【この記事の要約】
先に、いちばん大事なことを申し上げます。養生テープを貼っても、窓は割れます。テープでガラスが強くなることはありません。変わるのは、割れたあとの飛び散り方だけです。窓を割るのは風そのものではなく、飛んできた物です。ですから守り方は順番で決まります。一番は雨戸やシャッター。次に飛散防止フィルム。次に段ボールとテープ。最後にカーテンを閉めて窓から離れること。フィルムはJIS A 5759という規格があり、網入りガラスに合わないものを貼ると熱割れを起こします。この記事では、順番と、やってはいけないことを整理します。
結論|窓は「割れない」ようにはできません
台風のたびに、同じ光景を見ます。窓に養生テープを米の字に貼った家です。
気持ちは分かります。けれど、これで窓が割れなくなるわけではありません。
テープが変えるのは、割れ方です
ガラスに紙のテープを貼っても、ガラスの強度は上がりません。飛んできた瓦が当たれば、テープの有無にかかわらず割れます。
では意味がないのかというと、そうでもありません。割れたときに、破片が大きな塊のまま落ちやすくなります。細かい破片が室内に飛び散るのを、いくらか減らします。
つまりテープは「割れないための対策」ではなく「割れたときの被害を減らす対策」です。ここを取り違えると、危険な安心を持つことになります。
守り方には、はっきりした順番があります
| 優先 | 方法 | 効果 |
|---|---|---|
| 1 | 雨戸・シャッターを閉める | 物が当たる前に止められます。最も強い |
| 2 | 飛散防止フィルムを貼る | 割れても破片がフィルムに留まります |
| 3 | 外側から板や段ボールで覆う | 当たる力を弱められます |
| 4 | 内側に段ボール+テープ | 飛び込む破片を受け止めます |
| 5 | 養生テープを貼る | 飛散をいくらか減らします |
| 6 | 厚手のカーテンを閉める | これだけでも効きます。必ずやってください |
| 7 | 窓のある部屋から離れる | 最後にして、最も確実 |
1から5は、事前にしかできません。6と7は、台風が来てからでもできます。そして6と7を飛ばすと、他をどれだけやっても意味が薄れます。
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窓を割るのは、風ではありません
ここを誤解している方が多いところです。
飛んでくる物が割ります
台風の風圧だけで、住宅の窓ガラスが割れることは多くありません。割れる原因のほとんどは、飛来物の衝突です。
何が飛んでくるのか。いちばん多いのは、自分の家のまわりにあった物です。
植木鉢。物干し竿。ごみ箱。サンダル。自転車。すだれ。ベランダに置いたままの、いつものあれです。
次に多いのが、近所から飛んでくる物です。瓦、トタン板、看板の破片、砂利。屋根の瓦は、想像より遠くまで飛びます。
だから、片づけが最強の窓対策です
テープを貼る時間があるなら、先にベランダと庭を片づけてください。効果はそちらのほうがはるかに大きくなります。
片づけられない物は、固定するか、寝かせてください。自転車は倒しておく。物干し竿は下ろす。植木鉢は室内か風の当たらない場所へ。
台風前の準備全体は台風の完全ガイド【2026年版】にまとめています。
やってはいけない、四つの思い違い
広まっているけれど、正しくないものがあります。
一、「気圧差を逃がすために窓を少し開ける」
これは危険です。絶対にやらないでください。
住宅は完全な密閉容器ではありません。気圧差で家が壊れることを心配する必要はないのです。
むしろ逆です。開いた窓から風が入ると、内側から屋根や壁を押し上げる力が生まれます。これが屋根を飛ばす力になります。
窓は閉めてください。鍵もかけてください。鍵をかけると、サッシの気密が上がり、雨の吹き込みも減ります。
二、「網入りガラスだから割れにくい」
網入りガラスは、防火のためのものです。火事のときに、ガラスが崩れ落ちて火が広がるのを防ぐために入っています。
強度を上げるためのものではありません。飛来物が当たれば割れます。
それどころか、網入りガラスには弱点があります。金属の網とガラスの膨張の差で、熱割れを起こしやすいのです。だから、貼るフィルムを選ぶときに注意が要ります。
