【この記事の要約】
結論から言います。土砂災害では、原則として家を離れてください。洪水と違い、2階に上がる方法は安全策になりません。土砂は建物ごと押し流します。そして、レベル4の危険警報は「避難を終えているべき段階」です。これから始める段階ではありません。判断で迷ったときの基準は三つ。自分の家が土砂災害警戒区域にあるか。外がまだ明るいか。そして、前ぶれが出ていないか。暗くなってからの移動は、それ自体が危険になります。どうしても動けないときだけ、がけと反対側の2階以上へ。これは避難ではなく、次善策です。この記事では、警報が出た夜に「行くか、留まるか」を決めるための順番をまとめました。
結論|土砂災害では、その場を離れるのが原則です
細かい話の前に、先に答えを書きます。
洪水と土砂災害では、正解が違います
ここを混同している方が、とても多い。
洪水では、上の階に上がることが有効な場面があります。水は下から満ちてくるからです。
けれど土砂災害は違います。土砂は、建物そのものを壊して押し流します。2階にいても、家ごと流されます。
だから、土砂災害の危険があるなら、その場を離れてください。これを立ち退き避難と呼びます。
レベル4は、避難を終えているべき段階です
誤解の多い点です。
レベル4は「これから逃げ始める合図」ではありません。本来は、この時点で安全な場所にいるべきです。
そして、レベル5を待たないでください。レベル5は、すでに災害が起きているか、切迫している段階です。逃げ遅れた人への最後の呼びかけです。
判断の基準は、三つです
一、自分の家が土砂災害警戒区域にあるか。ここが最初です。区域外なら、判断は変わります。
二、外がまだ明るいか。暗くなると、移動そのものが危険になります。
三、前ぶれが出ていないか。出ていれば、迷わず動いてください。
いま出ている情報の名前を、確認してください
2026年5月29日から、名称が変わっています。
新しい名前の形
| レベル | いまの名称 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 早期注意情報 | 警報級の可能性 |
| 2 | 大雨注意報 | 注意する段階 |
| 3 | 土砂災害警報 | 高齢の方などは避難を始める |
| 4 | 土砂災害危険警報 | 全員が避難を終えている段階 |
| 5 | 大雨特別警報 | すでに災害が起きているか、切迫 |
以前の名前で覚えている方へ
報道や記憶にある名前と、いまの名前は違います。
土砂災害警戒情報は、レベル4土砂災害危険警報に変わりました。同じ段階を指しています。
そして、大雨警報(土砂災害)は、レベル3土砂災害警報になりました。
名前は変わりましたが、やることは変わっていません。レベル4なら、その場を離れる。ここは同じです。
名称の全体像はレベル4土砂災害危険警報とは?にまとめました。
まず、自分の家の条件を確認してください
この確認で、判断が大きく分かれます。
土砂災害警戒区域かどうか
これが、いちばん大事な一点です。
区域内なら、レベル4で家を離れてください。迷う必要はありません。
区域は、市町村のハザードマップか、都道府県の土砂災害情報のページで調べられます。スマホで5分です。
調べ方は土砂災害警戒区域とは?にまとめました。
区域の外でも、安心はできません
ここは正直に書きます。
区域の指定は、調査が終わった場所から順に行われています。指定されていない斜面が危険でない、という意味ではありません。
だから、家のすぐそばに斜面や造成地のがけがあるなら、区域外でも警戒してください。
目安として、がけの高さの2倍の範囲が危険とされています。高さ10メートルのがけなら、20メートルの範囲です。
建物の位置と、がけの向き
同じ家でも、部屋によって危険度が違います。
がけに面した側の部屋が、最も危ない。そして、平屋よりも、2階建ての1階のほうが逃げ場がありません。
この確認は、雨が降っていないうちにやっておくものです。いま該当する方は、頭に入れておいてください。
土砂災害の三つの型と、逃げ方の違い
ひとくちに土砂災害と言っても、起き方がまったく違います。
