災害で家財が壊れたら税金が戻る|雑損控除と災害減免法の違いと必要書類

・当サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト・楽天市場・各種ASP)およびGoogleアドセンスを利用しています。
・記事内リンク経由でご購入いただいた場合、サイト運営者に紹介料が発生することがあります。
・掲載内容は収益に左右されず、公的機関の資料・メーカー公表仕様などの確認できる情報をもとに作成しています。

スポンサーリンク

【この記事の要約】
結論から言います。災害で家財に被害を受けたら、税金が戻ってくる可能性があります。制度は二つ。雑損控除と、災害減免法による軽減免除です。どちらか有利なほうを選びます。そして、申告しなければ、戻りません。自動的には処理されないので、自分で手続きする必要があります。ポイントは三つ。領収書と写真を残すこと。罹災証明書を取ること。そして、雑損控除なら引ききれない分を翌年以降3年間繰り越せること。この記事では、二つの制度の違い、対象になるもの、必要な書類をまとめました。個別の判断は、税務署か税理士にご確認ください。

目次

結論|二つの制度から、有利なほうを選びます

先に、この記事の要点をまとめておきます。

一、雑損控除

所得から、損失額を差し引ける仕組みです。所得税の確定申告で手続きします。

特徴は、引ききれなかった分を、翌年以降3年間繰り越せることです。被害が大きいほど効いてきます。

二、災害減免法による軽減免除

こちらは、所得税そのものを軽減または免除する仕組みです。

ただし、その年の所得金額に上限があり、繰り越しもできません。

両方は使えません

ここが大事な点です。どちらか一方を選ぶことになります。

一般的な傾向として、所得が高い方や被害が大きい方は雑損控除、所得が一定以下で被害が大きい方は災害減免法が有利になることがあるとされています。

ただし、どちらが有利かは個別の事情で変わります。税務署の相談窓口で試算してもらうのが確実です。

スポンサーリンク

対象になる災害と、ならないもの

まず、雑損控除の範囲を整理します。

対象になるもの

原因 具体例
震災・風水害・冷害・雪害・落雷 地震、台風、洪水、大雪、雷
火災・火薬類の爆発 自宅の火災、もらい火
害虫などの生物による異常な災害 シロアリの被害など
盗難 空き巣など
横領

対象にならないもの

詐欺や恐喝による被害は、対象外とされています。ここは誤解の多い点です。

そして、生活に通常必要でない資産も対象外です。別荘、書画・骨とう、貴金属などで一定額を超えるものが該当します。

対象になるのは「生活に通常必要な資産」です

住宅、家具、衣類、家電、自家用車。日常の暮らしに使うものが対象です。

そして、本人だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の資産も含まれます。ただし、その方の所得金額に条件があります。

