水道管の凍結はマイナス4度から|熱湯で解かすと割れる、破裂したら元栓を先に閉める

水道管の凍結はマイナス4度から

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【この記事の要約】
水道管は、気温がマイナス4度を下回ると凍りやすくなります。水は凍ると体積が約1割増えるため、管の中で凍った水が内側から管を押し広げ、ひびや破裂を起こします。困るのは、破裂に気づくのが、氷が融けて水が噴き出したときだという点です。予防の基本は3つです。一、寒い夜は水抜き栓で管の水を抜く(寒冷地の住宅に付いています)。二、むき出しの管を保温材で巻く。三、水抜きができない家では、蛇口から細く水を出し続ける。凍ってしまったら、熱湯をかけてはいけません。管が急に膨らんで割れます。タオルを巻いて、ぬるま湯をゆっくりかけるのが正しい解かし方です。破裂したら、まず元栓(止水栓)を閉めてください。その場所を、いまのうちに確認しておくことを勧めます。

こんにちは。防災ベーシックのたにです。札幌で防災士として活動しています。

札幌の家には、「水抜き栓」という装置が必ずついています。冬の夜や、家を空けるときに、水道管の中の水を抜くためのものです。

北海道の人にとっては当たり前の作業ですが、本州から引っ越してきた方が、最初の冬に水道管を破裂させることは珍しくありません。

そして寒波が来ると、ふだん凍結とは無縁の地域でも、水道管の破裂が相次ぎます。

目次

結論|いまのうちに、元栓の場所を確認してください

一、気温がマイナス4度を下回る予報が出たら、凍結に備える
二、凍ったら、熱湯ではなくぬるま湯でゆっくり解かす
三、破裂したら、まず元栓(止水栓)を閉める
元栓の場所は、破裂してから探しても見つかりません。水が噴き出している中で探すことになります。

この記事でいちばん伝えたいのは、三つめです。

凍結は予防できないこともあります。ですが、破裂したあとの被害の大きさは、元栓を閉めるまでの時間で決まります。家の中が水浸しになるか、床が少し濡れるだけで済むか。その差は数分です。

なぜ、水道管は凍ると割れるのか

水は、凍ると体積が約1割増えます。

ふつうの物は冷えると縮みますが、水は例外です。凍るときに膨らみます。その力は、金属の管を内側から押し広げるほど強いものです。

段階 管の中で起きること
1 気温が下がり、管の中の水が冷える
2 一部が凍り、氷が水の通り道をふさぐ
3 氷と氷の間に閉じ込められた水が凍るとき、行き場がなくなり、管を内側から押す
4 管にひびが入る、継ぎ目が外れる
5 気温が上がって氷が融けると、そこから水が噴き出す

5番目の段階が、この被害の厄介なところです。

破裂は夜のうちに起きていても、氷が詰まっているあいだは水が出ません。朝になって気温が上がり、氷が融けた瞬間に水が噴き出します。家を留守にしていれば、帰ったときには床下や壁の中が水浸しになっています。

凍りやすい条件

条件 なぜ凍りやすいか
気温がマイナス4度以下 水道局が目安にしている温度です。これを下回ると凍結が増えます
晴れて風が弱い夜 放射冷却で、明け方に急に冷え込みます
むき出しになっている管 屋外の蛇口、給湯器まわり、メーター付近など
北側・日陰の管 日中も温まらず、冷えたままになります
風が当たる場所 風で熱が奪われ、気温以上に冷えます
水を使わない時間が長い 夜間や、旅行などの留守中。水が動かないと凍りやすい

「晴れて風が弱い夜」は、見落とされやすい条件です。

雪や雨の夜より、晴れた夜のほうが冷え込みます。雲がないと、地面の熱が空へ逃げていくからです。放射冷却の仕組みは放射冷却とは?晴れた朝ほど冷える3つの条件と、凍結を防ぐ前夜の準備に書きました。

ふだん凍らない地域ほど危ない

北海道や東北の住宅は、水道管を深く埋め、水抜き栓を付けることを前提に建てられています。

一方、関東や西日本の住宅は、凍結を前提にしていないことが多いのです。

寒冷地 ふだん凍らない地域
水抜き栓 ほぼすべての住宅にあります ないことが多い
管の埋設 凍らない深さまで埋めています 浅く埋められていることがあります
屋外の管の保温 標準的に施工されています むき出しのことがあります
住む人の経験 毎冬の習慣になっています 何をすればよいか知らない