三、「ペアガラスは強い」
複層ガラス、いわゆるペアガラスは、断熱と結露を抑えるためのものです。
2枚あるから2倍強い、ということではありません。外側の1枚が割れれば、そこから物が入ってきます。
断熱性能が高いのは確かです。ただし、防災の性能とは別の話です。
四、「窓の前に立って様子を見る」
言うまでもないことですが、実際にやってしまう方がいます。
台風のときに、窓に近づかないでください。割れる瞬間に立っていたら、顔と目に破片を受けます。
外の様子は、テレビとインターネットで分かります。自分の目で見に行く必要はありません。
どの窓から守るか
家中の窓を同じように守る必要はありません。危ない窓と、そうでない窓があります。
優先すべき窓の見分け方
| 優先度 | どんな窓か | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | 大きな掃き出し窓 | 面積が大きく、割れたときの破片も多い |
| 高 | 風の当たる面にある窓 | 台風の進路によりますが、南と東は当たりやすい |
| 高 | 寝室・子ども部屋の窓 | 人が長くいて、逃げ遅れやすい |
| 中 | 雨戸もシャッターもない窓 | 守るものが何もありません |
| 中 | 隣家や道路に近い窓 | 飛来物が届きやすくなります |
| 低 | 浴室やトイレの小窓 | 面積が小さく、人も長くいません |
予算が限られるなら、掃き出し窓と寝室からです。すべての窓にフィルムを貼るのは、費用も手間もかかります。
風は、家のどこに当たるか
台風は反時計回りに風が吹き込みます。そして台風が通り過ぎるあいだに、風向きは変わります。
「南側だけ守ればいい」とはなりません。台風が東を通るか西を通るかで、当たる面が変わります。
ただし、家のまわりの状況のほうが効きます。隣に建物があって風が遮られている面より、開けている面のほうが危険です。畑や駐車場、川に面した窓は、特に注意してください。
竜巻と突風は、台風とは別物です
予測ができないという点で、まったく違います。
数分しか余裕がありません
竜巻注意情報が出ても、どこで起きるかまでは分かりません。気づいてから行動できる時間は、数分です。
そのときにやることは、はっきりしています。
一、窓から離れる。これが最優先です。
二、家の中央側、窓のない部屋へ移る。浴室、トイレ、廊下、階段の下。
三、1階へ下りる。2階より1階のほうが安全です。
四、頭を守り、身を低くする。丈夫な机の下に入れるなら入ります。
五、車の中は安全ではありません。持ち上げられます。丈夫な建物に入ってください。
前ぶれがあります
竜巻が近づくとき、こうした変化が現れることがあります。
真っ黒な雲が近づき、急に暗くなる。
雷やひょうが降りだす。
冷たい風が吹き出す。
ごう音が聞こえる。
これらに気づいたら、説明を求めずに、まず建物の中へ入ってください。判断は、あとでよいのです。
窓のまわりにある、もう一つの危険
ガラスだけではありません。
窓ぎわに置いた物が凶器になります
地震のときの話です。窓のそばに背の高い家具を置いていると、倒れて窓を割ります。
そして倒れた家具は、逃げ道を塞ぎます。窓を割り、破片を撒き、通路を塞ぐ。三重に悪いことが起きます。
本棚、食器棚、テレビ台。これらは、窓と出入口から離して置いてください。置き場所を変えるだけなら、費用はかかりません。
ガラス戸のある家具も同じです
食器棚の扉が開いて、中身が飛び出す。これが、地震のけがの大きな原因です。
扉に留め具を付けてください。数百円のものでも、開かなくなります。
そしてガラス面には飛散防止フィルムを貼れます。窓に貼るのと同じものが使えます。
ベランダの手すりと物干し
台風のとき、ベランダから飛ぶのは物だけではありません。すだれ、日よけ、鉢のスタンド。固定が甘いと外れます。
特に、すだれとよしずは必ず外してください。面積があるぶん、風をよく受けます。飛んだ先で、他の家の窓を割ります。
停電と一緒に起きたとき
台風では、窓の破損と停電が同時に起きます。これが、いちばん厄介な組み合わせです。
暗いと、破片が見えません