いくら戻るのか

ここは、計算の考え方です。

二つの式のうち、多いほうを使います

雑損控除の額は、次のどちらか多いほうになります。

一、差引損失額 − 総所得金額等の10パーセント

二、災害関連支出の金額 − 5万円

「差引損失額」は、損害額に災害関連支出を足し、保険金などで補てんされた額を引いたものです。

保険金を受け取った分は、差し引かれます

ここは重要です。

火災保険や共済から支払われた金額は、損失額から引きます。二重には受けられません。

そして、保険金が確定していない場合は、見込み額で計算することになります。あとで金額が変われば、修正申告や更正の請求が必要になることがあります。

災害関連支出とは

壊れた住宅の取り壊し費用、土砂の撤去費用、原状回復のための費用などです。

これらは、領収書が必要になります。片づけを業者に頼んだ場合、必ず受け取っておいてください。

3年間の繰り越しが効きます

雑損控除の大きな特徴です。

その年の所得から引ききれなかった場合、翌年以降3年間にわたって繰り越せます。

被害が大きく、所得より損失が上回る場合、この繰り越しがあるかないかで、戻る額が大きく変わります。

必要な書類

手続きに必要なものを整理します。

最低限そろえるもの

一、確定申告書。税務署や国税庁のサイトで作成できます。

二、罹災証明書。市区町村が発行します。被害の程度を証明するものです。

三、災害関連支出の領収書。取り壊し、撤去、修理の費用です。

四、保険金の額が分かるもの。支払通知書など。

五、給与所得の源泉徴収票など、所得を証明するもの。

写真が、あとで効いてきます

ここは強調しておきたい点です。

片づける前に、被害の状況を写真に撮ってください。これは制度上の必須書類ではないことが多いものの、被害の説明に役立ちます。

撮るのは、建物の外観を四方から、被害箇所を近くから、そして浸水した高さが分かる位置から。

そして、日付が分かる形で残してください。スマホなら自動的に記録されます。

罹災証明書は、早めに申請してください

市区町村が現地を確認して発行します。申請が集中すると、時間がかかります。

そして、申請に期限が設けられることがあります。災害のあと、自治体からの案内を確認してください。

この証明書は、税だけでなく、支援金や融資の手続きにも使います。複数枚取っておくと便利です。

申告の手順

実際に手続きをする流れを追います。

いつ申告するのか

基本は、被害を受けた年の分を、翌年の確定申告で申告します。

会社員で普段は年末調整だけの方も、この場合は自分で確定申告をすることになります。

そして、還付のための申告は、その年の翌年1月1日から5年間できるとされています。過去の災害についても、期限内であれば申告できる可能性があります。

源泉徴収されている方は、還付になります

給与から所得税が引かれている方の場合、払いすぎた分が戻ってくるという形になります。

だから、手続きしなければ、そのままです。税務署から「戻しますよ」と連絡が来ることはありません。

作成する場所

いくつか方法があります。

一、国税庁のウェブサイトで作成する。画面の案内に沿って入力すると、申告書ができます。

二、税務署の窓口で相談しながら作る。確定申告の時期は混雑しますが、その場で聞けます。

三、税理士に依頼する。費用はかかりますが、被害が大きい場合は検討する価値があります。

被災地では、臨時の相談会場が設けられることがあります。自治体や税務署からの案内を確認してください。

損失額の計算が、いちばん難しい

正直に書くと、ここでつまずく方が多い。

家財の損害額は、買ったときの値段そのままではありません。使用年数に応じて価値が減った額で計算します。

ただし、一つひとつ計算するのは現実的ではないため、家族構成などから損害額を算出する簡便な方法が示されていることがあります。

この計算方法は、災害の規模や年度によって案内が変わることがあります。必ず税務署で最新の方法を確認してください。

災害減免法という、もう一つの選択肢

ここは、雑損控除と比べながら説明します。

こちらは「税額を減らす」仕組みです

雑損控除が所得から差し引くのに対して、災害減免法は税額そのものを軽減または免除します。

軽減の割合は、その年の所得金額に応じて段階的に決まります。所得が一定額を超えると、対象になりません。

条件があります

災害減免法を使うには、いくつかの要件があります。

一、災害によって受けた住宅や家財の損害額が、その価額のおおむね2分の1以上であること。

二、その年の所得金額が一定額以下であること。

つまり、被害が大きく、所得が一定以下という条件です。

繰り越しができません

ここが雑損控除との大きな違いです。

災害減免法は、その年だけの措置です。翌年以降には持ち越せません。

だから、被害が非常に大きい場合は、繰り越しのできる雑損控除のほうが有利になることがあります。

盗難や横領は対象外です

災害減免法は、災害による損害だけが対象です。

雑損控除は盗難や横領も対象になるので、ここでも範囲が違います。

どちらを選ぶかは、試算してから

繰り返しになりますが、個別の状況で有利不利が変わります。

税務署では、両方で試算して比べてもらえます。自分で判断せず、相談してください。

そして、一度選んで申告すると、あとから変更できないことがあります。ここも確認が必要です。

税以外にも、使える制度があります

雑損控除だけを見ていると、他の制度を見落とします。全体像を整理します。

被災後に使える制度の一覧

制度 内容 窓口
被災者生活再建支援金 住宅の被害程度に応じた支援 市区町村
災害弔慰金・障害見舞金 死亡・障害が残った場合 市区町村
災害援護資金 生活再建のための貸付 市区町村
雑損控除/災害減免法 所得税の軽減 税務署
住民税の減免 自治体ごとの制度 市区町村
国民健康保険料の減免 保険料の軽減 市区町村
自然災害債務整理ガイドライン 住宅ローンの減免。信用情報に載りません 金融機関

