噴火警戒レベル1〜5とは?レベルごとの行動・入山規制・噴火速報との違いを防災士が解説【2026年最新】

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【この記事の要約】
噴火警戒レベルは、火山の元気度を表す数字ではありません。そこにいる人が、何をすべきかを示す指示です。レベル1は活火山であることに留意、レベル2は火口周辺規制、レベル3は入山規制、レベル4は高齢者等避難、レベル5は避難。数字が上がるほど、危険な範囲が火口から居住地域へと広がっていきます。この記事では、五段階それぞれの意味と、住民と登山者がとるべき行動を整理しました。あわせて、噴火警報との対応関係、噴火速報という別の情報との違い、そしてレベル1でも噴火は起きるという限界についても書いています。二〇一四年の御嶽山の噴火は、レベル1のまま起きました。

結論からお伝えします。覚えていただきたいのは、二つの数字だけです。レベル3で山に入れなくなり、レベル4で人が逃げはじめます。

この二つを押さえておけば、ニュースで数字を聞いたときに、意味がつかめます。レベル3は登山者の話。レベル4は住民の話。そう理解しておくと、自分に関係があるかどうかが即座に判断できます。数字の細かい定義を覚える必要はありません。この二つの境界だけで、大半の場面に対応できます。

私は防災士として、火山についての相談を受けることがあります。北海道にも活火山は多く、有珠山や樽前山、十勝岳を身近に感じている方は少なくありません。そこでよく聞くのが、「レベル2と聞いても、何をすればいいか分からない」という声です。

無理もないと思います。数字だけを聞いても、それが自分に何を求めているかは分かりません。この記事では、そこを一段ずつほどいていきます。

目次

噴火警戒レベルとは何か

噴火警戒レベルは、火山の状況に応じて、警戒が必要な範囲とるべき行動を、五段階に区分して示すものです。気象庁が発表します。

ここで大事なのは、この二つがセットになっている点です。「どこが危ないか」だけでも、「何をすべきか」だけでも足りません。範囲と行動が一組になっているから、受け取った人が動けます。

すべての火山にあるわけではありません

日本には百十一の活火山があります。そのうち、気象庁が二十四時間体制で監視している常時観測火山は五十一。そして噴火警戒レベルが運用されているのは、四十九火山です。これは令和八年三月現在の数字です。

逆に言えば、活火山の多くではレベルが運用されていません。運用されていない火山では、噴火警報や噴火予報という形で情報が出ます。

ここは誤解されやすい点です。レベルが出ていない火山は、安全な火山という意味ではありません。観測体制が整っていない、あるいは活動が静かで判定基準を作れていない、という意味です。

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五段階の全体像

まず、表で全体をつかんでください。

レベル キーワード 発表される警報 警戒が必要な範囲 住民 登山者
5 避難 噴火警報(居住地域) 居住地域とその周辺 危険な居住地域から避難 立入禁止
4 高齢者等避難 噴火警報(居住地域) 居住地域とその周辺 高齢者等が避難。ほかの人は準備 立入禁止
3 入山規制 噴火警報(火口周辺) 火口から居住地域近くまで 状況に応じて避難の準備 登山禁止・入山規制
2 火口周辺規制 噴火警報(火口周辺) 火口の周辺 通常の生活 火口周辺への立入規制
1 活火山であることに留意 噴火予報 火口内など 通常の生活 状況に応じて火口内への立入規制

表を縦に見ると、ひとつの流れが見えてきます。危険な範囲が、火口の中から外へ、そして居住地域へと広がっていく。これが、レベルが上がるということの中身です。

レベルごとに何が起きるのか

レベル1:活火山であることに留意

火山活動は静穏、あるいは静かな状態が続いている段階です。噴火予報が発表されます。住民の生活に制限はありません。

ここで注目していただきたいのが、キーワードそのものです。以前、レベル1のキーワードは「平常」でした。二〇一五年に、現在の「活火山であることに留意」へ変更されています。

