地吹雪は晴れていても起きる|積もった雪が舞い上がる3条件と吹きだまり

地吹雪は晴れていても起きる|積もった雪が舞い上がる3条件と吹きだまり

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【この記事の要約】
地吹雪とは、積もった雪が風で舞い上がる現象です。空から雪が降っていなくても起こります。ここが、いちばん大事な点です。晴れているのに、目の前が真っ白になる。これが地吹雪の特徴であり、判断を誤らせる理由でもあります。空を見上げても、危険は分かりません。起きる条件は3つです。乾いた雪が積もっていること、強い風が吹くこと、そしてさえぎるものがない開けた場所であること。とくに乾いた雪が重要です。湿った重い雪は舞い上がりません。だから気温の低い地域ほど、地吹雪は起こりやすくなります。そして地吹雪は、2つの被害をもたらします。ひとつは視程障害。前が見えなくなります。もうひとつは吹きだまりです。風で運ばれた雪が一か所にたまり、道路の一部だけが深く埋まります。雪が降っていないのに、車が雪に埋まる。この記事では、地吹雪が起きる仕組みと、どこで起きやすいのか、そして予報からどう読み取るかを整理します。

冬の北海道で、こういう場面があります。

空は晴れている。雪は降っていない。それなのに、道路の先が見えない。

これが地吹雪です。降っている雪ではなく、積もった雪が飛んでいるのです。空ではなく、地面から雪が来ています。

私は札幌に住んでいます。この現象は、雪国の外ではあまり知られていません。

そして知らないことが、判断を誤らせます。知識がないと、目に見えるものだけで判断してしまうからです。

「今日は晴れているから大丈夫だろう」

その判断が、通用しない日があります。そして、その日は決して珍しくありません。

目次

結論|空を見ても、危険は分かりません

先に結論を書きます。

地吹雪は、雪が降っていなくても起こります。ですから「降っているかどうか」で判断しないでください。見るべきは、積雪の有無と、風の強さです。

この2つがそろえば、晴れていても危険な日になります。青空の下で、視界がゼロになるのです。

地吹雪とは何か

降る雪と、飛ぶ雪

雪による視界の悪化には、2つの種類があります。

種類 何が起きているか 空の様子
吹雪 降っている雪が、風で舞う 曇っている
地吹雪 積もった雪が、風で舞い上がる 晴れていることもあります

この2つは、同時に起こることもあります。その場合が、もっとも視界が悪くなります。

降っている雪に、地面から舞い上がった雪が加わる。そうなると、視界はさらに悪くなります。

なぜ、晴れていても起きるのか

雪の供給源が、空ではなく地面だからです。

いったん積もった雪は、そこにとどまり続けるわけではありません。風が吹けば、砂のように動きます。

ですから「もう何日も雪が降っていない」という日でも、地吹雪は起こります。

むしろ、雪がやんで晴れ、風が強まったときこそ起きやすいとも言えます。

起きる条件は、3つです

①乾いた雪が積もっていること

これが、いちばん重要な条件です。

湿った重い雪は、粒どうしがくっついています。だから、風が吹いても飛びません。

いっぽう気温の低いところで降る乾いた雪は、粒がばらばらです。砂のように、風で簡単に動きます。

雪の性質 降りやすい条件 地吹雪
乾いた軽い雪 気温が低い(氷点下数度以下) 起こりやすい
湿った重い雪 気温が0度前後 起こりにくい

ですから地吹雪は、北海道や東北の内陸、山間部で多く見られます。

本州の日本海側でも、強い寒気が入って気温が下がれば起こります。「北海道だけの話」ではありません。

②強い風が吹くこと

雪を舞い上げるだけの風が必要です。

どのくらいの風で起きるかは、雪の状態によって変わります。降ったばかりの軽い雪なら、弱い風でも動きます。

逆に、踏み固められた雪や、表面が凍った雪は飛びません。

ですから「新しく積もった直後に、風が強まる」という組み合わせが、いちばん起こりやすい条件になります。

③さえぎるものがない、開けた場所であること

ここが、場所を決める条件です。

建物や林があれば、風は弱まります。雪も、そこで落ちます。

ところが広い農地、河川敷、海沿い、造成地。こうした場所では、風が減速せずに吹き抜けます。

起きやすい場所 理由
広い農地・畑 さえぎるものがなく、雪の供給源も広い
河川敷・橋の上 風が集まり、加速します
海沿いの道路 海からの風がそのまま当たります
高台・丘の上 風をさえぎるものがありません
切り通し・防風林の切れ目 そこだけ風が通ります
市街地 建物があるので、比較的起きにくい

