南海トラフ地震臨時情報とは?巨大地震警戒と注意の違い|避難が必要なのは警戒だけです

・当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天市場・各種ASP)およびGoogleアドセンスを利用しています。
・記事内リンク経由でご購入いただいた場合、サイト運営者に紹介料が発生することがあります。
・掲載内容は収益に左右されず、公的機関の資料・メーカー公表仕様などの確認できる情報をもとに作成しています。

スポンサーリンク

【この記事の要約】
南海トラフ地震臨時情報には、四つのキーワードがあります。調査中、巨大地震警戒、巨大地震注意、調査終了。この四つで、やることがまったく変わります。調査が始まるのは監視領域内でマグニチュード6.8以上の地震が起きたときなど。想定震源域内のプレート境界でモーメントマグニチュード8.0以上なら「巨大地震警戒」、監視領域内で7.0以上なら「巨大地震注意」です。判定は最短で2時間程度で出ます。警戒が出たら、対象地域の一部の住民は1週間の事前避難。注意が出たら、全員が1週間、すぐ逃げられる態勢を保ちます。2024年8月8日には初めて「巨大地震注意」が発表されました。この記事では、四つの情報の違いと、自分がどう動けばよいかを整理します。

2024年8月8日の夜、この情報が初めて発表されました。

そのとき、多くの人が戸惑ったと思います。「巨大地震注意」と言われても、何をすればいいのか分からない。旅行をやめるべきか、備蓄を買い足すべきか、それとも普通に暮らしていいのか。

私も防災士として質問を受けました。そして気づいたことがあります。この情報は、名前が四つあることを知らないと読めません。

先に結論を書きます。

目次

結論|四つの言葉で、やることが変わります

「南海トラフ地震臨時情報」という一つの情報があるわけではありません。四つの種類の総称です。

キーワード 意味 あなたがやること
調査中 異常を検知し、調べている最中 次の発表を待つ。準備は始める
巨大地震警戒 Mw8.0以上。最も重い 対象者は1週間の事前避難
巨大地震注意 Mw7.0以上など 1週間、すぐ逃げられる態勢
調査終了 警戒にも注意にも当たらない 通常の生活へ戻る

ニュースで聞くべきは、この四つのうちどれか。そこだけ聞き取れば、行動が決まります。

いちばん大事な一点

「巨大地震警戒」以外では、避難は求められません。

2024年8月に出たのは「巨大地震注意」でした。あのとき、避難する必要はありませんでした。求められていたのは、すぐ逃げられる態勢を保つことだけです。

ここを取り違えると、不要な混乱が起きます。

私は防災士として、この四つの言葉を家族で共有しておくことをおすすめしています。ニュースを見た人が「警戒」と「注意」のどちらかを言えるだけで、家の中の判断が揃います。

そして、この記事に書いた条件と数値は、すべて気象庁が公表している内容にもとづいています。制度は変わることがあるため、実際に情報が出たときは必ず最新の発表をご確認ください。

スポンサーリンク

そもそも、何のための情報なのか

制度の趣旨を押さえておきます。ここが分かると、行動の意味も分かります。

大きな地震のあとに、もっと大きな地震が来ることがある

これが出発点です。

南海トラフの想定震源域は広大です。その一部が先に動いたとき、残りが続けて動く可能性が高まると考えられています。

過去には、二つの地震が時間を置いて起きた記録があります。この情報は、その「先に起きた地震」を手がかりにして、次に備えるための仕組みです。

予知ではありません

ここを誤解しないでください。

「いつ、どこで、どれくらいの地震が起きるか」を当てる情報ではありません。確率が普段より高まった、ということを伝えるだけです。

そして情報が出なくても地震は起きます。この情報は、地震の前に必ず出るものではありません。

四つの情報を、一つずつ見ていきます

① 調査中|まず、これが出ます

異常が観測されると、最初に発表されるのがこれです。

気象庁が示す発表条件は、次のとおりです。

条件
監視領域内でマグニチュード6.8以上の地震が発生
ひずみ計で有意な変化が観測され、想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある場合
その他、プレート境界の固着状態の変化を示す可能性のある現象を観測

