冬のペット防災は寒さと身近な毒|不凍液は甘くてなめる、凍結防止剤は足を洗う

冬のペット防災は寒さと身近な毒

・当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天市場・各種ASP)およびGoogleアドセンスを利用しています。
・記事内リンク経由でご購入いただいた場合、サイト運営者に紹介料が発生することがあります。
・掲載内容は収益に左右されず、公的機関の資料・メーカー公表仕様などの確認できる情報をもとに作成しています。

【この記事の要約】
冬の災害では、ペットにも寒さの危険が加わります。停電で暖房が止まった家、寒い避難所、車中泊。小型犬、短毛種、子犬や子猫、高齢のペットは、体温を失うのが早いので注意が要ります。そして冬には、ふだんの生活にも2つの落とし穴があります。一つは、車の不凍液(エチレングリコール)。甘い味がするため犬や猫がなめてしまい、少量でも命に関わる中毒を起こします。もう一つは、道路にまかれる凍結防止剤・融雪剤。肉球が荒れ、なめると胃腸を傷めます。備えの基本は、環境省も勧める「同行避難」を前提に、毛布やペット用の防寒具、1週間分の餌と水をそろえておくことです。

こんにちは。防災ベーシック編集部です。

札幌の冬は、人にとっても厳しい季節です。そしてそれは、一緒に暮らす犬や猫にとっても同じです。

ペットの防災というと、避難所に連れて行けるか、どんな物を持っていくか、が話題になります。冬の場合は、そこに「寒さ」という条件が加わります。停電した家、冷えた避難所、エンジンを切った車の中。人より体の小さなペットは、寒さの影響を早く受けます。

この記事では、冬の災害でペットを守るための備えと、冬のふだんの生活に潜む危険をまとめます。ペットの体調に関わる判断は、必ず獣医師に相談してください。

目次

結論|冬のペット防災は「寒さ」と「身近な毒」に備える

一、停電や避難で暖房がなくても、ペットの体を温められる物を用意する(毛布、ペット用の防寒着、湯たんぽ)
二、車の不凍液をペットの届く場所に置かない。こぼれたらすぐ拭き取る
三、散歩のあとは足を洗い、凍結防止剤を落とす
そして餌と水は1週間分。冬の災害では、ペット用品の流通も止まります。

二つめの不凍液は、とくに知ってほしい危険です。

冬に車のメンテナンスをする家庭は多いと思います。そのとき床にこぼれた不凍液を、犬や猫がなめてしまう事故があります。甘い味がするため、動物が好んでなめてしまうのです。少しの量でも、命に関わる中毒を起こします。

冬の災害で、ペットに何が起きるか

場面 ペットへの影響
停電で暖房が止まる 室温が下がり、体の小さなペットから冷えていきます
寒い避難所 ペットの居場所は屋外や廊下になることがあり、人より寒い環境に置かれがちです
車中泊 エンジンを切った車内は、外気温に近づきます
ペット用品の流通停止 大雪や災害で、餌や猫砂が手に入らなくなります
ストレス 慣れない環境、大きな音、飼い主の不安が伝わります

避難所でのペットの居場所は、人の居住スペースと分けられることが多いです。アレルギーのある人や、動物が苦手な人への配慮のためです。

その結果、ペットは廊下や屋外のテント、車の中など、人より寒い場所で過ごすことになりがちです。冬は、それが体調を崩す原因になります。

寒さに弱いペット

特徴 理由
小型犬・超小型犬 体が小さいほど、体温が逃げやすくなります
短毛種・毛の薄い品種 毛による保温が少ない
子犬・子猫 体温を保つ力が、まだ十分ではありません
高齢のペット 体温を保つ力が落ちています
持病のあるペット 寒さで体調を崩しやすい
小動物(ウサギ、ハムスターなど) 急な温度変化に弱い種類があります

北国の犬種は寒さに強いと言われますが、室内で暮らしている犬は、冬の屋外の寒さに慣れていないことがあります。品種だけで判断せず、ふだんの様子で考えてください。

ペットが寒がっているサイン

サイン 考えられること
体を丸めて動かない 体温を逃がさないようにしています
震えている 寒さを感じています。温めてあげてください
元気がない、反応が鈍い 体温が下がりすぎている可能性があります。獣医師に相談を
耳や足先が冷たい 末端から冷えています

