凍ったフロントガラスにお湯はいけない|割れる理由と、前夜1分で終わる対策

凍ったフロントガラスにお湯はいけない|割れる理由と、前夜1分で終わる対策

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【この記事の要約】
凍ったフロントガラスに、お湯をかけないでください。ガラスが割れます。これが、この記事でいちばん伝えたいことです。冷えきったガラスに熱い湯をかけると、急激な温度差でガラスに大きな力がかかり、ひび割れることがあります。とくに、すでに小さな傷や欠けがある場合は危険です。そして割れなかったとしても、かけた湯はすぐに凍ります。ガラスの表面も、ワイパーの根元も、ドアの周りも。結果として、作業前より状況が悪くなります。では、どうするか。方法は3つあります。解氷スプレーを使う、車のデフロスターで内側から溶かす、スクレーパーで削る。このうち、いちばん速いのは解氷スプレーです。そして、いちばん確実な対策は前の晩にあります。ワイパーを立てておく、フロントガラスにカバーやシートをかけておく。凍らせなければ、朝に溶かす必要がありません。朝の5分は、前夜の1分で買えます。この記事では、その具体的なやり方を書きます。

冬の朝、車に乗ろうとしたらフロントガラスが真っ白。

出勤の時間は迫っている。そこで、多くの人が同じことを考えます。私も、かつてそう思いました。

「お湯をかければ、すぐ溶けるのではないか」

やめてください。ガラスが割れます。

私は札幌に住んでいて、防災士として活動しています。冬のあいだ、この作業を毎朝しています。

だからこそ、確実で早い方法と、やってはいけないことを整理して書きます。知っていれば、朝の数分が変わります。

目次

結論|お湯は絶対にやめてください

先に結論です。

凍ったフロントガラスに、熱い湯をかけないでください。急激な温度差でガラスが割れることがあります。そして、かけた湯はすぐに凍ります。状況は、かける前より悪くなります。

これは、毎年どこかで起きている失敗です。そして、費用のかかる失敗です。

なぜ割れるのか

ガラスは、急な温度変化に弱い素材です。

冷えきったガラスの一部分だけが急に熱せられると、その部分だけが膨張しようとします。

周りは冷たいままなので、膨張できません。その結果、ガラスの内部に強い力がかかります。

そしてすでに小さな傷や欠けがあれば、そこを起点にひびが走ります。

飛び石の小さな傷は、多くの車にあります。普段は問題にならなくても、この場面では弱点になります。

割れなくても、状況は悪化します

これが、もうひとつの問題です。

気温が氷点下であれば、かけた湯はすぐに冷えます。そして凍ります。

しかも、もとの霜より厚く、硬い氷になります。

湯をかけた場所 起きること
ガラス表面 溶けた水が、より厚い氷になります
ワイパーの根元 凍りついて、ワイパーが動かなくなります
ドアの周り ゴムが凍りつき、ドアが開かなくなります
鍵穴 凍結して、鍵が回らなくなります
ボディの塗装 急な温度差は、塗装にもよくありません

ワイパーの根元が凍ると、深刻です。

無理にワイパーを動かすと、モーターに負担がかかり、故障の原因になります。ゴムが切れることもあります。

ぬるま湯なら、いいのでしょうか

おすすめしません。

割れる危険は下がりますが、凍るという問題は残ります。

そして「ぬるま湯」の温度は、人によって違います。熱いと感じない程度でも、氷点下のガラスにとっては大きな温度差です。

水をかけるという方法自体を、やめるほうが確実です。ほかに、もっと速い方法があります。

正しい方法は、3つあります

①解氷スプレー

いちばん速い方法です。

カー用品店やホームセンターで売られています。凍った部分に吹きかけると、氷が溶けます。

項目 内容
長所 速い。数十秒で視界が開けます
短所 消耗品なので、なくなります
置き場所 車内に。外に置くと自分が凍ります
注意 製品の使用方法に従ってください

