ソニーICF-B99を徹底解説|乾電池でAM100時間、手回し1分でライト15分

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【この記事の要約】
ソニーのICF-B99は、手回し・ソーラー・乾電池・USBの4通りで動く防災ラジオです。最大の強みは、電源が尽きにくいこと。アルカリ乾電池2本でAM受信なら約100時間、FM受信なら約80時間、LEDライトなら約50時間もちます。手回しは1分回すとライトが約15分使える計算です。一方で、手回しでスマートフォンを満充電するのは現実的ではありません。ソーラーも1時間の充電が手回し40秒ぶん程度とされ、あくまで補助です。受信周波数はFMが76〜108MHzでワイドFMに対応し、AMが停波した地域でも聴き続けられます。この記事では、公表されている数値をもとに、この機種が誰に向くのかを整理します。

目次

結論:電源の心配をしたくない人に向いています

先に結論をお伝えします。

ICF-B99は、次のような方に向いています。

  • 一台で長く使える防災ラジオがほしい方
  • 電池の残量を気にしたくない方
  • ワイドFMに確実に対応した機種を選びたい方
  • 持ち出し袋に入れる定番品がほしい方

理由は明確です。電源の系統が4つあり、しかも乾電池での持続時間が長いためです。

逆に、次のような方には向きません。

  • 手回しでスマートフォンを充電したい方
  • とにかく軽く小さいものがほしい方
  • テレビの音声も聴きたい方

この機種の手回し発電は、あくまで非常用です。期待の方向を間違えなければ、非常に信頼できる一台だと私は考えています。

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ICF-B99の基本仕様

まずは、メーカーが公表している仕様を整理しておきます。

項目 内容
受信周波数(FM) 76〜108MHz
受信周波数(AM) 530〜1,710kHz
電源 単3形乾電池2本、手回し、ソーラー、USB
スピーカー 直径3.6cm
寸法 約132×79×58mm
質量 約385g
防滴 JIS防水保護等級4(IPX4)相当
その他 LEDスポットライト、非常用ブザー、USB給電

注目していただきたいのが、FMの上限です。

108MHzまで受信できるということは、ワイドFMの帯域である90.1〜95MHzを完全にカバーしています。この点は後で詳しく説明します。

電源が4系統ある意味

この機種の核心は、電源の多さです。

順に見ていきます。

1. 乾電池(主力)

単3形を2本使います。これが基本の電源です。

災害時に最も現実的なのが、この方式です。乾電池は入手しやすく、備蓄もできます。単3形は流通量が多く、ほかの防災グッズと共用できる点も利点です。

2. 手回し発電(非常用)

本体のハンドルを回して発電します。電池が切れたときの最終手段です。

後述しますが、これで長時間の運用をまかなうのは難しいものです。しかし「まったく聴けない」と「少しは聴ける」の差は決定的です。

3. ソーラー充電(補助)