震えがあるうちは、体が熱を作ろうとしている状態です。震えが止まって、ぐったりしてきたら危険なサインで、すぐに温め、獣医師に相談してください。これは人の低体温症と同じ考え方です。

停電したときに、ペットを温める

方法 注意点
毛布・フリースでくるむ いちばん手軽で確実です
ケージやキャリーを毛布で覆う 風を防ぎ、中の暖かさを保ちます。空気が通るすき間は残す
湯たんぽ 必ずタオルで包む。直接当てると低温やけどになります
使い捨てカイロ 直接触れさせない。かじって中身を食べないように
人と一緒に過ごす 人の体温で温まります。家族が集まる部屋に
ペット用の防寒着 慣れていないと嫌がるので、ふだんから少し着せておく

湯たんぽとカイロは、低温やけどに気をつけてください。

ペットは、熱くても自分で離れられないことがあります。とくにケージの中では逃げ場がありません。必ずタオルで包み、ペットが自分で離れられる余地を残してください。

石油ストーブを使うときの注意

停電中に電気を使わない石油ストーブを使う家庭もあると思います。ペットがいる場合は、次の点に注意してください。

注意 理由
ストーブの周りに柵を置く しっぽや毛が触れて焦げる、やけどする事故があります
換気をする 一酸化炭素の影響は、体の小さな動物に先に出ることがあります
ケージを近づけすぎない 逃げられない場所で熱くなりすぎます

ストーブの安全な使い方は石油ストーブの死亡事故は5年で47件|給油前に消す、灯油とガソリンを分ける、停電で使える1台に書きました。

冬のふだんの危険①|不凍液(エチレングリコール)

これは災害時に限らず、冬のふだんの生活で起きる危険です。ですが、知らない方が多いので取り上げます。

項目 内容
どこにあるか 車の冷却水(クーラント)、一部の保冷剤、ウインドウォッシャー液など
なぜなめるか 甘い味がするため、犬や猫が好んでなめてしまいます
何が起きるか 少量でも中毒を起こし、腎臓を傷めます。命に関わることがあります
症状 ふらつき、嘔吐、元気がなくなる。時間がたつと腎臓の障害が進みます

不凍液をなめた、なめたかもしれないときは、症状がなくてもすぐに獣医師に連絡してください。
この中毒は、時間との勝負です。症状が出てからでは、手遅れになることがあります。

防ぎ方 内容
保管場所 ペットが入れない場所に、ふたを確実に閉めて置く
こぼしたら すぐに拭き取り、水で流す。車庫の床に残さない
車の下の水たまり 冷却水の漏れの可能性があります。ペットを近づけない
保冷剤 中身をかじらせない。破れたらすぐ片づける

車庫で車の手入れをしたあと、ペットを遊ばせるような場面が、いちばん危険です。

冬のふだんの危険②|凍結防止剤・融雪剤

雪国の道路や歩道には、冬になると凍結防止剤がまかれます。主な成分は塩化カルシウムなどです。

影響 内容
肉球が荒れる 赤くなる、ただれる、皮がむけることがあります
なめると胃腸を刺激する 足についたものをなめると、嘔吐や下痢の原因になります
溶けた雪を食べる 凍結防止剤が溶け込んでいることがあります
対策 やり方
散歩のあとに足を洗う ぬるま湯で足の裏と指の間を洗い、よく乾かす
道路の雪を食べさせない 散歩中、雪を口にしないよう気をつける
犬用の靴を使う 慣れれば、凍結防止剤と冷たさの両方を防げます
肉球の保護クリーム 散歩の前に塗っておく方法もあります

足を洗ったあとは、よく乾かしてください。濡れたままだと、冷えや皮膚の荒れにつながります。

冬のふだんの危険③|室内の暖房器具

冬は、室内の暖房器具によるペットの事故も起きます。災害に限らない注意ですが、停電後に慣れない暖房を使う場面では、とくに気をつけてください。

暖房 ペットに起きやすいこと 対策
ストーブ・ヒーター 近づきすぎてやけど、毛が焦げる 柵で囲む
こたつ 中に長くいて、のぼせる、脱水になる ときどき出入りできるようにする。温度を低めに
ホットカーペット 低温やけど。逃げ場がないと起きやすい 全面に敷かず、涼める場所を残す
電気コード かじって感電する カバーをつける。子犬や子猫、ウサギはとくに注意

