【この記事の要約】
【8月29日 更新】台風18号(ソウデル)による日本への影響は終わりました。南西諸島を離れたあと東シナ海を西へ進み、8月28日15時ごろに中国大陸へ達して熱帯低気圧に変わる予想でした。いま備える必要はありません。
この台風は8月19日にトラック諸島近海で発生し、統計史上6番目に早い18号でした。8月24日3時に最盛期を迎え、中心気圧950hPa・最大風速45メートル・最大瞬間風速60メートル。「非常に強い」勢力で日本の南に位置していました。記事の後半は、接近が予想されていた時点で書いた内容をそのまま残しています。暴風域に入る確率の見方、窓とベランダの備え、停電への準備。9月から10月は同じ勢力の台風が本州へ向かいやすい時期です。次に備えるための参考としてお読みください。
【8月29日 更新】日本への影響は終わりました
この記事は、台風18号が沖縄・奄美へ接近していた8月25日に書いたものです。その後の経過を記録として追記します。
いま、警戒は不要です
台風18号は南西諸島を離れたあと、東シナ海を西へ進みました。
8月28日3時の時点では東シナ海(北緯28.2度・東経122.9度)にあり、中心気圧970hPa、最大風速35メートルまで勢力を落としていました。
そして8月28日15時ごろに中国大陸へ達し、熱帯低気圧に変わるという予想が出ていました。
日本への影響は、すでに終わっています。沖縄・奄美にお住まいの方も、この台風について備える必要はありません。
18号の経過を、記録として残します
| 日時 | 状態 |
|---|---|
| 8月19日 | トラック諸島近海で発生。統計史上6番目に早い18号 |
| 8月24日3時 | 日本の南で最盛期。950hPa・最大風速45m/s・瞬間60m/s |
| 8月25日 | 南大東島を通過し、奄美方面へ |
| 8月28日3時 | 東シナ海。970hPa・最大風速35m/s |
| 8月28日15時ごろ | 中国大陸へ。熱帯低気圧に変わる予想 |
この台風から、学べること
最盛期の950hPa・最大風速45メートルは、「非常に強い」に分類される勢力です。
それが日本の南で最も強く、そこから西へ進みながら弱まりました。
もし進路が北寄りだったら、その勢力のまま本州に接近していた可能性があります。
今回は逸れました。しかし、逸れたのは運です。
そして9月から10月は、同じ勢力の台風が本州へ向かいやすい時期に入ります。この記事で書いた備えは、そのまま次に使えます。
2026年8月の台風について
この月は、記録的な数になりました。
8月に発生した台風は10個。1966年8月以来、60年ぶりです。1951年以降で3回目にあたります。
ただしそのうち日本に大きな影響を与えたのは限られています。19号は中国・ベトナム方面、20号は台湾方面、21号から23号は日本のはるか東でした。
台風の危険度は、発生した数ではなく進路で決まります。
8月の全体像は台風22号アータウ・23号バンランは日本に影響なし|8月に10個は60年ぶりの記録にまとめました。
【8月25日10時 更新】南大東島を通過中。進路が北寄りに変わりました
気象庁が25日9時50分に発表した内容です。
台風18号は、いま南大東島付近を通過しています。そして、そのあとの進路が前回の予報から変わりました。
実況の変化
| 項目 | 8月25日9時50分 | (8月24日12時) |
|---|---|---|
| 中心の位置 | 南大東島付近 | 日本の南 |
| 強さ | 強い | 非常に強い |
| 中心気圧 | 950ヘクトパスカル | 940ヘクトパスカル |
| 中心付近の最大風速 | 40メートル毎秒 | 45メートル毎秒 |
| 最大瞬間風速 | 60メートル毎秒 | 65メートル毎秒 |
| 暴風域 | 半径165km(全域) | あり |
強さの階級が「非常に強い」から「強い」に下がりました。中心気圧も10ヘクトパスカル上がっています。
ただし、弱くなったと考えないでください。最大瞬間風速は60メートル毎秒です。暴風域は全域で半径165キロあります。
私の前回の記述を訂正します
この記事では、24日時点の予報にもとづいて「45時間後、久米島の北北東およそ130キロ」と書きました。
この進路は変わりました。25日の予報では、台風はより北寄りのコースを取り、沖永良部島から奄美方面へ向かいます。