変更の背景には、二〇一四年の御嶽山の噴火があります。「平常」という言葉が、安全であるかのような印象を与えてしまう。実際にはそうではない。静かに見えても活火山であることに変わりはないという事実を、言葉そのものに埋め込み直したわけです。

この一点は、この記事でいちばんお伝えしたいところかもしれません。レベル1は、安全宣言ではありません。

レベル2:火口周辺規制

火口の周辺に影響を及ぼす噴火が起きる、あるいは起きると予想される段階です。火口周辺への立入が規制され、火口周辺警報が発表されます。

住民の生活に直接の制限はありません。ただし、火口に近づく行動、たとえば火口を目指す登山は制限されます。

観光地の火山では、この段階で遊歩道や展望台が閉鎖されることがあります。旅行の予定がある方は、目的地がその範囲に入っていないかを確認してください。

なお、規制される範囲は火山ごとに違います。同じレベル2でも、ある山では火口から一キロ、別の山では二キロということがあります。数字だけでなく、その火山について発表されている範囲そのものを見てください。気象庁の解説資料に、地図つきで示されています。

レベル3:入山規制

居住地域の近くまで影響を及ぼす噴火が起きる、あるいは起きると予想される段階です。ここから、登山ができなくなります。

登山を計画している方にとって、レベル3は明確な境界線です。行けるか行けないかが、この数字で決まります。

住民にとっては、状況に応じて避難の準備を始める段階です。まだ避難そのものではありませんが、心構えを変えるべきタイミングだといえます。

レベル4:高齢者等避難

居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が予想される段階です。ここから、人が動きはじめます。

このレベルのキーワードも、過去に変更されています。以前は「避難準備」でした。二〇二一年に、現在の「高齢者等避難」へ改められています。

理由は、水害や土砂災害の避難情報と足並みをそろえるためです。警戒レベル三で高齢者等避難、という枠組みが災害全体で共通になりました。災害の種類が違っても、同じ言葉で同じ行動を示す。そのほうが伝わる、という考え方です。

この段階では、避難に時間がかかる方が先に動きます。高齢の方、体の不自由な方、小さなお子さんがいるご家庭。ほかの方も、いつでも動ける準備を整えます。準備というのは、荷物をまとめ、車に燃料を入れ、避難先への経路を確かめておくことです。指示が出てから始めるのでは、間に合わないことがあります。

レベル5:避難

重大な被害を及ぼす噴火が発生した、あるいは切迫している段階です。危険な居住地域から避難します。

レベル4と5で発表されるのは、居住地域に対する噴火警報です。これは特別警報にあたります。気象の特別警報と同じ位置づけだと考えてください。数十年に一度といった重大な事態を意味します。

レベルは、どうやって決まるのか

数字がどこから来ているのかを知っておくと、この情報への信頼度が変わります。

複数の観測を組み合わせます

気象庁は、常時観測火山に観測機器を設置し、二十四時間体制で監視しています。見ているものは、ひとつではありません。

火山性地震。マグマや熱水が動くと、火山の内部で小さな地震が起きます。その回数が増えると、地下で何かが動いている可能性があります。

火山性微動。地震とは違い、ゆっくりとした揺れが続く現象です。マグマや火山ガスの移動と関係があると考えられています。

地殻変動。マグマがたまると、山そのものがわずかに膨らみます。傾斜計や衛星測位で、この動きをとらえます。ミリ単位の変化が分かります。

噴煙の状況。高さ、色、量。監視カメラで常に見ています。

火山ガスの放出量。とくに二酸化硫黄の量は、地下のマグマの状態を映します。

地面や噴気の温度。熱の変化も手がかりになります。

これらを組み合わせて、その火山ごとに定められた判定基準に照らします。判定基準は火山ごとに違い、公開されています。ある山で「地震が一日五十回」が意味を持っても、別の山では意味が違うためです。