三つを、まず分けてください
| 型 | 起きる場所 | 速さ | 逃げ方 |
|---|---|---|---|
| 土石流 | 谷、沢、川の上流 | 時速20〜40キロ。走っても逃げきれません | 流れと直角の方向へ、高い場所へ |
| がけ崩れ | 急な斜面の下 | 数秒で終わります | 斜面から離れる。距離が命 |
| 地すべり | ゆるやかな斜面 | ゆっくり。数日かけることも | 時間があります。範囲外へ |
土石流は、沢に沿って来ます
ここが重要です。
土石流は谷や沢の形に沿って流れ下ります。だから、危険な範囲はある程度読めます。
そして、逃げる方向は「下流」ではありません。流れと直角に、横へ抜けてください。下流へ走っても追いつかれます。
詳しくは土石流とは?にまとめました。
がけ崩れは、前ぶれが短い
いちばん判断が難しい型です。
崩れ始めてから終わるまで、数秒です。気づいてから動いても間に合いません。
だから、がけの下に住んでいる方は、早い段階で離れる以外にありません。
擁壁の点検箇所などはがけ崩れとは?にまとめました。
地すべりは、時間があります
他の二つと違い、ゆっくり動きます。
家にすき間ができる、塀が傾く、樹木が傾く。こうした変化が数日前から出ることがあります。
気づいたら、市町村に連絡してください。そして、範囲の外へ移ってください。
雨の見方|どの数字を見るか
判断の材料になる数字を、整理しておきます。
1時間の雨量より、降り始めからの総雨量です
ここは、多くの方が誤解しています。
土砂災害は、地面にしみ込んだ水の量で決まります。だから、いま強く降っているかより、これまでにどれだけ降ったかが効きます。
同じ1時間30ミリでも、乾いた地面と、3日降り続いた地面では結果が違います。
危険な雨の目安
| 1時間の雨量 | 呼び方 | 起きること |
|---|---|---|
| 20〜30ミリ | 強い雨 | 側溝があふれ始めます |
| 30〜50ミリ | 激しい雨 | 道路が川のようになります |
| 50〜80ミリ | 非常に激しい雨 | 傘は役に立ちません。土砂災害の危険 |
| 80ミリ以上 | 猛烈な雨 | 息苦しくなる圧迫感。大規模な災害の危険 |
キキクルの色が、いちばん実用的です
数字を自分で計算する必要はありません。
気象庁が、土の中の水の量を計算して色にしてくれています。それがキキクルです。
見るのは土砂キキクルです。自宅の位置の色を確認してください。
紫になったら、レベル4に相当します。その時点で、避難を終えている必要があります。
色が変わる前に動いてください
ここが実務の要点です。
色が濃くなってから動くと、すでに雨が強く、道が危険になっています。
だから、一段階手前の色になった時点で準備を始めてください。荷物をまとめ、行き先を決め、家族に連絡する。
使い方はキキクルの見方にまとめました。
行くか、留まるか|順番で決めてください
迷ったときは、次の順に考えてください。
一、前ぶれが出ていますか
出ていれば、他の条件を考えず、すぐに離れてください。
前ぶれとされているのは、次のようなものです。
| 現象 | 何の前ぶれか |
|---|---|
| 山鳴り、地鳴り | 土石流・がけ崩れ |
| 川の水が急に濁る、流木が混じる | 土石流 |
| 雨が続いているのに川の水位が下がる | 上流でせき止められている可能性 |
| 斜面から小石が落ちてくる | がけ崩れ |
| 斜面にひび割れ、はらみ | がけ崩れ・地すべり |
| 湧き水が濁る、急に増える、急に止まる | がけ崩れ・地すべり |
| 腐った土のにおいがする | 土石流 |
| 樹木が傾く、家にすき間ができる | 地すべり |
ただし、前ぶれは必ず出るわけではありません。何も感じないまま起きることがあります。
「前ぶれがないから大丈夫」とは考えないでください。出たら確実に危ない、という一方向の目安です。
二、外はまだ明るいですか
ここが、この記事でいちばん伝えたい判断です。
暗くなってからの移動は、それ自体が危険です。冠水した道は、水面から深さが分かりません。