「防風林の切れ目」は、とくに注意が必要です。

林が続いているあいだは穏やかなのに、切れた瞬間に横風と地吹雪に襲われる。この急変が、事故につながります。

2つの被害|見えなくなることと、埋まること

①視程障害

前が見えなくなります。

ひどいときには、数メートル先も見えません。これがホワイトアウトと呼ばれる状態です。

そして怖いのは、方向感覚を失うことです。

どちらが道路で、どちらが路肩か。自分がまっすぐ走っているのかどうかも、分からなくなります。

ホワイトアウトで立ち往生した場合の対処はホワイトアウトで立ち往生したらに詳しく書きました。

②吹きだまり

こちらは、あまり知られていません。

風で運ばれた雪は、風が弱まる場所にたまります。

建物の陰、道路の窪み、ガードレールの内側、林の手前。そこに、局所的に深い雪の山ができます。

吹きだまりができやすい場所 説明
建物や壁の風下 風が弱まり、雪が落ちます
道路の切り通し 両側が高いと、そこに雪がたまります
ガードレールの内側 雪をせき止めます
林や防雪柵の手前 そこで風が止まるためです
駐車場の隅 車が埋まることがあります

吹きだまりの怖さは、局所的だということです。

道路全体が均一に積もっているなら、まだ予測できます。ところが吹きだまりは、そこだけが突然深い。

視界が悪いなかで、そこへ突っ込むと車の底が乗り上げて動けなくなります。そして、後続車も同じ場所で止まります。

脱出の方法は雪でスタックしたら空転させないに書きました。

降っていないのに、車が埋まる

これが、地吹雪のいちばん分かりにくい被害です。

夜のうちに風が吹き、駐車場の一角だけに雪が吹き寄せられる。

朝、雪は降っていないのに、自分の車だけが雪に埋まっている。そういうことが起こります。隣の車は無事なのに、です。

いつ、いちばん起きやすいのか

時期と時間帯にも、傾向があります。

雪がやんだ直後が危険です

これは、直感に反するかもしれません。

雪が降っているあいだは、誰もが警戒します。やんで晴れると、油断します。

しかし、そのときこそ条件がそろっています。

状況 地吹雪の起きやすさ
雪が降っている最中 吹雪と一緒に起こります
やんだ直後、風が強い もっとも起きやすい状態です
数日たって、雪が固まった 飛びにくくなります
気温が上がって湿った ほとんど起きません

「新しくて、乾いていて、まだ固まっていない雪」が、いちばん飛びます。

冬型が続く日

西高東低の気圧配置が強まると、北西の強い風が吹き続けます。

そして、その風が雪を運びます。冬型が数日続けば、その間ずっと条件がそろい続けます。

気圧配置の読み方は西高東低とは?冬型の気圧配置の読み方に書きました。等圧線が混んでいれば、風が強いということです。

低気圧が通過したあと

急速に発達した低気圧が通り過ぎたあとも、強い風が吹きます。

低気圧が去って天気が回復しても、風だけがしばらく残ることがあります。

そのときに、積もった雪が舞い上がります。天気は回復したのに、視界だけが悪いという状態です。

詳しくは爆弾低気圧とは?気象庁が使わない言葉の意味に書きました。

予報から、どう読み取るか

「地吹雪」という言葉は、予報のなかで使われることがあります。

ただし、それを待たなくても判断できます。

確認すること 判断
雪が積もっているか 積雪がなければ、地吹雪は起きません
その雪は新しいか 降ったばかりの雪は、飛びやすい
気温は低いか 低いほど、雪は乾いて飛びやすくなります
風は強いか ここが決め手です
暴風雪警報・風雪注意報 出ていれば、当然警戒します