置き場所には注意が必要です。

玄関や物置に置いておくと、いざ使いたいときに取りに戻ることになります。車内に常備してください。

そして、冬が始まる前に買っておいてください。寒くなってからでは、売り切れていることがあります。

②デフロスターで、内側から溶かす

車のエアコンには、フロントガラスの曇りを取る機能があります。

扇形のマークに、波線が3本入ったボタンです。これがデフロスターです。

エンジンをかけて、この機能を使うと、内側からガラスが温まり、外側の氷も少しずつ溶けます。

項目 内容
長所 追加の道具が要りません
短所 時間がかかります。数分から十数分
注意 マフラーが雪でふさがれていないか確認してください

エンジンをかける前に、必ずマフラーの周りを確認してください。雪でふさがれていると、排気ガスが車内に入り、一酸化炭素中毒の危険があります。一酸化炭素は無色無臭で、気づけません。

詳しくは雪で車が埋まると一酸化炭素中毒にに書きました。

③スクレーパーで削る

樹脂製のヘラで、氷を削り落とす方法です。

数百円で買えます。電気も燃料も使いません。

項目 内容
長所 安い。確実に落とせます
短所 力が要ります。厚い氷は大変です
注意 金属製のものでガラスをこすらないでください

金属のヘラや、硬いものでこすると、ガラスに傷がつきます。

そして傷は、次にお湯をかけたときの弱点になります。車用の樹脂製スクレーパーを使ってください。

組み合わせるのが、いちばん速い

実際には、3つを組み合わせるのが効率的です。

順番 やること
1 マフラーの周りを確認する
2 エンジンをかけて、デフロスターを入れる
3 その間に、解氷スプレーを吹く
4 ゆるんだ氷を、スクレーパーで落とす
5 ライトとナンバー、屋根の雪も落とす

内側から温めながら、外側から溶かす。これが、いちばん速く終わります。

いちばん確実なのは、前の晩の対策です

ここが、この記事の本題かもしれません。

凍らせなければ、溶かす必要がありません。

ワイパーを立てておく

これは、費用0円でできます。

ワイパーをガラスから離して立てておけば、ゴムがガラスに凍りつきません。

凍りついたワイパーを無理に動かすと、ゴムが裂けたり、モーターに負担がかかったりします。

そしてワイパーを立てておくと、その下の部分に氷ができにくくなります。翌朝の作業が少し楽になります。

フロントガラスにカバーをかける

これがいちばん効果的です。

専用のカバーが売られていますが、大きめのシートやレジャーシートでも代用できます。

朝は、そのカバーをはがすだけ。氷を溶かす作業が、まるごとなくなります。

やり方 ポイント
ガラス全体を覆う すき間があると、そこだけ凍ります
ドアに挟んで固定する 風で飛ばないように
雪が積もっても大丈夫 雪ごとはがせます
朝、たたんで積む 濡れているので、袋に入れて

「雪ごとはがせる」のが、大きな利点です。

カバーの上に雪が積もっても、めくれば雪も一緒に落ちます。ガラスに直接積もった雪を落とすより、はるかに楽です。

駐車の向きを変える

これも、費用0円です。

可能なら、フロントガラスが朝日の当たる向きに停めてください。日が昇れば、自然に溶けます。

そして建物の陰や、北向きは避けてください。日中も溶けず、氷が残り続けます。

屋根のある場所に停められるなら、それがいちばんです。霜も雪も、ほとんど付きません。

時間の余裕が、いちばんの装備です

道具の話を書いてきましたが、もうひとつ必要なものがあります。時間です。

冬は、家を出る時間を早める

雪の降る地域では、冬のあいだ支度の時間を10分ほど足すのが普通です。

ガラスの氷を落とし、屋根の雪を落とし、そして雪道をゆっくり走る。その全部に、いつもより時間がかかります。

この余裕がないと、何が起きるか。

急ぐと 起きること
お湯をかける ガラスが割れる。凍り直す
視界が不十分なまま発進 歩行者や対向車が見えません
屋根の雪を落とさない ブレーキで前に落ち、視界がゼロに
速度を出す 凍結路では止まれません
あわてて歩く 駐車場で転倒します