懐中電灯は、手元ではなく足元を照らしてください。床の破片を見つけるためです。
そしてヘッドライトがあると、両手が空きます。片づけにも、応急処置にも使えます。
停電への備えは停電が長引いたときの対策にまとめました。
雨が吹き込むと、電気の危険が加わります
割れた窓から雨が入り、コンセントや延長コードが濡れる。ここから漏電や火災が起きます。
濡れた家電の電源は入れないでください。そして、床が濡れている部屋のブレーカーを落とすことも考えてください。
仕組みは電気火災とは?にまとめています。
飛散防止フィルムの選び方
事前にできる対策として、いちばん確実なものです。
JIS A 5759という規格があります
飛散防止の性能は、JIS A 5759という日本産業規格で定められています。
製品を選ぶときは、この規格に適合しているかを確認してください。ただの透明シートでは、意味がありません。
厚みの目安もあります。薄いものより厚いもののほうが、破片を留める力が強くなります。製品の表示を見てください。
自分の家のガラスに合うか、必ず確かめてください
ここが、いちばん見落とされる部分です。
網入りガラスや、熱線を吸収するタイプのガラスに、対応していないフィルムを貼ると熱割れを起こします。日差しで温まった部分と、そうでない部分の差でガラスが割れるのです。
製品には、必ず適合表がついています。自分の家のガラスの種類を確かめてから買ってください。
| ガラスの種類 | 見分け方 | フィルムの注意 |
|---|---|---|
| フロート板ガラス(普通の透明) | 透明で、中に何もない | ほとんどの製品が使えます |
| 網入りガラス | 中に金属の網が見える | 熱割れに注意。適合表の確認が必須 |
| すりガラス・型板ガラス | 曇っている、模様がある | 専用品が要ります |
| 複層ガラス(ペア) | サッシの断面が厚い | 適合表を確認してください |
| Low-Eガラス | うっすら色がついて見える | 熱割れの危険があります |
貼るのは、室内側です
飛散防止フィルムは、部屋の内側から貼ります。割れた破片が室内へ飛ぶのを止めるためです。
台風の前日に慌てて貼るものではありません。晴れた日に、時間をかけて貼ってください。気泡が入ると、そこから剥がれます。
そして地震のときにも効きます。揺れで割れた窓の破片が床に散らばると、そのあと歩けなくなります。台風より、こちらの効き目のほうが大きいかもしれません。
直前にできること
台風が近づいてから、フィルムを注文しても間に合いません。その場合の順番です。
雨戸とシャッターが最優先です
あるのに閉めていない家があります。これが最ももったいない。
閉まりが悪くなっていないか、いま確認してください。台風が来てから動かないと分かっても、直せません。
閉めたら、ロックまでかけてください。風で押し開けられることがあります。
段ボールとテープの組み合わせ
雨戸がない窓には、段ボールが使えます。
窓の内側に段ボールを当て、周囲を養生テープで留めます。これで、飛び込んでくる破片をかなり受け止められます。
外側に打ちつけられる板があるなら、そのほうが強くなります。ただし、作業中に風が強まったら中止してください。屋外での作業は、暗くなる前、風が強まる前に終えることです。
養生テープの貼り方
貼るなら、こうしてください。
一、米の字に貼ります。縦、横、斜め二本。ガラス全体に力が分かれるようにします。
二、ガラスの端まで貼ります。途中で止めると、そこが弱くなります。
三、内側に貼ります。外側は雨で剥がれます。
四、ガムテープは使わないでください。粘着剤がガラスに残り、あとで取れなくなります。日に焼けると、さらに厄介です。
五、台風が過ぎたら、早めに剥がしてください。養生テープでも、長く貼ったままだと跡が残ります。
カーテンは、必ず閉めてください
費用がかからず、効果があり、いますぐできます。これをやらない理由がありません。
厚手のカーテンを閉め、できればレースも一緒に閉めます。割れた破片を、カーテンが受け止めます。
雨戸のある家でも、カーテンは閉めてください。手間はゼロで、効果があります。
割れてしまったときの行動
ここからは、起きてしまったあとの話です。
