洪水の種類を徹底解説|外水氾濫・内水氾濫・高潮・融雪洪水など7種類の特徴と危険性・防災対策まとめ

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洪水の種類を徹底解説|外水氾濫・内水氾濫・高潮・融雪洪水など7種類の特徴と危険性・防災対策まとめ

「洪水」と聞いて、あなたは何をイメージしますか?「川が溢れて街が水浸しになる光景」を思い浮かべる方が多いと思います。しかし洪水には複数の「種類」があります。

川が溢れる「外水氾濫」だけでなく、川から離れた場所でも起きる「内水氾濫」、台風による「高潮」、雪解けによる「融雪洪水」など、洪水はひとつではありません。

洪水の種類によって「危険になる場所」「危険になるタイミング」「とるべき防災行動」がまったく異なります。「川の近くに住んでいないから洪水は関係ない」という認識は大きな誤解です。

内水氾濫・都市型洪水は「川から遠い市街地・マンション地下・地下街」でも発生します。正しい知識を持つことが、命を守るための最初の一歩です。

この記事では以下の内容を、気象庁・国土交通省・国土地理院・日本赤十字社の公的資料をもとに徹底解説します。

  • 洪水の正確な定義(気象庁・国土交通省の定義)
  • 洪水と氾濫・浸水の違い
  • 洪水の種類①:外水氾濫(河川の氾濫)
  • 洪水の種類②:内水氾濫(都市型水害)
  • 洪水の種類③:高潮(たかしお)
  • 洪水の種類④:津波遡上(つなみそじょう)
  • 洪水の種類⑤:融雪洪水(ゆうせつこうずい)
  • 洪水の種類⑥:土石流・山地河川の洪水
  • 洪水の種類⑦:ダム・堤防破壊による突発洪水
  • 種類別の危険な特徴と防災行動のまとめ

【情報の出典について】
本記事は気象庁「河川、洪水、大雨浸水、土砂崩れに関する用語」・国土交通省中部地方整備局「用語解説」・国土地理院「水害について」・日本赤十字社「水害とその対策」・国土技術政策総合研究所「河川災害の種類」等の公的資料にもとづいています。防災ベース編集部が専門的な内容をわかりやすく解説しました。

目次

洪水の正確な定義:気象庁・国土交通省はどう定義しているか

「洪水」という言葉は日常的に使われますが、実は使う機関によって定義が少し異なります。防災知識の土台として、まず正確な定義を押さえておきましょう。

気象庁の定義

気象庁の定義では「洪水」は「降雨や融雪などによって河川の水位・流量が異常に増大すること」です。

気象庁はさらに「河川敷内に水があふれること」「堤防などから河川敷の外側に水があふれること」も洪水の範囲に含めています。

つまり「川の水量が増えただけで堤防を越えていない状態」も「洪水」と呼ぶのが気象庁の定義です。

国土交通省・国土地理院の定義

国土地理院は「大雨などによって水量が著しく多くなることを洪水という」と定義しています。そして「一般的には河川から水があふれ、氾濫することを洪水という」と補足しています。

国土交通省中部地方整備局の用語解説では「大雨や雪どけなどによって河川流量が普段より増大したり、氾濫すること」と定義されています。

「洪水」「氾濫」「浸水」の違い

これら3つの言葉は混同されやすいので整理しておきます。

用語 意味 使用例
洪水(こうずい) 河川の水量・流量が異常に増大すること(あふれる前の段階も含む) 「台風で洪水が発生した」「洪水警報が発表された」
氾濫(はんらん) 河川・排水路などの水があふれ広がること。洪水の結果として起きる現象 「○○川が氾濫した」「氾濫危険情報が発表された」
浸水(しんすい) 洪水・氾濫などの結果として、建物・土地が水に浸かること 「床上浸水」「地下街が浸水した」「浸水深30cm」

国土交通省の資料でも「洪水による氾濫や大雨によって、家屋・土地などが水に浸かることを浸水という」と明記されています。「洪水→氾濫→浸水」という流れで被害が広がるイメージです。

洪水の種類①:外水氾濫(河川の氾濫)

