防災士の難易度は試験より段取り|3択30問で合格率80〜90%、本当の関門は2日間の研修と6万円台の費用

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【この記事の要約】
防災士の難易度を、試験だけで判断すると読み間違えます。試験は3択30問で80%以上の正答が合格基準。合格率は約80〜90%で、落とすための試験ではありません。難しいのは試験ではなく、そこへ至るまでの過程です。研修講座は最低2日間以上、防災士教本21講目のうち最低12講目以上を履修します。受けなかった講目にはレポート提出が義務づけられます。さらに普通救命講習Ⅰ相当の修了証が必要で、費用は総額6万円台。この記事では、何が本当の関門なのかを、日本防災士機構の公表内容にもとづいて分解しました。社会人・学生・主婦・高齢の方それぞれで、どこがつまずきやすいかも整理しています。

「防災士って、難しいんでしょうか」

私が聞かれる質問の中で、いちばん多いものです。

そして、この質問には答えにくい事情があります。「試験の難易度」を聞いているのか、「取得までの大変さ」を聞いているのか。この二つが、まったく別物だからです。

先に結論を書きます。

目次

結論|試験は易しい。難しいのは、そこまでの道のりです

防災士の試験そのものは、難関ではありません。

日本防災士機構が公表している試験の形式は、次のとおりです。

項目 内容
出題数 30問
形式 3択式
合格基準 80%以上の正答
受験料 3,000円(税込)

3択で30問、24問正解すれば合格です。そして合格率は約80〜90%で推移しています。

資格試験としては、易しい部類に入ります。

では、なぜ「難しい」と言われるのか

理由は、試験にたどり着くまでに三つの関門があるからです。

関門 中身 本当の負担
① 研修講座 最低2日間以上、12講目以上を履修 時間の確保
② 履修確認レポート 受講しなかった講目の提出が義務 作業量
③ 救急救命講習 普通救命講習Ⅰ相当の修了証 別日程の確保

そして、費用が総額6万円台かかります。

試験の難易度を心配する人は多いのですが、実際につまずくのはここです。時間、作業量、そしてお金。

この記事では、その一つひとつを分解します。

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試験の中身を、正確に押さえる

まず、試験そのものを見ておきます。ここを過大に恐れる必要はありません。

3択30問、24問正解で合格

80%以上の正答というのは、30問中24問です。逆に言えば、6問まで間違えられます。

ただし、この「80%」という基準は、資格試験としては高めです。多くの検定は60〜70%を合格ラインにしています。

だから「3択だから簡単」と油断すると、危うい。4分の1しか落とせないという見方もできます。

合格率が高い理由

約80〜90%という合格率には、からくりがあります。

受験者が、全員すでに研修を受け終えているからです。

誰でも申し込める試験ではありません。研修講座を受講し、履修証明を得た人だけが受験します。母集団が絞られているのです。

そのうえ、研修の中で試験対策も行われます。合格率が高いのは、当然の構造だと言えます。

それでも1割前後は不合格になります

ここは、正直に書いておきます。

10人に1人か2人は落ちています。研修を受け、費用を払い、2日間を使ったうえでです。

落ちる原因の多くは、教本を読んでいないことだと言われています。研修に出席しただけで、自習をしなかった場合です。

試験の詳しい対策は防災士試験の合格率と勉強法に、出題の傾向は防災士試験の過去問にまとめました。

関門①|研修講座の2日間を、どう確保するか

ここが、多くの方にとって最大の壁です。

最低2日間以上、12講目以上

日本防災士機構の説明は明確です。

集合研修では防災士教本に示す21講目のうち最低12講目以上を履修していただきますので、最低でも2日間以上の日程で実施されます(日本防災士機構)

