台風16号(ペイロー)は日本に影響なし|警戒すべきは関東へ向かう15号【8月10日更新】

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【この記事の要約】
台風16号は、2026年8月9日15時に小笠原近海で発生しました。名前はペイローといいます。発生時点の中心気圧は998ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルです。時速20キロで東へ進んでおり、11日ごろに南鳥島付近で北東へ向きを変え、12日ごろには熱帯低気圧に変わる見込みです。結論から言えば、この台風による日本への直接の影響はありません。しかし安心はできません。同時に存在している台風15号が、11日から12日にかけて東北地方へ接近する可能性があるためです。警戒の対象を間違えないでください。

【追記:2026年8月12日20時30分時点】16号はまもなく熱帯低気圧へ。新たに17号が発生しました
この記事は8月9日の夜に公開しました。台風16号は、12日15時の時点で日本のはるか東にあり、中心気圧998ヘクトパスカル、最大風速18メートル、北東へ毎時30キロで進んでいます。まもなく熱帯低気圧に変わる見込みで、13日は日本のはるか東を東寄りに進みます。公開時にお伝えした「日本への影響はない」という結論は、最後まで変わりませんでした。一方、台風15号は8月11日20時ごろ、茨城県南部に上陸しました。茨城県への台風の上陸は、1951年の統計開始以来はじめてのことです。そして12日9時に日本海で熱帯低気圧に変わりました。さらに、8月12日9時、小笠原近海で台風17号(ナンカー)が発生しました。大きさは大型で、17号としては統計史上3番目に早い発生です。

目次

2026年8月12日20時30分時点の状況

台風16号は、影響のないまま終わります

時点 位置 中心気圧 進む方向と速さ
8月9日15時(発生時) 小笠原近海 998ヘクトパスカル 東へ時速20キロ
8月10日15時 南鳥島近海 998ヘクトパスカル 東北東へ時速40キロ
8月11日15時 南鳥島近海 992ヘクトパスカル 北北東へ時速40キロ
8月12日15時 日本のはるか東 998ヘクトパスカル 北東へ時速30キロ

発生から一貫して日本から離れる方向へ進みました。発生した台風のすべてが日本に来るわけではありません。数が増えたときほど、どれが自分の地域に向かうかを見分けることが大事になります。

新たに台風17号が発生しました

台風17号については、台風17号(ナンカー)の進路と、予報円が大きいときの判断にくわしくまとめました。大型と強いの違い、予報円の読み方、お盆の移動をどう考えるかを扱っています。

8月12日9時、小笠原近海で台風17号が発生しました。名前はナンカーです。12日15時の時点で中心気圧994ヘクトパスカル、最大風速18メートル、東北東へ毎時20キロ。大きさは大型です。

17号としては、統計史上3番目に早い発生になります。2026年は、台風の発生ペースが平年より早い年です。

13日15時には小笠原近海を北寄りに進み、15日から17日にかけて日本の東を北上する見込みです。ただし、進路の予報円は大きく、本州方面に近づかない可能性もあります。お盆の期間と重なるため、移動の予定がある方は最新の情報を確認してください。

台風15号は茨城県に上陸しました

11日20時ごろ、茨城県南部に上陸しました。茨城県への上陸は、1951年の統計開始以来はじめてです。22時の時点で中心気圧985ヘクトパスカル、最大風速25メートル、最大瞬間風速35メートルでした。

その後、関東平野から甲信を通って12日未明に東海地方へ達し、日本海へ抜けて12日9時に熱帯低気圧に変わっています。

台風が去った後も、地盤は水を含んだままです。次の雨で土砂災害が起きやすくなっています。土石流とは?前ぶれ・逃げる方向・危険な場所の調べ方もあわせてご覧ください。

ここから下は、2026年8月9日の公開時点で書いた内容です。最新の状況は上の追記をご覧ください。

結論:16号の影響はない。警戒すべきは15号です

先に結論をお伝えします。

台風16号は日本から遠ざかる方向へ進みます。直接の影響はありません。

いま注意していただきたいのは、台風15号のほうです。11日から12日にかけて、東北地方へ接近・上陸する可能性があります。

2つの台風を並べます(数値は8月9日15時時点)

