【この記事の要約】
【8月25日 更新】台風20号(ケナリ)は熱帯低気圧に変わりました。華南で中心気圧1000ヘクトパスカル。予報より約1日遅れての降格でした。発生から消滅まで、日本に影響することはありませんでした。ただし熱帯低気圧に変わっても雨は降ります。中国南部では引き続き大雨への注意が必要です。この記事では、20号の経過と、「強い台風」と「大きい台風」が別のものである理由、そして勢力の予報がなぜ外れるのかをまとめました。いま日本で警戒が必要なのは台風18号(ソウデル)です。
【8月25日 更新】熱帯低気圧に変わりました
気象庁が25日4時10分に発表した内容です。
台風20号(ケナリ)は、熱帯低気圧に変わりました。現在の位置は華南、中心気圧は1000ヘクトパスカルです。
| 項目 | 8月25日4時10分 | (8月24日) |
|---|---|---|
| 区分 | 熱帯低気圧 | 台風 |
| 中心の位置 | 華南 | 台湾海峡 |
| 中心気圧 | 1000ヘクトパスカル | 998ヘクトパスカル |
| 暴風域 | なし | なし |
私の予報の経過を、正直に書きます
この記事の最初の版では、「24時間後には熱帯低気圧に変わる予報」と書きました。
24日の更新では「まだ熱帯低気圧に変わっていません」とお伝えしました。予報より長く台風のままだったからです。
そして25日、予報より約1日遅れて熱帯低気圧になりました。
台風の勢力変化は、進路と同じくらい予報が難しいものです。「24時間後に消える」という予報が、そのとおりにならないことはよくあります。
熱帯低気圧になっても、雨は降ります
ここは繰り返しお伝えしたい点です。
熱帯低気圧に変わることは、危険がなくなることではありません。風の基準を下回っただけで、雨をもたらす力は残っています。
中国南部・華南地方では、引き続き大雨に注意が必要です。
日本への影響は、最後までありませんでした
発生から消滅まで、日本に影響することはありませんでした。この点は、当初の見立てのとおりです。
いま日本で警戒が必要なのは台風18号(ソウデル)です。25日に南大東島を通過し、奄美方面へ向かっています。
くわしくは台風18号(ソウデル)の進路と対策をご覧ください。
【8月24日 更新・記録】この時点では、まだ熱帯低気圧に変わっていませんでした
この記事は8月23日22時10分の発表にもとづいて書きました。そこで「24時間後には熱帯低気圧に変わる」と書きましたが、まだ台風のままです。正確を期すため、状況を追記します。
| 項目 | 8月24日10時(最新) | 8月23日22時(公開時) |
|---|---|---|
| 区分 | 台風(継続) | 台風 |
| 位置 | 台湾海峡 | 台湾海峡 |
| 中心気圧 | 998ヘクトパスカル | 998ヘクトパスカル |
| 最大風速 | 18メートル毎秒 | 18メートル毎秒 |
| 熱帯低気圧に変わる時期 | あらためて24時間後 | 24時間後 |
勢力は、まったく変わっていません
中心気圧998ヘクトパスカル、最大風速18メートル毎秒。12時間前とほぼ同じ状態で、台湾海峡にとどまっています。
そして予報は、あらためて「24時間後に熱帯低気圧」となりました。消えるタイミングが後ろにずれた形です。
これは、台風予報でよくあることです
弱い台風が消えるタイミングは、予測が難しい部分です。台風か熱帯低気圧かの境目は、最大風速17.2メートル毎秒。この線の上下をしばらく行き来することがあります。
18メートル毎秒という数字は、その境目のすぐ上です。だから、いつ下回るかの予測が難しい。
この記事に書いた「24時間後に熱帯低気圧」という予報も、そのまま確定した未来ではありませんでした。台風の情報を読むときは、この不確実性を前提にしてください。
日本への影響がないことは、変わりません
台湾海峡でほとんど動かず、勢力も弱いまま。日本へ向かう要素は、依然としてありません。
ただし、消えるのが遅れているぶん、台湾方面の運航への影響は長引く可能性があります。渡航予定の方は、引き続き運航情報を確認してください。
台風18号が、さらに発達しました