21講目のうち、最低12講目。これを2日間で消化します。

朝から夕方まで、2日連続。これは相当に密度の高い日程です。

会社員にとっての現実

研修の多くは土日に開催されます。ここは救いです。

ただし、平日開催のものもあります。そして会場が限られるため、住んでいる地域によっては移動が必要になります。

北海道や離島にお住まいの場合、会場まで数百キロという状況もありえます。宿泊費と交通費が、費用に上乗せされます。

子育て中の方にとっての現実

2日間、朝から夕方まで家を空けることになります。

託児のある研修は多くありません。この点が、実際にはいちばん重い制約になる方がいます。

自治体主催の講座では、託児を用意している例もあります。申し込み前に確認する価値があります。

日程は年間を通じてあるわけではありません

ここも見落とされがちです。

研修は随時開催されているわけではなく、会場ごとに年数回という地域があります。自治体の講座なら、年に1回だけということも珍しくありません。

「受けたい」と思った時期に、近くで開催されているとは限らない。これが実務上の難しさです。

関門②|履修確認レポートという、地味な作業量

ここが、事前にはほとんど知られていない部分です。

受けなかった講目は、レポートで埋めます

日本防災士機構は、こう定めています。

集合研修で履修しなかった講目については各研修機関が定めた様式のレポートなどの提出が義務づけられます(日本防災士機構)

21講目のうち12講目を会場で受けたとして、残りの9講目分はレポートになります。

これは選択ではなく義務です。提出しなければ、履修証明が出ません。

実際の分量

研修機関によって様式は異なりますが、教本を読みながら設問に答えていく形式が一般的です。

防災士研修センターは、この履修確認レポートについてこう説明しています。

履修確認レポートは防災士教本のすべての項目を網羅しており、レポートのお取組みを通じて、防災士教本の読み込み、ならびに試験対策も兼ね備えております

教本のすべての項目を網羅している。つまり、通読することが前提です。

ここが本当の勉強時間です

「防災士の勉強時間はどれくらいですか」と聞かれたら、私はこのレポートにかかる時間を答えます。

試験のための暗記ではありません。教本を読み、設問に答える作業です。

まとまった時間が取りにくい方は、1日30分ずつでも早めに始めておくことをおすすめします。研修の直前に慌てると、内容が身につきません。

そして、このレポートを丁寧にやった人ほど、試験に落ちません。そういう構造になっています。

関門③|救急救命講習という、もう一つの日程

意外な盲点がここです。

普通救命講習Ⅰと同等のものが必要です

日本防災士機構の要件は、次のとおりです。

普通救命講習Ⅰと同等のもの。心肺蘇生法とAEDを含む。

そして有効期限の条件があります。申請時に「5年以内に発行」されたもので、その講習の発行者が定めた有効期限内である必要があります。

これは別の日に受けます

研修講座とは別日程です。ここを知らずに進めると、資格取得が止まります。

消防署や日本赤十字社が実施しています。多くの自治体で無料または低額です。

ただし、こちらも定員があり、申し込み時期が決まっています。人気があり、すぐ埋まる地域もあります。

先に取っておくのが正解です

順序に決まりはありません。だから、思い立った時点で救命講習だけ先に受けておくという進め方ができます。

5年間有効なので、研修より先でも問題ありません。むしろ、そうしたほうが全体の日程が組みやすくなります。

私がこれから取る人に助言するなら、ここから始めてくださいと言います。無料または低額で、資格取得の意思も固まります。

関門④|費用という、いちばん現実的な壁

ここまで時間の話をしてきましたが、実際にあきらめる理由の第一位はお金だと感じています。

総額の内訳

費目 金額の目安
研修講座の受講料 約52,800円〜(研修機関による)
資格取得試験の受験料 3,000円
認証登録料 5,000円
救急救命講習 無料〜数千円(消防署は無料が多い)
合計 おおよそ60,000〜70,000円