M6.8という数字を覚えておいてください。南海トラフ周辺でこの規模の地震が起きたら、調査が始まります。

そして、この「調査中」は南海トラフ沿いの全地域に対して発表されます。地域を絞りません。

調査中のあいだ、何をするか

気象庁の案内は、こうです。

個々の状況に応じて避難等の防災対応を準備・開始し、今後の情報に注意してください

「準備・開始」です。避難しろとは言っていません。

ただし、ここで動き始められるかどうかが、次の一手を左右します。結果が出るまでの時間は限られているからです。

結果は最短2時間程度で出ます

この2時間という数字が、実務上いちばん重要だと私は考えています。

異常な現象が発生してから、有識者による評価検討会が開かれ、最短で2時間程度で判定が発表されます。

つまり「調査中」と聞いてから2時間ほどで、警戒か注意か終了かが決まります。

この2時間で何ができるか。そこを事前に決めておくのが、この記事のいちばんの目的です。

② 巨大地震警戒|四つの中で最も重い

発表条件は、はっきりしています。

想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価した場合(気象庁)

Mw8.0以上。そして場所は、想定震源域内のプレート境界です。

この二つが揃ったときだけ、「巨大地震警戒」になります。

ここで初めて、事前避難が呼びかけられます

四つの情報の中で、避難が求められるのはこれだけです。

項目 内容
対象地域 南海トラフ地震防災対策推進地域
(高さ3m以上の津波、または震度6弱以上の揺れが想定される地域など)
対象者 地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民
期間 1週間の事前避難
その後 さらに1週間、特別な備えを継続

ここは丁寧に読んでください。対象地域に住む全員が避難するわけではありません。

対象は「地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民」です。

「間に合わない人」とは誰か

具体的には、こうした条件の方が想定されます。

津波の到達までの時間が極端に短い地域にお住まいの方。海に近く、高台まで遠い場所です。

そして自力での避難に時間がかかる方。高齢の方、体の不自由な方、その支援が必要な方。

誰が対象になるかは、市町村が定めています。お住まいの自治体の計画を、平時に確認しておいてください。

これは全国一律ではありません。「うちは対象か」を知っているかどうかで、その日の動きが変わります。

1週間という区切りの意味

後発の地震が起きないまま1週間が経過すると、警戒の措置は解除されます。

ただし、そこで終わりではありません。さらに1週間、注意する措置がとられます。

合わせて2週間。ここを最初から見込んでおかないと、途中で息切れします。

③ 巨大地震注意|2024年に出たのは、これです

発表条件は二つあります。

条件
監視領域内でモーメントマグニチュード7.0以上の地震が発生したと評価(巨大地震警戒に該当する場合を除く)
想定震源域内のプレート境界面で通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価した場合

Mw7.0以上。警戒の8.0より1段小さい規模です。

マグニチュードが1増えるとエネルギーは約32倍になります。7.0と8.0では、桁が違う出来事です。だから対応も変わります。

注意で求められるのは、避難ではありません

気象庁の案内は、こうです。

日頃からの地震への備えの再確認に加え、特別な備え(すぐに逃げられる態勢の維持や非常持出品の常時携帯など)を行いましょう

キーワードは「すぐに逃げられる態勢の維持」「非常持出品の常時携帯」です。

期間は1週間

避難所へ行く必要はありません。仕事も学校も、通常どおりです。ただし、いつでも動ける状態を保つ。それが求められている内容です。

④ 調査終了|警戒にも注意にも当たらなかった

調査の結果、どちらにも該当しなかった場合に発表されます。

気象庁の案内は、こうです。

地震の発生に注意しながら通常の生活を行いましょう。ただし、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではないことに留意が必要です

