【この記事の要約】
火災保険は、2022年10月から契約期間が最長10年から5年に短縮されました。つまりいま、更新の時期を迎える人が続々と出ています。そして2024年10月には、参考純率が全国平均で過去最大となる13%の引き上げとなり、あわせて水災料率が1等地から5等地までの5区分に細分化されました。住んでいる場所の水災リスクが、そのまま保険料に反映されるようになったということです。見直しで確認すべきは三つ。水災補償を外していないか、家財の契約があるか、免責金額はいくらか。この記事では、その三つの判断のしかたをまとめます。
災害の記事を書いていると、被災された方から同じ相談を受けます。
「保険に入っていたのに、出なかった」
理由は、たいてい同じです。必要な補償が、契約から外れていたのです。
この記事は、そうならないための確認手順です。
結論|見直すのは、三つだけです
証券を出したら、この三点を見てください。
| 確認する項目 | 見るべきこと |
|---|---|
| 一、水災補償 | ついているか。ここを外している契約が非常に多く、「出なかった」の最大の原因です |
| 二、家財 | 建物とは別契約です。建物だけでは、家の中のものは補償されません |
| 三、免責金額 | 自己負担額です。高く設定されていると、小さな損害では受け取れません |
この三つを確認するだけで、多くの取りこぼしが防げます。順に説明します。
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いま、更新の時期が来ています
まず、制度の変化から。
2022年10月に、最長5年へ短縮されました
それ以前、火災保険は最長10年で契約できました。長期契約のほうが保険料は割安になるため、10年で契約した方も多いはずです。
それが2022年10月から、最長5年になりました。
理由は、自然災害の増加です。大規模な災害が相次ぎ、将来の損害を長期にわたって見通すことが難しくなったためとされています。
この変更が意味するのは、更新の間隔が短くなったということです。10年に一度だった見直しの機会が、5年に一度になりました。
裏を返せば、見直す機会が増えたということでもあります。
2024年10月に、過去最大の引き上げがありました
そして保険料そのものも動いています。
参考純率が、全国平均で13%引き上げられました。過去最大の引き上げ幅です。
参考純率とは、損害保険料率算出機構が算出している料率のことです。各社はこれをもとに、自社の保険料を決めます。つまり業界全体の基準が上がったことになります。
更新のたびに保険料が上がる。だからこそ、中身を確認する意味があります。同じ金額を払うなら、必要な補償に払うべきです。
水災料率が、地域別の5区分になりました
2024年10月の改定で、もうひとつ大きな変更がありました。この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
1等地から5等地へ
それまで、水災の料率は全国一律に近い扱いでした。それが、地域の水災リスクに応じて1等地から5等地までの5区分に細分化されました。
リスクの低い地域がもっとも安い1等地、大型台風や豪雨の被害が頻発する地域がもっとも高い5等地です。
これは、ハザードマップと地続きです
ここが重要です。
保険料が高い地域は、実際に水害の危険が高い地域です。保険会社は、統計にもとづいて料率を決めています。
つまり、更新の通知で水災の保険料が高いと感じたなら、それは「あなたの土地は水害リスクが高い」という警告として読めます。
そのときにやるべきことは、保険を安くすることではありません。ハザードマップで、自宅が何メートル浸かる想定かを確認することです。調べ方はハザードマップの見方にまとめました。
火災保険で補償されるもの、されないもの
名前から誤解されやすいので、範囲を整理します。
火事だけの保険ではありません
| 補償の名前 | 主な対象 | 注意 |
|---|---|---|
| 火災・落雷・破裂・爆発 | 火事、落雷による家電の故障、ガス爆発 | 基本的にどの契約にも含まれます |
| 風災・雹災・雪災 | 台風の強風、雹、大雪による損害 | 屋根や雨どいの被害はここ |
