サルとシカの被害と対処法|サルは目を合わせない、シカは車の飛び出しに注意

・当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天市場・各種ASP)およびGoogleアドセンスを利用しています。
・記事内リンク経由でご購入いただいた場合、サイト運営者に紹介料が発生することがあります。
・掲載内容は収益に左右されず、公的機関の資料・メーカー公表仕様などの確認できる情報をもとに作成しています。

スポンサーリンク

【この記事の要約】
結論から言います。サルとシカでは、危ないものがまったく違います。サルは人に近づき、食べ物を奪い、噛みつきます。対処は目を合わせない、歯を見せない、食べ物を隠すの三つ。シカは人を襲いませんが、問題は車との衝突です。ライトに驚いて動きが止まる性質があり、避けきれません。そして一頭渡ったあとに次が続きます。農作物の被害額では、シカが獣類の中で大きな割合を占めます。どちらも共通するのは、餌を与えないこと。一度覚えた個体は繰り返し来て、やがて駆除以外の道がなくなります。この記事では、二種類それぞれの対処と、家や畑を守る方法をまとめます。

目次

結論|サルは接近、シカは交通事故

まず、危険の種類を分けます。

サル シカ
主な危険 噛みつき、ひっかき、食べ物の強奪 車との衝突
人への接近 自分から近づいてきます 基本的に人を避けます
やってはいけないこと 目を合わせる/歯を見せる/餌を見せる 急ハンドル/ライトで照らし続ける
正しい対処 視線を外し、静かに離れる 減速して直進を保ち、通過を待つ
被害の中心 農作物、家屋への侵入、人身 農林業、交通事故