そして、側溝やマンホールのふたが外れていても見えません。大雨のときは、道路と水路の境目が消えます。
だから、明るいうちに動くという判断が要ります。夕方の時点で、夜のうちに危険になりそうなら、その時点で動いてください。
三、避難先まで、安全にたどり着けますか
避難所が安全でも、そこまでの道が危険なら意味がありません。
途中に、川、アンダーパス、がけ沿いの道があるなら、その経路は避けてください。
そして、移動にかかる時間も見てください。徒歩で30分かかる避難所より、近くの安全な建物のほうがよい場面があります。
四、車を使うべきかどうか
これは、条件によります。
冠水しているなら、車は使わないでください。水深30センチほどでエンジンが止まり、ドアも開かなくなります。
詳しくは車が冠水したらどうする?にまとめました。
一方で、まだ雨が弱く、道が乾いていて、遠くへ移動する必要があるなら、車のほうが早い場面もあります。早い段階でしか成立しない選択です。
避難先は、避難所だけではありません
ここを知っておくだけで、選択肢が増えます。
四つの選択肢があります
| 避難先 | 向いている場合 |
|---|---|
| 指定避難所 | 自宅が危険で、たどり着ける |
| 親戚・知人の家 | 安全な場所にあり、事前に話してある |
| ホテル・旅館 | 空きがあり、費用を出せる |
| 近くの頑丈な建物 | 間に合わないとき。学校、公民館、鉄筋の建物 |
「避難=避難所」ではありません
ここは、はっきり書いておきます。
避難とは、難を避けることです。安全な場所へ移れれば、どこでも構いません。
親戚の家に泊まるのも避難です。むしろ、そのほうが休めます。
そして、この選択は事前に話しておかないと成立しません。夜中に突然たずねるのは、現実には難しい。
持っていくもの|夜に出るなら、これだけは
時間がない前提で、持ち物を絞ります。
五つで十分です
一、明かり。スマホのライトではなく、両手が空くヘッドライトか懐中電灯。
二、スマホとモバイルバッテリー。情報と連絡の生命線です。
三、常用している薬とお薬手帳。これは代えがききません。
四、飲み水。避難先ですぐに手に入るとは限りません。
五、履き慣れた靴。長靴は水が入ると重く、脱げます。ひもの靴のほうが安全です。
長靴を選ばないでください
意外に思われるかもしれません。
冠水した道を歩くとき、長靴に水が入ると足が抜けなくなります。そして、脱げたときに素足になります。
ひもをしっかり締めた運動靴のほうが、結果として安全です。
傘は使えないと考えてください
激しい雨と風の中では、傘は差せません。そして、片手がふさがります。
レインウェアの上下があれば、両手が空きます。持っていない場合は、大きめのごみ袋に穴を開けて頭からかぶる方法があります。
棒を一本、持ってください
冠水した道を歩くときの基本です。
足元を突いて確かめながら進みます。ふたの外れたマンホールや、側溝の位置が分かります。
傘でも、物干し竿でも構いません。これで、落ちる事故を防げます。
家族や近所と、どう動くか
避難は、一人の判断で終わらないことが多い。
先に行き先を決めておいてください
「避難しよう」と言っても、行き先がなければ動きません。
だから、「◯◯へ行く」と具体的に言ってください。これだけで、決まる速さが変わります。
意見が割れたときは、慎重なほうに合わせる
これは、決めておくと役に立つ約束です。
「まだ大丈夫」と「もう逃げよう」が家の中で割れると、結局だれも動けません。
だから、誰か一人が「逃げよう」と言ったら動く。この形にしておくと、迷いが消えます。
近所に声をかけてください
これが、実際に人を救っています。
過去の災害で、助かった方の多くが「近所の人に声をかけられて逃げた」と答えています。
ひとりで判断していると、「自分だけ大げさかもしれない」と考えて動けなくなります。声をかけることが、その心理を外します。
とくに、高齢の方だけの世帯、体の不自由な方がいる家には、早めに声をかけてください。
離れた家族には、状況を伝えておく
避難したかどうかを、一言連絡しておいてください。
通信が途絶えたあとで、「無事かどうか分からない」状態を作らないためです。