| 水災 | 洪水、高潮、土砂崩れによる浸水 | 外している契約が多い |
| 水濡れ | 給排水設備の事故、上階からの漏水 | 水災とは別物です |
| 盗難 | 盗難、それにともなう破損や汚損 | 家財の契約が必要 |
| 破損・汚損 | 不測かつ突発的な事故 | いわゆる「うっかり」。外せる特約であることが多い |
水災と水濡れは、別物です
名前が似ているため、混同されます。
水災は、外から来る水です。洪水、高潮、土砂崩れ。水濡れは、建物の中から来る水です。給排水管の事故や、上の階からの漏水。
水濡れがついていても、洪水では出ません。ここを取り違えている方が少なくありません。
対象外になるもの
地震・噴火・津波。これは地震保険の領域です。
経年による劣化。古くなって雨漏りした、というのは事故ではないため対象外です。
シロアリの被害。害虫による損害は、一般に対象外とされています。
戦争や核。約款で除外されています。
被災したときの請求の流れ
いざというときに迷わないよう、順番を書いておきます。
一、片づける前に写真を撮る
これがすべての起点です。掃除を始めてしまうと、被害を証明する材料が消えます。
浸水なら、壁に残った水の跡が分かるように、深さと一緒に。建物の外観、部屋ごとの様子、壊れた家財を一点ずつ。撮りすぎて困ることはありません。
二、保険会社へ連絡する
早いほど有利です。損害調査の順番待ちが発生することと、時間が経つほど被害の状態が変わってしまうためです。
罹災証明書を待つ必要はありません。ここは誤解が多いところです。
三、罹災証明書とは別だと理解する
罹災証明書は市町村が公的支援のために出すもので、保険金の額を決めるのは保険会社の損害調査です。
判定する主体も基準も違います。罹災証明書の区分が、そのまま保険金の額になるわけではありません。申請の流れは罹災証明書の申請方法にまとめました。
四、請求できる期間は3年です
保険法により、保険金を請求する権利の時効は3年と定められています。
過去の台風や大雨で請求していない被害があれば、まだ間に合う可能性があります。屋根や外壁の損傷は、後から気づくことが少なくありません。
被災後の手続き全体は被災した後にやること全ガイドにまとめています。
保険料を下げる、正しい方法
補償を削る以外にも、手はあります。
一、長期契約にする。最長5年ですが、1年更新より割安になるのが一般的です。
二、免責金額を上げる。小さな損害を自己負担する代わりに、保険料を下げます。
三、不要な特約を外す。ただし水災と家財は「不要な特約」ではありません。削るなら、生活実態に合わないものから。
四、耐震性能の割引を使う。これは地震保険の話ですが、耐震診断を受けていれば割引の対象になる可能性があります。
五、複数社を比較する。同じ補償内容でも保険料は違います。
やってはいけないのは、水災を外して安くすることです。それは保険料ではなく、補償を削っています。
こんなときは、見直しどきです
タイミングの目安を挙げます。
更新の案内が来たとき。いちばん動きやすい時期です。
引っ越したとき。土地が変われば水災リスクも変わります。新しい住所でハザードマップを見直してください。
家族構成が変わったとき。人数が増えれば家財の量も増えます。
高額なものを買ったとき。楽器、カメラ、パソコン。個別の申告が必要な場合があります。
リフォームをしたとき。建物の価値が変わります。耐震補強をしたなら、地震保険の割引が使えるかもしれません。
近所で水害があったとき。自分の土地の条件を、あらためて確認する機会です。
一つめ|水災補償を外していませんか
ここが、被災後にもっとも多い後悔です。
何が対象になるのか
水災補償は、台風、豪雨、高潮などによる浸水や土砂崩れの被害を補償します。
逆に言えば、これを外していると、洪水で家が浸かっても保険金は出ません。火災保険という名前ですが、火事だけの保険ではないのです。
支払いには条件があります
ついていれば必ず出る、というものでもありません。一般的に、次のような条件が設けられています。
建物の場合。床上浸水であること、または地盤面から一定の高さ以上の浸水であること。そして損害の割合が一定以上であること。
