【この記事の要約】
結論から言います。雪道でいちばん滑るのは、雪ではありません。踏み固められて磨かれた氷の面です。横断歩道の白線の上、建物の出入り口、地下街の階段の上。ここが最も危ない。そして、転倒でいちばん多いけがは手首と股関節、そして頭部です。高齢の方の股関節骨折は、そのまま歩けなくなるきっかけになることがあります。防ぐ方法ははっきりしています。靴の裏を見る。手袋をしてポケットから手を出す。歩幅を小さくして、足の裏全体で着地する。この三つで、転倒はかなり減ります。この記事では、滑る場所の見分け方、歩き方、そして転んだときの受け身までをまとめました。
結論|三つで、ほとんど防げます
先に、この記事の要点を書いておきます。
一、靴の裏を見てください
すり減った靴は、圧雪の上で滑ります。溝がなくなった靴は、氷の上ではほぼ効きません。
これは車のタイヤと同じ話です。接地面がすべてを決めます。
二、手袋をして、ポケットから手を出してください
ここが、意外なほどよく効きます。
ポケットに手を入れて歩くと、転んだときに受け身が取れません。そのまま頭や顔を打ちます。
寒いから手を入れる。だから、手袋が転倒対策になります。
三、歩幅を小さく、足の裏全体で着地する
普段の歩き方は、かかとから着地して、つま先で蹴り出します。この動きが、氷の上では滑る原因になります。
雪道では、足の裏全体を同時に置くように歩いてください。歩幅を小さくすると、自然にその形になります。
いちばん滑るのは、雪ではありません
ここを誤解している方が、とても多い。
危ないのは、磨かれた氷の面です
降ったばかりの新雪は、実はそれほど滑りません。柔らかく、靴が沈んで引っかかるからです。
危険なのは、人や車に踏み固められ、表面が磨かれた状態です。雪国では「ミラーバーン」と呼ばれます。
そして、気温が0度前後のときが最も滑ります。表面がわずかに溶けて、水の膜ができるためです。
滑る場所は、決まっています
| 場所 | なぜ滑るか |
|---|---|
| 横断歩道の白線の上 | 塗料の上は水がはけず、氷が張ります |
| 建物の出入り口 | 持ち込まれた雪が溶けて凍ります |
| 地下街・駅の階段の上部 | 靴についた雪が解けて濡れています |
| バス停・タクシー乗り場 | 人が立ち止まり、踏み固められます |
| 坂道と、その途中の交差点 | 止まる・進むを繰り返す場所 |
| マンホールや側溝のふた | 金属は冷えやすく、先に凍ります |
| 車道と歩道の段差 | 除雪の跡が凍り、足を取られます |
「わたる」「またぐ」「のぼる」が危ない
覚えやすい形にまとめると、この三つになります。
横断歩道をわたるとき。段差をまたぐとき。階段をのぼる・おりるとき。いずれも、体重の移動が大きくなる動作です。
まっすぐ平らな道を歩いているときより、動作が変わる瞬間に転びます。
けがの中身を知っておいてください
どこを傷めやすいのかが分かると、備え方が変わります。
多いのは、手首・股関節・頭部です
手首は、とっさに手をついたときです。骨折することがあります。
股関節(大腿骨の付け根)は、横向きに倒れたときです。高齢の方に多く、手術が必要になることがあります。
頭部は、後ろ向きに転んだときです。これが最も重大な結果になります。
高齢の方の股関節骨折は、生活を変えます
ここは、とくに強調しておきたい点です。
骨折そのものだけでなく、入院と安静によって筋力が落ちます。そのまま歩けなくなる、あるいは介護が必要になることがあります。
つまり、冬の一度の転倒が、その後の暮らし全体を変えてしまうことがある。だから、軽く見ないでください。
後頭部を打つのが、最も危険です
雪道では、足が前に滑って、後ろ向きに倒れる形が多い。
この転び方は、受け身が取りにくく、後頭部を直接打ちます。意識があっても、あとから症状が出ることがあります。
頭を打った場合は、その場では元気に見えても医療機関を受診してください。これは自己判断せず、医師に診てもらうべき場面です。
なぜ氷の上で滑るのか
仕組みを知っておくと、危ない場面が予測できるようになります。少し説明します。
滑っているのは、氷ではなく水です