比較 台風16号 台風15号
名前 ペイロー チャンホン
9日15時の位置 小笠原近海 日本の東
中心気圧 998ヘクトパスカル 990ヘクトパスカル
最大風速 18メートル 20メートル
進む方向 東へ(日本から離れる) 西南西へ(日本へ近づく)
日本への影響 直接の影響なし 11日20時ごろ茨城県南部へ上陸(統計開始以来はじめて)

番号が新しいほど危険、ということはありません。進む方向がすべてです。

検索してこられた方へ

「台風16号」で調べて、この記事にたどり着いた方が多いと思います。

新しい台風の発生はニュースになります。しかし、報道された台風が必ずしも自分に関係するとは限りません。

大切なのは、どの台風が自分の地域へ向かっているかを見極めることです。この記事では、その見分け方もお伝えします。

台風16号の現在の状況

まずは数値を確認しておきましょう。2026年8月9日15時時点の情報です。

項目 内容
発生日時 2026年8月9日15時
発生場所 小笠原近海
中心気圧 998ヘクトパスカル
最大風速 18メートル
最大瞬間風速 25メートル
進む方向と速さ 東へ時速20キロ

勢力としては弱い部類です

中心気圧998ヘクトパスカルという数値を見てください。

気圧は低いほど強い台風です。大型で強い台風では、950ヘクトパスカルを下回ることもあります。それと比べると、998という値は台風として発生したばかりの弱い状態です。

最大風速18メートルという数値も、台風の基準ぎりぎりにあたります。

気圧の見方は台風のhPa(ヘクトパスカル)とは?1013hPaが基準、低いほど強い理由で詳しく解説しています。

今後の進路

予想されている動きは次のとおりです。

  1. 東へ進み、南鳥島方面へ向かう
  2. 11日ごろ、南鳥島付近で北東へ向きを変える
  3. 12日ごろ、熱帯低気圧に変わる見込み

日本列島からは、一貫して離れていく動きです。

南鳥島とはどこか

日本の最東端にあたる島です。東京都に属していますが、本州からは1800キロ以上離れています。

この方面へ向かうということは、日本の陸地からどんどん遠ざかるということです。

ペイローという名前について

台風には、番号のほかにそれぞれ名前がつけられています。

16号の名前はペイローといいます。マカオが提案した名前で、鳥の名前が由来とされています。

名前は順番に決まっています

台風の名前は、その台風の性質で決まるわけではありません。

あらかじめ用意された140個の名前を、発生順に割り当てていく仕組みです。日本を含む14の国と地域が、それぞれ10個ずつ提案しています。

一巡すると、また最初に戻ります。

日本が提案した名前

日本は星座の名前を提案しています。テンビン、ヤギ、ウサギ、カジキといった名前が並びます。

名前の由来を知ると、台風のニュースの見え方が少し変わります。

詳しくは台風の名前はどう決まる?ダサいと言われる理由と140個のアジア名の由来をご覧ください。

【8月9日時点の内容】いま警戒すべき台風15号

ここからが、この記事で最も重要な部分です。

台風15号は、9日15時現在、日本の東にあります。西南西へゆっくり進んでいます。

項目 内容
名前 チャンホン
9日15時の位置 日本の東
中心気圧 990ヘクトパスカル
最大風速 20メートル
進む方向 西南西へゆっくり

今後の見通し

  1. 10日は日本の東を西寄りに進む
  2. 11日15時には三陸沖に達する見込み
  3. その後、熱帯低気圧に変わる
  4. 12日15時には日本海へ進む見込み

