応急仮設住宅と住宅の応急修理|原則どちらか一方、選び方の判断基準

・当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天市場・各種ASP)およびGoogleアドセンスを利用しています。
・記事内リンク経由でご購入いただいた場合、サイト運営者に紹介料が発生することがあります。
・掲載内容は収益に左右されず、公的機関の資料・メーカー公表仕様などの確認できる情報をもとに作成しています。

スポンサーリンク

【この記事の要約】
住まいを失ったとき、公的な支援には2つの道があります。応急仮設住宅に入るか、住宅の応急修理制度で自宅を直して住み続けるかです。そして重要なのは、この2つは原則としてどちらか一方しか選べないという点です。災害救助法にもとづく運用で、あとから変更するのは困難です。応急仮設住宅には、新たに建てる建設型と、民間の賃貸住宅を借り上げる賃貸型があります。賃貸型はみなし仮設とも呼ばれます。供与の期間は、原則として2年です。どちらを選ぶかは、被害の程度、家族の状況、地域とのつながりで変わります。判断の材料を整理します。

目次

結論:原則どちらか一方です。先に確認してください

先に結論をお伝えします。

住まいを失った方が使える制度は、大きく2つあります。

制度 内容
応急仮設住宅 別の住まいを一時的に提供してもらう
住宅の応急修理 自宅を最低限直して住み続ける

そして、この2つは原則として併用できません。どちらか一方を選ぶことになります。

あとから変えるのは難しい

ここが最も注意していただきたい点です。

応急修理を申し込んだあとで「やはり仮設住宅に入りたい」と言っても、認められないことがあります。逆も同じです。

被災直後の混乱したなかで、大きな判断を求められることになります。しかも期限があり、ゆっくり考える余裕もありません。

だからこそ、制度の中身を知っておく意味があります。選択肢を知らなければ、選ぶこともできません。

ただし例外もあります

災害によっては、柔軟な運用がされることがあります。

実際に、応急修理が終わるまで仮設住宅に入居できるという扱いがとられた例があります。ただし、これは災害ごと、自治体ごとの判断です。

一般論で決めつけず、必ず窓口で確認してください。

スポンサーリンク

応急仮設住宅とは

災害救助法にもとづく制度です。

災害で住まいを失い、自力で住居を確保できない方に対して、一時的な住まいを提供します。

3つの型があります

型 内容
建設型応急住宅 公有地などに新たに建てる。いわゆるプレハブの仮設
賃貸型応急住宅 民間の賃貸住宅を自治体が借り上げる。みなし仮設
その他適切な方法 公営住宅の空き室の活用など

かつては建設型が中心でしたが、近年は賃貸型の割合が増えています。

建設型と賃貸型の違い

比較 建設型 賃貸型
入居までの時間 建てる必要があり時間がかかる 物件があれば早い
場所 まとまって建設される 地域に分散する
近隣との関係 同じ被災者が集まる 近隣に被災者がいないことも
広さと設備 規格が決まっている 物件による
支援の届きやすさ 集約されており届きやすい 分散し、届きにくいことがある
元の地域との距離 近くに建つとは限らない 探す範囲を選べる場合がある