本体上面のパネルで発電します。ただし発電量は控えめです。

置いておくだけで少しずつ充電される、という位置づけで捉えてください。

4. USB充電(平常時)

USBケーブルから内蔵充電池を充電できます。平常時に満充電にしておく使い方です。

この4つがあることで、どれか一つが使えなくなっても、ほかで補えます。これが最大の価値です。防災用品では、代わりの手段があることそのものが性能になります。

乾電池での持続時間が長い

ここが、この機種を選ぶ最大の理由になります。

アルカリ乾電池を使った場合の持続時間は、次のとおり公表されています。

使い方 持続時間の目安
AM受信(スピーカー) 約100時間
FM受信(スピーカー) 約80時間
LEDライト 約50時間

これらはJEITAという業界団体の基準にもとづく測定値です。気温や使い方で変わります。

この数値をどう読むか

AM受信で約100時間というのは、4日以上に相当します。

実際には、ずっとつけっぱなしにはしません。1日に3時間聴くとすれば、単3形2本で30日以上もつ計算になります。

過去の大規模な停電を振り返っても、これだけあれば十分に対応できます。多くの停電は数日以内に復旧しており、その期間を乾電池だけで乗り切れる計算になります。

ここで注目していただきたいのが、AMとFMで20時間の差があることです。長くもたせたい場面ではAMを選ぶ、という判断ができます。

予備の乾電池を持つ意味

それでも、予備は持っておいてください。

目安として、単3形を4本ほど別に用意しておけば安心です。使い切っても、もう一巡できます。

電池の選び方については防災ラジオの電池は何が正解か|乾電池・充電池・内蔵バッテリーの使い分けで詳しくまとめています。

手回し充電の実力を数値で見る

ここは、多くの方が誤解しやすい部分です。

取扱説明書では、1分あたり120回転で回すことが推奨されています。1秒に2回転という速さです。

この速さで回した場合の目安が、次のとおりです。

手回しの時間 得られるもの
1分 LEDライトが約15分使える

この数字をどう感じるでしょうか。

私は、十分に価値があると考えています。1分回せば15分明かりが確保できるなら、暗闇で作業する程度は十分にまかなえます。

ただし体力を使います

1秒2回転を1分続けるのは、想像以上に疲れます。

実際にやってみると分かりますが、腕がだるくなります。5分、10分と続けるのは現実的ではありません。

つまり手回しは「短時間だけ、必要なときに」使うものです。

高齢の方や子どもには負担が大きい

この点も考慮してください。

握力や腕の力が必要になるため、誰でも同じように回せるわけではありません。

高齢のご家族に渡す場合は、乾電池を十分に備えておくことをおすすめします。手回しをあてにする運用は避けてください。

手回しでスマートフォンは充電できるのか

最も誤解が多い点です。結論から言えば、実用的ではありません。

ある実機レビューでは、3分ほど本気で回して得られたのが約15mAh程度だったと報告されています。

いまのスマートフォンの電池容量は、4000mAhを超えるものが珍しくありません。単純に計算すれば、満充電までに何時間も回し続けることになります。

では意味がないのか

そんなことはありません。使い方の問題です。

電源が完全に落ちたスマートフォンを、数分だけ起動させる。安否確認の電話を1本かける。この程度であれば、十分に役に立ちます。

「充電器の代わり」ではなく、「最後の一手」と捉えてください。

効率のよい回し方

レビューによれば、本体の充電池を経由するより、スマートフォンを直接つないだ状態で回すほうが効率がよいとされています。

変換のロスが減るためです。緊急時には、この方法を選んでください。

モバイルバッテリーは別に用意する

結論として、スマートフォンの電源はモバイルバッテリーで確保してください。手回しラジオでまかなうものではありません。

この点は手回し充電はスマホに使える?1分回して何分通話できるかを解説でも掘り下げています。

ソーラー充電の位置づけ

こちらも期待の水準を合わせておきましょう。

あるレビューでは、ソーラー充電1時間が手回し40秒ぶん程度に相当すると報告されています。

つまり、発電量は非常に小さいということです。

それでも役に立つ場面

ソーラーの価値は、放置しておけることにあります。

窓辺に置いておけば、何もしなくても少しずつ充電されます。長期の停電では、この「じわじわ貯まる」性質が効いてきます。

1日置いておけば、数分ぶんの手回しに相当します。毎日繰り返せば、それなりの量になります。

置き場所の工夫

効率を上げるには、パネルに日が当たる向きに置いてください。窓ガラス越しでも発電します。

ただし、夏の車内など高温になる場所は避けてください。電池を傷めます。

内蔵充電池を満タンにした場合

USBで充電しておけば、内蔵の充電池だけでも動きます。

満充電の状態からの目安は、FM受信で約32時間、AM受信で約40時間とされています。

これは乾電池の場合(FM約80時間、AM約100時間)よりは短い数値です。しかし、それでも1日以上は動く計算になります。

おすすめの運用

私がすすめたいのは、次の組み合わせです。

  1. 内蔵充電池は、平常時にUSBで満充電にしておく
  2. 乾電池は本体に入れず、別に保管する
  3. 停電したら、まず内蔵充電池で聴く
  4. 足りなくなったら乾電池を入れる
  5. それも尽きたら手回しに切り替える

