野生動物を家に寄せつけない方法|柵より先にやるべき費用0円の5つ

・当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天市場・各種ASP)およびGoogleアドセンスを利用しています。
・記事内リンク経由でご購入いただいた場合、サイト運営者に紹介料が発生することがあります。
・掲載内容は収益に左右されず、公的機関の資料・メーカー公表仕様などの確認できる情報をもとに作成しています。

スポンサーリンク

【この記事の要約】
結論から言います。野生動物を家に近づけない方法は、餌を消すことと、隠れる場所をなくすことの二つだけです。柵や忌避剤より先に、これをやってください。費用はかかりません。とくに効くのは、収穫しない柿や栗を落とすこと。秋に人里へ出るクマの多くが、これを目当てにしています。次が生ゴミ、そして家のまわりの草刈りです。一度おいしい思いをした個体は、そこを餌場として覚え、繰り返し来ます。そして人を恐れなくなり、最後は駆除される。餌を断つことは、動物を守ることでもあります。この記事では、費用のかからない順に、家まわりの対策をまとめます。

目次

結論|順番があります

いきなり柵を買わないでください。効果と費用の順に並べます。

やること 効き方 費用
収穫しない果実を落とす 秋のクマを最も強く引き寄せます 0円
生ゴミを屋外に置かない においが遠くまで届きます 0円
家のまわりの草を刈る 隠れて近づける場所を消します 手間のみ
ペットフードを屋内へ 置きっぱなしが餌場になります 0円
収穫の残りを畑に捨てない 味を覚えさせる原因になります 0円
コンポストの管理 強いにおいを出します 0円
電気柵・防護柵 畑を守る。補助のある自治体があります 数万円〜
忌避剤・音や光の装置 慣れられます。補助的な位置づけ 数千円〜

