冬の避難で先に冷えるのは首・頭・手・足|小物4つ200gで体感が変わります

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【この記事の要約】
結論から書きます。冬の災害で先に冷えるのは、首・頭・手・足です。厚手の上着を一枚足すより、この四か所を覆うほうが体感が変わります。しかも軽く、かさばりません。持ち出し袋に入れるなら、ネックウォーマー、ニット帽、手袋、厚手の靴下。この四つで、合計200グラム前後です。上着一枚のスペースに全部入ります。2024年1月1日の能登半島地震は真冬に起きました。避難所は体育館で、床から冷えます。この記事では、なぜ末端から冷えるのか、何を選ぶべきか、そして避難所や車中泊でどう使うかを書きました。

目次

結論|上着より先に、四か所を覆ってください

先に答えを書きます。

覆うべきは四か所

首、頭、手、足。この四つです。順番にも意味があります。

理由は単純で、ここが外気に触れる面積の割に、熱を逃がしやすいからです。とくに首と頭は、皮膚のすぐ下を太い血管が通っています。

そして、手足は、体の中心から遠い場所にあります。寒くなると、体は中心を守るために手足への血流を減らします。だから真っ先に冷えます。

重さで比べてください

もの おおよその重さ 持ち出し袋での扱い
ネックウォーマー 40〜60g 握りこぶし程度
ニット帽 50〜80g 丸めて隙間に入る
手袋 40〜80g ポケットに入る
厚手の靴下 60〜100g 2足でも軽い
厚手の上着 600〜1,200g 袋の半分を占める

