【災害時】避難所へ行くべきか自宅に残るべきか?正しい判断基準と在宅避難・避難所避難の全知識2026年版

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【災害時】避難所へ行くべきか自宅に残るべきか?正しい判断基準と在宅避難・避難所避難の全知識2026年版

「地震が起きたとき、避難所に行くべき?それとも自宅に残るべき?」「近所のハザードマップを見たが、自分の家は大丈夫なのか分からない」「避難所に行ったら生活が大変だと聞いたが、本当に行かないといけないの?」「在宅避難ってどういうこと?何を準備しておけばいい?」

このような疑問や不安を持っている方は非常に多いです。

結論から言います。

「災害時は避難所へ行く」という考え方は、必ずしも正しくありません。

状況によっては、自宅に残る「在宅避難」が最も安全で適切な選択になる場合があります。

重要なのは「避難所 vs 在宅」という二択の正解を探すことではなく、「今自分の置かれている状況において、どちらがより安全か」という正確な判断ができるようになることです。

この記事では、「避難所に行くべき状況」と「自宅に残るべき状況」の判断基準・ハザードマップの正しい読み方・在宅避難に必要な備蓄の具体的な量・避難所の実態と問題点・避難指示レベルの意味・第三の選択肢としての縁故避難や車中泊避難まで、「災害時に命を守る正しい判断力」を身につけるために必要な情報を完全解説します。

目次

まず理解すべき「避難」の本当の意味

「避難」という言葉を聞くと、多くの人が「避難所に行くこと」を想像します。しかし内閣府の防災情報では、「避難」の本来の定義は「難(難しい・危険な状況)を避けること」です。

つまり「避難所に行くこと」は避難の手段の一つにすぎません。自宅が安全ならば自宅にとどまることも・安全な親戚の家に移動することも・ホテルに滞在することも、すべて「避難」の形の一つです。

「どこに逃げるか」ではなく「危険から身を守るために最善の選択は何か」という視点で判断することが、現代の防災の基本的な考え方です。

「避難所に行くべき状況」と「自宅に残るべき状況」の判断フロー

「避難所に行くべきか・自宅に残るべきか」は、以下の順番で判断してください。

ステップ① まず「自宅が安全かどうか」を確認する

最初に確認すべきは、自宅そのものの安全性です。以下のいずれかに該当する場合は、自宅に残ることは危険です。迷わず避難してください。

  • 洪水・浸水の危険がある地域に住んでいる(ハザードマップで浸水想定区域に指定されている)
  • 土砂災害の危険がある地域に住んでいる(土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に指定されている)
  • 津波の浸水想定区域内に住んでいる
  • 地震で家屋が倒壊・損傷している(壁にひび・柱の傾き・扉が開かないなどの構造的損傷がある)
  • 火災の危険がある(近隣で火災発生・ガス漏れの臭いがする)

一方で、以下のすべてに該当する場合は、自宅に残る「在宅避難」が選択肢になります。

  • ハザードマップで自宅周辺に浸水・土砂災害・津波などのリスクがない(または低い)
  • 家屋に構造的な損傷がない
  • 火災・ガス漏れの危険がない
  • 最低3日分・できれば7日分以上の水・食料・生活用品が備蓄されている

ステップ② 発令された「避難情報の種類」を確認する

2021年5月に改正された「災害対策基本法」により、避難情報の種類と意味が大幅に見直されました。現行の避難情報は「警戒レベル1〜5」の5段階で発令されます。

警戒レベル 情報の種類 とるべき行動
レベル1 早期注意情報(気象庁発表) ハザードマップ等で危険な場所を確認する
レベル2 洪水注意報・大雨注意報など(気象庁発表) 避難経路・避難場所を確認する
レベル3 高齢者等避難(市区町村発令) 高齢者・障がい者・乳幼児など「自力での避難に時間がかかる方」は避難を開始する。その他の方も避難の準備を始める
レベル4 避難指示(市区町村発令) 危険な場所にいる全員が速やかに避難する。「避難指示」が出たら直ちに行動する
レベル5 緊急安全確保(市区町村発令) すでに命が危険な状態。安全な避難が困難な場合は「建物の2階以上・頑丈な建物への移動(垂直避難)」で命を守る。レベル5になってから逃げ始めるのは手遅れの場合が多い

