被災した人に何と声をかければいいか|避けたい言葉と、代わりに使える言葉

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【この記事の要約】
結論から書きます。励まそうとしなくて構いません。被災した人にかける言葉で最も多い失敗は、元気づけようとして相手の気持ちを否定してしまうことです。「がんばって」「命が助かっただけよかった」「私も分かるよ」。どれも善意から出ますが、受け取る側には重く響くことがあります。代わりに使えるのは、事実を伝える言葉と、具体的な申し出です。「連絡がついてよかった」「水を送ろうか」。そして、返信を求めないこと。この記事では、避けたい言葉と代わりの言い方、連絡手段ごとの注意、そして何も言えないときにどうするかをまとめました。私は防災士であって心理の専門家ではありません。専門的な対応が必要な場面は、その旨を書いています。

目次

結論|励まさなくていい。事実と申し出を伝える

先に、この記事の原則を書きます。ここだけでも持ち帰ってください。

言葉で立ち直らせようとしないでください

多くの人が、何か気の利いたことを言わなければと考えます。

けれど、失ったものが戻るわけではありません。言葉で状況は変わりません。

だから、元気づけることを目的にしないでください。そこを外すだけで、失敗はかなり減ります。

代わりに伝えるのは、二つです

一、事実。「連絡がついてよかった」「心配していた」。自分の側の事実を言うだけです。

二、具体的な申し出。「水を送ろうか」「うちに泊まれる」「子どもを預かれる」。

この二つなら、相手の気持ちを評価せずに済みます。評価しないことが、いちばん安全です。

返信を求めないでください

被災直後は、通信も電池も限られています。そして、何より時間と気力がありません。

「返事はいらないよ」と一言添える。これだけで、受け取る側の負担がまったく違います。

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避けたほうがよい言葉

善意から出るものばかりです。だからこそ、知っておく価値があります。

「がんばって」

最もよく使われ、最も重く響く言葉です。

被災した人は、すでに限界までがんばっています。そこに「がんばって」と言われると、まだ足りないと聞こえることがあります。

言いたくなったら、「無理しないで」に置き換えてください。

「命が助かっただけよかった」

事実としては正しい。けれど、失ったものを軽く扱う響きがあります。

家も、仕事も、思い出の品も失っている。その喪失を、本人以外が比較してはいけません。

「私も分かるよ」

共感を示したい気持ちから出ます。ただ、同じ経験をしていなければ分かりません。

そして、似た経験があっても、感じ方は人によって違います。

代わりに、「想像もできない」と正直に言うほうが届きます。

「前向きに」「気持ちを切り替えて」

切り替えられる段階かどうかは、本人にしか分かりません。

落ち込んでいることを直すべき状態として扱わないでください。いまはそういう時期だ、と受け取るだけで十分です。

「時間が解決する」

そうかもしれませんが、いま苦しんでいる人には届きません。

そして、解決しないこともあります。安易に将来を約束しないでください。

「もっとひどい人もいる」

比較は、慰めになりません。自分の苦しさを訴えてはいけない、と受け取られます。

原因や判断を問う言葉

「なぜ逃げなかったのか」「保険に入っていなかったのか」。これは、責める言葉です。

本人がいちばん考えています。外から言う必要はありません。

代わりに使える言葉

そのまま使える形で書いていきます。

避けたい 代わりに
がんばって 無理しないでね
私も分かるよ 想像もできない
命が助かってよかった 連絡がついてよかった
前向きに いまは休んでください
何かあったら言ってね 水を送ろうか
時間が解決するよ また連絡します