賃貸型は早く入居できる利点があります。一方で、支援情報や見守りが届きにくいという課題も指摘されています。

供与の期間は原則2年

応急仮設住宅は、あくまで応急的な住まいです。期間は原則として2年とされています。

ただし、大規模な災害では延長されることがあります。特定非常災害に指定された場合などです。

2年で必ず出なければならないと決めつけず、状況に応じた案内を確認してください。

家賃はかかりません

応急仮設住宅の供与にあたり、家賃は発生しません。

ただし、電気、ガス、水道といった生活にかかる費用は自己負担です。共益費が必要な場合もあります。

住宅の応急修理制度とは

仮設住宅に対して、もうひとつの選択肢がこちらになります。

自宅を最低限修理して、住み続けられるようにする制度です。自治体が業者に依頼し、費用を負担します。

対象になる部分

生活に不可欠な部分に限られます。

  • 屋根
  • 外壁や建具など、雨風をしのぐ部分
  • 床
  • 台所
  • トイレ
  • 浴室
  • 電気やガスの設備

元通りにする制度ではありません。あくまで、住める状態に戻すためのものです。

内装をきれいにする、傷んだ壁紙を張り替えるといった工事は対象外です。

自分で発注してはいけません

最も多い失敗です。

自治体が業者に依頼して工事を行う仕組みです。自分で業者を呼んで先に直してしまうと、対象外になることがあります。

被害を見て慌てて修理を頼みたくなりますが、まず自治体に確認してください。

限度額があります

修理にかけられる金額には上限が定められています。

被害の程度によって、金額が分かれます。半壊以上と、準半壊とでは異なる基準が設けられています。

金額は改定されるため、最新の額は窓口で確認してください。

どちらを選ぶか

ここからは、判断するための材料を整理していきます。

状況 向いている選択
建物が全壊、住める状態でない 応急仮設住宅
屋根や設備を直せば住める 応急修理
修理に時間がかかりそう 応急仮設住宅
地域とのつながりを保ちたい 応急修理
高齢で引っ越しの負担が大きい 応急修理を検討
子どもの学校を変えたくない 応急修理、または近隣の賃貸型
建て直しを決めている 応急仮設住宅
自力で修理費を出せる 制度を使わず自費で直す判断も

修理費の見積もりを取ってから判断する

おすすめしたい手順があります。

まず業者に見てもらい、どれくらいの修理で住めるようになるかを把握してください。そのうえで制度を選びます。

ただし、見積もりを取ることと工事を発注することは別です。この段階で契約しないでください。

制度を使わない選択もあります

応急修理制度を使うと、限度額の範囲でしか直せません。

自力で費用を出せるなら、制度を使わず本格的に修理するほうが結果的に良い場合もあります。保険金が下りる見込みがあるなら、なおさらです。

また、応急修理制度を使えば、仮設住宅に入れなくなります。この機会費用も考えてください。

入居までの流れ

応急仮設住宅を選んだ場合の手順です。

  1. 罹災証明書を申請し、交付を受ける
  2. 自治体の窓口で申し込む
  3. 入居の可否と、割り当てが決まる
  4. 説明を受け、鍵を受け取る
  5. 入居する

1番目が起点になります。罹災証明書がなければ、手続きが進みません。

申請の方法は罹災証明書の申請方法|判定6区分と、納得できないときの再調査の頼み方にまとめています。

入居できる条件

おおむね次のような方が対象になります。

  • 住宅が全壊または全焼、流失した
  • 住宅に大きな被害があり、居住できない
  • 自力で住宅を確保することが困難

細かい条件は災害や自治体によって異なります。該当しそうかを自分で判断せず、まず相談してください。

「半壊だから対象外だろう」と思い込んで、申し込まない方がいます。しかし、住み続けられない事情があれば認められる場合もあります。

判断するのは自治体です。こちらから可能性を狭める必要はありません。

抽選になることがあります

希望者が多ければ、抽選が行われることがあります。高齢者や障害のある方が優先される場合もあります。

希望する場所に入れるとは限りません。この点は覚悟しておいてください。

ほかの住まいの選択肢

公的な仮設住宅だけが選択肢ではありません。

選択肢 特徴
公営住宅の一時使用 空き室が提供される。家賃が免除されることも
親戚や知人の家 すぐ移れる。長期になると負担が生じる
自費で賃貸を借りる 自由度が高い。加算支援金50万円の対象
ホテルや旅館 短期の避難先。自治体が確保することもある
在宅避難 建物が安全なら選べる

