雪で停電するのは0度前後の湿った雪|着雪注意報が出たら、今夜の停電を前提に備える

雪で停電するのは0度前後の湿った雪

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【この記事の要約】
冬の大規模な停電は、「寒さ」ではなく「湿った雪」から起きることがあります。気温が0度前後で降る湿った雪は、電線や木の枝にくっつきやすく、しかも重いのが特徴です。これを着雪(ちゃくせつ)といいます。電線に雪が筒のように巻きつき、重みで電線が切れる、木が倒れて電線にかかる、強風で雪のついた電線が大きく揺れて隣の線に触れる。2005年12月の新潟大停電では、最大約65万戸が停電しました。気象庁は、この危険があるときに「着雪注意報」を出します。いちばん覚えておきたいのは、「真冬日の乾いた雪」より「0度前後の湿った雪」のほうが停電を起こしやすいことです。着雪注意報が出たら、停電を前提に、暖房・明かり・水の備えを確かめてください。

こんにちは。防災ベーシック編集部です。

札幌の真冬は、気温がマイナス10度を下回る日もあります。ところが、雪で停電が起きるのは、そういう極寒の日とは限りません。

むしろ危ないのは、気温が0度前後で、湿った重い雪が降る日です。本州の太平洋側で雪が降ると、停電が相次ぐことがあります。それには、はっきりした理由があります。

この記事では、雪がなぜ停電を起こすのか、どんな日が危ないのか、そして停電に備えて何をしておくかをまとめます。

目次

結論|停電を起こすのは「0度前後の湿った雪」

一、気温0度前後で降る湿った雪は、電線や木にくっつきやすく、重い
二、「着雪注意報」が出たら、停電のおそれがあると考える
三、停電に備えて、電気を使わない暖房、明かり、水、スマートフォンの充電を確かめる
とても寒い日の乾いた雪より、少し暖かい日の湿った雪のほうが、停電を起こしやすいのです。

この感覚は、多くの方の直感と逆だと思います。

「寒いほど雪の被害が大きい」と考えがちですが、停電に関しては、気温が0度に近い日のほうが危険です。雪が湿っていて、電線にまとわりつくからです。

着雪とは何か

着雪(ちゃくせつ)とは、雪が電線や木の枝、建物などにくっついて積もる現象です。

雪の種類 特徴 着雪のしやすさ
湿った雪(気温0度前後) 水分を多く含み、重い。ベタベタとくっつく くっつきやすい
乾いた雪(気温が低い) さらさらで軽い。風で飛ばされる くっつきにくい

雪だるまを作りやすい雪ほど、着雪しやすいと考えると分かりやすいと思います。

湿った雪は、手で握ると固まります。同じように、電線や枝にも固まってくっつき、どんどん太くなっていきます。北海道の真冬のさらさらした雪は、握っても固まりにくく、電線にもくっつきにくいのです。

電線に「筒雪」ができる

湿った雪が電線にくっつくと、電線のまわりに筒のように雪が巻きつきます。これを筒雪(つつゆき)と呼ぶことがあります。

電線は、雪の重みで少しねじれます。すると、雪のついていない面が上を向き、そこにまた雪がつきます。これを繰り返して、電線のまわり全体を雪が包み込み、太い筒のようになっていきます。

細い電線が、腕ほどの太さの雪の筒に覆われることがあります。その重さは、電線や電柱が想定している以上になることがあります。

雪が停電を起こす4つの形

形 何が起きるか
① 電線が切れる 着雪の重みで電線が切れる、電柱が傾く
② 木が倒れる・枝が折れる 雪の重みで木が倒れ、電線にかかる。枝が折れて電線に当たる
③ 電線が大きく揺れる 雪のついた電線が強風で上下に大きく揺れ(ギャロッピング)、隣の電線に触れてショートする
④ 塩分を含んだ雪 海からの塩分を含んだ雪が、電気を絶縁している部分に付着して、電気が漏れる

形②|倒木がいちばん多い

身近なところで多いのは、雪の重みで倒れた木や折れた枝が、電線にかかる形です。

湿った雪は、木の枝にもたくさん積もります。葉のついた常緑樹や、竹は、とくに雪を受け止めやすく、重みで大きくしなり、折れたり倒れたりします。それが電線にかかると、停電が起きます。