ポイントは「雪が降るか」ではなく「風が吹くか」を見ることです。

天気予報で雪マークがなくても、風の欄を見てください。

暴風雪警報との関係

暴風雪警報は、雪をともなう強い風に対して出されます。

この警報が出ているときは、地吹雪も当然起きていると考えてください。

ただし逆に、警報が出ていなくても地吹雪は起こります。局所的な現象だからです。

冬の警報の種類は大雪警報の基準は市町村で違うに整理しました。

地吹雪が、除雪を難しくします

あまり語られませんが、これも実害のひとつです。

除雪しても、また埋まります

朝に除雪した道路が、昼にはまた雪で覆われている。

雪は降っていません。周りの雪が、風で運ばれてきたのです。

これが、地吹雪の起きる地域で除雪が追いつかない理由のひとつです。いくら除雪しても、風がある限り雪は戻ってきます。

だから、雪の置き場所が問題になります

除雪した雪を道路脇に積み上げると、それが次の地吹雪の材料になります。

そして積み上げた雪の山は、風の流れを変えて、新たな吹きだまりを作ることもあります。

雪国の除雪が、単に「どけるだけ」で済まないのは、こうした理由によります。どこへ置くかまで含めて、設計する必要があるのです。

家の周りでも、同じことが起きます

玄関前の雪を、風上側に積み上げないでください。

その雪が風で戻ってきます。そして、また同じ場所にたまります。

どちらから風が吹くかを知っておくと、雪をどこへ寄せるべきかが分かります。

冬型のときは、北西からの風が基本です。詳しくは西高東低とは?冬型の気圧配置の読み方に書きました。

防雪柵という、社会の備え

雪国の道路を走ると、道路脇に並んだ柵を見かけます。

あれが防雪柵です。地吹雪と吹きだまりを防ぐために設けられています。

役割 説明
風を弱める 雪を運ぶ力を減らします
雪をせき止める 柵の手前に雪をためて、道路に来させません
視程を保つ 舞い上がる雪を減らします

柵があるということは、そこが地吹雪の起きる場所だという意味です。

逆に言えば、柵のない開けた区間では、地吹雪が起こり得ます。

雪国の道路を走るとき、この柵の有無を見ておくと、危険な区間が分かります。

吹きだまりを、生活のなかで避ける

視程障害は「その日出かけない」で避けられますが、吹きだまりは、家の周りでも起こります。

駐車の場所を選ぶ

避けたい場所 理由
建物の風下 風が弱まり、そこに雪が落ちます
塀やフェンスのそば 雪をせき止めます
建物の角 風が渦を巻き、雪がたまります
敷地の奥まった場所 吹き込んだ雪が出ていきません
道路に面した場所 除雪車が寄せた雪で埋まります

同じ敷地でも、数メートル違うだけで積もり方が変わります。

ひと冬を過ごすと、どこに雪がたまるかが分かってきます。その場所を覚えて、翌年から避けてください。毎年、同じ場所にたまります。

玄関の前にも、たまります

外開きのドアの前に吹きだまりができると、ドアが開かなくなります。

風の強い日は、夜のうちに一度、玄関前を見ておいてください。

そしてスコップは、家の中に置いてください。外の物置に置いていると、そこへ行くこと自体ができません。玄関の内側が、いちばん実用的です。

雪囲いという方法

雪国では、風の通り道に板やネットを立てて、雪の吹き込みを防ぐ工夫が行われています。

大がかりなものでなくても、玄関前に風よけを立てるだけで、吹きだまりは減らせます。

ただし、強風で飛ばないよう、しっかり固定してください。飛べば、それ自体が危険物になります。

雪の少ない地域の方へ

この現象は、雪国の外ではあまり知られていません。だからこそ、知っておく価値があります。

スキーや帰省で、雪国へ行くとき

「晴れているから大丈夫」という判断が、通用しません。

とくに危ないのが、雪がやんだ翌日です。

状況 なぜ危ないか
雪がやんで晴れた 安心して出かけます
新しい雪が積もっている いちばん飛びやすい状態です
冬型が続いて風が強い 雪を運ぶ力があります
開けた道を走る そこで地吹雪に遭います

