地震で被災した後にやること|赤い紙の意味と、余震のなかで安全に片付ける方法

⚠️ 災害はいつ起きるかわかりません

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【この記事の要約】
地震で被災したあとには、地震特有の危険があります。最も重要なのが、建物に入ってよいかの判断です。応急危険度判定という制度があり、赤・黄・緑の紙が建物に貼られます。赤は危険、黄は要注意、緑は使用可能という意味です。ただしこれは罹災証明書とは別の制度で、赤い紙が貼られても自動的に全壊と認定されるわけではありません。もうひとつ地震に固有なのが、余震です。壊れかけた建物は、次の揺れで崩れることがあります。片付け中の二次災害は実際に起きています。加えて、停電から復旧するときの通電火災にも注意が必要です。地震のあとにやるべきことを、順を追って整理します。

目次

結論:建物に入る前に、判定を確認してください

先に結論をお伝えします。

地震のあとで最初に判断すべきは、自宅に入ってよいかどうかです。

見た目が無事でも、構造が損なわれていることがあります。柱や壁の内部は、外からは見えません。

3つの色で示されます

地震のあと、建築の専門家が建物を調べ、紙を貼っていきます。これが応急危険度判定です。

意味 取るべき行動
危険 立ち入らない
要注意 立ち入る場合は十分に注意する
調査済み 使用できる

赤い紙が貼られた建物には、入らないでください。貴重品を取りに行きたい気持ちは分かりますが、命には代えられません。

この紙は、剥がしたり貼り替えたりしないでください。ほかの人の判断材料にもなります。

判定が来る前はどうするか

判定には時間がかかります。それまでは、自分で危険を見極めることになります。

  • 建物が傾いていないか
  • 柱や壁に大きなひび割れがないか
  • 基礎が割れていないか
  • ドアや窓が極端に開きにくくなっていないか
  • 天井が垂れ下がっていないか

ひとつでも当てはまれば、入らない判断をしてください。

応急危険度判定と罹災証明書は別です

ここが、地震のあとで最も誤解されている点です。混同すると、手続きの判断を誤ります。

比較 応急危険度判定 罹災証明書
目的 二次災害を防ぐ 被害の程度を証明する
判断すること 入っても安全か どれだけ損害を受けたか
行う人 建築の専門家など 市区町村の職員
時期 地震の直後 申請したあと
支援との関係 関係しない 支援の前提になる
申請 不要。自動的に行われる 必要

赤い紙が貼られたからといって、全壊と認定されるわけではありません。逆に、緑の紙が貼られても罹災証明書は申請できます。

安全に入れることと、被害がないことは別だからです。

罹災証明書の手続きは罹災証明書の申請方法|判定6区分と、納得できないときの再調査の頼み方にまとめています。

余震のなかで作業する危険

ここからが、地震に固有の最も大きなリスクです。

本震で傷んだ建物は、次の揺れに耐えられないことがあります。片付けの最中に崩れる。これが二次災害です。

作業中に守ること

  • 逃げ道を必ず確保しておく
  • 出口に近い場所から作業する
  • 一人で建物に入らない
  • ヘルメットを着用する
  • スマートフォンを身につけ、緊急地震速報を受け取れるようにする
  • 揺れを感じたら、すぐ外へ出る

2番目は特に重要です。奥まで入り込んでから揺れが来ると、逃げられません。

危険な場所を知っておく

場所 危険
ブロック塀のそば 倒壊。過去の地震で犠牲者が出ている
屋根の上 転落。瓦が滑りやすくなっている
傾いた家具の下 倒れてくる
ガラスの散乱した床 踏み抜き、転倒
階段 手すりが壊れていることがある
崖や斜面の近く 余震で崩れる