山あいの道路では、倒木で道がふさがれ、復旧作業の車が入れないこともあります。停電が長引く原因になります。

形③|ギャロッピングと呼ばれる揺れ

雪のついた電線に強い風が当たると、電線が上下に大きく波打つように揺れることがあります。これをギャロッピングといいます。

ふつうの電線は風を受けても大きくは揺れませんが、雪がついて形が変わると、風を受けて持ち上げられる力が生まれるためです。大きく揺れた電線が隣の電線に近づき、触れたり、近づいたりしてショートし、停電が起きます。

2005年12月の新潟大停電

着雪による停電の代表的な例が、2005年12月22日の新潟大停電です。

項目 内容
発生 2005年12月22日、新潟県下越地方(新潟市など)
規模 最大で約65万戸が停電
原因 日本海から吹き込んだ塩分を含む雪が送電設備に付着したこと、暴風で着雪した送電線が大きく揺れたこと
気象の条件 0度に近い湿った雪と、強い風が重なりました

この停電が示したのは、雪が重なると、太い送電網でも止まるということです。家の近くの電線だけでなく、広い地域に電気を送る送電線が止まると、一気に多くの家が停電します。

北海道の送電鉄塔の倒壊

2012年11月には、北海道の室蘭市や登別市などで、着雪と強風によって送電鉄塔が倒れ、大規模な停電が起きました。停電は数日にわたって続いた地域があります。

11月の終わりという、本格的な冬の前の時期だったことにも注目してください。気温が0度前後で、湿った雪が降りやすい時期です。真冬ではなく、初冬や春先のほうが、着雪の条件がそろいやすいのです。

着雪注意報を知っておく

気象庁は、着雪によって災害が起きるおそれがあるときに「着雪注意報」を出します。

注意報 意味
着雪注意報 電線や送電線、木などに雪がついて、被害が起きるおそれがある
大雪注意報・警報 雪の量が多く、交通などに影響が出るおそれ
風雪注意報 雪を伴う強い風のおそれ

着雪注意報は、ほかの雪の情報に比べて目立ちません。ですが、停電に直結する情報です。

着雪注意報が出たら、「今夜は停電するかもしれない」と考えてください。
暖房、明かり、スマートフォンの充電、水。停電してから準備するのでは遅いものばかりです。

大雪警報の基準が地域によって違う話は大雪警報の基準は市町村で違う|札幌は12時間40センチ、三重県津市は10センチに書きました。

着雪が起きやすい条件

条件 理由
気温が0度前後(おおむね0〜2度くらい) 雪が湿っていて、くっつきやすい
強い風が伴う 雪が横から吹き付けられ、電線に多くつく。ギャロッピングも起きやすい
雪が長く降り続く 時間とともに筒雪が太くなります
海の近く 塩分を含んだ雪が送電設備につき、電気が漏れやすくなります
初冬と春先 気温が0度前後になりやすく、湿った雪が降りやすい時期

ふだん雪の少ない本州の太平洋側で雪が降ると、停電が起きやすいのも、この条件のためです。

太平洋側の雪は、南岸低気圧によって降ることが多く、気温が0度前後の湿った雪になりがちです。そして雪に慣れていない地域では、木の手入れも雪を前提にしていません。南岸低気圧の仕組みは南岸低気圧とは?東京に雪が降る仕組みと、八丈島の南を通ると雪になる理由にまとめています。

停電に備えて、やっておくこと

着雪注意報が出た日、あるいは湿った雪が降り始めた日に、次のことを確かめてください。

確かめること 理由
電気を使わない暖房があるか 停電すると、エアコンもファンヒーターもFF式も止まります
スマートフォンとモバイルバッテリーの充電 停電中の情報と連絡の手段です
懐中電灯・ランタンの電池 停電は夜に起きると、真っ暗になります
水をくんでおく マンションなどでは、停電でポンプが止まり、水が出なくなります
冷蔵庫をむやみに開けない 停電したら、中の冷たさを保ちます
車の燃料 停電でガソリンスタンドの給油機も止まります

いちばん大切なのは、暖房です。冬の停電では、暖房が止まった家の中が、時間とともに冷えていきます。電気を使わない暖房を1台持っているかどうかが、長い停電を乗り切れるかどうかを分けます。