最も重要なポイントは「レベル4の避難指示が出る前に行動を始めること」です。

能登半島地震(2024年1月)の被災地での調査では、「警報が出てから避難した」という方の中に避難が遅れて孤立したケースが多く確認されました。

「レベル3の高齢者等避難が発令された時点で行動を開始する」ことが、命を守る正しいタイミングです。

ステップ③ 「ハザードマップ」で自宅のリスクを事前に把握する

「いざというときに判断する」では間に合いません。

ハザードマップは平時に確認しておくことで、「自分の自宅がどのリスクにさらされているか」を事前に把握できます。

国土交通省が提供する「ハザードマップポータルサイト(disaportal.gsi.go.jp)」では、住所を入力するだけで以下のリスク情報を地図上で確認できます。

  • 洪水浸水想定区域(河川が氾濫した場合の浸水深)
  • 土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域
  • 津波浸水想定区域
  • 高潮浸水想定区域
  • 地震動・液状化のリスク

今すぐ確認してください。

「自宅がどのリスクにさらされているかを知っている人」と「知らない人」では、災害時の判断速度・行動の質に雲泥の差があります。

「在宅避難」を選ぶべきケースと必要な準備

ハザードマップ上でリスクが低く・家屋の安全性が確認できた場合、自宅にとどまる「在宅避難」は非常に有力な選択肢です。

むしろ、「避難所に行かなくて済むなら行かない」ことが理想的な場合もあります。

在宅避難が「避難所より優れている」理由

  • プライバシーが守られる:避難所では大人数と同じ空間で生活するため、着替え・授乳・医療ケア・休息すべてにおいてプライバシーが著しく失われる
  • 感染症リスクが低い:避難所での集団生活では、インフルエンザ・ノロウイルス・新型コロナウイルスなどの感染症が蔓延するリスクが高い。特に乳幼児・高齢者・免疫機能が低下している方にとって避難所の感染症リスクは深刻
  • 精神的なストレスが少ない:見知らぬ人との長期共同生活は強い精神的ストレスを引き起こす。「避難所ストレス」による体調悪化・持病の悪化が被災者死(災害関連死)の主要な原因の一つになっている
  • ペットと一緒にいられる:多くの避難所でペットの居住スペースへの持ち込みは禁止されている。在宅避難ならばペットと一緒に過ごせる
  • 食事・生活リズムが維持しやすい:避難所の食事は備蓄品のみで栄養が偏りがち。在宅避難では備蓄した食料で自分の体調・好みに合わせた食事が可能
  • 医療機器・特別な食事が必要な方が対応しやすい:在宅酸素・人工透析・経管栄養などの医療ニーズを持つ方は、避難所での対応が困難なため在宅避難(またはより対応力のある福祉避難所への移動)が適切な場合がある

在宅避難を成立させる「最低限の備蓄量」

在宅避難を選択するためには、「外部の支援なしに生活できる備蓄」が必要です。内閣府・消防庁が推奨する備蓄の目安は「最低3日分、できれば7日分」です。

2024年の能登半島地震では、孤立集落への支援物資到着まで7日以上かかった地区も複数ありました。「7日分の備蓄」を最低ラインとして準備しておくことが、2026年現在の防災の標準的な考え方です。

水の備蓄

飲料水の必要量は1人1日あたり「最低2リットル・生活用水を含めると約3リットル」です。4人家族で7日分なら「最低56リットル(2L×4人×7日)」の飲料水が必要です。

市販の2Lペットボトルで換算すると28本になります。

備蓄水のほかに、浴槽に水を溜めておく・給水タンクを準備しておく・ウォータータンクを備蓄しておくことで生活用水を補えます。

食料の備蓄

在宅避難中の食事は「調理なし・水なし(または少量の水)で食べられる食品」を中心に揃えることが原則です。

ガス・電気が止まる状況を前提に、以下の食品カテゴリーを組み合わせます。

カテゴリー 具体的な食品例 7日分の目安(1人)
主食 アルファ米・レトルトご飯・カップ麺・乾パン・クラッカー 21食分
主菜・タンパク質 ツナ缶・サバ缶・焼き鳥缶・コンビーフ缶・豆缶・レトルト肉じゃが 14〜21缶
副菜・野菜 コーン缶・トマト缶・乾燥野菜・フリーズドライみそ汁 各7〜14食分
甘いもの・おやつ チョコレート・あめ・ビスコ保存缶・ゼリー飲料 適量
飲料 スポーツドリンク・緑茶・コーヒー・ミネラルウォーター 7日分