この動きから、11日から12日ごろにかけて東北地方へ接近、あるいは上陸する可能性が指摘されています。

16号とは逆の動きです

2つの台風を並べると、対照的な動きが見えてきます。

16号は日本の東で発生し、さらに東へ離れていきます。15号は日本の東にありながら、西南西へ、つまり日本のほうへ近づいてきます。

同じ「日本の東」という場所にありながら、進む向きが正反対です。これが、番号ではなく進路を見るべき理由です。

ニュースで新しい台風の発生を聞いたら、まず地図を思い浮かべてください。どちらへ向かっているのか。それだけで判断がつきます。

あまり発達しない見込みです

ここは安心材料です。

15号は、海面水温の低い海域を進む予想になっています。台風は暖かい海から水蒸気を得て発達するため、水温が低ければ勢力を強められません。

現時点では、暴風域を伴わないとみられています。

それでも油断はできません

暴風域がないことと、被害が出ないことは別です。

台風の周辺と進路にあたる海域は、しけとなります。海のレジャーや漁業に関わる方は、十分に警戒してください。

また、台風が接近すれば雨も降ります。地形によっては、局地的に強い雨になることがあります。

東北地方にお住まいの方へ(8月9日時点)

11日から12日にかけて、風雨が強まる可能性があります。

いまのうちに、飛ばされそうなものを片付けてください。植木鉢、物干し竿、ごみ箱。こうしたものが飛来物になります。

15号の詳細は台風15号(チャンホン)の進路と勢力は?2026年8月5日時点の状況と備えにまとめています。

3つの台風が同時に存在しています

いま、日本の周辺には複数の台風が同時に存在しています。

台風13号、15号、そして今日発生した16号です。3つが同時に存在する状態を、トリプル台風と呼ぶことがあります。

同時発生は珍しくありません

夏から秋にかけては、海面水温が高く台風が発生しやすい時期です。複数が同時に存在することは、それほど珍しいことではありません。

ただし、互いに影響を及ぼし合うことがあります。近い距離にある2つの台風が、互いの周りを回るように動く現象が知られています。

この仕組みはトリプル台風とは?3つ同時発生の仕組みと藤原の効果、備え方を解説で解説しています。

数が多いと情報が混乱します

実務的な問題として、こちらのほうが重要かもしれません。

複数の台風があると、どれが自分に関係するのか分かりにくくなります。ニュースで「台風」と聞いても、どの台風の話か判断できません。

必ず番号を確認してください。そして、自分の地域へ向かっているのはどれかを見極めてください。

2026年は台風が多い年です

ここで、今年の台風の傾向を整理しておきます。

16号は、今月に入って3つ目の台風です。7月末の時点で、平年より5個ほど多く発生していました。

1月から毎月発生しています

注目すべき記録があります。

2026年は、1月から8月まで毎月台風が発生しています。1951年以降でこのパターンにあてはまるのは、1965年と2015年だけだとされています。

つまり、統計上でも珍しい年だということです。

発生数と被害は別です

ここで誤解しないでいただきたい点があります。

台風の発生数が多いことと、日本に大きな被害が出ることは、直接つながりません。

16号のように、発生しても日本に近づかない台風は多くあります。逆に、発生数が少ない年でも、1つの台風が甚大な被害をもたらすことがあります。

数に一喜一憂せず、個々の進路を見てください。

年間の傾向

2026年の台風全体の見通しは2026年の台風最新情報・予測・発生数・接近傾向・備えるべき対策を気象データをもとに完全解説にまとめています。

進路予想図の読み方

自分に関係する台風かどうかを見極めるための基礎知識です。

予報円は「中心が入る範囲」です

台風の進路予想図には、大きな円が描かれています。これが予報円です。

よくある誤解が、この円の中が全部危険だという理解です。実際には、台風の中心がこの範囲に入る可能性が70パーセントという意味です。

