【この記事の要約】
自宅の近くに活断層があるかどうかは、無料で調べられます。使うのは公的機関が公開している2つのしくみです。ひとつは防災科研の「J-SHIS」で、住所を入れると揺れやすさや30年以内に強く揺れる確率が地図で分かります。もうひとつは産総研の「活断層データベース」で、長さ10キロ以上の活断層の位置と性質を収録しています。ただし、調べて終わりでは意味がありません。大切なのは結果を備えに変えることです。そして知っておいていただきたいのは、活断層がないから安全とは言えないという点です。理由も含めて、調べ方から行動までを順に説明します。
結論:無料で調べられます。ただし結果の読み方に注意が必要です
先に結論をお伝えします。
自宅周辺の活断層は、次の2つのしくみで調べられます。どちらも公的機関が運営しており、無料です。
| 名称 | 運営 | 分かること |
|---|---|---|
| J-SHIS 地震ハザードステーション | 防災科学技術研究所 | 揺れやすさ、30年以内に強く揺れる確率、液状化の履歴 |
| 活断層データベース | 産業技術総合研究所 | 長さ10キロ以上の活断層の位置と性質 |
ただし、結果の読み方には注意が必要です。
最も重要な注意点を先に述べます。近くに活断層がなくても、安全とは言えません。
理由は3つあります。まだ見つかっていない断層があること。海溝型の地震は活断層と無関係に起きること。そして揺れの大きさは地盤の性質にも左右されることです。
調べる目的は「安心するため」ではなく、「備えの優先順位を決めるため」だと考えてください。
活断層とは何か
調べる前に、最低限の理解を整理しておきます。難しい話はしませんので、身構えずに読み進めてください。
断層とは、地層がずれた場所のことです。地下の岩盤に力がかかり、耐えきれなくなって割れた跡だと考えてください。
このうち、比較的新しい時代に繰り返し動いてきて、今後も動く可能性があるものが活断層と呼ばれます。
なぜ「繰り返し」が重要なのか
ここが、活断層を理解するうえでの鍵になります。
活断層は、一度動いて終わりではありません。長い年月をかけて力がたまり、限界に達すると再び動きます。
この繰り返しの間隔は、断層によって異なります。千年程度のものもあれば、数万年に一度というものもあります。
過去に何度動いたか、前回いつ動いたか。これが分かれば、次の可能性を推定できます。公的機関が発表している確率は、こうした調査にもとづいています。
直下で起きる地震の怖さ
活断層による地震は、震源が浅いという特徴があります。
浅いところで起きれば、真上の地域は激しく揺れます。マグニチュードがそれほど大きくなくても、局地的に大きな被害が出ます。
地震の仕組みそのものは地震の仕組みとメカニズムをわかりやすく解説【プレート・断層・震度・マグニチュード】で詳しく扱っています。
調べ方その1:J-SHIS を使う
まずはこちらから始めてください。地図上で直感的に確認できるため、専門知識がなくても読み取れます。
私が最初にすすめるのも、いつもこのしくみです。
J-SHISは、防災科学技術研究所が運営する地震ハザードステーションです。
手順
- J-SHISのサイトを開く
- 地図上で自宅の場所を探す、または住所を入力する
- 表示する情報の種類を切り替える
- 気になる地点をクリックして詳細を見る
スマートフォンからでも使えますが、地図を細かく動かすため、パソコンのほうが扱いやすいと思います。
見ておきたい4つの情報
| 情報 | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| 30年以内に震度6弱以上となる確率 | 強い揺れに見舞われる可能性 | 数値が高いほど注意が必要 |
| 表層地盤の増幅率 | 地盤がどれだけ揺れを大きくするか | 数値が大きいほど揺れやすい |
| 主要活断層帯の位置 | 調査が進んでいる断層の場所 | 線として表示される |
| 液状化の履歴 | 過去に液状化が起きた場所 | 埋立地や旧河道で該当しやすい |
私が特に見ていただきたいのが、2番目の表層地盤の増幅率です。