生活用品の備蓄

  • トイレ用品(携帯トイレ・凝固剤・消臭袋):断水時にトイレが使えなくなる。1人1日5回使用として7日分=35回分以上の携帯トイレが必要
  • 懐中電灯・ヘッドライト(乾電池式)・予備電池
  • カセットコンロ・カセットガスボンベ(最低14本以上)
  • ポータブル電源(スマートフォンの充電・医療機器のバックアップ)
  • 手回し・ソーラー充電ラジオ(緊急放送の受信)
  • 救急箱(常備薬・処方薬2週間分・消毒液・包帯・絆創膏)
  • ウェットティッシュ・除菌スプレー・マスク(衛生管理)
  • 毛布・カイロ(停電による暖房喪失対策)
  • 現金(ATM・カード決済が使えない状況に備えて小銭も含めて用意)

在宅避難で見落とされがちな「断水時のトイレ問題」

在宅避難の最大の落とし穴が「トイレ問題」です。断水時に水洗トイレを使うと、排水管が詰まり・下水が逆流するリスクがあります。

断水中は通常の水洗トイレの使用を控えてください。

携帯トイレ(凝固剤付き)をトイレの便器にセットして使用する方法が、在宅避難時の最善のトイレ対策です。

東日本大震災・熊本地震の被災地では、断水後にトイレが使えなくなり「水洗トイレに用を足したら下水が逆流した」「トイレに行けないため水分を控えて体調が悪化した」という問題が多数報告されています。

携帯トイレの備蓄は「ライフラインの中で最も軽視されがちだが、実は最も生活の質に直結する備蓄品」です。

「避難所に行くべき状況」と避難所の実態

「危険な場所からの避難」と「避難所での長期生活」は、全く異なる問題です。

まず「危険な場所から安全な場所に移動する」という「同行避難」の意味での避難は、ハザードマップでリスクがある地域に住んでいる方全員に必要な行動です。

その上で「安全な場所(避難所・親族宅・ホテル)」の中で最善の選択をする——という2段階で考えることが重要です。

避難所の実態:現場で何が起きているか

「避難所に行けば安全・快適」という認識は正しくありません。

過去の大規模災害の避難所では、以下の問題が繰り返し発生しています。

  • 雑魚寝・プライバシーのなさ:体育館の床に毛布1枚で何十人もが寝る状況が続く。間仕切りがない避難所ではプライバシーが完全に失われる。2016年熊本地震の避難所では段ボールベッドの普及が「床からの冷気・腰痛・プライバシー確保」に大きく貢献したと評価されたが、2024年能登半島地震でも段ボールベッドの供給が追いつかない避難所が多数あった
  • トイレ問題:避難者数に対してトイレの数が圧倒的に不足する。和式トイレのみで高齢者・身体障がい者が使えない。断水でトイレが使えなくなる。「トイレが汚い・少ない」という理由で水分を控えて脱水症状・エコノミークラス症候群を発症するケースが多発
  • 感染症の集団発生:インフルエンザ・ノロウイルス・コロナウイルスなどの感染症が避難所内で集団発生するリスクが高い。特に子ども・高齢者・免疫機能が低下している方は重症化リスクが高い
  • 食事の偏り:支援物資が届くまでの数日間は菓子パン・おにぎり・インスタント麺などの炭水化物中心の食事が続く。糖尿病・高血圧・腎疾患などの基礎疾患がある方には特に問題になる
  • ストレスによる健康悪化(災害関連死):避難所生活のストレス・睡眠不足・栄養不足・運動不足・医療アクセスの困難が重なり、持病が悪化して死亡するケース(災害関連死)が多発する。東日本大震災では、直接的な建物倒壊・津波による死者より「災害関連死」の人数の方が多かった自治体もある

「避難所に行けばすべてが解決する」という発想は危険です。

在宅避難が可能な環境にいるにもかかわらず避難所に行くことで、かえって健康リスクが高まる場合があります。

避難所に行く場合に持参すべきもの

避難所はすべての生活用品を提供してくれる場所ではありません。

持参する「持ち出し袋(ゴーバッグ)」の内容が、避難所での生活の質を大きく左右します。

  • 水(最低2L)・食料(1〜2日分):避難所の支援物資が届くまでの間をつなぐ
  • 常備薬・処方薬(最低2週間分)・お薬手帳:避難所や避難先の医療機関で迅速に処方を受けるために必須
  • 健康保険証・マイナンバーカード・免許証のコピー
  • 現金(小銭も含めて):ATM・カード決済が使えない状況に備える
  • 携帯トイレ(10〜20回分):避難所のトイレが混雑・使用不能になった際の対策
  • ヘッドライト・予備電池
  • モバイルバッテリー(フル充電済み)
  • スリッパ・靴(室内移動用):体育館の床を素足で歩くのは衛生・怪我のリスクがある
  • 耳栓・アイマスク:雑音・光の中での睡眠に必須
  • 着替え(3日分)・タオル・ウェットティッシュ
  • マスク(複数枚)・消臭・除菌スプレー:感染症対策
  • ゴミ袋(多めに):避難所でのゴミ管理・携帯トイレの廃棄
  • 子ども用品(おむつ・粉ミルク・おやつ・おもちゃ):子どもがいる家庭に必須
  • ペット関連用品(ペットを同行する場合)