意外に思われるかもしれませんが、氷そのものは、それほど滑りません。
滑る原因は、氷の表面にできる、ごく薄い水の膜です。靴が乗ると圧力と摩擦で表面がわずかに溶け、その水が潤滑剤のように働きます。
だから、気温が0度前後のときが最も危ない。マイナス10度まで下がると、かえって滑りにくくなることがあります。溶けないからです。
だから、暖かい日ほど注意が要ります
ここは覚えておく価値があります。
「今日は暖かいから安心」と考えて薄手の靴で出かける。けれど、路面としてはその日がいちばん滑りやすい。
とくに、朝は凍っていて、日中に少し溶け、夕方に再び凍るという日です。夕方の帰り道が、一日で最も危険な時間帯になります。
ブラックアイスバーンという状態
路面が濡れているように見えて、実際には薄い氷の膜が張っている状態を指します。
アスファルトの黒が透けて見えるため、氷だと気づきません。歩行者にとっても、車にとっても危険です。
できやすいのは、橋の上、トンネルの出口、日陰の区間です。橋は下からも冷えるため、周囲より先に凍ります。
見分けるための手がかり
完全には見分けられませんが、目安になるものはあります。
一、路面が黒く光っている。濡れているのか凍っているのか、この時点では分かりません。気温が氷点下なら、氷だと考えてください。
二、他の人の歩き方が変わっている。前を歩く人が急に小股になったら、そこから滑りやすくなっています。
三、足の裏の感触。踏んだときに「キュッ」と鳴る雪は、比較的滑りにくい。逆に、無音でつるりとした感触は氷です。
時間帯と天気で、危険度が変わります
いつ出かけるかということも、判断材料になります。
| 状況 | 危険度 | 理由 |
|---|---|---|
| 早朝(放射冷却の朝) | 高い | 前日の雪解け水が凍っています |
| 降雪中 | 中 | 新雪はやや滑りにくい。ただし視界が悪い |
| 日中の晴れ | 中 | 溶けて水の膜ができます |
| 夕方(日没直後) | 最も高い | 溶けた水が一気に再凍結します |
| 大雪の翌日 | 高い | 踏み固められて磨かれています |
夕方が最も危ない理由
日が落ちると、路面温度が急に下がります。日中に溶けていた水が、短時間で凍ります。
そして、暗くて路面の状態が見えません。さらに、帰宅を急ぐ時間帯でもあります。
この三つが重なるため、転倒事故は夕方に集中します。秋から冬にかけては日没が早いので、余計に注意が要ります。
雪が少ない地域ほど、危険が高くなります
これは繰り返し書いてきた話です。
除雪や融雪の体制がなく、住民も慣れていません。そして、冬用の靴を持っていない人がほとんどです。
数センチの雪でも、翌朝には凍って一面の氷になります。雪国の1メートルより、こちらのほうが転倒者が出ることがあります。
場所ごとの、具体的な注意点
ここからは、日常の動線に沿って見ていきます。
自宅の玄関前
ここは、意外なほど事故が多い場所です。
屋根からの落雪や雨だれが、玄関前で凍ります。そして、毎日通る場所なので油断します。
対策は単純です。雪かきのついでに、玄関前の氷を割っておく。そして、融雪剤や砂を撒いておく。
融雪剤は、雪が降る前に撒いておくほうが効きます。凍ってからでは、溶かすのに時間がかかります。
駐車場と、車の乗り降り
車のドアを開けて、片足を出した瞬間が危ない。
体重が片足にかかり、しかも手はドアを持っています。滑ったときに支えられません。
ドアの枠をしっかり握り、両足を地面につけてから立ち上がってください。
職場や店の入口
入口のマットの手前が、持ち込まれた雪で濡れて凍ります。
そして、屋内に入った直後も危険です。靴についた雪が溶けて、床が濡れています。タイルの床では、ここで滑ります。
入口で足踏みして雪を落とす。これだけで、自分と後から来る人の両方を守れます。
階段
階段は、転倒すると被害が大きくなる場所です。
必ず手すりを持ってください。荷物を持ち替えてでも、手すりを使う価値があります。
そして、下りのほうが危険です。重心が前に出て、足が滑ると止まりません。
靴の選び方
靴を替えるのが、いちばん確実な対策です。
見るのは、靴底の三点です
