ワイドFMとは?90.1MHz以上に対応していないラジオでは聴けません

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【この記事の要約】
ワイドFMとは、AM放送の番組をFMの電波でも同時に流す仕組みです。正式にはFM補完放送といいます。従来のFMが76〜90MHzなのに対し、ワイドFMは90.1〜95MHzという新しく割り当てられた周波数を使います。ここが重要な点です。お手持ちのラジオが90MHzまでしか受信できない機種なら、ワイドFMは聴けません。防災ラジオを買うときに最優先で確認すべきは、この対応周波数です。そしていま、民放AMラジオ47局のうち44局が2028年秋までにFM放送への転換を目指しています。つまり数年後には、AMしか受信できないラジオでは地元局が聴けなくなる可能性があります。この記事では、ワイドFMの仕組み、自分のラジオが対応しているかの確かめ方、そして買い替えの判断基準までを整理します。

目次

結論:手持ちのラジオが90MHz超を受信できるか、今すぐ確認してください

先に結論をお伝えします。ワイドFMについて、まずやっていただきたいことはひとつです。

ご自宅にあるラジオの周波数表示を見てください。FMの目盛りが「90」で終わっているなら、そのラジオはワイドFMを受信できません。

「90.1」より上、たとえば「95」や「108」まで数字が並んでいれば対応しています。

なぜこれが防災上そこまで重要なのか。理由は2つあります。

一つ目は、AM放送は災害に弱い面があるからです。ワイドFMは、その弱点を補うために生まれました。

二つ目は、AM放送そのものが減っていくからです。民放AMラジオ47局のうち44局が、2028年秋までにFMへの転換を目指しています。

つまり、AMしか受信できないラジオは、数年後には使えなくなる可能性があります。備蓄しているラジオが「持っているだけ」にならないよう、いま確認しておいてください。

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ワイドFMとは何か

まずは言葉の意味から整理していきます。

ワイドFMは、AM放送局の番組をFMの電波でも流す仕組みです。正式名称はFM補完放送といいます。補完という言葉のとおり、AM放送を補うためのものです。

ここで押さえておきたいのは、新しい放送局が増えるわけではないという点です。同じ番組を、AMとFMの両方で流しているだけです。

たとえば、AMで聴いていた地元局の番組が、FMの周波数でもそのまま聴けるようになります。内容は同じです。

使う周波数が違います

ここが、この記事で最も重要な部分です。

種類 周波数の範囲
従来のFM放送 76〜90MHz
ワイドFM(FM補完放送) 90.1〜95MHz

従来のFM放送は76MHzから90MHzまででした。ワイドFMは、その上に新しく割り当てられた90.1MHzから95MHzという帯域を使います。

古いラジオは、90MHzまでしか受信できるように作られていません。だから聴けないのです。

「FMが聴けるラジオなら大丈夫だろう」と考えるのは危険です。FMが聴けることと、ワイドFMが聴けることは別の話です。

なぜワイドFMが必要になったのか

この仕組みが生まれた背景には、大きく2つの課題があります。どちらも防災と深く関わる話です。

課題1:AM放送は建物や地形に弱い

AM放送は、遠くまで届くという長所があります。夜になると、驚くほど遠い地域の放送が入ることもあります。

一方で、短所もあります。都市部の鉄筋コンクリートの建物の中や、山あいの地域では、ノイズが入って聴き取りにくくなります。

電化製品からのノイズにも弱い性質があります。冷蔵庫やパソコンの近くでは、雑音が混じることがあります。

この「聴きにくさ」を解消するのが、ワイドFMのひとつ目の役割です。難聴対策と呼ばれます。

課題2:AMの送信所は災害に弱い

私が防災の観点から特に重要だと考えているのが、この点です。

AM放送の送信所は、広い敷地を必要とします。そして電波を効率よく飛ばすため、地面が湿っている場所が適しています。

その結果、多くのAM送信所は海沿いや川沿いの低い土地に建てられてきました。

お気づきでしょうか。そこは、まさに水害に弱い場所です。津波や高潮、河川の氾濫で被害を受ける可能性があります。

災害時にこそ必要な放送が、災害によって止まってしまう。この矛盾を解消するために、比較的高い場所に設置できるFMの送信設備で補う仕組みが作られました。

ワイドFMは、単なる音質改善ではありません。放送を止めないための備えです。

自分のラジオが対応しているか確かめる方法

確認の方法を3つ紹介します。どれか1つでも実行すれば判断できます。

方法1:周波数の表示を見る

最も簡単な方法です。ラジオのダイヤルや液晶画面を見てください。

アナログのダイヤルなら、FMの目盛りの右端を確認します。「90」で終わっていれば非対応、「95」や「108」まであれば対応しています。

デジタル表示なら、FMモードで周波数を上げていってください。90.0MHzを超えて数字が進むなら対応しています。

方法2:本体やパッケージの表示を探す

対応機種には「ワイドFM対応」「FM補完放送対応」と書かれていることが多くあります。

本体のシール、取扱説明書、パッケージのいずれかに記載があるはずです。

方法3:実際に合わせてみる

お住まいの地域の局が、どの周波数でワイドFMを流しているかを調べてください。放送局のウェブサイトに記載があります。

その周波数に合わせて、音が出れば対応しています。

この方法が最も確実です。表示上は対応でも、実際の受信環境で入らないことがあるためです。

目安として覚えておきたい数字

FM放送の受信範囲が「76〜95MHz」あるいは「76〜108MHz」と書かれていれば、ワイドFMに対応しています。

「76〜90MHz」であれば非対応です。この数字だけ覚えておけば、店頭でも判断できます。

対応していなかった場合の選択肢

手持ちのラジオが非対応だった場合、どうするか。3つの道があります。

選択肢 費用の目安 考え方
そのまま使い続ける 0円 AM放送が続く間は使える。ただし将来は不透明
ワイドFM対応機に買い替える 2,000円台から 防災用として最も確実。多機能型なら5,000円前後
対応機を1台追加する 同上 既存機は日常用、新規は備蓄用として使い分ける

私がおすすめするのは、買い替えではなく追加です。

理由は、ラジオは複数あって困るものではないからです。停電のとき、家族がそれぞれ別の部屋にいることもあります。避難のとき、持ち出す1台と自宅に残す1台があると安心です。