そして、災害用伝言ダイヤルという手段があります。電話がつながりにくいときに使えます。
どうしても動けないときの、次善策
ここからは、避難が間に合わなかった場合の話です。
これは避難ではありません
先に書いておきます。
屋内にとどまることは、土砂災害では安全策になりません。助かる確率を少し上げるだけの、最後の手段です。
だから、最初からこれを選ばないでください。動ける段階では、動いてください。
それでも動けないときに、やること
次の順です。
一、がけと反対側へ移る。斜面に面した部屋から離れてください。
二、できるだけ上の階へ。2階建てなら2階です。
三、窓から離れる。ガラスが割れて飛びます。
四、丈夫な家具の近くか、下に入る。建物が壊れたときに空間が残ることがあります。
この方法の限界を、知っておいてください
正直に書きます。
土砂の量が多ければ、2階も埋まります。そして、建物ごと流されれば、どこにいても同じです。
過去の土砂災害では、2階にいた方が亡くなった例があります。
だから繰り返します。これは、動けなかったときの話です。動けるうちに動いてください。
避難情報が出ていないときの考え方
これは、とてもよくある状況です。
自治体の避難指示を待たなくてよい
ここは大事な点です。
気象庁の危険警報と、市町村の避難指示は、別の情報です。危険警報が出ていても、避難指示がまだ出ていないことがあります。
そして、市町村の判断は、市町村全体や地区単位で行われます。あなたの家の斜面の状態までは見ていません。
だから、避難指示が出ていなくても、自分の判断で避難してよい。むしろ、そうすべき場面があります。
キキクルで、自分の場所を見てください
気象庁のキキクルは、地図を1キロ四方の細かさで色分けしています。
市町村単位の情報より、自分の家の状況に近い。
色の意味は、紫や黒に近いほど危険です。自宅の色が濃くなってきたら、それが動く合図になります。
使い方はキキクルの見方にまとめました。
逆に、警報が出ていても動かなくてよい場合
これも書いておきます。
土砂災害警戒区域の外で、家のそばに斜面がなく、浸水の想定もない。この条件なら、家にとどまる判断が成り立ちます。
全員が避難所へ行く必要はありません。大事なのは、自分の家の条件で判断することです。
避難したあと、いつ戻れるか
ここは、意外と情報が少ない部分です。
解除を待ってください
危険警報が解除されるまでは、戻らないでください。
解除は、気象庁が土の中の水の量が下がったことを確認したうえで出しています。雨がやんだかどうかではありません。
戻ったあと、家のまわりを見てください
解除されても、斜面が緩んでいることがあります。
確認するのは、ひび割れ、はらみ、湧き水の変化、擁壁のずれ。雨の前と違っていないか。
異常があれば、家に入る前に市町村へ連絡してください。
片づける前に、写真を撮ってください
被害があった場合です。
罹災証明の申請と、保険の請求に必要になります。片づけたあとでは証明できません。
撮るのは、建物の外観を四方から、被害箇所を近くから、そして浸水した高さが分かる位置から。
土砂の片づけは、一人でやらないでください
重く、崩れます。
そして、まだ動く可能性があります。斜面の下での作業は危険です。
市町村やボランティアの支援があります。まず相談してください。
この記事を、事前の備えとして使う
ここは、いま警報が出ていない方へ向けた部分です。
晴れている日にやることが、三つあります
一、ハザードマップで自宅を見る。土砂災害警戒区域にかかっているか。5分で終わります。
二、避難先を決めておく。指定避難所だけでなく、親戚の家も含めて。
三、家族で「誰か一人が逃げようと言ったら動く」と決めておく。
この三つで、当日の判断がほぼ決まります
雨の夜に考えることを、減らしておく。それが備えの本体です。
当日にできるのは、決めてあったことを実行することだけだと考えてください。
ハザードマップは、印刷しておいてください
停電すると、スマホで地図が見られなくなることがあります。
紙で一枚、玄関か持ち出し袋に入れておいてください。家族全員が同じものを見られます。
見方はハザードマップの見方・読み方にまとめました。