「何かあったら言ってね」は、届きにくい

善意の定番ですが、相手に考える作業を渡しています。

何を頼めるのか、迷惑ではないか。疲れているときに、この判断は重い。

だから、こちらから具体案を出してください。「水を送ろうか」「洗濯物を預かれる」「子どもを一日みられる」。

断りやすい形にするのがコツです。「いらなければ言ってね」と添えてください。

沈黙も、ひとつの答えです

何と言えばよいか分からないなら、無理に言葉を探さないでください。

「何と言えばいいか分からない」と正直に伝える。それも十分に誠実です。

そばにいる、話を聞く、黙って一緒にいる。言葉より効くことがあります。

連絡手段ごとの注意

どの手段で連絡するかによって、配慮する点が変わります。

メッセージアプリ(LINEなど)

いちばん負担が小さい手段です。相手の都合のよいときに読めます。

短く、要件だけ。そして「返事はいらない」と添える。

ただし、既読がつかなくても催促しないでください。電池がない、電波が届かない、読む余裕がない。理由はいくらでもあります。

電話

被災直後は、避けてください。通信が混み合い、緊急の連絡を妨げます。

そして、電池を消耗させます。通話は、メッセージよりはるかに電力を使います。

落ち着いてからなら有効です。声を聞くこと自体に意味がある場面もあります。

SNSでの公開の投稿

本人あてに公開で書くのは、慎重にしてください。被災した状況が、意図せず広まることがあります。

そして、「支援している自分」を見せる形にならないよう注意してください。

直接会う

被災直後に、様子を見に行くのは避けてください。道路を混ませ、受け入れの手間をかけます。

行くなら、相手が「来てほしい」と言ってから。そして、自分の食事と宿は自分で確保してください。

なぜ言葉を間違えるのか

言葉の失敗には、いくつか共通した型があります。

沈黙が気まずいから、埋めてしまう

相手が黙っていると、何か言わなければと感じます。その焦りが、言葉を雑にします。

けれど、沈黙は悪いものではありません。そばにいるだけで伝わることがあります。

自分が安心したくて言ってしまう

「命が助かってよかった」「きっと大丈夫」。これは、言う側の不安を鎮める言葉でもあります。

相手のためのつもりが、自分のための言葉になっている。ここに気づくと、選び方が変わります。

解決しようとしてしまう

困っている人を見ると、問題を解こうとするのは自然な反応です。

ところが、災害の被害はその場で解決できません。助言が空回りします。

解決ではなく、そばにいることを目的にしてください。

比較してしまう

「もっとひどい人もいる」「あのときより軽い」。比較は、必ず誰かの苦しさを否定します。

被害の大小は、行政が制度を適用するために測るものです。人が人に言うものではありません。

関係の距離を、間違える

親しくない相手に踏み込みすぎる。あるいは、親しいのに他人行儀になる。どちらも違和感を生みます。

迷ったら、普段の距離感を保つのが安全です。無理に近づかないでください。

関係性ごとの、ちょうどよい距離

相手によって、適切な形が変わります。

家族・親戚

いちばん踏み込める関係です。ただし、だからこそ言い過ぎます。

「だから言ったのに」「なぜ逃げなかったの」。心配が、責める言葉に変わりやすい。

実務の支援に徹するのが有効です。手続きを調べる、書類を代わりに取る、子どもを預かる。

友人

短い連絡を、間隔を空けて続けるのが向いています。

一度に長く話すより、「元気にしてる?」を何度か送るほうが負担になりません。

そして、普段どおりの話題も混ぜてください。災害の話だけになると、相手も疲れます。

職場の同僚

特別扱いも、避けるような態度も、どちらも負担です。普段どおりに接するのが基本です。

そのうえで、業務の負荷は調整する。言葉ではなく、体制で支えてください。

そして、本人が話していないことを、他の同僚に広げないでください。

近所の人