四つ合わせても、上着一枚の四分の一以下です。持ち出し袋の重量制限のなかで、これは大きな違いになります。

ただし、上着が要らないという意味ではありません

誤解のないように書きます。体幹を覆う上着は、当然必要です。

ここで言いたいのは、上着だけで終わりにしないでくださいということです。上着を着ていても、首が開いていれば熱は抜けます。

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なぜ末端から冷えるのか

仕組みを知っておくと、優先順位が決まります。

体は、中心を守ろうとします

寒さにさらされると、体は手足の血管を細くします。中心部の温度を保つためです。

結果として、手足の温度が先に下がります。これは異常ではなく、正常な反応です。

ただし、その状態が続くと指先の感覚が鈍り、細かい作業ができなくなります。災害時に、これは実務的な問題になります。

首と頭は、血流が多い場所です

首には、脳へ向かう太い血管が通っています。皮膚のすぐ下です。

ここが冷えた空気にさらされると、血液が冷やされたまま体をめぐります。だから、首を覆うと体全体の体感が変わります。

頭も同じ理由です。そして頭は、帽子をかぶるだけで簡単に覆えます。手間と効果の比が、いちばんよい場所です。

足は、床から冷えます

避難所の床は、体育館の板張りやコンクリートです。座っていても寝ていても、接触面から熱が逃げます。

そして、靴を脱ぐ場面が多い。玄関で脱ぎ、室内は靴下だけになります。

床への対策は冬の避難所で怖いのは寒さと感染症に詳しく書きました。あわせて読んでください。

ネックウォーマー|いちばん効率がよい一枚

四つのなかで、最初に一つ選ぶならこれです。

マフラーより、災害向きです

マフラーは巻き方で長さが変わり、ほどけます。作業中に引っかかる危険もあります。

ネックウォーマーは筒状なので、かぶるだけで固定されます。ずれません。そして、かさばりません。

保温性の高いネックウォーマーなら、丸めて握りこぶし程度になります。持ち出し袋の隙間に入ります。

口元まで上げられるものを選んでください

これは、防寒以外の効果があります。

吸い込む空気が温められます。そして、乾いた冷気を直接吸わずに済みます。

避難所では感染症も心配です。咳の飛沫をある程度さえぎるという副次的な役目もあります。ただし、これはマスクの代わりにはなりません。

素材の考え方

ウールか、化学繊維。綿は避けてください。

理由は、綿が濡れると乾かないからです。汗や雪で湿ったまま首に巻くと、かえって体温を奪います。

素材の考え方全般は災害時の服の備えにまとめています。

ニット帽|手間と効果の比が最もよい

かぶるだけです。それだけで変わります。

耳まで覆えるものを

浅い帽子では、耳が出ます。耳は薄くて血流が多く、しもやけになりやすい場所です。

選ぶなら、折り返して耳まで下ろせるもの裏起毛のニット帽のように、深さのあるものが向きます。

寝るときにも使えます

ここが見落とされます。避難所や車中泊で寝るとき、頭は布団から出ています。

寝袋を使っても、顔から上は外気です。帽子をかぶって寝るだけで、寝つきが変わります。

登山や雪中泊では、これは基本の技術です。災害時にも、そのまま使えます。

ヘルメットとの併用も考えてください

地震のあとは、ヘルメットをかぶる場面があります。薄手のニット帽なら、下に入ります。

厚すぎるものは入りません。持ち出し袋には、薄手のものを選ぶという考え方もあります。

手袋|二種類を使い分けてください

ここは、少し丁寧に書きます。

防寒用と、作業用は別のものです

混同されがちですが、役割がまったく違います。

種類 役割 使う場面
防寒手袋 保温 移動、避難所、車中泊
作業用の厚手手袋 けがの防止 がれき、ガラス、片付け
ゴム手袋 汚れと水を防ぐ 汚水、泥、消毒作業