まず、その部屋を離れてください
片づけようとしないでください。風が吹き込んでいる部屋で、破片は動き続けます。
やることは三つです。
一、その部屋から出る。
二、ドアを閉める。風が家の中を通り抜けると、別の窓や屋根に力がかかります。風の通り道を作らないでください。
三、家族に知らせる。特に、子どもと高齢の方を近づけないこと。
足元を守ってください
停電していると、破片が見えません。裸足やスリッパでは、必ず切ります。
底の厚い靴を、家の中で履いてください。非常持ち出し袋に運動靴を入れておく理由の一つが、これです。中身の考え方は非常持ち出し袋の中身にまとめました。
塞ぐのは、風がおさまってからです
強風の中で窓を塞ごうとすると、体ごと持っていかれます。風が弱まるまで待ってください。
おさまってからの応急処置は、段ボールとブルーシート、養生テープで足ります。ガラス屋さんは、台風のあとは大変混み合います。数日は自分で持たせる前提で考えてください。
写真を撮ってから片づけてください
これを忘れる方が多くいます。
割れた窓、飛んできた物、濡れた床と家財。片づける前に撮ってください。
窓ガラスの破損は、火災保険の風災補償の対象になります。ただし、原因が風災であることを示す必要があります。詳しくは雨漏りは火災保険で直せる?にまとめました。
地震のときの窓
台風より、こちらのほうが対策の効き目が大きい場面があります。
逃げ道が、破片で塞がれます
大きな揺れでは、食器棚のガラス、窓、鏡が割れます。床一面に破片が広がると、玄関まで歩けなくなります。
暗い中で、裸足で、破片の上を歩く。これで足を切ると、その後の避難がすべて難しくなります。
だから、寝室には靴を置いてください。スリッパではなく、底の厚い靴です。枕元でなくてよいので、手の届くところに。
飛散防止フィルムは、地震でこそ効きます
台風は来ると分かってから備えられます。地震は、そうではありません。
貼ってあるフィルムは、いつ起きても働きます。これが、事前に貼っておく最大の理由です。
地震の備え全体は地震への備えをご覧ください。
費用と、どこまでやるかの目安
全部やろうとすると、費用も手間も膨らみます。どこで区切るかを決めてください。
かかるお金の幅
| 対策 | 費用の目安 | 持続性 |
|---|---|---|
| カーテンを閉める | 0円 | 毎回の行動 |
| ベランダの片づけ | 0円 | 毎回の行動 |
| 養生テープ | 数百円 | その1回きり |
| 段ボールで覆う | 0円から数百円 | その1回きり |
| 飛散防止フィルム(自分で貼る) | 1枚あたり数千円から | 数年から10年ほど |
| 飛散防止フィルム(業者に依頼) | 1枚あたり1万円台から | 数年から10年ほど |
| シャッターの後付け | 1か所あたり十数万円から | 長く使えます |
| 防犯・防災合わせガラスへの交換 | 1枚あたり数万円から | 長く使えます |
幅があるのは、窓の大きさ、枚数、ガラスの種類、地域によって変わるためです。見積もりは複数社から取ってください。
どこまでやるかの考え方
賃貸なら、カーテンと片づけ、そして剥がせるフィルムまで。大きな工事は、そもそもできません。
持ち家で、雨戸がある家なら、まず雨戸を確実に使うこと。すでにある設備を使い切るのが、いちばん安く効きます。
持ち家で、雨戸がない大きな窓があるなら、そこにフィルムかシャッターを。1か所に絞ってよいのです。
そして台風のたびに毎回テープを買うより、一度フィルムを貼るほうが安くつくという考え方もあります。何年住むかで判断してください。
合わせガラスという選択肢
窓ガラス自体を、防犯・防災向けの合わせガラスに替える方法もあります。2枚のガラスのあいだに、強い中間膜がはさまれているものです。
割れても、破片が中間膜に留まります。そして、物が貫通しにくくなります。フィルムより効果は高くなります。
ただし費用も高く、サッシごと替える必要が出ることもあります。家を建てるとき、リフォームのときに検討するものです。
季節ごとに、見るところが変わります
窓の対策は、台風のときだけではありません。
夏|台風とゲリラ豪雨