失敗のほとんどは、急いでいるときに起きます。

10分早く起きるのが、いちばん安い対策

解氷スプレーもスクレーパーもカバーも、お金がかかります。時間の余裕は、無料です。

そして、いちばん効果があります。

冬のあいだだけ、目覚ましを10分早くする。これだけで、この記事に書いた失敗の多くは起きません。

内側が曇る、という別の問題

外側の氷を落としても、内側が曇っていては前が見えません。

なぜ曇るのか

車内の湿った空気が、冷たいガラスに触れて水になるためです。

人が乗れば、呼吸で湿気が増えます。雪のついた靴や傘を持ち込めば、さらに増えます。

対処

やること 説明
デフロスターを使う これが基本です
エアコンを入れる 除湿されるので、曇りが取れやすくなります
外気導入にする 内気循環のままだと、湿気がこもります
窓を少し開ける 湿った空気を逃がします
雪を車内に持ち込まない 足元の雪を落としてから乗る

「外気導入にする」は、意外に知られていません。

寒いので内気循環にしがちですが、それだと車内の湿気が逃げません。曇りが取れないときは、切り替えてみてください。

解氷スプレーの、使い方の要点

いちばん速い方法なので、少し詳しく書きます。ただし、使用方法は必ず製品の表示に従ってください。

厚い氷には、時間がかかります

薄い霜なら、吹いた瞬間に溶けます。

しかし厚く凍っている場合は、一度で落ちきらないことがあります。その場合は、スクレーパーと組み合わせてください。

吹いて、少し待って、削る。この順番が効率的です。

ワイパーの根元にも吹く

ここを忘れると、ワイパーが動きません。

ガラスの視界だけ確保しても、走行中に雪や泥はねを拭えなければ、すぐに前が見えなくなります。

そして凍りついたワイパーを無理に動かすと、ゴムが裂けたり、モーターを傷めたりします。

使い切りに注意

1本で、何回使えるかを把握しておいてください。

毎朝使えば、あっという間になくなります。いざというときに空だった、というのがいちばん困ります。

雪の多い地域なら、予備を1本持っておくことをおすすめします。

ボディにかかっても大丈夫か

製品によって、使用できる部位が定められています。

塗装面やゴム部品への影響については、必ず製品の注意書きを確認してください。

この記事で、個別の製品についての判断はできません。

ガラス以外にも、凍る場所があります

フロントガラスだけではありません。

場所 起きること 対策
ドアのゴム 凍りついて開かない 無理に引くとゴムが裂けます
鍵穴 凍って回らない 解氷剤を使う
サイドミラー 凍って動かない・見えない 電動格納は無理に動かさない
ワイパーのゴム ガラスに貼りつく 前夜に立てておく
ウォッシャー液 凍って出ない 冬用のものに替えておく
サイドブレーキ 凍って解除できないことがある 車種ごとの説明書を確認

ウォッシャー液は、意外な落とし穴です。

凍ってしまうと、汚れたガラスを洗えません。冬の道路は融雪剤や泥ではねが多く、視界が急に悪くなります。

冬になる前に、寒冷地用のウォッシャー液に替えておいてください。

ドアが開かないとき

力任せに引かないでください。ゴムが裂けます。

ドアの縁を手のひらで軽く押して、氷を割るという方法があります。ただし、車を傷めないよう注意してください。

そして別のドアから乗れないかを、先に試してください。運転席が開かなくても、後部座席が開くことがあります。中から運転席のドアを押せば、開くこともあります。

霜と氷は、少し違います

同じ「凍っている」でも、状態によって落としやすさが変わります。

状態 できかた 落としやすさ
霜 空気中の水蒸気が、冷えたガラスで直接氷になったもの 比較的落としやすい
凍った雨・みぞれ ガラスに付いた水が凍ったもの 硬く、厚くなります
踏み固められた雪の再凍結 溶けて凍るを繰り返したもの もっとも手強い