「可能性がなくなったわけではない」という一文が入っています。

調査終了は、安全宣言ではありません。いつもの状態に戻った、というだけです。

2024年8月8日に、実際に何が起きたか

制度の説明だけでは実感が湧きません。初めて発表された日のことを振り返ります。

日向灘の地震から始まりました

2024年8月8日、日向灘でM7.1の地震が発生しました。

気象庁は同日19時45分に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しています。これが制度開始以来、初めての発表でした。

そして2025年1月には、別の地震を受けて「調査終了」が発表された例もあります。

あのとき、何が混乱したか

私が見ていた範囲で、混乱は三つありました。

一つめは、避難すべきだと思った人がいたこと。「注意」で避難は求められていません。

二つめは、旅行やイベントの扱いです。中止すべきかどうかで判断が分かれました。国は一律の自粛を求めていません。

三つめは、店頭から物が消えたこと。水や食料の買い占めが起きました。

三つとも、事前に制度を知っていれば防げたものです。だからこの記事を書いています。

あなたは、どれに当てはまりますか

ここから実務です。立場によって、やることが変わります。

あなたの状況 警戒が出たら 注意が出たら
推進地域の沿岸・低地に住む 自治体の指示を確認。対象なら避難 すぐ逃げられる態勢
推進地域の内陸に住む 家具固定と備蓄を再確認 持ち出し袋を手元に
推進地域の外に住む 通常どおり。備えを点検 通常どおり
推進地域へ旅行予定 行程の見直しを検討 避難経路を確認して行く
推進地域で働いている 勤務先の方針に従う 通常勤務。持ち出し品を携帯

沿岸・低地にお住まいの方へ

いちばん重要なのは、平時の確認です。

「巨大地震警戒」が出てから調べ始めても間に合いません。自分の住所が事前避難の対象かどうか、いま調べておいてください。

市町村の防災担当課に電話して、「南海トラフ地震臨時情報が出たとき、うちは事前避難の対象ですか」と聞くのが最短です。

内陸にお住まいの方へ

津波の心配がない地域でも、揺れは来ます。震度6弱以上が想定される地域は広い。

やることは家具の固定と、備蓄の確認です。これは臨時情報が出ていなくてもやるべきことですが、出たときは点検の機会になります。

家具の固定は家具の転倒防止にまとめました。

旅行を予定している方へ

ここが判断に迷う点だと思います。

国は一律の自粛や中止を求めていません。2024年8月のときも同じでした。

ただし「注意」が出ている期間は、宿泊先の避難経路を到着時に確認するくらいの用心は要ります。

旅行先での備えは旅行先で被災したらにまとめました。

推進地域の外にお住まいの方へ

行動を変える必要はありません。

ただし、南海トラフの巨大地震が起きれば、物流と電力は全国に影響します。直接揺れない地域でも、物が届かなくなる可能性があります。

その意味で、備蓄の点検には意味があります。

2時間で何をするか、決めておく

ここが、この記事でいちばん実用的な部分です。

「調査中」から判定まで、最短2時間程度。この時間の使い方を、平時に決めておいてください。

優先順位はこうです

一、情報源を一つに絞る。気象庁の発表と、自治体の防災情報。この二つだけを見ます。SNSは後回しです。

二、家族の居場所と連絡手段を確認する。誰がどこにいて、次にどこで会うか。

三、持ち出し袋を玄関に出す。中身の点検ではなく、まず位置を動かします。

四、車があれば給油する。スタンドが混む前です。

五、現金を確認する。停電すればカードは使えません。

現金の持ち方は災害時の現金はいくら必要かにまとめました。

やらなくていいこと

逆に、この2時間でやるべきでないことがあります。

買いだめです。2024年8月に店頭から物が消えました。あれで困ったのは、本当に必要だった人です。

ふだんから備蓄していれば、この2時間で買い物に行く必要はありません。ここが平時の備えの意味です。

備蓄の考え方は防災は何から始める?にまとめました。

ほかの「注意情報」と混同しないでください

似た名前の制度があります。ここを整理しておきます。

制度 対象 求められる対応
南海トラフ地震臨時情報 南海トラフ沿い 警戒なら事前避難、注意なら態勢維持
北海道・三陸沖後発地震注意情報 日本海溝・千島海溝沿い 1週間程度、備えを高めて通常生活