この「床上」という条件が効きます。床下浸水では対象にならない契約が多くあります。床下でも、断熱材や設備が傷めば修繕費はかかります。そこは自己負担になる可能性があります。
条件は契約によって異なるため、証券と約款で確認してください。洪水被害と保険の詳細は洪水の被害は保険で補償される?にまとめています。
外してよい場合はあるのか
保険料を抑えるために外す判断も、理屈としてはあり得ます。ただし、外してよいのは条件が揃ったときだけです。
ハザードマップで浸水想定区域の外にあること。そして土砂災害警戒区域にも入っていないこと。さらに周囲より低い土地でないこと。
ここで注意があります。浸水想定区域の外でも、内水氾濫は起こります。排水が追いつかなければ、川がなくても水は出ます。大雨・洪水の完全ガイドに書いたとおり、水は三方向から来ます。
マンションの上層階なら、外す判断が成り立ちやすくなります。ただし1階や地下の駐車場に置いた車、共用部分の扱いは別に考える必要があります。
二つめ|家財の契約はありますか
見落とされやすい、もうひとつの落とし穴です。
建物と家財は、別々の契約です
建物の契約だけでは、家の中のものは補償されません。
家具、家電、衣類、寝具、食器。これらはすべて「家財」であり、別に契約する必要があります。
浸水した家を思い浮かべてください。建て直すより、中身をすべて買い直すほうが現実的な負担になります。冷蔵庫、洗濯機、テレビ、ベッド、衣類。
賃貸なら、家財が主役です
賃貸にお住まいなら、建物は大家さんの保険の範囲です。入居者が備えるべきは家財になります。
そして借家人賠償責任保険という特約も重要です。自分の過失で部屋を焼いたり水浸しにしたりした場合、大家さんへの賠償が必要になります。
賃貸での責任の範囲は賃貸住宅で災害が起きたときの原状回復義務にまとめました。
いくらで契約すべきか
家財の金額は、世帯の人数や年齢構成から算出した目安表が用意されているのが一般的です。保険会社に聞けば示してもらえます。
ただし、目安はあくまで平均です。楽器、カメラ、自転車、パソコン。高額なものがあるなら、個別に申告が必要な場合があります。
建物の保険金額は、どう決まるのか
証券を見ると、建物にも金額が設定されています。この数字の意味を知っておいてください。
再調達価額と時価
二つの考え方があります。
再調達価額(新価)は、同じ建物をいま建て直すのに必要な金額です。
時価は、そこから経年による価値の減少を差し引いた金額です。
古い契約では、時価で設定されていることがあります。その場合、全焼しても同じ家は建てられません。築年数が経つほど、受け取れる金額は下がっていきます。
いまは再調達価額での契約が主流です。古い契約のままなら、ここは確認する価値があります。
金額が低すぎても、高すぎても損です
低すぎれば、足りません。建て直せない金額しか出ないことになります。
高すぎても、支払われるのは実際の損害額までです。余分な保険料を払っていることになります。
建物の評価は保険会社が算出してくれます。更新のときに、いまの評価と契約金額が合っているかを聞いてください。
マンションの場合は、範囲が違います
戸建てとは考え方が変わるので、分けて書きます。
専有部分と共用部分
共用部分は管理組合の保険が対象です。エントランス、廊下、階段、外壁、そして多くの場合は玄関ドアの外側や窓ガラス。
専有部分は、区分所有者が自分で備えます。部屋の内側の内装や設備です。
この境目は、マンションの管理規約によって異なります。どこまでが自分の負担かは、規約を確認してください。
上の階からの漏水
集合住宅で多いトラブルです。
自分が加害者になる場合に備えるのが個人賠償責任保険です。火災保険の特約として付けられることが多くあります。
逆に被害を受けた場合は、自分の家財の保険や、相手の賠償保険で対応することになります。
水災は、階によって判断が変わります
上層階なら、水災を外す判断が成り立ちやすくなります。ただし注意が二つ。
一、1階や地下の駐車場に置いた車は別です。車は火災保険ではなく、自動車保険の車両保険の領域になります。
二、建物全体としては影響を受けます。受変電設備や給水ポンプが地下にあれば、浸水で建物全体の電気と水が止まります。仕組みはマンションの断水は停電で起きるにまとめました。