久米島・沖縄本島より、奄美地方のほうが主な警戒対象になったということです。
今後の予報|8月25日9時50分発表
| 時点 | 予想される位置 | 強さ | 中心気圧 | 予報円 |
|---|---|---|---|---|
| 12時間後 | 沖永良部島の東南東 約50km | 強い | 950hPa | 45km |
| 24時間後 | 沖永良部島の西北西 約160km | 強い | 960hPa | 65km |
| 48時間後 | 東シナ海 | 強い | 965hPa | 100km |
| 72時間後 | 東シナ海 | — | 975hPa | 185km |
| 96時間後 | 華南 | 熱帯低気圧へ | 996hPa | 280km |
沖永良部島・徳之島・与論島の方へ|8月25日夜がピークでした
以下は、接近が予想されていた時点で書いた内容です。同じ状況が次に来たときの参考にしてください。
12時間後、台風の中心が沖永良部島の東南東およそ50キロまで近づきます。予報円は45キロです。
暴風域の半径は165キロ。中心から50キロという距離は、暴風域の内側です。
予報円の大きさを考えても、暴風域に入ることはほぼ確実と考えてください。
屋外の作業は、日が暮れる前に終えてください。暗くなってからでは、飛来物が見えません。
奄美大島・喜界島の方へ
台風は沖永良部島の東側を通り、そのあと北西へ進みます。奄美大島は暴風域の縁にかかる可能性があります。
24時間後には中心が沖永良部島の西北西160キロへ抜ける予報ですが、予報円は65キロに広がっています。
ご自身の地域の暴風域に入る確率を、気象庁のサイトで確認してください。
南大東島・北大東島の方へ
いま、通過の最中です。台風の中心が近い時間帯は、風が一時的に弱まることがあります。
それで外に出ないでください。中心が抜けたあと、風向きが変わって再び強く吹きます。
気象庁が「台風が遠ざかった」と発表するまで、屋内にとどまってください。
久米島・沖縄本島への影響(24日時点の見通し)
進路が北寄りに変わったため、前回の記述より影響は小さくなる見込みです。
ただし、うねりは続きます。海に近づかないでください。そして、警報・注意報が出ている間は油断しないでください。
この先の見通し
台風は48時間後に東シナ海へ抜け、96時間後には華南で熱帯低気圧に変わる予報です。
本州・西日本への直接の影響は、現時点の予報では見込まれていません。
ただし、予報は変わります。これまでも2度、進路と勢力が変わりました。最新の発表を確認してください。
結論|台風が近づくとき見るのは、暴風域に入る確率です
台風が接近しているとき、最初に見方を決めておきます。
進路図の線を追っても、答えは出ません
発生直後の台風について、5日先の位置は確定していません。予報円が大きいのは、まだ決まっていないという意味です。
台風は、自分で進路を決めていません。まわりの風、とくに太平洋高気圧のふちに沿って流されます。
その高気圧の位置が、数日先ではまだ確定していない。だから、進路も一緒に動きます。
代わりに、この数字を見てください
「暴風域に入る確率」です。気象庁が地域ごとに発表しています。
自分の住む地域の確率が上がってきたら、台風がこちらに寄ってきたということ。下がっていけば、外れつつあるということです。
進路図の線を見るより、この数字の推移を追うほうが、はるかに分かりやすいと思います。
そして、いま準備できるものだけを準備する
進路がどうなっても無駄にならないものがあります。飲み水、電池、モバイルバッテリーの充電。
逆に、窓の養生やベランダの片づけは、まだ早い。接近が確実になってからで間に合います。
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秋は、台風が来なくても大雨になります。秋雨前線と台風が重なると危険な理由にまとめました。
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9月1日は防災の日です。この日にやる点検をまとめました。防災の日は9月1日|由来と、この日にやる3つの点検にまとめました。
台風18号(ソウデル)の経過
この記事は、気象庁の発表にあわせて更新しています。
