関東の大雨は10日ごろまで|7日の線状降水帯予測と、地盤が緩んだ状態での危険

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【この記事の要約】
気象庁は9月6日、関東地方に線状降水帯の半日前予測を発表しました。対象と時間帯は次のとおりです。東京地方・埼玉県・神奈川県・千葉県は6日夜遅くから7日昼前。伊豆諸島は6日昼前から7日明け方。茨城県・栃木県・群馬県は7日未明から7日昼前。7日6時までの24時間予想降水量は、関東南部と伊豆諸島で250ミリ、関東北部で150ミリ1日あまりで、平年の1か月分が降る計算です。原因は台風24号ではありません。沖縄付近にいる台風24号と、本州南の熱帯低気圧が、本州南岸に停滞する秋雨前線へ水蒸気を送り続けているためです。台風は遠くにあります。それでも関東で大雨になります。この記事でお伝えしたいのは、ひとつだけです。夜が来る前に、避難の準備を終えてください。半日前予測は「発生してからでは間に合わない」ために出るものです。暗くなってからの移動は危険です。

9月6日、気象庁が関東地方に線状降水帯の半日前予測を発表しました。

私は札幌に住んでいて、防災士として活動しています。今回の対象は関東です。私の住む場所ではありません。

それでも書いているのは、この事象がとても誤解されやすい形をしているからです。

目次

結論|夜になる前に、準備を終えてください

先に、いちばん大事なことを書きます。

半日前予測は、発生を確定させるものではありません。「そうなるかもしれない」という段階で出ます。
それでも出す理由は、発生してからでは避難が間に合わないからです。
ですから受け取り方は、ひとつだけです。暗くなる前に、避難の準備を終えてください。

外れることがあります。そのときは、それでいいのです。

準備をして何も起きなければ、それが最良の結果です。

対象の地域と、時間帯

気象庁の発表を整理します。

地域 時間帯 発表
東京地方 6日夜遅く 〜 7日昼前 6日10時25分
埼玉県 6日夜遅く 〜 7日昼前 同上
神奈川県 6日夜遅く 〜 7日昼前 同上
千葉県 6日夜遅く 〜 7日昼前 同上
伊豆諸島 6日昼前 〜 7日明け方 同上
茨城県 7日未明 〜 7日昼前 6日15時20分
栃木県 7日未明 〜 7日昼前 同上
群馬県 7日未明 〜 7日昼前 同上

関東北部は、南部より半日ほど遅れて始まります。

茨城・栃木・群馬にお住まいの方は、6日のうちに準備を終えてください。始まるのは7日の未明です。寝ているあいだに条件がそろいます。

雨の量

地域 7日6時までの24時間予想降水量
関東地方南部 多い所で250ミリ
伊豆諸島 多い所で250ミリ
関東地方北部 多い所で150ミリ

1日あまりで、平年の1か月分に相当する雨です。

250ミリという数字は、想像しにくいと思います。

1平方メートルあたり、250リットルの水が落ちてくる量です。浴槽1杯ぶんを超えます。それが、地面のあらゆる場所に降ります。

【9月8日 更新】台風は終わりました。雨は10日ごろまで続きます

この記事で扱った9月6日夜から7日昼前という対象時間は、過ぎました。

そして台風24号は、7日午前9時に熱帯低気圧へ変わりました。

ですが、大雨への警戒は続いています。

地域別の警戒期間

地域 警報級の大雨に警戒する期間
北海道 8日 未明〜明け方
東北 7日夜遅くまで/8日午後〜9日
北陸 8日 朝〜9日
関東甲信 8日にかけて/10日
東海 10日にかけて
近畿 7日夜遅くまで/8日午後〜10日
四国 8日午後〜9日