公営住宅の空き室

被災者向けに、公営住宅の空き室が開放されることがあります。

建設型の仮設住宅より住環境が整っている場合が多く、有力な選択肢になります。ただし戸数は限られます。

県外の自治体が受け入れることもあります。広域で避難する選択肢として、覚えておいてください。

親戚や知人の家

最も早く移れる方法です。特に高齢の方や小さなお子さんがいる場合、環境の良い場所に移る意味は大きくなります。

ただし、長期化すると受け入れる側の負担も増します。数か月を超えるようなら、別の住まいを検討してください。

自費で借りる場合

自分で賃貸住宅を探して契約する方法もあります。

この場合、加算支援金の賃借にあたる50万円が対象になる可能性があります。ただし、仮設住宅に入居した場合との兼ね合いがあるため、窓口で確認してください。

広域避難という選択

被災地を離れて、別の地域で暮らす方法です。

仕事や学校の都合がつくなら、生活環境は大きく改善します。一方で、地域とのつながりは切れます。

また、手続きのために被災地へ戻る必要が出ることがあります。郵送や電子申請に対応している自治体も増えているため、確認してください。

世帯の状況による考え方

誰が住むかによって、優先すべき点が変わります。

高齢の方がいる世帯

引っ越しそのものが大きな負担になります。

環境が変わると、体調を崩したり認知機能が低下したりすることがあります。過去の災害でも、この問題は繰り返し指摘されてきました。

可能であれば、住み慣れた場所に近い選択を優先してください。応急修理で自宅に住み続けられるなら、その価値は大きくなります。

子どもがいる世帯

学校をどうするかが、大きな判断材料になります。

転校を避けたいなら、通学できる範囲で住まいを探すことになります。賃貸型であれば、地域を選べる場合があります。

ただし、災害後は学校自体が使えないこともあります。教育委員会に確認してください。

障害のある方がいる世帯

建設型の仮設住宅は、段差や設備の面で使いにくいことがあります。

バリアフリー仕様の住戸が用意される場合もあります。申し込みの際に、必要な配慮を具体的に伝えてください。

また、通院先や福祉サービスとの距離も重要な要素になります。

ペットがいる世帯

仮設住宅でペットを飼えるかは、災害や自治体によって扱いが分かれます。

賃貸型では、物件の条件によります。ペット可の物件は数が限られるため、早めに相談してください。

ペットの避難についてはペットの災害避難|同行避難と同伴避難の違いと動物の種類別の備え方で扱っています。

スポンサーリンク

仮設住宅での暮らし

ここからは、入居したあとの現実的な暮らしについてお伝えします。

持ち込むもの

建設型の場合、エアコンや照明などの基本的な設備が備えられることがあります。しかし家具や寝具は自分で用意することになります。

支援団体から家電が提供される場合もあります。窓口で確認してください。

広さの制約

建設型は規格が決まっており、広いとは言えません。家族の人数によっては窮屈に感じます。

荷物を全部は持ち込めないため、保管場所の確保も課題になります。

寒さと暑さ

建設型の仮設住宅は、断熱の性能が住宅ほど高くない場合があります。

寒冷地では、暖房費が想定以上にかかることがあります。近年は寒冷地仕様の仮設住宅も整備されていますが、地域差があります。

孤立を防ぐ

過去の災害で繰り返し課題になってきた点です。

特に賃貸型では、周囲に被災者がいません。相談する相手がおらず、情報も届きにくくなります。

自治体や社会福祉協議会が見守りを行っています。「自分は大丈夫」と思わず、つながりを持ってください。

音と気配

建設型の仮設住宅は、壁が薄いことがあります。隣の生活音が聞こえるという声は、過去の災害でも多く聞かれました。

お互いさまではありますが、時間帯には配慮してください。特に夜間は音が響きます。

逆に、気配が感じられることが安心につながる面もあります。単身の高齢者にとっては、隣に人がいることが見守りになります。

収納が足りません

限られた広さのため、収納は最小限です。

持ち込む荷物は絞ることになります。すぐ使わないものは、実家や貸倉庫に預ける方法もあります。

自治体が保管場所を用意する場合もあるため、相談してみてください。

周辺の環境を確認する

入居先が決まったら、周りを歩いてみてください。

  • 買い物ができる店はどこか
  • 病院までの距離
  • バス停や駅までの経路
  • 学校や保育施設
  • 役所の窓口

建設型は、公有地に建てられるため利便性の高い場所とは限りません。生活の動線を早めに把握しておくと、負担が減ります。

集会所を使う

建設型の団地には、集会所が設けられることがあります。

ここで支援情報が共有されます。健康相談や催しが行われることもあります。足を運ぶ価値があります。

費用の全体像

住まいの再建には、制度だけでは足りません。全体の資金計画が必要になります。

入ってくるお金

制度 内容
被災者生活再建支援金(基礎) 全壊100万円、大規模半壊50万円
被災者生活再建支援金(加算) 建設購入200万円、補修100万円、賃借50万円
地震保険・火災保険 契約内容による
義援金 災害ごとに配分額が決まる
自治体独自の支援 地域によって異なる
災害援護資金 貸付。返済が必要