どれも、申請しないと受けられません

これが最も伝えたい点です。

自動的に処理される制度は、ほとんどありません。知って、申請した人だけが受けられます。

そして、それぞれ窓口が違い、期限も違います。被災直後の混乱の中で、これを整理するのは大変です。

まず、罹災証明書を取ってください

多くの制度で、罹災証明書が起点になります。

これがないと、支援金も、税の軽減も、手続きが進みません。被災したら、まずここから始めてください。

そして、判定に納得がいかない場合、再調査を申請できることがあります。「一部損壊」と「半壊」では、受けられる支援が大きく変わります。

相談窓口が設けられます

大きな災害のあとには、自治体が総合的な相談窓口を設けることが多い。

そこで、自分が使える制度をまとめて教えてもらえます。一つずつ調べるより早い。

そして、弁護士会や司法書士会が無料相談を実施することがあります。制度が複雑なので、専門家に整理してもらう価値があります。

ふるさと納税をしている方へ

ここには、意外な接点があります。

控除の枠に影響することがあります

雑損控除を使うと、課税所得が減ります。その結果、ふるさと納税の控除上限額も変わる可能性があります。

そして、ワンストップ特例を申請していた場合、確定申告をすると無効になります。この場合、確定申告でふるさと納税分も一緒に申告する必要があります。

ここは見落としやすい点です。雑損控除のために確定申告をするなら、ふるさと納税の分も忘れずに記載してください。

災害への寄附という選択

逆の立場で、被災地への寄附を考える方もいると思います。

ふるさと納税を使った災害支援寄附という仕組みがあり、返礼品なしで被災自治体を支援できます。

そして、日本赤十字社や共同募金会への義援金も、寄附金控除の対象になることがあります。領収書を保管してください。

スポンサーリンク

被災したその日から、やっておくこと

制度を使うための準備は、片づけを始める前から始まっています。

片づける前に、写真を撮ってください

この記事で最も実務的な助言です。

被害の状況を証明できるのは、写真だけです。片づけてしまえば、何があったか分からなくなります。

そして、片づけは早くやりたくなります。とくに浸水後は、衛生の問題があるので急ぎます。だからこそ、先に撮る。

撮り方

一、建物の外観を四方から。全体像が分かるように。

二、被害箇所を近くから。壊れた部分、浸水した跡。

三、浸水の高さが分かる位置から。壁の水位線と、床からの高さが同時に写るように。メジャーを当てて撮ると確実です。

四、家財を一点ずつ。壊れた家電、家具。型番が写っているとなおよい。

五、部屋ごとの全景。どの部屋がどうなったかが分かるように。

捨てる前に、記録を残す

壊れた家財を処分するときも、写真とメモを残してください。

何を、いつ買って、いくらだったか。領収書や保証書があれば、それも保管してください。

災害ごみとして出してしまうと、あとから確認できません。

領収書は、すべて取っておく

片づけや修理でお金を使ったら、必ず領収書をもらってください。

土砂の撤去、業者による清掃、廃棄物の処分費用、応急修理。これらは災害関連支出として計算に入る可能性があります。

そして、一時的な宿泊費なども、制度によっては対象になることがあります。捨てずに保管してください。

保険会社への連絡も、早めに

火災保険や共済に入っている場合、被害の連絡は早いほうがよい。

そして、保険金の額が確定しないと、雑損控除の計算ができません。手続きが遅れると、申告も遅れます。

ここでも、写真が必要になります。保険と税の両方で使うので、多めに撮っておいてください。

平時にやっておけること

ここは、被災してからでは間に合わない準備です。

家の中を、動画で撮っておく

これは費用ゼロでできる、最も効果的な備えの一つだと考えています。

各部屋を、ゆっくり一周しながら動画で撮る。家電、家具、収納の中も開けて撮る。数分で終わります。

災害のあと、「何があったか」を証明するのは持ち主です。記憶だけでは、細かいものまで思い出せません。

データは、クラウドに置いてください

ここが大事です。