8月24日12時の実況(記録)
気象庁が24日12時45分に発表した内容です。
| 項目 | 8月24日12時 | (8月23日21時) |
|---|---|---|
| 中心の位置 | 日本の南 | 日本の南 |
| 強さ | 非常に強い | 非常に強い |
| 中心気圧 | 940ヘクトパスカル | 950ヘクトパスカル |
| 中心付近の最大風速 | 45メートル毎秒 | 45メートル毎秒 |
| 最大瞬間風速 | 65メートル毎秒 | 60メートル毎秒 |
| 暴風域 | あり | あり |
さらに10ヘクトパスカル発達しました。最大瞬間風速は65メートル毎秒です。
8月24日12時45分発表の予報(記録)
予報に、具体的な島の名前が入りました。ここが前回からの最大の変化です。
| 時点 | 予想される位置 | 強さ | 中心気圧 | 予報円 |
|---|---|---|---|---|
| 12時間後 | 南大東島の東南東 約190km | 非常に強い | 940hPa | 45km |
| 24時間後 | 南大東島の西北西 約60km | 非常に強い | 950hPa | 65km |
| 45時間後 | 久米島の北北東 約130km | 強い | 965hPa | 100km |
| 69時間後 | 東シナ海 | 強い | 970hPa | 185km |
| 93時間後 | 台湾海峡 | 強い | 970hPa | 230km |
| 117時間後 | 華南 | — | 996hPa | 280km |
南大東島・北大東島への接近(24日時点の見通し)
以下は、接近が予想されていた時点で書いた内容です。同じ状況が次に来たときの参考にしてください。
24時間後、台風の中心が南大東島の西北西およそ60キロを通過する予報です。そのときの勢力は「非常に強い」、中心気圧950ヘクトパスカル。
暴風域の半径は、この台風では150キロを超えています。中心から60キロの距離は、暴風域のほぼ中心部にあたります。
予報円は65キロなので、位置のずれを考えても、暴風域に入ることはほぼ確実と考えてください。
備えは、今日のうちに終えてください
24時間後です。明日になってからでは、風が強まって外での作業ができません。
飛ぶものを、屋内へ。植木鉢、物干し竿、ごみ箱、自転車。飛んだものが窓を割ると、そこから風が入って被害が連鎖します。
雨戸やシャッターを閉める。ない場合は、窓から離れた部屋で過ごせるように準備してください。
停電に備える。飲み水、明かり、携帯電話の充電。この三つを先に確保してください。離島では、復旧に時間がかかることがあります。
久米島・沖縄本島への影響(24日時点の見通し)
45時間後、久米島の北北東およそ130キロを通過する予報です。勢力は「強い」、中心気圧965ヘクトパスカル。
この時点でも暴風域を伴っています。久米島と沖縄本島の北部は、影響を受ける可能性があります。
予報円は100キロに広がっているため、実際の進路はここから動きます。暴風域に入る確率を、ご自身の地域で確認してください。
船と飛行機は、早めに確認してください
離島では、船が止まると数日間動けません。そして、欠航は接近の前日までに決まることが多い。
本土や沖縄本島との行き来を予定している方は、今日のうちに運航状況を確認してください。
南大東島・北大東島は、生活物資の多くを船と空路に頼っています。数日分の食料と水を、いま確認しておいてください。
本州には向かいません
前回の更新でお伝えしたとおりです。本州に上陸する経路ではありません。
沖縄付近を通ったあと、東シナ海から台湾海峡へ抜け、華南へ向かう見込みです。関東や東海にお住まいの方は、直接の警戒は不要です。
ただし、うねりは遠くまで届きます。太平洋側の海岸では、晴れていても波が高くなることがあります。海に近づかないでください。
いま出ている、ほかの台風
8月25日10時時点の状況です。24日には台風が4つ同時に出ていましたが、20号と21号は熱帯低気圧に変わりました。
| 台風 | 名前 | 位置 | 気圧 | 日本への影響 |
|---|---|---|---|---|
| 18号 | ソウデル | 南大東島付近 | 950hPa | 奄美・沖縄 |
| 19号 | ナーラ | トンキン湾 | 994hPa | なし |