この4つがそろう日が、実際にはよくあります。

遭ったときに、してはいけないこと

急ブレーキです。

視界がなくなると、反射的にブレーキを踏みたくなります。しかし後続車も、同じように見えていません。

追突される危険があります。

ハザードランプをつけて、ゆっくり減速し、できるだけ路肩の広い場所を探してください。

そして止まったら、車から出ないでください。外に出れば、方向を見失います。

詳しくはホワイトアウトで立ち往生したらに書きました。

子どもの通学路と、地吹雪

雪国では、これが毎年の心配ごとになります。

子どもは背が低い

地吹雪は、地面に近いほど濃くなります。

大人の目の高さでは見通せても、子どもの高さでは何も見えないということが起こります。

そしてドライバーからも、子どもは見えません。雪のなかで、背の低いものは埋もれてしまいます。

できること

やること 理由
明るい色の上着を着せる 雪のなかでは、暗い色は見えません
反射材をつける ライトに反応して光ります
手袋をさせる ポケットに手を入れると、転倒時に危険です
時間に余裕を持たせる 急ぐと、無理な横断をします
ひどい日は送る 判断は大人がしてください

反射材は、冬にこそ効きます。

日が短く、朝も夕方も暗い。そこに地吹雪が加われば、運転する側からはほとんど見えません。

学校の判断を待たない

休校の連絡は、朝に出ることが多くあります。

しかし、地吹雪は局所的です。学校の周りは穏やかでも、通学路の一部だけが危険ということがあります。

ですから「学校がやっているから大丈夫」とは考えないでください。通学路の状況は、その道を知っている保護者のほうが分かります。

歩いているときの地吹雪

車の話が中心になりましたが、徒歩でも危険です。

方向を見失います

数十メートル先の建物が見えなくなります。

そして自分がどちらを向いているかが分からなくなります。

すぐそこだと思っていた場所にたどり着けない。家の近くで動けなくなる、ということが実際に起こります。数十メートルの距離が、たどり着けない距離になります。

体温を奪われます

強い風は、体感温度を大きく下げます。

そして雪が服のすき間から入り込み、体を濡らします。

濡れは、熱をもっとも速く奪う経路です。短時間でも、体温は下がります。

低体温症については低体温症とは?深部体温35度以下で起きることに書きました。

建物の中にとどまってください

地吹雪のなかを歩いて移動しようとしないでください。いま建物の中にいるなら、そこにとどまるのが正解です。「すぐそこだから」という判断が、いちばん危険です。

やむを得ず外にいるなら、風をさえぎるものの陰に入り、助けを呼んでください。

予報用語としての「地吹雪」

この言葉が、どう使われるかを整理しておきます。

警報の名前ではありません

「地吹雪警報」というものは、ありません。

地吹雪は、気象の解説のなかで使われる説明の言葉です。

実際に出るのは、次のような情報になります。

情報 意味すること
暴風雪警報 雪をともなう暴風。地吹雪も想定されます
風雪注意報 雪をともなう強い風への注意
大雪警報・注意報 降る雪の量への警戒
各地の気象情報 解説文のなかで「地吹雪」に触れられることがあります