一、溝があるか。すり減って平らになった靴は、それだけで危険です。
二、ゴムが硬くなっていないか。古い靴はゴムが硬化し、氷の上で効かなくなります。スタッドレスタイヤと同じ理屈です。
三、接地面が広いか。細いヒールは、圧力が一点に集まって滑ります。
冬用として売られているものを選んでください
冬道向けの靴には、低温でも硬くなりにくいゴムが使われています。
製品によっては、ガラス繊維やセラミックの粒を混ぜて、氷に食い込ませる工夫がされています。
買うときに、「冬用」「防滑」といった表示を確認してください。見た目が似ていても、性能はまったく違います。
滑り止めを後付けする方法もあります
手持ちの靴に、装着する滑り止めがあります。ゴムバンドで固定するタイプです。
数百円から手に入り、かばんに入れておけるのが利点です。雪の少ない地域で、たまに降ったときに使う方には向いています。
ただし、屋内では外してください。金属のピンが付いたものは、タイルや床の上でかえって滑ります。
歩き方
道具だけでなく、動き方でも結果は変わります。
ペンギン歩き
これは、雪国でよく言われている歩き方です。
歩幅を小さくし、重心を前に置き、足の裏全体で着地する。やや前傾になり、ペンギンのような姿勢になります。
ポイントは、重心を前足の真上に置くことです。体重が後ろに残ると、足が前に滑ったときに倒れます。
急がないでください
当たり前のようですが、これが実は最も効きます。
転倒の多くは、急いでいるときに起きます。信号が変わりそうで走る、バスに間に合わせようとする。
雪の日は、普段より10分早く出る。これだけで、急ぐ理由がなくなります。
両手を空けてください
荷物を両手に持っていると、バランスを取ることも、受け身を取ることもできません。
雪の日の買い物は、リュックにするのが安全です。傘も、レインウェアやフードにすれば手が空きます。
スマホを見ながら歩かないでください
視線が下がり、前方の路面状況が見えません。そして、片手がふさがります。
雪道では、路面の色の違いを見て歩く必要があります。黒く光っている場所は氷です。
転びそうになったら
完全に防ぐことはできないので、転び方も知っておいてください。
受け身の基本
一、あごを引く。後頭部を打つのを防ぎます。これが最優先です。
二、手のひら全体でつく。指先や手首の一点でつくと骨折します。
三、体を丸める。衝撃を分散させます。
四、荷物は手放す。守ろうとすると、体を守れません。
転んだあと、すぐに立ち上がらないでください
ここは意外に大事な点です。
まず、痛みがあるかを確認してください。骨折していると、動かすことで悪化します。
そして、頭を打っていないかを思い返してください。打っていれば、受診が必要です。
立ち上がるときは、四つん這いになってから、ゆっくり。同じ場所で二度転ぶ人がいます。
家のまわりを、滑らない状態にする
歩き方や靴だけでなく、環境そのものを整える方法もあります。
融雪剤と砂の違い
| 融雪剤(塩化カルシウムなど) | 砂・砂利 | |
|---|---|---|
| 働き | 氷を溶かします | 摩擦を増やします |
| 効く温度 | 低温では効きにくくなります | 温度に関係なく効きます |
| 持続 | 溶けきると効果が切れます | 雪に埋もれるまで続きます |
| 注意 | 金属の腐食、植物への影響 | 春に片づける手間があります |
撒くタイミングが大事です
融雪剤は、凍る前に撒くほうがはるかに効きます。
すでに厚く凍った氷を溶かすには、大量に必要です。夜のうちに撒いておけば、朝の凍結を防げます。
天気予報で「明日の朝は冷え込む」と出たら、その晩に撒く。これが正しい使い方です。
車まわりでは、腐食に注意してください
塩化カルシウム系の融雪剤は、金属を錆びさせます。
駐車場に大量に撒くと、車の下回りに付着します。春先には洗車で洗い流してください。
そして、玄関の金属部分やコンクリートにも影響することがあります。使う量は必要最小限に。
砂は、雪国では定番です
北海道などでは、「砂箱」が交差点や坂道に設置されています。誰でも使えるようになっています。