冬の避難で必要なのは、まず防寒用の手袋です。作業用は、片付けの段階で要ります。

作業用の選び方は防災手袋・軍手おすすめ10選に書きました。

指が出るものは、防寒には向きません

スマートフォンを操作したい気持ちは分かります。ただし、指先から冷えます。

選ぶなら、指先まで覆ったうえで、タッチ操作に対応しているものです。両方を満たす製品があります。

濡らさないことが最も重要です

手袋が濡れると、ないより悪くなります。濡れた布が手に張りつき、熱を奪い続けます。

雪をさわる作業をするなら、防水のものか、替えをもう一組持ってください。

厚手の靴下|床からの冷えを断ちます

いちばん見落とされる一つです。

避難所では、靴を脱ぎます

体育館の床は、想像以上に冷えます。座っているだけで、足から熱が逃げていきます。

底の厚い靴下があると、この接触面が断てます。

替えを必ず入れてください

避難所で最初に足りなくなるのは、下着と靴下です。上着ではありません。

洗濯ができないため、替えがないものから困っていきます。そして支援物資でも、下着や靴下は届きにくい部類です。

目安として、3足。かさばりませんし、濡れたときの保険になります。

重ね履きは、締めつけないこと

二枚重ねると暖かくなります。ただし、きつくなると血流が悪くなり、逆に冷えます。

靴の中で窮屈になるようなら、一枚を厚手のものに替えるほうが確実です。

能登半島地震が示したこと

真冬の災害が、どういうものかを確認しておきます。

1月1日に起きました

2024年1月1日、石川県能登地方で最大震度7を観測しました。元日の夕方です。

時期として、これ以上に厳しい条件はそうありません。気温が低く、日が短く、支援の体制も年末年始で薄い。

そして、断水と停電が長期化しました。暖房が使えない状態が続いたということです。

避難所の床は、冷たいままです

体育館や公民館に人が集まります。床は板張りかコンクリートです。

暖房が入っても、暖かい空気は上に行きます。床付近は冷えたままです。座っている人、寝ている人の高さが、いちばん寒い。

だから、足元の対策が効きます。厚手の靴下と、床に敷くもの。この二つです。

着の身着のままで出ることになります

地震は、服装を選ばせてくれません。そのときに着ていたもので外に出ます。

元日の夕方なら、家では薄着だった人も多いはずです。その状態で、寒い屋外に立つことになります。

だからこそ、持ち出し袋に軽い防寒小物が入っているかどうかが効きます。上着は着る余裕がなくても、袋をつかんで出れば中に入っています。

詳しい経過は、別の記事に書きました

被害の全体像や教訓については能登半島地震とはにまとめています。

この記事では、衣類という一点に絞って書いています。

場面別|どこで、どう使うか

同じ小物でも、置かれた場所で使い方が変わります。

屋外に出た直後

いちばん体温を失いやすい場面です。風があると、体感温度は大きく下がります。

ここで効くのは、首と頭です。露出している面積が大きく、風が直接当たります。

手はポケットに入れられます。ただし、転んだときに受け身が取れません。だから手袋をして、手を出しておくほうが安全です。

避難所に着いてから

屋内なので風はありません。問題は、床からの冷えと、動かないことです。

ここでの主役は足元に移ります。厚手の靴下、そして床に敷くもの。

そして、じっとしていると熱が生まれません。時間を決めて立ち上がり、少し歩く。これは血栓の予防にもなります。

車中泊をするとき

車の中は、エンジンを切ると急速に冷えます。金属とガラスに囲まれているためです。

ここでは頭と足が効きます。シートに座ったまま寝ると、頭は外気にさらされ、足は動かせません。

そして、暖房のためにエンジンをかけ続けないでください。雪でマフラーが埋まると、一酸化炭素が車内に入ります。詳しくは雪でマフラーが埋まると一酸化炭素中毒にを読んでください。