地盤の増幅率が重要な理由
同じ地震でも、場所によって揺れの大きさは変わります。
やわらかい地盤の上では、揺れが大きくなります。埋立地、旧河道、谷を埋めた造成地などが該当します。
逆に、硬い岩盤の上では揺れが小さくなります。
この差は、数百メートル離れただけで生じることがあります。だから、市区町村単位ではなく、自宅の地点で確認する意味があるのです。
地震ハザードカルテ
J-SHISには、指定した地点の情報をまとめて表示するしくみがあります。
地図を読むのが苦手な方は、こちらのほうが分かりやすいかもしれません。数値が一覧で示されます。
調べ方その2:活断層データベースを使う
J-SHISで大まかな状況をつかんだあと、より詳しく知りたい場合に使うのがこちらです。
産業技術総合研究所が公開しているデータベースで、長さ10キロ以上の活断層が収録されています。
分かること
- 断層の名称と位置
- 断層の長さ
- ずれの向き(縦か横か)
- 過去の活動時期
- 平均的な活動間隔
- 想定される地震の規模
- 調査に使われた文献
専門的な内容も含まれますが、名称と位置を確認するだけでも意味があります。
使いこなす必要はありません
正直に申し上げると、このデータベースは研究者向けの色合いが濃いものです。
一般の方が最初から使いこなす必要はありません。J-SHISで地図を見て、気になる断層の名前が分かったら、その名前で詳細を調べる。この使い方で十分です。
地震本部の長期評価も見ておく
地震調査研究推進本部、通称「地震本部」が、主要な活断層について長期評価を公表しています。
ここでは、今後30年以内に地震が発生する確率が断層ごとに示されています。
地震本部の役割は地震本部とは?阪神・淡路大震災を機に生まれた組織の役割と予測地図の見方で解説しています。
結果をどう読むか
ここからが本題です。数値を見て、それをどう受け止めるかという話に入ります。誤解しやすい部分でもあります。
確率が低くても安心できません
活断層の地震発生確率は、多くの場合それほど高い数値になりません。数パーセント以下ということも珍しくありません。
しかし、これは「起きにくい」という意味ではありません。
活断層の活動間隔は千年から数万年です。その尺度で見れば、30年という期間は非常に短いのです。だから確率は小さく出ます。
数パーセントという数値は、地震の世界では決して低くありません。この点を誤解しないでください。
活断層がなくても地震は起きます
最も強調したい点です。
理由を3つ挙げます。
ひとつ目は、見つかっていない断層があることです。地表に痕跡が残らない断層は、調査で発見できません。過去の被害地震のなかには、事前に知られていなかった断層で起きたものがあります。
ふたつ目は、海溝型の地震です。プレートの境界で起きる地震は、活断層とは別のしくみです。南海トラフや日本海溝の地震がこれにあたります。
みっつ目は、揺れは離れた場所にも届くことです。震源が遠くても、地盤がやわらかければ大きく揺れます。
つまり、地図に線が引かれていないことは、安全の証明にはならないのです。
逆に、近くにあった場合
不安になるかもしれませんが、冷静に受け止めてください。
日本の陸地には、確認されているだけで多数の活断層があります。まったく影響を受けない地域を探すほうが難しいのが実情です。
大切なのは、その事実をもとに備えの優先順位を上げることです。引っ越しを検討する必要はありません。
調べた結果を備えに変える
ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。
調べただけでは、何も変わりません。結果に応じて行動を変えて、はじめて意味を持ちます。
優先順位1:家具の固定
揺れやすい地盤、あるいは近くに活断層があると分かったなら、まずここです。
地震で亡くなる原因の多くは、建物の倒壊と家具の転倒によるものです。家具の固定は、費用も手間も小さいわりに効果が大きい対策です。
寝室から始めてください。就寝中は身を守る動作ができないためです。
方法は突っ張り棒で地震対策【2026年最新版】家具転倒防止の選び方・取り付け方・おすすめ商品を徹底解説にまとめています。