関東甲信は、8日にかけてと10日が対象です。終わっていません。

地盤が緩んでいます。少ない雨でも危険です

ここが、いまいちばん重要な点です。

9月に入ってから、各地で雨が降り続いています。地面は、すでに水を含んだ状態です。

地面が水を含める量には、限りがあります。限界に近づいているほど、同じ雨量でも危険度が上がります。

これまでの大雨と長雨で地盤が緩んでおり、比較的少ない雨でも土砂災害の危険度が高まっているとされています。
「先週より雨が弱いから大丈夫」は、成り立ちません。

土砂災害は、雨がやんだあとに起きることもあります。土砂災害警戒情報が解除されるまで、警戒を続けてください。

台風24号の経過は台風24号は7日に熱帯低気圧へ変わりました|雨は10日ごろまで続きますにまとめています。

【9月6日21時 追記】1時間80ミリ以上のおそれ

状況が更新されました。

項目 内容
関東の雨 7日未明から朝にかけて、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨のおそれ
秋雨前線 本州の南から北上中。東日本の陸地に雨雲がかかっています
台風24号 7日朝までに熱帯低気圧へ変わる見込み
近畿地方 6日夜〜7日夜、8日午後〜9日にも警報級の大雨のおそれ

1時間に80ミリは、気象庁の表現で「猛烈な雨」です。

息苦しくなるような圧迫感があり、雨で前が見えなくなります。車のワイパーを最速にしても追いつきません。

そしてこれが未明から朝にかけて予想されています。暗い時間帯です。

避難の判断は、今夜のうちに済ませてください。未明に降り始めてからでは、動けません。

台風は消えます。それでも雨は降ります

台風24号は、7日朝までに熱帯低気圧へ変わる見込みです。

ニュースで「台風は熱帯低気圧に変わりました」と聞けば、終わったと思われるかもしれません。

ですが、雨はこれからです。

秋雨前線は残ります。そして北上しています。台風が弱まることと、雨がやむことは別です。

台風は沖縄付近にいます。それでも降ります

ここが、今回いちばん誤解されやすい点です。

台風24号「クロヴァン」は、南大東島の西にあります。関東には来ません。そして7日朝までに、熱帯低気圧へ変わる見込みです。

それでも関東で大雨になります。理由は、前線です。

要素 役割
秋雨前線 本州の南岸に停滞しています。雨を降らせるのはここです
台風24号 沖縄付近から、湿った空気を送り込みます
本州南の熱帯低気圧 こちらも、前線へ水蒸気を供給します
上空の気圧の谷 7日にかけて進み、雨雲を発達させます

水蒸気を送る装置が、2つあります。

台風がゆっくり動いているぶん、供給も長く続きます。だから雨が長引きます。

台風24号の現況は台風24号は7日に熱帯低気圧へ変わりました|雨は10日ごろまで続きますにまとめています。

「台風が来ないから大丈夫」は成り立ちません

台風の進路図を見て、自分の場所が予報円の外にあれば安心する。

これが、この型でいちばん多い誤りです。

前線による大雨は、予報円とはまったく別の場所で起こります。

秋雨前線と台風の組み合わせについては秋雨前線と台風が重なると危険な理由|台風が来なくても大雨になる仕組みに詳しく書きました。

線状降水帯の半日前予測とは

線状降水帯は、発達した雨雲が次々と同じ場所を通り、帯のように連なる現象です。

同じ場所に、何時間も強い雨が降り続けます。

半日前予測は、その可能性がある地域と時間帯を、あらかじめ知らせるものです。

内容
いつ出るか おおむね半日前
何を示すか 発生する可能性のある地域と時間帯
確定か いいえ。外れることがあります
受け取り方 避難の準備を始める合図です

「外れることがある」を、隠さずに書いておきます。

それでも出すのは、発生してから知らせても間に合わないからです。線状降水帯は、数時間で状況を変えます。

この仕組みと、過去に発表されたときの経緯は線状降水帯の半日前予測とは|東海から九州南部に発表された2026年6月の経緯に書きました。

今夜、やること

時間帯ごとに整理します。

いつ やること
いますぐ ハザードマップで自宅を確認する
いますぐ 避難するなら、どこへ、どの道でかを決める
暗くなる前 避難するなら、ここで動いてください
寝る前 スマホを充電する。警報の通知を有効にする
寝る前 ベランダと側溝の排水口を掃除する
寝る前 車を高い場所へ移す
夜間 外に出ない。2階以上へ移ることを考える