外水氾濫(がいすいはんらん)は「洪水」と聞いて多くの方が最初に思い浮かべる、最も代表的な洪水の種類です。

外水氾濫とは何か

川崎市上下水道局の定義では「河川が増水し、堤防から水があふれたり、堤防の一部が崩れてそこから水があふれることを外水氾濫という」とされています。

「堤防から見て川(外側)の水が、市街地(内側)にあふれる」という現象です。川側の水(外水)が溢れることから「外水氾濫」と呼ばれます。

外水氾濫が起きる仕組み

外水氾濫は以下のいずれかのメカニズムで起きます。

  • 越水(えっすい)・越流(えつりゅう):川の水位が上昇して堤防の天端(てっぺん)を越え、市街地側に水が溢れる。水が越え続けることで堤防が侵食・崩壊し、大規模な氾濫につながる
  • 堤防の決壊(けっかい):水圧・浸透水によって堤防が崩れ、一気に大量の水が市街地に流れ込む。越水よりもさらに突発的・急激な浸水が起きる
  • 溢水(いっすい):堤防のない箇所・低い箇所から川の水が溢れ出る現象

外水氾濫の危険な特徴

外水氾濫の最大の危険性は「浸水の速さと深さ」です。堤防が決壊した瞬間、大量の水が濁流となって一気に市街地を飲み込みます。

浸水深が1m以上になることも珍しくなく、人が立つことができなくなります。過去の大規模外水氾濫では「気づいたときにはすでに逃げられない」という状況が多数生じています。

また、濁流には「流木・土砂・ゴミ」が混じっており、建物への衝撃力・破壊力が非常に大きいです。

外水氾濫のリスクが高い場所

  • 河川沿いの低地・氾濫平野
  • 旧河道(むかしの川の跡)付近
  • 扇状地の末端部(扇端部)
  • 自然堤防の内側(後背湿地)
  • 河川合流点付近

⚠ 外水氾濫の防災行動のポイント
外水氾濫は「洪水警報(または新制度の氾濫警報)」の発表が先行します。
川が溢れる前の「警報段階」から避難行動を開始することが命を守る最大のポイントです。
「まだ川は溢れていないから大丈夫」という判断は危険です。
特にご高齢の方・小さなお子さんがいる家庭は、警報が出た時点で避難を開始してください。

洪水の種類②:内水氾濫(都市型水害)

内水氾濫(ないすいはんらん)は「川から離れた場所でも起きる洪水」です。川の近くに住んでいないから安心と思っている方にこそ、知っておいてほしい洪水の種類です。

内水氾濫とは何か

内水氾濫とは「堤防から見て市街地・住宅地(内側)に降った雨の排水が、下水道・排水路の処理能力を超えて溢れる現象」です。

または「河川水位の上昇によって下水道・排水路からの排水ができなくなり、市街地に水が溜まる現象」です。大雨が降っても「川に流れ込む前に市街地で水が溢れる」のが内水氾濫です。

内水氾濫が起きる2つのメカニズム

①排水能力超過型(降雨超過型)

ゲリラ豪雨・局地的大雨などで、短時間に大量の雨が降った場合に起きる内水氾濫です。

下水道・排水路の排水能力(例:時間雨量50mm対応)を超える雨が降ると、排水が追いつかず市街地に水が溜まります。

「道路が川になる」「地下街・地下通路に水が流れ込む」「マンホールから水が噴き出す」という現象がこれにあたります。

都市部のコンクリート・アスファルトは透水性がほぼゼロです。降った雨のほぼ全量が排水路・下水道に一気に流れ込むため、内水氾濫が起きやすいです。

②河川水位上昇型(湛水型)

河川の水位が上昇することで「下水道・排水路から川への排水ができなくなる」ことで起きる内水氾濫です。市街地に降った雨は通常、下水道→排水路→川という経路で排水されます。

しかし川の水位が高い状態では、下水道・排水路の水が川に流れ出せず「逆流・逆圧」で市街地に水が溜まります。この場合「川から離れた場所でも洪水が起きる」という状況になります。

内水氾濫の危険な特徴

内水氾濫の最大の危険は「地下空間への急激な浸水」です。地下鉄の駅・地下街・地下駐車場・建物の地下室などは、一度水が入り込むと急速に水位が上昇します。

地下空間では水圧でドアが開かなくなる・階段を水が滝のように流れ込むなどの危険があります。大雨の際に地下空間にいることは、外水氾濫と同様に命に関わる危険があります。