サルは「近づいてくる」動物、シカは「飛び出してくる」動物と覚えてください。備え方が変わります。

共通しているのは、餌の問題です

どちらも、人の食べ物を覚えると行動が変わります。

サルは奪いに来るようになり、シカは畑に居つきます。そして、人を怖がらなくなります。

ここまで来ると、追い払いでは戻せません。餌を与えないことは、動物のためでもあります。

スポンサーリンク

サル|目を合わせないでください

まず、なぜそれが正解なのかを書きます。

視線は、威嚇の意味を持ちます

サルの社会では、じっと見つめることは「敵意」の表現です。

人間が「怖い」と思って見つめている状態が、相手には挑戦として伝わります。そこから攻撃が始まります。

だから、視線を外してください。ただし、背を向けて走るのは別の問題を生みます。相手の位置は横目で把握しながら、静かに離れるのが理想です。

歯を見せないでください

これも同じ理由です。

人間にとって笑顔でも、サルにとって歯を見せる表情は威嚇です。

驚いて「あっ」と口が開くのは仕方ありませんが、意識して口を閉じてください。

食べ物は、見せないこと

ここが実際にはいちばん多いきっかけです。

手に持った食べ物、コンビニの袋、開けたリュック。サルはこれらを覚えています。

奪われそうになったら、抵抗しないでください。物のために噛まれるのは割に合いません。

観光地などで餌をもらった経験のある群れは、人が食べ物を持っていることを前提に近づいてきます。

やってはいけないことを、まとめます

一、目を合わせる。威嚇と受け取られます。

二、歯を見せる。同じく威嚇です。

三、食べ物を見せる、与える。次の被害を作ります。

四、大声を出す、石を投げる。群れ全体を興奮させます。

五、追い払おうとして近づく。反撃されます。

子ザルがいたら、とくに注意してください

群れの子どもに近づくと、周囲の大人が一斉に反応します。

かわいいからと写真を撮ろうとする、手を伸ばす。これが最も多い被害のきっかけです。

サルによる、家と畑の被害

人身より、こちらのほうが件数が多くなります。

家の中に入ってきます

サルは手先が器用で、窓や引き戸を開けられます。

出没が伝えられている地域では、留守にするとき、そして在宅中も、窓を閉めてください。網戸だけでは防げません。

台所に入られると、食べ物を持ち去られるだけでなく、中で暴れて設備が壊れます。

畑では、選んで食べます

サルの被害には特徴があります。いちばん食べごろのものを、正確に選んで持っていきます。

そして、味見をして捨てる行動も見られます。ひとかじりして放り出し、次の実に移る。畑の持ち主にとっては、食べられた量よりはるかに大きな損失になります。

食べた量より、被害の額が大きくなりやすい。

柵は、上から越えられます

イノシシと違い、サルは登る、跳ぶ、くぐるのすべてができます。

だから、通常の柵では止まりません。天井まで覆う形か、電気柵を組み合わせる必要があります。

費用の補助を出している市町村があります。制度があっても、申請しなければ受け取れません。調べ方は補助金を自分の市区町村で調べる方法と同じ考え方でできます。

群れで動きます

一頭見たら、近くに数十頭いると考えてください。

群れの規模が大きいほど、被害も広がります。そして、追い払っても別の場所から入ります。

だから、個人の対応には限界があります。地域でまとめて動くほうが確実です。仕組みは自主防災組織とは?にまとめました。

シカ|危ないのは、道路です

こちらは、まったく別の話になります。

人を襲う動物ではありません

シカは臆病で、人を見ると逃げます。ただし、繁殖期のオスは例外です。

秋の繁殖期には、角を使って威嚇や攻撃をすることがあります。この時期のオスには近づかないでください。

奈良のように人に慣れた個体が多い場所では、なおさらです。観光地で餌付けされた個体は、人を恐れません。食べ物を持っていると、押し寄せてきます。

本当の危険は、車との衝突です

個体数が増え、道路への飛び出しが各地で起きています。

そして、シカにはライトに驚いて動きが止まる性質があります。照らされると、その場で固まってしまう。

体重は成獣で50キロから100キロを超えます。ニホンジカの中でも、北海道のエゾシカはさらに大きく、オスで100キロを超えるものがあります。北海道で衝突が重大な事故になりやすいのは、この体格の差によるところが大きい。