日常の接点があるぶん、実務的な支援がしやすい関係です。

回覧の代行、ごみ出し、車を出す。言葉より、具体的な手数が効きます。

あまり親しくない相手

無理に連絡しなくても構いません。関係の距離を超えた気遣いは、かえって重い。

顔を合わせたときに、「大変でしたね」と一言。それで十分です。

時間が経ってからの接し方

災害は、終わった瞬間から終わりません。

数か月後は、周囲が忘れています

報道が減り、話題にも上らなくなります。けれど、本人の生活はまだ元に戻っていません。

この時期の孤立が、しばしば問題になります。「もう大丈夫だろう」と決めつけないでください。

変化に気づいたら、伝える

眠れていない様子、疲れ切っている様子、以前と違う反応。気づいたことを、そっと伝えてください。

ただし、診断のような言い方はしないでください。「心配している」で十分です。

そして、必要そうなら相談先を伝える。自治体の窓口や、かかりつけの医療機関です。

「もう終わったこと」にしない

本人が話題にしたときは、過去のこととして片付けないでください。

「まだ言ってるの」と受け取られる反応は、相手を黙らせます。

一年後の日を、覚えておく

災害が起きた日は、多くの人にとって特別な日になります。

その日に短い連絡を入れる。覚えていてくれた、ということが伝わります。

ただし、触れられたくない方もいます。反応を見て、次の年の加減を決めてください。

タイミングの考え方

いつ連絡するかも、内容と同じくらい大事です。

直後は、短く一言だけ

安否を尋ねる短いメッセージ。それ以上は要りません。

この時期は、片付けと手続きに追われています。長い文章を読む余裕がありません。

数週間後が、実は大事です

周囲の関心が薄れ、連絡が減る時期です。

ところが、本人の疲れが出てくるのはこのころ。ここで届く一言に、価値があります。

節目の日を覚えておく

一年後、あるいはその災害が起きた月。覚えていてくれたということが、伝わります。

ただし、思い出させたくない人もいます。相手の反応を見て、加減してください。

話を聞くときの態度

ここからは、相手が自分から話し始めたときの話です。

否定しないでください

「そんなことないよ」「考えすぎだよ」。これは否定です。

感じていることを、そのまま受け取ってください。正す必要はありません。

こちらから聞き出さない

そのときの状況、失ったもの、家族のこと。興味本位に聞こえます。

話したい人は、自分から話します。そのときに聞けば十分です。

助言は、求められてから

「こうしたほうがいい」「あの制度を使えば」。役に立つ情報でも、順番があります。

まず聞く。そして、求められたら答える。この順です。

専門的な対応が要る場面もあります

眠れない状態が続く、食べられない、日常が回らない。こうした変化が続く場合は、専門家につないでください。

避難所には保健師が入りますし、自治体には相談の窓口があります。素人が抱え込む場面ではありません。

私は防災士であって、心理の専門家ではありません。ここから先は、その領域です。背景となる知識は災害心理学とはにまとめました。

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具体的な申し出の作り方

「何かあったら言ってね」を、使える形に変えます。

三つの条件を満たしてください

一、具体的であること。何を、いつ、どれだけ。

二、自分にできる範囲であること。約束して果たせないほうが傷つけます。

三、断りやすいこと。「いらなければ言ってね」を必ず添えます。

すぐ使える申し出の例

場面 申し出の言い方
物が足りない 「水と食べ物を送ろうか。何が要る?」
泊まる場所がない 「うちに来られるよ。何日でも」
子どもがいる 「一日預かれるよ。休んで」
手続きが多い 「調べておこうか。分かったら送る」
洗濯できない 「洗濯物、送ってくれたら洗うよ」
話し相手がほしい 「いつでも電話して。夜でもいい」