南海トラフだけに事前避難の枠組みがあります。これが最大の違いです。

北海道・三陸沖のほうは北海道・三陸沖後発地震注意情報とはにまとめました。

やってはいけない受け止め方

「予知が出た」と考えない

この情報は予知ではありません。いつ、どこで、どの規模の地震が起きるかは分かりません。

分かるのは「普段より可能性が高まっている」ということだけです。

「情報が出なければ安全」と考えない

ここが逆に危険です。

南海トラフの地震は、臨時情報が出ないまま起きる可能性のほうが高いと考えられています。先に別の地震が起きなければ、この情報は出ません。

つまり「情報が出るのを待つ」という備え方は成立しません。

解除されても、備えを解かない

「調査終了」は安全宣言ではありません。気象庁も「大規模地震発生の可能性がなくなったわけではない」と明記しています。

1週間で解除されたあとも、元の備えの水準には戻しておいてください。

デマを広げない

2024年8月には、根拠のない「◯日に地震が来る」という情報が広がりました。

日時を特定した地震の予測は、科学的に不可能です。そう断言できます。

情報は気象庁と自治体の発表から取ってください。それ以外は、確認できるまで人に伝えないことです。

災害時のデマ対策は災害時の詐欺とデマにまとめました。

スポンサーリンク

「監視領域」と「想定震源域」は、別のものです

制度の条文を読むと、二つの言葉が出てきます。ここを取り違えると、条件が理解できません。

想定震源域|南海トラフの地震が起きると想定されている範囲

これが本体です。駿河湾から日向灘の沖合にかけて広がる、プレートの境界面を指します。

「巨大地震警戒」の条件は、この想定震源域内のプレート境界でMw8.0以上です。場所が限定されています。

監視領域|想定震源域より広い、見張りの範囲

一方、「調査中」と「巨大地震注意」の条件には、監視領域という言葉が使われます。

監視領域は想定震源域を含み、その周辺まで広がります。本体の外で起きた地震でも、影響を評価する必要があるからです。

2024年8月の日向灘の地震も、この監視領域の考え方の中で評価されました。

キーワード 場所の条件 規模の条件
調査中 監視領域内 M6.8以上
巨大地震警戒 想定震源域内のプレート境界 Mw8.0以上
巨大地震注意 監視領域内 Mw7.0以上

警戒だけが「想定震源域内のプレート境界」という厳しい条件になっています。だから最も重い扱いなのです。

MとMwは、少し違います

細かい点ですが、書いておきます。

調査開始の条件は「M6.8以上」ですが、警戒と注意の条件は「Mw(モーメントマグニチュード)」で書かれています。

Mwは、断層のずれの規模から求める指標です。大きな地震の規模を正確に表せるという特徴があります。

速報段階のマグニチュードと、評価後のMwで数字が変わることがあります。「M7.1だったのにMw7.0で注意が出た」といった見え方をするのは、このためです。

マグニチュードの詳しい話はマグニチュードと震度の違いにまとめました。

ゆっくりすべりという、もう一つの入り口

地震が起きなくても、臨時情報が出ることがあります。

地震にならない、ゆっくりした動き

プレートの境界では、揺れを感じないほどゆっくりと滑る現象が起きています。

これが普段と違う様子を見せたとき、ひずみ計という装置がとらえます。

気象庁の条件には、こうあります。

1カ所以上のひずみ計での有意な変化と共に、他の複数の観測点でもそれに関係すると思われる変化が観測され、想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある

複数の観測点で確認できたときに限られます。1か所の変化だけでは調査に入りません。

この場合も「巨大地震注意」になりえます

想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価された場合、地震が起きていなくても「巨大地震注意」が発表されます。