この重さのものと衝突すれば、車は大きく壊れます。そして、避けようとした操作で、より重い事故になります。

運転しているときの正解

一、急ハンドルを切らない。対向車線への飛び出しや横転のほうが、はるかに重い結果になります。

二、ブレーキで減速し、直進を保つ。

三、一頭見たら、続きがいると考える。シカは群れで動きます。渡り終えたあとが、いちばん危ない。

四、朝夕と、山あいの道で速度を落とす。この時間と場所に集中します。

ぶつかってしまったら

まず、安全な場所に停めて、後続車に知らせてください。ハザードランプと三角表示板です。

そして、警察に連絡します。物損事故の証明がなければ、車両保険の請求ができません。

動物には近づかないでください。生きている場合、興奮して暴れます。角のあるオスなら、なおさら危険です。

車に積んでおくものは車中泊避難に必要なものにまとめました。三角表示板とライトは、この場面でも使います。

シカによる、農林業の被害

被害の中心は、こちらです。

木の皮を食べ、山が変わります

シカは、餌が減ると木の皮をはいで食べます。皮を一周はがされた木は枯れます。

そして、下草を食べ尽くします。届く高さまでの葉が消え、地面から一定の高さで揃った林ができます。下草がなくなると、雨で土が流れやすくなります。

つまり、シカの食害は、土砂災害の要因にもなりえます。ここは、防災と直接つながる部分です。

斜面の危険は土砂災害警戒区域とは?で確認できます。

畑では、柵の高さが要点です

シカは跳びます。柵は2メートル前後の高さが目安になります。

イノシシ用の低い柵では、簡単に飛び越えられます。両方が出る地域では、高さと下端の両方を考える必要があります。

サルの被害は、地域で形が違います

同じサルでも、住んでいる場所によって問題が変わります。

観光地では、餌をもらった経験が問題になります

人から食べ物をもらった経験のある群れは、人を見ると近づいてきます。

そして、食べ物を出さなければ、奪いに来ます。かばんを開けさせようとして、飛びかかる例もあります。

こうした場所では、食べ物を手に持って歩かないことが最も確実な対処です。かばんは前で抱え、口を閉じてください。

農村では、畑と家屋が中心です

群れが集落に入り込むと、畑の作物、干した野菜、倉庫の中身が狙われます。

そして、屋根に上がり、瓦をはがす被害も報告されています。雨漏りの原因になり、修理費がかかります。

倉庫や納屋の戸を開けて、保管していた作物や飼料を持ち去られる例もあります。鍵をかけていない建物は、開けられると考えてください。

この場合、個人の対策では追いつきません。地域として追い払いの体制を作るか、行政に対応を求める形になります。

市街地に出てくることもあります

群れから離れた一頭が、川沿いや緑地をたどって市街地に現れる例があります。

この状態のサルは、興奮していることが多い。逃げ場を探して混乱しています。

見かけたら、屋内に入り、窓を閉めてください。そして通報します。追いかけないでください。

シカが増えると、何が起きるのか

被害の広がり方を整理します。

一、農作物が食べられます

稲、大豆、野菜、牧草。広い範囲を、群れで食べていきます。

イノシシが掘り返すのに対し、シカは上から食べます。被害の見た目が違うので、区別できます。

二、山の木が枯れます

餌が足りなくなると、木の皮をはいで食べます。

皮を一周はがされた木は、水と養分の通り道を失って枯れます。植林した木がまとめてやられることがあります。

三、下草が消え、土が流れます

ここが防災に直結する部分です。

シカが下草を食べ尽くすと、地面がむき出しになります。

草の根は、土を留める役目を持っています。それがなくなれば、雨のたびに土が流れ出します。

結果として、斜面が崩れやすくなり、川に土砂が流れ込みます。獣害が、土砂災害と水害の要因になるということです。

土石流の起き方は土石流とは?に、自宅が危険区域かどうかは土砂災害警戒区域とは?で調べられます。

四、交通事故が増えます

個体数が増えれば、道路を横切る機会も増えます。

鉄道との衝突も各地で起きており、列車の遅れの原因にもなっています。線路のそばに出るのは、レールに含まれる鉄分をなめに来ているためだと指摘されています。

サルの行動を、もう少し詳しく

相手を知ると、対処の理由が腑に落ちます。

群れには順位があります

ニホンザルの群れには、明確な上下関係があります。そして、人間もその関係の中に置かれます。

人が逃げれば、サルは自分が上だと判断します。次からは、より強気に近づいてきます。

逆に、人が食べ物を出せば、要求すればもらえると学習します。

だから、怖がって逃げるのでも、なだめて与えるのでもなく、無関心に離れるのが正解になります。

学習能力が高い

サルは、一度うまくいった方法を覚えます。そして、群れの他の個体がそれを見て真似します。

窓の開け方、ゴミ袋の破り方、かばんの奪い方。一頭が覚えれば、群れ全体に広がります。

これが、サルの被害が急に悪化する理由です。だから、最初の一回を作らないことが重要になります。

母子には、絶対に近づかないでください

子ザルは好奇心が強く、人に寄ってくることがあります。これが罠になります。

子どもに手を伸ばした瞬間、周囲の大人が攻撃してきます。群れ全体が反応することもあります。

子ザルが近づいてきたら、こちらから離れてください。触ろうとしない、写真を撮ろうとしない。

威嚇されたときの対処

サルが口を開けて歯を見せ、体を揺すったら威嚇です。

このとき、目を合わせず、走らず、静かに後退してください。

背を向けて走ると追ってきます。そして、しゃがむのも避けてください。目線が下がると、相手が優位に立ったと判断します。

スポンサーリンク

シカとの事故を、実際に減らす方法

運転する方向けに、もう少し具体的に書きます。

出やすい場所は、決まっています

場所 なぜ出るのか
山あいのカーブ 見通しが悪く、直前まで見えません
森が両側に迫る道 横断する必要があります
道路脇に草地がある区間 餌があり、居ついています
橋の前後 川沿いが移動経路になります
動物注意の標識がある区間 過去に事故が起きた場所です