「排水口の掃除」は、数分で終わって効果があります。

とくにベランダの排水口です。詰まっていると、雨水が室内へ入ります。落ち葉やごみを取り除くだけで違います。

夜間の避難は危険です

ここは、はっきり書きます。

暗くなると、冠水した道路と水路の区別がつきません。足を取られれば、そのまま流されます。

今回の対象時間は、多くの地域で夜遅くから明け方です。つまり、いちばん危ない時間に始まります。

避難するなら、明るいうちです。
夜になってから危険を感じた場合は、外へ出るより建物の2階以上へ移ることを考えてください。これも避難のひとつです。

夜に動くかどうかの判断は大雨・土砂災害の警報が出たら逃げるべきか|夜に動く判断と、2階が安全にならない理由に整理しました。

何を見るか

見るもの 分かること
お住まいの市区町村の警報・避難情報 これが最優先です
キキクル(危険度分布) いまどこが危ないかが、色で分かります
雨雲レーダー 雨の帯がどこにあり、どちらへ動いているか
川の水位情報 近くに川がある場合
台風の進路図 今回は参考程度に。これで判断しないでください

キキクルの色は、覚えておく価値があります。

紫は「警戒レベル4相当」。この色になったら、避難を終えているべき段階です。黒は、すでに災害が起きているおそれがある状態です。

見方はキキクルとは?気象庁の危険度分布の見方|紫と黒の違いと、避難を始める色に書きました。

都市部で、とくに気をつけること

今回の対象は、日本でもっとも人口の多い地域です。

都市には、都市特有の危険があります。

危険 内容
内水氾濫 川があふれなくても、排水が追いつかず浸水します
地下街・地下鉄 水は低い場所へ集まります。地上へ出てください
アンダーパス 道路の低い部分。車が水没します
中小河川 短時間で水位が上がります。大きな川より急です
半地下・地下室 浸水すると、水圧でドアが開かなくなります
マンホール ふたが外れていても、冠水すると見えません

「内水氾濫」を、いちばん上に置きました。

近くに川がなくても起こるからです。都市はアスファルトに覆われていて、水がしみ込みません。下水の処理能力を超えれば、地上にあふれます。

仕組みは内水氾濫は川があふれなくても起きるに書きました。

中小河川は、大きな川より急に上がります

荒川や利根川のような大きな川は、上流の雨がゆっくり下ってきます。

ですが、街なかを流れる小さな川は違います。

流域が狭いぶん、降った雨がすぐ集まります。数十分で水位が変わることがあります。

「さっき見たときは大丈夫だった」は、通用しません。

7日の朝、通勤・通学をどうするか

7日は月曜日です。

そして線状降水帯の対象時間は、多くの地域で「7日昼前まで」です。朝の時間帯が、そのまま入っています。

判断 考え方
前夜のうちに調べる 朝になってからでは、対応が間に合いません
「行けるか」でなく「帰れるか」 行きは動いても、帰りに止まることがあります
鉄道の計画運休 大雨でも実施されることがあります
無理に出ない 命に関わる判断です
学校の連絡を確認 休校や登校時刻の変更があるかもしれません

「帰れるかどうかで考える」を強調します。

行きは動いていても、日中に運転を見合わせれば、帰る手段がなくなります。そうなると、駅で夜を明かすことになります。

大雨で、実際に何が起きるのか

起きること 説明
低い土地の浸水 排水が追いつかず、道路や家が浸かります
河川の増水・氾濫 中小河川はとくに急です
土砂災害 雨がやんだあとに起きることがあります
アンダーパスの冠水 車が水没します
停電 倒木や設備の浸水によって
交通の乱れ 鉄道の運転見合わせ、道路の通行止め