上の五つが、費用ゼロで最も効きます。ここを飛ばして下の二つに手を出すと、効果が出ません。

なぜ、餌が最優先なのか

動物が人里に来る理由は、ほとんどが餌です。

山を歩き回るより、人の生活圏のほうが効率がいい。そう学習した個体が来ています。

柵を立てても、餌があるかぎり、別の場所から入ろうとします。来る理由そのものを消すほうが、確実です。

そして、これは動物を守ることでもあります

正直に書きます。

人の食べ物を覚えた個体は、繰り返し来ます。そして、人を怖がらなくなります。

人を恐れない個体は、いずれ市街地に入り、最終的に駆除されます。

餌を与えないことは、その動物の命を守ることにつながります。かわいそうだからと餌をやる行為が、結果としてその動物を殺します。

スポンサーリンク

果実|秋のいちばんの原因です

これが最も効く対策なので、詳しく書いておきます。

収穫しない柿と栗が、クマを呼びます

秋に人里へ出るクマの多くが、庭先の柿を目当てにしています。

理由は簡単です。甘くて、栄養があり、高い場所にまとまってある。クマにとって、これ以上ない餌です。

そして、木に登れば、家のすぐそばまで来ることになります。そこに人が出れば、鉢合わせです。

やることは三つです

一、実を採る。食べなくても構いません。落として処分してください。

二、落ちた実を片づける。地面のものも餌になります。

三、管理できない木は、伐採を検討する。高齢で採れなくなった場合、これが現実的な選択になります。

思い入れのある木を切るのは、簡単な決断ではありません。けれど、毎年クマを呼び続ける木を残すことのほうが、結果として重い問題になります。

切らずに済ませるなら、誰かに採ってもらう仕組みを作ってください。地域で一斉収穫を行う取り組みが、各地で行われています。

びわ、いちじく、ぶどうも同じです

柿と栗が代表ですが、甘い果実はすべて対象です。

そして、実だけでなく、皮や芯も同じです。庭に捨てないでください。堆肥にするつもりでも、表面に置けば餌になります。

近所とそろえないと、効果が落ちます

自分の家の柿を採っても、隣の家に放置された柿があれば、動物は来ます。

そして、動物はついでに、こちらの敷地も通っていきます。

だから、この対策は地域でまとめて行うと効果が跳ね上がります。町内会や自主防災組織が動ける領域です。仕組みは自主防災組織とは?にまとめました。

生ゴミ|においは遠くまで届きます

二番目に効く対策です。

屋外に置かないでください

前の晩から外に出しておく習慣があるなら、それをやめるだけで変わります。

クマの嗅覚は非常に鋭く、数キロ先のにおいを感知するとされています。袋一つでも、十分な目印になります。

集積所の囲いを見直してください

地域の集積所も同じです。

ネットだけでは、破られます。ふた付きの箱、金網の囲い、扉のある小屋。こうした形にすると効果があります。

町内会で相談する価値のある投資です。数万円の囲いで、地域全体の被害が減ります。一世帯あたりに直せば、わずかな負担です。

そして、出す時間を決めるだけでも変わります。収集の直前に出す形にすれば、屋外にある時間が短くなります。前の晩から出す習慣がある地域では、ここを見直す価値があります。

コンポストは、管理が要ります

家庭で生ゴミを堆肥にしている場合、強いにおいが出ます。

ふたを閉め、まわりに散らばらないようにしてください。出没が続く地域では、一時的にやめる判断もあります。

屋外の冷蔵庫や物置も確認を

意外な盲点です。

屋外に置いた冷蔵庫、物置に入れた米や野菜。クマもイノシシも、扉を壊して入ります。サルは手で開けます。

においが出るものは、できるだけ屋内に移してください。

草刈り|隠れる場所を消します

三番目に挙げましたが、これも非常に効きます。

動物は、開けた場所を嫌います

身を隠せない場所では、警戒して近づいてきません。

家のまわりに背の高い草があると、そこを伝って、建物のすぐそばまで来られます。

刈る範囲は、数メートルで足ります

敷地全部を刈る必要はありません。

建物から数メートル、見通しが確保されていれば十分です。最後の数メートルに隠れる場所がなければ、寄ってきません。

秋から冬に一度刈っておくと、長持ちします

草が伸びない時期に見通しを確保しておけば、春まで効果が続きます。

そして、使っていない畑や空き地も同じです。放置された土地が、動物の通り道になります。

竹やぶと、耕作をやめた畑

これらは、とくに強い隠れ場所になります。

個人で管理できない場合は、市町村に相談してください。地域の課題として取り上げられることがあります。

とくに竹は、放っておくと年々範囲を広げます。一度手をつけないと、数年で手に負えなくなります。早い段階で相談してください。

季節ごとに、やることが変わります

一年の流れで整理しておきます。

時期 やること 理由
春(3〜5月) 草刈りを始める。冬に伸びた分を刈る クマが冬眠から覚め、イノシシは子育て期
夏(6〜8月) 草刈りを続ける。生ゴミの管理を強める 草が最も伸び、においも出やすい
秋(9〜11月) 果実を落とす。ここが一年の山場です クマの人身被害が集中します
冬(12〜2月) 草刈りを一度行う。畑の残さを片づける 春まで見通しが保てます