停電しても使える暖房については停電しても使える暖房はどれか|エアコンもファンヒーターも止まりますに、使い方の注意は石油ストーブの死亡事故は5年で47件|給油前に消す、灯油とガソリンを分ける、停電で使える1台に書きました。

切れた電線を見つけたら

雪で切れて垂れ下がった電線を見つけたら、絶対に近づかないでください。

やってはいけないこと 理由
電線に触る、近づく 電気が流れていると、感電します。命に関わります
電線に触れている木や物に触る そこにも電気が流れていることがあります
電線の近くの水たまりや濡れた雪を歩く 電気が伝わることがあります
自分で木をどけようとする 感電や、木の下敷きになる危険があります

切れた電線や、電線にかかった倒木を見つけたら、近づかずに電力会社へ連絡してください。
場所と状況を伝えれば、対応してもらえます。停電していても、電線に電気が流れていないとは限りません。

庭の木にも気を配る

自宅の庭の木が、雪の重みで倒れ、電線にかかることもあります。

確かめること 対策
電線の近くに木の枝が伸びていないか 電線に近い枝は、自分で切らずに電力会社に相談する
枝に雪が重く積もっていないか 届く範囲で、棒などで軽く落とす(電線の近くではしない)
竹やぶ 竹は雪で大きくしなり、倒れやすい
冬の前の手入れ 雪囲いや、枝を短くしておく

電線の近くの枝を、自分で切るのは危険です。感電や転落のおそれがあります。電力会社に相談すれば、対応してもらえることがあります。

着雪が起こす、停電以外の被害

着雪は、電線だけにとどまりません。湿った重い雪がくっつくことで、さまざまな被害が出ます。

被害 何が起きるか
通信の途絶 電話線や光ケーブルが切れる。基地局が停電して、携帯電話がつながりにくくなる
道路の通行止め 倒木で道がふさがれる。とくに山あいの道路
鉄道の運休 架線への着雪や倒木で、電車が止まる
ビニールハウスの倒壊 湿った雪の重みで、骨組みがつぶれる
アンテナの損傷 テレビのアンテナに雪がつき、傾いたり壊れたりする
カーポートの倒壊 屋根に積もった湿った雪の重みで

通信の途絶は、停電と重なるととくに困ります。

携帯電話の基地局には非常用の電源がありますが、停電が長引くと電源が切れ、つながりにくくなることがあります。停電した家で、スマートフォンも使えないという状況が起こりえます。電池式のラジオが、そういうときの情報源になります。

カーポートと湿った雪

湿った雪は、同じ深さでも、乾いた雪よりずっと重くなります。

ふだん雪の少ない地域のカーポートは、その重さを想定していないことがあります。湿った雪が積もったら、早めに雪を下ろすか、車を別の場所に移すことを考えてください。ただし、カーポートの下で作業するのは、つぶれたときに危険です。

車を運転するときの注意

着雪注意報が出ている日の運転は、倒木と、垂れ下がった電線に気をつけてください。

危険 対策
道路に倒れた木 カーブの先や、見通しの悪い場所で急に現れます。速度を落とす
垂れ下がった電線 車で踏んだり、くぐったりしない。引き返す
木から落ちてくる雪 木の下を通るとき、枝から雪の塊が落ちてきます
停電した信号 信号が消えた交差点は、止まって左右を確かめてから進む

停電すると、信号機も消えることがあります。信号の消えた交差点では、一時停止して安全を確かめてから進んでください。警察官が交通整理をしていれば、その指示に従います。

車に電線が落ちてきたら

運転中に、車の上に電線が落ちてきたら、車の中にとどまってください。

車の外に出ようとして、車体と地面に同時に触れると、感電するおそれがあります。車の中で電力会社や警察に連絡し、救助を待ってください。火災などで、どうしても外に出なければならない場合は、車体に触れずに、両足をそろえて飛び降り、小さな歩幅で離れるとされています。