「何が要る?」と聞くのが、いちばん確実です

推測して送るより、本人に聞くほうが外しません。

そして、聞かれることで本人も自分の状況を整理できます。

ただし、被災直後は考える余力がありません。「思いついたら言って」と添えて、こちらから候補も出してください。

物を送るなら、確認してから

置き場所がない、冷蔵できない、運ぶ手段がない。被災地では、物が負担になることがあります。

そして、宅配便が動いていないこともあります。先に確認してください。

送り方の考え方は被災地に送ってよい物・送らない方がよい物にまとめました。

約束したことは、必ず果たしてください

できないことを言わない。これが最も大事です。

忙しさで忘れると、期待させたぶんだけ傷つけます。

自分の側の心構え

支える側にも、負担がかかります。

全部を背負おうとしないでください

一人で支えきれるものではありません。できる範囲を決めて、そこまでにしてください。

そして、他にも支える人がいます。家族、友人、行政、支援団体。自分だけではありません。

聞いた話が、こちらに残ることがあります

つらい話を聞き続けると、聞いた側にも影響が出ます。

眠れない、気分が沈む、その場面が浮かぶ。これは珍しいことではありません。

抱え込まず、信頼できる人に話してください。そして、続くようなら専門家に相談してください。

相手のペースに合わせる

早く元気になってほしい。その気持ちが、急かす態度になることがあります。

回復の速さは人によって違います。比べないでください。

連絡が返ってこなくても、気にしない

返信がないのは、拒まれているからではありません。余力がないだけです。

返信を求めない形で、ときどき送り続けてください。読まれていれば、それで届いています。

子どもが被災した場合

大人とは、必要な対応が変わります。

普段どおりを取り戻すこと

子どもにとって、いつもの生活が戻ることが、いちばんの回復につながります。

遊ぶ、食べる、眠る、学校に行く。特別扱いより、日常です。

甘えが強くなることがあります

できていたことができなくなる。ぐずる。離れたがらない。これは自然な反応です。

叱らずに受け止めてください。落ち着けば、多くは自然に戻ります。

大人が説明しすぎない

災害の詳細を、大人の言葉で説明する必要はありません。聞かれたことに、短く答えれば十分です。

そして、映像を繰り返し見せないでください。報道の映像は、子どもには刺激が強すぎることがあります。

変化が続く場合は

眠れない、食べられない、強い不安が続く。こうした状態が続くなら、専門家に相談してください。

学校のスクールカウンセラー、自治体の相談窓口、小児科。相談先は複数あります。

場面別|そのまま使える文例

迷ったときに、そのまま送れる形にしました。

安否を確認したいとき

「無事ですか。返事はいらないので、落ち着いたら教えてください」

短く、返信の負担を外す。これが直後の基本形です。

複数の人から同じ連絡が来ることも考えて、一往復で済む書き方にしてください。

無事が分かったあと

「連絡がついてよかった。何か送れるものがあれば言ってください」

安心したという事実と、具体的な申し出。この二つだけで足ります。

家や家財を失ったと聞いたとき

「何と言えばいいか分かりません。できることがあれば言ってください」

無理に言葉を探さない。分からないと正直に伝えるほうが、届きます。

数週間たってから

「その後どうですか。落ち着かないと思うので、返事は気にしないでください」

関心が薄れる時期に届く連絡は、それだけで意味があります。

相手が疲れて見えるとき

「無理しないでください。休める時間はありますか」

がんばれ、ではなく、休んで。方向を逆にするだけで、印象が変わります。

身近な人を亡くしたと聞いたとき

ここは、特に慎重になる場面です。

「お悔やみ申し上げます。何も言えませんが、気にかけています」

理由を探さない。意味づけをしない。「きっと安らかに」「天国で」といった言い方も、受け取り方は人によります。

そして、返事を求めないでください。

年月がたってから会ったとき

「あのときは大変でしたね」と一言。それ以上は、相手が話すかどうかに任せてください。

話し始めたら、遮らずに聞く。話さなければ、別の話題に移って構いません。

してはいけない行動