内水氾濫のリスクが高い場所

  • 都市部の低地・窪地・アンダーパス(道路の立体交差の低い部分)
  • 地下鉄・地下街・地下駐車場
  • 建物の地下室・半地下の住居
  • 河川の下流部・三角州(デルタ地帯)の市街地
  • 旧水田・埋め立て地の上に建設された住宅地

🚨 大雨時に地下にいる場合は即座に地上へ
大雨警報・短時間大雨情報が発表された場合、地下にいる方は直ちに地上に移動してください。
地下鉄の駅・地下街・地下駐車場・地下室は「内水氾濫が起きると脱出が困難になる」最も危険な場所です。
「まだ浸水していないから大丈夫」という判断が命取りになります。
大雨の際は地下には近づかないことが基本です。

洪水の種類③:高潮(たかしお)

高潮(たかしお)は「台風・強い低気圧によって海面が異常に上昇し、沿岸部・河口部が浸水する現象」です。洪水の種類の中でも「海に関連する洪水」であり、河川の洪水とは発生メカニズムが根本的に異なります。

高潮が起きる2つのメカニズム

①気圧の低下による「吸い上げ効果」

台風・低気圧の中心は周囲より気圧が低い状態です。周囲の空気が海面を押しつける力が弱まると、中心付近の海面が「吸い上げられる」ように上昇します。

気圧が1ヘクトパスカル(hPa)低下するごとに、海面は約1cm上昇します。強い台風の中心気圧は900hPa台に達することもあり、この場合だけで海面が10cm以上上昇することになります。

②風による「吹き寄せ効果」

台風に伴う強い風が沖から海岸方向に吹くと、海水が海岸に吹き寄せられ海面が異常に上昇します。水深が浅い湾・内海では吹き寄せ効果がより強く働き、高潮が著しく発達します。

また、満潮のタイミングと台風の通過が重なると、潮位はさらに上昇します。日本アーカイブによると、伊勢湾台風(1959年)では高潮が3.89mを記録しました。

これは「通常の海面から約4m近く海面が上昇した」という驚異的な高さです。

高潮の危険な特徴

高潮は「台風の接近とともに急速に発達する」という特徴があります。台風が最接近したタイミングで最高潮位に達するため、短時間で大規模な浸水が起きます。

また「台風の暴風が吹いている最中に起きる」ため、屋外への避難が危険な状況で浸水が迫るというジレンマがあります。

さらに「暗夜に台風が上陸するケース」では視界も確保できず、より危険性が高まります。

高潮のリスクが高い場所

  • 海に面した沿岸部・湾岸の低地
  • 水深が浅い内湾(伊勢湾・大阪湾・東京湾など)の沿岸
  • 河川の河口部・三角州
  • 海抜ゼロメートル地帯(東京の江東区・墨田区・江戸川区など)

洪水の種類④:津波遡上(つなみそじょう)

津波遡上とは「地震・海底火山噴火などで発生した津波が、河川を遡って内陸深くまで達する現象」です。河川を通じて内陸部が浸水する、特殊な洪水の一種です。

津波遡上の仕組み

津波は海岸に到達した後、海に流れ込む河川を逆方向(内陸方向)に遡上します。河川を遡上する津波は、陸上を広がる津波に比べて「伝搬速度が速く・遡上距離が長くなる」という特徴があります。

NPO法人東京河川問題研究所の資料によると、東日本大震災(2011年)では北上川を40km以上遡上した事例が確認されています。

これは「海岸から40km以上離れた内陸の河川沿いにも津波が到達した」ということを意味します。

津波遡上の危険な特徴

津波が河川を遡上する際、河川の堤防・橋梁を破壊することがあります。また、河川形状によって「第1波よりも後続波のほうが高くなることがある」という特性があります。

第1波が通過した後に「安全だ」と判断して河川付近に戻ることは極めて危険です。

さらに、河川沿いに住んでいる場合は「地震発生後に川に近づかない」ことが津波遡上への最善の対策になります。

津波遡上のリスクが高い場所

  • 海岸付近の河川沿い(特に河口から数km以内)
  • 太平洋沿岸・日本海沿岸に流れ込む河川の沿岸低地
  • 河幅が狭くなっている箇所(津波エネルギーが集中する)