だから、観測に表れない変化は反映されません

ここが、後で述べる限界につながります。判定は、観測できたものにもとづきます。地下の変化が地表の観測に表れなければ、レベルは動きません。

水蒸気噴火のように、前ぶれが小さいまま起きる噴火があるのは、このためです。レベルは予言ではなく、観測の要約だと理解してください。

噴火で起きる現象と、届く距離

レベルが示す「範囲」を実感するために、噴火で何が起きるのかを整理しておきます。現象によって、届く距離も、逃げられるかどうかも、まったく違います。

現象 届く範囲の目安 速さ 逃げられるか
大きな噴石 火口からおおむね2キロから4キロ 非常に速い ほぼ不可能。頭を守るしかない
火砕流 数キロから十数キロ 時速100キロを超えることも 不可能。事前に離れるしかない
火山灰 数十キロから数百キロ 風に乗って広がる 屋内退避で対応
溶岩流 地形に沿って流れる 多くは歩く速さ以下 逃げる時間はある
火山ガス くぼ地や谷にたまる 風で流れる 低い場所を避ける
火山泥流 数十キロに達することも 時速数十キロ 高い場所へ、谷から離れる

大きな噴石は、風では流されません

噴石には二種類あります。

ひとつは、こぶし大からそれ以上の大きな噴石です。これは風の影響をほとんど受けず、弾道を描いて飛びます。火口からおおむね二キロから四キロの範囲に落下します。屋根を突き破る力があります。

もうひとつが、小さな噴石や火山灰です。こちらは軽いため風に流され、遠くまで運ばれます。

レベル2やレベル3で規制される範囲は、この大きな噴石が届く距離とおおむね対応しています。規制の線は、感覚で引かれているわけではありません。

火砕流からは逃げられません

火砕流は、高温の火山灰と岩塊、そしてガスが一体となって斜面を流れ下る現象です。温度は数百度に達し、速さは時速百キロを超えることもあります。

車でも逃げ切れません。建物の中にいても助かりません。火砕流に対しては、起きる前にその範囲から出ておくこと以外に方法がないのです。レベル4や5で居住地域からの避難が求められるのは、この現象を想定しているからです。

雪のある時期は、泥流に注意が必要です

雪が積もっている山で噴火が起きると、熱で雪が一気にとけます。その水が火山灰や土砂と混ざって流れ下るのが、融雪型火山泥流です。

これは、噴火そのものが小規模でも起こります。そして、谷に沿って数十キロ先まで到達することがあります。火口から遠く離れた集落が被害を受けるという点で、特に警戒が必要な現象です。

北海道や東北、中部の雪の多い火山にお住まいの方は、冬の噴火という想定を持っておいてください。

噴火警報との関係を整理する

レベルと警報は、別のものではありません。対応しています。

発表される情報 対応するレベル 位置づけ
噴火警報(居住地域) レベル4・5 特別警報
噴火警報(火口周辺) レベル2・3 警報
噴火予報 レベル1 予報

ニュースでは「噴火警報が発表されました」と伝えられることがあります。そのとき、それが火口周辺のものか、居住地域のものかで、意味がまったく違います。火口周辺なら登山者の話、居住地域なら住民の話です。ここを聞き分けられると、情報の受け取り方が変わります。

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噴火速報は、まったく別の情報です

ここは、混同されやすいところです。

噴火速報は、噴火が発生したという事実だけを、いち早く知らせる情報です。二〇一五年から運用が始まりました。

特徴は、内容の少なさにあります。噴火の規模も、影響の範囲も、まだ分かっていません。それでも出します。分析を待たずに、起きたことだけを伝える。これが目的だからです。

この情報が生まれたきっかけも、二〇一四年の御嶽山の噴火です。多くの登山者が山頂付近にいる時間帯に噴火が発生し、五十八人が亡くなり、五人が行方不明となりました。戦後最悪の火山災害です。

あのとき問題になったのは、山にいる人が「噴火した」という事実そのものを知る手段がなかったことでした。ですから噴火速報は、精度より速さを優先しています。詳しさを削ってでも、早く届けることを選んだ情報です。