霜は、晴れて風のない夜にできます。

地面や車の表面から熱が逃げて、空気中の水蒸気がそこで氷になる。これが霜です。

ですから「今夜は晴れて風が弱い」という予報を見たら、翌朝は霜が降りると考えてください。

仕組みは放射冷却とは?晴れた朝ほど冷える3つの条件に書きました。

雨のあとが、いちばん厄介です

夕方に雨が降り、夜に冷え込む。この組み合わせが、もっとも硬い氷を作ります。

ガラス全体が水で覆われた状態で凍るので、厚く、均一で、削りにくい氷になります。

こういう日は、前夜のカバーがとくに効きます。

時間がないときの、優先順位

朝、どうしても急いでいる場合もあると思います。そのときの順番を決めておきます。

順位 やること 理由
1 マフラーの周りの雪 命に関わります。最優先です
2 フロントガラス全面 覗き穴では走れません
3 屋根の雪 ブレーキで前に落ちて、視界がゼロになります
4 ライトとナンバー 相手から見えません
5 サイドミラー 後ろが見えません
6 リアガラス 熱線があれば、走りながら溶けます

1番目を飛ばさないでください。駐車中に雪が積もった場合、マフラーがふさがれていることがあります。

そして2番目の「全面」も、譲らないでください。一部だけ拭いて覗き穴のようにして走る車を、毎年見かけます。

横断歩道の歩行者、左右から来る車、路面の状態。見えていない部分に、危険があります。

朝の時間を、どう見積もるか

実務的な話をします。

状況 かかる時間の目安
カバーをかけていた 1分。はがすだけです
薄い霜、解氷スプレーあり 数分
厚い氷、スクレーパーのみ 10分以上かかることも
雪が積もっている 屋根の雪も落とすので、さらに時間が要ります

前夜のカバー1枚で、朝の10分が1分になります。

そして時間に余裕があることが、安全につながります。

急いでいると、視界が完全に確保できていないのに発進してしまいます。覗き穴のようにして走る車を、毎年見かけます。

屋根の雪も、必ず落としてください

これは、周りの車のためでもあります。

屋根に雪を乗せたまま走ると、ブレーキをかけた瞬間に前へ落ちて、視界がゼロになります。

そして走行中に後ろへ飛べば、後続車の視界を奪います。

ライトとナンバープレートの雪も落としてください。相手から見えなければ、事故につながります。

凍らせないための、置き方の工夫

前夜の対策を、もう少し具体的に書きます。

屋根のある場所が、いちばん

カーポートや車庫があるなら、それが最善です。

霜は、空へ熱が逃げることでできます。屋根があれば、その熱の逃げ道がふさがれます。

ただしカーポートは、雪の重みや風で壊れることがあります。大雪や暴風の予報が出ているときは、車を別の場所へ移すことも考えてください。

屋根がない場合

工夫 効果
建物の南側に停める 朝日が当たり、自然に溶けます
建物のそばに寄せる 壁からの放射で、少し冷えにくくなります
木の下を避ける 枝から雪が落ちます。折れることもあります
吹きだまりになる場所を避ける 建物の風下は、雪が深くたまります
道路側を避ける 除雪車が寄せた雪で埋まります

「吹きだまりになる場所を避ける」は、雪の多い地域では重要です。

風の通り道や、建物の角。そこは雪が深くたまります。朝、車が雪に埋まっていることになります。

除雪車の雪に注意

道路に面した場所に停めていると、除雪車が寄せた雪で埋まることがあります。

これは硬く締まった雪なので、スコップでも簡単には動きません。

雪の多い地域では、道路から少し離して停めるのが基本になります。

凍結を防ぐ、そのほかの備え

ガラス以外にも、前もってできることがあります。

やること いつ 費用
ウォッシャー液を冬用に替える 11月まで 数百円から
ワイパーのゴムを点検する シーズン前 交換なら数千円
鍵穴用の解氷剤を用意する シーズン前 数百円
バッテリーを点検する 冬は上がりやすくなります 点検は無料の店も
スクレーパーを積む いま 数百円