証券が見つからないとき
いざ確認しようとして、書類が出てこないことがあります。
保険会社に連絡すれば、契約内容を教えてもらえます。証券の再発行も可能です。
保険会社が分からない場合は、住宅ローンを組んだ金融機関に聞くという手があります。ローンの条件として火災保険への加入が求められることが多く、そこで契約している場合があります。
また、口座の引き落とし履歴やクレジットカードの明細から、保険会社名が分かることもあります。
被災してから探すのでは、遅くなります
証券の写真を撮って、スマートフォンに入れておいてください。これだけで、被災後の手続きが早くなります。
家が浸水すれば、紙の書類は失われます。クラウドに保存しておけば、避難先からでも内容を確認できます。
あわせて、保険会社の連絡先もメモしておいてください。災害時は電話がつながりにくくなります。
三つめ|免責金額はいくらですか
免責金額とは、損害が出たときに自分で負担する金額のことです。
高くすれば保険料は下がります
たとえば免責金額が10万円なら、10万円までの損害では保険金が出ません。そのぶん保険料は安くなります。
判断の分かれ目は、小さな損害を自分で負担できるかどうかです。
大きな災害だけに備えたいなら、免責を高くして保険料を下げるという考え方が成り立ちます。逆に、台風で屋根瓦が数枚飛んだといった小さな損害もカバーしたいなら、免責は低いほうがよいことになります。
「保険で無料になります」に注意してください
災害のあとに必ず現れる手口です。
「火災保険を使えば自己負担ゼロで修理できます」と持ちかけ、高額な手数料を取る。あるいは解約時に違約金を請求する。
なかには、被害を大きく見せる工作を勧めてくる例もあります。これは保険金詐欺にあたり、契約者本人が罪に問われます。
その場で契約せず、まず保険会社に直接連絡してください。手口は台風で被災した後にやること|修理業者トラブルの防ぎ方にまとめています。
地震は、火災保険では補償されません
ここも誤解が多い点です。
地震・噴火・津波は対象外です
地震による損害は、火災保険では補償されません。そして重要なのは、地震が原因で起きた火災も対象外だということです。
これらをカバーするには、地震保険が必要になります。
地震保険は、単独では契約できません
地震保険は火災保険とセットでしか契約できません。そして保険金額は、火災保険の30%から50%の範囲と定められています。
つまり、地震保険では家を建て直せません。これは制度の欠陥ではなく、生活の再建を支えるための保険という位置づけだからです。
詳しくは地震保険とは?仕組み・補償範囲・火災保険との違いにまとめました。
耐震性能で、保険料が下がります
地震保険には割引制度があります。建築年割引、耐震診断割引、耐震等級割引、免震建築物割引の四つが代表的です。
耐震診断を受けて基準を満たしていれば、割引の対象になる可能性があります。診断には自治体の補助があり、自己負担は数万円に収まることが多くあります。詳しくは耐震診断とは?費用の目安と補助金の実額をご覧ください。
もらい火では、賠償されません
火災保険が必要な、根本的な理由です。
日本には「失火ノ責任ニ関スル法律」という明治時代からの法律があります。内容はこうです。
火事を出した人に重大な過失がないかぎり、損害賠償の責任を負わない。
つまり隣の家から出た火で自分の家が焼けても、相手に賠償を求められないことがあります。
だから、自分の家を守るのは、自分が入っている火災保険だけという状況が生まれます。電気が原因の火災については電気火災とは?トラッキング現象にまとめました。
保険で足りない分を、どう埋めるか
保険金だけで生活を元に戻せるとはかぎりません。公的な制度も、あわせて知っておいてください。
被災者生活再建支援制度
一定規模以上の災害で、住宅が全壊するなどの被害を受けた世帯に支援金が支給される制度です。保険とは別に受け取れます。
災害救助法にもとづく応急修理
住み続けるために最低限必要な修理を、自治体が費用を負担して行う仕組みです。
ただし応急修理と仮設住宅は、原則としてどちらか一方になります。判断の材料は仮設住宅と応急修理にまとめました。
住宅ローンが残ってしまったら