寒波で水道管の破裂が相次ぐのは、多くがこちらの地域です。気温は寒冷地ほど下がらなくても、備えがないぶん被害が出ます。

予防①|水抜き栓で、管の水を抜く

寒冷地の住宅では、これが基本です。

水抜き栓は、家の中の水道管から水を抜き、凍る水そのものをなくす装置です。管が空なら、どれだけ冷えても割れません。

順番 やること
1 水抜き栓のハンドル(またはスイッチ)を「水抜き」の位置にする
2 家中の蛇口を開けて、管の中に空気を入れる。水が抜けやすくなります
3 水が出なくなったら、蛇口を閉める
4 トイレのタンク、給湯器など、個別の水抜きが必要な機器も確認する
5 使うときは、蛇口をすべて閉めてから水抜き栓を「通水」に戻す

5番目の順番を間違えると、水が噴き出します。蛇口が開いたまま通水すると、そこから一気に水が出ます。

いつ水を抜くか

場面 判断
寒い夜(マイナス4度を下回る予報) 寝る前に抜く
家を空けるとき 日帰りでも、冷え込む日は抜く
長期の旅行・帰省 必ず抜く。給湯器やトイレも含めて
日中、家にいて水を使う 抜かなくてよい。水が動いていれば凍りにくい

いちばん事故が多いのは、年末年始の帰省です。

数日間、誰も水を使わず、暖房も切られた家は、外と同じくらい冷えます。帰ってきて水抜き栓を戻したら、床下で水が噴き出していた、という事例が毎年あります。

予防②|管を保温材で巻く

水抜き栓がない家では、これが中心になります。

巻く場所 理由
屋外の蛇口と、そこまでの管 最も凍りやすい場所です
給湯器のまわりの配管 屋外に露出していることが多く、破裂すると修理が高額になります
水道メーターのまわり メーターボックスの中に、布や発泡材を詰めます
北側の壁沿いの管 日が当たらず、冷えたままになります

保温材は、ホームセンターで筒状のものが売られています。管にかぶせてテープで留めるだけです。ない場合は、古いタオルや布を巻き、その上からビニールで覆って濡れないようにします。

濡れた布は、かえって冷やします。必ず上から水を防いでください。

水道メーターの凍結

水道メーターは、地面の浅いところにある箱の中に入っています。ここも凍ります。

メーターボックスのふたを開け、発泡スチロールや、ビニール袋に入れた布を詰めておくと、凍りにくくなります。ふたの上に雪が積もっていれば、それも保温になります。

予防③|水を細く出し続ける

水抜き栓がなく、保温も十分でない家の、最後の手段です。

蛇口から鉛筆の芯くらいの太さで水を出し続けると、管の中の水が動き続け、凍りにくくなります。

利点 注意点
特別な道具が要らない 水道料金がかかります。一晩でもそれなりの量になります
すぐにできる 排水口が凍ると、水があふれることがあります
確実性が比較的高い 地域で一斉にやると、水道の水圧が下がることがあります

寒波のときに、大勢が同じことをすると、配水が追いつかなくなることがあります。水道局が「出しっぱなしは控えて」と呼びかける場合もあるので、地域の案内に従ってください。

凍ってしまったら|正しい解かし方

朝、蛇口をひねっても水が出ない。凍結の典型です。

熱湯をかけてはいけません。
急に熱が加わると、管や蛇口が膨らんで割れます。凍っていただけの管を、自分の手で破裂させることになります。

方法 やり方
自然に解けるのを待つ いちばん安全です。日中、気温が上がれば解けることが多い
タオルを巻いて、ぬるま湯をかける 凍った部分にタオルを巻き、30〜40度程度のぬるま湯をゆっくりかけます
ドライヤーで温める 離れたところから、少しずつ温めます。一点に当て続けない
部屋を暖める 室内の管なら、暖房で室温を上げるだけで解けることがあります

解かすときは、蛇口を少し開けておいてください。水が出始めたことが分かりますし、解けた水の逃げ道になります。

やってはいけないこと

やってはいけない 理由
熱湯をかける 管や蛇口が割れます
ガスバーナーやライターであぶる 火災の危険があり、管も傷みます
蛇口を力まかせにひねる 凍った蛇口を無理に回すと、内部が壊れます
ハンマーでたたく 凍った管はもろくなっています