そこに交通費と、場合によっては宿泊費が乗ります。

ただし、この金額は下げられます

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。

多くの自治体が、防災士の資格取得費用を助成しています。実質無料になる自治体もあります。

たとえば大分県では、県の養成研修を自費で受けても合計24,200円です。全国相場の3分の1強で取得できます。

秋田県は受講料の3分の2を県が負担し、市町村がさらに教本代・受験料・登録料・交通費を助成する例があります。

宮城県の南三陸町は63,800円または実費のいずれか低い額を補助しています。実質全額です。

費用を理由にあきらめる前に、必ず自分の自治体を調べてください。

全国の助成制度は防災士の助成金・補助金一覧にまとめました。

助成には条件がつくことが多い

ただし、無条件ではありません。よくある条件を挙げます。

自主防災組織からの推薦が必要な場合。取得後に地域の防災活動へ参加することを求められる場合。受講前の事前申請が必須の場合。

とくに最後の一つは重要です。先に受講してしまうと対象外になる制度があります。

申し込む前に、窓口へ電話してください。これだけで数万円が変わります。

立場別|あなたにとって、どこが難しいか

難易度は、置かれた状況で変わります。一律の答えはありません。

立場 いちばんの関門 対策
会社員 2日間の確保 土日開催の会場を探す
子育て中 託児と2日間 託児つきの自治体講座を探す
学生 費用 学生対象の助成を確認する
高齢の方 会場までの移動 近隣自治体の開催を待つ
地方在住 会場の少なさ 年間日程を早めに確認する
自営業 2日間の休業 閑散期に合わせて申し込む