つまり「大きな揺れを感じていないのに、臨時情報が出る」ことがありえます。

ニュースで知って驚かないよう、この経路があることを覚えておいてください。

企業や施設で防災を担当している方へ

個人とは別に、組織としての判断が求められる立場があります。

「注意」で操業を止める必要はありません

国は一律の休業を求めていません。通常の事業活動を続けたうえで、避難しやすい態勢を保つという考え方です。

ただし、沿岸部の事業所や、避難に時間がかかる施設は別です。自社の立地条件で判断が変わります。

決めておくべきは三つです

一、誰が判断するか。臨時情報が出たとき、操業を続けるか止めるかを誰が決めるのか。夜間や休日も含めて決めておいてください。

二、従業員にどう伝えるか。連絡網が動くか、平時に試しておく必要があります。

三、来訪者をどうするか。店舗や施設なら、お客様への案内が要ります。

事業継続の考え方はBCPとは何かにまとめました。

2週間続くことを、前提に置く

「巨大地震警戒」が出た場合、1週間の警戒と、その後1週間の注意が続きます。

この2週間、通常と違う態勢を維持できるか。人員のやりくりを、いま計算しておく価値があります。

短期で終わる前提の計画だと、途中で回らなくなります。

いまのうちにやっておく三つ

臨時情報が出てからでは間に合わないことがあります。平時にしかできない準備です。

一、自分が事前避難の対象か調べる

これが最優先です。

「巨大地震警戒」で避難を求められるのは、地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民です。誰が該当するかは市町村が定めています。