古いラジオも、AM放送が続く間は問題なく使えます。捨てる必要はありません。

ワイドFMのメリット

実際に切り替えると、どんな利点があるのか整理します。

ノイズが減る

FMはAMに比べて雑音に強い性質があります。同じ番組でも、格段に聴き取りやすくなります。

特に電化製品の多い室内では、その差がはっきり出ます。

建物の中でも入りやすい

鉄筋コンクリートの建物や、マンションの中でも受信しやすくなります。

これは防災上、大きな意味を持ちます。在宅避難をする場面で、部屋の中で情報が取れるかどうかは重要です。

音質が良い

FMのほうが音の再現性に優れています。長時間聴いても疲れにくい、という声もあります。

災害時、ラジオを何時間もつけておく場面があります。聴きやすさは意外に効いてきます。

送信所が被災しても代替になる

前述のとおり、AMとFMでは送信所の場所が異なります。片方が使えなくなっても、もう片方で放送を続けられる可能性があります。

二重の備えという意味で、これが最大の利点だと私は考えています。

注意しておきたい点

良いことばかりではありません。知っておくべき制約もあります。

受信できる範囲が変わります

AMとFMでは、電波の届き方が違います。

AMは遠くまで届きますが、FMは基本的に見通しの範囲です。山を挟むと届きにくくなります。

そのため、これまでAMで聴けていた場所でも、ワイドFMでは入らないことがあります。逆に、AMでは雑音だらけだった場所がきれいに入ることもあります。

ご自宅で一度受信を確かめておくことが大切です。

周波数が地域ごとに違います

ワイドFMの周波数は、放送局ごと、中継局ごとに異なります。

旅行先や避難先では、その土地の周波数を探す必要があります。あらかじめ調べてメモしておくか、自動で選局できる機種を選んでおくと安心です。

電池の消費が増える機種もあります

一般に、FM受信はAM受信より電力を使う傾向があります。機種によって差はありますが、長時間使う場面では覚えておいて損はありません。

予備の乾電池は多めに用意しておいてください。

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AMとFMは何がどう違うのか

ここで、両者の性質を整理しておきます。仕組みを知っておくと、災害時の判断が変わります。

項目 AM放送 FM放送
周波数帯 中波(526.5〜1606.5kHz) 超短波(76〜95MHz)
届く距離 遠い。夜間はさらに伸びる 見通しの範囲が基本
山や建物 回り込むが減衰する 遮られると届きにくい
雑音 電化製品や雷の影響を受けやすい 比較的強い
音質 やや劣る 良い
送信所 広い敷地の低地に多い 高台や鉄塔に設置しやすい
消費電力 受信側は少なめ やや多い傾向

この表から分かるのは、両者が補い合う関係にあるということです。どちらかが優れているという話ではありません。

夜になるとAMが遠くまで届く理由

豆知識として知っておくと、災害時に役立つことがあります。

AMの電波は、夜間に上空の電離層で反射して遠くまで届きます。日中は太陽の影響で電離層の状態が変わり、この反射が起きにくくなります。

そのため、夜になると数百キロ離れた地域の放送が入ることがあります。

地元の放送局が被災して停波した場合、隣接する地域の放送を頼れる可能性があります。これはAMならではの利点です。

逆に言えば、すべての局がFMへ移ると、この「遠くの放送を拾う」という選択肢が減ります。私が北海道の局のAM継続に一定の意味があると考えるのは、この点もあるからです。