家が使えなくなっても、ローンは残ります。そして新しい住まいの費用も要ります。いわゆる二重ローンの問題です。
これに対しては、信用情報に登録されずに債務を整理できる制度があります。災害で住宅ローンが残ったら|被災ローン減免制度にまとめました。
税や保険料の減免
被災すると、所得税、住民税、国民健康保険料などの減免を受けられることがあります。窓口は自治体と税務署です。
これらはすべて、罹災証明書が起点になります。だから、片づける前の写真が効いてきます。
よくある思い違い
「新築だから保険は最低限でよい」
建物が新しくても、水は来ます。浸水は建物の古さと関係がありません。
そして新築なら、家財も新しく、金額も大きいはずです。買い直す負担は、むしろ大きくなります。
「一度も使っていないから無駄だった」
気持ちは分かります。ただ、保険は使わずに済むのが最良の結果です。
見直すべきなのは、加入していること自体ではなく、払っている金額と補償の中身が釣り合っているかです。
「ローンを完済したから、もう要らない」
ローンの条件として入っていた場合、完済とともに意識から外れることがあります。
しかし建物と家財は残ります。そして完済したということは、住宅ローン減免制度のような救済も使えないということです。むしろ自分の保険の重要性は上がります。
「賃貸は不動産会社に言われたまま入れば十分」
入居時に紹介される保険で問題ないことも多いのですが、中身を見たことがない方が大半です。
家財の金額が実態と合っているか。借家人賠償責任がついているか。この二点だけは確認してください。
「保険会社はどこも同じ」
参考純率という共通の基準はありますが、各社が独自に保険料を決めています。補償の組み合わせ方や特約の内容も違います。
ただし、比べるのは金額ではなく中身です。安い契約は、必要な補償が外れていることがあります。
見直しの手順
実際に進めるなら、この順です。
一、証券を探す。見つからなければ保険会社に連絡すれば再発行できます。契約内容も教えてもらえます。
二、三つを確認する。水災補償の有無、家財の契約の有無、免責金額。
三、ハザードマップで自宅を調べる。浸水想定、土砂災害警戒区域、津波の想定。この結果と、いまの契約が合っているかを照らします。
四、建物と家財の金額が、現状に合っているかを見る。長期契約の場合、契約時から年数が経っています。
五、地震保険の有無を確認する。ついていなければ、追加を検討します。
六、複数社を比較する。補償内容が同じでも、保険料は会社によって違います。ただし安さだけで選ぶと、必要な補償が抜けます。比較するのは金額ではなく、中身です。
そして最後に。更新の案内が来たときが、いちばん動きやすいタイミングです。そのまま自動更新にせず、一度中身を開いてください。
よくある質問
火災保険はなぜ5年までになったのですか
2022年10月から、最長5年に短縮されました。大規模な自然災害が相次ぎ、将来の損害を長期にわたって見通すことが難しくなったためとされています。それ以前は最長10年でした。
保険料が上がったのはなぜですか
2024年10月に、参考純率が全国平均で13%引き上げられました。過去最大の引き上げ幅です。参考純率は損害保険料率算出機構が算出しており、各社はこれをもとに保険料を決めます。
水災の等地とは何ですか
2024年10月から、水災料率が地域のリスクに応じて1等地から5等地までの5区分に細分化されました。1等地がもっとも安く、5等地がもっとも高い区分です。台風や豪雨の被害が頻発する地域ほど高くなります。
水災の保険料が高いと言われました
それは、その土地の水害リスクが高いという意味です。保険を安くすることを考える前に、ハザードマップで自宅が何メートル浸かる想定かを確認してください。浸水想定が3メートルを超えるなら、2階へ上がるという避難計画そのものが成り立ちません。
水災補償は外してもよいですか
条件が揃えば成り立ちます。浸水想定区域の外で、土砂災害警戒区域にも入っておらず、周囲より低い土地でないこと。ただし浸水想定区域の外でも内水氾濫は起こります。慎重に判断してください。
床下浸水でも補償されますか