優先順位2:住まいの耐震性
建てられた年代を確認してください。
建築基準法の耐震基準は、これまでに大きく改定されています。古い基準で建てられた建物は、現行基準を満たしていない可能性があります。
多くの自治体が、耐震診断や改修への補助を行っています。該当しそうなら、窓口に相談してみてください。
優先順位3:ハザードマップとの重ね合わせ
地震だけを見ていては不十分です。
自宅が浸水想定区域にあるか、土砂災害の警戒区域にあるか。これらもあわせて確認してください。
災害は組み合わせで起きます。地震で建物が傷んだところに大雨が来る、という事態もありえます。
ハザードマップの読み方は【2026年版】ハザードマップの見方・読み方を徹底解説|色の意味・使い方までで扱っています。
優先順位4:備蓄と避難の確認
ここまで済んだら、備蓄と避難経路です。
この順番には理由があります。備蓄は生き延びたあとに必要になるものです。まず、生き延びるための対策を先に行ってください。
地名からも手がかりが得られます
地図や数値のほかに、身近な手がかりもあります。地名です。
土地の成り立ちが、地名に残っていることがあります。
| 地名に含まれる字 | 示唆される地形 |
|---|---|
| 沼、池、津、江、浦 | かつて水があった土地 |
| 谷、久保、窪 | 低地。谷を埋めた造成地の可能性 |
| 川、河、瀬、州 | 旧河道や砂州 |
| 島、渡、橋 | 水辺だった可能性 |
| 台、丘、山、原 | 比較的高い土地 |
ただし、これはあくまで参考です。
地名だけで判断しないでください
理由は2つあります。
ひとつは、地名が変更されている場合があることです。造成に伴って、印象の良い新しい地名が付けられることがあります。
もうひとつは、字の由来が地形と無関係な場合もあることです。人名や伝承に由来する地名もあります。
あくまでJ-SHISの数値を主とし、地名は補助的な手がかりとして扱ってください。
古い地図を見る方法もあります
国土地理院が、過去の地形図や空中写真を公開しています。
造成前の姿を見れば、そこが谷だったのか、田んぼだったのか、川が流れていたのかが分かります。
やわらかい地盤かどうかを判断する材料として、こちらのほうが地名より確実です。
建物の年代で分かること
地盤と並んで重要なのが、建物そのものです。
どれだけ揺れやすい場所でも、建物が丈夫なら被害は抑えられます。逆も同じです。
耐震基準は改定されてきました
日本の耐震基準は、大きな地震のたびに見直されてきました。
特に1981年に大きな改定があり、それ以前と以後では想定している揺れの強さが異なります。さらに2000年にも木造住宅に関する改定がありました。
ご自宅がいつ建てられたかを確認してください。登記簿や売買契約書、賃貸なら重要事項説明書に記載があります。
古い建物でも対策できます
古い基準の建物にお住まいでも、悲観する必要はありません。
耐震診断を受け、必要な補強を行えば、安全性は大きく高まります。多くの自治体が、診断と改修の費用を補助しています。
補助の内容は自治体ごとに違うため、まずは窓口に問い合わせてみてください。
部分的な補強という選択
建物全体の改修が難しい場合、部分的な方法もあります。
- 寝室だけを補強する
- 耐震シェルターを室内に設置する
- 頑丈なベッドや机で就寝場所を守る
全部が無理なら、寝ている場所だけでも守る。この考え方は現実的で、実際に命を守ります。
家族や地域と共有する
調べた結果は、自分だけで持っていても効果が限られます。
家族に伝える
「うちは地盤がやわらかいらしい」という一言でも、家族の意識は変わります。
特に、家具の固定に協力してもらう際には、理由が伝わっているほうがスムーズです。
賃貸なら大家や管理会社に
耐震性に不安がある場合、確認する権利があります。建物の建築年や耐震診断の有無を聞いてみてください。
これから引っ越す場合は、物件を選ぶ段階でJ-SHISを見ておくことをおすすめします。
地域の防災活動で使う
町内会や自主防災組織の活動で、地域の地盤の特徴を共有するのは有効です。