円の大きさは、予想の不確かさを表しています。先の予報ほど円は大きくなります。

暴風域と強風域

区分 意味
暴風域 風速25メートル以上の風が吹く、または吹く可能性がある範囲
強風域 風速15メートル以上の風が吹く、または吹く可能性がある範囲

15号のように暴風域を伴わない台風でも、強風域はあります。風が吹かないわけではありません。

円の外でも影響は出ます

台風から離れていても、雨雲が流れ込むことがあります。

実際、台風本体が遠くにあるのに、その周辺の湿った空気が大雨をもたらす事例は繰り返し起きています。

予報円だけを見て「自分は範囲外だから大丈夫」と判断しないでください。

読み方の詳細は台風の強さ・大きさの分類と進路予想図の読み方【完全ガイド】予報円・暴風域・強風域の意味で解説しています。

なぜ16号は日本へ来ないのか

進路が決まる仕組みを知っておくと、次の台風のときに役立ちます。

台風は自分で進路を選びません

台風には、自力で進む力はほとんどありません。周囲の風に流されて動きます。

この流れを作っているのが、上空の風と、太平洋高気圧の位置です。

高気圧の縁を回ります

夏の日本の南には、太平洋高気圧が張り出しています。台風は、この高気圧の縁に沿って動く傾向があります。

高気圧が日本の上に大きく張り出していれば、台風は西へ流されます。逆に高気圧が東へ後退していれば、台風は日本へ北上しやすくなります。

16号は、日本の東側で発生しました。そこから東へ流される位置関係にあったということです。

同じ場所で発生しても進路は変わります

ここが難しいところです。

発生した場所が近くても、そのときの高気圧の配置によって、進む方向はまったく違ってきます。

だから「この海域で発生したから日本へ来る」といった単純な予測はできません。毎回、進路予想を確認する必要があります。

予想が変わることもあります

いまは日本への影響がないとされていても、予想は更新されます。

特に発生直後の台風は、進路の予想が難しいものです。数日先の予報ほど、幅が広くなります。

「影響なし」と一度聞いても、念のため翌日にもう一度確認する。この習慣をおすすめします。

台風と熱帯低気圧の違い

16号は12日ごろに熱帯低気圧に変わる見込みです。この表現について説明します。

境目は風速です

台風と熱帯低気圧は、別のものではありません。同じ現象を、強さで呼び分けているだけです。

呼び方 最大風速
台風 およそ17メートル以上
熱帯低気圧 それ未満

つまり「熱帯低気圧に変わる」とは、風が弱まったという意味です。消滅したわけではありません。

熱帯低気圧でも大雨は降ります

ここが最も誤解されやすい点です。

台風でなくなったと聞くと、危険が去ったように感じます。しかし、雨をもたらす力は残っています。

過去には、熱帯低気圧に変わったあとに大雨で被害が出た事例があります。名前が変わっただけで安心しないでください。

台風になる前も同じです

逆の場合もあります。台風に「発達する見込み」の熱帯低気圧です。

まだ台風ではないから大丈夫、ということはありません。台風の定義は台風の定義とは?気象庁の基準と熱帯低気圧との違いについて説明で扱っています。

いま何をすべきか

お住まいの地域によって、いまやるべきことが変わります。

地域 いまやること
東北地方 飛散物の片付け。11日から12日に備える
関東・東日本 15号の進路を確認。海のレジャーは中止も検討
その他の地域 16号の心配は不要。備蓄の点検を
沿岸部・海に出る方 しけに警戒。全国共通で注意

台風が来る前にできること

台風には、地震にない利点があります。数日前から分かることです。

この時間を使えるかどうかで、被害の大きさが変わります。

  • 飛ばされそうなものを屋内に入れる
  • 雨どいや排水口の詰まりを取り除く
  • スマートフォンとモバイルバッテリーを充電する
  • 風呂に水を張る
  • 車の燃料を満たしておく
  • 停電に備えて明かりを用意する