洪水の種類⑤:融雪洪水(ゆうせつこうずい)

融雪洪水(ゆうせつこうずい)は「春先の気温上昇・雨などにより積雪が急激に融け、大量の融雪水が河川に流れ込むことで起きる洪水」です。

北海道・東北・北陸・山岳地帯などの積雪地域に特有の洪水の種類です。

融雪洪水が起きる条件

融雪洪水が発生しやすい条件は以下の通りです。

  • 積雪量が多い年の春先:多雪の冬の後、春の気温上昇で大量の雪が一気に融ける
  • 融雪期の降雨と重なった場合:融雪水に加えて雨水が合わさり、河川流量が急増する
  • 急激な気温上昇:暖かい南風(フェーン現象)などで急速に気温が上昇し、融雪が加速する

融雪洪水の危険な特徴

融雪洪水の特徴は「発生の予測が難しく・長期間にわたって継続する」点です。大雨による洪水は数時間〜数日の現象ですが、融雪洪水は「積雪がすべて融けるまで」継続します。

場合によっては数週間にわたって河川水位が高い状態が続くことがあります。

また、冬の間に凍結した地面は春先まで透水性が低いため、融雪水のほとんどが地中に浸み込まずに河川に流れ込むという特性があります。

融雪洪水のリスクが高い場所・地域

  • 北海道・東北・北陸・長野などの豪雪地帯の河川流域
  • 山岳積雪地帯の下流域
  • 扇状地・沖積低地(融雪期の急流が通過する地域)

気象庁は融雪洪水のリスクが高まる時期に「融雪注意報・融雪警報」を発表します。積雪地域にお住まいの方は、春先の気象情報に特に注意を払ってください。

洪水の種類⑥:土石流・山地河川の洪水

土石流(どせきりゅう)は「山腹・川底に堆積した石・土砂が、長雨・集中豪雨によって一気に下流に押し流される現象」です。「水と土砂が一体となった流れ」という点で、通常の洪水とは異なる種類の水害です。

土石流の発生メカニズム

長雨・集中豪雨によって山腹・渓流の土砂が水を含み不安定になります。土砂が崩れると、水と土砂が一体となって急勾配の渓流を猛スピードで流れ下ります。

時速は20〜40kmに達することもあり、人が逃げる速度を大幅に超えます。土石流が到達した範囲では「建物の全壊・埋没」という壊滅的な被害が生じます。

土石流の危険な特徴

土石流の最大の特徴は「突発性(とっぱつせい)」です。「直前まで特に異変がなかったのに、一瞬で土石流が来た」という証言が多くの事例で残されています。

また、土石流は「正面から来る」だけでなく、流路が変化して「予想しない方向から来る」ことがあります。

さらに、大きな地震が先行している場合(地震→大雨の複合災害)は、地盤が緩んでいるため通常より小さな雨でも土石流が発生するリスクがあります。

土石流のリスクが高い場所

  • 渓流・急勾配の山地河川の下流部・出口付近(扇状地の頂部)
  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
  • 谷の出口・沢の出口にある住宅地
  • 斜面崩壊が起きやすい急勾配の山の麓

🚨 土石流の前兆現象に注意
土石流が発生する前には「前兆現象」が現れることがあります。
・「ゴー・ザー」という山鳴り・濁流音が聞こえる
・濁った水・異臭のある水が流れてくる
・小石が混じった水が流れる
・突然河川の水量が増える・または急に減る
これらの前兆を感じたら、ためらわず直ちに高いところ・安全な場所に避難してください。
確認しようと渓流・沢に近づくことは絶対にしないでください。