| 20号 | ケナリ | 華南(熱帯低気圧) | 1000hPa | なし |
| 21号 | アッサニー | フィリピンの東(熱帯低気圧) | 1000hPa | なし |
24日に発生した台風21号(アッサニー)は、25日10時15分に熱帯低気圧へ変わりました。20号(ケナリ)も25日4時10分に熱帯低気圧になっています。
詳しくは台風19号(ナーラ)、台風20号(ケナリ)、台風21号(アッサニー)に書きました。
備えが必要なのは18号だけです。この点は、24日時点から変わっていません。
「非常に強い」とは、どういう意味か
予報に出てきた言葉なので、整理しておきます。
強さは、最大風速で決まります
| 階級 | 最大風速 |
|---|---|
| (階級なし) | 17.2〜32.6メートル |
| 強い | 33〜43メートル |
| 非常に強い | 44〜53メートル |
| 猛烈な | 54メートル以上 |
いまの台風18号は、階級のつかない状態です。最大風速20メートルなので、いちばん下の区分にあたります。
それが23日に「非常に強い」まで発達する可能性がある、というのが現在の予報です。最大風速が倍以上になるということです。
強さと大きさは、別のものです
混同されやすい部分です。
強さは、中心付近の風の速さ。大きさは、強い風が吹く範囲の広さを表します。
小さくても非常に強い台風があり、大きくても階級のつかない台風があります。どちらも危険の性質が違います。
読み方は台風の強さ・大きさの違いと進路予想図の読み方にまとめました。
予報円は、勢力ではありません
これも間違われやすい点です。
予報円は、台風の中心が入る可能性のある範囲を示しています。円が大きいのは、台風が大きいからではなく、予報の不確かさが大きいからです。
発生直後は、円が大きくなります。だから、いまの進路図で一喜一憂しても意味がありません。
いま準備しておくもの
進路が決まる前に、やっておく価値のあるものだけを挙げます。
| もの | なぜ、いまなのか |
|---|---|
| 飲み水 | 断水に備えます。普段も使えるので無駄になりません |
| 電池 | 接近すると、真っ先に売り切れます |
| カセットボンベ | 停電しても調理できます |
| モバイルバッテリー | 持っているなら、充電しておくだけ |
| 常備薬 | 受診できなくなる可能性があります |
| 携帯トイレ | 断水すると、最初に困ります |
| 養生テープ | 近づくと店から消えます |
どれも、使わなければ次の台風に回せます。だから、早く買っても損をしません。
逆に、いまやらなくてよいこと
窓の養生。早く貼っても、日に焼けて剥がれます。前日で足ります。
ベランダの片づけ。2日前で間に合います。
予定のキャンセル。3日前に判断してください。
不安になること。これがいちばん、体力を消耗します。
ハザードマップだけは、今日見てください
これは進路と関係なくできて、台風が来ると分かってからでは遅いことです。
自宅が浸水想定区域か、土砂災害警戒区域か。これで、逃げるかとどまるかが決まります。
調べ方はハザードマップの見方にまとめました。5分で終わります。
台風で危ないのは、風より水です
備えの優先順位を決める話です。
過去の被害が示していること
強い風の映像が流れるため、風が最も危険だと思われがちです。けれど、実際に多くの命を奪ってきたのは水でした。
高潮、洪水、土砂災害。伊勢湾台風では、高潮によって5,000人を超える方が亡くなっています。
詳しくは台風で危険なのは風より水にまとめました。
だから、確認するのは風速の予想ではありません
台風が来ると分かったとき、まず見るべきは自宅の立地です。
浸水想定区域なら、垂直避難か水平避難かを先に決めておく。土砂災害警戒区域なら、斜面から離れる判断が要ります。
これは、台風が発生した今日のうちに決められることです。
8月に5つ|多いのでしょうか
台風18号は、今月5つ目の台風です。
番号は、発生した順に付きます
日本に来たかどうかは関係ありません。フィリピンの東で発生してそのまま西へ去った台風も、番号を消費します。
だから、「今年は18号まで来ている」=「日本に18回来た」ではありません。
実際、今月発生した台風のうち、日本に上陸したものは限られています。台風16号は日本への影響がありませんでした。