会社員の方へ

研修の多くは土日です。そこは心配しなくて大丈夫です。

問題は、レポートと救命講習の時間です。平日の夜に少しずつ進める前提で計画してください。

そして、勤務先に資格取得の支援制度があるかを確認してください。企業が費用を負担する例があります。

子育て中の方へ

2日間の託児が、最大の課題です。

自治体主催の講座を優先して探してください。民間の研修より、託児が用意されている可能性が高くなります。

そして、家族に協力を頼むこと。2日間だけです。その先はずっと使える資格になります。

学生の方へ

費用が壁になります。ただし、学生を対象にした助成がある自治体があります。

青森県むつ市は、高校生と大学生を対象に1人2万円を助成しています。市内在住であることが条件です。

年齢の条件がある制度は、対象になれる時期が限られます。該当するなら、いま調べる価値があります。

高齢の方へ

試験そのものを心配される方が多いのですが、そこは大丈夫だと思います。3択30問です。

気にすべきは、2日間の座学に耐える体力と、会場までの移動です。

そして救命講習の実技があります。心肺蘇生法は、床にひざをついて行います。膝や腰に不安がある方は、事前に主催者へ相談してください。配慮してもらえる場合があります。

よくある誤解を、正しておきます

誤解①「国家資格だから難しい」

防災士は国家資格ではありません。NPO法人日本防災士機構が認証する民間資格です。

これは価値が低いという意味ではありません。難易度の予想を、国家資格の基準で立てないでくださいということです。

資格の位置づけは防災の資格おすすめ一覧に整理しました。

誤解①の補足|民間資格でも、自治体が費用を出しています

民間資格と聞くと、価値を低く見る方がいます。ただ、事実を並べると印象が変わります。

全国の多くの自治体が、この資格の取得費用を公費で助成しています。県が受講料の3分の2を負担する秋田県のような例もあります。

公金を投じて住民に取得させている資格です。行政がそれだけの必要性を認めている、ということでもあります。

誤解②「過去問を解けば受かる」

公式の過去問は存在しません。日本防災士機構は公開していません。

ネット上にある「過去問」は、受験者の記憶にもとづく再現や、類似の練習問題です。それだけを頼りにするのは危険です。

正攻法は、教本を読み、履修確認レポートをやり込むことです。

誤解③「独学で取れる」

取れません。研修講座の受講が要件だからです。

教本を読んで試験だけ受ける、という道はありません。ここは制度上、動かせない部分です。

誤解④「更新が大変そう」

更新はありません。防災士は終身資格です。

一度取得すれば、更新料も更新研修も不要です。この点は、他の資格と比べて負担が軽い部分です。

くわしくは防災士に更新は必要かをご覧ください。

誤解⑤「合格率が高いから、価値が低い」

これは、私がいちばん違うと思っている誤解です。

防災士は、ふるい落とすための資格ではありません。地域に防災の知識を持つ人を増やすための制度です。

合格率が高いのは、制度の設計思想がそうだからです。難しくして人数を絞ったら、目的と矛盾します。

取得までの現実的なスケジュール

思い立ってから認証登録まで、どれくらいかかるか。目安を示します。

時期 やること
1〜2か月前 自治体の助成制度を確認・事前申請
1〜2か月前 救急救命講習を予約・受講
1か月前 研修を申し込み、教材を受け取る
1か月前〜直前 履修確認レポートに取り組む
当日 研修2日間+試験
試験後 合否通知を待ち、認証登録を申請

全体で2〜3か月をみておくのが現実的です。

短縮できるのは救命講習だけで、研修の日程は自分では動かせません。ここが計画の起点になります。

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研修の21講目には、何が入っているのか

「12講目以上を履修」と言われても、中身が分からなければ難易度は測れません。

防災士教本が扱う範囲は、大きく次のように分かれます。

分野 主な内容 取り組みやすさ
災害の仕組み 地震、津波、風水害、土砂災害、火山 理科の知識があると楽
気象と防災情報 警報・注意報、警戒レベル、キキクル 改定が多く要注意
行政の仕組み 災害対策基本法、避難情報、支援制度 暗記が中心
地域の防災活動 自主防災組織、地区防災計画、訓練 実務経験があると楽
避難所の運営 開設、運営、要配慮者への対応 想像しにくい人が多い
家庭の備え 備蓄、耐震、家具固定 いちばん身近
救助と応急手当 心肺蘇生、AED、搬送 救命講習と重なる