2番目が重要です。乾電池を入れっぱなしにすると、液漏れで本体が壊れることがあります。

ワイドFM対応であることの意味

FMの受信範囲が76〜108MHzである点は、この機種を選ぶ大きな理由になります。

民放のAMラジオ47局のうち44局が、2028年秋までにFMへの転換を目指しています。AMの停波が進めば、ワイドFM非対応のラジオでは聴けなくなる放送が出てきます。

古いラジオの多くは、FMの上限が90MHzです。この機種は108MHzまで対応しているため、その心配がありません。

災害時にFMが有利な理由

FMは、建物の中や電子機器の近くでもノイズが乗りにくい性質があります。

避難所や自宅の室内で聴く場面では、この違いが効いてきます。

詳しくはワイドFMとは?90.1MHz以上に対応していないラジオでは聴けませんで解説しています。

防滴と非常用ブザー

意外に重要な2つの機能です。

IPX4相当の防滴

JIS防水保護等級4に相当します。あらゆる方向からの水の飛沫に耐える水準です。

雨の中で使う、濡れた手で触る、といった場面を想定してください。水没には耐えませんが、災害時の現実的な使い方はカバーできます。

台風や豪雨のとき、屋外で情報を得る必要が出ることがあります。この機能があると安心できます。

非常用ブザー

助けを呼ぶための機能です。

もし建物の下敷きになったり、閉じ込められたりしたとき、声を出し続けるのは困難です。ブザーがあれば、体力を使わずに音を出せます。

ラジオにこの機能が付いている意味は大きいと私は感じています。持ち出し袋に入れる一台として、笛の代わりにもなります。

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LEDスポットライトの使い勝手

本体の前面にライトが付いています。

アルカリ乾電池で約50時間、手回し1分で約15分という数値です。停電時の明かりとして、十分に機能します。

ただし懐中電灯の代わりにはなりません

光の広がり方や明るさは、専用の懐中電灯にはかないません。

あくまで補助的な明かりです。手元を照らす、足元を確認する、といった用途に向いています。

部屋全体を明るくしたいなら、ランタンを別に用意してください。明かりの選び方は防災用ランタンの選び方|停電時の生活の質を左右する明かりにまとめています。

サイズと重さをどう評価するか

約132×79×58mm、約385gという数値です。

手のひらより少し大きい程度で、重さは単3形乾電池を含めた値です。

持ち出し袋に入れる場合

385gは、持ち出し袋の中では軽くありません。しかし、機能を考えれば妥当な重さです。

ラジオ、ライト、ブザー、モバイル給電の4役を1台がこなします。それぞれ別に持つより、はるかに軽くなります。

もっと軽いものがよい場合

受信だけでよいなら、100g前後のポケットラジオもあります。手回しやライトを求めないなら、そちらのほうが軽量です。

ただし、その場合は乾電池が尽きたときの手段がありません。何を優先するかで選んでください。

ICF-B09との違い

同じソニーには、ICF-B09という機種もあります。混同しやすいので整理します。

項目 ICF-B99 ICF-B09
受信周波数 FM 76〜108MHz / AM 530〜1,710kHz FM 76〜108MHz / AM 530〜1,710kHz
ソーラー充電 あり なし
手回し充電 あり あり
乾電池 単3形×2 単3形×2
スマートフォン給電 あり あり
防滴 IPX4相当 IPX4相当
質量 約385g 約376g

最大の違いは、ソーラー充電の有無です。

ワイドFM対応も、防滴も、手回しも、スマートフォンへの給電も、どちらにも備わっています。

どちらを選ぶか

私の考えを述べます。

長期の停電を想定するなら、ソーラーがあるICF-B99を選んでください。放置しておくだけで充電が進むという性質は、日数が延びるほど効いてきます。

一方、価格を抑えたい、少しでも軽いほうがよいという場合はICF-B09でも十分です。基本性能に差はありません。

ほかの防災ラジオとの比較

選択肢を広げて考えてみましょう。

タイプ 強み 弱み
ICF-B99のような多機能型 電源が4系統。1台で完結する 重い。手回し発電量は小さい
ポケットラジオ 軽い。安い。受信に集中 電池が切れたら終わり
ソーラー中心の格安機 価格が安い 受信性能や耐久性にばらつき
自治体の戸別受信機 地域の情報に特化。無料の場合あり 対象者が限られる。放送内容も限定的