本番は、これからです
統計では、台風の上陸が最も多いのは9月です。8月ではありません。
秋雨前線と重なり、海水温もまだ高い。この時期の台風が、いちばん条件が悪くなります。
いま8月に台風18号を見ているなら、本番はこれからだと考えてください。
年間の傾向は台風の完全ガイドにまとめました。
なぜ、この時期に台風が続くのか
8月に5つという数字の背景です。
海水温が高い時期だからです
台風は、暖かい海から水蒸気をもらって発達します。目安として、海面水温がおよそ26度から27度以上必要だとされています。
夏から初秋にかけて、太平洋の広い範囲がこの条件を満たします。だから、発生が集中します。
そして、水温が高いほど、発達できる上限も上がります。同じ場所を通っても、年によって勢力が変わるのはこのためです。
トラック諸島近海は、発生しやすい場所です
今回の台風18号が生まれたのは、トラック諸島の近海です。
この海域は、台風の発生源として知られています。赤道から少し離れ、海水温が高く、大気の条件も整いやすい。
ここで生まれた台風は、西または北西へ進みながら発達し、日本の南へ回り込むという経路をとることがあります。今回の予報も、その形です。
ただし、遠くで生まれることには利点もあります
日本から離れた場所で発生すると、到達までに日数があります。
今回でいえば、発生が19日で、日本の南に達するのが24日の見込み。5日間の猶予があります。
近海で急に発生する台風は、備える時間がありません。その意味では、遠くで生まれた台風のほうが、対処しやすいと言えます。
進路が決まる仕組み
予報が変わる理由を、もう少し詳しく書きます。
台風は、まわりの風に流されて動きます
これが根本です。台風は、自分の意思で進路を選んでいるわけではありません。
夏から秋にかけては、太平洋高気圧のふちに沿って動くのが基本の形です。
高気圧が西へ張り出していれば、台風は西へ押されます。高気圧が弱まれば、ふちを回って北へ曲がります。
だから、高気圧の予想が変われば進路も変わります
数日先の高気圧の位置は、まだ確定していません。そこがずれれば、台風の進路も大きくずれます。
「予報が二転三転する」と言われますが、実際には、前提が変わっているのです。
この構造を知っていると、予報が更新されても振り回されずに済みます。
秋が近づくと、さらに読みにくくなります
季節が進むと、太平洋高気圧が弱まり、偏西風が南下してきます。
この時期は、台風が高気圧のふちを回ったあと、偏西風に乗って速度を上げながら日本へ向かう形になりやすい。
そして、秋雨前線があると、台風が来る前から雨が降り続きます。地盤が緩んだところに台風の雨が加わるため、被害が大きくなります。
情報を、どこで見るか
探す先を決めておくと、迷いません。
見る順番
一、気象庁の台風情報。これが基準です。位置、予報円、暴風域に入る確率。
二、自分の地域の警報・注意報。台風そのものより、こちらが行動の合図になります。
三、雨雲レーダーとキキクル。直前になったら、実際に降っている場所を見ます。
四、市町村の防災情報。避難所の開設や、避難情報が出ます。
更新のタイミングを知っておくと、楽になります
気象庁の台風情報は、おおむね3時間ごとに更新されます。日本に近づくと、1時間ごとになります。
つまり、数分おきに見ても、内容は変わりません。
朝と夕方の2回で十分です。接近が確実になってから、頻度を上げてください。常に画面を見ていても、判断は早くなりません。
停電すると、どれも見られなくなります
ここが盲点です。台風の情報を追っているうちに停電すれば、そこで情報が途切れます。
だから、電池で動くラジオを一つ用意してください。そして、モバイルバッテリーを満充電にしておく。
これは、いまの段階でできることの一つです。進路が決まってからでは、店から消えます。
停電が長引いたときの備えは停電が長引いたときの対策にまとめました。
接近が決まってからの、行動の順番
先を見て書いておきます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 3日前 | 予定の判断。買い物を済ませる |
| 2日前 | ベランダと庭を片づける。側溝の掃除 |
| 前日 | 窓の養生。風呂に水をためる。充電 |
| 当日の朝 | 避難するなら、明るいうちに |