秋が、いちばん重要です

クマによる人身被害は、10月だけで89人、9月から11月で161人と、年間の3分の2以上がこの時期に集中しています。

理由は冬眠です。冬を越すための脂肪をためようとして、活動範囲も時間も広がります。

そして、この時期にちょうど柿や栗が実ります。タイミングが完全に重なっています。

9月に入ったら、庭の果樹を確認してください。これが、一年でいちばん効く一手です。

冬の草刈りは、効率がいい

意外に思われるかもしれませんが、草が伸びない時期に刈っておくと、春まで効果が続きます。

夏に何度も刈るより、秋から冬に一度しっかり刈るほうが、手間の総量は少なくなります。

被害が始まっているかを確かめる

気づかないうちに来ていることがあります。

庭を見る三つの点

一、地面が掘り返されていないか。イノシシの跡です。10センチから30センチの深さで、土が横へ散っています。

二、木の皮がはがれていないか。シカの食害です。地面から1メートルから2メートルの高さに出ます。

三、食べごろの実だけ消えていないか。サルの特徴です。手で取って持ち去ります。

ゴミ置き場を見る

袋が破られている、中身が散らばっている、ネットがずれている。これらは、動物が来ている証拠です。

カラスとの見分けは、散らばり方でつきます。カラスはつついて穴を開けますが、獣は袋ごと引きずります。

跡を見つけたら

やることは二つです。

一、市町村に伝える。行政が出没を把握する材料になります。

二、そこにある餌を消す。跡があるということは、来る理由があるということです。

出没情報の調べ方と通報のしかたは、別の記事にまとめています。

スポンサーリンク

集合住宅と、都市部の場合

戸建て以外の方向けです。

ベランダに食べ物を置かない

サルは、ベランダの食べ物や、窓辺に置いた果物を持っていきます。

そして、生ゴミをベランダに置くのは避けてください。においが階下や周囲に広がります。

敷地内の緑地とゴミ置き場

マンションの植え込みが、通り道になっている例があります。

そして、集積所は、においが遠くまで届きます。ネットだけでなく、囲いのある形が有効です。

これは管理組合で相談する話になります。一世帯では変えられません。

窓の戸締まりを見直す

サルは手先が器用で、窓や引き戸を開けられます。網戸だけでは防げません。

出没が伝えられている地域では、在宅中でも窓を閉めてください。

マンション特有の備えはマンション高層階の防災にもまとめています。

地域でまとめて行う場合

いちばん効果が大きいやり方です。

一軒だけでは、届きません

繰り返しになりますが、これが要点です。

自分の家の柿を採っても、隣の家に放置された柿があれば、動物は来ます。そして、ついでにこちらの敷地も通ります。

だから、費用のかからない対策ほど、地域でそろえる意味が大きい。

取り組みやすい三つ

一、果樹の一斉収穫。秋に日を決めて、地域で採る取り組みが各地で行われています。採れない家を、採れる人が手伝う形です。

二、草刈りの日を決める。すでに行っている地域なら、動物対策という視点を加えるだけです。

三、ゴミ置き場の見直し。囲いを作る、出す時間を決める。町内会で決められます。

自主防災組織が使えます

災害のためだけの組織ではありません。

連絡網、見回り、注意喚起、共同作業。獣害でも、そのまま使えます。

そして、この活動自体が、災害が起きたときに助け合える関係を作ります。阪神・淡路大震災で、生き埋めになった方の多くを助けたのは近所の人でした。

仕組みは自主防災組織とは?にまとめました。

高齢の世帯を、地域で支える

柿の木があるのに採れない、草刈りができない。こうした世帯が、結果として餌場を作ってしまいます。

責めても解決しません。手伝う仕組みを作るほうが早い。

これも、災害時の避難支援と同じ構造です。誰が支援を必要としているかを、平時から把握しておくということです。

柵を検討する場合

ここまでやったうえで、まだ被害が出るなら考えます。

相手によって、必要な形が違います

相手 柵の要点 失敗しやすい点
イノシシ 下端を地面に固定する 鼻で押し上げて下から入ります
シカ 高さ2メートル前後 低い柵は跳び越えられます
サル 天井まで覆うか電気柵 登る・跳ぶ・くぐるすべてができます
クマ 電気柵が用いられます 通常の柵では止まりません