自宅用にも、砂やすべり止め用の砂利をひと袋用意しておくと、いざというとき役立ちます。
とくに玄関前と、車の駐車位置に撒いておくと、日常の転倒がかなり減ります。
子どもと高齢者への配慮
ここは、転倒の影響がとくに大きい人たちの話です。
子どもは、走ります
これが前提になります。「走らないで」と言っても、子どもは走ります。
だから、靴で対策するのが現実的です。冬用の靴を履かせ、底がすり減っていないか定期的に見てください。
そして、ランドセルやリュックは、実は転倒時の保護になります。後ろ向きに倒れたときの緩衝材になるためです。手に荷物を持たせないでください。
通学路の危険箇所を、一緒に歩いてみる
冬になってから、実際に通学路を一緒に歩いてみることを勧めます。
どこが凍りやすいか、どこで車が滑るか。夏に想定した安全な道が、冬には危険になっていることがあります。
これは、避難経路の確認と同じ作業です。一度歩くだけで、判断の材料が増えます。
高齢の方には、靴を贈るのが効果的です
「気をつけてね」と言うより、実効性があります。
冬用の防滑靴を贈る。あるいは、装着式の滑り止めを渡す。これは、直接けがを減らします。
そして、杖を使っている方は、先端のゴムを見てください。すり減っていると、杖自体が滑ります。冬用の、氷に刺さる金具が付いた杖先もあります。
買い物の負担を減らす
雪の日に無理に買い物へ行くのを防ぐ方法です。
宅配や生協を使う。ネットスーパーを設定しておく。あるいは、家族が代わりに買っておく。
これは冬の備蓄とも重なります。家に数日分の食料があれば、雪の日に出かける必要がなくなります。やり方はローリングストックにまとめました。
転倒は、防災の問題でもあります
なぜ防災のサイトでこの話を書くのか、理由を書いておきます。
災害のとき、動けるかどうかが分かれ目になります
冬に地震や大雪の災害が起きたとき、自力で避難できるかどうかが結果を左右します。
骨折して入院していれば、当然動けません。そして、けがが治ったあとも筋力が落ちて、避難に時間がかかるようになります。
つまり、転ばないことは、災害への備えそのものです。備蓄や持ち出し袋と同じ列に置いてよいと考えています。
災害時の避難路は、凍っています
冬の避難を想像してみてください。
夜、停電で街灯が消え、路面は凍っている。その中を、荷物を持って避難所まで歩く。
普段の通勤路とは、まったく条件が違います。だから、避難用の靴を決めておくことに意味があります。
持ち出し袋のそばに、履き慣れた、底のしっかりした靴を置いておいてください。
避難所でも、転倒は起きます
見落とされやすい点です。
暗い体育館、慣れない床、人の荷物。夜中にトイレへ行くときが、最も危ない。
だから、持ち出し袋にはヘッドライトを入れてください。両手が空いた状態で、足元を照らせます。
冬の避難所の注意は冬の避難所で怖いのは寒さと感染症にまとめました。
けがをすると、支援を受けにくくなります
災害のあと、罹災証明の申請、給水所への往復、片づけ。どれも歩けることが前提です。
けがをしていると、これらがすべて難しくなります。結果として、支援が届きにくくなる。
だからこそ、冬のあいだ、けがをせずに過ごすことが備えになります。
雪かき中の転倒にも注意してください
これは、雪かきの作業中に起きる転倒です。
足元が悪い場所で、力仕事をしています
雪かきは、不安定な足場で、重いものを持ち上げる作業です。
そして、雪を投げる動作で体をひねります。この瞬間に足が滑ると、腰を痛めたり、転倒したりします。
朝いちばんの作業が、とくに危ない
理由は三つあります。
一、体が温まっていない。筋肉が硬い状態で急に動きます。
二、路面が最も凍っている時間帯。放射冷却で冷え込んでいます。
三、急いでいる。出勤前に終わらせようとします。
できれば、軽く体を動かしてから始めてください。そして、時間に余裕を持って。
持病がある方は、無理をしないでください
雪かきは、思っている以上に負荷の高い運動です。
寒い中での急な運動は、体に負担がかかります。心臓や血圧に持病がある方は、主治医に相談したうえで判断してください。
そして、一人で作業しないこと。倒れたときに気づいてもらえます。これは雪下ろしと同じ原則です。