電話一本で分かります。市町村の防災担当課に「南海トラフ地震臨時情報が出たとき、うちの地区は事前避難の対象ですか」と聞いてください。

そして対象なら、どこへ避難するのかも同時に聞いておく。1週間滞在する場所です。当日調べるのでは遅すぎます。

二、家族で「注意」と「警戒」の違いを共有する

家族の誰かがニュースを見て、慌てて連絡してくる場面を想像してください。

「注意なら避難しない。警戒なら自治体の指示を確認する」。これだけ共有しておけば、判断がぶれません。

そして集合場所と連絡手段を決めておくこと。臨時情報が出た2時間で最初にやるのが、家族の確認だからです。

三、1週間分の備えにする

これが数字として効いてきます。

「巨大地震警戒」で求められる事前避難は1週間です。そして解除後もさらに1週間。

3日分の備蓄では、この期間を支えられません。南海トラフの推進地域にお住まいなら、1週間分を目標にしてください。

水は1人1日3リットルが目安です。4人家族の1週間なら84リットル。2リットルのボトルで42本になります。

置き場所も含めて、いま計画しておく価値があります。

情報を、どこで受け取るか

臨時情報は、突然出ます。受け取る経路を用意していないと、気づくのが遅れます。

一次情報は、この二つです

気象庁の発表と、お住まいの市町村の防災情報。この二つが判断の基準になります。

気象庁は報道発表と、南海トラフ地震に関連する情報のページで公表します。「巨大地震警戒」「巨大地震注意」というキーワードが、そのまま見出しに入ります。

自治体の登録型メールを、いま登録する

多くの市町村が、防災情報のメール配信を無料で行っています。登録しておかないと届きません。

そして事前避難の対象になるかどうかは、市町村が判断します。国の発表だけを見ていても、自分が動くべきかは分かりません。

「市町村名+防災メール」で検索すれば、登録ページが見つかります。5分で終わります。

家族の誰か一人が、必ず受け取れる状態にする

全員が同じ経路である必要はありません。誰か一人が気づいて、家族に伝えられればよい。

高齢のご家族がスマートフォンを使わない場合、その方の分まで誰が確認するかを決めておいてください。

テレビとラジオも、経路として残す

スマートフォンが使えない状況もありえます。停電すれば、通信も止まります。

電池で動くラジオを一つ持っておくと、経路が二重になります。臨時情報に限らず、災害時には効きます。

停電時の情報手段は防災用ランタンの選び方とあわせて考えておいてください。

よくある質問

Q. 臨時情報が出たら、必ず地震が来ますか

いいえ。可能性が普段より高まった、という情報です。

2024年8月に「巨大地震注意」が発表されましたが、その後に巨大地震は起きていません。空振りに終わることのほうが多い制度だと考えてください。

それでも意味があります。空振りを許容してでも、備える時間を作るための仕組みだからです。

Q. 「注意」が出たら、旅行は中止すべきですか

国は一律の中止や自粛を求めていません。

ただし、行き先が推進地域なら、宿泊先の避難経路を到着時に確認してください。それだけで備えになります。

ご家族に高齢の方や小さなお子さんがいて、避難に時間がかかる場合は、1週間ずらすという判断もあります。ここはご自身で決めることです。

Q. 会社や学校は休みになりますか

「注意」では通常どおりです。休業や休校は求められていません。

「巨大地震警戒」の場合は、地域や事業所の判断によります。勤務先の方針を、平時に確認しておいてください。

Q. なぜ1週間なのですか

後発の地震は、先の地震から時間が経つほど起きにくくなると考えられています。

1週間という区切りは、その考え方にもとづく運用上の目安です。1週間で危険がゼロになるという意味ではありません。

だから解除後も、さらに1週間の注意が続きます。

Q. 「調査中」のときに避難してもいいですか

構いません。気象庁も「個々の状況に応じて避難等の防災対応を準備・開始し」と案内しています。

不安が強い方、避難に時間がかかる方が早めに動くことは、制度の趣旨に沿った行動です。

Q. 推進地域かどうかは、どこで分かりますか

内閣府と各都道府県が公表しています。市町村単位で指定されています。

目安は、高さ3m以上の津波、または震度6弱以上の揺れが想定される地域などです。お住まいの市町村のサイトで確認できます。

Q. 臨時情報が出ないまま地震が来ることはありますか

あります。そしてその可能性のほうが高いと考えられています。

この情報は、先に別の地震などの現象が起きたときにだけ発表されます。いきなり本震が起きれば、事前の情報は出ません。

ここが、この制度のいちばん重要な限界です。

覚えておくのは、三つです

細かい条件は、いざというとき思い出せません。だから絞ります。

一、聞き取るのは「警戒」か「注意」か

避難が求められるのは「巨大地震警戒」だけです。「注意」で避難所へ行く必要はありません。

ニュースでこの二語のどちらが出たかを、まず聞き取ってください。

二、自分が事前避難の対象かを、いま調べる

当日では間に合いません。市町村への電話一本です。

対象なら、避難先と1週間の滞在方法まで確認しておいてください。

三、情報が出ない前提で備える

南海トラフの地震は、臨時情報なしで起きる可能性のほうが高い。

この情報を当てにした備え方は成立しません。ふだんの備蓄と家具固定が土台で、臨時情報はその上に乗る仕組みだと考えてください。

まとめ

南海トラフ地震臨時情報には、四つのキーワードがあります。調査中、巨大地震警戒、巨大地震注意、調査終了。

調査が始まるのは、監視領域内でM6.8以上の地震が起きたときなどです。判定は最短2時間程度で出ます。

想定震源域内のプレート境界でMw8.0以上なら「巨大地震警戒」。対象地域の一部の住民に、1週間の事前避難が呼びかけられます。対象は「地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民」です。

監視領域内でMw7.0以上なら「巨大地震注意」。1週間、すぐ逃げられる態勢を保ちます。避難は求められません。2024年8月8日19時45分に発表されたのが、これです。

そして「調査終了」は安全宣言ではありません。

今日できることを、ひとつだけ書きます。

お住まいの市町村の防災担当課に電話して、「南海トラフ地震臨時情報が出たとき、うちの地区は事前避難の対象ですか」と聞いてください。

対象かどうかで、その日の動きがまったく変わります。そして、それを調べられるのは今日だけです。

地震そのものへの備えは地震の防災グッズおすすめ完全ガイドにまとめました。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

目次