本番は8月から9月です。台風が近づいてからでは、店から養生テープが消えます。
そして、この時期は停電と熱中症が一緒に来ます。窓が割れて雨戸も閉められない家で、エアコンも止まる。この組み合わせが危険です。
冬|雪と、暴風雪
北海道や日本海側では、冬のほうが風が強い日があります。爆弾低気圧の風は、台風に匹敵します。
加えて、屋根から落ちた雪の塊が、1階の窓を割ることがあります。落雪の下に窓がある家は、ここを意識してください。
雪の危険は屋根の雪下ろしと落雪事故の対策にまとめました。
春と秋|突風と、ひょう
季節の変わり目は、大気の状態が不安定になります。ひょうが窓や車を叩く被害が、この時期に集中します。
ひょうによる被害も、火災保険の雹災として補償の対象です。降ったら、被害の写真を撮っておいてください。
いつでも|地震
そして地震は、季節を選びません。だから、貼ってあるフィルムがいちばん頼りになります。
季節ごとの対策を一つずつやるより、一度貼れば全部に効くものを先にやる。これが、費用対効果のいちばんよい選び方です。
賃貸とマンションの場合
持ち家とは、判断が変わります。
賃貸でフィルムを貼ってよいか
剥がせるタイプであれば、問題になりにくいところです。ただし、退去のときに跡が残ると原状回復の話になります。
心配なら、管理会社に一言確認してください。防災目的だと伝えれば、断られることはあまりありません。
窓ガラスが割れた場合の負担は、原因によって変わります。台風など自然災害が原因なら、建物の修理は貸す側です。くわしくは賃貸住宅で災害が起きたときの原状回復義務にまとめています。
マンションの窓は、共用部です
意外に知られていない点です。窓ガラスとサッシは、多くのマンションで共用部として扱われます。
ですから、勝手に交換したり、外側に何かを取り付けたりはできません。割れたときは、まず管理会社に連絡してください。
室内側にフィルムを貼るぶんには、たいてい問題ありません。ただし管理規約を確認してください。
高層階は、風が強くなります
同じ建物でも、上の階ほど風は強く吹きます。ベランダに置いた物が飛ぶ危険も、それだけ高くなります。
そして高層階から飛んだ物は、下にいる人に当たります。台風の前は、ベランダに何も置かない。これは自分のためだけの話ではありません。
今日のうちにできる確認
お金をかけずに、いまできることです。
一、雨戸とシャッターが動くか確かめる。何年も開けたままなら、動かない可能性があります。
二、家のガラスの種類を確かめる。網が入っているか、色がついて見えるか。フィルムを買うときに必要です。
三、ベランダと庭を見回す。飛びそうな物を数えてください。
四、寝室に靴があるか確かめる。地震はいつ来るか分かりません。
五、養生テープが家にあるか確かめる。台風が近づくと、店から消えます。
この5つは、30分もあれば終わります。そして、台風が来てからでは、どれもできません。
よくある質問
Q. 養生テープは、貼らないほうがよいのですか
そうではありません。貼る意味はあります。ただし「これで割れない」と思わないでください、という話です。
時間に余裕があるなら、片づけ、雨戸、カーテンを先に済ませてから貼ってください。順番が大事です。
Q. フィルムは自分で貼れますか
小さな窓なら、貼れます。大きな窓は、二人でやったほうが確実です。
失敗の多くは、気泡とほこりです。窓をよく洗い、乾く前に貼るのがこつです。製品の説明書のとおりにやってください。
Q. すでに割れています。どうやって塞げばよいですか
風がおさまってから、段ボールを当てて養生テープで留め、外からブルーシートをかけます。雨の吹き込みを止めるのが目的です。
大きな破片は、軍手ではなく厚手の手袋で扱ってください。軍手は切れます。
そして、片づける前に写真を撮ってください。
Q. 窓を守るシャッターは、後付けできますか
できます。ただし戸建てに限られることが多く、マンションでは共用部の扱いになるため難しくなります。
費用は窓の大きさと数によります。すべての窓に付ける必要はありません。風が当たりやすい面、大きな掃き出し窓から考えてください。
Q. 割れた窓は、火災保険で直せますか
台風や突風が原因なら、風災補償の対象になります。飛来物が当たって割れた場合も同じです。