在宅避難で、暖房が止まったとき

家にいられるなら、条件はよいほうです。ただし暖房が止まれば、室温は外気に近づいていきます。

ここでは、部屋を狭くすることが効きます。一部屋に集まり、ドアを閉める。

そのうえで、四か所を覆う。屋内でも帽子をかぶってよいのです。見た目を気にする場面ではありません。

暖房が使えないときの選択肢は停電しても使える暖房はどれかに整理しました。

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選ぶときの基準

売り場で迷わないように、判断の軸を書きます。

一、濡れても機能が落ちにくいか

最優先はここです。綿は濡れると乾かず、体温を奪い続けます。

ウール、あるいはポリエステルやアクリルなどの化学繊維。タグを見て確認してください。

ウールは、濡れてもある程度の保温性が残るという性質があります。値は張りますが、首まわりの一枚には向いています。

二、かさばらないか

持ち出し袋の容量は限られます。丸めて小さくなるかを確かめてください。

店頭なら、手で握ってみれば分かります。握りこぶし程度に収まるものが理想です。

三、締めつけないか

きつすぎるものは、血流を妨げて逆に冷えます。

とくに靴下と手袋です。重ね履きをするなら、少し余裕のあるサイズを選んでください。

四、暗いところで扱えるか

停電していれば、暗い中で身につけます。複雑な留め具のあるものは向きません。

かぶるだけ、はめるだけ。単純なものほど、災害時には確実です。

五、普段も使えるか

ここは、続けるための条件です。防災専用にすると、置き場所を忘れます。

普段使いのものを持ち出し袋に入れておき、使ったら戻す。あるいは、同じものを二組買って一組を袋に入れる。

後者のほうが確実です。取り出したまま戻し忘れる、というのが最も多い失敗です。

低体温症は、雪山だけの話ではありません

末端の防寒が効く理由の、もう一歩先です。

気温が氷点下でなくても起こります

低体温症というと、遭難や雪山を思い浮かべる方が多い。実際には、10度前後でも起こります。

条件が重なるからです。濡れている、風が当たる、動けない、食べていない。災害の避難では、この四つがそろいやすい。

だから、「今日はそこまで寒くない」という判断が危険になります。気温だけで決めないでください。

初期のサインを知っておいてください

体が冷えてきたとき、最初に出るのは震えです。これは体が熱を作ろうとしている反応です。

そして、手先が思うように動かなくなります。ボタンが留められない、袋が開けられない。

さらに進むと、震えが止まります。楽になったように見えますが、これは悪化のサインです。

判断力も落ちます。本人は寒さを訴えなくなることがあります。だから周囲が見てください。

症状が疑われるときは、自己判断で様子を見ないこと

震えが止まっている、受け答えがはっきりしない、意識がもうろうとしている。こうした場合は、医療者につないでください。

避難所には保健師や医療班が入ります。そこに伝えるのが最短です。

私は防災士であって、医師ではありません。ここから先の判断は、医療者の領域です。

できるのは、そうならないようにすることです

濡れた服を脱ぐ。風を避ける。床から離れる。そして、末端を覆う。

どれも、道具があれば数分でできることです。持っているかどうかが、そのまま差になります。

買い足す順番

一度にそろえる必要はありません。

一番目|ネックウォーマー

効率が最もよく、値段も抑えられます。まずここから。

すでにマフラーがあるなら、当面はそれで構いません。ただし持ち出し袋に入れるなら、筒状のほうが確実です。

二番目|厚手の靴下

避難所で最も長い時間を過ごすのが、床の上だからです。

そして、替えが要る消耗品でもあります。数を持っていて損はありません。

三番目|ニット帽

寝るときにも使えるため、一つで二役です。

家に使っていないものがあるなら、それを袋に移すだけで済みます。

四番目|防寒手袋

順番が最後なのは、ポケットで一時的にしのげるからです。

ただし、作業が必要になった時点で、ポケットは使えなくなります。結局は要ります。

そのあとに考えるもの

四つがそろったら、薄手のベストや、重ねられる一枚を検討してください。

ここまで来ると、持ち出し袋の重量との相談になります。詳しくは防災にダウンジャケットが最強な理由に書きました。

家族の分をどう考えるか

人数分が要ります。ここは省略できません。

子どもの分

体が小さいぶん、体表面積の割合が大きく、外気の影響を受けやすいという性質があります。

そして、自分で寒さを訴えられないことがあります。言葉にできる年齢でも、我慢してしまう子はいます。

手の甲や首の後ろを触って確かめてください。冷たければ、対処が要ります。

サイズが毎年変わるので、年に一度の点検で入れ替えてください。

高齢の家族の分

加齢とともに、寒さを感じにくくなることがあります。本人が寒いと言わなくても、体は冷えていることがあります。

そして、末端の血流が落ちやすい。手足の冷えが、より強く出ます。

厚手の靴下と、締めつけない手袋。ここを優先してください。