いま備えが必要なのは、こちらです。
950ヘクトパスカルから940ヘクトパスカルへ発達し、最大瞬間風速は65メートル毎秒。25日には南大東島の至近を、「非常に強い」勢力で通過する予報です。
そのあと久米島の北を通り、東シナ海へ抜けます。沖縄・南西諸島にお住まいの方は、今日のうちに備えを終えてください。
詳しくは台風18号(ソウデル)の記事をご覧ください。
台風21号が発生しました
8月24日、フィリピンの東で台風21号(アッサニー)が発生しました。これで台風は4つ同時に存在しています。
21号も日本への影響はありません。台風21号(アッサニー)にまとめました。
以下は、8月23日の公開時点で書いた内容です。
結論|日本への影響はありません
検索してこられた方が知りたいのは、そこだと思います。先に、はっきり書きます。
台湾海峡にあり、まもなく消えます
台風20号(ケナリ)は、台湾と中国大陸に挟まれた台湾海峡にあります。
そして、24時間後には熱帯低気圧に変わると予報されています。台風としての寿命は、あと1日ほどしか残っていません。この記事を読んでいる時点で、すでに変わっている可能性もあります。
勢力は、台風の下限です
中心気圧998ヘクトパスカル、最大風速18メートル毎秒。暴風域はありません。
台風と呼ばれる基準は最大風速およそ17.2メートル毎秒以上なので、その線をわずかに超えているだけの状態です。
日本で備えることはありません
20号について、日本国内で何か準備をする必要はありません。予定を変える必要も、備蓄を買い足す必要もありません。
いま日本にとって重要なのは、台風18号(ソウデル)です。そちらは「非常に強い」勢力で、沖縄の南へ向かっています。
台風20号(ケナリ)の現況
気象庁が8月23日22時10分に発表した内容です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ケナリ(Gaenari) |
| 位置 | 台湾海峡 |
| 中心気圧 | 998ヘクトパスカル |
| 最大風速 | 18メートル毎秒 |
| 最大瞬間風速 | 25メートル毎秒 |
| 暴風域 | なし |
| 強風域 | 南560キロ・北330キロ |
今後の予報
| 時点 | 位置 | 区分 | 中心気圧 | 予報円 |
|---|---|---|---|---|
| 24時間後 | 台湾海峡 | 熱帯低気圧 | 1000hPa | 120km |
予報は24時間後までしか出ていません。そこで台風でなくなるため、それ以降は台風情報の対象外になります。通常の台風は5日先まで予報が出ますが、20号にはそれがありません。これ自体が「まもなく消える」という意味です。
進む方向は「不定」、速さは「ほとんど停滞」とされています。その場で弱まって消えていくという見通しです。
強さは下限、でも風の範囲は広い
20号のいちばんの特徴が、ここにあります。勢力の割に、風の届く範囲が広いのです。
強風域が、南に560キロ広がっています
これは、かなり広い部類です。同時に存在している台風19号の強風域は、南西に220キロ。倍以上の差があります。中心の勢力はほぼ同じで、中心気圧の差は6ヘクトパスカルしかありません。
中心の勢力はほぼ同じなのに、風が吹いている範囲だけが広い。こういう台風があります。
「強い台風」と「大きい台風」は別のものです
ニュースでも混同されやすい部分なので、整理しておきます。
| 何を表すか | 基準 | |
|---|---|---|
| 強さ | 中心付近の最大風速 | 強い/非常に強い/猛烈な |
| 大きさ | 強風域の半径 | 大型/超大型 |
強さは「中心がどれだけ激しいか」、大きさは「風の届く範囲がどれだけ広いか」。まったく別の指標です。
どちらが危険か、は場面によります
強い台風は、中心付近を通過する地域に集中的な被害を出します。
大きい台風は、中心から離れた場所にも影響が及びます。そして、影響を受ける時間が長くなります。風域が広いぶん、通過に時間がかかるからです。
20号は勢力が弱いので大きな被害は想定されていませんが、この構造は覚えておく価値があります。