土砂災害は、雨がやんでからも起きます

ここは繰り返し伝えたい点です。

地面にしみ込んだ水は、すぐには抜けません。降り終わったあとも、地中の水は増え続けることがあります。

「雨がやんだから安全」ではありません。土砂災害警戒情報が解除されるまで、警戒を続けてください。

関東北部と西部には、土砂災害警戒区域が多くあります。該当する地域にお住まいの方は、建物の階数に関係なく、斜面から離れてください。

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
川や側溝を見に行く 毎年くり返される事故です
冠水した道路に車で進入する 深さは見た目で分かりません
夜間に歩いて避難する 水路との区別がつきません
地下から様子を見に上がらない 地下街や地下駐車場からは、早く出てください
浸水後に車を取りに行く 車より、ご自身を優先してください
「まだ大丈夫」と待つ レベル4で避難を終えるのが原則です

「川を見に行く」は、いまも毎年起きています。

増水した水路の縁は、見えません。足を踏み外せば、流されます。

警戒レベルと、動くタイミング

レベル 情報 やること
2 大雨・洪水注意報 避難先と経路を確認する
3 高齢者等避難 時間のかかる方は、ここで避難を始める
4 避難指示 全員が危険な場所から離れる
5 緊急安全確保 すでに災害が起きている段階です

レベル5は、避難の合図ではありません。

すでに安全な避難が難しくなった段階で出るものです。避難を終えるのは、レベル4までです。

そしてレベル3の「高齢者等」は、年齢だけの話ではありません。小さなお子さんがいるご家庭、体の不自由な方、その付き添いの方も含まれます。

離れて暮らすご家族がいる方へ

対象地域にご家族がお住まいの方は、いま連絡してください。

やること 理由
いまのうちに電話する 降り始めてからでは、相談が間に合いません
相手の住所でハザードマップを見る 離れている側のほうが冷静に見られます
避難先を一緒に決める 行き先が決まっていれば動けます
連絡手段を決める 災害用伝言ダイヤルは171です

高齢のご家族は、避難に時間がかかります。

そして「まだ大丈夫」とおっしゃることが多いのです。本人の感覚ではなく、ハザードマップと発表された情報で判断してください。

今夜のうちに、そろえておくもの

買い物に出る時間はもうありません。家にあるもので整えてください。

もの なぜ
スマートフォンの充電 停電すると情報が途絶えます。満充電にしてください
モバイルバッテリー いま充電しておく
懐中電灯・ライト 人数分。スマホのライトは電池を食います
飲料水 断水に備える。浴槽に水をためるのは生活用水用
加熱せずに食べられるもの 停電すると調理が難しくなります
常備薬 持病のある方は、手元にまとめておく
現金(小銭) 停電すると電子決済が止まります
ビニール袋 汚れ物、防水、簡易トイレに使えます
靴を玄関に出す スリッパやサンダルでは、水のなかを歩けません

「スマホの充電」を最上段に置きました。

警報も、避難情報も、川の水位も、いまはスマートフォンで見ます。電池が切れた時点で、判断の材料がなくなります。

浴槽に水をためる意味

断水に備えて浴槽に水をためる、とよく言われます。

これは飲むためではありません。トイレを流すためです。

ただし小さなお子さんがいるご家庭では、事故の危険があります。ふたをして、浴室のドアを閉めてください。

車をお持ちの方へ

今夜のうちに、判断してください。

状況 やること
浸水想定区域に駐車している いまのうちに高い場所へ移す
地下・半地下の駐車場 水が集まる場所です。移してください
河川敷の駐車場 同上
7日の朝、車で出る予定 アンダーパスを通る経路なら、見直してください
燃料 満タンにしておくと、停電時に役立ちます