複数の動物が出る地域では、一つの柵で全部を止めるのは難しい。どれが最も被害を出しているかを見てから決めてください。

電気柵は、張り方で効果が変わります

正しく設置しないと、ただの目印になります。

一、相手に合わせた高さに張る。鼻先が当たる高さが重要です。イノシシは低く、シカは高い。

二、下の草を刈る。草が触れると漏電し、電圧が落ちます。

三、通電を定期的に確認する。効いていない柵は意味がありません。

そして、人が触れる危険があるため、必ず表示を出してください。これは法律上の義務でもあります。

補助金がある場合があります

柵の費用について、一部を補助している市町村があります。

制度があっても、申請しなければ受け取れません。そして多くの場合、設置の前に申請が必要です。

調べ方は補助金を自分の市区町村で調べる方法と同じ考え方でできます。「市町村名 鳥獣被害 補助」で検索してください。

忌避剤や、音の装置について

正直に書いておきます。

慣れられます

音や光で追い払う装置は市販されています。けれど、決定打にはなりません。

理由は、動物が慣れるからです。危険がないと分かれば、効かなくなります。とくにサルは学習が早い。

においの忌避剤も、限界があります

雨で流れ、時間で薄れます。定期的に置き直す必要があります。

そして、餌が魅力的であれば、においくらいでは止まりません。

使うなら、補助として

否定するものではありません。ただ、これだけに頼らないでください。

餌を消し、草を刈ったうえで、足りない部分を補うために使う。この位置づけが現実的です。

畑と家庭菜園を守る

作物を作っている方向けに、もう少し具体的に書きます。

いちばん多い失敗は、残さの放置です

これは繰り返し書きます。最も多く、最も効果の大きい改善点だからです。

売り物にならない野菜、切り落とした部分、傷んだ果実、収穫後の茎や葉。畑の隅に積んでおくと、そこが餌場になります。

そして、動物は学習します。「この畑には食べ物がある」と覚えたら、次は育っている作物を食べに来ます。

残さは持ち帰るか、土に深く埋めてください。表面に置かないことです。

収穫の時期を、遅らせない

「もう少し熟してから」と待っているあいだに、先に食べられます。

とくにサルは、いちばん食べごろのものを正確に選んで持っていきます。人間より判断が早い。

出没がある地域では、少し早めに収穫するほうが確実です。

夜間に収穫物を畑に置かない

その日のうちに運べない量を収穫したとき、畑に置いたままにしないでください。

においが強く、まとまってあるため、これ以上ない目印になります。

柵は、下と高さの両方を見る

相手によって弱点が違います。

イノシシは下から。鼻で押し上げて入るので、下端を地面に固定してください。高さより、ここが大事です。

シカは上から。跳び越えるので、2メートル前後の高さが必要です。

サルはどこからでも。登り、跳び、くぐります。天井まで覆うか、電気柵を組み合わせる形になります。

両方が出る地域では、高さと下端の両方を考える必要があります。

ペットと家畜がいる場合

見落とされやすい部分です。

ペットフードを屋外に置かない

犬小屋のそば、玄関先、物置。置きっぱなしの餌が、そのまま餌場になります。

食べ残しも片づけてください。においは残ります。器を洗って、屋内にしまうところまでが対策です。

犬を庭につないだままにしない

犬が吠えると、相手を刺激します。そして、フェンス越しに接触する事故が起きています。

出没が伝えられている時期は、屋内か、囲いのある場所に入れてください。

散歩の時間と経路を変える

朝夕は、多くの動物が活発になる時間です。そして、人の目も効きにくい。

出没がある地域では、この時間の川沿いと林のそばを避けてください。それだけで確率が下がります。

ペットと避難する場合の考え方はペットの災害避難にまとめました。

鶏や小動物を飼っている場合

飼料は密閉して保管してください。袋のままでは、においが漏れます。

そして、小屋そのものが狙われます。金網の目が細かいか、扉が外から開かないかを確認してください。

都市部でも、確認だけはしてください

「うちは関係ない」で終わらせる前に、一度だけ見てほしいことがあります。

三つの条件を数えてください

一、500メートル以内に川か用水路がある。河川敷は、山から市街地までの通路になります。

二、近くに緑地、林、竹やぶがある。身を隠しながら移動できます。

三、周辺に耕作をやめた畑や、管理されていない空き地がある。

三つとも当てはまるなら、対策をする意味があります。一つ以下なら、優先度は低くて構いません。