ペットが自分で「暑い」「寒い」を選べる環境を作ることが基本です。暖かい場所と、少し涼しい場所の両方があれば、ペットは自分で移動して体温を調整できます。

乾燥にも注意

暖房を使うと、室内の空気が乾燥します。人と同じように、ペットも水分をとりにくくなることがあります。

冬は、ペットの飲み水をいつもより気にかけてください。水の器を複数の場所に置く、ぬるめの水にする、といった工夫で、飲む量が増えることがあります。

地震のときのペット|冬の深夜を想定して

冬の深夜に大きな地震が起きたとき、ペットはどこにいるでしょうか。

考えておくこと 理由
夜、ペットが寝ている場所 揺れで家具が倒れてこない場所か。ケージの上に物を置いていないか
キャリーバッグの置き場所 寝室の近くか、玄関の近く。暗くても取り出せる場所に
パニックで逃げる 揺れに驚いて、家具のすき間や外へ逃げることがあります
割れたガラス 足を切ることがあります。落ち着かせてから移動を

揺れのあと、ペットが家具のすき間に隠れて出てこないことがあります。無理に引き出そうとすると、かまれたり、さらに奥へ逃げたりします。好きなおやつや、ふだんの声かけで落ち着かせてから、キャリーバッグに入れてください。

冬の深夜の地震の備えは冬の深夜の地震が最悪になる理由|日本海溝で死者19.9万人、逃げたあとの低体温症4.2万人にまとめています。

種類ごとの、冬の注意

動物 冬の注意
犬 散歩のあとの足洗い、防寒着。小型犬と短毛種は寒さに弱い
猫 暖かい場所を探して、車のエンジンルームやストーブの近くに入り込むことがあります
ウサギ 急な温度の変化に弱い。ケージを暖かく、すき間風の入らない場所に
ハムスター 寒さが続くと、動かなくなる状態(疑似冬眠)になることがあり、危険です
小鳥 保温が欠かせません。ケージを覆い、温度を保つ器具を用意する
爬虫類・熱帯魚 停電でヒーターが止まると、命に関わります。電気を使わない保温の方法を考えておく

猫が車のエンジンルームに入る

冬に多いのが、暖かさを求めて、外にいる猫が車のエンジンルームやタイヤのすき間に入り込むことです。そのままエンジンをかけると、けがをさせてしまいます。

冬に車を動かす前は、ボンネットを軽くたたく習慣をつけてください。中に猫がいれば、驚いて出てきます。これは自分の飼い猫だけでなく、地域の猫を守ることにもなります。

停電で保温器具が止まる動物

爬虫類や熱帯魚、小鳥など、電気のヒーターで温度を保っている動物は、停電が命に関わります。

停電に備えて、電池式やカイロを使った保温の方法、発泡スチロールの箱で温度を保つ方法などを、ふだんから考えておいてください。その動物の専門店や獣医師に、停電時の対処を聞いておくと安心です。

冬の避難に備えて、用意するもの

分類 もの
食べ物と水 餌と水を1週間分。ふだん食べているもの
防寒 毛布、フリース、ペット用の防寒着、ケージを覆う布
移動と居場所 キャリーバッグやケージ、リード
衛生 ペットシーツ、猫砂、消臭袋、ウェットティッシュ
健康 常用している薬、ワクチンの接種記録
身元 迷子札、マイクロチップの登録情報、ペットの写真

冬は、防寒の物が一つ増えます。ふだんの持ち出し用品に、ペット用の毛布を1枚足すだけでも違います。

ペットの写真は、飼い主と一緒に写ったものがあると、はぐれたときに自分のペットだと示しやすくなります。スマートフォンに入れておくと便利です。

同行避難と、避難所でのペット

環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」では、災害時にペットと一緒に避難する「同行避難」を勧めています。

言葉 意味
同行避難 ペットと一緒に、安全な場所まで避難すること(移動の行動)
同伴避難 避難所で、ペットを飼い主が管理しながら過ごすこと(生活の状態)