| 接近中 | 外に出ない。窓から離れる |
| 通過後 | 川と斜面に近づかない。すぐ片づけに出ない |
避難は、明るいうちに
これがいちばん大事な判断です。
暗くなってからの移動は、それ自体が危険です。冠水した道路は、水面の下が見えません。側溝やマンホールの落下事故が起きています。
避難情報が出てから考えるのではなく、「何時までに動く」と先に決めておいてください。
通過したあとも、しばらく危険です
風がやむと、外に出たくなります。けれど、雨が降りやんでからのほうが、土砂災害は起きやすい。
地面に染み込んだ水が、時間をおいて斜面を動かします。川の水位も、上流の雨が下ってくるまで上がり続けます。
屋根の修理や片づけで屋根に上がるのは、風が完全におさまってからにしてください。転落事故が毎年起きています。
家の外側で、今週できること
接近が確実になる前に、手をつけておくと楽になるものです。
側溝と排水口の掃除
地味ですが、効果が大きい。
落ち葉やゴミが詰まっていると、雨水が流れずに敷地へあふれます。浸水想定区域でなくても、これが原因で床下浸水することがあります。
とくに、ベランダの排水口を見てください。ここが詰まると、ベランダに水がたまり、室内へ入ります。
晴れているうちにやれば、5分ほどで終わります。雨が降り出してからでは、危険な作業になります。
雨どいの確認
外れていないか、詰まっていないか。上を見上げるだけで分かります。
雨どいが機能しないと、屋根から落ちた水が壁を伝います。これが、雨漏りの原因になることがあります。
雨漏りが起きたときの保険の扱いは雨漏りは火災保険で直せる?にまとめました。
飛びそうなものを、把握しておく
いま片づける必要はありません。ただ、何があるかを見ておいてください。
植木鉢、物干し竿、自転車、ゴミ箱、簡易な物置。前日に片づけるとき、迷わずに済みます。
風速20メートルを超えると、これらは動きます。そして、飛んだものが窓を割ります。
窓の状態を見ておく
ひび、がたつき、サッシの隙間。いまのうちに気づけば、まだ対処する時間があります。
養生テープを貼っても、ガラスが割れるのを防ぐ効果はありません。飛散を減らすだけです。効果があるのは飛散防止フィルムか、雨戸・シャッターです。
詳しくは台風の窓ガラス対策にまとめました。本当に必要なら、いま手配する時期です。
車の置き場所を考えておく
冠水しやすい場所に停めているなら、移動先を決めておいてください。
台風が近づいてから探すと、どこも満車になります。立体駐車場や高い場所を、いまのうちに確認しておく。
浸水した車は、エンジンをかけないでください。感電や火災の原因になります。保険の扱いは洪水で車は壊れる?にまとめました。
台風の危険を、種類ごとに整理します
何に備えるかを決めるための整理です。
| 危険 | どこで起きるか | 備え |
|---|---|---|
| 高潮 | 海に面した低い土地 | 早い段階で高い場所へ移る |
| 洪水・内水氾濫 | 川沿い、周囲より低い場所 | 浸水想定区域かを確認しておく |
| 土砂災害 | 斜面のそば、崖の上下 | 警戒区域かを確認。前もって離れる |
| 暴風 | どこでも | 窓から離れる。飛ぶものを片づける |
| 停電 | どこでも | ライト、電池、モバイルバッテリー |
| 断水 | 停電に伴って起きることも | 水の備蓄、風呂に水をためる |
上の三つは、住んでいる場所で決まります。下の三つは、どこに住んでいても関係します。
だから、まずハザードマップなのです
自宅がどれに当てはまるかで、やるべきことがまったく変わります。
浸水想定区域にある2階建ての家なら、2階へ上がるという選択肢があります。平屋なら、早めに移動するしかありません。
斜面のそばなら、斜面と反対側の部屋で寝るという判断が意味を持ちます。
これは、台風が来る前にしか決められません。
そして、避難は「逃げる」だけではありません
安全な場所に住んでいるなら、家にとどまることが正解です。
避難所へ移動すること自体に危険があります。暗い中を、風雨の中を、冠水した道を歩くことになるからです。
判断の基準は避難所へ行くべきか自宅に残るべきかにまとめました。
警戒レベルの見方
接近してから使う知識です。
数字で行動が決まります
避難情報には、1から5までのレベルが付きます。