受け取る側としての心構えは、こうです。噴火速報が出たら、内容を待たずに動いてください。詳しい情報が出るころには、状況が進んでいます。

噴火警戒レベル 噴火速報
伝えること 警戒範囲ととるべき行動 噴火が起きたという事実
タイミング 活動の変化に応じて随時 噴火の直後
規模の情報 判断の材料として含む 含まない
主な対象 住民と登山者 山にいる人と周辺の人

レベルには限界があります

ここが、この記事でお伝えしたい二つ目の核心です。

レベル1でも噴火します

二〇一四年九月二十七日、御嶽山が噴火しました。そのとき、噴火警戒レベルは1でした。

紅葉の季節の土曜日、昼前の時間帯。山頂付近には多くの登山者がいました。結果として、戦後最悪の火山災害になりました。

この噴火は、水蒸気噴火と呼ばれるものでした。地下水が熱せられて水蒸気になり、圧力が高まって一気に噴き出す現象です。マグマそのものが上がってくる噴火と違い、前ぶれが観測に現れにくいという性質があります。

つまり、レベルが上がらないまま噴火することが、現実に起こります。レベルは、観測できた変化にもとづく判断です。観測に表れない変化は、レベルに反映されません。

段階を飛ばして上がります

もうひとつ。レベルは、1から2、2から3と順番に上がるとは限りません。1から一気に3へ、あるいは5へ上がることがあります。

「まだ2だから、上がるとしても3までだろう」という予測は成り立ちません。次にどうなるかは、そのときの火山活動が決めます。

だから、レベルを行動の唯一の根拠にしない

ではレベルは無意味かというと、まったくそうではありません。使い方を間違えなければ、極めて有効な道具です。

正しい使い方は、こうです。レベルが上がったら必ず従う。しかし、レベルが低いことを安全の根拠にはしない。上げるときの合図として使い、下げるときの言い訳には使わない。これが、限界のある情報との付き合い方だと私は考えています。

登山者がやるべきこと

活火山に登る方に向けて、具体的に挙げます。

出発前にレベルを確認する。気象庁のサイトで、その火山の現在のレベルが分かります。前日ではなく、当日の朝にもう一度確認してください。レベルは変わります。

登山届を出す。誰がどこにいるかが分かっていることは、救助の速さを左右します。多くの山域で、オンラインでの提出ができます。

ヘルメットを持つ。噴火で最初に届くのは噴石です。御嶽山でも、多くの方が噴石によって亡くなりました。自転車用でも、ないよりはるかに良い。頭を守れるかどうかが、生死を分けます。

避難できる場所を把握する。山小屋、シェルター、岩陰。地図で位置を確認し、可能なら実際の位置を目で見ておきます。

噴火速報を受け取れるようにしておく。防災アプリの通知を有効にしておいてください。ただし、山中では電波が届かないことがあります。

噴火したら、火口から離れる方向へ。そして、噴石から身を守れる場所へ。山小屋があれば飛び込みます。何もなければ、大きな岩の陰に入り、ザックを頭の上に構えます。風上へ逃げるのが原則です。火山灰や火山ガスは風に乗って流れます。

住民がやるべきこと

活火山の近くにお住まいの方へ。

火山ハザードマップを見る。市町村が作成しています。噴石が届く範囲、火砕流が流れる方向、溶岩流の経路、火山灰が積もる想定。自分の家がどの範囲に入っているかを、一度確認してください。地図の読み方はハザードマップの見方・読み方を徹底解説にまとめています。

避難先と経路を決めておく。火山の避難は、風向きによって安全な方向が変わります。複数の候補を持っておいてください。

火山灰への備えを持つ。防塵マスク、ゴーグル、そして水と食料です。火山灰が積もると、道路が使えなくなり、停電や断水が起こることがあります。備蓄の考え方は非常食の比較データも参考になります。

雨に注意する。火山灰が積もった斜面では、少しの雨で土石流が発生しやすくなります。噴火が収まった後も、この危険はしばらく続きます。詳しくは土石流とは?前ぶれ・逃げる方向・危険な場所の調べ方をご覧ください。