臨時災害放送局という仕組み

大きな災害が起きたとき、自治体が臨時に開設できる放送局があります。臨時災害放送局と呼ばれます。

過去の大規模災害でも各地で開設され、避難所の情報、給水や入浴の案内、行方不明者の情報などを流してきました。

この臨時災害放送局は、多くの場合FMの周波数で運用されます。つまりFMが受信できるラジオを持っていることが、地域の細かい情報を得る条件になります。

「ラジオは全国ニュースしか流れない」と思われがちですが、そうではありません。災害時にはもっとも身近な情報源になりうるのです。

コミュニティFMの役割

平常時から地域に密着した放送を行うコミュニティFMも、災害時に重要な役割を果たします。

放送エリアが市町村単位と狭いため、その地域に絞った情報を流せます。避難所の混雑状況や、どの道が通れるかといった、全国放送では扱えない情報です。

お住まいの地域にコミュニティFMがあるかどうか、周波数は何番か。この2つを調べておくことをおすすめします。ワイドFMの周波数と一緒にメモしておくとよいでしょう。

2028年に向けて何が起きているのか

ここからが、いま最も知っておいていただきたい話です。

全国の民放AMラジオ47局のうち、44局が2028年秋までにFM放送局への転換を目指しています。

理由は主に設備の維持費です。AMの送信設備は大がかりで、更新には多額の費用がかかります。広い敷地の維持も負担になっています。

2024年1月から3月にかけては、13社34の中継局が試験的にAM放送を止める実証実験を行いました。実際に停波してみて、影響を確かめる取り組みです。

この実証実験に参加したのは13社にとどまり、在京の3局は参加を見送りました。段階を踏まずに2028年の転換へ向かう形になります。

裏を返せば、利用者にとっては「ある日を境に聴けなくなる」という変化が起こりうるということです。事前に備えておく意味は、ここにあります。

転換しない局もあります

すべての局がFMへ移るわけではありません。

放送対象の地域が広く、FMの電波ではカバーしきれない北海道の2局と、秋田放送はFM転換を見送る方針とされています。

北海道は面積が広く、山も多い土地です。FMの見通し伝播では、AMほど広い範囲を1つの送信所でまかなえません。地理的な事情による判断です。

NHKの動き

NHKも再編を進めています。ラジオ第2放送は2026年3月末をもって廃止され、AM放送は1波に集約されました。

ただし、災害報道の中心であるラジオ第1のAM放送は継続されています。防災の観点では、この点が重要です。

制度は今後も動く可能性があります。最新の状況は、総務省や各放送局の発表でご確認ください。

ワイドFM対応機を選ぶときの見方

買い替えや追加を検討する場合、店頭や通販で何を見ればよいか整理します。

仕様表で確認する項目

項目 目安 理由
FM受信範囲 76〜95MHz以上 ワイドFM対応の判断基準
AM受信範囲 522〜1620kHz前後 当面AMも続くため
電源 乾電池+手回し+ソーラー ひとつが使えなくても動く
連続使用時間 30時間以上が目安 停電が長引く前提
防水性能 IPX3以上 雨天の避難や屋外での使用に備える
重量 300グラム以下が目安 持ち出し袋に入れるため
ライト あり 停電時に明かりを兼ねられる

全部を満たす必要はありません。優先順位をつけるなら、ワイドFM対応と乾電池対応の2つが最優先です。

「選局しやすさ」も見てください

意外に見落とされるのが、操作性です。

アナログのダイヤル式は、目盛りを合わせるのに手間がかかります。暗闇では特に難しくなります。

一方、デジタル式で自動選局ができる機種なら、ボタンひとつで受信できる局を探してくれます。周波数を覚えていなくても使えます。

非常時に扱うものですから、迷わず使えることが大切です。私は、家族の誰でも操作できるかを基準にすることをおすすめしています。

安すぎる製品には注意が必要です

数百円で買えるラジオもあります。しかし防災用としては、慎重に選んでいただきたいところです。

受信感度が低く、必要なときに入らないことがあります。手回し充電の内蔵電池が弱く、回してもすぐ切れる製品もあります。

価格だけで選ばず、受信範囲と電源方式を必ず確認してください。数千円の差で、いざというときの信頼性が変わります。

防災の備えとしてどう考えるか

ここまでの話を、備えに落とし込みます。

備蓄するラジオの条件

防災用として選ぶなら、次の条件を満たすものをおすすめします。

  • FM受信範囲が76〜95MHz以上(ワイドFM対応)
  • AMも受信できる(当面はAMも続くため)
  • 乾電池で動く(電池切れでも交換すれば使える)
  • 手回しやソーラーなど、電池以外の電源手段もある
  • ライトが付いている

この5つを満たせば、当面は買い替えの必要がありません。制度が変わっても対応できる構成です。

逆に言えば、AMしか受信できない機種や、内蔵充電池だけで乾電池が使えない機種は、防災用としては心もとない部類に入ります。

複数の情報手段を持つ

ラジオだけに頼るのも危険です。スマートフォンのアプリ、テレビ、自治体の防災無線。それぞれに強みと弱みがあります。

手段 強み 弱み
ラジオ 通信網が止まっても使える。電池で長時間動く 地域の細かい情報は少ない
スマートフォン 地域を絞った情報が得られる 通信障害と電池切れに弱い
テレビ 映像で分かりやすい 停電すると使えない
防災行政無線 その地域に特化した情報 屋内や雨天では聴き取りにくい