破裂してしまったら

ここからは、時間との勝負です。

順番 やること
1 元栓(止水栓)を閉める。水道メーターのそばにあります
2 電気製品のそばに水が来ていれば、ブレーカーを落とす
3 破裂した場所にタオルを巻き、水の広がりを抑える
4 自治体の指定給水装置工事事業者に修理を依頼する
5 被害の写真を撮る。保険の手続きに使います

元栓は、どこにあるか

元栓(止水栓)は、多くの場合、水道メーターと同じ箱の中にあります。

住宅の種類 よくある場所
一戸建て 敷地内の地面にある、メーターボックスの中
マンション・アパート 玄関横のパイプスペース(扉の中)
寒冷地の住宅 水抜き栓と一体になっていることがあります

今日、一度だけ見に行ってください。
場所を確かめ、ハンドルが回るかどうかも試しておくと安心です。長年動かしていない栓は、固くて回らないことがあります。
雪に埋もれる場所なら、目印を立てておいてください。

修理は、指定の業者に

水道の修理は、自治体が指定した「指定給水装置工事事業者」が行います。水道局のウェブサイトに一覧が載っています。

寒波のあとは、修理の依頼が集中します。すぐに来てもらえないこともあるので、元栓を閉めて被害を止めておくことが大切です。

そして、飛び込みの業者や、ポストに入っていた広告の業者には注意してください。高額な請求のトラブルが、寒波のたびに起きています。

給湯器の凍結

給湯器は、凍結で壊れると修理費が高額になります。

やること 理由
電源プラグを抜かない 多くの給湯器には凍結防止のヒーターが入っています。電源が必要です
停電が予想されるときは水抜き 停電すると凍結防止ヒーターが止まります
配管の保温 給湯器につながる管は、屋外に露出しています
取扱説明書を確認 機種ごとに、水抜きの方法が違います

「使わないから電源を抜いておこう」が、いちばん多い失敗です。

給湯器の電源を抜くと、内部の凍結防止装置が止まります。節電のつもりが、修理代を招きます。

冬の停電と、水道の凍結

大雪や寒波で停電すると、凍結の危険が一気に上がります。

停電で止まるもの 起きること
暖房 室内が冷え、室内の管まで凍る
給湯器の凍結防止ヒーター 給湯器と配管が凍る
マンションの給水ポンプ そもそも水が出なくなる

停電が長引きそうなときは、水抜き栓で管の水を抜くか、給湯器の水抜きをすることを考えてください。

マンションの断水の仕組みはマンションの断水は停電で起きる|トイレを流してはいけない理由と備えに書きました。

凍結に備えた、水の備蓄

凍結で水が出ない朝は、断水と同じ状態です。

備え 使い道
飲み水(ペットボトル) 1人1日3リットルが目安
寒い夜は、やかんや鍋に水をくんでおく 朝の洗顔や調理に使えます
浴槽に水を残す トイレを流す水になります

寒波の予報が出た夜に、やかん1杯の水をくんでおく。それだけで、翌朝の困りごとがひとつ減ります。

断水全般の備えは断水対策おすすめ完全ガイド|飲料水・トイレ・衛生・給水タンクまでにまとめています。

家の中で、凍りやすい場所

凍結は屋外の管だけの問題ではありません。家の中にも、冷えやすい場所があります。

場所 なぜ凍るか 対策
トイレ 北側にあり、暖房がないことが多い。タンクと便器の水が凍ります 寒冷地では専用の水抜きがあります。便器に不凍液を入れる方法もあります
洗濯機 給水ホースと本体内部に水が残ります 使い終わったら蛇口を閉め、ホースの水を抜く
洗面所・脱衣所 外壁に面し、暖房が届きにくい 扉を開けて、居間の暖気を回す
床下の配管 基礎の換気口から冷気が入ります 寒波の間だけ、換気口をふさぐ方法があります
食器洗い乾燥機 内部に残った水が凍ります 取扱説明書の水抜き手順に従う

洗濯機の凍結は、意外に多いトラブルです。

ベランダや屋外に置いた洗濯機は、給水ホースの中の水が凍り、朝になると動かなくなります。無理に動かすと故障します。寒い夜の前は、使い終わったら蛇口を閉め、ホースを外して水を抜いておいてください。