されないことが多くあります。「床上浸水」または「地盤面から一定の高さ以上」という条件が設けられているのが一般的です。床下でも断熱材や設備が傷めば費用はかかるため、そこは自己負担になる可能性があります。
建物だけ契約していれば十分ですか
足りません。家財は別契約です。建物の契約だけでは、家具・家電・衣類は補償されません。浸水では、中身を買い直す負担のほうが大きくなることがあります。
賃貸でも火災保険は必要ですか
必要です。建物は大家さんの保険ですが、家財は入居者が備えるものです。あわせて借家人賠償責任保険も重要になります。自分の過失で部屋に損害を与えた場合の賠償に備えるものです。
免責金額はいくらにすべきですか
小さな損害を自分で負担できるかどうかで決まります。大きな災害だけに備えるなら免責を高くして保険料を下げる考え方が成り立ちます。小さな損害もカバーしたいなら、免責は低いほうがよいことになります。
地震の火災は火災保険で出ますか
出ません。地震が原因で起きた火災は、火災保険の対象外です。地震保険が必要になります。地震保険は火災保険とセットでのみ契約でき、保険金額は火災保険の30%から50%の範囲です。
隣の家から燃え移りました。賠償してもらえますか
相手に重大な過失がないかぎり、賠償を求められないことがあります。「失火ノ責任ニ関スル法律」という法律があるためです。だから自分の火災保険が必要になります。
保険会社はどう選べばよいですか
金額ではなく、補償の中身で比べてください。同じ補償なら保険料の安いほうが有利ですが、安い契約は必要な補償が外れていることがあります。水災、家財、免責金額。この三つを揃えたうえで比較してください。
台風で屋根瓦が飛びました。使えますか
風災の補償で対応できる可能性があります。ただし免責金額を超える損害であることが条件です。屋根に登って自分で確認するのは危険なので、台風で被災した後にやることを先にお読みください。
落雷でテレビが壊れました
落雷は火災保険の基本的な補償に含まれるのが一般的です。ただし家電は家財にあたるため、家財の契約がなければ対象になりません。
雪の重みで壊れた場合は
雪災の補償で対応できることがあります。カーポートの倒壊や、雨どいの変形などです。雪下ろしそのものの費用は対象外となるのが一般的です。
保険金を受け取ったら、修理しないといけませんか
用途を限定されないのが一般的ですが、修理しないまま次の災害で同じ箇所が壊れた場合、支払われないことがあります。受け取ったら、直すのが原則だと考えてください。
1年ごとの更新と5年契約、どちらが得ですか
一般に長期契約のほうが割安になります。ただし5年のあいだに家族構成や住まいが変わることもあります。中途解約すれば未経過分は返還されるのが通常なので、長期を選んでも大きな不利にはなりにくいと言えます。
いつ見直すのがよいですか
更新の案内が来たときがいちばん動きやすい時期です。ほかに、引っ越し、家族構成の変化、リフォーム、近所での水害。これらは見直しの合図になります。
住まいを守る、8つの記事
家の防災は、選ぶ・強くする・守る・備えるの順で考えると迷いません。
まとめ
要点を整理します。
2022年10月から、火災保険は最長5年になりました。更新の機会が増えたということです。そのまま自動更新にせず、中身を開いてください。
2024年10月に、参考純率が過去最大の13%引き上げになりました。そして水災料率は1等地から5等地の5区分に細分化されています。
水災の保険料が高いなら、それは警告です。その土地の水害リスクが高いということです。まずハザードマップを見てください。
確認すべきは三つ。水災補償、家財、免責金額。「保険に入っていたのに出なかった」の多くは、この三つのどれかが原因です。
地震は、火災保険では出ません。地震が原因の火災も対象外です。地震保険が要ります。
最後に、ひとつだけ。
保険は「壊れたあと」のものです。壊れないようにするのは、耐震と、家具の固定と、避難の判断です。
どちらか一方では足りません。備え全体の順番は防災は何から始める?最初にやること8ステップにまとめました。
なお、契約の条件は保険会社や商品によって異なります。実際の判断は、証券と約款を確認し、保険会社にお問い合わせのうえで行ってください。この記事は、確認すべき項目を示すためのものです。