支援金の上限は300万円です。家を建て直すには、これだけでは足りません。

出ていくお金

見落とされやすい費用を挙げます。

  • 解体の費用(公費解体の対象外の場合)
  • 引っ越しの費用。仮設への移動と、退去時の移動で2回
  • 仮設住宅の光熱費
  • 家財の買い直し
  • 建て直しや補修の工事費
  • 残っている住宅ローンの返済

引っ越しが2回必要になる点は、意外に負担が大きいものです。

ローンが残っている場合

失った家のローンを払いながら、新しい住まいの費用も負担する。これが二重ローンの問題です。

この場合、自然災害債務整理ガイドラインという仕組みがあります。一定の条件を満たせば、ローンの減免を受けられる可能性があります。

自己破産と異なり、信用情報に登録されません。専門家の支援も無料で受けられます。

該当しそうであれば、金融機関か弁護士会に相談してください。

急いで決めないでください

資金の見通しが立たないうちに、建て直しを契約しないでください。

支援金の額、保険金の見込み、ローンの扱い。これらが分かってから判断しても遅くありません。

仮設住宅の2年は、そのための時間でもあります。

退去したあとのこと

仮設住宅は、あくまで一時的な住まいです。

次の住まいを考える時間

2年という期間は、次を決めるための時間だと考えてください。

建て直すのか、別の場所に移るのか、賃貸で暮らすのか。資金の目処も含めて検討することになります。

加算支援金の対象になります

被災者生活再建支援制度では、住まいの再建方法に応じて加算支援金が支給されます。

再建の方法 加算支援金
建設・購入 200万円
補修 100万円
賃借 50万円

単数世帯では4分の3になります。また、申請の期限は災害の発生から37か月以内です。

仮設住宅で2年過ごしたあとでも、この期限内であれば申請できます。忘れないでください。

退去の準備

退去にあたっては、原状回復が求められることがあります。

入居時に説明があるはずです。分からなければ確認してください。

私が北海道で考えていること

私は札幌に住んでいます。2018年の胆振東部地震では、全道が停電するブラックアウトを経験しました。

寒冷地の仮設住宅

北海道で災害が起きた場合、仮設住宅の断熱と暖房が大きな課題になります。

氷点下の環境で、住宅並みの性能がなければ生活は厳しくなります。灯油代も相当な負担です。

また、雪が積もれば除雪の問題も出てきます。仮設住宅の周囲を誰が除雪するのか。これは実務的に深刻な課題です。

冬季の建設は難しい

もうひとつの制約があります。凍結期には、基礎の工事が難しくなります。

冬に災害が起きれば、建設型の仮設住宅を用意するまでに時間がかかります。その間、被災者はどこで過ごすのか。

寒冷地では、賃貸型の重要性がより高くなると私は考えています。既存の住宅を借り上げるほうが、断熱の面でも建設の速さの面でも有利だからです。

札幌なら物件がありますが

都市部であれば、賃貸型に使える物件は一定数あります。しかし郡部では、そもそも空き物件が少ない地域があります。

北海道は広く、市町村によって事情がまったく違います。「北海道の対策」と一括りにできない難しさがあります。

お住まいの自治体が、どういう方針を持っているか。地域防災計画に記載があります。一度目を通しておくと、見通しが立ちます。

知っておけば選べます

相談を受けていて感じるのは、選択肢があること自体を知らない方が多いということです。

「家が壊れたら仮設住宅に入るしかない」と思い込んでいる方がいます。しかし、応急修理という道もあります。