そして、市町村の出没情報を一度見てください

「市町村名 クマ 出没」または「市町村名 イノシシ 出没」で検索できます。

年に数件も出ていなければ、生ゴミの管理だけで十分です。それ以上のことに時間を使う必要はありません。

調べることの目的は、安心することでも不安になることでもありません。自分に必要な行動の量を決めることです。

実家や、旅行先でも同じです

ご自身の家が該当しなくても、実家が山あいにあるなら、話は変わります。

高齢の方は、畑仕事や散歩の時間が、動物の活動時間と重なりやすい。そして、果樹を管理できなくなっていることがあります。

帰省したときに、庭の果実を落とすのを手伝ってください。これは、離れて暮らしていてもできる支援の一つです。

ハザードマップを一緒に確認するのと、同じ性質のものだと思います。手順はハザードマップの見方にまとめました。

やってはいけないこと

逆効果になるものを挙げます。

一、餌を与える

これが最も問題です。かわいそうだから、めずらしいから。理由は何であれ、やめてください。

与えた人ではなく、次に通る人が襲われます。そして、その動物は最終的に駆除されます。

条例で禁止している自治体もあります。

二、追いかける、写真を撮ろうとする

見かけたときに近づくのは、けがに直結します。

そして、市街地に出た場合、人がいると行政は緊急銃猟を行えません。見物が対応を止めます。

三、自分で捕獲しようとする

わなの設置には許可が必要です。無許可で行うと、法律に触れます。

そして、かかった動物を扱うのは非常に危険です。市町村に相談してください。

四、毒物を使う

言うまでもありませんが、絶対にやめてください。

他の動物やペット、子どもに被害が及びます。そして、法律に触れます。

五、一度やって、やめてしまう

これが、実際にはいちばん多い失敗かもしれません。

草を一度刈って、翌年は放置する。生ゴミの管理を数か月でやめる。これでは戻ります。

習慣にしてしまうのが、いちばん楽で確実です。年に数回、決まった時期にやると決めてください。

よくある質問

Q. 家庭菜園をしています。何から始めますか

収穫の残りを畑に捨てるのをやめてください。これが最優先です。

売り物にならない野菜、切り落とした部分、傷んだ果実。畑の隅に捨てておくと、そこが餌場になります。

一度おいしい思いをした個体は、その畑を覚えます。そして次は、育っている作物を食べに来ます。

Q. マンションに住んでいます。関係ありますか

敷地内の緑地とゴミ置き場は関係します。

植え込みが通り道になっている例があります。そして、ゴミの集積所は、においが遠くまで届きます。

管理組合で、ゴミ置き場の囲いを見直すだけで変わります。ベランダに食べ物や生ゴミを置かないことも有効です。

Q. 餌をあげている人が近所にいます

市町村に相談してください。直接注意すると、こじれることがあります。

多くの自治体が、餌やりをやめるよう呼びかけています。条例で禁止している地域もあります。

行政から地域全体へ周知してもらうほうが、角が立ちません。

Q. 忌避剤は買う価値がありますか

餌を消し、草を刈ったうえでなら、補助として使えます。それより前に買うのは、順番が違います。

においの忌避剤は雨で流れ、時間で薄れます。音や光の装置は、動物が慣れます。どちらも、単独では止められません。

数千円を使うなら、まず草刈り機の刃を買い替えるほうが効きます。正直なところ、そういう性質のものです。

Q. 空き家が近くにあります

市町村に相談してください。手入れされない敷地は、隠れ場所と餌場の両方になります。

放置された果樹、伸びた草、たまったゴミ。個人で入って作業することはできません。

空き家の管理は、多くの自治体が課題として扱っています。獣害の観点から相談すると、話が進むことがあります。

Q. どのくらい続ければ効果が出ますか

数か月から、一年ほど見てください。

すでに餌場として覚えられている場合、しばらくは来ます。けれど、繰り返し何もなければ、来る回数が減っていきます。

途中でやめると、また戻ります。習慣にしてしまうのが、いちばん楽です。

Q. 費用をかけずにできることを、もう一度教えてください

五つです。

収穫しない果実を落とす。生ゴミを外に置かない。家のまわりの草を刈る。ペットフードを屋内へ。収穫の残りを畑に捨てない。

どれも今日から始められて、柵や道具より確実に効きます。

なぜ、来る理由をなくすことが効くのか

考え方の背景を書いておきます。

動物は、割に合うかどうかで動きます

野生動物にとって、餌を探すことは体力を使う作業です。できるだけ少ない労力で、多くのカロリーを得たい。