同行避難ができても、避難所の中で一緒に過ごせるとは限りません。ペットの居場所は、人とは別の場所に決められていることが多いのです。

違いの詳しい説明と、動物の種類ごとの備えはペットの災害避難|同行避難と同伴避難の違いと動物の種類別の備え方にまとめています。

冬の避難所で、ペットの居場所が寒いとき

ペットの居場所が屋外や廊下で寒い場合は、運営の人に相談してください。避難所によっては、寒さ対策のために場所を調整してくれることがあります。

それが難しいときは、ケージを毛布で覆う、湯たんぽを入れるなどで、ペットの居場所を暖かくします。こまめに様子を見に行くことも大切です。

ペットとの車中泊

避難所にペットを連れて行けず、ペットと一緒に車で過ごす方もいます。冬の車中泊は、人とペットの両方に危険があります。

危険 対策
一酸化炭素中毒 エンジンをかけるなら、マフラーのまわりの雪をどける。雪が降り続くなら確認を繰り返す
寒さ エンジンを切ると、車内はすぐに冷えます。毛布を多めに
エコノミークラス症候群(人) 足を動かし、水分をとる
ペットのトイレ ペットシーツを多めに。車外に出すときはリードを離さない

一酸化炭素は、体の小さなペットに先に影響が出ることがあります。ペットの様子がおかしいと感じたら、すぐに窓を開け、エンジンを止めてください。

冬の車中の一酸化炭素については大雪の立ち往生で危ないのは寒さより一酸化炭素|22分で1000ppm、マフラーを掘るに書きました。

ふだんからできる、冬の備え

災害が起きてから慌てないように、冬の前にやっておきたいことがあります。

やること 理由
キャリーバッグやケージに慣らす 避難のときに入ってくれないと、連れて行けません。ふだんから中で休める場所にしておく
防寒着に慣らす 初めて着せると嫌がります。冬の散歩で少しずつ
ワクチンとノミ・ダニの予防を済ませる 避難所で、ほかの動物と過ごす条件になることがあります
しつけ 「待て」「おいで」、ケージの中で静かに過ごせることは、避難所で役に立ちます
マイクロチップの登録情報を確かめる 引っ越しなどで連絡先が古いままになっていないか
避難所がペットを受け入れるか確かめる 自治体のウェブサイトや防災の窓口で

キャリーバッグに慣らすことが、いちばん効く備えです。

災害のときは、ペットも怯えています。ふだん入り慣れていないキャリーバッグには、なかなか入ってくれません。ふだんから扉を開けて部屋に置き、中で寝られる場所にしておくと、いざというときに自分から入ってくれることがあります。

ペットを預ける、という選択肢

避難所の環境がペットに合わない場合、親戚や友人の家、動物病院、ペットホテルに一時的に預ける方法もあります。

預け先 考えておくこと
親戚・友人の家 災害の影響が少ない地域にあると安心です。事前にお願いしておく
かかりつけの動物病院 災害時に預かってもらえるか、ふだんのうちに聞いておく
ペットホテル 災害時は満室になることがあります
自治体・動物愛護団体の一時預かり 大きな災害では、支援の仕組みができることがあります

いざというときにお願いできる相手を、ふだんのうちに決めておくと、選択肢が増えます。冬の寒い避難所で無理をさせるより、暖かい家に預けるほうがペットのためになる場合もあります。

ペットの健康を記録しておく

災害で、かかりつけの動物病院に行けなくなることがあります。ほかの獣医師に診てもらうとき、ペットの情報がすぐに伝えられるようにしておくと安心です。

記録しておくこと 理由
持病と、飲んでいる薬の名前・量 薬が切れたとき、同じものを出してもらえます
ワクチンの接種記録 避難所や預け先で求められることがあります
かかりつけの動物病院の連絡先 問い合わせに使えます
体重、年齢、アレルギー 処置や薬の量を決める参考になります

スマートフォンに写真で残しておくのが手軽です。ワクチンの証明書や薬の袋を撮っておくだけでも役に立ちます。

札幌で暮らしていて感じること

札幌の冬、散歩のあとに犬の足を洗うのは、多くの飼い主さんにとって日課です。歩道には凍結防止剤がまかれ、雪の中を歩いた足は冷え切っています。

そして北海道では、2018年の胆振東部地震で全域が停電しました。9月だったので暖房の心配はありませんでしたが、もし真冬だったら、暖房の止まった家で、人もペットも寒さに耐えることになったはずです。

冬の停電で、人は重ね着をして毛布にくるまれます。
ペットは、飼い主が用意してあげなければ、温まる手段がありません。
だから、ペット用の毛布を1枚、持ち出し袋の隣に置いておいてください。