スマホの中だけに保存していると、そのスマホごと失います。浸水すれば、データも消えます。

クラウドに上げておくか、離れて住む家族に送っておくという方法があります。

保険証券と、重要書類の写真も

火災保険の証券、預金通帳、健康保険証、お薬手帳、運転免許証。

これらの写真をクラウドに置いておくと、紛失したときの再発行が早くなります。

そして、保険会社の連絡先も控えておいてください。証券を失っても、契約者名で照会できます。

年に一度、見直す機会を作る

家財は増えたり買い替えたりします。動画も、年に一度撮り直してください。

防災の日や、年末の大掃除のときなど、決まったタイミングにしておくと続きます。

災害の種類ごとに、注意する点

被害の出方によって、記録すべきものは変わってきます。

浸水(水害)の場合

いちばん記録が難しい被害です。水が引くと、見た目には分かりにくくなります。

だから、水位の跡を必ず撮ってください。壁に残った線が、時間とともに消えていきます。

そして、床下の状態も記録してください。床上まで来ていなくても、床下が浸かれば断熱材や木材が傷みます。

家電は、見た目が無事でも内部が傷んでいることがあります。通電せず、メーカーや業者に確認してください。

地震の場合

建物の傾きや、基礎のひび割れを記録してください。目視で分かりにくい部分は、専門家の診断が必要になることがあります。

そして、倒れた家具、割れた食器、破損した家電を、片づける前に撮ってください。

余震が続く場合、安全を優先してください。記録より、身の安全が先です。

雪害の場合

この記事の季節に関わる部分です。

雪の重みによる建物の損傷、カーポートの倒壊、落雪による被害。これらが対象になり得ます。

注意点は、雪が解けると証拠が消えることです。積雪の深さが分かる写真を、被害の直後に撮ってください。

そして、雪下ろしを業者に頼んだ費用が、災害関連支出として扱われるかどうかは、状況によります。領収書を保管して、税務署に確認してください。

火災の場合

消防による罹災証明が発行されます。市区町村の証明とは別に、消防署が出すものです。

そして、もらい火の場合も対象になります。自分に過失がなくても、損失は損失です。

失火責任法により、火元に賠償を求められないことが多いので、この制度と自分の保険が頼りになります。

盗難の場合

災害ではありませんが、雑損控除の対象です。

警察への届出が必要になります。被害届を出し、受理番号を控えておいてください。

そして、盗まれたものの内容と価値を記録してください。ここでも、平時に撮っておいた家財の動画が役に立ちます。

手続きの負担を、減らす工夫

被災した状態で書類をそろえるのは、決して簡単ではありません。

一度に全部やろうとしないでください

被災直後にやるべきなのは、写真と領収書だけです。

罹災証明の申請、保険の請求、確定申告。これらは順番に進めれば間に合います。

還付のための申告は5年間できるとされているので、慌てる必要はありません。

書類を、一つの箱にまとめてください

実務的な工夫です。

災害に関わる書類だけを入れる箱や封筒を、一つ用意してください。領収書、罹災証明書、保険の通知、写真を印刷したもの。

被災後は、いろいろな書類が同時に届きます。混ざると、必要なときに見つかりません。

家族で分担してください

一人で抱えると、続きません。

役所へ行く人、保険会社とやり取りする人、書類を整理する人。分けられるなら分けてください。

そして、離れて暮らす家族にも役割があります。制度を調べる、期限を管理する、電話で問い合わせる。現地にいなくてもできます。

相談できる場所を、一つ決めてください

制度ごとに窓口が違うので、混乱します。

だから、まず市区町村の総合相談窓口に行ってください。そこで、自分が使える制度を一覧にしてもらえます。

そのうえで、税は税務署、保険は保険会社、ローンは金融機関と進めていく。この順番が分かりやすい。

期限のあるものを、先に確認してください

これが最も大事です。

罹災証明書の申請、被災者生活再建支援金、保険の請求。これらには期限があります。