停電したら、最初にやること

順番 やること
1 自分の家だけか、周りも停電しているかを確かめる(窓の外、近所の明かり)
2 電力会社の停電情報を確かめる。スマートフォンやラジオで
3 電気ストーブなどのスイッチを切る。通電火災を防ぎます
4 電気を使わない暖房に切り替える。換気の時刻を決める
5 家族を1部屋に集め、窓に毛布などを当てて熱を逃がさない
6 スマートフォンの電池を節約する

自分の家だけが停電しているなら、ブレーカーが落ちているだけかもしれません。まず分電盤を確かめてください。周りも停電しているなら、地域の停電です。

冬の停電の過ごし方全般は停電対策【冬編】|低体温症を防ぐ準備・グッズ・行動マニュアルに詳しくまとめています。

マンションで停電したとき

マンションやアパートでは、停電の影響が一戸建てより大きく出ることがあります。

止まるもの 影響と備え
エレベーター 高い階では出入りが大変になります。閉じ込めにも注意
給水ポンプ 水が出なくなります。トイレも流せなくなることがあります
オートロック 建物によっては開かなくなることがあります
共用部の照明 廊下や階段が暗くなります

着雪注意報が出たら、浴槽に水をためておくと、停電で水が出なくなってもトイレを流す水にできます。マンションの断水についてはマンションの断水は停電で起きる|トイレを流してはいけない理由と備えに書きました。

電気を使う医療機器を使っている方へ

在宅で酸素濃縮器や人工呼吸器、吸引器などを使っている方は、停電が命に関わります。

確かめること 内容
予備のバッテリー どのくらいの時間もつかを知っておく
停電したときの連絡先 医療機関や機器の会社。事前に決めておく
酸素ボンベ 停電時に切り替えられる予備があるか
電力会社への登録 地域によっては、医療機器を使う家庭の情報を伝えておける仕組みがあります

着雪注意報が出た時点で、予備バッテリーの充電を確かめてください。停電してから充電することはできません。停電が長引きそうなら、電源のある場所へ早めに移ることも考えてください。これは医療機関と相談しておくべきことです。

札幌で暮らして思うこと

札幌の真冬の雪は、さらさらしていて、電線にはあまりつきません。それでも、11月の初雪のころや、3月の春先には、湿った重い雪が降ることがあります。そういう日は、木の枝がたわみ、電線にも雪がつきます。

北海道では、冬の停電は暖房の停止に直結します。だから私は、「湿った雪の日」を停電の備えを確かめる日にしています。懐中電灯の電池、スマートフォンの充電、電気を使わないストーブの灯油。それを確かめてから眠ります。

雪の日の天気予報で、「湿った雪」「着雪」という言葉が出たら、停電の備えを確かめる合図にしてください。
気温の低さではなく、雪の湿り気で判断する。それが、冬の停電を見越すこつです。

停電の情報を、どこで確かめるか

知りたいこと 見るもの
どこが停電しているか 電力会社のウェブサイト・アプリの停電情報
いつ戻りそうか 同じく電力会社の復旧見込み。大規模な停電では出ないこともあります
雪がいつまで続くか 気象庁の天気予報と注意報・警報
道路が通れるか 自治体や道路管理者の情報

停電中は、スマートフォンの電池が貴重です。情報を確かめる時刻を決めて、ずっと画面を見続けないようにしてください。電池式のラジオがあれば、スマートフォンの電池を温存しながら情報を得られます。

電力会社のアプリを、いまのうちに入れておく

多くの電力会社が、停電情報を知らせるアプリやメールの仕組みを用意しています。停電してから探すのではなく、ふだんのうちに入れておくと、いざというときにすぐ確かめられます。お住まいの地域の電力会社のウェブサイトで調べてみてください。

着雪の季節を知っておく

時期 着雪の起きやすさ
11月〜12月(初冬) 気温が0度前後の日が多く、湿った雪が降りやすい。冬の備えが整っていない時期
1月〜2月(真冬) 雪国では気温が低く、乾いた雪が多い。太平洋側で雪が降ると湿った雪になりやすい
3月〜4月(春先) 気温が上がり、湿った重い雪になりやすい

初冬と春先に、とくに気をつけてください。

初冬は、まだ冬の備えが整っていない時期です。灯油が届いていない、ストーブを出していない、懐中電灯の電池を確かめていない。そこに着雪による停電が起きると、備えのないまま寒い夜を迎えることになります。冬支度は、初雪の前に済ませておくのが安全です。