高齢のペットと暮らしている方へ

高齢の犬や猫は、寒さにも、環境の変化にも弱くなっています。冬の災害では、とくに気を配ってください。

気をつけること 理由と対策
体温を保つ力が弱い 防寒を早めに。毛布を多めに用意する
持病の薬が切れる 薬を多めにもらっておけるか、獣医師に相談する
環境の変化でストレスを受ける 避難所より、在宅避難や、慣れた人の家に預けるほうがよい場合も
足腰が弱い 抱えて移動できるよう、キャリーやカートを用意する
食べ物の好み ふだんの餌しか食べないことがあります。いつもの餌を備える

高齢のペットは、慣れない避難所の寒さと騒がしさで、体調を大きく崩すことがあります。家が安全なら在宅避難を、そうでなければ親戚や知人の家など、落ち着ける場所への一時的な預け先を考えておいてください。

ペットと一緒に過ごす、冬の在宅避難

家が安全なら、ペットと一緒に家で過ごす「在宅避難」が、ペットにとってはいちばん負担の少ない選択です。慣れた場所で、飼い主と一緒にいられるからです。

準備 内容
暖を取れる部屋を1つ決める 家族とペットが一緒に過ごす部屋を決め、そこを集中して暖めます
ペットの居場所をその部屋に ケージやベッドを移し、毛布で覆います
水が凍らないように 寒い部屋に置いた水の器は凍ることがあります。暖かい部屋に
トイレの場所 ペットシーツや猫砂を、暖かい部屋の中に用意します

「水が凍る」は、冬ならではの注意です。

暖房の止まった家では、室内でも水が凍ることがあります。玄関や廊下に置いたペットの水の器が凍り、飲めなくなっている。冬の停電では、ペットの水の置き場所も見直してください。

雪国の在宅避難の考え方は雪国の備蓄は閉じ込められる前提で|大雪で止まるのは物流と灯油、半分で補充する習慣にまとめています。

冬の前に、10分でできるペットの備え

やること かかる時間
車庫の不凍液を、ペットの届かない棚へ移す 2分
ペット用の毛布を1枚、持ち出し用品の横に置く 1分
餌の残りを見て、1週間分あるか確かめる 2分
ワクチンの記録と薬の袋を、スマートフォンで撮る 3分
キャリーバッグの扉を開けて、部屋に出しておく 1分
散歩のあとの足洗い用に、タオルを玄関に置く 1分

合わせて10分ほどです。どれも、今日すぐにできます。

とくに最初の「不凍液を移す」は、災害がなくてもペットの命を守る行動です。冬の車の手入れを始める前に、置き場所を確かめてください。

はぐれてしまったときに備える

災害の混乱で、ペットとはぐれてしまうことがあります。冬は、はぐれたペットが寒さの中で過ごすことになるので、早く見つけることがとくに大切です。

備え 役割
迷子札(首輪に連絡先) 見つけた人が、すぐに飼い主へ連絡できます
マイクロチップ 首輪が外れても、読み取れば飼い主が分かります。登録情報を最新に
ペットの写真 探すときのチラシや、保護された動物の確認に使います
特徴のメモ 体重、毛の色、模様、首輪の色など

はぐれたら、自治体の動物愛護センターや保健所、近くの動物病院に連絡してください。大きな災害では、保護された動物の情報がまとめて公開されることもあります。

よくある質問

Q. 犬は寒さに強いので、防寒は要らないのでは

犬種や年齢、ふだんの暮らし方によります。

寒冷地の犬種でも、室内で暮らしている犬は、冬の屋外の寒さに慣れていないことがあります。小型犬、短毛種、子犬、高齢犬は、とくに寒さに弱いと考えてください。震えている、丸まって動かないといった様子があれば、温めてあげてください。

Q. 猫は外に逃げてしまいそうで心配です

避難のときは、必ずキャリーバッグに入れてください。抱いて逃げると、驚いて腕から飛び出すことがあります。

冬に外へ逃げてしまうと、寒さで命を落とすおそれがあります。ふだんからキャリーバッグに慣らしておくと、いざというときにスムーズに入れられます。

Q. 不凍液をなめたかもしれません。様子を見てもよいですか

様子を見ずに、すぐ獣医師に連絡してください。

この中毒は、症状が出る前に処置を始めることが大切とされています。症状が出てからでは、腎臓の障害が進んでいることがあります。なめた可能性がある、というだけで連絡してください。製品の容器があれば、成分を伝えられるよう持っていきます。