どれも1時間もかかりません。

影響がない台風でも点検の機会に

16号は日本に来ません。しかし、備えを見直す機会にはなります。

この夏、まだ台風は来ます。9月から10月にかけては、日本に接近する台風が増える時期です。

いま点検しておけば、次に備えられます。

台風で本当に危ないもの

台風というと風を思い浮かべます。しかし、被害の中心は別のところにあります。

被害の多くは水によるものです

過去の台風災害を振り返ると、犠牲者の多くは水に関わる被害で生じています。

  • 河川の氾濫による浸水
  • 内水氾濫。排水が追いつかず街があふれる
  • 土砂災害
  • 高潮による沿岸部の浸水

風で飛ばされて亡くなる事例より、水による被害のほうがはるかに多いのです。

高潮という現象

台風の気圧が低いと、海面が吸い上げられて上昇します。加えて、強い風が海水を岸へ吹き寄せます。

この2つが重なると、海面が異常に高くなります。満潮の時刻と重なれば、被害はさらに大きくなります。

暴風域を伴わない台風でも、気圧が低ければ影響は出ます。

仕組みは台風で危険なのは風より大雨・高潮|吸い上げ効果と吹き寄せ効果の仕組みと浸水対策で解説しています。

自宅の浸水想定を確認する

台風が来る前にできる、最も価値のある準備です。

自治体のハザードマップで、自宅がどれくらい浸水する想定かを見てください。何メートル浸かるのか、2階へ逃げれば足りるのか。これが分かっていれば、避難の判断が早くなります。

避難の判断をどうするか

台風では、避難のタイミングが命を分けます。

暗くなる前に動く

最も実務的な助言です。

夜間の避難は危険です。冠水した道路の側溝が見えず、転落する事故が起きています。

台風の接近が夜になりそうなら、明るいうちに避難を済ませてください。

警戒レベルを覚えておく

レベル 取るべき行動
3 高齢者等は避難を開始する
4 危険な場所から全員避難する
5 命の危険。直ちに安全確保

レベル5は、すでに災害が起きている段階です。ここで避難を始めるのでは遅すぎます。

レベル4で全員避難。この数字だけは覚えておいてください。

避難所へ行くとは限りません

建物が安全で、浸水想定区域の外にあるなら、自宅にとどまる選択もあります。

逆に、平屋で浸水想定が深い地域なら、早めに避難所へ向かうべきです。

判断の基準は【災害時】避難所へ行くべきか自宅に残るべきか?正しい判断基準と在宅避難・避難所避難の全知識2026年版で整理しています。

ペットや高齢の家族がいる場合

準備に時間がかかります。だから、より早く動く必要があります。

「レベル4になってから」ではなく、レベル3の段階で動き始めてください。

情報の確認方法

台風の情報は、時間とともに変わります。

この記事の情報も古くなります

正直にお伝えします。この記事は2026年8月9日時点の情報にもとづいています。

台風の進路予想は、数時間ごとに更新されます。実際に行動する際は、必ず最新の情報を確認してください。

確認すべき情報源

情報源 特徴
気象庁の発表 公式かつ最も確実
自治体の発表 避難情報など地域に密着
テレビ・ラジオ 停電時はラジオが有効
気象会社のサイト 解説が丁寧で分かりやすい