第三の選択肢:「縁故避難」と「車中泊避難」

「避難所か在宅か」という二択だけでなく、「第三の避難先」を事前に準備しておくことが現代の防災の重要なポイントです。

縁故避難(親族・友人宅への避難)

「危険な地域から安全な地域に住む親族・友人宅に移動する」縁故避難は、避難所の問題を完全に回避できる最善の方法の一つです。

内閣府の調査では、熊本地震後に避難所以外で過ごした人の多くが「縁故避難を選んだ」と回答しています。

縁故避難を成立させるためには「事前に避難先の了解を取り付けておくこと」が前提条件です。

「いざというときにお願いできる親族・友人・知人の家」を事前に2〜3か所リストアップして、「もしものときは頼ってもいいか」という話し合いを平時にしておくことが最大の準備です。

車中泊避難

「避難所の雑魚寝が無理・プライバシーを守りたい・ペットと一緒にいたい」という理由で車中泊を選ぶ被災者は非常に多いです。

2016年熊本地震では、多くの被災者が車中泊を選択しました。

ただし車中泊避難には「エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)」という深刻なリスクがあります。

車中泊避難のメリット 車中泊避難のデメリット・注意点
プライバシーが守られる エコノミークラス症候群(足を動かせず血栓ができる)のリスク
ペットと一緒にいられる 夏場の車内は高温(60〜80℃)になり熱中症の危険がある
移動手段として機能する 冬場は寒さ・排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険(エンジンをかけっぱなしで寝ることは禁止)
自分の空間で休める 長期になるとガソリン不足が問題になる
医療機器・特別な食事が必要な方に対応しやすい 揺れ・余震で車が移動するリスク(サイドブレーキの確認)

車中泊を選ぶ場合は「1〜2時間ごとに外に出て足を動かす・水分をこまめに摂る」というエコノミークラス症候群対策を徹底してください。

ホテル・旅館への避難

経済的に余裕がある場合・被災地から離れた安全なホテル・旅館に移動することも有力な選択肢です。

2020年以降、多くの自治体が「ホテル・旅館との災害時の避難者受け入れ協定」を締結しています。

お住まいの市区町村の公式サイトで「避難者受け入れホテル協定」を検索して、協定先リストを事前に確認しておくことをお勧めします。

「避難所か在宅か」で悩む前に今すぐやるべき3つのこと

「いざというときに正しい判断をするための土台」は平時に作るしかありません。

以下の3つを、今週中に実行してください。

  1. ハザードマップで自宅のリスクを確認する
    国土交通省「ハザードマップポータルサイト(disaportal.gsi.go.jp)」で自宅の住所を入力し、洪水・土砂・津波・液状化のリスクを確認してください。自宅がリスク外なら在宅避難が有力な選択肢になります。リスクがある場合は避難先の確保と早めの避難計画が必要です。この確認だけで「避難所か在宅か」の判断の8割が決まります。
  2. 在宅避難の準備として「7日分の水・食料・トイレ」を備蓄する
    2Lペットボトル28本(4人家族の7日分飲料水)・缶詰・レトルト食品・アルファ米・乾パンで7日分の食料・携帯トイレ100回分(4人家族の7日分)の備蓄を始めてください。全部を一度に揃える必要はありません。毎回の買い物で少しずつ「防災備蓄用の棚」に加えていくローリングストック方式で無理なく揃えられます。
  3. 「緊急連絡先リスト」と「家族の避難計画」を作る
    「地震が起きたら家族はどこに集まるか」「避難所はどこか・車でどう行くか」「縁故避難の相手は誰か・連絡先は何番か」を家族全員で話し合って紙に書いておいてください。スマートフォンの充電が切れた状況でも使える「紙のリスト」として防災袋に入れておくことが重要です。

「避難所に行くか・在宅避難か」という問いに対する正解は、住んでいる場所・家の構造・家族の構成・備蓄の状況・発生した災害の種類によって変わります。

大切なのは「正解を探すこと」ではなく「状況を正確に把握して自分で判断できる力を持つこと」です。

平時のハザードマップ確認・備蓄の準備・家族との話し合いという3つの積み重ねが、いざというときの「正しい判断・迅速な行動・命を守る結果」に直結します。

今日から、少しずつ準備を始めてください。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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