冠水した道路には入らないでください

水深は、見た目では分かりません。

そして車内に水が入ると、水圧でドアが開かなくなります。

アンダーパスは、周囲より低い構造です。短時間で深くなります。「前の車が通れたから」は、根拠になりません。数分で状況が変わります。

もし水が入り始めたら、すぐに車を捨てて出てください。窓を開けられるうちに開けます。

詳しくは車が冠水したらどうする?水深30センチで止まり、ドアは水圧で開かない|脱出の手順に書きました。

停電に備える

大雨と強風では、停電が起こります。

やること ひとこと
冷蔵庫の温度を下げておく 停電しても、しばらく保ちます
保冷剤を凍らせる 今夜のうちなら間に合います
電気を使わない明かりを確認 ろうそくは使わないでください。火事のもとです
エレベーターに乗らない判断 停電すると閉じ込められます
ラジオ 電池式なら通信が止まっても聞けます

マンションにお住まいの方は、エレベーターに注意してください。

停電すると止まります。雨のピークの時間帯は、なるべく乗らないほうが安全です。

ペットがいるご家庭へ

避難を考えるなら、いま決めておいてください。

やること ひとこと
ケージやキャリーを出しておく 探している時間はありません
避難所がペットを受け入れるか確認 自治体によって扱いが違います
フードと水を数日分 配給には含まれません
リード・首輪 逃げ出す事故を防ぎます
ワクチン証明のコピー 受け入れの条件になることがあります

雷や大雨の音で、パニックになる子がいます。

窓の近くから離し、落ち着ける場所を作ってあげてください。

ハザードマップの見方

この記事で何度も「ハザードマップで確認を」と書きました。

見るのは、3つだけです。

見る項目 意味
浸水想定区域か 該当するなら、想定される深さも見てください
土砂災害警戒区域か 該当するなら、階数に関係なく離れます
避難場所までの経路 途中に川や低い道がないか

「経路」まで見てください。

避難場所が安全でも、そこへ向かう道が冠水すれば、たどり着けません。

どこで見られるか

  • お住まいの市区町村のホームページ
  • 国土交通省の「重ねるハザードマップ」(住所を入れて確認できます)
  • 市区町村の窓口で配っている紙の地図

スマートフォンで、数分で終わります。今夜のうちに済ませてください。

雨がやんだあとも、警戒は続きます

7日の昼前に線状降水帯の可能性がなくなっても、そこで終わりではありません。

続くもの 理由
土砂災害の危険 地中の水は、降り終わったあとも増えることがあります
河川の増水 上流の雨が下ってきます
浸水 排水に時間がかかります
前線そのものが残る 台風と熱帯低気圧が水蒸気を送り続けています

最後の行が、今回とくに重要です。

秋雨前線は本州南岸に停滞しています。台風24号がゆっくり動いているぶん、供給も長く続きます。

報道では、来週にかけて大雨が長引くおそれが指摘されています。7日で片づく話とは限りません。

近所の方にも、伝えてください

ひとつだけ、お願いがあります。

この情報を、周りの方にも伝えてください。

半日前予測は、テレビをつけていなければ届きません。スマートフォンを見ない方には、なおさら届きません。

とくにひとり暮らしの高齢の方には、声をかけていただければと思います。

「明日の朝まで、大雨になるみたいです」の一言で十分です。それだけで、判断の材料が増えます。

私が、札幌からこれを書いている理由

今回の対象は関東です。私の住む場所ではありません。

それでも書いているのは、この事象の形が、いちばん誤解されやすいからです。

台風は沖縄付近にいます。ニュースで進路図を見れば、関東は円の外です。

そして多くの方が、そこで安心します。

ですが今回、関東で24時間250ミリの予想が出ています。平年の1か月分です。

台風の位置と、雨が降る場所は、別なのです。

この記事で伝えたいのは、一行だけです

見るのは、台風の進路図ではありません。お住まいの市区町村に出ている情報です。

そして暗くなる前に、準備を終えてください。

今夜の対象時間は、多くの地域で夜遅くから明け方です。いちばん動きにくい時間帯に始まります。

いま、5分でできること

読んで終わりにならないよう、順番を示します。

やること 時間
1 ハザードマップで自宅を見る 3分
2 スマホを充電器につなぐ 10秒
3 ベランダの排水口を見る 1分
4 懐中電灯の場所を確認する 1分
5 家族と、避難するかどうかを話す 5分

