟国から申し出があった場合に、一覧から削除される仕組みです。削除された名前の代わりには、提案国が新しい名前を出します。

ここで気をつけていただきたいのは、名前の響きで危険度を判断しないことです。かわいらしい名前でも、猛烈な勢力に発達することはあります。判断すべきは名前ではなく、中心気圧と最大風速、そして進路です。

情報をどこで追えばよいか

台風の情報は、出どころによって役割が違います。使い分けを整理します。

情報源 役割 更新の頻度
気象庁の台風情報 公式の位置・勢力・進路予想 3時間ごと、接近時は1時間ごと
暴風域に入る確率 都道府県別の数値で判断できる 台風情報と同時
キキクル 土砂・浸水・洪水の危険度を地図で表示 10分ごと
自治体の防災情報 避難情報と避難所の開設状況 随時
交通事業者の発表 運休・遅延の見込み 随時

私がおすすめしたいのは、この5つをブックマークしておくことです。台風のたびに検索するより、はるかに早く確認できます。

台風情報と危険度分布はセットで見る

台風の進路図だけを見ていると、判断を誤ることがあります。

台風の中心が遠くても、その周囲の湿った空気で大雨になることがあるためです。進路図には、この雨の危険は表れません。

そこで役立つのがキキクルです。自分の住む場所の危険度が、色分けされた地図で示されます。紫や黒に変われば、すでに危険な状況です。

進路図で全体の流れをつかみ、キキクルで自分の場所の状況を確認する。この二段構えが確実です。

更新のタイミングを知っておく

気象庁の台風情報は、原則として3時、9時、15時、21時に発表されます。台風が接近すると、その間にも発表が加わります。

この時刻を知っておくと、確認のタイミングを決められます。何度も見て不安になるより、決まった時刻に一度確認するほうが落ち着いて判断できます。

私が北海道から見ていること

私は札幌に住んでいます。北海道は台風の影響が比較的少ない地域と言われてきました。

しかし2016年には、短期間のうちに複数の台風が北海道へ接近・上陸し、河川の氾濫や道路の寸断が広い範囲で発生しました。農地の冠水も長期間続いています。

あのとき感じたのは、「うちの地域は台風が来ない」という前提の危うさです。備えのない地域ほど、同じ勢力でも被害は大きくなります。

台風15号がいまどこにあるかにかかわらず、この時期に一度備えを見直しておくことをおすすめします。8月から9月は、台風の発生が最も多くなる時期だからです。

遠い台風のニュースは準備の合図

台風が遠くにあるうちは、多くの人が自分ごととして捉えません。しかし、備えができるのはまさにその時期です。

近づいてからでは、店頭の商品は減り、業者の手配もつかず、できることは限られます。

私は、遠い台風のニュースを見たときこそ、冷蔵庫と備蓄棚を開けてみるようにしています。それだけで、次の台風への構えは変わります。

もうひとつ心がけているのが、家族への共有です。備えを自分だけが把握していても、いざというときに動けるのは自分だけになります。何がどこにあるか、停電したらどうするか。短い会話で構いませんので、共有しておいてください。

特に、離れて暮らす家族がいる場合は、台風が近づく前に一度連絡を取ることをおすすめします。高齢の親であれば、こちらから準備を促す必要があるかもしれません。接近してからでは、電話がつながりにくくなることもあります。