凍結防止ヒーター(電熱帯)を使うとき

管に巻きつけて電気で温める凍結防止ヒーターがあります。寒冷地の屋外配管では広く使われています。

守ること 理由
重ねて巻かない 重なった部分が過熱し、火災の原因になります
古いものは交換する 被覆が傷むと、漏電や発火が起きます
電源を抜かない 節電のつもりで抜くと、凍結を招きます
保温材の上から巻かない 製品によって、巻く順番が決まっています。説明書に従ってください

凍結防止ヒーターが原因の火災は、毎年起きています。

設置から年数がたったもの、ひびや変色があるものは、使わずに交換してください。秋のうちに、一度状態を見ておくと安心です。

家を空ける前のチェック

年末年始の帰省、冬の旅行。家を数日空けるときがいちばん危険です。

確認 内容
1 水抜き栓で水を抜く(寒冷地)。ない家は元栓を閉め、蛇口を開けて管の水を出す
2 給湯器の水抜きをするか、電源を入れたままにする
3 トイレのタンクと便器の水を処理する(寒冷地では専用の手順があります)
4 洗濯機のホースの水を抜く
5 近所の方に、留守を伝えておく。異変に気づいてもらえます
6 帰宅したら、蛇口をすべて閉めてから通水する

6番目を忘れないでください。開けたままの蛇口から、通水した瞬間に水が噴き出します。

寒冷地に引っ越してきた方へ

本州から北海道や東北へ引っ越してきた方が、最初の冬にいちばん戸惑うのが水抜きです。

最初にやること 理由
水抜き栓の場所を確認する 台所の床下収納、洗面所、玄関付近など、家によって違います
電動か手動かを確認する 最近の住宅は、スイッチ一つで水を抜く電動式が増えています
不動産会社や大家さんに、手順を聞く 家ごとに癖があります。実際にやって見せてもらうのが確実です
近所の方に聞く 地域の習慣として、いつ抜くかを教えてもらえます

「何度になったら抜くのか」は、地域によって感覚が違います。

札幌では、最低気温がマイナス4度を下回る予報の夜や、家を空けるときは抜くのが一般的です。引っ越してきた年は、少し早めに抜くくらいでちょうどよいと思います。

札幌の冬の、水抜きの実際

私の家でも、冬の夜は水抜きをします。最初は面倒に感じましたが、一度習慣になれば歯磨きと同じです。

それでも、うっかり忘れる夜はあります。飲み会で遅くなった夜、疲れて寝てしまった夜。そういう日に限って冷え込み、朝、水が出ない。

そのとき大切なのは、慌てて熱湯をかけないことです。部屋を暖め、日中の気温が上がるのを待てば、多くの場合は解けます。待てない事情があっても、ぬるま湯までにしてください。

水抜きを忘れて凍っても、管が割れていなければ被害はありません。
被害を生むのは、凍った管を急いで解かそうとする手のほうです。

マンション・アパートで気をつけること

集合住宅は、一戸建てより凍りにくいと言われます。ただし、場所によっては例外があります。

凍りやすい場所 理由
玄関横のパイプスペース 共用廊下に面した扉の中。外気にさらされていることがあります
最上階・角部屋 外に面する壁が多く、冷えやすい
外廊下の建物 メーターと配管が屋外にあるのと同じ状態です
ベランダの給湯器 屋外に設置され、配管がむき出しになっています

集合住宅で破裂すると、被害は自分の部屋だけで済みません。

下の階へ水が漏れ、他の住戸の天井や家財を濡らします。その場合の賠償の問題も出てきます。個人賠償責任保険に入っているかを、火災保険の特約とあわせて確認しておくと安心です。

管理会社の案内を必ず読む

寒冷地の賃貸住宅では、入居時に水抜きの方法を説明する書類が渡されることが多くあります。

その案内に従わずに破裂させた場合、修理費が入居者の負担になることがあります。冬の前に一度、読み直しておいてください。

屋外の蛇口と散水栓

庭の水やりや洗車に使う屋外の蛇口は、最も凍りやすい場所です。

対策 やり方
冬の間は使わない 屋外の蛇口につながる管だけ止められる栓があれば、閉めて水を抜きます
ホースを外す つないだままだと、ホースの中の水が凍り、蛇口まで凍らせます
蛇口を保温する 専用のカバーか、布とビニールで覆います
立水栓の根元 地面から出ている部分を、保温材で巻きます