どちらが良いかは、家族の状況によって変わります。だからこそ、両方を知っておく必要があります。

決断を迫られる時期です

被災直後は、心身ともに疲れています。その状態で、住まいという大きな判断をすることになります。

だから、一人で決めないでください。家族と話し、窓口で相談し、可能なら専門家の意見も聞いてください。

急かされても、その場で決める必要はありません。

制度は変わっていきます

災害のたびに、運用は見直されてきました。

賃貸型応急住宅が広く使われるようになったのも、比較的近年のことです。応急修理と仮設住宅の関係も、災害ごとに柔軟な扱いがとられる例が出てきています。

この記事に書いた内容も、あくまで現時点の一般的な仕組みです。実際の運用は、その災害の政令や自治体の判断によって決まります。

だから最後は、必ず窓口で確認してください。ここに書いたことは、相談するための予備知識だと考えていただければと思います。

知っていることが交渉の材料になります

窓口では、たくさんの被災者に対応しています。すべての選択肢を、一人ひとりに説明する余裕はありません。

「応急修理と仮設住宅は選べますか」「賃貸型はありますか」と自分から尋ねられれば、話は具体的に進みます。

知っているかどうかで、得られる情報の量が変わる。これは制度の不備というより、現場の限界です。

だからこそ、事前に読んでおく意味があります。

よくある質問

Q. 仮設住宅と応急修理は両方使えますか

A. 原則として、どちらか一方です。災害救助法にもとづく運用で、あとから変更するのは困難です。ただし災害によっては柔軟な運用がされ、応急修理が終わるまで仮設住宅に入居できた例もあります。必ず窓口で確認してください。

Q. 応急仮設住宅にはどんな種類がありますか

A. 新たに建てる建設型応急住宅、民間の賃貸住宅を自治体が借り上げる賃貸型応急住宅、公営住宅の活用などその他の方法があります。賃貸型はみなし仮設とも呼ばれ、近年は割合が増えています。

Q. 建設型と賃貸型はどちらがよいですか

A. 賃貸型は物件があれば早く入居でき、地域を選べる場合があります。一方、建設型は被災者が集まるため支援情報が届きやすい利点があります。賃貸型は分散するぶん、孤立しやすい点が課題として指摘されています。

Q. どのくらいの期間住めますか

A. 原則として2年です。ただし大規模な災害では延長されることがあります。特定非常災害に指定された場合などです。2年で必ず出なければならないと決めつけず、案内を確認してください。

Q. 家賃はかかりますか

A. 供与にあたって家賃は発生しません。ただし電気、ガス、水道といった生活にかかる費用は自己負担です。共益費が必要な場合もあります。

Q. 応急修理では何を直してもらえますか

A. 屋根、雨風をしのぐ部分、床、台所、トイレ、浴室、電気やガスの設備など、生活に不可欠な部分に限られます。元通りにする制度ではなく、住める状態に戻すためのものです。内装の張り替えなどは対象外です。

Q. 自分で業者に頼んでもよいですか

A. いけません。自治体が業者に依頼して工事を行う仕組みです。自分で先に直してしまうと対象外になることがあります。慌てて修理を頼む前に、まず自治体へ確認してください。

Q. どちらを選ぶか、どう判断しますか

A. まず業者に見てもらい、どれくらいの修理で住めるようになるかを把握してください。全壊なら仮設住宅、屋根や設備を直せば住めるなら応急修理が基本です。地域とのつながりや子どもの学校も判断材料になります。見積もりを取ることと発注は別なので、この段階で契約しないでください。