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よくある質問

Q. 台風15号は日本に上陸しますか

A. 2026年8月5日時点の予想では、日本のはるか東の海上を進む見通しとされています。上陸を示す予想は出ていません。ただし発生直後で進路の誤差が大きく、今後変わる可能性があります。最新の発表を確認してください。

Q. お盆の帰省に影響しますか

A. 可能性は否定できません。10日ごろに日本の東を進む見通しであり、帰省の時期と重なります。直接の上陸がなくても、うねりや風の影響で船便や一部の航空便に乱れが出ることがあります。予約の変更条件を早めに確認しておいてください。

Q. 中心気圧998ヘクトパスカルは弱いのですか

A. 台風としては弱い部類です。大きな被害をもたらす台風は900台前半から940台であることが多くあります。ただし、これは発生時点の値です。暖かい海の上を進めば発達する可能性があります。

Q. 「大型」なのに強さの階級がないのはなぜですか

A. 大きさと強さは別の基準だからです。大型は風速15メートル以上の範囲が広いことを示します。強さは中心付近の最大風速で決まり、基準に達しなければ階級はつきません。範囲は広いが勢力は強くない、という状態です。

Q. 台風13号と15号、どちらを警戒すべきですか

A. お住まいの地域によります。沖縄地方であれば、非常に強い勢力で接近する台風13号が最優先です。本州や北日本にお住まいであれば、当面は台風15号の動きを追いながら準備を進める段階です。

Q. 進路予想はどのくらい信頼できますか

A. 接近が近いほど精度は上がります。発生直後の5日先の予想は、大きく振れることがあります。予報円が小さくなってきたら、進路が固まってきたサインです。円の大きさも一緒に見てください。

Q. いま買い物に行くべきですか

A. 慌てて買いに走る段階ではありません。まず在庫を数えてください。不足があれば、普段の買い物のついでに少しずつ補充すれば十分です。進路が定まってからでも間に合います。

Q. 台風が3つあると被害も3倍になりますか

A. 単純に3倍にはなりません。ただし、地面が水を含んだ状態で次の雨が降ると、土砂災害や河川の氾濫の危険は高まります。同じ雨量でも、2回目のほうが危険だと考えてください。

Q. 予想が毎日変わるのですが、大丈夫でしょうか

A. 予報が不正確なのではなく、予想が難しい状況だということです。複数の台風があると互いに影響し合い、不確実性が高まります。変わることを前提に、余裕を持った準備をしてください。

Q. 台風が遠いのに波が高いのはなぜですか

A. うねりが伝わってくるためです。台風の周辺で生じた波は、数百キロから千キロ以上離れた海岸まで届きます。晴れて風が弱くても、突然大きな波が来ることがあります。海に行く前は必ず波浪の情報を確認してください。

Q. 停電に備えて冷凍庫はどうすればよいですか

A. 保冷剤や凍らせた水のペットボトルを作っておいてください。停電したら冷蔵室へ移すと温度上昇を遅らせられます。冷凍庫自体は密閉したままなら24〜48時間ほど保ちますので、開閉は最小限にしてください。

Q. チャンホンとはどういう意味ですか

A. 台風委員会の加盟国・地域が提案した140個の名前のひとつです。発生順に使われ、5年ほどで一巡します。名前そのものに危険度の意味はありません。名前で台風の強さを判断しないでください。

まとめ

台風15号について、要点を整理します。

  • 2026年8月5日15時、ウェーク島近海で発生した
  • 国際名はチャンホン。大きさは大型
  • 発生時の中心気圧998ヘクトパスカル、最大風速18メートル
  • 大型は範囲が広いことを示し、強さとは別の指標
  • 6日に北上、その後北西へ。9日に日本のはるか東、10日に北北西の見通し
  • 発生直後で進路の誤差が大きく、予想は変わる可能性がある
  • お盆の時期と重なるため、交通の予定は早めに確認する
  • 同じ時期に台風13号・14号も存在し、トリプル台風の状況
  • 沖縄地方では、非常に強い台風13号への備えが最優先
  • いまは備蓄を数え、ハザードマップを確認しておく段階

台風15号は、いま慌てる対象ではありません。しかし、備えを整えるにはちょうどよい時期です。

台風が遠いうちに動けるかどうかで、結果は大きく変わります。近づいてからできることは、驚くほど限られています。この記事を読み終えたら、まず備蓄棚を開けて、何がどれだけあるかを数えてみてください。

なお、この記事の数値は2026年8月5日時点のものです。台風の状況は刻々と変化します。行動を判断する際は、必ず気象庁の最新発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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