過去の土砂災害が示していること
判断の重さを、過去の事実で確認しておきます。
夜間に起きると、被害が大きくなります
過去の大きな土砂災害には、深夜から未明に発生したものが多い。
理由ははっきりしています。寝ていて気づかない。気づいても外が見えない。そして、避難の判断ができない。
これが、この記事で「明るいうちに」と繰り返している理由です。
避難情報が出ていても、避難率は高くありません
各地の災害後の調査で、繰り返し指摘されている点です。
避難指示が出ても、実際に避難した人はごく一部にとどまることがあります。
理由として挙げられるのは、「自分は大丈夫だと思った」「これまで被害がなかった」「夜で外に出るのが怖かった」といったものです。
正常性バイアスという言葉があります
異常が起きているのに、「たいしたことはない」と考えてしまう心の働きです。
これは弱さではなく、誰にでも起きます。私も、同じ状況になれば同じように考えると思います。
だから、その場の気持ちで決めない仕組みが要ります。条件を先に決めておく。誰か一人が言ったら動く。
この記事で条件と約束の話を書いたのは、そのためです。
一方で、避難して何も起きない日がほとんどです
これも事実として書いておきます。
避難した回数のほとんどは、何も起きずに終わります。それでよいのです。
避難は、当てるためのものではなく、外れても困らないようにするためのものです。
よくある質問
Q. 雨がやみました。もう安全ですか
まだ安全ではありません。ここは強く書きます。
土砂災害は、雨がやんだあと数時間から半日たってから起きることがあります。地面に染み込んだ水が、時間をかけて斜面を動かすためです。
だから、危険警報が解除されるまでは戻らないでください。解除は、気象庁が土の中の水の量を計算したうえで出しています。
Q. 空振りが多い気がします
そう感じる方は多いと思います。
発表されても、実際に土砂災害が起きないことのほうが多い。これは事実です。
けれど、この情報は「起きる場所を当てる」ためのものではありません。危険な状態にある範囲を示すためのものです。
そして、外れたと感じた回数は記憶に残り、当たった1回で命が失われます。釣り合いが取れていません。
Q. 高齢の親が「大丈夫だ」と言って動きません
とても多い相談です。
効くことが三つあります。一、行き先を具体的に決めて伝える。「避難して」ではなく「◯◯さんの家に行こう」と言う。
二、明るいうちに誘う。暗くなってからでは、本人も動きたがりません。
三、自分が一緒に行くと伝える。一人で行かせようとすると、断られます。
そして、「これまで大丈夫だった」は理由になりません。雨の降り方が変わっていることを、静かに伝えてください。
Q. ペットがいるので避難所に行きにくい
自治体によって対応が違います。受け入れる避難所と、そうでない避難所があります。
だから、親戚の家やペット可のホテルという選択肢を、先に考えておいてください。
そして、置いていく判断はしないでください。戻れなくなることがあります。
Q. マンションの上の階でも避難が要りますか
がけに面していなければ、多くの場合、必要ありません。
ただし、斜面のすぐ下に建つマンションでは、低層階に土砂が入ることがあります。
そして、停電でエレベーターと給水が止まります。避難しない場合は、水と明かりの備えを確認してください。
Q. 避難所が土砂災害警戒区域の中にあります
実際にあります。指定避難所が、すべての災害に対応しているわけではありません。
ハザードマップには、その避難所がどの災害に対応しているかが記号で書かれています。地震には使えても、土砂災害には使えない施設があります。
だから、「近いから」で選ばないでください。土砂災害に対応した避難所を、あらかじめ確認しておく必要があります。
Q. 賃貸に住んでいます。斜面が危なそうですが、何ができますか
擁壁や斜面の管理は、所有者の責任になります。
ひび割れや水の染み出しに気づいたら、管理会社か大家さんに伝えてください。写真を添えると伝わりやすい。
そして、市町村の防災担当にも相談できます。危険な斜面として把握されていない場合、情報が役に立ちます。