避難の判断は、必ず自治体の情報にもとづいて行ってください。

停電したときの備え

台風では停電が起こります。そのとき、スマートフォンだけでは情報が得られなくなることがあります。

基地局が停電すれば、圏外になります。電波を直接受信するラジオを1台持っておくと安心です。

私が北海道で考えていること

私は札幌に住んでいます。北海道は台風の被害が少ないと思われがちですが、事情は変わってきました。

備えの薄い地域が危ない

2016年には、複数の台風が相次いで北海道に上陸しました。道内各地で大きな被害が出ています。

台風が来ない前提で建てられた家、整備されていない排水路、慣れていない住民。これらが重なると、被害は大きくなります。

今回の15号も、東北地方が対象です。台風の常襲地域ではない場所へ向かう台風には、特有の危うさがあります。

「弱い台風」という言葉に注意

15号は、あまり発達しない見込みとされています。暴風域も伴わない予想です。

この情報を「大したことはない」と受け取ると危険です。

台風の強さは風の強さで決まります。しかし被害の大きさを決めるのは、風だけではありません。雨の量、地形、そしてその土地の備えの状態です。

風が弱くても、大雨で川があふれることはあります。

番号に振り回されないでください

相談を受けていて感じるのは、番号だけが独り歩きすることです。

「16号が発生した」と聞けば、身構えます。しかし実際には、日本に来ない台風でした。逆に、報道が少ない台風が自分の地域を直撃することもあります。

必要なのは、進路を確認する習慣です。番号ではなく、方向を見てください。

今年はまだ続きます

8月上旬で16号という数字は、かなり早いペースです。

これから9月、10月と、台風の季節は続きます。今年は例年より多い年になる可能性があります。

一つひとつに一喜一憂せず、備えを整えたうえで、進路だけを冷静に追ってください。

影響のない台風に価値があります

逆説的に聞こえるかもしれません。

日本に来ない台風は、備えを見直す絶好の機会です。差し迫った危険がないため、落ち着いて準備できます。

本当に台風が近づいているときは、慌ただしくなります。買い物に行けば品薄で、業者に頼もうとしても順番待ちです。

16号のニュースを見て「よかった」で終わらせず、ベランダを見回す。それだけで、この台風は役に立ったことになります。

ニュースの読み方が変わります

台風の記事を書き続けていて気づいたことがあります。

読者が最も知りたいのは「自分に関係あるか」です。勢力の数値でも、名前の由来でもありません。

だからこの記事も、結論を最初に書きました。16号は来ない、警戒すべきは15号だと。

情報を受け取る側も、この視点で読んでください。数字の羅列に惑わされず、進路だけを見る。それが最も確実です。

よくある質問

Q. 台風16号は日本に来ますか

A. 来ません。8月9日15時に小笠原近海で発生し、東へ進んでいます。11日ごろに南鳥島付近で北東へ向きを変え、12日ごろには熱帯低気圧に変わる見込みです。日本列島からは一貫して離れていきます。

Q. 16号の勢力はどのくらいですか

A. 発生時点で中心気圧998ヘクトパスカル、最大風速18メートル、最大瞬間風速25メートルです。台風としては弱い部類にあたり、大型で強い台風が950ヘクトパスカルを下回ることと比べると、勢力は限られています。

Q. ペイローとはどういう意味ですか

A. マカオが提案した名前で、鳥の名前が由来とされています。台風の名前は、日本を含む14の国と地域が10個ずつ提案した140個を、発生順に割り当てる仕組みです。台風の性質で決まるわけではありません。

Q. では何を警戒すればよいですか

A. 台風15号です。9日15時現在、日本の東にあり西南西へ進んでいます。11日15時には三陸沖に達する見込みで、11日から12日にかけて東北地方へ接近・上陸する可能性が指摘されています。

Q. 15号は強い台風ですか

A. 中心気圧990ヘクトパスカル、最大風速20メートルです。海面水温の低い海域を進むためあまり発達しない見込みで、現時点では暴風域を伴わないとみられています。ただし周辺の海域はしけるため警戒が必要です。

Q. 暴風域がなければ安心ですか

A. 安心はできません。暴風域がなくても強風域はあり、風は吹きます。また台風が接近すれば雨も降り、地形によっては局地的に強い雨になります。被害の大きさは風だけで決まりません。

Q. 番号が大きいほど危険ですか