18号と比べると、違いがはっきりします
| 台風18号(ソウデル) | 台風20号(ケナリ) | |
|---|---|---|
| 中心気圧 | 950hPa | 998hPa |
| 最大風速 | 45m/s | 18m/s |
| 最大瞬間風速 | 60m/s | 25m/s |
| 暴風域 | 半径150km | なし |
| 強さの階級 | 非常に強い | (表記なし) |
| 日本への影響 | 沖縄・南西諸島 | なし |
番号は近くても、中身はまったく違います。番号の大きさは、危険度とは無関係です。
寿命の短い台風
24時間で熱帯低気圧に変わるという点も、20号の特徴です。
台風には、一生があります
熱帯の海で低気圧が生まれ、暖かい海から水蒸気を得て発達し、やがて衰えて消えていく。この流れが台風の一生です。
発達を支えるのは、暖かい海と、上空の風の条件です。どちらかが欠けると、台風は成長できません。
台湾海峡は、発達に向きません
台湾海峡は、台湾と大陸に挟まれた狭く浅い海です。
陸地が近いと、水蒸気の供給が細ります。そして、地形の影響で構造が崩れやすい。
ここで勢力を保つのは難しい。だから20号は、短命に終わる見込みです。
ただし、消えても雨は残ります
ここは誤解しやすい点です。台風でなくなることと、雨がやむことは別です。
台風か熱帯低気圧かの区別は、最大風速だけで決まります。17.2メートル毎秒を下回れば熱帯低気圧です。
雨の量は、この区分と関係ありません。熱帯低気圧に変わってから大雨になった例は、いくつもあります。
台湾海峡という場所
20号がここで弱まる理由に関わるので、地理から書いておきます。
台湾と大陸のあいだの、狭い海です
台湾海峡は、台湾島と中国大陸の福建省に挟まれた海峡です。いちばん狭いところで、幅はおよそ130キロとされています。
そして、水深が浅い。外洋のような深く暖かい海水の層がありません。台風が発達するには、表面だけでなく深いところまで暖かい海が必要になります。
台風のエネルギー源が細ります
台風は、暖かい海面から蒸発する水蒸気をエネルギー源にして発達します。
浅い海では、台風自身がかき混ぜることで冷たい水が下から上がってきます。すると、供給される熱が減ります。
両側に陸地が迫っていることも、同じ方向に働きます。発達には向かない場所です。
地形が、台風の構造を崩します
台湾には、3,000メートル級の山脈が南北に走っています。
台風がこの地形に近づくと、渦の構造が乱れます。台湾を通過した台風が弱まる例が多いのは、この影響とされています。
ただし、雨は増えることがあります
ここが逆説的な点です。山にぶつかった湿った空気は、上昇して雨を降らせます。
台風自体が弱まっても、山沿いでは記録的な雨になることがあります。勢力の数字だけで判断できない理由です。
これは日本でも同じです。紀伊半島や四国の山地で、台風による大雨が集中するのは同じ仕組みです。
台風の一生を、20号で見る
短命な台風なので、かえって台風の一生という全体の流れが分かりやすくなります。
一、発生期
熱帯の海で、積乱雲の集まりができます。それがまとまって渦を巻き始めると、熱帯低気圧になります。
そこから最大風速が17.2メートル毎秒を超えると、台風と呼ばれ、番号がつきます。
二、発達期
暖かい海の上を進みながら、水蒸気を取り込んで強くなります。中心気圧が下がり、風が強まります。
台風18号は、いまこの段階を終えたところです。990ヘクトパスカルから950ヘクトパスカルまで、2日間で発達しました。
三、最盛期
もっとも強くなる時期です。目がはっきりし、暴風域が広がります。
20号は、この段階に至りませんでした。台風の下限の勢力のまま、次の段階へ進みます。
四、衰弱期
冷たい海に出るか、陸地に上がるか、上空の風に構造を崩されるか。いずれかでエネルギー源を失い、弱まります。
20号は、台湾海峡という条件の悪い場所で、この段階に入っています。24時間後には熱帯低気圧です。
五、温帯低気圧に変わることもあります
日本付近では、こちらの終わり方もあります。北上して冷たい空気とぶつかると、性質が変わって温帯低気圧になります。