ICF-B99の位置づけは、「1台で完結させたい人向けの定番」です。

格安の多機能ラジオと比べると価格は上がりますが、受信性能と耐久性で差が出ます。長く使うものだと考えれば、妥当な選択だと私は思います。

ほかの情報収集手段もあわせて検討したい方は防災用情報収集グッズの選び方とおすすめ10選【2026年最新版】ラジオ・スマホ・アプリを徹底解説をご覧ください。

多機能型の全体像は多機能防災ラジオの選び方|手回し・ソーラー・スマホ充電まで徹底解説で整理しています。

使う場面ごとの向き不向き

同じ機種でも、置く場所によって評価が変わります。整理しておきます。

自宅に据え置く場合

この使い方が最も適しています。

385gという重さが問題になりませんし、窓辺に置いておけばソーラーも働きます。乾電池の予備も十分に置けます。

停電したとき、真っ先に手に取る一台として機能します。

持ち出し袋に入れる場合

こちらも適していますが、重さを意識してください。

持ち出し袋は、大人で15%、女性や高齢の方はそれ以下の体重比に収めるのが目安とされています。385gは決して軽くありません。

ただし、ラジオ・ライト・ブザー・給電の4役をこなすことを考えれば、むしろ軽量化に貢献します。個別に持つより合計は軽くなります。

車に積む場合

おすすめしません。

夏の車内は高温になり、内蔵の充電池を傷めます。乾電池も液漏れしやすくなります。

車には別の対策を用意し、この機種は屋内で保管してください。

職場に置く場合

有効な選択です。

帰宅が難しくなったとき、情報を得る手段が机の引き出しにあるのは心強いものです。乾電池を抜いて、袋にまとめて保管しておいてください。

受信状況を良くする使い方

買っただけでは、性能を出し切れません。少しの工夫で聴こえ方は変わります。

置く場所を選ぶ

AMは、電子機器から出るノイズの影響を受けやすい性質があります。

次のものから離してください。

  • テレビやパソコン
  • 電子レンジや冷蔵庫
  • 照明器具、特に調光機能のあるもの
  • 充電中のスマートフォンや充電器

窓際に置くと入りやすくなります。壁や金属に囲まれた場所では入りにくくなります。

本体の向きを変えてみる

AMを受信するアンテナは、本体の内部に入っています。棒状の部品で、向きによって感度が変わります。

入りが悪ければ、本体ごと少しずつ回してみてください。角度を変えるだけで、ノイズが減ることがあります。

一方FMは、伸びるロッドアンテナで受信します。こちらは、まっすぐ伸ばして垂直に立てるのが基本です。

夜と昼で聴こえ方が変わります

AMには、夜になると遠くの放送が届きやすくなるという性質があります。

電波が上空の層で反射するためです。日中は届かない他県の放送が、夜には聴けることがあります。

災害時、地元の放送局が被災して停止した場合、この性質が役に立つことがあります。夜であれば、隣県の放送から状況をつかめる可能性があります。

買ったらやっておくこと

箱から出して、しまい込むだけでは不十分です。次の準備をしてください。

  1. USBで内蔵充電池を満充電にする
  2. 実際に電源を入れて、放送が受信できることを確かめる
  3. 地元の放送局の周波数を合わせてみる
  4. 手回しを1分回して、ライトが点くことを確認する
  5. 非常用ブザーを一度鳴らしてみる
  6. 乾電池を入れずに、別の袋にまとめて一緒に保管する
  7. 周波数を紙に書いて、本体と一緒に入れておく

7番目は、ぜひやってください。停電時に周波数を調べる手段がないためです。

周波数のメモに書くこと

次の内容を書いておけば十分です。

  • NHKラジオ第1の周波数(AMとワイドFMの両方)
  • 地元の民放AM局の周波数(AMとワイドFMの両方)
  • 地元のFM局の周波数
  • コミュニティFMがあれば、その周波数