自転車とバイクは、冬は使わない判断を
ここでは、歩行以外の移動についても触れておきます。
二輪は、氷の上で立て直せません
車と違い、二輪は倒れることでしか滑りを止められません。
そして、倒れた先が車道なら、後続車に轢かれる危険があります。単独の転倒では済まないことがあります。
雪国では、冬は自転車を使わないのが常識になっている地域があります。これは合理的な判断です。
それでも乗るなら
通勤や通学で、どうしても必要な場合です。
一、スパイクタイヤに替える。自転車用のものが売られています。
二、速度を落とす。ブレーキをかけた瞬間に滑ります。
三、カーブで曲がらない。いったん止まって、向きを変えてから進んでください。
四、ヘルメットをかぶる。頭部の保護は、歩行より重要になります。
雪の日に電動アシスト自転車は、とくに注意
発進時にトルクがかかるため、後輪が空転しやすいことがあります。
そして、車体が重いぶん、倒れ始めたら支えきれません。
集合住宅の共用部について
ここは、管理する立場の方と住んでいる方の両方に関わります。
共用部の凍結は、管理側の責任です
エントランス、外階段、駐車場。ここで転倒事故が起きた場合、管理の適切さが問われることがあります。
凍っている、滑りやすい状態が続いている。気づいたら管理会社に伝えてください。写真を添えると伝わります。
外階段は、とくに危険です
屋外にある鉄骨の階段は、金属なので冷えやすく、先に凍ります。
そして、雨や雪がかかる構造のことが多い。段の表面に薄い氷が張ります。
手すりを持つ。そして、一段ずつ足を揃えて下りる。急がないでください。
入居者どうしで融雪剤を撒く場合
善意で撒く方がいますが、事前に管理側へ相談してください。
コンクリートや金属への影響、植栽への影響があります。撒く場所と量を決めておくと、トラブルになりません。
雪が少ない地域の方へ
年に数回しか雪が降らない地域こそ、転倒者が出ます。理由を整理します。
装備がありません
冬用の靴を持っている人が、ほとんどいません。普段の革靴やスニーカーで雪の上を歩くことになります。
そして、買おうとしても店に在庫がないことがあります。降ってから探しても間に合いません。
対策としては、装着式の滑り止めを一つ買っておくのが現実的です。数百円で、かばんに入ります。年に一度使えば元が取れます。
除雪されません
雪国では、朝までに主要な歩道が除雪されます。体制があるからです。
雪の少ない地域には、その体制がありません。降った雪がそのまま踏み固められ、翌朝には氷になります。
そして、数日から一週間、その状態が続くことがあります。日陰の道は、もっと長く残ります。
歩き慣れていません
これが、いちばん大きな理由です。
雪国の人は、無意識に歩幅を狭め、重心を落として歩きます。体が覚えています。
その経験がないと、普段どおりの歩き方で氷の上に出てしまいます。そして、転びます。
だから、出ない判断がいちばん有効です
結論としては、これに尽きると思います。
雪が降った翌朝は、無理に出かけない。在宅で済む仕事なら在宅にする。買い物は前日に済ませる。
そして、どうしても出るなら、時間に余裕を持ってください。急ぐことが、転倒の最大の原因です。
大雪の日の判断は大雪で危ないのは「動けなくなること」にもまとめています。
よくある質問
Q. 長靴は雪道で安全ですか
製品によります。底の溝と、ゴムの質で決まります。
安価な長靴は、底が平らでゴムも硬いことがあり、氷の上ではよく滑ります。
冬道用として売られているものを選んでください。「防滑」の表示があるかを見てください。
Q. 雪の日は、どんな服装がよいですか
転倒対策としては、両手が空く形が基本です。
そして、厚手のコートは緩衝材にもなります。薄着で転ぶより、けがが軽く済むことがあります。
足首まで覆う靴を選ぶと、雪が入らず、足首の捻挫も防げます。
Q. 高齢の親が心配です。何を伝えればよいですか
三つに絞ってください。
一、靴を替える。これが最も効果があります。冬用の靴を贈るのは、実用的な対策です。
二、雪の日は無理に出かけない。買い物を代わる、配達を使うという選択肢を用意してください。