屋根の作業は、特に危険です。落下すれば命に関わります。専門業者に依頼してください。

余震はいつまで続くのか

大きな地震のあとは、しばらく余震が続きます。数日で収まることもあれば、数か月に及ぶこともあります。

頻度は徐々に下がりますが、時間が経ってから大きな余震が起きることもあります。「もう大丈夫だろう」と油断しないでください。

また、本震より大きな地震があとから起きる可能性も、否定はできません。過去には、最初の地震を本震だと考えていたところ、さらに大きな揺れが来た例があります。

危険な建物には近づかない。この原則は、余震が収まったように見えても続けてください。

通電火災を防ぐ

地震のあと、見落とされやすい危険です。

停電が復旧したとき、傷んだ配線や倒れた電化製品から出火することがあります。これを通電火災といいます。

避難するときはブレーカーを落とす

家を離れる前に、必ずブレーカーを切ってください。

誰もいない家で通電が再開すれば、火が出ても気づけません。地震のあとの火災は、こうして広がることがあります。

復旧後の確認

電気が戻ったら、いきなり全部を通電させないでください。

  1. まず家中の電化製品のプラグを抜く
  2. ガスのにおいがないか確認する
  3. 配線に損傷がないか目視する
  4. ブレーカーを入れる
  5. 一つずつプラグを差し、異常がないか確かめる

手順は停電復旧後にやること|通電火災を防ぐブレーカー操作の順番と家電の戻し方で詳しく説明しています。

感震ブレーカーという備え

揺れを感知して自動的に電気を止める装置があります。

不在時や、慌てて避難した場合でも作動します。数千円のものから設置できます。

これは被災前にしかできない備えです。

ガスと水道の確認

地震では、配管が損傷している可能性があります。

ガス

においがしたら、火を使わないでください。換気扇のスイッチも押さないでください。火花で引火することがあります。

窓を開けて換気し、屋外からガス事業者へ連絡してください。

多くの家庭にはガスメーターに安全装置があり、大きな揺れで自動的に遮断されます。復帰の操作方法を確認しておいてください。

水道

蛇口から水が出ても、すぐには飲まないでください。配管が壊れていれば、汚れが混入することがあります。

濁りやにおいがないかを確認してください。不安があれば自治体に問い合わせてください。

また、家の中で水漏れが起きていないかも確認してください。壁の内部で漏れていると、気づくのが遅れます。

片付けの進め方

地震の片付けには、水害とは違う特徴があります。

ガラスと陶器の破片が中心です

食器棚や窓ガラスが割れ、床一面に破片が散ります。

裸足やスリッパでは動けません。底の厚い靴を履いてください。寝室に靴を置いておくべき理由がここにあります。

破片は、厚紙や新聞紙で包んでから袋に入れてください。袋を突き破ると、運ぶ人が怪我をします。

細かい破片は、掃除機ではなくほうきで集めてください。掃除機は内部を傷め、故障の原因になります。

最後に粘着テープを使うと、見えない小さな破片まで取れます。子どもや高齢の方がいる家庭では、この仕上げをおすすめします。

倒れた家具

無理に一人で起こさないでください。大型の家具は、想像以上に重いものです。

また、起こす際に中身が落ちてくることがあります。扉や引き出しを養生テープで留めてから動かしてください。

撮影を忘れないでください

片付ける前に、必ず写真を撮ってください。

倒れた家具、割れた窓、ひび割れた壁。すべて記録してください。特に壁や基礎のひびは、修理してしまうと証明できなくなります。

ひび割れの記録の仕方

ひびは、写真だけでは大きさが伝わりません。

定規やメジャーを当てて撮る、コインを置いて比較できるようにする。こうした工夫をしてください。

場所が分かるよう、部屋の全景も併せて撮っておきます。

地震で壊れやすい場所

被害を確認するとき、どこを見るべきかを整理します。見落とすと、判定にも影響します。

場所 確認する内容
基礎 ひび割れ、ずれ、沈下
柱と梁 ひび、傾き、接合部の緩み
外壁 ひび、剥落、目地の開き
内壁 クロスの裂け、下地のひび
屋根 瓦のずれ、棟の崩れ
建具 ドアや窓の開閉のしにくさ
傾き、きしみ、隙間
設備 給湯器の転倒、配管の外れ