Q. ペットの餌は、どのくらい備えればよいですか

1週間分を目安にしてください。人の備蓄と同じ考え方です。

大雪や災害で流通が止まると、ペット用品は人の物より後回しになりがちです。とくに療法食など特別な餌を食べている場合は、多めに用意しておくと安心です。ふだんの餌を少し多めに買い、古いものから使うローリングストックが便利です。

Q. 冬の散歩は、控えたほうがよいですか

控える必要はありませんが、工夫は要ります。

寒さの厳しい時間を避ける、短めにする、防寒着を着せる。そして散歩のあとは、足を洗って凍結防止剤を落とす。これを習慣にしてください。

Q. 避難所にペットを連れて行ってもよいですか

避難所によって受け入れの可否やルールが違います。事前に自治体で確かめておいてください。

環境省は同行避難を勧めていますが、避難所の中で一緒に過ごせるとは限りません。受け入れる避難所でも、ペットの居場所は別に決められていることが多いです。ケージやキャリーバッグ、餌やトイレ用品は、飼い主が用意して持っていくのが基本です。

Q. ペットが雪を食べてしまいます。大丈夫ですか

庭などのきれいな雪を少し口にする程度なら、多くの場合は問題になりにくいと言われます。

ただし、道路や歩道の雪は、凍結防止剤が溶け込んでいることがあります。また、たくさん食べるとお腹を冷やします。散歩中は、道路の雪を食べさせないようにしてください。体調に変化があれば、獣医師に相談してください。

Q. 室内で飼っている猫も、冬の防災が必要ですか

必要です。室内で暮らす猫ほど、外の寒さに慣れていません。

停電で暖房が止まれば、室内の温度は下がります。猫は暖かい場所を自分で探しますが、家全体が冷えれば逃げ場がありません。毛布やケージを覆う布、キャリーバッグを用意しておいてください。避難のときに外へ逃げてしまうと、寒さで命を落とすおそれもあります。

Q. 冬の避難所で、ペットのトイレはどうすればよいですか

ペットシーツや猫砂を、多めに持っていってください。避難所では手に入りにくい物です。

排せつ物はすぐに片づけ、消臭袋に入れて、決められた場所に捨てます。においや衛生の問題は、避難所でペットが受け入れられるかどうかに関わります。飼い主がきちんと管理することが、ペットの居場所を守ることにもなります。

まとめ

要点 内容
冬の災害の危険 停電した家、寒い避難所、車中泊での冷え
寒さに弱いペット 小型犬、短毛種、子犬・子猫、高齢のペット
温め方 毛布、ケージを覆う、タオルで包んだ湯たんぽ
不凍液 甘い味でなめてしまう。少量でも命に関わる。なめたらすぐ獣医師へ
凍結防止剤 散歩のあとは足を洗って乾かす
備え 餌と水を1週間分、ペット用の毛布を1枚足す
避難 同行避難が基本。避難所では居場所の寒さに気を配る

ペットは、寒くても自分で暖かい場所へ移れないことがあります。毛布を持ってくることも、ストーブから離れることも、飼い主がしてあげるしかありません。

冬の備えに、ペットの毛布を1枚。そして車庫の不凍液を、ペットの届かない場所へ。この二つだけでも、冬のペットの危険は大きく減らせます。

ペットの防災は、飼い主の防災の一部です。自分の持ち出し袋を見直すとき、ペットの分も一緒に見直してください。餌、水、毛布、キャリーバッグ、そして不凍液の置き場所。冬が来る前の今が、そのちょうどよい時期です。ペットは自分で備えることができません。一緒に暮らす人が、代わりに備えてあげてください。今日できる一つめは、車庫の不凍液の置き場所を確かめることです。その次に、ペット用の毛布を一枚、持ち出し用品の横に置いてください。どちらも数分で終わる、冬のいちばん小さな備えです。

【出典】
環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」(同行避難と同伴避難、飼い主の備え)/動物病院・獣医師による解説(エチレングリコール中毒、凍結防止剤による肉球の炎症)
この記事は一般的な情報です。ペットの体調の判断や治療、中毒が疑われる場合の対応は、必ず獣医師にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

防災ベーシック編集部です。公的機関の情報をもとに、防災・備蓄・災害対策の基本をわかりやすくお伝えします。

目次