冬支度の確認は冬支度チェックリスト|10月末までにやる8つの備えにまとめています。

停電が長引くときの判断

着雪による停電は、倒木や鉄塔の被害があると、数日続くことがあります。冬の停電が長引いたときに、家にとどまるか、移るかの判断が必要になります。

状況 判断
電気を使わない暖房があり、燃料が足りている 家にとどまってよい。換気を忘れずに
暖房がなく、室温が下がり続けている 暖房のある避難所や、親戚・知人の家へ移ることを考える
高齢者や乳幼児、持病のある家族がいる 早めに移る判断を。寒さの影響を受けやすい
医療機器を使っている 予備電源が切れる前に、電源のある場所へ

移るなら、明るいうちに、雪が弱まっているときに。暗くなってからの移動や、吹雪の中の移動は危険です。「まだ大丈夫」と思っているうちに判断することが大切です。

室内でも低体温症は起きる

暖房の止まった家の中でも、低体温症は起きます。とくに高齢の方は、寒さを感じにくく、気づかないうちに体温が下がっていることがあります。

屋内での凍死や低体温症については凍死は屋内で起きています|年間1000人前後、北海道より南の県で増えているに書きました。家の中だから安全、とは限らないことを覚えておいてください。

ふだん雪の少ない地域の方へ

関東や西日本など、ふだん雪の少ない地域こそ、着雪による停電に気をつけてほしいと思います。

理由 中身
降る雪が湿っている 南岸低気圧による雪は、気温0度前後の湿った雪になりやすい
木が雪を前提にしていない 庭木や街路樹が、雪の重みに耐えるよう手入れされていない
電気を使わない暖房がない家が多い エアコンだけで暖を取っている家庭では、停電で暖房がすべて止まります
雪への備えがない 懐中電灯やカセットコンロを用意していない家もあります

エアコンだけで暖を取っている家は、停電すると暖房の手段がなくなります。

関東の冬でも、停電した夜は室温が下がります。カセットガスストーブ、湯たんぽ、厚手の寝袋など、電気を使わずに暖を取る方法を一つは用意しておいてください。年に数回の雪の日のためだけでなく、地震などで停電したときにも役立ちます。

着雪注意報が出た夜に、10分でやること

やること かかる時間
スマートフォンとモバイルバッテリーを充電する 1分(差すだけ)
懐中電灯・ランタンを手の届く場所に出し、点くか確かめる 2分
電気を使わない暖房と燃料を確かめる 3分
浴槽に水をためる、やかんに水をくむ 2分
電気ストーブのスイッチを切って寝る 1分
家族に「今夜は停電するかも」と伝える 1分

合わせて10分ほどです。何も起きなければ、それでよいのです。停電が起きたときに、この10分の差が、真っ暗な家で慌てるか、落ち着いて過ごせるかを分けます。

よくある質問

Q. 雪国の北海道のほうが、停電しやすいのではないですか

一概にそうとは言えません。

北海道の真冬は気温が低く、雪が乾いてさらさらしているため、電線にくっつきにくいのです。そして雪国では、電線や設備も雪を前提に作られています。

むしろ気温が0度前後になる初冬や春先、あるいはふだん雪の少ない地域で、着雪による停電が起きやすいことがあります。

Q. 着雪注意報が出たら、何をすればよいですか

停電に備えてください。電気を使わない暖房、明かり、スマートフォンの充電、水の確保です。

そして不要な外出を控えてください。雪で倒れた木や、垂れ下がった電線が道路にあることがあります。

Q. 停電の復旧には、どのくらいかかりますか

原因と規模によって大きく違います。数時間で戻ることもあれば、数日かかることもあります。

とくに倒木で道路がふさがれている、送電鉄塔が倒れたといった場合は、復旧作業そのものに時間がかかります。雪が降り続いているあいだは、作業が進みにくいことも覚えておいてください。

電力会社のウェブサイトやアプリで、停電の範囲と復旧の見込みを確かめられます。

Q. 停電したとき、ブレーカーはどうすればよいですか

家を離れるときは、ブレーカーを落としてください。

停電が復旧したとき、使っていた電気ストーブなどが急に動き出し、火災になることがあります(通電火災)。家にいる場合は、電気ストーブなどのスイッチを切っておけば安心です。