「この地区は液状化の履歴がある」といった情報が共有されていれば、訓練の内容も変わってきます。
地域で見ると対策が変わります
個人でできることには限りがあります。しかし地域で取り組めば、幅が広がります。
- 倒れそうなブロック塀の所有者に声をかける
- 避難経路上の危険箇所を洗い出す
- 液状化しやすい区域の住民に注意を促す
- 木造密集地域では、初期消火の体制を整える
1番目は特に重要です。ブロック塀の倒壊は、過去の地震で繰り返し人命を奪ってきました。通学路にあるなら、なおさらです。
自治体の窓口も活用してください
多くの自治体が、地域の防災活動を支援しています。専門家の派遣、資機材の貸し出し、講座の開催などです。
調べた情報をもとに相談すれば、より具体的な助言が得られます。「うちの地区は増幅率が高い」という材料があると、話が早く進みます。
活断層の地震と海溝型の地震はどう違うか
ここを分けて理解しておくと、備えの考え方が整理されます。
| 比較 | 活断層型(内陸型) | 海溝型 |
|---|---|---|
| 起きる場所 | 陸地の地下 | 海底のプレート境界 |
| 震源の深さ | 浅い | 比較的深いことが多い |
| 規模 | 海溝型より小さいことが多い | 非常に大きくなりうる |
| 揺れの範囲 | 局地的だが激しい | 広範囲に及ぶ |
| 発生の間隔 | 千年〜数万年 | 数十年〜数百年 |
| 津波 | 基本的に伴わない | 伴うことが多い |
| 猶予時間 | ほぼない | 津波までに時間がある場合も |
この違いは、備えの内容に直結します。
活断層型で重要になること
震源が近く浅いため、緊急地震速報が間に合わないことがあります。速報より先に揺れが来る、という状況です。
つまり、揺れ始めてから身を守るのでは遅い場合があります。だからこそ、家具の固定や耐震性といった「揺れる前にやっておく対策」の比重が高くなります。
海溝型で重要になること
広範囲が同時に被災するため、支援が届くまでに時間がかかります。
備蓄の日数を長く見積もる必要があります。3日ではなく、7日以上が推奨されるのはこのためです。
また、沿岸部では津波への備えが最優先になります。
どちらにも備える
お住まいの地域によって、どちらの可能性が高いかは変わります。しかし、片方だけに備えるのは合理的ではありません。
家具の固定と備蓄。この2つは、どちらの地震でも役に立ちます。まずここから固めてください。
調べた内容の記録の残し方
調べても、忘れてしまえば意味がありません。記録の方法を提案します。
紙に書いて保管する
次の項目を1枚にまとめてください。
- 自宅住所の30年以内の震度6弱以上の確率
- 表層地盤の増幅率
- 近くにある活断層の名称
- 建物の建築年
- 浸水想定の有無と想定水位
- 土砂災害警戒区域かどうか
- 最寄りの避難場所
- 調べた日付
これを防災用品と一緒に保管しておけば、家族の誰でも確認できます。
なぜ紙なのか
停電すれば、スマートフォンやパソコンでは見られません。そして災害時こそ、この情報が必要になります。
画面で確認して満足せず、書き出しておいてください。
引っ越しのたびに更新する
この記録は、住まいが変われば作り直す必要があります。
数百メートル動いただけで、地盤の性質は変わります。同じ市内での引っ越しでも、確認し直してください。
調べるときに気をつけたいこと
実際に調べる際に、いくつか気をつけていただきたい点を挙げておきます。
不動産の価値と結びつけて考えない
活断層の情報を見て、資産価値を心配される方がいます。
しかし、日本に住む以上、地震のリスクから完全に逃れることはできません。重要なのは、リスクを知ったうえで対策を取ることです。
また、この情報は公開されているものです。隠すことも、隠されることもありません。
不安をあおる情報に注意する
地震に関しては、根拠の乏しい予知情報が広まりやすい傾向があります。
「◯月◯日に大地震が来る」といった情報は、科学的な裏づけがありません。公的機関が発表するのは確率であって、日時の特定ではありません。
情報の見分け方は災害の予知・予言は信じるべきか?科学的な予測との違いと正しい情報の見分け方で整理しています。