お住まいの地域の周波数は、各放送局の案内で確認できます。書き終えたら、防水のためにテープなどで保護しておくと安心です。

保管とメンテナンス

買って終わりではありません。定期的な確認が必要です。

乾電池は入れたままにしない

最も多い失敗が、これです。

長期間入れっぱなしにすると、液漏れを起こすことがあります。漏れた液は端子を腐食させ、本体が使えなくなります。

電池は本体から抜き、袋にまとめて一緒に保管してください。

年に一度は動作確認をする

確認する項目は次のとおりです。

確認項目 頻度
電源が入り、放送が受信できるか 年1回
手回しでライトが点くか 年1回
予備の乾電池の使用推奨期限 年1回
内蔵充電池を満充電にし直す 半年に1回
本体に液漏れの跡がないか 年1回

9月1日の防災の日など、日を決めておくと忘れません。

内蔵充電池は消耗品です

充電池には寿命があります。何年も使えば、満充電にしても持続時間が短くなります。

この点も、乾電池を主力に据えるべき理由のひとつです。充電池が弱っても、乾電池があれば使えます。

私がこの機種をどう位置づけているか

私は北海道の札幌に住んでいます。2018年の胆振東部地震では、全道が停電するブラックアウトを経験しました。

あのとき痛感したのは、情報が入らないことの心細さでした。停電でテレビは映らず、スマートフォンの電池も減っていく。そんな状況でした。

数値で選ぶ意味

防災ラジオを選ぶとき、私は数値を重視しています。

「長時間使える」といった表現ではなく、AM受信で約100時間という具体的な数字があること。手回し1分でライト15分という目安があること。

こうした数値があれば、自分の想定に足りるかどうかを判断できます。ICF-B99は、その材料がそろっている機種です。

過度な期待はしない

同時に、限界も知っておくべきです。

手回しでスマートフォンを満充電にはできません。ソーラーで運用をまかなうこともできません。そこを理解したうえで持つなら、非常に頼れる一台です。

防災用品は、できることとできないことを正確に知っておくことが、いちばん大切だと私は考えています。

定番品であることの価値

もうひとつ、この機種を評価している理由があります。長く売られている定番品だということです。

防災グッズの世界には、聞いたことのないメーカーの製品が数多くあります。安価なものも多く、機能表だけ見れば見劣りしません。

しかし、実際に何年も保管したあとで動くかどうかは別の話です。長期間にわたって販売され、評価が積み重なっている製品には、その分の信頼があります。

防災用品は、買ったあと何年も使わないまま保管されます。だからこそ、確実に動くことが何より重要です。

1台目に選ぶなら

防災ラジオを初めて買う方から相談を受けたとき、私はこの種の機種をすすめています。

理由は単純です。何を選べばよいか分からない段階では、機能を絞るより、幅広く対応できるものを持つほうが安全だからです。

使ううちに、自分に必要な機能が見えてきます。2台目はそこから考えれば十分です。

よくある質問

Q. ICF-B99はワイドFMに対応していますか

A. 対応しています。FMの受信範囲は76〜108MHzで、ワイドFMの帯域である90.1〜95MHzを完全にカバーしています。民放AM局の多くが2028年秋までにFM転換を目指しているため、この点は重要です。

Q. 乾電池でどのくらいもちますか

A. アルカリ乾電池2本で、AM受信が約100時間、FM受信が約80時間、LEDライトが約50時間とされています。JEITAの基準による測定値で、気温や使い方によって変わります。1日3時間聴くなら、AMで30日以上の計算です。

Q. 手回しでスマートフォンを充電できますか

A. 充電はできますが、実用的な量ではありません。あるレビューでは3分回して約15mAh程度と報告されています。スマートフォンの容量は4000mAhを超えることも多く、満充電は現実的ではありません。数分だけ起動させる「最後の一手」と考えてください。