ですから「地吹雪の情報を探す」のではなく、「風の情報を見る」ほうが確実です。

局所的なので、警報が出ないこともあります

ここが、この現象のいちばん難しいところです。警報だけでは、判断しきれません。

警報は市町村単位で出ますが、地吹雪は「その道路の、その区間だけ」で起こります。

市全体としては警報の基準に達していなくても、開けた場所を通る一本の道だけが、危険な状態になる。

だからこそ、地形と風向きから自分で判断することが意味を持ちます。

ライブカメラが、いちばん確実です

道路管理者が公開しているライブカメラを見てください。

予報でも警報でもなく、いまその場所がどうなっているかが見られます。

地吹雪のように局所的で、急に変わる現象では、実際の映像に勝る情報はありません。

北海道から見ていて、思うこと

北海道では、地吹雪は日常の一部です。

そして毎年、事故が起きます。

慣れている人でも遭います。むしろ慣れているからこそ「このくらいなら行ける」と判断してしまう。

私が思うのは、地吹雪は技術で対応できる相手ではないということです。

視界がゼロになれば、運転技術は関係ありません。そこにあるのは、見えないという事実だけです。

ですから対策は、ひとつしかありません。その日は、車を出さない。それ以外に、確実な方法はないと考えています。

そして、雪の少ない地域から来る方に、いちばん伝えたいことがあります。

空を見て判断しないでください。

晴れていても起きる。これが、地吹雪という現象のすべてです。

運転中に、地吹雪に入ってしまったら

詳しい対処は別の記事に譲りますが、要点だけ書きます。

やってはいけないこと

してはいけない 理由
急ブレーキ 後続車も見えていません。追突されます
急ハンドル スピンや路外転落につながります
そのまま速度を保つ 前の車が止まっているかもしれません
車から出る 方向を見失い、戻れなくなります
路上で停まったまま待つ 後続車に追突される危険があります