建具は傾きの手がかりです

ドアが閉まりにくい、窓が動かない、鍵がかかりにくい。こうした変化は、建物がゆがんだ証拠です。

感覚的な話に聞こえますが、調査では重要な情報になります。どの部屋のどの建具に異常があるか、メモしておいてください。

傾きは数値で示せます

水平器があれば、床の傾きを測れます。持っていなければ、ビー玉を置いて転がる方向を確認する方法もあります。

スマートフォンの水準器の機能を使うこともできます。数値で示せると、説明の説得力が変わります。

時間が経ってから現れる被害

地震の直後には分からず、あとから判明するものがあります。

雨が降って初めて雨漏りに気づく、数日してから壁のひびが広がる、床のきしみがひどくなる。こうした変化は珍しくありません。

気づいた時点で写真を撮り、市区町村に相談してください。再調査を依頼できます。

外まわりの危険

建物の中だけでなく、敷地や周辺にも注意が必要です。

ブロック塀

過去の地震で、繰り返し犠牲者が出ている場所です。

本震で傾いた塀は、余震で倒れます。近づかないでください。通学路に面しているなら、自治体や所有者に連絡してください。

自宅の塀が傾いていれば、周囲に注意を促す表示をし、人が近づかないようにしてください。

屋根瓦と外壁

ずれた瓦や剥がれかけた外壁は、落下の危険があります。

真下を歩かないでください。修理までの間は、ブルーシートで覆うなどの応急処置が必要になります。

ただし、屋根に登る作業は業者に任せてください。

擁壁と斜面

崖や斜面の近くでは、地震で地盤が緩んでいることがあります。

その状態で雨が降れば、土砂崩れが起きやすくなります。地震のあとの降雨は、特に警戒してください。

電線と電柱

垂れ下がった電線には、絶対に触れないでください。

傾いた電柱の近くも危険です。電力会社へ連絡してください。

公費解体という選択

建物を解体する必要が出た場合の制度です。

大きな地震では、自治体が費用を負担して被災家屋を解体する仕組みが設けられることがあります。

先に確認してください

最も重要な注意点です。

自分で業者に依頼して解体したあとでは、対象外になることがあります。まず自治体に確認してください。

また、罹災証明書が前提になることが一般的です。解体の前に、申請と調査を済ませておく必要があります。

順番を間違えないでください

  1. 写真を撮る
  2. 罹災証明書を申請し、調査を受ける
  3. 公費解体の制度があるか自治体に確認する
  4. 申請する
  5. 解体する

この順番を守らないと、受けられるはずの支援を失います。

住み続けるか、離れるか

地震のあと、多くの方が迷う判断です。

判断の材料

確認する点 離れるべき場合
建物の安全性 赤や黄の判定が出ている
余震の状況 大きな余震が続いている
ライフライン 電気・水道・ガスの復旧の見通しが立たない
季節と気温 暖房や冷房が使えず、健康を損なう
家族の状況 高齢者、乳幼児、持病のある方がいる
周辺の危険 斜面崩壊や火災の危険が残る