動物注意の標識は、飾りではありません。実際に事故が多い区間に立っています。見かけたら速度を落としてください。

時間帯は、日没前後が最も多い

シカは薄明かりの時間に活発になります。そして、この時間は人の目も効きにくい。

夕方から夜にかけて山道を走るなら、ふだんより一段速度を落としてください。それだけで、止まれる距離が変わります。

ハイビームの使い方

対向車がいない山道では、ハイビームのほうが早く見つけられます。

ただし、見つけたあとに照らし続けないでください。光に固まって、道路の真ん中で動かなくなります。

減速し、必要なら一度止まる。相手が動くのを待つのが確実です。

目が光ったら、それがシカです

夜間、路肩に二つの光る点が見えたら、動物の目です。

ライトを反射して光ります。これに気づいた時点で減速すれば、たいてい間に合います。

そして、一頭分の光が見えたら、その周りにも目を配ってください。群れで動いています。

もし飼っている動物がいるなら

ペットとの関係も整理しておきます。

犬の散歩中に出会ったら

リードを短く持ち、抱えられるなら抱えてください。

犬が吠えると、サルは威嚇と受け取ります。シカも驚いて、思わぬ方向へ走ります。

出没が伝えられている時期は、散歩の時間と経路を変えてください。とくに朝夕の川沿いと林のそばです。

庭に出しっぱなしにしない

犬を庭につないでいると、フェンス越しに接触する事故が起きます。

そして、ペットフードを屋外に置かないでください。サルもシカも、においで寄ってきます。

ペットと避難する場合の考え方はペットの災害避難にまとめました。

柵の選び方

畑や庭を守る場合の実務です。

相手 柵の要点 失敗しやすい点
シカ 高さ2メートル前後 低い柵は跳び越えられます
イノシシ 下端を地面に固定する 鼻で押し上げて下から入ります
サル 天井まで覆うか電気柵 登る・跳ぶ・くぐるすべてができます