ここは、言葉以外の部分についてです。

被災した家や様子を撮影する

本人の許可なく撮らないでください。そして、SNSに上げないでください。

支援ではなく、消費になります。

被災の状況を、他人に広める

本人が話していないことを、周囲に伝えないでください。心配のつもりでも、本人の管理を離れます。

様子を見に、突然行く

被災直後は、受け入れる余裕がありません。宿も食事も、こちらの分はありません。

行くなら、相手が「来てほしい」と言ってから。そして自己完結で。

物を大量に送る

置き場所がありません。そして、処分にも手間がかかります。

必ず、何が要るか聞いてからにしてください。

支援を、見せるために使う

誰に何をしたかを公表する必要はありません。相手の状況を材料にしないでください。

連絡を、義務にしない

毎日連絡しなければ、と思い詰める必要はありません。続かない支援は、途中で切れます。

無理のない間隔で、長く続けてください。

避難所や仮設住宅で、隣り合ったとき

ここからは、自分自身も被災している場合の話になります。

同じ立場だからこそ、比べない

「うちは全壊だった」「そちらは軽くてよかった」。被害の大小を口にすると、必ず誰かが黙ります。

同じ場所にいても、失ったものは人それぞれです。比較しないでください。

生活の話から入る

災害の話でなくて構いません。「トイレはどこですか」「お湯はどこで沸かせますか」。

実務的な会話のほうが、入り口としては自然です。そこから関係ができます。

助け合いは、無理のない範囲で

自分も被災しています。抱え込むと、共倒れになります。

できないことは、運営者や保健師に伝えてください。それが正しい流れです。

子どもや高齢の方には、周囲が目を配る

自分から声を上げにくい立場の方がいます。寒くないか、食べているか、眠れているか。

気づいたことがあれば、運営者や保健師に伝えてください。直接どうにかしようとしなくて構いません。

言葉より、続けることのほうが効きます

最後に、これだけは書いておきます。

一度の完璧な言葉より、何度かの短い連絡

気の利いた一言を探すより、「元気にしてる?」を何度か送るほうが伝わります。

災害後の困りごとは、年単位で続きます。そこに付き合えるかどうかが、実際の支えになります。

忘れないことが、いちばん難しい

報道が減れば、こちらの意識も薄れます。これは自然なことで、責めるものではありません。

だから、仕組みにしてください。カレンダーに印をつける。毎年その月に連絡する。

覚えていてくれる人が一人いる。それだけで、違います。

そして、自分の備えも

誰かの被災を知ったときは、自分の家を見直す機会でもあります。

いつか立場が入れ替わるかもしれません。そのときに困らない準備をしておくことも、間接的な支援です。

備え方は防災は何から始める?にまとめました。

よくある質問

Q. 連絡しないほうがよいのでしょうか

そんなことはありません。連絡がないことのほうが、寂しく感じられます。

短く、返信を求めず、具体的な申し出を添える。この形なら、負担になりません。

Q. お見舞いは渡してよいですか

関係性によります。現金は、実際にはいちばん役に立ちます。

ただし、受け取りにくいと感じる方もいます。「使わなかったら返して」と言い添えると、受け取りやすくなります。

物を贈るなら、相手に何が要るか聞いてから。置き場所がないことも多い。

Q. 職場の同僚が被災しました。どう接すればよいですか

特別扱いも、腫れ物に触るような扱いも、どちらも負担になります。

普段どおりに接しつつ、業務の負荷は調整する。これが現実的です。

そして、本人が話さないことを詮索しない。職場では、なおさら大事です。

Q. 子どもに、被災した友だちへの接し方をどう教えますか

難しい言葉は要りません。「いつもどおりに遊んであげて」で十分です。

子どもにとって、普段どおりの時間が戻ることが回復につながります。

そして、大人が過剰に説明しない。子どもは、自分のペースで受け止めます。

Q. 何を言っても間違えそうで、怖いです

その感覚は自然です。ただ、完璧な言葉はありません。

そして、言葉を間違えるより、連絡しないほうが伝わりません。

迷ったら、「心配している」「返事はいらない」の二つだけ送ってください。それで足ります。