ラジオの強みは、通信網が使えなくなっても機能することです。基地局の被災や回線の混雑と無関係に電波が届きます。

だからこそ、備えとして持っておく価値があります。

置き場所と保管の工夫

ラジオは、買っただけでは機能しません。必要なときに手に取れるかどうかが分かれ目です。

私がおすすめしているのは、次の3か所に分けて置くことです。

  • 寝室の枕元。夜間の地震に備える
  • 非常持ち出し袋の中。避難するときに持ち出す
  • 車の中。移動中や車中泊避難で使う

1台しかない場合は、寝室を優先してください。災害は寝ている間にも起きます。

保管の際は、乾電池を本体から抜いておくことをおすすめします。長期間入れたままにすると液漏れを起こし、端子が腐食して使えなくなることがあります。

電池は本体と一緒に、袋にまとめて置いておけば問題ありません。

年に一度は動作を確かめる

備蓄品の点検日にあわせて、ラジオも確認してください。防災用品点検の日は3月1日、6月1日、9月1日、12月1日の年4回です。

確認するのは3点です。電源が入るか、放送が受信できるか、手回し充電が機能するか。

特に手回し充電は要注意です。内蔵の充電池は使わずに置いておくと劣化します。半年以上回していないなら、一度試しておいてください。

今日できる確認

この記事を読み終えたら、次の3つを済ませてみてください。10分で終わります。

  1. 家にあるラジオの周波数表示を見る
  2. 非対応なら、対応機の購入を検討リストに入れる
  3. 地元の放送局のワイドFM周波数を調べ、メモを電池と一緒に保管する