三種類が出る地域では、一つの柵で全部を止めるのは難しい。どれが最も被害を出しているかを見てから決めてください。

電気柵は、張り方で効果が変わります

正しく設置しないと、ただの目印になります。

一、相手に合わせた高さに張る。シカは鼻先が高く、イノシシは低い。段数が要ります。

二、下の草を刈る。草が触れると漏電し、電圧が落ちます。

三、通電を定期的に確認する。効いていない柵は意味がありません。

そして、人が触れる危険があるため、必ず表示を出してください。これは法律上の義務でもあります。

補助金がある場合があります

柵の費用について、一部を補助している市町村があります。

制度があっても、申請しなければ受け取れません。そして多くの場合、設置の前に申請が必要です。

「市町村名 鳥獣被害 補助」で検索するのが最短です。

なぜ、サルとシカが増えたのか

背景を知ると、この問題が続く理由も見えます。

共通するのは、狩る人が減ったこと

かつては、農村に狩猟をする人が一定数いました。その人たちが、結果として個体数を抑えていました。

いま、狩猟免許を持つ人は高齢化し、数も減っています。捕獲の担い手がいなければ、数は戻ります。

シカは、雪の少ない冬に増えます

シカの数を抑えていた最大の要因は、冬の厳しさでした。雪が深く、餌が取れなければ、弱い個体は越冬できません。

暖冬が続くと、その歯止めが効かなくなります。そして、繁殖のできる個体が増えます。

実際、シカの分布は標高の高い場所へ、そして北へ広がっています。

サルは、里山の変化で人に近づきました

かつて集落と山のあいだにあった里山という帯が、管理されなくなりました。

人の手が入らなくなった場所は、サルにとって安全な通り道になります。そして、集落のすぐそばまで来られるようになりました。

そこに、収穫されない果樹や畑の残りがあれば、定着します。

そして、人が餌を与えました

観光地での餌やり、畑の残さの放置、生ゴミ。

一度おいしい思いをした群れは、そこを餌場として記憶します。そして、次の世代に伝わります。

ここまで来ると、追い払いでは戻りません。餌を与えないことが、結局いちばん確実な対策です。

被害に気づく手がかり

出会う前に、来ていることが分かります。

シカの跡

足跡は二つに分かれ、細長い形です。イノシシより丸みがなく、すっきりしています。

そして、木の皮がはがれていたら、シカの食害です。地面から1メートルから2メートルの高さに集中します。

糞は黒い俵型で、まとまって落ちています。大きさは1センチほどです。

サルの跡

畑の作物が、食べごろのものだけ選んで取られていたら、サルです。

イノシシは掘り返し、シカは上から食べます。サルは手で取って、持ち去ります。この違いで見分けられます。

そして、屋根やベランダに足跡や糞が残ることがあります。

跡を見つけたら

やることは二つです。

一、市町村に伝える。行政が出没を把握する材料になります。

二、周辺の餌を消す。跡があるということは、そこに来る理由があるということです。

この問題の見方

最後に、少し引いて書いておきます。

動物が悪いわけではありません

サルもシカも、生きるために餌を探しています。そこに人の生活圏が重なった、というのが実態です。

境界が曖昧になり、人が餌を置き、追い払う人が減りました。条件は、人の側で変わっています。

だから、対策の中心は「来る理由をなくす」ことです

追い払うより、来ない状態を作るほうが確実で、費用もかかりません。

生ゴミを外に置かない。収穫しない作物を残さない。餌を与えない。草を刈る。

この四つは今日から始められて、柵や道具より効きます。

そして、防災と同じ構造です

起きてから対応するより、起きにくくするほうが安く、確実で、被害が小さい。

ハザードマップで危険を知り、家を丈夫にし、備蓄をしておく。獣害でも、跡を見つけ、餌を消し、通報する。

やっていることの構造は変わりません。災害の分類は災害の種類とは?にまとめました。

三種類を、まとめて比べます

この記事で扱ったサル・シカと、クマ・イノシシを並べておきます。

相手 遭遇時の正解 最大の危険
クマ 目を離さずゆっくり後退 人身被害。顔と頭
イノシシ 物陰か高い場所へ(1メートルで届かない) 牙による足の傷
サル 目を合わせず離れる 噛みつき、家屋侵入
シカ 車では減速して直進 交通事故

正解が四つとも違います。だから、まず相手を見分けることが最初に来ます。

そして、「走って逃げない」だけは四つに共通します。これだけは、迷わず守ってください。

子どもと高齢の方への伝え方

とっさの判断が難しい方ほど、事前に決めておくことが効きます。

子どもに伝えるのは、三つだけ

「走らない」「近づかない」「すぐ大人に言う」。

サルについては、もう一つ足せます。「食べ物を持っていたら、かばんにしまう」。

通学路でお菓子を手に持って歩くと、狙われます。これは実際に多い形です。

そして、写真を撮らせないでください

めずらしいものを見ると、撮りたくなります。この動機で近づいた被害が、繰り返し起きています。

「危ないものは撮らない」ということを、あらかじめ伝えておいてください。その場で判断させるのは難しい。

子どもだけで過ごす時間の備えは子どもが留守番中に災害が起きたらにもまとめています。

高齢の方には、時間帯を伝えてください

畑仕事や散歩の時間が、ちょうど動物の活動時間と重なることがあります。

夜明け前と日没後です。出没が伝えられている時期は、この時間の屋外作業を避けてもらってください。

そして、一人で藪のそばに行かないこと。これだけで、確率が大きく下がります。

通報のしかた

最後に、実務をまとめておきます。

どこに連絡するか

危険が差し迫っているなら110番です。市街地に出ている、人に向かってきた、けが人が出た。この場合は迷わず警察へ。

そうでなければ、市町村の担当課です。農林課、環境課、鳥獣対策の担当が置かれています。

何を伝えるか

四つだけで足ります。

いつ。どこで。何を、何頭くらい。何をしていたか。

正確な種類が分からなくても構いません。大きさと色を伝えれば、行政の側で判断できます。

なぜ通報が要るのか

行政は、通報がなければ出没を把握できません。そして、把握できなければ警戒も対策も打てません。

「大したことではないから」と黙っていると、次の人が危ない目に遭います。

その場でなくて構いません。家に帰ってから、電話一本で終わります。

よくある質問

Q. サルに噛まれたら、どうしますか

すぐに洗って、必ず受診してください。

流水で十分に、時間をかけて洗い流したうえで、医療機関へ行ってください。傷が浅く見えても、感染の危険があります。破傷風の予防接種の状況によっては、処置が必要になります。