数値は更新されます
調査が進めば、確率や断層の位置は見直されます。
一度調べて終わりにせず、数年に一度は確認し直してください。
私が北海道で調べたときのこと
私は札幌に住んでいます。北海道にも活断層があります。
2018年の経験から
2018年の胆振東部地震では、全道が停電するブラックアウトが起きました。
あのとき私が痛感したのは、揺れの大きさが場所によってまるで違うということでした。同じ札幌市内でも、被害の差がありました。
のちに地盤の情報を見て、その理由が理解できました。やわらかい地盤の地域で、被害が大きくなっていたのです。
数値を見る意味
それ以来、私は住まいを考えるときに地盤の情報を見るようになりました。
「この地域は地震が少ない」といった漠然とした印象ではなく、数値で確認する。この習慣が、備えの精度を上げてくれます。
都道府県ごとのリスクは【47都道府県別】災害リスク一覧|自分の県で警戒すべき災害がひと目でわかるにまとめました。あわせてご覧ください。
調べることは、怖がることではありません
最後にお伝えしたいことがあります。
リスクを調べると不安になる、という理由で避ける方がいます。気持ちは分かります。
しかし、知らないままでいることは、不安を消しているのではなく先送りしているだけです。
知れば対策できます。対策すれば、不安は小さくなります。調べることは、安心に近づく行為だと私は考えています。
正確な情報が不安を減らします
相談を受けていて感じるのは、漠然とした不安を抱えている方が多いということです。
「日本はどこも地震が来る」「いつ来るか分からない」。この状態では、何をすればよいか決められません。だから行動に移せず、不安だけが残ります。
一方、自宅の数値を知れば、やるべきことが具体化します。地盤がやわらかいなら家具の固定を急ぐ。古い建物なら耐震診断を検討する。
やることが決まれば、人は動けます。そして動けば、不安は行動に変わります。
完璧を目指さないでください
ここまで多くのことを書きましたが、全部を一度にやる必要はありません。
今日はJ-SHISで自宅を見るだけ。次の週末に寝室の家具を1つ固定する。その次に建築年を調べる。
この積み重ねで十分です。何もしないより、ひとつ進めるほうがはるかに価値があります。
よくある質問
Q. 自宅の近くに活断層があるか、どう調べますか
A. 防災科学技術研究所の「J-SHIS 地震ハザードステーション」で地図上から確認できます。無料です。より詳しく知りたい場合は、産業技術総合研究所の「活断層データベース」で断層ごとの性質を調べられます。
Q. J-SHISでは何が分かりますか
A. 30年以内に震度6弱以上となる確率、表層地盤の増幅率、主要活断層帯の位置、液状化の履歴などです。特に地盤の増幅率は重要で、数百メートル離れただけで違うことがあります。市区町村単位ではなく自宅の地点で確認してください。
Q. 近くに活断層がなければ安全ですか
A. 安全とは言えません。理由は3つあります。地表に痕跡が残らず見つかっていない断層があること、海溝型の地震は活断層と別のしくみで起きること、そして震源が遠くても地盤がやわらかければ大きく揺れることです。
Q. 発生確率が数パーセントなら低いのでは
A. 低くありません。活断層の活動間隔は千年から数万年で、その尺度では30年は非常に短い期間です。だから確率は小さく出ます。地震の世界では、数パーセントは十分に注意すべき数値です。
Q. 近くに活断層があると分かりました。引っ越すべきですか
A. その必要はありません。日本の陸地には確認されているだけで多数の活断層があり、まったく影響を受けない地域を探すほうが困難です。引っ越しではなく、備えの優先順位を上げてください。
Q. 調べたあと、まず何をすべきですか
A. 家具の固定です。地震で亡くなる原因の多くは建物の倒壊と家具の転倒によるもので、費用も手間も小さいわりに効果が大きい対策です。就寝中は身を守る動作ができないため、寝室から始めてください。
Q. 表層地盤の増幅率とは何ですか