レベル3(高齢者等避難)で、高齢の方や避難に時間のかかる方は動きます。
レベル4(避難指示)で、全員が危険な場所から離れます。これが、避難する最後の合図です。
レベル5(緊急安全確保)は、すでに災害が起きているか、発生が差し迫っている段階です。ここでの移動は、かえって危険になります。
レベル4で動いてください
いちばん多い誤解が、「レベル5を待つ」というものです。
レベル5は、避難のための情報ではありません。逃げ遅れた人へ向けた、最後の呼びかけです。
詳しくは災害の警戒レベルとは?にまとめました。
2026年5月に、名称が変わっています
気象情報の呼び方が改定されました。洪水警報は氾濫警報に、そして氾濫危険警報が新しく設けられています。
ニュースで聞き慣れない言葉が出てきたら、これが理由です。意味を先に知っておくと、迷いません。
変更点は防災気象情報の改定にまとめました。
よくある質問
Q. 「ソウデル」とは、どういう意味ですか
台風には、あらかじめ用意された140個のアジア名が順番に付けられます。
日本を含む14の国と地域が名前を提案しており、発生順に、リストの上から使われていきます。
そして、大きな被害を出した台風の名前は、以後使われなくなります。引退という扱いです。その場合、提案した国が新しい名前を出し、リストが差し替えられます。
140個をひととおり使い切ると、また先頭に戻ります。およそ4年から5年で一巡する計算です。
命名の仕組みは台風の名前がダサいと言われる理由にまとめました。
Q. 本州への影響は、いつ分かりますか
おおむね3日前です。そこまで来ると、予報円が小さくなり、判断ができるようになります。
いまの予報では24日に日本の南へ達する見込みなので、21日から22日ごろに、本州への影響がはっきりしてくると考えられます。
それまでは、暴風域に入る確率の推移を見てください。
Q. 米軍やヨーロッパの予想は、見るべきですか
参考にはなりますが、判断の基準にはしないでください。
それぞれ目的が違います。米軍の予想は艦船の運用のためのもので、日本の防災のために出されているわけではありません。
避難の判断は、気象庁の情報と、お住まいの市町村が出す避難情報で行ってください。
Q. 予報が変わるのは、外れたということですか
違います。前提が変わっただけです。
台風の進路は、まわりの高気圧の位置で決まります。その高気圧の予想が更新されれば、台風の進路も変わります。
これは予報の失敗ではなく、新しい情報を反映した結果です。
Q. 「ゆっくり」と言われるのは、良いことですか
どちらとも言えません。台風18号は、いま北西へゆっくり進んでいます。
良い面は、備える時間が長く取れることです。到達までに日数があります。
悪い面は二つあります。一つは、暖かい海の上に長くとどまるため、発達しやすいこと。今回、非常に強い勢力まで発達する可能性が示されているのは、これも一因です。
もう一つは、接近したときに影響が長引くことです。速度が遅い台風は、雨と風が同じ場所に長く居座ります。総雨量が増え、土砂災害の危険が高まります。
ですから、「ゆっくり」は安心材料ではありません。むしろ、警戒すべき条件です。
Q. 発生した数が多いと、日本に来る数も増えますか
必ずしも比例しません。
台風がどこへ向かうかは、太平洋高気圧の張り出し方で決まります。高気圧が強く西へ張り出す年は、台風が日本の南を西へ抜けていきます。
逆に、発生数が少なくても、そのすべてが日本へ向かう年もあります。
だから、「今年は多い」という感覚は、備えの根拠になりません。一つひとつの台風を、そのつど見てください。
Q. 停電したら、情報が取れなくなります
ここが盲点です。
電池で動くラジオを一つ用意してください。そして、モバイルバッテリーを満充電にしておく。
台風の情報を追っているうちに停電すれば、そこで情報が途切れます。これは、いまのうちにできる準備です。
小笠原と南鳥島にお住まいの方へ
本州より先に、こちらが影響を受けます。
23日が山場になる見込みです
予報では、21日にマリアナ諸島、23日15時ごろに小笠原近海へ達するとされています。
そして、この時点で「非常に強い」勢力まで発達している予想です。中心気圧940ヘクトパスカル、最大風速45メートル、最大瞬間風速65メートルという数字が出ています。
島の台風対策は、本州とは前提が違います
三つの点で違います。