A. 関係ありません。番号は発生した順につけられるだけです。危険かどうかを決めるのは進む方向です。16号は日本から離れ、15号は日本へ近づきます。番号ではなく進路を見てください。

Q. 3つ同時に台風があるのは異常ですか

A. 珍しいことではありません。夏から秋は海面水温が高く、台風が発生しやすい時期です。ただし近い距離にある台風どうしが影響を及ぼし合うことがあります。また情報が混乱しやすいため、必ず番号を確認してください。

Q. 今年は台風が多いのですか

A. 多い年です。7月末時点で平年より5個ほど多く発生していました。また1月から8月まで毎月台風が発生しており、1951年以降でこのパターンは1965年と2015年だけとされています。

Q. 予報円の中は全部危険ですか

A. 違います。台風の中心がその範囲に入る可能性が70パーセントという意味です。円の大きさは予想の不確かさを表しており、先の予報ほど大きくなります。また円の外でも、雨雲が流れ込んで大雨になることがあります。

Q. なぜ16号は日本へ来ないのですか

A. 台風は自力で進む力がほとんどなく、周囲の風に流されて動きます。夏は太平洋高気圧の縁に沿って動く傾向があり、16号は日本の東側で発生したため、東へ流される位置関係にありました。同じ海域で発生しても、高気圧の配置によって進路は変わります。

Q. 「熱帯低気圧に変わる」とは消滅ですか

A. 違います。台風と熱帯低気圧は同じ現象を強さで呼び分けているだけで、最大風速がおよそ17メートル未満になると熱帯低気圧と呼ばれます。風が弱まっただけで、雨をもたらす力は残ります。過去には熱帯低気圧に変わったあとの大雨で被害が出た事例もあります。

Q. 台風で最も危ないのは何ですか

A. 水による被害です。河川の氾濫、内水氾濫、土砂災害、高潮。過去の台風災害でも、風で飛ばされる被害より水に関わる被害のほうがはるかに多く生じています。自宅の浸水想定を確認しておいてください。

Q. 避難はいつ始めればよいですか

A. 警戒レベル4で全員避難です。レベル5はすでに災害が起きている段階で、そこから動くのでは遅すぎます。また夜間の避難は危険なので、接近が夜になりそうなら明るいうちに済ませてください。高齢の家族やペットがいる場合は、レベル3で動き始めてください。

Q. 東北地方では今のうちに何をすべきですか

A. 飛ばされそうなものを屋内に入れてください。植木鉢、物干し竿、ごみ箱などが飛来物になります。あわせて雨どいの詰まりを取り除き、スマートフォンを充電し、風呂に水を張っておいてください。1時間もかかりません。

まとめ

台風16号について、要点を整理します。

  • 2026年8月9日15時に小笠原近海で発生
  • 名前はペイロー。マカオ提案で鳥の名が由来
  • 中心気圧998ヘクトパスカル、最大風速18メートル
  • 東へ時速20キロで進み、日本から離れていく
  • 11日ごろ南鳥島付近で北東へ向きを変える
  • 12日ごろ熱帯低気圧に変わる見込み
  • 日本への直接の影響はない
  • 警戒すべきは台風15号のほう
  • 15号は11日15時に三陸沖、東北へ接近・上陸のおそれ
  • 15号はあまり発達しない見込みだが、しけには警戒
  • 暴風域がなくても強風域はあり、雨も降る
  • 番号の大小と危険度は無関係。進路を見る
  • 2026年は平年より約5個多く、1月から毎月発生

台風の情報で最も大切なのは、自分の地域に関係するかどうかです。番号や発生のニュースに反応するのではなく、進む方向を確認してください。

被災してしまった場合の対応は台風で被災した後にやること|屋根に登らない理由と修理業者トラブルの防ぎ方にまとめています。屋根に登らないこと、修理業者をその場で決めないこと。この2点だけでも覚えておいてください。

今日できることをひとつ挙げます。ベランダや庭を見回して、風で飛びそうなものがないか確認してください。16号は来ませんが、この夏はまだ台風が来ます。片付けておいて損はありません。

そして、ご自宅のハザードマップを開いてみてください。浸水想定が何メートルか、土砂災害の警戒区域に入っているか。これが分かっていれば、次に台風が近づいたときの判断が早くなります。

なお、この記事の情報は2026年8月9日時点のものです。台風の進路予想は数時間ごとに更新されます。行動する際は必ず最新の発表を確認してください。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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