A. 地盤が揺れをどれだけ大きくするかを示す数値です。埋立地、旧河道、谷を埋めた造成地などのやわらかい地盤では揺れが大きくなり、硬い岩盤の上では小さくなります。数値が大きいほど揺れやすいと考えてください。
Q. 活断層データベースは難しくありませんか
A. 研究者向けの色合いが濃いものです。使いこなす必要はありません。まずJ-SHISで地図を見て、気になる断層の名前が分かったら、その名前で詳細を調べる。この使い方で十分です。
Q. 賃貸の場合はどうすればよいですか
A. 建物の建築年や耐震診断の有無を、大家や管理会社に確認できます。これから引っ越す予定があるなら、物件を選ぶ段階でJ-SHISを見ておくことをおすすめします。
Q. 地名から地盤が分かると聞きました
A. 手がかりにはなります。沼、池、谷、久保、川といった字は、かつて水があった土地や低地を示唆します。ただし地名が変更されている場合や、由来が地形と無関係な場合もあります。J-SHISの数値を主とし、地名は補助として扱ってください。
Q. 造成前の土地の姿を知る方法はありますか
A. 国土地理院が過去の地形図や空中写真を公開しています。谷だったのか、田んぼだったのか、川が流れていたのかが分かります。やわらかい地盤かどうかの判断材料としては、地名より確実です。
Q. 建物の耐震性はどう確認しますか
A. まず建築年を調べてください。登記簿、売買契約書、賃貸なら重要事項説明書に記載があります。1981年と2000年に大きな改定があり、それ以前の建物は現行基準を満たしていない可能性があります。多くの自治体が耐震診断や改修の費用を補助しています。
Q. 建物全体の改修は難しいのですが
A. 部分的な方法があります。寝室だけを補強する、耐震シェルターを室内に設置する、頑丈なベッドや机で就寝場所を守る、といった選択です。全部が無理なら寝ている場所だけでも守る。この考え方は現実的で、実際に命を守ります。
Q. 活断層型と海溝型の地震はどう違いますか
A. 活断層型は陸地の浅い場所で起き、局地的ですが激しく揺れます。緊急地震速報が間に合わないこともあります。海溝型は海底のプレート境界で起き、広範囲に及び津波を伴うことが多くなります。前者は事前の耐震対策、後者は長めの備蓄が重要になります。
Q. 調べた内容はどう記録しておけばよいですか
A. 紙に書いて防災用品と一緒に保管してください。確率、地盤の増幅率、近くの活断層名、建築年、浸水想定、避難場所、調べた日付を1枚にまとめます。停電すれば画面では見られないため、紙が確実です。
Q. 一度調べれば十分ですか
A. 数年に一度は確認し直してください。調査が進めば、確率や断層の位置は見直されます。あわせて、浸水想定区域や土砂災害警戒区域も確認しておくと、備えの全体像がつかめます。
まとめ
活断層の調べ方について、要点を整理します。
- J-SHISと活断層データベースで、無料で調べられる
- J-SHISは防災科研、活断層データベースは産総研が運営
- J-SHISでは確率、地盤の増幅率、断層の位置、液状化履歴が分かる
- 地盤の増幅率は数百メートルで変わる。自宅の地点で確認する
- 活断層データベースは長さ10キロ以上の断層を収録
- 確率が数パーセントでも低くはない。活動間隔が長いため
- 活断層がなくても安全とは言えない。理由は3つ
- 近くにあっても引っ越す必要はない。備えを優先する
- 調べたら、まず家具の固定から始める
- 次に住まいの耐震性、ハザードマップとの重ね合わせ
- 数値は更新されるため、数年に一度は見直す
活断層を調べることは、専門家だけの作業ではありません。公的機関が無料で情報を公開しており、誰でも見られます。
そして調べる目的は、安心することでも不安になることでもありません。備えの優先順位を決めることです。
今日、10分だけ時間を取ってみてください。J-SHISで自宅の場所を表示し、地盤の増幅率を見る。それだけで、次にやるべきことが見えてきます。
そして結果を紙に書き写し、防災用品と一緒にしまっておいてください。停電すれば、画面では確認できなくなります。
調べる作業に費用はかかりません。かかるのは、わずかな時間だけです。その時間が、いざというときの判断を確かなものにしてくれます。