一方、還付のための確定申告は5年間と長い。だから、期限の短いものから片づけるのが正しい順番です。

窓口で、「期限があるものはどれですか」と聞いてください。この一言で、優先順位が決まります。

会社員の方が、つまずきやすい点

普段は年末調整だけ、という方向けです。

年末調整では処理できません

ここが最初のつまずきです。

雑損控除は、年末調整では申告できません。会社に書類を出しても、処理されません。

必ず、自分で確定申告をする必要があります。これは、医療費控除やふるさと納税と同じ扱いです。

源泉徴収票が必要です

会社から受け取る書類です。年末から翌年1月にかけて配られます。

なくした場合、会社に再発行を頼めます。申告の前に手元にあるか確認してください。

還付申告は、2月を待たなくてよい

これは知っておくと楽になります。

確定申告の期間は例年2月中旬からですが、還付を受けるための申告は、翌年1月1日から提出できるとされています。

つまり、混雑する時期を避けて手続きできます。相談したい場合、1月のほうが窓口も空いています。

会社に知られるかどうか

気にする方がいるので書いておきます。

確定申告そのものは、会社を通さずに自分で行います。

ただし、住民税の額が変わることで、間接的に分かる可能性はあります。気になる場合は、税務署で相談してみてください。

共働きの場合、どちらで申告するか

これは検討する価値があります。

雑損控除は所得から差し引く仕組みなので、所得が高いほうで申告すると、控除の効果が大きくなることがあります。

ただし、資産の所有者が誰かという条件もあります。単純に有利なほうを選べるとは限りません。

ここは、税務署で両方のパターンを試算してもらってください。

よくある質問

Q. 賃貸に住んでいます。対象になりますか

建物は自分のものではありませんが、家財は自分のものです。

家具、家電、衣類。これらが被害を受けた分は、対象になり得ます。

そして、賃貸でも罹災証明書は取得できます。市区町村に申請してください。

Q. 車が水没しました。対象になりますか

生活に通常必要な資産であれば、対象になり得ます。通勤や日常の買い物に使っている自家用車です。

一方、趣味用の車や、複数台のうち生活に必要とは言えないものは、扱いが変わることがあります。

そして、車両保険から支払われた分は差し引かれます。

判断が分かれる部分なので、税務署で確認してください。

Q. シロアリの被害も対象と聞きました

害虫などの生物による異常な災害として、対象になり得るとされています。

ただし、駆除のための費用と、被害の修復費用で扱いが違うことがあります。

そして、予防のための費用は対象外とされるのが一般的です。被害が出る前の措置だからです。

ここも判断が細かいので、領収書を分けて保管し、税務署に確認してください。

Q. 確定申告をしたことがありません。難しいですか

雑損控除だけであれば、思ったより単純です。

難しいのは損失額の計算で、ここは税務署で相談できます。書類を持って行けば、その場で手伝ってもらえます。

そして、確定申告の時期は窓口が混雑します。可能であれば、時期をずらして相談してください。還付のための申告は、2月16日を待たずに提出できます。

Q. 過去に被災しましたが、申告していませんでした

還付のための申告は、5年間できるとされています。

だから、数年前の災害でも、まだ間に合う可能性があります。

ただし、当時の書類が必要です。罹災証明書、領収書、写真。手元にあるかを確認してください。

罹災証明書は、あとから発行してもらえる場合があります。市区町村に問い合わせてみてください。

Q. 家族のうち、誰が申告すればよいですか

被害を受けた資産の所有者が原則です。

そして、生計を一にする配偶者や親族の資産についても、一定の条件で申告できる場合があります。

共働きの場合、どちらが申告すると有利かが変わることがあります。所得の額によって、控除の効き方が違うためです。

ここも試算が必要なので、税務署で相談してください。

なぜ、この制度が知られていないのか

制度そのものより、伝わり方に問題があると考えています。

被災直後は、税のことまで考えられません