ホースをつなぎっぱなしにしている家は、多いと思います。秋のうちに外して、しまっておいてください。

春先にも注意|融けたときに分かる破裂

冬の間に入ったひびは、春に水が噴き出して初めて分かることがあります。

気づくきっかけ 確認すること
水道料金が急に上がった どこかで水が漏れている可能性があります
メーターが回り続けている 蛇口をすべて閉めた状態でメーターを見ます。動いていれば漏水です
床や壁にしみが出る 見えない場所で漏れています
地面がいつも湿っている 地中の管から漏れていることがあります

メーターの確認は、簡単で確実な方法です。

家中の蛇口を閉め、メーターの小さな円盤(パイロット)が回っていないかを見ます。回っていれば、どこかで水が流れ続けています。冬が終わったら一度、確かめてみてください。

秋・冬・春に、やること

季節 やること
秋(10〜11月) 元栓の場所を確認し、回るか試す。屋外の管を保温する。ホースを外す
秋 凍結防止ヒーターの傷みを見る。水抜き栓の動作を確かめる
冬(寒い夜の前) 水抜き、または細く水を出す。やかんに水をくんでおく
冬(家を空ける前) 水抜き、給湯器の確認、近所への声かけ
春(3〜4月) メーターで漏水を確認する。保温材の傷みを見る

秋の作業は、30分もあれば終わります。寒くなってからでは、屋外の作業そのものがつらくなります。

寒波の予報が出た日に、やること

ここまでの内容を、寒波の前日にやる順番にまとめます。

順番 やること かかる時間
1 最低気温の予報を見る。マイナス4度を下回るか 1分
2 屋外の蛇口のホースを外し、保温されているか見る 5分
3 やかんや鍋に水をくんでおく。浴槽の水を残す 3分
4 寝る前に水抜き。水抜き栓がなければ、細く水を出す 5分
5 洗濯機の蛇口を閉め、ホースの水を抜く 3分
6 元栓の場所を、家族にも伝えておく 1分

合わせて20分ほどです。寒波は数日前から予報が出ます。寒波は2週間前から予告されています|早期天候情報の見方と、4段階での備え方で、早めに気づけるようにしておいてください。

6番目の「家族にも伝えておく」を加えたのには理由があります。破裂は、自分がいないときに起きることもあるからです。家にいる人が元栓の場所を知らなければ、閉めることはできません。

凍結で水が出ない朝の過ごし方

水抜きを忘れ、朝になって水が出ない。焦らずに済むよう、その朝の動き方を決めておきます。

順番 やること
1 家中の蛇口を試し、凍っているのが一か所か全体かを確かめる
2 部屋を暖め、凍っていそうな場所の近くの扉を開ける
3 前夜にくんだ水と、ペットボトルの水で朝の支度をする
4 トイレは浴槽の水で流す
5 昼まで待っても出なければ、ぬるま湯で解かすか、業者に相談する

いちばん大切なのは、急がないことです。

出勤前の慌ただしい時間に、熱いお湯をかけたくなる気持ちは分かります。ですが、その数分の焦りが、数万円の修理と、家の水浸しを招きます。前の晩に水をくんでおけば、その朝は急がずに済みます。

よくある質問

Q. マイナス何度から対策が必要ですか

水道局が目安にしているのは、マイナス4度です。

ただし、風が当たる場所やむき出しの管は、それより高い気温でも凍ります。天気予報で最低気温がマイナスになりそうなら、屋外の管だけでも保温しておくと安心です。

Q. 賃貸住宅で破裂したら、誰が修理費を払いますか

まず管理会社か大家さんに連絡してください。

費用の負担は、原因と契約の内容によって変わります。管理会社から水抜きの指示が出ていたのに守らなかった場合は、入居者の負担になることがあります。入居時の説明書や契約書を、冬の前に確認しておいてください。

Q. 火災保険で、水道管の破裂は補償されますか

契約の内容によります。

破裂した管そのものの修理より、水漏れで濡れた床や家財の被害が補償の対象になることが多いです。自分の保険証券で「水濡れ」の項目を確認してください。被害の写真は、片づける前に撮っておきます。

Q. 水が出ないとき、凍結か断水か、どう見分けますか

家の中の別の蛇口を試してください。

一か所だけ出ないなら、その管の凍結が疑われます。家中の蛇口が出ないなら、メーターまわりの凍結か、地域の断水です。近所の家でも出ないようなら断水の可能性が高いので、水道局の情報を確認してください。