持病がある場合は、かかりつけの医師に相談しておくと安心です。冷えが症状に影響することがあります。

ペットがいる場合

人の衣類とは別の話になりますが、同じく床から冷えます。

キャリーの下に敷くものを一枚。これだけでもかなり違います。

置き場所を、家族で共有してください

そろえても、どこにあるか分からなければ意味がありません。

持ち出し袋の中か、玄関の決まった場所か。家族全員が言えるようにしておいてください。

やってしまいがちな失敗

持っているのに効かない、という状況があります。

厚ければ暖かい、とは限りません

分厚い靴下を、いつもの靴に押し込む。これは逆効果になります。

足が圧迫されると血流が落ち、かえって冷えます。そして靴ずれの原因にもなります。

厚手のものを使うなら、靴に余裕があるかを確かめてください。

汗をかいたまま、じっとしない

避難の移動中は、荷物を持って歩きます。冬でも汗をかきます。

問題は、着いてから動かなくなることです。濡れた下着のまま座っていると、そこから急激に冷えます。

だから、着いたら一枚脱ぐか、着替える。暑いと感じているうちに調節するのが正解です。

持ち出し袋から出したまま、戻さない

いちばん多い失敗です。寒い日に使って、そのまま玄関に置く。

これを防ぐには、普段使いとは別に一組を袋に入れておくのが確実です。

数千円で解決する問題です。いざというときに袋が空だった、という事態を避けられます。

洗ったまま乾かさない

ウールの製品は、湿ったまましまうと傷みます。そして虫にも食われます。

年に二回の点検のときに、取り出して風を通す。これで長く使えます。

サイズを確かめずに買う

帽子と手袋は、サイズが合わないと機能しません。ずり落ちる帽子は耳を覆えず、大きい手袋は抜けます。

通販で買うなら、返品条件を確認しておくと安心です。とくに家族の分をまとめて買うときは。

点検の仕方

そろえたあとの話です。

年に二回で十分です

春と秋。季節の変わり目に、中身を入れ替えてください。

冬に向かうときは、この四つを入れる。夏に向かうときは、薄いものと入れ替える。

防災の日や元日など、日付を決めておくと忘れません。

見るのは三つだけです

一、人数分そろっているか。家族が増えたり、子どもが成長したりしています。

二、サイズが合っているか。とくに子どもの分です。

三、傷んでいないか。穴、ほつれ、ゴムの伸び。

実際に身につけてみてください

これが最も確実な点検です。かぶってみる、はめてみる、履いてみる。

合わないもの、傷んでいるものは、その場で分かります。数分で終わります。

点検の全体像は防災用品の点検日にまとめました。

使ったら、その日のうちに戻す

これを習慣にしてください。点検よりも効きます。

戻し忘れが心配なら、持ち出し袋専用の一組を分けておく。結局はこれがいちばん確実です。

四か所以外で、効く場所

補足として、二つ書いておきます。

腰と、おなかまわり

ここは末端ではありませんが、冷えると全身に響きます。内臓が集まっている場所だからです。

上着とズボンの境目は、座ったときに開きます。避難所で床に座っていると、背中と腰が出ます。

対策は簡単で、丈の長い上着を選ぶか、薄手のベストを一枚重ねることです。

腹巻きも有効です。薄くてかさばらず、持ち出し袋に入れやすい。

床との接触面

衣類ではありませんが、避けて通れません。

床に何を敷くかで、体感がまったく変わります。厚手の靴下を履いても、床に直接座れば熱は逃げます。

段ボール、レジャーシート、銀色の保温シート。一枚あるかないかの差が大きい。

詳しくは冬の避難所で怖いのは寒さと感染症に書きました。この記事の四か所と、床対策は、組み合わせて初めて効きます。

組み合わせの考え方

整理すると、こうなります。

一、床から離れる。敷くものを一枚。

二、末端を覆う。この記事の四つ。

三、体幹を包む。上着、ブランケット、寝袋。

この三つが、冬の避難における防寒の全体像です。どれか一つでは足りません。

よくある質問

Q. 使い捨てカイロがあれば足りませんか

カイロは有効です。ただし、燃料のようなものだと考えてください。数に限りがあり、切れたら終わります。

衣類は自分の熱を逃がさないための道具です。役割が違います。

順番としては、まず逃がさない。そのうえで、足りなければ足す。この順です。カイロだけに頼ると、なくなった瞬間に困ります。

Q. 首・頭・手・足のどれか一つなら、どれですか

首です。覆う面積の割に、体感の変化が最も大きい場所です。

そして、軽くてかさばりません。迷ったらここから始めてください。

Q. 家にあるもので代用できますか

できます。手ぬぐいやタオルを首に巻く。これだけでも違います。

ただし、綿のタオルは濡れると乾きません。汗をかいたらすぐ外してください。

頭は、フードのある上着で代用できます。手は、靴下を手にはめる方法もあります。応急としては成立します。

Q. 子どもの分も同じ考え方でよいですか

基本は同じです。ただし、サイズが合わないものは効きません。大人用の帽子はずり落ち、大人用の手袋は抜けます。

そして、子どもは体が小さいぶん、外気の影響を受けやすいという性質があります。大人より優先して覆ってください。