三、手袋をして、両手を空ける。買い物袋を手に提げないよう、リュックやカートを勧めてください。
Q. 転んで手首を痛めました。すぐ病院に行くべきですか
腫れや変形がある、動かすと強い痛みがある。この場合は受診してください。
骨折していても、動かせることがあります。「動くから折れていない」とは限りません。
受診するかどうかの最終判断は、医師に診てもらってください。自己判断で様子を見て、あとから変形が残ることがあります。
Q. 雪道で滑りにくい歩き方を、高齢の親に伝えたいのですが
言葉で説明するより、一緒に歩いて見せるほうが伝わります。
伝えるのは、「歩幅を小さく」の一つだけに絞ってください。三つも四つも言うと、実行されません。
そして、靴を替えるほうが確実です。歩き方は忘れますが、靴は毎日履きます。
Q. 会社に「雪の日は在宅にしたい」と言いにくいのですが
気持ちは分かります。
伝え方としては、「危ないから休みたい」ではなく「交通機関が乱れるため、出社に時間がかかる見込みです」という形が現実的だと思います。
そして、大雪の予報が出た時点で、前日に相談する。当日の朝に言うより通りやすい。
実際、雪の日は出社する人が減るほど道路の状況が良くなります。個人の判断が、地域全体の交通を助けています。
Q. 転倒に備えて、何か身につけておくものはありますか
特別な装備は要りませんが、三つ挙げるとすれば次のものです。
一、手袋。受け身が取れます。防寒も兼ねます。
二、帽子。後頭部の保護になります。ニット帽でも、ないよりはるかによい。
三、リュック。両手が空き、背中の緩衝材にもなります。
どれも冬に普通に使うものです。特別な出費なしに、転倒の被害を減らせます。
Q. 靴の裏が滑るかどうか、買う前に見分けられますか
完全には分かりませんが、三つの目安があります。
一、溝の深さと向き。細かい切れ込みが多いものは、氷の上の水膜を逃がしやすい。スタッドレスタイヤと同じ考え方です。
二、ゴムの柔らかさ。店頭で押してみて、硬いものは低温でさらに硬くなります。
三、表示。「防滑」「冬用」「アイスグリップ」といった記載があるかを確認してください。
そして、店員さんに「氷の上で使いたい」と伝えてください。雪用と氷用では、求められる性能が違います。
Q. 一度転んでから、外に出るのが怖くなりました
自然な反応だと思います。そして、その慎重さ自体は悪いことではありません。
ただ、外出しなくなると筋力が落ち、かえって転びやすくなるという面があります。
できることとしては、装備を整えて、少しずつ範囲を広げることです。滑らない靴を用意し、明るい時間に、除雪された道を歩く。
不安が強い場合や、体の状態に心配がある場合は、かかりつけの医師に相談してください。
Q. 雪道用の靴は、いつ買うのがよいですか
10月から11月のうちです。理由は、スタッドレスタイヤと同じです。
雪が降ってから買いに行くと、サイズが欠け、種類も選べません。とくに、雪の少ない地域では在庫そのものが限られます。
そして、買ったら一度履いて歩いてみてください。サイズが合わない靴は、それ自体が転倒の原因になります。
まとめ|靴と手袋と歩幅です
最後に、あらためて整理します。
この記事の要点
一、いちばん滑るのは新雪ではなく、磨かれた氷の面。白線の上、出入り口、階段の上。
二、けがは手首・股関節・頭部。高齢の方の股関節骨折は生活を変えます。
三、靴の裏を見る。溝とゴムの硬さで決まります。
四、手袋をして、ポケットから手を出す。受け身が取れます。
五、歩幅を小さく、足の裏全体で着地する。
今日できること
玄関の靴を出して、裏を見てください。溝がすり減っていたら、それが今シーズンの最優先の買い物です。
そして、手袋がどこにあるかを確認してください。見つからなければ、雪が降る前に買っておいてください。
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雪による災害の全体像は雪害とは?読み方は「せつがい」に、冬の備えは冬支度チェックリストにまとめました。
車での移動はスタッドレスタイヤの交換時期は気温7度にあります。