山の中を歩き回って木の実を探すより、庭の柿を食べるほうが、はるかに効率がいい。

だから、来ます。危険を冒してでも、それに見合う報酬があるからです。

報酬をなくせば、来なくなります

逆に言えば、来ても何も得られない場所には、通わなくなります。

これが、餌を消すことが効く理由です。追い払うのではなく、来る動機そのものを消しています。

そして、隠れる場所がなければ、危険が増します。報酬が減り、危険が増えれば、割に合わなくなります。

だから、柵より先に来るのです

柵は、報酬があることを前提に、物理的に止める方法です。

報酬がある以上、動物は別の入口を探します。そして、柵には必ず弱点があります。

報酬そのものを消すほうが、根本的で、費用もかかりません。

時間がかかることを、知っておいてください

期待の持ち方についてです。

すでに覚えられている場合、すぐには止まりません

何年も餌場として使われてきた場所なら、対策を始めてもしばらくは来ます。

「効果がない」と感じて、途中でやめてしまう方がいます。これが最ももったいない。

数か月から一年ほど見てください。繰り返し何も得られなければ、来る回数は確実に減っていきます。

世代が変われば、記憶も薄れます

餌場を覚えているのは、その個体です。

親から子へ伝わることもありますが、実際に何も得られなければ、その学習は続きません。

だから、習慣にしてください

「今年だけ頑張る」ではなく、毎年の作業として組み込んでしまうのが、いちばん楽です。

秋に果実を落とす。冬に草を刈る。生ゴミは常に屋内。この三つを固定してしまえば、考える必要がなくなります。

まとめの前に、優先順位をもう一度

この記事は長くなったので、要点だけ抜き出します。

今日やること(費用0円)

一、庭に採らない果樹があるか確認する。あれば、秋までに実を落とす計画を立ててください。

二、生ゴミの置き場所を屋内に変える。今夜から変えられます。

三、建物のまわり数メートルの見通しを確かめる。草が高ければ、刈る予定を入れてください。

今月やること

四、ペットフードと収穫の残さを見直す。

五、市町村の出没情報を一度見る。自分の地域の頻度が分かります。

それでも被害が続くなら

六、柵を検討する。相手に合わせた形を選び、補助金の有無を市町村に確認してください。

七、地域で取り組む。一軒では限界があります。町内会や自主防災組織に相談してください。

それでも出会ってしまったときの行動は、野生動物に遭遇したらにまとめました。クマイノシシサルとシカで正解が違います。出没情報の調べ方はこちらです。

まとめ|餌を消し、隠れ場所をなくす

最後に整理します。

今日できること

一、庭の果実を確認する。採らない木があれば、実を落としてください。

二、生ゴミの置き場所を変える。屋外に出しているなら、屋内へ。

三、家のまわりの草を見る。建物から数メートル、見通しがあるか確かめてください。

そして、地域でそろえてください

一軒だけでは足りません。隣に餌があれば、動物は来ます。

費用のかからない対策ほど、地域でそろえる意味が大きい。これは、防災訓練や備蓄の呼びかけと同じ性質のものです。

費用対効果で見てください

この記事で挙げた対策を、費用と効果で並べ直します。

費用0円で効果が大きい。果実を落とす、生ゴミを屋内へ、残さを畑に置かない、ペットフードを屋内へ。

手間だけで効果が大きい。家のまわりの草刈り。

費用がかかり、効果は確実だが限定的。電気柵、防護柵。畑や庭という決まった範囲を守ります。

費用がかかり、効果は限定的。忌避剤、音や光の装置。慣れられます。

上の二つで、被害の多くは減ります。そして、それは今日から始められます。

これは、防災と同じ構造です

起きてから対応するより、起きにくくするほうが安く、確実で、被害が小さい。

ハザードマップで危険を知り、家を丈夫にし、備蓄をしておく。獣害でも、餌を消し、草を刈り、情報を共有する。

やっていることの構造は、まったく同じです。違いは、相手が動くことだけです。

そして、地震や台風と違い、獣害はこちらの行動しだいで、来る確率そのものを下げられます。そこは、むしろ扱いやすい相手だと言えます。

庭の柿を落とす。生ゴミを中に入れる。草を刈る。これだけで、多くの被害は防げます。特別な道具も、専門の知識も要りません。

備え全体の順番は防災は何から始める?最初にやること8ステップに、災害の分類は災害の種類とは?にまとめました。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

目次