自宅にとどまれるなら、そのほうが生活は落ち着きます。しかし無理をすれば、健康を損ないます。

在宅避難という選択

建物が安全で、水と食料があるなら、自宅で過ごす方法があります。

避難所は人が多く、感染症の心配もあります。プライバシーも限られます。

ただし、情報が入りにくくなる点には注意してください。支援物資の配布や給水の案内は、避難所を通じて伝わることが多いためです。

判断の基準は【災害時】避難所へ行くべきか自宅に残るべきか?正しい判断基準と在宅避難・避難所避難の全知識2026年版で整理しています。

親戚や知人の家という選択肢

被災地を離れる方法もあります。

特に高齢の方や小さなお子さんがいる場合、いったん安全な場所に移るほうが体への負担は小さくなります。

ただし、手続きのために戻る必要が出ます。郵送や電子申請に対応している自治体もあるため、確認してください。

離れても支援は受けられます

「被災地を離れると支援が受けられない」という誤解があります。

罹災証明書は、被災した住宅がある市区町村へ申請します。遠方にいても、郵送で対応できることが多くあります。

あきらめずに、まず問い合わせてください。

心の負担について

地震には、ほかの災害と違う特徴があります。

いつ来るか分からない怖さ

台風や大雨は、事前に予測できます。しかし地震は、突然起こります。

そして余震が続く間は、いつまた揺れるか分からない状態が続きます。この緊張が、心身をすり減らします。

揺れていないのに揺れを感じる

大きな地震のあと、揺れていないのに揺れているように感じることがあります。

これは珍しいことではありません。多くの方が経験する反応です。時間とともに和らいでいきます。

ただし、日常生活に支障が出るほど続く場合は、相談してください。

眠れなくなる

寝ている間に地震が来ることを恐れて、眠れなくなる方がいます。

睡眠が不足すれば、判断力も体力も落ちます。片付けの効率も下がります。

無理に一人で耐えず、自治体の健康相談窓口などを利用してください。

災害後の心理については災害心理学とは?正常性バイアス・PTSD・避難行動・サイコロジカルファーストエイドまで徹底解説【防災ベース】で詳しく扱っています。

マンションの場合

集合住宅には、固有の問題があります。

エレベーターが止まります

地震では安全装置が働いて停止し、再稼働には保守業者の点検が必要です。

大きな地震では地域中のエレベーターが同時に止まるため、順番待ちになります。数日から1週間以上動かないこともあります。

専有部分と共用部分

自室の中は各世帯が対応します。廊下、階段、外壁、配管などの共用部分は、管理組合の管轄です。

共用部分を勝手に修理しないでください。費用の負担についても取り決めがあります。

排水管に注意

マンションの排水は、縦の管を複数の住戸で共有しています。

地震でこの管が損傷していると、上の階が流した水が下の階であふれます。点検が済むまで、トイレを流さないでください。

詳しくはマンションの断水は停電で起きる|トイレを流してはいけない理由と備えで扱っています。

地震保険の請求

地震による被害は、火災保険では補償されません。地震保険が必要です。

火災保険だけでは足りません

意外に知られていない点です。

地震、噴火、それらによる津波を原因とする損害は、火災保険の対象外とされています。地震で起きた火災も同様です。

補償を受けるには、地震保険に加入している必要があります。

認定は独自の基準です

地震保険の損害認定は、罹災証明書の判定とは別に行われます。

保険会社が独自に調査し、契約にもとづいて支払額を決めます。罹災証明書が一部損壊でも、保険金が支払われることはあります。

両方を並行して進めてください。

連絡は早めに

大きな地震のあとは、保険会社への問い合わせが集中します。

片付けを始める前に、まず連絡してください。調査の前に片付けてしまうと、被害を証明しにくくなります。

ここでも写真が効いてきます。

地震保険の仕組みは地震保険とは?補償内容・保険料・加入の判断基準を徹底解説で解説しています。

私が北海道で経験したこと

私は札幌に住んでいます。2018年の胆振東部地震では、全道が停電するブラックアウトを経験しました。

停電が同時に起きます

地震の特徴は、複数の被害が同時に発生することです。

建物が傷み、停電し、断水し、交通が止まる。ひとつずつ対処する余裕はありません。

だからこそ、順番を決めておくことに意味があります。安全の確認、写真、安否連絡、そして手続き。この順です。

情報が入らないことの怖さ

あのとき最も困ったのは、状況が分からないことでした。