この一覧を見て、「知らないことばかりだ」と感じても心配は要りません。そのために研修があります。

つまずきやすいのは、気象と法制度です

私の見るかぎり、受講者が苦戦するのはこの二つです。

気象の分野は、名称の改定が続いています。2026年5月29日にも、防災気象情報の名称が大きく変わりました。古い教材や、古い記憶のままだと混乱します。

新しい体系は防災気象情報の改定内容に整理しました。

法制度の分野は、単純に暗記の量があります。災害対策基本法、災害救助法、被災者生活再建支援法。名前が似ていて、混同しやすい。

逆に、家庭の備えは得点源になります

備蓄、耐震、家具の固定。ここは日常の延長で理解できます。

すでに自宅で備えをしている方なら、ほとんど勉強せずに答えられる範囲です。

備えの基本は防災は何から始める?にまとめました。

取得したあと、何が変わるか

難易度を判断するとき、「その苦労に見合うのか」という視点も必要だと思います。

肩書きより、話を聞いてもらえるようになります

これが実感としていちばん大きい変化です。

同じことを言っても、「防災士として」と前置きできるかどうかで、受け取られ方が変わります。町内会でも、職場でも、家庭でもです。

資格そのものに権限はありません。ただ、話を聞いてもらう入口にはなります。

知識が体系になります

断片的に知っていたことが、つながります。

なぜ警戒レベルが5段階なのか。なぜ避難所の運営が難しいのか。個々の知識が、災害対応という一つの流れの中に位置づけられます。

これは独学では、なかなか得られない感覚です。

地域から声がかかることがあります

自主防災組織、町内会、学校のPTA、勤務先の防災担当。

資格を持っていると分かると、役割を頼まれます。負担に感じる方もいるかもしれません。

ただ、多くの自治体が助成の条件にしているのは、まさにその活動です。取って終わりにしない前提で設計されています。

更新がないという、地味な利点

他の資格と比べたとき、ここは大きい。更新研修も更新料もありません。

一度取れば、生涯そのままです。取得時の負担は軽くありませんが、その後の維持費がゼロという構造になっています。

いま取るべきか、待つべきか

最後に、判断の材料を書いておきます。

いま取ったほうがよい人

自治体に助成制度がある方。制度は変更や廃止があります。あるうちに使うのが確実です。

年齢条件のある制度に該当する方。学生向けの助成などは、対象でいられる期間が限られます。

地域で役割を求められている方。すでに自主防災組織などに関わっているなら、推薦を得やすい立場にあります。

少し待ってもよい人

近くで研修が開催されない方。無理に遠方へ行くより、次の開催を待つほうが負担が小さいことがあります。

2日間がどうしても取れない方。年度が変われば、日程の選択肢も変わります。

ただし「いつか」と思っているうちに数年が過ぎるのもよくある話です。年度初めに一度、開催予定を確認する習慣をつけておくと動きやすくなります。

資格がなくてもできることは、たくさんあります

最後に、これは書いておきたい。

防災士でなければできない備えは、ひとつもありません。水を備蓄することも、家具を固定することも、ハザードマップを確認することも、資格は要りません。

資格は、知識を体系立てて学び、地域で動くための後押しです。取得を検討している間も、できることは進めておいてください。

他の資格と比べると、どのくらいか

比較の対象があると、感覚がつかみやすくなります。

試験だけを見れば、易しい部類です

3択30問で80%正答。合格率80〜90%。これは検定として難関ではありません。

ただし前に書いたとおり、受験者が全員研修修了者という母集団での数字です。誰でも受けられる試験の合格率とは、意味が違います。

取得までの総コストで見ると、軽くはありません

2日間の拘束、レポート、別日程の救命講習、そして6万円台の費用。

「試験は易しいが、取得のハードルは低くない」。これが正確な表現だと考えています。

そして、取ったあとに意味が出る資格です

防災士は、持っているだけで何かができるようになる資格ではありません。業務独占もありません。

地域の自主防災組織で動く、職場の防災担当になる、家族の備えを設計する。使って初めて価値が出ます。

多くの自治体が助成に条件をつけているのも、取得後の活動を前提にしているからです。

合格率80〜90%という数字の、正しい読み方

この数字だけが独り歩きしている印象があります。読み方を三つに分けて整理します。

読み方①|受験者は全員、研修を終えています

これが最も重要な前提です。防災士試験は、誰でも申し込める試験ではありません。

研修講座を受講し、履修証明を得た人だけが受験します。つまり、費用を払い、2日間を使い、レポートを提出した人の集団です。

本気度の高い人ばかりが受ける試験で、合格率が高くなるのは自然なことです。誰でも受けられる検定の80%とは、意味がまったく違います。

読み方②|研修の中で対策が行われます

研修は、試験のためだけのものではありません。ただし結果として、試験範囲を一通りさらう構成になっています。

そして履修確認レポートが、教本の全項目を網羅しています。まじめに取り組めば、試験対策が終わっている状態で当日を迎えます。

合格率が高いのは、制度がそう設計されているからです。

読み方③|それでも1割前後は落ちています

ここを軽く見ないでください。