1番から始めてください。

これが済んでいれば、あとの判断がすべて楽になります。逆に、ここを飛ばすと何も決められません。

関東は、過去にも同じ形で被害を受けています

台風が離れているのに大雨になる。関東では、くり返し起きてきた型です。

秋は、夏の暖かい空気と、北から来る冷たい空気がぶつかる季節です。その境目である前線が、本州付近に停滞します。

そこへ南の海から水蒸気が届く。この組み合わせが、秋の大雨の典型です。

関東平野は、水がたまりやすい地形です

特徴 意味
平地が広い 水が流れ去るのに時間がかかります
アスファルトに覆われている 地面が水を吸いません
ゼロメートル地帯がある 海面より低い土地。自然には排水されません
中小河川が多い 短時間で水位が上がります
地下空間が発達している 地下街、地下鉄、地下駐車場に水が集まります

「ゼロメートル地帯」は、東京の東部や千葉の一部に広がっています。

海面より低いため、いったん浸水すると、ポンプで汲み出すまで水が引きません。

ご自宅が該当するかは、ハザードマップで確認できます。該当する地域では、垂直避難ではなく、早めの水平避難が必要になることがあります。

「まだ降っていない」うちが、いちばん動きやすい

この記事を読んでいるいま、まだ雨は強くないかもしれません。

その状態こそが、動くべき時間です。

いま ピーク時
歩ける 冠水して歩けません
車を動かせる 道路が通れません
明るい 暗い。足元が見えません
電気が使える 停電しているかもしれません
落ち着いて判断できる 慌てます

災害の準備は、いつも「まだ何も起きていないとき」にしかできません。

強い雨が降り始めてからでは、選べる手段が減ります。

避難の判断で、迷う必要はありません

「大げさではないか」と思われるかもしれません。

ですが、避難して何も起きなければ、それでいいのです。

空振りを恐れて動かないことのほうが、はるかに危険です。気象庁が半日前に予測を出すのも、同じ考え方によるものです。

要配慮者がいるご家庭へ

移動に時間がかかる方がいる場合、判断はさらに早める必要があります。

対象 やること
高齢の方 警戒レベル3の段階で動く
小さなお子さん 抱えて歩ける距離を考えておく
体の不自由な方 移動手段を、いま確保してください
持病のある方 薬とお薬手帳を手元にまとめる
妊娠中の方 無理な移動は避け、早めに判断する

「レベル3で動く」を、はっきり書いておきます。

レベル4の避難指示を待っていると、移動に時間のかかる方は間に合いません。

そしてレベル3が出る前でも、ご自身の判断で先に動いて構いません。行政の発表は、動いてよい最も遅い時点を示すものであって、それより早く動くことを妨げるものではありません。

情報が途絶えたときのために

停電し、通信が止まることがあります。

手段 ひとこと
電池式のラジオ 通信網が止まっても聞けます
車のラジオ ただし換気に注意。閉め切らないでください
自治体の防災無線 屋外スピーカー。雨音で聞こえにくいことがあります
近所の人と声をかけ合う いちばん確実な場合があります