レベルが上がると、現場では何が動くのか

数字が変わると、実際にどういう連鎖が起きるのか。ここを知っておくと、報道の見え方が変わります。

まず、気象庁が噴火警報を発表し、レベルを引き上げます。この判断には、火山噴火予知連絡会などの専門的な検討が関わることもあります。

次に、都道府県と市町村へ伝達されます。そして市町村が、住民に対して避難の情報を出します。レベルを上げるのは国、避難を指示するのは市町村です。ここは役割が分かれています。

あわせて、道路の通行止め、登山道の閉鎖、公共交通の運休といった措置がとられます。観光地であれば、施設の休業も判断されます。

多くの火山では、あらかじめ火山避難計画が作られています。レベルがいくつになったら、どの地区の住民が、どこへ避難するか。これが事前に決められているのです。

ですから、活火山の近くにお住まいなら、自分の地区がどのレベルで動くことになっているかを確認しておいてください。市町村の防災担当か、公表されている避難計画で分かります。当日に調べるのでは間に合いません。

観光で訪れる人はどうなるか

意外と見落とされるのが、旅行者です。

住民には避難計画があり、地域の連絡網もあります。ところが、たまたまその日に訪れていた人には、何もありません。土地勘もなく、どちらへ逃げればよいかも分かりません。

温泉地の多くは、火山のふもとにあります。景色がよく、湯が湧く場所は、火山活動のある場所です。これは偶然ではありません。

ですから、火山の近くへ旅行する予定があるなら、出発前に現在のレベルを一度見てください。宿に着いたら、非常口と避難経路の掲示を確認する。この二つだけで、備えとしては十分に意味があります。

よくある質問

レベル1なら登山しても大丈夫ですか

登れますが、安全という意味ではありません。二〇一四年の御嶽山はレベル1のまま噴火しました。レベル1は「活火山であることに留意」であって、「平常」ではありません。ヘルメットを持ち、登山届を出し、避難できる場所を確認したうえで登ってください。

レベルはどこで確認できますか

気象庁のサイトで、全国の火山の現在のレベルが一覧で見られます。各火山の解説資料も公開されています。防災アプリでも通知を受け取れます。出発の当日に確認するのが基本です。

レベルが下がったら、もう安全ですか

いいえ。レベルが下がるのは、観測されている活動が落ち着いたという意味です。再び上がることもあります。とくに、噴火の後は火山灰が積もっているため、雨による土石流の危険が残ります。レベルが下がっても、山の状態は元通りではありません。

噴火警戒レベルが運用されていない火山は安全ですか

いいえ。運用されていないのは、観測体制や判定基準の問題です。危険がないからではありません。そうした火山でも、活動に変化があれば噴火警報や噴火予報が発表されます。

噴火速報と噴火警報は何が違いますか

噴火速報は、噴火が起きたという事実だけを直後に伝えるものです。規模も影響範囲も含みません。噴火警報は、警戒すべき範囲を示す情報で、レベルと対応しています。速報は速さ、警報は範囲。役割が違います。

火山灰が降ってきたらどうすればよいですか

屋内に入ってください。外に出る必要があるなら、防塵マスクとゴーグル、長袖を着用します。火山灰は非常に細かく角張っているため、目や気管を傷つけます。コンタクトレンズは外してください。また、灰が積もった路面は非常に滑りやすく、雨が降るとさらに危険です。

富士山が噴火したら首都圏はどうなりますか

風向きによりますが、火山灰が広い範囲に降る想定が示されています。灰が積もれば、鉄道や道路が止まり、停電や断水が起こる可能性があります。噴石や火砕流のような直接の被害がなくても、生活は止まります。離れた地域にお住まいの方も、備蓄という形での備えは意味を持ちます。

ヘルメットがあれば噴石は防げますか

すべては防げません。大きな噴石は、屋根を突き破るほどの力を持っています。それでも、ヘルメットには意味があります。小さめの噴石や、跳ね返った石、転倒したときの打撲から頭を守れるからです。御嶽山の事例でも、致命傷の多くは頭部でした。完全な防御ではなく、生存率を上げる装備だと考えてください。荷物として重いと感じるなら、折りたたみ式のものもあります。