3番目が意外に大切です。停電の暗闇の中で、細かい数字を見ながら周波数を探すのは、想像以上に難しい作業になります。

紙に大きく書いて、ラジオと一緒に袋へ入れておいてください。地元局のAMとワイドFM、そしてNHKの周波数を並べて書いておけば十分です。

家族の誰が手に取っても使える状態にしておく。これが備えの完成形だと考えています。

私が北海道で感じていること

私は札幌に住んでいます。北海道は、この話題において特殊な位置にあります。

先ほど触れたとおり、北海道の民放2局はFM転換を見送る方針です。つまり、この地域ではAM放送が当面続くことになります。

一見すると、買い替えを急がなくてよいように思えます。しかし私は、そうは考えていません。

理由は、旅行や帰省です。本州へ出かけた先で災害に遭ったとき、その土地の局がFMへ移っていれば、AMしか入らないラジオでは情報が取れません。

また、北海道内でもワイドFMは運用されています。建物の中で聴きやすくなる利点は、AM継続とは関係なく享受できます。

2018年の経験から

2018年の胆振東部地震では、全道が停電するブラックアウトを経験しました。

あのとき痛感したのは、情報が入らないことの不安です。スマートフォンは電池を消耗し、テレビは映らず、何が起きているのか分からない時間が続きました。

ラジオを持っていた人と、持っていなかった人では、その夜の過ごし方がまったく違ったはずです。

ワイドFMに対応しているかどうかは、その次の段階の話です。まずは1台持っているかどうか。そこから始めてください。

制度は動き続けます

もうひとつ、この記事でお伝えしておきたいことがあります。放送をめぐる制度は、いま動いている最中だという点です。

数年前まで、AM放送がなくなる可能性を考えた人はほとんどいなかったはずです。しかし現実に、多くの局が転換へ動き始めました。

防災の備えは、一度整えたら終わりではありません。制度が変われば、備えの中身も変える必要があります。

私はこの点を、ラジオの話に限らず大切にしています。避難情報の名称が変わり、防災気象情報が再編されたように、前提は更新されていきます。

年に何度か、こうした変化に目を向ける時間を作っておいてください。そのきっかけとして、この記事が役立てば幸いです。

よくある質問

Q. ワイドFMとは何ですか

A. AM放送の番組を、FMの電波でも同時に流す仕組みです。正式にはFM補完放送といいます。新しい番組が増えるわけではなく、同じ内容をAMとFMの両方で聴けるようにしたものです。

Q. 自分のラジオが対応しているか、どう確かめますか

A. FMの周波数表示を見てください。「90」で終わっていれば非対応、「95」や「108」まであれば対応しています。受信範囲が76〜95MHz以上と書かれていれば対応機です。

Q. なぜ90.1MHzからなのですか

A. 従来のFM放送が76〜90MHzを使っているためです。その上の空いていた帯域である90.1〜95MHzが、AM放送を補完するために新しく割り当てられました。

Q. ワイドFMのほうが災害に強いのはなぜですか

A. 送信所の場所が違うためです。AMの送信所は電波を飛ばす都合で海沿いや川沿いの低地に多く、水害に弱い面があります。FMは比較的高い場所に設置できるため、片方が被災してももう片方で放送を続けられる可能性があります。

Q. AMラジオは聴けなくなるのですか

A. 民放47局のうち44局が2028年秋までにFM転換を目指しています。ただし北海道の2局と秋田放送は転換を見送る方針です。またNHKのラジオ第1はAM放送を継続しています。地域によって状況が異なります。

Q. いま持っている古いラジオは捨てるべきですか

A. 捨てる必要はありません。AM放送が続く間は使えます。私は買い替えではなく、ワイドFM対応機を1台追加することをおすすめしています。ラジオは複数あって困るものではありません。