洪水の種類⑦:ダム・堤防破壊による突発洪水

ダムや堤防が破壊・決壊することで発生する洪水も、重要な洪水の種類のひとつです。通常の洪水よりも「突発性が高く・流量が非常に大きい」という特徴があります。

ダム破壊・決壊による洪水

豪雨によってダムへの流入量が貯水能力を超えた場合や、地震・地すべりによってダム本体が損傷した場合、ダムが決壊して大量の水が一気に放出されます。

ダム貯水量の全量が短時間で放出されるため、下流域での洪水は通常の河川洪水より大規模になります。

また、ダムが緊急放流を行う場合(ダムへの流入量と同量を放流するやむを得ない操作)も、下流の水位が急激に上昇します。

堤防決壊による突発洪水

堤防の決壊は「水位が堤防を越えた後に侵食が進み、一気に崩壊する」というプロセスで起きることが多いです。

堤防が決壊すると「大量の水が一気に市街地に流れ込む」ため、逃げる時間的余裕がほとんどありません。過去の事例では、堤防決壊から数分〜十数分で住宅地が深く浸水した事例が報告されています。

突発洪水に対する防災の考え方

ダム・堤防破壊による突発洪水は「発生前の避難完了」が唯一の対策です。河川の増水状況・ダムの貯水量・緊急放流の予告情報などをリアルタイムで確認することが重要です。

国土交通省「川の防災情報(https://www.river.go.jp/)」では、全国の河川水位・ダム放流情報をリアルタイムで確認できます。

洪水の7種類まとめ:特徴・危険な場所・防災行動の一覧

本記事で解説した洪水の7種類を、防災行動の観点から整理します。

洪水の種類 主な発生原因 特に危険な場所 防災行動の要点
①外水氾濫 台風・豪雨による河川増水・堤防決壊 河川沿いの低地・氾濫平野・後背湿地 洪水警報(氾濫警報)発表時に早期避難。堤防決壊は突発的なので「早逃げ」が最重要
②内水氾濫 集中豪雨・ゲリラ豪雨・河川水位上昇 都市部の低地・地下空間・アンダーパス 大雨時に地下に近づかない。地下にいたら即座に地上へ移動
③高潮 台風・低気圧の気圧低下・強風 沿岸低地・湾岸・河口部・海抜ゼロm地帯 台風接近前に早期避難。暴風が吹き始める前に移動を完了させる
④津波遡上 地震・海底火山噴火による津波 河口から数十km以内の河川沿い低地 地震後は河川に近づかない。ただちに高台へ避難する
⑤融雪洪水 春の気温上昇・融雪期の降雨 豪雪地帯の河川下流域・扇状地 春先の融雪注意報・警報に注意。河川水位の変化をこまめに確認
⑥土石流 長雨・集中豪雨による山地の土砂崩壊 渓流出口・急傾斜地の麓・扇状地頂部 前兆現象(山鳴り・濁水)を感じたら即時避難。渓流に近づかない
⑦突発洪水 ダム決壊・緊急放流・堤防決壊 ダム・堤防の下流域全体 川の防災情報・ダム放流情報をリアルタイム確認。早期避難を最優先

洪水の種類に応じた防災対策の基本:「知る→確認する→備える→逃げる」

洪水の種類がわかったところで、日常的な防災対策の基本を解説します。

「知る」:ハザードマップで自宅のリスクを把握する

洪水の種類ごとに「自宅がどのリスクにさらされているか」を確認することが防災の出発点です。国土交通省「ハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ)」で以下を確認してください。

  • 洪水浸水想定区域・想定浸水深(外水氾濫のリスク)
  • 内水氾濫(雨水出水)浸水想定区域(内水氾濫のリスク)
  • 高潮浸水想定区域(高潮のリスク)
  • 土砂災害特別警戒区域・土砂災害警戒区域(土石流・崩壊のリスク)
  • 津波浸水想定区域(津波・津波遡上のリスク)

自宅が「複数のリスクゾーン」に重なっている場合は、それぞれのリスクに対して個別に備えが必要です。

「確認する」:気象庁・国土交通省のリアルタイム情報を使いこなす

大雨・台風のときにリアルタイムで確認すべき情報ツールをまとめます。

  • 気象庁「キキクル(危険度分布)」:洪水(河川氾濫)・浸水害・土砂災害の危険度を5段階でリアルタイム表示。大雨時の最重要ツール
  • 国土交通省「川の防災情報」:河川水位・ダム放流量のリアルタイム確認。外水氾濫・突発洪水への対応に有効
  • 気象庁「警報・注意報の発表状況」:自分の市区町村に発表されている警報・注意報を確認
  • 気象庁「潮位情報」:台風接近時の潮位変化を確認。高潮への対応に有効
  • 気象庁「融雪情報」:積雪地域における融雪洪水リスクの確認