活火山かどうかは、どうやって調べますか

気象庁が活火山の一覧を公開しています。日本の活火山は百十一で、そのうち五十一が常時観測火山です。「活火山」とは、おおむね過去一万年以内に噴火した火山、および現在活発な噴気活動のある火山を指します。数百年噴火していなくても、活火山であることは珍しくありません。「死火山」という区分は、現在は使われていません。

火山のそばに住んでいますが、引っ越すべきでしょうか

そこまでお伝えするつもりはありません。日本の多くの地域は、何らかの災害リスクを抱えています。火山のふもとには、温泉、豊かな土壌、美しい景観といった恵みもあります。大事なのは、リスクを知ったうえで住むことです。ハザードマップで自宅がどの範囲に入るかを確認し、避難計画を把握し、備蓄を持つ。それで、判断の材料はそろいます。

噴火の予知はできるのですか

地震の予知よりは、可能性があります。マグマが上がってくるタイプの噴火では、地震や地殻変動といった前ぶれが観測されることが多いためです。実際、事前にレベルを引き上げて被害を防いだ例もあります。ただし、確実ではありません。水蒸気噴火のように前ぶれが小さい場合や、変化から噴火までの時間が極端に短い場合があります。予知に頼りきる備えは成り立ちません。

登山中に噴火に遭遇したら、まず何をすればよいですか

頭を守ってください。ヘルメットがあればかぶり、なければザックを頭の上に構えます。そして、火口から離れる方向、かつ風上へ移動します。山小屋や岩陰など、噴石を防げる場所があればそこへ入ってください。写真を撮っている時間はありません。

まとめ

噴火警戒レベルについて、整理します。

レベルは、警戒すべき範囲と、とるべき行動をセットで示す指標です。五段階あり、数字が上がるほど危険な範囲が火口から居住地域へ広がります。日本の活火山百十一のうち、常時観測火山は五十一、レベルが運用されているのは四十九火山です。

覚えておくべき境界は二つ。レベル3で登山ができなくなり、レベル4で人が避難をはじめます。レベル4と5で発表される居住地域への噴火警報は、特別警報にあたります。

レベル1のキーワードは「活火山であることに留意」です。以前は「平常」でしたが、二〇一五年に変更されました。レベル4も、二〇二一年に「避難準備」から「高齢者等避難」へ改められています。言葉が変わった背景には、それぞれ理由があります。

噴火速報は、レベルとは別の情報です。噴火が起きた事実だけを、規模が分からないまま直後に知らせます。出たら、内容を待たずに動いてください。

そして、レベルには限界があります。二〇一四年の御嶽山はレベル1のまま噴火し、五十八人が亡くなり五人が行方不明となりました。水蒸気噴火は前ぶれが観測に表れにくく、レベルは段階を飛ばして上がることもあります。

ですから、使い方はこうです。上がったら必ず従う。低いことを安全の根拠にはしない。

最後にひとつ。活火山に登る予定があるなら、ヘルメットを持っていってください。荷物は増えますが、噴石から頭を守れるかどうかが結果を分けます。そして、当日の朝にもう一度レベルを確認する。この二つだけでも、リスクはかなり下がります。

そして、活火山の近くにお住まいの方には、ハザードマップを開くことをおすすめします。噴石がどこまで届くのか、火砕流がどの谷を流れるのか、灰がどちらへ流れるのか。それが地図の上に描かれています。自分の家が線の内側なのか外側なのか。この一点を知っているかどうかで、レベルの数字が持つ意味がまったく変わります。

火山は、ゆっくりとした時間で動きます。何十年も静かなことがあり、そのあいだに人は忘れます。忘れること自体は、責められるものではありません。だからこそ、忘れていても機能する仕組みとして、レベルという数字があります。数字が上がったら動く。それだけは覚えておいてください。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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