成長でサイズが変わるので、年に一度は入れ替えが要ります。

Q. ウールと化学繊維、どちらがよいですか

役割が少し違います。両方に利点があります。

ウールは、濡れてもある程度の保温性が残ります。そしてにおいがこもりにくい。洗濯できない避難生活では、これが効きます。

化学繊維は、乾きが速く、値段が抑えられます。そして丈夫です。

迷ったら、首まわりの一枚をウール、その他を化学繊維という組み方が現実的です。

Q. 車に置いておいてもよいですか

置いておけます。衣類は温度変化に強く、期限もありません。

帰宅困難や車中泊に備えるなら、車に一組あると安心です。

ただし、湿気には注意してください。密閉できる袋に入れておくと、カビや虫を防げます。

車載品の全体は車に積む防災グッズ完全ガイドに整理しました。

Q. 職場にも置いておくべきですか

置く価値があります。帰宅困難になったとき、そこで夜を明かすことになります。

オフィスは暖房が止まると急速に冷えます。窓が大きく、断熱も家ほどではありません。

ロッカーや引き出しに、ネックウォーマーと靴下だけでも入れておいてください。場所を取りません。

Q. 夏に地震が来たら、これは無駄になりますか

無駄にはなりません。夏でも、夜間や雨に濡れたあとは冷えます。

そして、冷房の効いた避難所という場面もあります。体育館に大型の送風機が入ると、足元が冷えることがあります。

ただし、優先順位は下がります。夏に備えるべきものは別にあります。

Q. 全部そろえると、いくらくらいですか

価格帯は幅があります。ひととおり買っても、上着一枚より安く収まることが多いと考えてよいでしょう。

そして、家にあるもので代用できる部分が多いのがこの四つの特徴です。

まず家の中を探してください。足りないものだけを買い足す。これが無駄のない順番です。

Q. 避難所で防寒具はもらえますか

届くことはあります。ただし、当てにしないでください。

衣類の支援物資は、上着や毛布が中心になりがちです。ネックウォーマーや厚手の靴下といった小物は、後回しになります。

そして、サイズが合うとは限りません。まとまった数で届くため、サイズが偏ります。

だから、小さくて軽いものほど、自分で持っておく価値があると考えています。かさばらないのですから、なおさらです。

Q. 家族が寒がっていないか、どう確かめますか

触って確かめてください。手の甲、首の後ろ、耳。この三か所が分かりやすい。

本人の申告だけに頼らないでください。子どもは我慢し、高齢の方は感じにくいことがあります。

そして、受け答えがいつもと違う、動きが鈍いと感じたら、それは寒さのサインかもしれません。医療者が近くにいれば相談してください。

Q. 登山用品店で買うべきですか

その必要はありません。ただし、選び方の考え方は登山と同じです。

濡れても機能が落ちない素材を選ぶ。かさばらないものを選ぶ。締めつけないサイズを選ぶ。これは山でも避難所でも変わりません。

登山用品は性能が高いぶん、値も張ります。まずは手に入りやすいもので始めて、必要を感じたら上げていく。この順番で構いません。

大事なのは、持っていることです。高性能なものを買うか迷って何年も過ぎるより、いま袋に入れるほうが確実に役立ちます。

Q. 防災専用の製品を選ぶべきですか

衣類については、その必要はありません。

普段着として売られているもので十分に機能します。むしろ普段使えるほうが、傷みや不具合に早く気づけます。

ここは、ヘルメットや消火器のような専用品とは考え方が違う部分です。

Q. 一枚だけ買い足すなら、家族の誰の分ですか

いちばん体温を保ちにくい人の分です。乳幼児、高齢の家族、持病のある方。

健康な大人は、動くことである程度は熱を作れます。自分で動けない人ほど、道具に頼ることになります。

そして、その人が自分で寒さを訴えられるとは限りません。だから、周囲が先に用意しておく必要があります。

順番に迷ったら、この基準で決めてください。

まとめ|四つで、200グラムです

最後に整理します。

この記事の要点

一、冬の災害で先に冷えるのは、首・頭・手・足です。

二、四つ合わせても200グラム前後。上着一枚の四分の一以下です。

三、一つだけ選ぶなら、首。効率が最もよい場所です。

四、手袋は防寒用と作業用が別物です。冬の避難で要るのは防寒用です。

五、靴下は替えを3足。避難所で最初に足りなくなります。

今日できること

持ち出し袋を開けて、この四つが入っているかを見てください。それだけで確認は終わります。

入っていなければ、まず家にあるもので構いません。使っていないニット帽と手袋を、袋に移すだけです。

そのうえで、専用のものを少しずつそろえる。これが無理のない順番だと考えています。一度に全部を買う必要はありません。ひとつ増やすたびに、冬の備えは確実に厚くなります。

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9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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