10人に1人か2人は不合格になります。研修を受け、6万円台を払い、2日間を使ったうえでです。

落ちる人に共通するのは、教本を開いていないことです。研修に出席することと、内容を理解することは別だからです。

合格基準は80%。30問中6問しか間違えられません。「3択だから半分は当たる」という計算は成り立ちません。

私が、これから取る人に伝えていること

相談を受けたときに、必ず話す順番があります。

一、先に自治体へ電話する

研修を探す前です。助成制度の有無で、負担額が数万円変わります。

そして事前申請が条件の制度が多い。先に申し込むと対象外になります。順序を間違えると、取り返しがつきません。

二、救急救命講習を予約する

研修より先で構いません。5年間有効です。

消防署の講習は無料または低額で、定員があります。思い立った日に予約してしまうのが確実です。

三、教材が届いたら、すぐ開く

ここで差がつきます。

履修確認レポートを直前に慌ててやる人と、届いた日から少しずつ進める人。合否より、身につく量が違います。

資格を取ることが目的なら前者でも通ります。ただ、地域で使うつもりなら後者を強くおすすめします。

よくある質問

Q. 防災士の試験は、どのくらい難しいですか

3択30問で、24問正解すれば合格です。合格率は約80〜90%で推移しています。

研修を受け、教本を読み、履修確認レポートに取り組んでいれば、通常は合格できる水準です。

ただし合格基準の80%は、資格試験としては高めです。6問しか間違えられません。無勉強では厳しいと考えてください。

Q. 勉強時間はどれくらい必要ですか

試験対策としての暗記より、履修確認レポートに取り組む時間が実質的な勉強時間になります。

教本を読みながら設問に答える形式で、教本のすべての項目を網羅しています。まとまった時間が取りにくい方は、早めに少しずつ進めてください。

Q. 落ちたらどうなりますか

再受験の制度があります。研修を最初から受け直す必要はありません。

ただし条件や手続きは研修機関によって異なるため、受講した機関に確認してください。

Q. 独学で取得できますか

できません。研修講座の受講が資格要件だからです。

教本だけ買って試験を受ける、という方法は制度上ありません。

Q. 救急救命講習は、いつ受ければよいですか

先に受けておくことをおすすめします。申請時に5年以内の発行であればよく、順序の決まりはありません。

消防署の講習は無料または低額です。定員があるため、早めに予約してください。

Q. 費用を抑える方法はありますか

あります。お住まいの自治体の助成制度を確認してください。

実質全額を補助する自治体もあれば、県の制度で受講料そのものが安い地域もあります。数万円変わります。

ただし受講前の事前申請が条件の制度が多くあります。申し込む前に窓口へ電話してください。

Q. 高齢でも取得できますか

年齢の上限はありません。

試験より、2日間の研修に参加する体力と、会場までの移動を検討してください。救命講習には実技があります。体に不安がある場合は、事前に主催者へ相談すると配慮を受けられることがあります。

Q. 資格を取ると、何ができますか

業務独占の資格ではないため、これができるようになる、というものではありません。

地域の自主防災組織での活動、職場の防災担当、避難所運営への関与。知識と、周囲からの信頼を得るための資格だと考えています。

覚えておくのは、三つです

難易度の話をまとめます。

一、試験を恐れる必要はありません

3択30問、24問正解で合格。合格率は約80〜90%です。研修を受け、教本を読めば届きます。

二、本当の関門は、時間と費用です

2日間以上の研修、履修確認レポート、別日程の救急救命講習。そして6万円台の費用。

ここを計画できるかどうかが、取得できるかどうかを決めます。

三、費用は、調べれば下がります

これがいちばん実利のある話です。助成制度を使えば、数万円変わります。実質無料の自治体もあります。

そして受講前の事前申請が条件のことが多い。申し込む前に電話してください。

まとめ

防災士の難易度を、試験だけで判断すると読み違えます。

試験は3択30問、80%以上の正答で合格。合格率は約80〜90%。資格試験としては易しい部類です。

難しいのは、そこへ至るまでの過程です。最低2日間以上の研修、21講目のうち12講目以上の履修、受けなかった講目のレポート提出、そして普通救命講習Ⅰ相当の修了証。費用は総額6万円台になります。

つまり「頭の難しさ」ではなく「段取りの難しさ」です。

逆に言えば、段取りさえ組めれば取得できます。特別な学力も、実務経験も要りません。

今日できることを、ひとつだけ書きます。

お住まいの市区町村の防災担当課に電話して、「防災士の資格取得に助成はありますか」と聞いてください。

これで費用の見通しが立ちます。そして、次の研修がいつ開催されるかも教えてもらえることがあります。そこから計画が始まります。

資格の全体像は防災士とは?取得者27万人・更新なしの終身資格にまとめました。

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9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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