やること

まず、ハザードランプをつけてください。後続車に、自分の存在を知らせます。

そしてゆっくり減速し、路肩の広い場所や、建物のある場所を探してください。

コンビニ、道の駅、ガソリンスタンド。建物があれば、そこで待てます。

止まったら、マフラーの周りの雪を確認してください。ふさがれていれば、排気ガスが車内に入ります。

詳しい対処はホワイトアウトで立ち往生したらに書きました。

前の車を追わないでください

これは、実際によくある行動です。

視界がないので、前の車のテールランプだけを頼りに走る。気持ちは分かりますが、危険です。

前の車が路外に出れば、一緒に出ることになります。そして車間が近すぎれば、前の車が止まった瞬間に追突します。

よくある質問

Q. 地吹雪と吹雪は、どう違いますか?

雪の出どころが違います。

吹雪は、降っている雪が風で舞う現象です。

地吹雪は、積もった雪が風で舞い上がる現象です。空から降っていなくても起こります。

両方が同時に起きることもあり、その場合は視界がさらに悪くなります。

Q. どのくらいの風速で起きますか?

一律の基準はありません。

雪の状態によって大きく変わるためです。降ったばかりの乾いた軽い雪なら、比較的弱い風でも舞い上がります。

逆に、踏み固められた雪や、表面が凍った雪は、強い風でも飛びません。

ですから風速の数字より、「新しい乾いた雪があるかどうか」を見てください。

Q. 湿った雪の地域では、起きませんか?

起こりにくいというだけで、起きないわけではありません。

本州の日本海側でも、強い寒気が入って気温が下がれば、雪は乾きます。

そのときに風が強まれば、地吹雪は起こります。

Q. 雪が降っていないのに、車が埋まっていました

吹きだまりの可能性が高いです。

夜のうちに風が吹き、積もっていた雪が運ばれて、その場所にたまったということです。

駐車の場所を変えられるなら、建物の風下や、風の通り道を避けてください。

Q. 防雪柵があれば、安全ですか?

効果はありますが、完全ではありません。

柵は風を弱め、雪をせき止めますが、条件によっては地吹雪が起こります。

そして柵の切れ目では、そこだけ風が通ります。柵があるからと油断しないでください。

Q. 地吹雪注意報のようなものはありますか?

「地吹雪注意報」という名称の情報は、私が確認した範囲ではありません。

関係するのは暴風雪警報、風雪注意報などです。

また、予報の解説文のなかで「地吹雪による視界不良に注意」といった呼びかけが行われることがあります。

最新の情報は、気象庁の公式サイトでご確認ください。

Q. 地吹雪は、何分くらい続きますか?

風が吹いているあいだ、続きます。

そして、波のように強弱を繰り返すのが特徴です。

一瞬視界が開けて「もう大丈夫だ」と思った次の瞬間、また真っ白になる。これが繰り返されます。

ですから一時的に見えたからといって、通り過ぎたとは限りません。

Q. カーナビがあれば、道が分かるのでは?

自分の位置は分かりますが、目の前の状況は分かりません。

前を走る車、落ちている物、吹きだまり、路肩の位置。これらはナビには表示されません。

そして「道があること」と「そこを安全に走れること」は別です。

ナビを頼りに走り続けるのは、危険な判断です。

Q. 四輪駆動なら、吹きだまりも突破できますか?

限度があります。

四輪駆動は発進や登坂には強いのですが、車の底が雪に乗り上げてしまえば、タイヤが空回りして進めません。

そして「行けるだろう」と突っ込んだ結果、より深いところで動けなくなるということが起こります。

吹きだまりが見えたら、無理に突破しないでください。

Q. 地吹雪が起きる時間帯に、傾向はありますか?

風が強まる時間帯に起こります。

冬型の気圧配置が強い日は、一日を通して風が吹き続けることが多くあります。

ただし、朝晩は気温が低く雪が乾いているため、日中より飛びやすい状態になります。

そして日中に少し気温が上がって雪の表面が湿ると、一時的に落ち着くことがあります。しかし夕方にまた冷えれば、再び飛び始めます。

Q. 都市部でも起きますか?

市街地では、比較的起こりにくくなります。建物が風をさえぎるためです。

ただし広い川沿い、橋の上、大きな公園のそば、造成地や工場地帯では、市街地の中でも起こります。

そしてビルの間で風が加速する場所もあります。同じ市内でも、場所によって条件が変わります。

Q. 地吹雪の日は、外出をすべて控えるべきですか?

車での移動は、避けてください。

徒歩については、市街地の短い距離であれば、防寒をしっかりして注意すれば移動できる場合もあります。

ただし開けた場所を通る経路は避けてください。そして、視界が失われたら無理に進まず、建物に入って待つ判断をしてください。

Q. 「地ふぶき」と書くこともありますか?

ひらがな交じりで書かれることもあります。読み方は「じふぶき」です。

意味は同じですので、どちらの表記で見かけても同じ現象だと考えてください。報道では、ひらがな交じりのほうが使われることもあります。

Q. スタッドレスタイヤなら、地吹雪も大丈夫ですか?

関係ありません。

地吹雪の危険は、滑ることではなく「見えないこと」です。

どんなに性能の高いタイヤを履いていても、前が見えなければ、止まるべきかどうかの判断ができません。

そして吹きだまりに突っ込めば、タイヤの種類にかかわらず動けなくなります。

装備で解決できる問題ではない、というのが地吹雪の特徴です。

Q. 車に何を積んでおけばいいですか?

立ち往生を前提にした装備が要ります。

スコップ、毛布、飲みもの、携帯トイレ、モバイルバッテリー、防寒着、長靴。

とくにスコップは、マフラーの雪をどけるために必須です。これがないと、一酸化炭素中毒を防げません。

詳しくは大雪で危ないのは雪より「動けなくなること」に書きました。

まとめ|見るのは空ではなく、風です

要点 内容
地吹雪とは 積もった雪が、風で舞い上がる現象
最大の特徴 雪が降っていなくても起こります
条件 乾いた雪・強い風・開けた場所
被害① 視程障害。ホワイトアウトになります
被害② 吹きだまり。道路の一部だけが深く埋まります
見るもの 雪マークではなく、風の予報
対策 その日は車を出さない

覚えていただきたいのは、ひとつだけです。

「晴れているから大丈夫」は、冬には通用しません。

積もった雪があり、風が強い日。その日は、空が青くても危険な日です。

天気予報を見るとき、雪マークだけでなく風の欄も見てください。

それだけで、判断が変わります。

そして、雪国へ行く予定がある方は、目的地と経路のライブカメラを一度探しておいてください。

出発の朝、それを見るだけで、行くか行かないかの判断ができます。空を見上げるより、はるかに確実です。

【この記事について】
この記事は、地吹雪という現象の仕組みと、備えの考え方を整理したものです。発生する風速や条件については、雪の状態や地形によって大きく異なり、一律の基準を示すことはできません。「地吹雪注意報」という名称の情報については、確認できませんでした。行動の判断にあたっては、必ずお住まいの地域および目的地に出ている警報・注意報と、最新の道路情報をご確認ください。警報・注意報の基準は市町村ごとに定められており、気象庁の「警報・注意報発表基準一覧表」で確認できます。視界不良のなかでの運転は非常に危険です。無理に走行せず、安全な場所で待つ判断をしてください。

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9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

防災ベーシック編集部です。公的機関の情報をもとに、防災・備蓄・災害対策の基本をわかりやすくお伝えします。

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