ただし、古い契約には損害額20万円以上でないと支払われない方式が残っています。窓1枚だけでは届かないこともあります。屋根や外壁の被害とまとめて申告できないか、確認してください。
保険の全体像は火災保険の見直し方【2026年版】をご覧ください。
Q. 子どもがいる家では、何を優先すべきですか
窓のある部屋に近づけないことです。そして、風が強まる前に、家の中央側の部屋へ移してください。
廊下、階段の下、窓のない部屋。そこが、家の中でいちばん安全な場所になります。
Q. 車の窓は、どう守ればよいですか
車のフロントガラスは合わせガラスなので、割れても飛び散りにくくできています。問題は、側面と後ろの窓です。
台風のときは、できるだけ屋根のある場所へ。それが無理なら、飛来物の少ない場所、周囲に物のない場所へ移してください。
そして浸水しそうな場所には停めないでください。川沿い、地下駐車場、道路より低い駐車場。窓を守っても、水没すれば同じことです。
Q. 割れた破片は、どう捨てればよいですか
厚手の紙に包み、「危険」「ガラス」と大きく書いてください。収集する方がけがをします。
災害のあとは、自治体が災害ごみとして別に受け付けることがあります。ふだんの分別と違う場合があるので、自治体の案内を確認してください。
掃除機で吸わないでください。細かい破片がホースを傷め、あとで出てきます。粘着テープで押さえて取るほうが確実です。
Q. 台風のあと、割れていなくても見るべきところは
あります。サッシのまわりと、ガラスの縁です。
小さな傷やひびが入っていることがあります。そのままだと、次の風や気温差で一気に割れます。
そしてサッシの下に水がたまっていないか。排水の穴が詰まっていると、そこから室内に入ってきます。
Q. 高齢の親の家は、何から手を付ければよいですか
雨戸が動くかどうかから確かめてください。年を取ると、重い雨戸を閉めるのがつらくなります。あるのに閉めていない家が、本当に多いのです。
動きが悪いなら、レールの掃除と潤滑剤で改善することがあります。それでも重いなら、電動シャッターへの交換も選択肢です。
そして寝室の窓のそばに、背の高い家具がないか見てください。地震のとき、寝ている場所の近くで窓が割れるのがいちばん危険です。
離れて暮らしているなら、台風の前に電話で「雨戸は閉めた?」と聞くこと。それだけでも、確実に効きます。
Q. ペットがいる家で気をつけることは
窓のある部屋にケージを置かないでください。そして台風のときは、家の中央側の部屋へ移してください。
破片の上を歩いた肉球は、簡単に切れます。人の靴と違って、守るものがありません。
割れたあとの部屋には、入れないようにドアを閉めてください。
住まいを守る、8つの記事
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まとめ
要点を並べます。
一、テープを貼っても窓は割れます。変わるのは飛び散り方だけです。
二、窓を割るのは風ではなく、飛んできた物です。片づけが最強の対策になります。
三、気圧差のために窓を開けてはいけません。逆に危険が増します。
四、網入りガラスは防火用で、強くはありません。フィルムを選ぶときは熱割れに注意してください。
五、飛散防止フィルムはJIS A 5759の適合品を、晴れた日に室内側から。
六、カーテンを閉めて、窓のある部屋から離れる。これが最後で、最も確実です。
七、割れたら、片づける前に写真を撮ってください。
窓は、家の中でいちばん弱いところです。そして、いちばん人の近くにあります。
だからこそ、割れない工夫より、割れたときに人が傷つかない工夫を優先してください。厚手のカーテンを閉めて、その部屋から出る。それだけで、けがの多くは防げます。
最後に、ひとつだけ付け加えます。この記事で挙げた対策のうち、お金がかかるものは一つもありません。片づけ、雨戸、カーテン、部屋を移る。今夜からできます。
フィルムやシャッターは、そのあとで構いません。順番を守れば、けがの多くは今日から防げます。
備え全体の順番は防災は何から始める?最初にやること8ステップに、自宅の災害リスクはハザードマップの見方にまとめています。