Q. 手回しはどのくらいの速さで回すのですか

A. 取扱説明書では1分あたり120回転、つまり1秒に2回転が推奨されています。この速さで1分回すと、LEDライトが約15分使える計算です。ただし想像以上に体力を使うため、長時間は続けられません。

Q. ソーラー充電だけで使えますか

A. 使えません。あるレビューでは、ソーラー1時間が手回し40秒ぶん程度と報告されています。窓辺に置いて少しずつ貯めておく補助的な機能です。主力は乾電池だと考えてください。

Q. 雨の中でも使えますか

A. JIS防水保護等級4(IPX4)相当の防滴なので、あらゆる方向からの水の飛沫には耐えます。ただし水没には対応していません。台風や豪雨のときに屋外で短時間使う、といった用途を想定してください。

Q. ICF-B09とどちらを選ぶべきですか

A. 最大の違いはソーラー充電の有無です。ICF-B99にはあり、ICF-B09にはありません。長期の停電を想定するならICF-B99、価格を抑えたいならICF-B09でも基本性能は十分です。ワイドFM対応も防滴も手回しも、どちらにも備わっています。

Q. 乾電池は入れたまま保管してよいですか

A. 抜いて保管してください。長期間入れっぱなしにすると液漏れを起こし、端子が腐食して本体が使えなくなることがあります。電池は袋にまとめ、本体と一緒に保管するのがおすすめです。

Q. 懐中電灯は別に必要ですか

A. 用意することをおすすめします。ICF-B99のLEDスポットライトは手元を照らす補助的な明かりで、部屋全体を明るくする用途には向きません。ランタンや懐中電灯を別に備えてください。

Q. 内蔵充電池だけでどのくらい使えますか

A. 満充電の状態から、FM受信で約32時間、AM受信で約40時間とされています。乾電池を使う場合より短くなりますが、1日以上は動く計算です。平常時にUSBで満充電にしておいてください。

Q. 車に積んでおいてもよいですか

A. おすすめしません。夏の車内は高温になり、内蔵の充電池を傷めます。乾電池も液漏れしやすくなります。車には別の対策を用意し、この機種は屋内で保管してください。職場の引き出しに置くのは有効です。

Q. AMの入りが悪いときはどうすればよいですか

A. まず本体の向きを変えてみてください。AM用のアンテナは本体内部にあり、向きで感度が変わります。あわせて、テレビやパソコン、電子レンジ、充電器などから離してください。これらはノイズの発生源になります。窓際に置くと入りやすくなります。

Q. 夜のほうが遠くの放送が聴けるのはなぜですか

A. AMの電波が、夜になると上空の層で反射して遠くまで届くためです。日中は聴けない他県の放送が、夜には入ることがあります。地元局が被災して停止した場合、この性質が役に立つ可能性があります。

Q. 高齢の家族に渡しても大丈夫ですか

A. ラジオとしては問題ありませんが、手回しをあてにしないでください。1秒2回転を続けるには握力と腕の力が必要です。高齢の方に渡す場合は、乾電池を十分に備えておく運用をおすすめします。

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まとめ

ソニーICF-B99について、要点を整理します。

  • 電源は手回し・ソーラー・乾電池・USBの4系統
  • アルカリ乾電池2本でAM約100時間、FM約80時間、ライト約50時間
  • 手回しは1分あたり120回転が推奨。1分でライト約15分
  • 手回しでスマートフォンを満充電にするのは現実的でない
  • ソーラーは1時間で手回し40秒ぶん程度。補助と考える
  • 内蔵充電池のみならFM約32時間、AM約40時間
  • FM 76〜108MHzでワイドFMに完全対応
  • IPX4相当の防滴。非常用ブザーとLEDライトを搭載
  • ICF-B09との違いはソーラー充電の有無
  • 乾電池は抜いて保管し、年に一度は動作確認をする

この機種の価値は、電源の心配をしなくてよいことにあります。

乾電池で4日以上、それが尽きても手回しがあり、日中はソーラーが少しずつ助けてくれる。この重ね方が、長期の停電で効いてきます。

もし購入されたら、しまい込む前にひとつだけやってください。実際に電源を入れて、地元の放送を受信してみることです。それだけで、いざというときの安心感がまったく違ってきます。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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