ここも誤解されやすい点です。温帯低気圧に変わっても、風が弱まるとは限りません。むしろ強風の範囲が広がることがあります。
「温帯低気圧に変わったから安心」ではありません。変わり方によっては、警戒を続ける必要があります。
台湾方面へ渡航予定の方へ
日本からの旅行先として身近な地域なので、該当する方がいると思います。確認しておいてください。
まず、運航情報を確認してください
暴風域はありませんが、横風や視界不良で欠航や遅延が出ることがあります。
確認先は、航空会社の公式サイトです。旅行予約サイトの情報は更新が遅れることがあります。
「条件付き運航」に注意してください
欠航と決まる前に、条件付き運航という扱いになることがあります。
目的地に着陸できなければ引き返す、または別の空港へ向かう、という条件つきで出発する形です。搭乗しても、目的地に着かない可能性があります。
船便は、より止まりやすい
台湾海峡を渡る船便や、離島への航路は台風の影響を受けやすいものです。
強風域が南に560キロ広がっているため、海上は広い範囲でしけることになります。
現地での情報の取り方
現地の警報は、その国や地域の気象機関が発表します。日本の気象庁は、他国に警報を出す立場にありません。
言語の壁がある場合は、滞在先のホテルや航空会社に確認するのが確実です。
そして、外務省の海外安全ホームページと「たびレジ」。登録しておくと、現地の情報がメールで届きます。無料です。
旅行先での被災については旅行先で被災したらにまとめました。
強風域が広い台風で、何が起きるか
20号の特徴である「南に560キロの強風域」について、実務的な意味を書きます。
影響を受ける面積が、桁違いに広がります
半径が2倍になれば、面積は4倍になります。強風域が220キロの台風と560キロの台風では、影響範囲の広さがまったく違います。
中心から遠く離れた場所でも、船が出せない、飛行機が飛ばないという状況が生まれます。
通過に時間がかかります
風域が広いということは、その範囲を通り抜けるのに時間がかかるということです。
強い風が半日で終わるか、丸一日続くか。この差が、被害の大きさを分けます。
屋根や看板は、強い風を一度受けただけでは飛ばなくても、長時間揺さぶられると固定が緩みます。
海はしけます
風が吹く範囲が広いほど、波が育つ距離が長くなります。
強風域が南に560キロあるということは、その海域全体で波が高くなるということです。船舶の運航に直接影響します。
うねりは、さらに遠くまで届きます
ここは日本の防災でも重要な点です。台風が遠くにあっても、うねりだけが先に到達します。
晴れているのに波が高い、という状況が起こります。海水浴中の事故は、この条件で起きることがあります。
今回の20号は日本から離れていますが、台風18号のうねりは、南西諸島の沿岸に届く可能性があります。
日本で見るべきなのは18号です
この記事の結論を、もう一度書いておきます。
勢力の差が、はっきりしています
台風18号は「非常に強い」勢力です。中心気圧950ヘクトパスカル、最大瞬間風速60メートル毎秒、半径150キロの暴風域を持っています。
20号には暴風域がありません。比較の対象になりません。
18号の進路が、変わりました
8月21日の時点では、本州へ向かうかどうかが分からない状態でした。
いまは西寄りに進む経路が示されています。日本の南から沖縄の南を通り、東シナ海へ抜け、華南へ向かう見込みです。
本州に上陸する経路ではなくなりました。そのぶん、警戒すべき地域が沖縄・南西諸島に移っています。
沖縄・南西諸島の方へ
48時間後、つまり25日ごろに沖縄の南へ達する見込みです。備えは、それまでに終えてください。
離島では、船が止まると数日動けません。本土との行き来を予定している方は、早めに確認を。
そして停電への備えです。飲み水、明かり、携帯電話の電源。この三つを先に確保してください。
詳しくは台風18号(ソウデル)の進路と経過にまとめています。
次の台風の卵もあります
フィリピンの東に熱帯低気圧があり、12時間後に台風へ発達する予報です。番号が付けば21号になります。