Q. 制度を使わない選択もありますか

A. あります。応急修理制度は限度額の範囲でしか直せません。自力で費用を出せる、保険金が下りる見込みがあるなら、制度を使わず本格的に修理するほうが良い場合もあります。応急修理を使うと仮設住宅に入れなくなる点も考慮してください。

Q. 入居には何が必要ですか

A. 罹災証明書が起点になります。交付を受けたうえで自治体の窓口へ申し込みます。希望者が多ければ抽選になることがあり、高齢者や障害のある方が優先される場合もあります。希望する場所に入れるとは限りません。

Q. 公営住宅は使えますか

A. 被災者向けに空き室が開放されることがあります。建設型の仮設住宅より住環境が整っている場合が多く、有力な選択肢になります。ただし戸数は限られます。県外の自治体が受け入れることもあります。

Q. 自分で賃貸を借りてもよいですか

A. 選択肢のひとつです。加算支援金の賃借にあたる50万円が対象になる可能性があります。ただし仮設住宅に入居した場合との兼ね合いがあるため、窓口で確認してください。

Q. 高齢の家族がいます。何を優先すべきですか

A. 住み慣れた場所に近い選択を優先してください。引っ越しそのものが大きな負担になり、環境の変化で体調を崩したり認知機能が低下したりすることがあります。応急修理で自宅に住み続けられるなら、その価値は大きくなります。

Q. 子どもの学校はどうなりますか

A. 転校を避けたいなら、通学できる範囲で住まいを探すことになります。賃貸型であれば地域を選べる場合があります。ただし災害後は学校自体が使えないこともあるため、教育委員会に確認してください。

Q. ペットと一緒に入居できますか

A. 災害や自治体によって扱いが分かれます。賃貸型では物件の条件によります。ペット可の物件は数が限られるため、早めに相談してください。

Q. バリアフリーの住戸はありますか

A. 用意される場合があります。建設型は段差や設備の面で使いにくいことがあるため、申し込みの際に必要な配慮を具体的に伝えてください。通院先や福祉サービスとの距離も重要な要素になります。

Q. 支援金だけで家を建て直せますか

A. 足りません。支援金の上限は300万円です。加えて保険金、義援金、自治体独自の支援を合わせても、多くの場合は自己資金や借入が必要になります。解体費、引っ越し費用が2回分、家財の買い直しも見込んでください。

Q. ローンが残っているのに家を失いました

A. 自然災害債務整理ガイドラインという仕組みがあります。一定の条件を満たせば、ローンの減額や免除を受けられる可能性があります。自己破産と異なり信用情報に登録されず、専門家の支援も無料です。金融機関か弁護士会に相談してください。

Q. 仮設住宅を出たあとの支援はありますか

A. 被災者生活再建支援制度の加算支援金があります。建設・購入なら200万円、補修なら100万円、賃借なら50万円です。単数世帯は4分の3になります。申請期限は災害発生から37か月以内なので、仮設住宅で2年過ごしたあとでも間に合います。

まとめ

応急仮設住宅と住宅の応急修理について、要点を整理します。

  • 2つの制度は原則としてどちらか一方しか選べない
  • あとから変更するのは困難。先に確認する
  • 災害によっては柔軟な運用がされることもある
  • 応急仮設住宅には建設型、賃貸型、その他の方法がある
  • 賃貸型はみなし仮設とも呼ばれ、入居が早い
  • 建設型は支援が届きやすいが、建設に時間がかかる
  • 供与の期間は原則2年。延長されることもある
  • 家賃はかからないが、光熱費は自己負担
  • 応急修理は生活に不可欠な部分に限られる
  • 自分で先に業者へ発注すると対象外になることがある
  • 判断の前に、修理の見積もりを取っておく
  • 制度を使わず自費で直す選択もある
  • 退去後も加算支援金を申請できる。期限は37か月

被災後の流れ全体は被災した後にやること全ガイド|時系列でわかる手続きと生活再建の順番にまとめています。

住まいの選択は、被災後の生活を大きく左右します。そして一度決めると、やり直しがききません。

だからこそ、制度を知ったうえで判断してください。窓口で相談し、家族で話し合い、納得してから決める。急かされても、その必要はありません。

今日できることをひとつ挙げます。ご自宅が全壊したと仮定して、次にどこへ住むかを家族で話してみてください。

親戚を頼るのか、賃貸を探すのか、仮設住宅を待つのか。答えが出なくても構いません。一度考えておくだけで、いざというときの判断が早くなります。

そして、住宅ローンの残高も確認しておいてください。二重ローンになる可能性を知っておけば、対処の道があることも分かります。

保険は、見直せていますか

火災保険は2022年10月から最長5年に短縮され、更新の時期を迎える人が増えています。2024年10月には参考純率が全国平均で過去最大の13%引き上げとなり、水災料率は1等地から5等地の5区分に細分化されました。

確認すべきは三つ。水災補償を外していないか、家財の契約があるか、免責金額はいくらか。「保険に入っていたのに出なかった」の多くは、このどれかが原因です。手順は火災保険の見直し方にまとめました。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

目次