「備える」:洪水の種類に合わせた防災グッズを揃える

洪水対策に優先的に揃えておきたい防災グッズは以下の通りです。

  • 止水板・水嚢(みずのう):玄関・勝手口・窓下からの浸水(外水氾濫・内水氾濫)を防ぐ
  • 逆流防止弁:内水氾濫時のトイレ・排水口からの下水逆流を防ぐ
  • 折りたたみ長靴・ウォーターブーツ:浸水した道路・建物内での移動に必須
  • 防水バッグ・ドライバッグ:スマートフォン・通帳・保険証・印鑑などを水濡れから守る
  • ライフジャケット(家族全員分):浸水が深くなった際の緊急時用。特に子ども・高齢者向けに準備
  • ポータブル電源・防災ラジオ:洪水・浸水による停電に備える。手回し・ソーラー充電対応が理想的
  • 非常食・飲料水(7日分以上):洪水後の孤立・浸水継続を想定した長期備蓄
  • ヘッドライト:停電・夜間の避難時に両手を使えるよう頭部装着型がおすすめ

「逃げる」:洪水の種類ごとの避難タイミングを知る

洪水の種類によって「最善の避難タイミング」が異なります。

  • 外水氾濫・高潮:洪水警報・高潮警報(新制度では氾濫警報・高潮警報)が発表された時点で高齢者等は避難開始。全員は危険警報(警戒レベル4)発表時に避難完了が目標
  • 内水氾濫:大雨時に地下にいたら即座に地上へ。アンダーパスには車で近づかない。道路が冠水してきたら建物の上階へ垂直避難
  • 津波遡上:強い地震を感じたら「揺れが収まってから」ではなく「揺れているうちから」高台への移動を開始。海・川に近づかない
  • 土石流:大雨警報・土砂災害警戒情報(新制度では土砂災害警報・危険警報)が出たら早期避難。前兆現象を感じたら即時避難
  • 突発洪水・ダム放流:ダム緊急放流の情報・堤防決壊情報が入ったら即座に垂直避難または高台へ。徒歩での移動が不可能な場合は2階以上への垂直避難

✅ 全洪水種類に共通する最重要ルール
どの種類の洪水であっても「早めの避難が命を守る」という原則は共通です。
「まだ大丈夫」「様子を見よう」という判断が、取り返しのつかない結果につながります。
避難情報が出る前であっても「危険だと感じたら自分の判断で逃げる」ことが大切です。
自分・家族の命は「情報を待ってから行動する」のではなく「情報が出る前に行動できるか」で守られます。

まとめ:洪水の種類を知ることが防災の第一歩

この記事でお伝えした「洪水の7種類」の要点をまとめます。

  • 外水氾濫:川が溢れる洪水。堤防決壊は突発的。早期避難が最優先
  • 内水氾濫:川から離れた場所でも起きる都市型洪水。地下空間が最も危険
  • 高潮:台風による海面上昇。沿岸・湾岸低地・海抜ゼロm地帯が危険
  • 津波遡上:地震後に河川を逆流する津波。40km以上遡上した事例あり
  • 融雪洪水:春先の気温上昇・降雨で発生。積雪地域の長期リスク
  • 土石流:水と土砂が混合した超高速の流れ。前兆現象を見逃さない
  • 突発洪水:ダム・堤防の決壊による急激な大量出水。川の防災情報の監視が重要

「洪水=川が溢れる」という一面的な理解では、多くの洪水リスクを見逃してしまいます。

7種類の洪水それぞれの「発生場所・タイミング・危険の特徴」を知ることで、自分・家族が直面するリスクを正確に把握できます。

ハザードマップの確認・リアルタイム情報ツールの活用・防災グッズの準備・早めの避難行動の3点セットで、洪水から命と暮らしを守ってください。

防災ベースでは今後も洪水・水害から命と暮らしを守るための最新情報をお届けします。

Image by Pixabay,Unsplash,Freepik,写真AC

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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