停電でテレビは映らず、スマートフォンの電池も減っていきます。余震がどれくらい続くのか、いつ復旧するのか。何も分かりませんでした。

乾電池式のラジオが手元にあるかどうかで、あの数日の過ごし方は変わります。

冬なら状況はもっと厳しい

あの地震は9月でした。もし真冬だったらと考えると、暖房が止まった家で過ごすことになります。

寒冷地では、地震のあとに低体温症の危険が加わります。片付けどころではなくなるのです。

地域の事情に応じて、備えの重点は変わります。北海道であれば、暖房手段の確保が最優先になります。

被害が地域で大きく違います

あのとき感じたもうひとつのことは、同じ市内でも被害に差があったことです。

大きく揺れた地区と、それほどでもなかった地区がありました。のちに地盤の情報を見て、理由が理解できました。

やわらかい地盤の上では、揺れが増幅されます。この差は、数百メートル離れただけで生じます。

自宅の地盤がどうなっているかは、事前に調べられます。方法は自宅の近くに活断層はある?無料で調べる方法と結果の正しい読み方にまとめました。

手続きを知らない方が多い

相談を受けて驚いたのは、罹災証明書という言葉を初めて聞いたという方が少なくなかったことです。

備えの情報は広く共有されています。しかし、被災したあとの手続きについては、事前に知る機会がほとんどありません。

その結果、疲れている時期に複雑な制度を調べることになります。今のうちに輪郭だけでも知っておく意味は、ここにあります。

写真だけは、その場でしか撮れません

制度は、あとから調べられます。窓口で聞けば教えてもらえます。

しかし写真だけは違います。片付けてしまえば、二度と同じ状況は撮れません。

この一点だけは、事前に知っているかどうかで結果が変わります。ぜひ覚えておいてください。

よくある質問

Q. 建物に入ってよいか、どう判断しますか

A. 応急危険度判定の紙を確認してください。赤は危険で立ち入らない、黄は要注意、緑は使用可能です。判定前は、傾き、柱や壁の大きなひび、基礎の割れ、ドアの開きにくさ、天井の垂れ下がりを確認し、ひとつでも当てはまれば入らないでください。

Q. 赤い紙が貼られたら全壊ですか

A. 違います。応急危険度判定と罹災証明書は別の制度です。応急危険度判定は二次災害を防ぐために建物の安全性を判断するもので、被害の程度の認定ではありません。緑の紙が貼られても罹災証明書は申請できます。

Q. 余震のなかで片付けても大丈夫ですか

A. 十分な注意が必要です。逃げ道を確保し、出口に近い場所から作業してください。一人で建物に入らず、ヘルメットを着用し、揺れを感じたらすぐ外へ出てください。奥まで入り込んでから揺れが来ると逃げられません。

Q. 屋根の修理は自分でできますか

A. やめてください。転落すれば命に関わります。地震のあとは瓦が滑りやすく、足場も不安定です。専門業者に依頼してください。

Q. 通電火災とは何ですか

A. 停電が復旧したときに、傷んだ配線や倒れた電化製品から出火する現象です。避難する前に必ずブレーカーを落としてください。復旧後は、まずプラグをすべて抜き、ガスのにおいと配線を確認してから、一つずつ通電させてください。

Q. ガスのにおいがします

A. 火を使わないでください。換気扇のスイッチも押さないでください。火花で引火することがあります。窓を開けて換気し、屋外からガス事業者へ連絡してください。

Q. 片付けで気をつけることは

A. ガラスと陶器の破片が中心になります。底の厚い靴を履いてください。破片は厚紙や新聞紙で包んでから袋に入れます。袋を突き破ると、運ぶ人が怪我をします。倒れた家具は一人で起こさないでください。

Q. 壁のひび割れはどう記録しますか

A. 定規やメジャーを当てて撮る、コインを置いて比較できるようにするなど、大きさが伝わる工夫をしてください。場所が分かるよう部屋の全景も併せて撮ります。修理してしまうと証明できなくなります。

Q. 解体したいのですが

A. 先に自治体へ確認してください。公費解体の制度が設けられることがありますが、自分で業者に依頼したあとでは対象外になることがあります。罹災証明書が前提になるのが一般的なので、申請と調査を先に済ませてください。

Q. マンションで気をつけることは

A. エレベーターは点検が済むまで動かず、数日以上かかることがあります。共用部分は管理組合の管轄なので勝手に修理しないでください。また排水管が損傷していると下の階で逆流するため、点検が済むまでトイレを流さないでください。

Q. 建物のどこを確認すればよいですか

A. 基礎のひび割れやずれ、柱と梁のひびや傾き、外壁の剥落、内壁のクロスの裂け、屋根瓦のずれ、建具の開閉のしにくさ、床の傾き、給湯器の転倒などです。特に建具の異常は、建物がゆがんだ証拠になります。