Q. 水抜き栓がない家では、どうすればよいですか

保温と、細く水を出す方法を組み合わせてください。

屋外の管とメーターまわりを保温し、特に冷え込む夜だけ、蛇口から細く水を出しておく。これで多くの凍結は防げます。長期で家を空けるなら、元栓を閉め、蛇口を開けて管の水を抜いておく方法もあります。

Q. 凍結防止のために、暖房をつけっぱなしにするべきですか

室内の管の凍結には効果がありますが、屋外の管は守れません。

凍結が起きやすいのは、屋外や床下、外壁の中の管です。部屋を暖めても、そこまで熱は届きません。暖房に頼るより、水抜きや保温のほうが確実です。

ただし、洗面所や脱衣所の扉を開けて暖気を回すのは、室内の管には効果があります。

Q. 凍った蛇口にお湯をかけて、割れてしまいました。どうすれば

すぐに元栓を閉めてください。そのうえで、指定給水装置工事事業者に修理を依頼します。

蛇口本体が割れた場合でも、元栓さえ閉めれば被害は広がりません。応急処置として、割れた部分をタオルで巻き、ビニールテープで押さえておく方法もあります。

Q. 井戸水を使っていますが、同じ対策でよいですか

基本は同じですが、ポンプの凍結に注意が要ります。

井戸用のポンプは屋外にあることが多く、ポンプ本体が凍ると壊れます。ポンプの保温と、凍結防止ヒーターの状態を確認してください。停電するとポンプが止まり、水が出なくなる点も、水道とは違うところです。

Q. 賃貸で水抜き栓の場所が分かりません

管理会社か大家さんに、今すぐ聞いてください。

寒冷地の住宅なら、必ずどこかにあります。台所の床下収納の中、洗面台の下、玄関の近くなどが多い場所です。冬になる前に、実際に操作して見せてもらうのが確実です。

Q. 凍結防止に、蛇口を少し開けておくと水道代はどのくらいかかりますか

出す量と時間、地域の料金で変わるため、一律には言えません。

ただ、鉛筆の芯ほどの太さでも、一晩出し続ければバケツ何杯分もの量になります。毎晩続けると、冬の水道代に表れます。

ですからこの方法は、とくに冷え込む夜だけに絞るのが現実的です。毎晩必要になる家なら、保温材を巻く、凍結防止ヒーターを付けるといった根本の対策を検討する価値があります。

Q. 凍結しやすい家かどうか、見分ける方法はありますか

去年の冬に、一度でも凍ったことがあるかが、いちばんの手がかりです。

一度凍った場所は、条件がそろえば毎年凍ります。建物の構造や、管の通り道が変わらないからです。前の住人や大家さんに聞けるなら、聞いておくと対策の場所が絞れます。

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まとめ

要点 内容
凍る目安 気温マイナス4度以下。晴れて風の弱い夜は特に冷えます
割れる理由 水は凍ると体積が約1割増え、管を内側から押し広げます
予防 水抜き栓で抜く/管を保温する/細く水を出す
凍ったら 熱湯は厳禁。タオルを巻いてぬるま湯をゆっくり
破裂したら まず元栓を閉める。場所は今日のうちに確認
給湯器 電源を抜かない。凍結防止ヒーターが止まります
修理 自治体の指定給水装置工事事業者へ。飛び込み業者に注意

水道管の凍結は、命に関わる災害ではありません。ですが、家が水浸しになれば、冬の暮らしは一気に崩れます。床を張り替える、家財を捨てる、しばらく住めなくなる。寒い季節に、それは大きな負担です。

元栓の場所を確かめる。今日できることはそれだけですが、いざというときの被害を最も小さくする一手です。

今日、元栓を見に行く。それが、この記事を読んだあとにできる、いちばん確実な一歩です。

【出典】
札幌市水道局「水道の凍結について」/東京都水道局「水道管の凍結について」/名古屋市上下水道局/金沢市企業局(凍結の目安の気温、水抜き、解氷の方法、破裂時の対応)
水抜き栓の操作方法は、住宅や製品ごとに異なります。お住まいの自治体の水道局の案内と、機器の取扱説明書をご確認ください。修理は、自治体の指定給水装置工事事業者にご依頼ください。

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1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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