そして、市町村に通報してください。人を襲う個体がいるという情報は、次の被害を防ぎます。

救急セットの考え方は防災用救急セット・常備薬の選び方にまとめました。

Q. 餌をあげてはいけないのは、なぜですか

与えた人ではなく、次に通る人が襲われるからです。

人から食べ物をもらえると覚えた個体は、誰に対しても食べ物を要求するようになります。そして、出さなければ奪いに来ます。

その結果、その個体や群れは駆除の対象になります。餌やりは、結果として動物を殺すことになります。

Q. 洗濯物や生ゴミは関係ありますか

生ゴミは関係します。においで寄ってきます。屋外に置かないでください。

サルは、ベランダの食べ物や、窓辺に置いた果物も持っていきます。外から見える場所に食べ物を置かないことが有効です。

Q. シカは何月が危ないですか

秋から初冬です。繁殖期でオスの動きが活発になり、行動範囲も広がります。

交通事故も、この時期に増える傾向があります。暗くなるのが早くなることも重なります。

Q. サルよけの道具はありますか

決定打はありません。正直に申し上げます。

音や光で追い払う装置は市販されていますが、サルは慣れます。学習能力が高いため、危険がないと分かれば効かなくなります。

持ち歩くものとしては、傘が役に立つことがあります。開くと体が大きく見え、間に壁を作れます。ただし、殴りかかろうとしないでください。

結局のところ、食べ物を見せない、目を合わせない、餌を与えない。この三つに勝る対策はありません。

Q. シカが庭に入ってきます。どうすればよいですか

まず、何を食べているかを確かめてください。

家庭菜園、花壇、庭木の新芽。目当てがあるから来ています。その一つを守れば、来る理由が減ります。

柵を立てるなら、高さ2メートル前後が目安です。低い柵は跳び越えられます。

そして、近所と情報を合わせてください。自分の庭だけ守っても、隣に餌があれば地域には居つきます。

Q. 群れを見かけたら通報しますか

市街地や道路上なら、してください。市町村の担当課、危険が差し迫っていれば110番です。

伝えるのは四つ。いつ、どこで、何頭くらい、何をしていたか。

行政は、通報がなければ出没を把握できません。

クマとイノシシは、それぞれクマに遭遇したらどうするかイノシシに市街地で遭遇したらにまとめています。四種類の比較は野生動物に遭遇したらをご覧ください。餌を断つ具体策は野生動物を寄せつけない方法にあります。

あわせて、出没情報の調べ方と通報先もご覧ください。相手によって、取るべき行動が変わります。

まとめ|近づけない、餌を与えない

最後に整理します。

サルに対して

一、目を合わせない。歯を見せない。どちらも威嚇になります。

二、食べ物を見せない。奪われたら抵抗しない。

三、窓を閉める。手先が器用で、家に入ってきます。

シカに対して

一、車では減速し、直進を保つ。急ハンドルが、より重い事故を招きます。

二、一頭見たら、続きがいると考える。

三、ぶつかったら警察へ。証明がないと保険が使えません。

この記事の位置づけ

ここではサルとシカを扱いました。クマとイノシシは、危険の性質がまったく違います。

クマは顔と頭を狙われ、目を離さずに後退するのが正解です。イノシシは牙で足を突き上げてくるため、高いところへ上がるのが正解になります。どちらも、この記事の対処では対応できません。

お住まいの地域にどの動物がいるかを、先に確かめてください。九州にクマはいないとされ、北海道にはヒグマがいます。備えるべき相手は、場所で決まります。

そして、どちらにも共通すること

餌を与えない。生ゴミを外に置かない。収穫しない作物を放置しない。

この三つが、結局のところ最も効きます。費用はかかりません。

そして、地域で合わせてください

サルもシカも群れで動き、行動範囲が広い動物です。一軒だけ対策しても、地域には居つきます。

隣の家に収穫されない柿があれば、群れはそこに来ます。そして、ついでにこちらの畑も見ていきます。

だから、草刈り、果樹の管理、ゴミの出し方は、まとめて取り組むと効果が跳ね上がります。町内会や自主防災組織が動ける領域です。

費用のかからない対策ほど、地域でそろえる意味が大きい。これは、防災訓練や備蓄の呼びかけと同じ性質のものです。

備え全体の順番は防災は何から始める?最初にやること8ステップに、地域ごとのリスクは47都道府県の災害リスク一覧にまとめました。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

目次