Q. 車で避難する場合、どこに停めればよいですか
斜面の下と、川のそばは避けてください。そして、アンダーパスや低い土地の駐車場も危険です。
できれば、高台の広い駐車場です。避難所の駐車場が満車のことがあるので、代わりの場所も考えておいてください。
そして、車中泊をするなら、燃焼式の暖房を使わないでください。そして、こまめに体を動かしてください。
Q. 仕事中や外出中に警報が出たら、帰るべきですか
ここは判断が難しい。
家族が家にいて、家が危険な場所にあるなら、連絡して先に避難してもらってください。自分が帰るより早い。
そして、自分は無理に帰らないでください。帰宅の途中がいちばん危険です。
職場や、途中の安全な建物にとどまる判断が要る場面があります。合流は、落ち着いてからで構いません。
Q. 警報が出るたびに避難するのは大変です
正直な気持ちだと思います。
だから、毎回避難所へ行く必要はありません。大事なのは、自分の家の条件で判断できるようになることです。
警戒区域の外で、斜面から離れていて、浸水の想定もない。その条件なら、家にとどまる判断が成り立ちます。
負担を減らす方法は、避難するかどうかを毎回悩まないことです。条件を先に決めておけば、悩みません。
Q. マンションやアパートの1階に住んでいます
斜面のそばなら、戸建てと同じ判断です。上の階へ、あるいは建物の外へ。
建物内で移れる先があるかを、いま確認しておいてください。共用部の階段や、上の階の住人との関係です。
そして、管理組合や大家さんに、災害時の対応が決まっているかを聞いてみてください。決まっていないことのほうが多い。
Q. 会社や学校から「帰宅するな」と言われた場合は
従ったほうが安全なことが多い。移動中がいちばん危険だからです。
とどまる場合は、家族に連絡して、居場所を伝えてください。これだけで、相手の判断が変わります。
そして、職場に一晩分の備えがあるかを、平時に確認しておいてください。水、食べ物、簡易な寝具。用意されていない職場が多い。
Q. 土砂災害の保険はありますか
火災保険の水災の補償で、土砂崩れによる損害が対象になることがあります。
ただし、契約内容によって異なります。水災を外している契約では対象になりません。
そして、支払いには「損害の程度」などの条件があります。いま入っている保険の内容を、一度確認してみてください。
見直し方は火災保険の見直し方にまとめました。
Q. 大雨と土砂災害の警報が同時に出るのは、なぜですか
別々の危険を示しているからです。
大雨の警報は、浸水や河川の増水を含めた雨そのものへの警戒を示します。一方、土砂災害の警報は、地面にしみ込んだ水の量から、斜面の崩れやすさを判断したものです。
だから、同じ雨でも、土地の条件によって危険の種類が変わります。平地では浸水、斜面では土砂災害です。
両方が同時に出ているときは、自宅がどちらの危険にあたるかで、行動が変わります。斜面のそばならその場を離れる。低い土地なら、浸水の深さを見て判断する。
そして、逃げる先がどちらの危険も避けられる場所かを確認してください。斜面を避けて低地へ行けば、今度は浸水します。
まとめ|明るいうちに、その場を離れる
最後に、あらためて整理します。
この記事の要点
一、土砂災害では、その場を離れるのが原則です。2階に上がる方法は安全策になりません。
二、レベル4は、避難を終えているべき段階です。レベル5を待たないでください。
三、判断の基準は、警戒区域か、明るいか、前ぶれが出ていないか。
四、避難先は避難所だけではありません。親戚の家も、近くの頑丈な建物も避難です。
五、避難指示が出ていなくても、自分の判断で動いてよい。
六、雨がやんでも、まだ危険は続いています。
いま、警報が出ている方へ
やることは二つです。
一、ハザードマップで自分の家を見てください。警戒区域にかかっているかどうか。
二、キキクルで自宅の色を見てください。濃くなっていれば、動く段階です。
どちらもスマホで数分です。そして、暗くなる前に判断してください。
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