48時間後には日本の南に達する見込みですが、その時点では再び熱帯低気圧に戻る予報になっています。動向は変わる可能性があります。
台風の発生については「台風のたまご」とは?に書きました。
いま、台風は3つ出ています
8月23日時点の全体像です。
| 台風 | 名前 | 位置 | 勢力 | 日本への影響 |
|---|---|---|---|---|
| 18号 | ソウデル | 日本の南 | 非常に強い・950hPa | 沖縄・南西諸島 |
| 19号 | ナーラ | トンキン湾 | 992hPa | なし |
| 20号 | ケナリ | 台湾海峡 | 998hPa | なし |
加えて、フィリピンの東に熱帯低気圧があります。12時間後に台風へ発達する予報で、番号が付けば21号になります。
注意すべきは18号です
「非常に強い」勢力で、中心気圧950ヘクトパスカル、最大瞬間風速60メートル毎秒。25日ごろ沖縄の南に達する見込みです。
詳しくは台風18号(ソウデル)の進路と経過をご覧ください。
台風19号については台風19号(ナーラ)に書きました。停滞して長く雨を降らせるタイプで、20号とは性格が違います。
なぜ「番号が大きい=危険」ではないのか
20号という数字を見て、身構えた方もいると思います。ここを整理します。
番号は、発生した順につくだけです
その年に北西太平洋で発生した順に、1号、2号と番号がつきます。勢力とはまったく関係ありません。
今回がその実例です。18号は「非常に強い」、20号は階級の表記もつかない勢力。番号は20号のほうが大きい。
年によって、発生数は変わります
台風の発生数は年ごとに違います。多い年は30個近く、少ない年は20個前後という幅があります。
だから「今年は20号まで来たから多い」という判断も、単純にはできません。時期によって進み方が違うためです。
数字ではなく、三つの要素を見てください
一、位置。日本からどれだけ離れているか。
二、進路。予報円が日本に近づいているか。
三、暴風域。あるかないか、半径はどれだけか。
この三つで、自分に関係があるかどうかは判断できます。ニュースの見出しの番号に反応する必要はありません。
報道の見出しは、注意を引くために作られています
「台風20号が発生」という見出しは、それ自体は事実です。ただし、危険度については何も言っていません。
見出しだけで判断せず、本文か気象庁の情報で、位置と勢力を確認してください。
台風情報を、どこで見るか
一次情報を押さえておくと、迷いません。
気象庁の台風情報
気象庁のサイトが一次情報です。位置、中心気圧、最大風速、暴風域、5日先までの予報円。すべて確認できます。
更新は3時間ごと。日本に近づけば1時間ごとになります。海外の台風も同じように追跡されています。
暴風域に入る確率
日本に接近する台風では、各地点が暴風域に入る確率が発表されます。
進路図の線を追うより、この数字のほうが行動の判断に使えます。自分の地域の数字として読めるからです。
20号のように暴風域がない台風では発表されません。それ自体が「暴風の心配がない」という答えです。
自治体の防災アプリ
お住まいの地域に絞った情報が届きます。通知を設定しておけば、必要なときに気づけます。
台風の情報を毎日追う必要はありません。近づいたときに気づける状態にしておけば足ります。
古い記事に注意してください
検索すると、更新が止まったまま残っている記事が出てくることがあります。
とくに海外の台風は、その傾向があります。必ず発表時刻を確認してください。
この記事も、8月23日22時10分発表の情報にもとづいています。最新の状況は気象庁でご確認ください。
8月下旬から9月が、台風の本番です
3つ同時に出ている背景を書いておきます。
海面水温が、年間で最も高くなる時期です
台風のエネルギー源は、暖かい海から蒸発する水蒸気です。海が暖まりきる8月から9月に、発生の条件がそろいます。
だから、この時期に複数の台風が同時に存在することは、珍しくありません。
上陸が最も多いのは9月です
発生数だけなら8月が多いのですが、日本への上陸が最も多いのは9月とされています。