Q. 被災していない自分が連絡するのは、失礼ではないですか

失礼ではありません。むしろ、連絡がないことのほうが寂しく感じられます。

「被災していない自分が言っても」と考える必要はありません。心配している事実を伝えるだけで十分です。

Q. 相手が明るく振る舞っています。触れないほうがよいですか

そのまま受け取ってください。明るく見せることで持ちこたえている場合があります。

掘り下げようとせず、いつでも話せることだけ伝えておく。「話したくなったら言って」で十分です。

Q. 相手が怒っているように見えます

怒りは、災害後に出やすい反応の一つとされています。自分に向けられたものとは限りません。

言い返さず、距離を取りすぎず。落ち着くのを待ってください。

ただし、状態が続いて日常に支障が出ている場合は、専門家に相談する道があることを伝えてください。判断は医療者の領域です。

Q. 支援を断られました

断られたら、引いてください。押し付けは支援になりません。

そして、「気が変わったらいつでも」と一言残しておく。それで扉は開いたままになります。

Q. お金を渡すのは失礼でしょうか

関係性によりますが、実際にはいちばん役に立ちます。

受け取りにくそうなら、「使わなかったら返して」と添えてください。貸し借りの形にすると受け取りやすくなります。

Q. 手紙のほうが気持ちが伝わりますか

落ち着いてからなら、有効です。読み返せるという利点があります。

ただし、被災直後は届きません。郵便が止まっていることがあります。

そして、返事を期待しない形で書いてください。

Q. SNSで被災を知りました。コメントしてよいですか

公開の場でのやりとりには、注意が要ります。被災した状況が、意図せず広まることがあります。

可能なら、個別のメッセージで送ってください。公開の場では「気にかけています」程度にとどめます。

そして、その投稿を拡散する前に一度考えてください。本人が広く知られたいとは限りません。

Q. 励ましのメッセージを大勢で送るのはどうですか

気持ちは伝わりますが、読む負担がまとまって発生します。

職場や学校でまとめる場合は、一つにまとめて渡すほうが親切です。個別に何十通も届くと、返信のことで悩ませます。

Q. 何もできない自分に落ち込みます

その感覚を持つ方は少なくありません。ただ、できることはあります。

短い連絡を送る。義援金を送る。その地域の産品を買う。正確な情報を広める。

そして、忘れずにいること。これは誰にでもできて、そして意外と難しいことです。

Q. 支援したことを、本人に伝えるべきですか

義援金を送った、産品を買った。わざわざ伝える必要はありません。

伝えると、お礼を言わせることになります。その負担を増やすことになりかねません。

黙って続けるほうが、支援としては純粋です。

Q. 相手から「もう大丈夫」と言われました

言葉どおりに受け取って構いません。ただし、連絡を切る必要はありません。

災害の話を離れて、普段どおりのやりとりに戻る。それが、相手の望んでいることかもしれません。

「もう大丈夫」は、心配から解放してあげたいという気遣いであることもあります。そこは深追いせず、関係だけ続けてください。

まとめ|評価せず、具体的に、返信を求めない

最後に、要点を整理します。

この記事の要点

一、励まそうとしなくてよい。言葉で状況は変わりません。

二、「がんばって」「私も分かる」「命が助かってよかった」は避ける。

三、事実と、具体的な申し出を伝える。「水を送ろうか」で十分です。

四、返信を求めない。「返事はいらない」と添えてください。

五、数週間後の一言に、価値があります。関心が薄れる時期だからです。

言葉より、行動のほうが伝わることもあります

何と言えばいいか分からないなら、言葉を探すのをやめて、できることをしてください。

義援金を送る。その地域の産品を買う。正確な情報を広める。

それも、相手を思う気持ちの形です。

そして、行動には言葉と違って間違いがほとんどありません。「何と言えばいいか分からない」と立ち止まっている時間があるなら、できることを一つ選んでください。

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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