一、逃げる先がありません。本州のように、内陸へ移動するという選択肢がない。建物の中で耐えることが前提になります。
二、船が止まります。台風の前後は欠航が続きます。物資も人も動きません。
三、停電と断水が長引きます。復旧の資材や人員が、船で来るしかないからです。
だから、備蓄の日数を長く取ってください
本州の目安が3日分だとすれば、島では1週間以上を見ておく必要があります。
能登半島地震では、道路が寸断されて2週間以上も孤立が続いた地区がありました。島の場合、海が荒れれば同じ状態になります。
水、食料、常備薬、電池。船が動かない期間を想定してください。
備蓄の考え方はローリングストックとは?にまとめました。
海に出る方へ
猛烈なしけへの警戒が出ています。
台風より先に、波が来ます
これが見落とされやすい点です。
うねりは、台風本体よりずっと速く進みます。晴れていて風もないのに、波だけが高くなることがあります。
釣り、サーフィン、磯遊び。この時期に、波にさらわれる事故が繰り返し起きています。
波の高さは、見た目では分かりません
予報の「波の高さ」は、平均的な高さを表しています。実際には、その2倍近い波が混じることがあります。
予報が3メートルなら、6メートル近い波が来る可能性があるということです。
そして、波は不規則に来ます。「しばらく大丈夫だったから」は、安全の根拠になりません。数十分に一度、突出して高い波が来ることがあります。
海に近づかないことが、いちばん確実な対策です。見に行くだけでも、足元をすくわれます。
船を扱う方は、早めの判断を
係留の強化、陸揚げ、避難港への移動。どれも、荒れてからでは間に合いません。
今回の台風は、日本の南に達するのが24日の見込みです。それより数日早く、うねりが到達します。
この記事の位置づけ
最後に、書いておきます。
予報は変わります
ここに書いた進路は、2026年8月20日18時45分発表の予報にもとづいています。
数日先の位置は確定していません。今後の発表で、大きく変わる可能性があります。
判断は、必ず気象庁の最新情報とお住まいの市町村の避難情報で行ってください。
それでも、いま書く意味があります
進路が決まってからでは、できないことがあるからです。
ハザードマップで自宅を調べる。水と電池を買う。モバイルバッテリーを充電する。
この三つは、進路がどうなっても無駄になりません。そして、接近が確実になった時点では、店の棚から物が消えています。
過去の台風の記録も残しています
この夏の台風について、それぞれ経過をまとめました。
台風13号(ドルフィン)は華中へ進み、台風15号(チャンホン)は関東へ接近しました。台風16号(ペイロー)は日本への影響がなく、台風17号(ナンカー)は熱帯低気圧に変わっています。
同じ夏でも、結果はこれだけ違います。だから、いまの段階で結論を急ぐ必要はありません。
不安になりすぎないでください
最後に、これだけ書いておきます。
発生した台風のうち、日本に上陸するのは一部です。今月の台風16号は、日本への影響がありませんでした。台風17号も、上陸せずに熱帯低気圧へ変わっています。
台風18号がどうなるかは、まだ誰にも分かりません。そして、分からないことを心配し続けるのは、いちばん消耗します。
やるべきことは決まっています。ハザードマップを見る。水と電池を買う。充電しておく。この三つを済ませたら、あとは1日2回、暴風域に入る確率を確認するだけで足ります。
進路がこちらに寄ってきたら、そのときに動けばよい。それまでは、いつもどおり過ごしてください。
まとめ|いまやることは三つです
最後に整理します。
今日やること
一、ハザードマップで自宅を調べる。進路と関係なくでき、5分で終わります。
二、水と電池を買っておく。使わなければ次に回せます。
三、モバイルバッテリーを充電する。費用はかかりません。
これから見ること
暴風域に入る確率の推移です。進路図の線ではありません。
そして、お住まいの市町村が出す避難情報。台風そのものより、こちらが行動の合図になります。
この記事は、経過を追って更新します
台風18号(ソウデル)の位置と勢力は、今後の発表にあわせて追記していきます。
発生の段階で何が分かり、何が分からないのかは「台風のたまご」とは?に、直前の情報の見方はキキクルの紫と黒は何が違う?にまとめました。