大雨のなかでは、防災無線は聞こえません。

窓を閉めていれば、なおさらです。屋外の音に頼らない情報源を、用意しておいてください。

よくある質問

Q. 半日前予測が出ても、発生しないことがありますか?

あります。確定した予報ではありません。

それでも出すのは、発生してからでは避難が間に合わないからです。

準備をして何も起きなければ、それが最良の結果です。外れたことを責めるより、外れてよかったと受け取ってください。

Q. 台風24号は関東に来ますか?

来ません。沖縄本島付近でループしています。

それでも関東で大雨になるのは、台風が秋雨前線へ湿った空気を送り続けているからです。

今回はもうひとつ、本州の南に熱帯低気圧があります。2つで前線に水蒸気を供給しています。

Q. マンションの高層階なら安全ですか?

浸水という意味では、比較的安全です。

ただし停電すればエレベーターが止まります。断水すれば、水を運び上げることになります。

飲料水と、携帯トイレの備えを確認しておいてください。高層階ほど、外に出るのが大変になります。

Q. 避難所へ行くべきですか、自宅にいるべきですか?

ハザードマップの結果で決まります。

浸水想定が浅く、建物が丈夫で2階以上があるなら、自宅にとどまるほうが安全な場合があります。

一方で土砂災害警戒区域にお住まいなら、階数は関係ありません。斜面から離れてください。

判断の分かれ目は避難所へ行くべきか自宅に残るべきかに整理しました。

Q. 250ミリは、どれくらいの雨ですか?

1平方メートルに250リットルの水が落ちる量です。

関東南部の平年の9月の降水量に、ほぼ相当します。それが1日あまりで降ることになります。

地面がしみ込める量には限りがあります。後半になるほど、同じ雨量でも危険度は上がります。

Q. いま何をすればいいか、ひとつだけ挙げるなら?

ハザードマップで、自宅が浸水想定区域か土砂災害警戒区域かを確認してください。

スマートフォンで、数分で終わります。

そして該当していたら、暗くなる前に動く判断をしてください。

Q. アパートの1階に住んでいます。どうすればいいですか?

ハザードマップで浸水想定を確認してください。

浸水が想定される地域なら、1階は安全ではありません。

同じ建物の上階に移らせてもらう、親戚や知人の家へ行く、避難所へ向かう。いずれも、明るいうちに判断してください。

そして貴重品と、濡らしたくないものは高い場所へ上げておいてください。これは今夜のうちにできます。

Q. 地下鉄に乗っている最中に大雨になったら?

駅員の指示に従い、地上へ出てください。

地下は、水が集まる場所です。階段を流れ落ちる水は、想像より速く強くなります。

地下街も同じです。「雨宿りに地下へ」は、逆の判断になります。

Q. 会社に泊まったほうが安全ですか?

状況によります。

無理に帰宅して途中で動けなくなるより、安全な建物にとどまるほうが良い場合があります。

ただしご家族の状況も考えてください。自宅に高齢の方やお子さんだけが残るなら、判断は変わります。

いずれにせよ、前夜のうちに家族と方針を決めておくことが有効です。

Q. 予測が外れたら、どうすればいいですか?

何もしなくて構いません。それが最良の結果です。

準備にかかったのは、数十分と、少しの手間だけです。失うものはありません。

そしてその準備は、次のときにそのまま使えます。ハザードマップを一度見れば、次はもう見なくて済みます。

まとめ|暗くなる前に、準備を終える

要点 内容
発表 9月6日、気象庁が関東地方に線状降水帯の半日前予測
南部(東京・埼玉・神奈川・千葉) 6日夜遅く〜7日昼前
伊豆諸島 6日昼前〜7日明け方
北部(茨城・栃木・群馬) 7日未明〜7日昼前
雨量 24時間で関東南部250ミリ、北部150ミリ。平年1か月分
原因 台風24号と熱帯低気圧が、秋雨前線に水蒸気を供給
台風の位置 沖縄付近。関東には来ません
いちばん大事なこと 暗くなる前に、避難の準備を終える
夜になったら 外に出ない。2階以上へ移ることを考える
都市部の注意 内水氾濫、地下、アンダーパス、中小河川

台風は沖縄付近にいます。

それでも、関東で降ります。

進路図を見て安心しないでください。見るのは、お住まいの市区町村に出ている情報です。

【出典】
気象庁 気象解説情報(線状降水帯半日前予測、2026年9月6日10時25分および15時20分発表)
報道各社による予想降水量の発表内容
この記事は2026年9月6日夜の時点の情報です。状況は変わります。必ず気象庁および、お住まいの市区町村の最新の発表をご確認ください。

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9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

目次