Q. 傾きはどう測ればよいですか

A. 水平器があれば測れます。なければビー玉を置いて転がる方向を確認する方法や、スマートフォンの水準器の機能も使えます。数値で示せると、調査での説明の説得力が変わります。

Q. ブロック塀に近づいても大丈夫ですか

A. 近づかないでください。過去の地震で繰り返し犠牲者が出ている場所です。本震で傾いた塀は余震で倒れます。自宅の塀が傾いていれば、周囲に注意を促す表示をし、人が近づかないようにしてください。

Q. 地震のあとの雨に注意が必要ですか

A. 必要です。崖や斜面の近くでは、地震で地盤が緩んでいることがあります。その状態で雨が降れば、土砂崩れが起きやすくなります。地震後の降雨は特に警戒してください。

Q. 自宅に住み続けるべきか迷っています

A. 建物の判定、余震の状況、ライフラインの復旧見通し、季節と気温、家族の状況、周辺の危険で判断してください。建物が安全で水と食料があれば在宅避難という選択もありますが、情報が入りにくくなる点には注意が必要です。

Q. 被災地を離れると支援は受けられませんか

A. 受けられます。罹災証明書は被災した住宅がある市区町村へ申請しますが、遠方にいても郵送で対応できることが多くあります。電子申請に対応している自治体もあります。まず問い合わせてください。

Q. 揺れていないのに揺れを感じます

A. 大きな地震のあとには珍しくない反応です。多くの方が経験し、時間とともに和らいでいきます。ただし日常生活に支障が出るほど続く場合は、自治体の健康相談窓口などに相談してください。

Q. 火災保険で地震の被害は補償されますか

A. されません。地震、噴火、それらによる津波を原因とする損害は火災保険の対象外です。地震で起きた火災も同様です。補償を受けるには地震保険への加入が必要になります。

Q. 地震保険の認定は罹災証明書と同じですか

A. 別です。保険会社が独自に調査し、契約にもとづいて支払額を決めます。罹災証明書が一部損壊でも保険金が支払われることはあります。両方を並行して進めてください。

Q. 保険会社にはいつ連絡しますか

A. 片付けを始める前です。大きな地震のあとは問い合わせが集中しますし、調査の前に片付けてしまうと被害を証明しにくくなります。ここでも撮影しておいた写真が役に立ちます。

Q. 余震はいつまで続きますか

A. 数日で収まることもあれば、数か月に及ぶこともあります。頻度は徐々に下がりますが、時間が経ってから大きな余震が起きることもあります。油断しないでください。

まとめ

地震で被災したあとの対応について、要点を整理します。

  • 建物に入る前に、応急危険度判定の色を確認する
  • 赤は立ち入らない。黄は要注意。緑は使用可能
  • 応急危険度判定と罹災証明書は別の制度
  • 赤い紙が貼られても、自動的に全壊にはならない
  • 余震で建物が崩れる二次災害に注意する
  • 逃げ道を確保し、出口に近い場所から作業する
  • 屋根の作業は業者に依頼する
  • 避難時はブレーカーを落とし、通電火災を防ぐ
  • 復旧後はプラグを抜いてから、一つずつ通電させる
  • ガスのにおいがしたら換気扇も押さない
  • 片付けは底の厚い靴で。破片は包んでから袋へ
  • 壁のひびは大きさが分かるように撮影する
  • 解体の前に、罹災証明書と公費解体の確認を済ませる

被災後の流れ全体は被災した後にやること全ガイド|時系列でわかる手続きと生活再建の順番にまとめています。

片付けの装備と消毒については被災後の片付けと消毒|順番を守らないと効かない理由と薬剤の使い分けをご覧ください。

地震のあとは、判断を求められる場面が続きます。しかし、優先順位ははっきりしています。安全、記録、手続きの順です。

今日できることをひとつ挙げます。寝室に、底の厚い靴を1足置いてください。夜中に地震が起きたとき、割れたガラスの上を歩かずに済みます。

数百円のスリッパではなく、靴です。踏み抜きを防げる厚さがあるものを選んでください。使わない古い運動靴で構いません。

地震は、寝ている間に起こることがあります。その一足があるかどうかで、最初の数分の動き方が変わります。

そして、ご家族の寝室にも同じものを置いてください。備えは、人数分そろって初めて意味を持ちます。

✅ この記事、読んで終わりにしないでください

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この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

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