鍵穴用の解氷剤は、盲点です。

電子キーの車が増えましたが、電池切れのときは物理キーを使うことになります。そのとき鍵穴が凍っていると、車に乗れません。

そして解氷剤を車内に置いていたら、意味がありません。鍵穴用のものだけは、家に置いてください。

北海道から見ていて、思うこと

札幌では、冬のあいだ毎朝この作業をします。

だから、みんな道具を持っています。スクレーパーは車に常備、解氷スプレーも積んである。カバーをかけている人も多い。

そして時間を見込んで起きます。冬は、朝の支度に10分足す。それが当たり前になっています。

雪の少ない地域で問題になるのは、この「見込み」がないことだと思います。

年に数回しかないので、道具もなければ、時間の余裕も見ていない。そして急いで、お湯をかけてしまう。

お湯をかけるという発想は、他に方法を知らないから出てくるものです。

スクレーパー1本と、解氷スプレー1本。合わせて千円ほどです。これがあるだけで、その発想は出てきません。

なぜ、みんなお湯をかけてしまうのか

この失敗が繰り返される理由を、考えてみました。

①効きそうに見えるから

氷にお湯をかければ溶ける。これは事実です。

実際、かけた瞬間は溶けます。その一瞬だけを見れば、成功したように見えるのです。

問題が現れるのは、そのあとです。凍り直すこと、そして割れることは、少し遅れてやってきます。

②他の方法を知らないから

これがいちばん大きいと思います。

スクレーパーの存在を知らない。解氷スプレーがあることを知らない。デフロスターというボタンが何なのか分からない。

手元にあるのは、台所のお湯だけ。だから、それを使うことになります。

③急いでいるから

時間があれば、人は無理をしません。

出発時刻が迫っているから、いちばん速そうな方法を選ぶ。そして、いちばん速そうに見えるのがお湯なのです。

ですから対策は2つになります。道具を用意することと、時間に余裕を作ることです。

年に数回だから、備えない

雪の少ない地域では、この作業は年に数回です。

だから道具を買うほどでもない、と考えてしまう。そして毎年、同じことを繰り返します。

けれど、スクレーパーは数百円で、何年も使えます。1回あたりの費用で考えれば、ごくわずかです。

そしてガラスを1枚割れば、その何百倍もかかります。

よくある質問

Q. 水(常温)ならいいですか?

おすすめしません。

割れる危険は下がりますが、かけた水は凍ります。そして、もとの霜より厚い氷になります。

ワイパーの根元やドアの周りに流れ込めば、そこも凍りつきます。

Q. エンジンをかけたまま離れてもいいですか?

おすすめしません。

防犯上の理由もありますが、マフラーが雪でふさがれた場合の危険があります。

そして地域によっては、アイドリングについての条例が定められている場合があります。お住まいの自治体の決まりをご確認ください。

Q. 解氷スプレーは、どこに置けばいいですか?

車内です。

玄関や物置に置いておくと、使いたいときに取りに戻ることになります。

ただし、製品によっては保管温度の指定があります。使用方法と保管方法は、製品の表示に従ってください。

Q. お湯をかけて、割れなかったので大丈夫では?

たまたま割れなかっただけです。

ガラスに傷がなく、温度差がそれほど大きくなければ、割れないこともあります。

しかし次も同じとは限りません。そして、ガラスの内部には目に見えない負担が残っている可能性があります。

割れたときの費用を考えれば、数百円の道具を買うほうがはるかに安く済みます。

Q. カバーは、雪が積もっても使えますか?

使えます。むしろ、そこが利点です。

カバーの上に雪が積もっても、めくれば雪も一緒に落ちます。

ただし、大雪のあとは、カバーごと重くなります。雪を少し落としてから、はがしてください。

Q. フロントガラス以外も、カバーしたほうがいいですか?

フロントガラスだけでも、朝の作業は大きく減ります。

ただしサイドミラーとリアガラスも、視界に必要です。時間があるときは、そちらも確認してください。

とくにサイドミラーは、凍ったまま出発すると、後ろが見えません。

Q. 走りながら溶かせばいいのでは?

視界が確保できていない状態で走ることは、非常に危険です。

デフロスターで溶けるまでには時間がかかります。その間、前が見えないまま走ることになります。

そして道路交通法では、視界を妨げる状態での運転が問題になる場合があります。

止まった状態で、視界を確保してから発進してください。

Q. 新聞紙をかけておく方法を聞きました

カバーの代用として使われることがある方法です。

ただし、新聞紙は雨や雪で濡れると破れます。そして濡れたまま凍ると、はがすときに紙がガラスに残ります。