理由は、太平洋高気圧の位置が変わるためです。夏のあいだ日本を覆っていた高気圧が南へ後退すると、台風が日本列島に向かう経路をとりやすくなります。
秋の台風は、前線と重なります
9月以降は、秋雨前線が日本付近に停滞する時期でもあります。
台風が直接来なくても、台風が前線に湿った空気を送り込むことで、大雨になることがあります。
この仕組みは秋雨前線と台風が重なると危険な理由にまとめました。
つまり、いまが準備の時期です
18号・19号・20号が出ている8月下旬は、シーズンの入り口にすぎません。
備蓄の点検、持ち出し袋の確認、ハザードマップの見直し。台風が近づいてからでは、店から物が消えます。
いま余裕があるうちに済ませておいてください。20号の記事を読んでいる時間があるなら、それが最も有効な使い方です。
台風への備えは台風の完全ガイドに整理しています。
この記事を書いた理由
正直に書いておきます。
日本にお住まいの方には、備えの必要がありません
台風20号について、日本国内で何かを準備する必要はありません。
それでもこの記事を書いたのは、「台風20号」と検索した方に、影響がないことをはっきり伝えるためです。
「影響がない」と分かることにも、価値があります
台風のニュースを見て、不安になる。予定を変えるべきか迷う。その状態が続くこと自体が、負担になります。
調べて「関係なかった」と分かれば、そこで終われます。それも情報の役割だと考えています。
そして、代わりに見るべきものを示すため
20号を調べている方の多くは、本当は「いま危ないのはどれか」を知りたいはずです。
答えは台風18号(ソウデル)です。「非常に強い」勢力で、25日ごろ沖縄の南へ達します。
台風18号の記事に、進路と備えをまとめました。
備えは、台風が来る前にしかできません
20号が日本に関係ないと分かったなら、その時間を自分の備えに使ってください。
持ち出し袋を開ける。備蓄の期限を見る。数分で終わります。
9月は、台風の上陸が最も多い月です。いま余裕があるうちに、確認しておいてください。
よくある質問
Q. 台風20号が日本に来る可能性はありますか
現時点の予報では、ありません。24時間後には熱帯低気圧に変わり、台風情報の対象から外れます。
台風海峡から日本へ向かうには、大きく進路を変えて発達し直す必要があります。いまの条件では想定されていません。
Q. 「ケナリ」とは何の名前ですか
台風の名前は、北西太平洋の周辺国が提出した140個の名前を順番に使う仕組みで決まっています。
日本を含む14の国と地域が加盟する台風委員会が管理しており、提出国の言葉が使われます。植物や動物、星座の名前が多い。
発生順に上から使い、140個を使い切ると最初に戻ります。勢力や年で決まるわけではありません。
Q. 暴風域がない台風は、安全ということですか
安全ではありませんが、危険度は大きく下がります。
暴風域とは、風速25メートル毎秒以上の風が吹く範囲のことです。この範囲では、屋外での行動が危険になります。
20号にはこの範囲がありません。ただし強風域は広いので、海上や航空機の運航には影響します。
Q. 台風が3つ出ているのは異常ですか
珍しいことではありません。8月から9月は海面水温が高く、発生の条件がそろう時期です。
複数が同時に存在することは、この季節にはしばしば起こります。
Q. どの台風の情報を見ればよいですか
判断の基準は三つです。
一、いまどこにあるか。日本からの距離が最初の材料です。
二、どこへ向かうか。予報円が日本に近づいているかどうか。
三、暴風域があるか。ない台風は、勢力が限られています。
この三つで、自分に関係があるかどうかは判断できます。番号ではなく、中身を見てください。
Q. 台湾海峡とは、どこですか
台湾島と中国大陸の福建省に挟まれた海峡です。いちばん狭いところで幅はおよそ130キロとされています。
南は南シナ海、北は東シナ海につながっています。船の往来が多い海域でもあります。
Q. 台風とハリケーン、サイクロンは何が違いますか
現象としては同じものです。発生する海域によって呼び名が変わります。
北西太平洋と南シナ海で発生したものが台風、北大西洋や北東太平洋がハリケーン、インド洋や南太平洋がサイクロンです。