Q. ワイドFMなら、どこでも聴けますか

A. いいえ。FMは基本的に見通しの範囲までしか届かず、山を挟むと受信しにくくなります。これまでAMで聴けていた場所で入らないこともあります。ご自宅で一度受信を確かめてみてください。

Q. カーラジオは対応していますか

A. 機種と年式によります。周波数表示を確認してください。近年の車載機は対応していることが多いですが、古い車では非対応の場合があります。車は停電時にラジオを聴ける貴重な手段ですので、確認しておく価値があります。

Q. スマートフォンのアプリで代用できますか

A. 平常時は代用できますが、災害時は別です。アプリは通信回線を使うため、基地局の被災や回線の混雑で使えなくなることがあります。電波を直接受信するラジオとは、性質が異なります。両方持っておくのが安全です。

Q. ワイドFMの周波数はどこで調べられますか

A. 各放送局のウェブサイトに記載されています。総務省のワイドFMに関するページでも一覧が確認できます。地域や中継局によって周波数が異なるため、お住まいの地域のものを調べてください。

Q. コミュニティFMや臨時災害放送局も聴けますか

A. 聴けます。これらは多くの場合FMの周波数で運用されます。市町村単位の細かい情報が流れるため、災害時にはとても頼りになります。お住まいの地域のコミュニティFMの周波数も、あわせて調べておくことをおすすめします。

Q. 夜になると遠くの放送が入るのはなぜですか

A. AMの電波が上空の電離層で反射するためです。日中は太陽の影響でこの反射が起きにくくなります。地元局が停波した場合、隣接地域の放送を頼れる可能性があるという点で、AMならではの利点です。

Q. 防災ラジオを買うとき、ワイドFM以外に何を見るべきですか

A. 乾電池で動くこと、手回しやソーラーなど別の電源手段があること、ライトが付いていることの3点です。これにワイドFM対応を加えた4条件を満たせば、防災用として十分に機能します。

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まとめ

ワイドFMについて、要点を整理します。

  • ワイドFMはAM放送をFMの電波でも流す仕組み。正式にはFM補完放送
  • 従来のFMは76〜90MHz、ワイドFMは90.1〜95MHz
  • FMの目盛りが「90」で終わるラジオは受信できない
  • 受信範囲が76〜95MHz以上なら対応機
  • 目的は難聴対策と災害対策の2つ
  • AM送信所は低地に多く水害に弱いため、FMで補う狙いがある
  • 民放47局のうち44局が2028年秋までにFM転換を目指す
  • 北海道の2局と秋田放送は転換を見送る方針
  • NHKはラジオ第2を2026年3月末で廃止し、ラジオ第1のAMは継続
  • 地元局のワイドFM周波数をメモし、電池と一緒に保管しておく

防災グッズの中で、ラジオは地味な存在かもしれません。しかし通信網が止まったとき、情報を得る手段はこれしか残らないことがあります。

その大切な1台が、数年後に使えなくなるかもしれない。この記事でお伝えしたかったのは、その一点です。

ワイドFMという言葉自体は、それほど新しいものではありません。しかし「自分のラジオが対応しているか」を確かめたことがある方は、まだ少ないのではないでしょうか。

備えているつもりで備わっていない。これが防災でいちばん怖い状態だと私は考えています。

まずは家にあるラジオの周波数表示を見てください。1分で終わります。そこから、次にやるべきことが決まります。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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