使うのであれば、その上からビニールなどで覆うほうが実用的だと思います。

専用のカバーであれば、繰り返し使えて、結果的に手間も費用も少なくて済みます。

Q. ワイパーを立てたまま、走り出してしまいそうです

実際に起きる失敗です。

立てたワイパーは、視界に入ります。乗り込むときに気づけることが多いのですが、急いでいると見落とします。

心配であれば、カバーをかける方法に切り替えてください。カバーをはがす作業のなかで、必ずワイパーに触れることになります。

Q. カバーをかけるのを忘れた朝は、どうすればいいですか?

あわてないことが、いちばんです。

まずマフラーの周りを確認して、エンジンをかけ、デフロスターを入れてください。その間に、解氷スプレーとスクレーパーで外側を落とします。

そしてその日は、少し遅れると割り切ってください。間に合わせようとして視界不十分で発進するほうが、はるかに大きな損失につながります。

職場や学校には、「雪で遅れる」と早めに連絡を入れるほうが、あわてて走るより確実です。

Q. 集合住宅の駐車場では、どうすればいいですか?

基本は同じです。カバーとワイパー立てが有効です。

ただし、共用部分の使い方については、管理規約や管理会社の方針に従ってください。

また、屋外での作業になるため、解氷スプレーやスクレーパーを車内に置いておくことがより重要になります。取りに戻る距離が長いからです。

Q. 電気式のヒーター付きワイパーやガラスがあると聞きました

そうした装備を備えた車種もあります。

リアガラスの熱線は多くの車にありますが、フロントガラスやワイパーの根元を温める機能は、車種によって有無が分かれます。

お乗りの車に付いているかどうかは、取扱説明書でご確認ください。付いているのに使っていない、という方もいます。

Q. 冬用ワイパーというものがありますか?

雪や氷が付きにくい構造のワイパーが市販されています。

雪の多い地域では、これに替える方が多くいます。通常のワイパーは、骨組みの部分に雪が付いてガラスに密着しなくなることがあるためです。

適合や交換時期については、製品の表示と、お乗りの車の取扱説明書をご確認ください。

Q. 毎朝この作業をするのが、負担です

だからこそ、前夜のカバーです。

毎朝10分かかる作業が、1分になります。ひと冬で計算すると、大きな差になります。

そして寒いなかで長時間の作業をすること自体が、体への負担になります。手はかじかみ、体は冷えます。

とくに高齢の方にとっては、この作業の負担を減らすこと自体が対策になります。

まとめ|前夜の1分で、朝の10分が消えます

要点 内容
やってはいけない お湯をかける。ガラスが割れます
割れなくても かけた水が凍り、状況が悪化します
正しい方法 解氷スプレー/デフロスター/スクレーパー
最速の対策 前夜にカバーをかける。朝は1分
費用0円の対策 ワイパーを立てる。駐車の向きを変える
忘れがち ウォッシャー液を冬用に替えておく
安全のため 屋根の雪・ライト・ナンバーも落とす

今日できることを、ひとつ挙げます。

スクレーパーを1本、車に積んでください。数百円です。

そして、解氷スプレーがあればなお良い。合わせて千円ほどで、冬の朝の困りごとはほぼ解決します。

道具がないと、人はお湯をかけます。それは、他に方法を知らないからです。

逆に言えば、道具を積んでおくだけで、その失敗は起きません。

雪が降る前の、いまのうちに用意しておいてください。

そして、前の晩にカバーをかける習慣をつけてください。これがいちばん効きます。

寒い朝に、冷たいガラスを削る時間。それが1分で終わるかどうかは、前の晩の自分にかかっています。

【この記事について】
この記事は、冬の朝に車のガラスが凍った場合の一般的な対処法を整理したものです。解氷スプレーをはじめとする製品の使用方法・保管方法・適合については、必ず製品の表示と取扱説明書に従ってください。また、デフロスターの操作方法、サイドブレーキの取り扱い、電動格納ミラーの扱いなどは車種によって異なります。お乗りの車の取扱説明書をご確認ください。アイドリングについては、自治体によって条例が定められている場合があります。エンジンをかける際は、マフラーの周りが雪でふさがれていないことを必ず確認してください。一酸化炭素中毒の危険があります。

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9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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