ただし、台風と呼ぶ基準の風速は、日本とアメリカで異なります。同じ現象でも、呼び方や階級の付け方に違いがあります。
Q. 熱帯低気圧に変わった台風が、また台風に戻ることはありますか
あります。条件がそろえば、再び発達して台風になることがあります。
暖かい海域に戻り、上空の風の条件が整えば、勢力を取り戻す例があります。
ただし20号の場合、台湾海峡という発達に向かない場所にとどまる予報なので、その可能性は低いと見られます。
Q. 台風の進路予想は、どれくらい当たりますか
予報の精度は年々上がっていますが、先へ行くほど不確実になります。
だから予報円が示されています。円が大きいほど、位置が定まっていないという意味です。
3日先までは比較的信頼できますが、5日先は大きく変わることがあります。更新のたびに確認してください。
Q. 20号の情報は、この記事で更新されますか
大きな変化があれば更新します。ただし、予報どおり熱帯低気圧に変わった場合、それ以上の更新は行いません。
台風20号としての経過は、そこで終わるためです。記録として残します。
Q. 台風が来ると分かってから、何を買えばよいですか
接近が分かってから買いに行くのは、すでに手遅れです。店から水と電池が消えます。
それでも間に合う可能性があるものを挙げます。飲み水、そのまま食べられる食料、モバイルバッテリーの充電、携帯トイレ。
そして、浴槽に水をためる。これは買い物ではありません。断水したときの生活用水になります。
Q. 停電に備えて、いま何ができますか
買い物より先にできることがあります。
スマートフォンとモバイルバッテリーを満充電にする。これは無料で、いますぐできます。
そして、冷凍庫を詰めておく。凍ったものが多いほど、停電しても庫内の温度が保たれます。保冷剤代わりにもなります。
懐中電灯の電池が生きているかも、確認しておいてください。入れっぱなしの電池は液漏れします。
Q. 家の外で、やっておくことはありますか
風で飛ぶものを、屋内に入れてください。植木鉢、物干し竿、自転車、ごみ箱。
飛んだものが窓を割ると、そこから風が入って屋根を持ち上げます。被害が連鎖します。
ただし、風が強まってから外に出ないでください。作業は、天気が崩れる前に終えてください。
Q. 台風のとき、窓に養生テープを貼る意味はありますか
ガラスが割れたときに、破片の飛散をある程度抑える効果が期待できます。
ただし、割れること自体は防げません。テープを貼ったから安心、ではありません。
より確実なのは、雨戸やシャッターを閉めることです。ある家では、まずこちらを優先してください。
そして、窓から離れた部屋で過ごす。これがいちばん効きます。カーテンを閉めておくだけでも、飛散の範囲は変わります。
Q. 車はどこに置けばよいですか
浸水しない場所が第一です。地下や半地下の駐車場は、短時間で水没することがあります。
そして、倒れそうなものの近くを避けてください。電柱、看板、大きな木。
川や用水路の近くも避けてください。ただし、風雨が強まってから車を移動させないでください。移動そのものが危険になります。
Q. 停電したら、ブレーカーはどうしますか
浸水の可能性がある場合は、避難する前にブレーカーを落としてください。
濡れた電気設備に通電が再開すると、通電火災の原因になります。過去の災害でも起きています。
まとめ|20号は1日で消えます
最後に整理します。
この記事の要点
一、台風20号(ケナリ)は日本に影響しません。台湾海峡にあります。
二、24時間後には熱帯低気圧に変わります。台風としての寿命は1日ほどです。
三、暴風域はありませんが、強風域は南に560キロと広い。強さと大きさは別の指標です。
四、台湾方面へ渡航予定の方は、運航情報を確認してください。条件付き運航にも注意を。
五、いま注意すべきは台風18号(ソウデル)です。非常に強い勢力で沖縄の南へ。
あわせて読みたい
日本に接近している台風は台風18号(ソウデル)、もう一つの台風は台風19号(ナーラ)にまとめました。
台風の基本は台風の完全ガイド、勢力の見方は台風のhPa(ヘクトパスカル)とは?にあります。