Q. 着雪注意報と大雪警報、どちらが停電に関係しますか

停電との関係が深いのは、着雪注意報です。

大雪警報は雪の量、着雪注意報は雪が電線や木にくっつく危険を表します。雪の量が少なくても、湿った雪が電線にくっつけば停電は起きます。逆に、大雪でも乾いた雪なら、電線にはつきにくいのです。停電を心配するなら、着雪注意報に注目してください。

Q. 停電中、冷蔵庫の食品はどのくらいもちますか

扉を開けなければ、しばらくは冷たさを保てます。ただし時間は、冷蔵庫の中身の量や室温によって変わります。

冬は室温が低いので、夏よりは長くもつことが多いです。雪国なら、傷みやすい食品を、ふたのできる箱に入れて屋外の日陰に置く方法もあります。心配な食品は、無理に食べずに処分してください。

Q. 電線に雪がたくさんついています。落としてもよいですか

絶対に落とさないでください。棒などで電線をつつくと、感電したり、電線を傷つけたりするおそれがあります。

電線の着雪が気になる場合は、電力会社に連絡してください。電線の近くの木の枝に積もった雪も、電線に触れる位置なら、自分で落とさないでください。

Q. 停電が復旧したら、最初に何をすればよいですか

ブレーカーを落としていた場合は、電気製品のスイッチが切れていることを確かめてから、ブレーカーを戻してください。

いきなりすべての電気製品が動き出すと、通電火災の原因になることがあります。電気ストーブのまわりに燃えやすい物が落ちていないかも確かめてください。そのうえで、冷蔵庫の中身の状態を確認し、傷んでいそうな食品は処分します。

Q. 雪の日に、倒木で道がふさがれていたらどうすればよいですか

無理に通ろうとせず、引き返してください。倒木には電線が絡んでいることがあります。

道路の倒木は、自治体や道路管理者、警察に連絡します。電線が絡んでいれば、電力会社にも連絡してください。自分で木をどけようとするのは、感電や、さらに倒れてくる木の下敷きになる危険があります。

Q. 太陽光発電があれば、停電しても大丈夫ですか

雪の日は、あまり期待できません。パネルに雪が積もると、発電量が大きく落ちます。

また、太陽光発電は、停電すると自立運転に切り替えないと使えないものが多く、使える電力にも上限があります。冬の停電対策としては、太陽光だけに頼らず、電気を使わない暖房を別に用意しておくほうが確実です。

詳しくは太陽光があっても停電では使えません|自立運転の切り替え方と1500Wの限界、蓄電池に書きました。

まとめ

要点 内容
着雪とは 雪が電線や木にくっついて積もる現象
危ない雪 気温0度前後の湿った雪。乾いた雪よりくっつきやすく重い
停電の形 電線の切断、倒木、電線の大きな揺れ(ギャロッピング)、塩分を含む雪
過去の例 2005年の新潟大停電で最大約65万戸
情報 着雪注意報が出たら、停電を前提に備える
備え 電気を使わない暖房、明かり、充電、水
切れた電線 近づかず、電力会社へ連絡

雪による停電は、「とても寒い日」ではなく「少し暖かい雪の日」に起きやすい。これを知っているだけで、備えるべき日が分かります。

着雪注意報が出た日は、寝る前に懐中電灯とスマートフォンの充電を確かめる。それが、冬の停電に対するいちばん身近な備えです。

次に雪の予報が出たら、気温を見てください。最低気温が0度前後で、「湿った雪」「着雪」という言葉があれば、それが停電への備えを確かめる合図です。寒さの厳しさではなく、雪の湿り気で判断する。その見方を一つ持っておくだけで、冬の停電に先回りできます。

【出典】
気象庁(着雪注意報、2005年12月の新潟県の暴風雪の資料)/報道各社(2005年12月の新潟大停電、2012年11月の北海道の送電鉄塔の倒壊)
切れた電線や、電線にかかった倒木には絶対に近づかず、電力会社へご連絡ください。停電の状況と復旧の見込みは、各電力会社の発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

防災ベーシック編集部です。公的機関の情報をもとに、防災・備蓄・災害対策の基本をわかりやすくお伝えします。

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