当然のことです。住む場所、片づけ、仕事、子どもの学校。優先すべきことが山ほどあります。

税金の話が頭に浮かぶのは、落ち着いてから、早くて数か月後でしょう。

そのときには、片づけが終わり、写真もなく、領収書も捨てている。これが、制度を使えなくする最大の理由です。

だから、被災していない今、知っておく意味があります

この記事を書いた理由がここにあります。

被災してから調べるのでは、間に合わない部分がある。とくに、写真と領収書です。

「片づける前に写真を撮る」「領収書を捨てない」。この二つを覚えておくだけで、あとの選択肢が残ります。

周りの人にも伝えてください

もし身近に被災した方がいたら、「写真は撮った?」「領収書は取ってある?」と聞いてみてください。

制度の詳細を説明する必要はありません。その二つだけで十分です。

そして、落ち着いたころに「税務署で相談できるらしいよ」と伝える。タイミングをずらしたほうが、届きます。

この記事の位置づけ

最後に、書いておきたいことがあります。この記事の限界についてです。

制度の枠組みまでを扱っています

この記事では、どんな制度があり、何が必要かまでを書きました。

一方で、具体的な金額の計算や、どちらの制度が有利かという判断には踏み込んでいません。

理由は、個々の状況で答えが変わるからです。所得、家族構成、被害の程度、保険金の額。これらの組み合わせで結論が違います。

税制は変わります

ここも大事な点です。

税の制度は、改正されることがあります。そして、大きな災害のあとには、特例が設けられることもあります。

だから、実際に手続きするときは、必ずその時点の情報を確認してください。国税庁のウェブサイトと、税務署の窓口が確実です。

迷ったら、聞いてください

税務署の相談は無料です。そして、被災地では臨時の相談会が開かれます。

「こんなことを聞いてよいのか」と迷う必要はありません。制度は、使われるために作られています。

そして、申告しなければ、戻りません。この記事で何度も書いてきたことです。

Q. 被害が小さい場合でも、申告する意味はありますか

計算式に「総所得金額等の10パーセント」を引くという条件があるため、被害が小さいと控除額がゼロになることがあります。

ただし、災害関連支出については、5万円を超えた分が対象になる別の計算式があります。取り壊しや撤去に費用がかかった場合は、こちらで計算できることがあります。

迷ったら、領収書を持って税務署で試算してもらってください。数分で分かります。

そして、「たぶん対象外だろう」と自己判断で諦めないでください。計算してみないと分かりません。

まとめ|申告しなければ、戻りません

最後に、あらためて整理します。

この記事の要点

一、制度は二つ。雑損控除と、災害減免法による軽減免除。どちらか有利なほうを選びます。

二、雑損控除は3年間繰り越せます。被害が大きいほど効きます。

三、保険金を受け取った分は差し引かれます。

四、罹災証明書と領収書、そして写真を残してください。

五、自動では処理されません。自分で申告する必要があります。

個別の判断は、専門家にご確認ください

この記事では制度の枠組みを説明しましたが、実際にいくら戻るか、どちらの制度が有利かは、個々の状況で変わります。

税務署には相談窓口があり、無料で相談できます。そして、被災地では臨時の相談会が開かれることがあります。

迷ったら、必ず税務署か税理士に確認してください。

あわせて読みたい

被災後の手続き全般は災害弔慰金・障害見舞金・援護資金に、住宅ローンについては災害で住宅ローンが残ったらにまとめました。

保険については火災保険の見直し方にあります。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

この記事を書いた人

北海道札幌市在住の防災・サバイバル情報発信者です。2018年の北海道胆振東部地震を機に「誰でも今日から始められる防災」をモットーに活動を開始し、実際に試した防災グッズのレビューや家族構成別の備え方をわかりやすくお伝えしています。実践的で信頼できる情報を提供できるよう、がんばっています!

目次