この記事の要約
札幌の雪は、平年なら10月28日ごろに初雪、12月6日ごろに根雪になります。年間の降雪量は約479センチ、積雪のピークは平均で97センチです。
地域で差が大きく、旭川や稚内は札幌と並ぶ雪の多さです。釧路は札幌の約4分の1しか降りません。
2026〜27年の冬は、気象庁の3か月予報で「日本海側の降雪量は平年並みか少ない」とされています。それでも、今年1月の札幌は1日で48センチ降りました。少雪の予報は、安心の理由にはなりません。
この記事では、時期・量・地域差の数字を整理し、11月のいまやることまで案内します。
結論|積雪の数字を知ると、備える時期と量が決まります
先に答えを書きます。北海道の雪は、11月に降りはじめ、12月に一気に積もり、2月にピークを迎えます。
札幌なら、11月の降雪は平年で30センチです。12月は113センチ。わずか1か月で、約4倍に増えます。
つまり、備えの期限は「12月に入る前」です。11月のうちに、車、家、体の準備を終えてください。
理由は単純です。雪が本格的に降りはじめてからでは、タイヤ交換の店は混みます。灯油や除雪用品も、買いにくくなります。何より、凍った路面で慌てて動くのは危険です。
私はこの冬、当サイトで雪の記事を何本も書いてきました。屋根の雪下ろし、立ち往生、停電、ホワイトアウトなど、災害として現れる雪のことです。この記事は、それらの土台になる「そもそも、どれだけ積もるのか」を、公的な数字でまとめたものです。
読み終えると、次の3つが分かります。
- 札幌と道内の主な都市で、雪がいつ降り、どれだけ積もるか
- 2026年の冬の見通しと、その読み方
- 11月のいま、何をいつまでにやればよいか
まず言葉を確認します|「降雪」と「積雪」は別のものです
結論です。「降った量」と「積もっている量」は、別の数字です。ここを混ぜると、天気予報の読み違いが起きます。
| 言葉 | 意味 | たとえば |
|---|---|---|
| 降雪の深さ | 一定の時間に、新しく降り積もった雪の深さ | 「12時間で40センチ」は、降った量 |
| 積雪の深さ | いま地面の上にある雪の深さ | 「積雪97センチ」は、積もっている量 |
| 降雪の深さ合計 | その冬に降った雪を、全部足した数字 | 札幌は平年で約479センチ |
| 最深積雪 | その冬で、いちばん積もったときの深さ | 札幌は平年で約97センチ |
| 根雪 | 春まで解けずに、積もり続ける雪 | 札幌は平年で12月6日ごろから |
降雪の合計が479センチなのに、積雪は97センチどまりなのはなぜでしょうか。
理由は、雪が降りながら、自分の重みで沈み、一部は解けるからです。新雪は空気を多く含みます。積もるうちに、ぎゅっと縮みます。
だから「降った雪の合計」と「積もる雪の深さ」は、一致しません。除雪する量は、降雪の合計に近い。屋根にかかる重さは、積雪の深さに近い。目的で数字を使い分けます。
札幌の雪は、いつ降り、どれだけ積もるのか
平年の「初日」と「根雪」の日付
気象庁の平年値(1990年8月〜2020年7月の統計)で、札幌の雪の時期を並べます。
| 項目 | 札幌の平年 | 意味 |
|---|---|---|
| 初雪 | 10月28日 | その秋に、はじめて雪が観測された日 |
| 積雪の初日 | 11月12日 | 地面に1センチ以上の雪が積もった最初の日 |
| 根雪の初日 | 12月6日 | 春まで続く積雪がはじまる日 |
| 根雪の終日 | 4月2日 | 根雪が終わる日 |
| 雪の終日 | 4月21日 | その春、最後に雪が観測された日 |
気象庁(札幌管区気象台)の平年値をもとに作成しました。年によって前後します。
見てほしいのは、雪が降る期間の長さです。初雪が10月末で、雪の終わりが4月下旬です。雪の影響を受ける期間は、約半年に及びます。
そのうち、地面が雪に覆われているのが12月初旬から4月はじめ。およそ4か月です。
月ごとの雪の量を、表で見ます
札幌の月別の平年値(1991〜2020年)です。
| 月 | 降雪の深さ合計 | 最深積雪 | 雪の日数 |
|---|---|---|---|
| 10月 | 1センチ | 1センチ | 1.9日 |
| 11月 | 30センチ | 15センチ | 15.6日 |
| 12月 | 113センチ | 47センチ | 27.9日 |
| 1月 | 137センチ | 76センチ | 29.1日 |
| 2月 | 116センチ | 95センチ | 25.3日 |
| 3月 | 74センチ | 82センチ | 24.5日 |
| 4月 | 6センチ | 22センチ | 10.1日 |
| 年 | 479センチ | 97センチ | 134.5日 |
気象庁の平年値(1991〜2020年)をもとに作成しました。年の最深積雪は、毎年のピークの平均です。
この表から、3つのことが読み取れます。
- 降る量のピークは1月、積もる量のピークは2月です。降った雪が、少し遅れて積み重なるためです。
- 12月は、11月の約4倍も降ります。冬が一気に本番になる月です。
- 雪の日は、12月から3月までほぼ毎日です。25日から29日が雪の日です。
3月になっても、最深積雪は82センチあります。3月の雪は、解けかけた重い雪です。春先の落雪や雪崩に、注意が必要な時期です。
観測史上の最深積雪は169センチです
平年値は「ふつうの年」の数字です。ふつうでない年も、記録に残っています。
札幌の観測史上、いちばん積もった記録は169センチです。1939年2月13日に観測されました。平年のピーク97センチの、約1.7倍です。
この記録は80年以上前のものです。それでも、「ふつうの年の2倍近く積もることがある」という事実を、教えてくれます。
道内の都市で比べます|雪の多さは地域でまったく違います
結論です。北海道の雪は、札幌が基準にはなりません。降雪量が札幌の約4分の1の街もあれば、札幌より多い街もあります。
| 都市 | 初雪の平年 | 降雪の深さ合計 | 最深積雪 | 雪の日数 |
|---|---|---|---|---|
| 旭川 | 10月19日 | 557センチ | 89センチ | 151.5日 |
| 札幌 | 10月28日 | 479センチ | 97センチ | 134.5日 |
| 稚内 | 10月19日 | 477センチ | 72センチ | 147.9日 |
| 網走 | 10月30日 | 312センチ | 63センチ | 132.1日 |
| 函館 | 11月1日 | 306センチ | 45センチ | 118.7日 |
| 帯広 | 11月1日 | 198センチ | 71センチ | 79.2日 |
| 釧路 | 11月7日 | 127センチ | 34センチ | 74.3日 |
気象庁の平年値(降雪・積雪は1991〜2020年、初雪は1990年8月〜2020年7月)をもとに作成しました。
この表を読むコツは、3つの数字を別々に見ることです。
降る量では、旭川がいちばん多い
降雪の合計は、旭川が557センチで最多です。札幌より約80センチ多く降ります。
稚内も477センチで、札幌とほぼ同じです。日本海側の、雪雲が直接かかる地域です。
雪の降る日数も、旭川は151.5日と最多です。1年の4割は、雪の日です。
積もる量では、札幌がいちばん深い
最深積雪は、札幌が97センチで、7都市のなかで最大です。旭川は89センチです。
旭川は降る量が多いのに、札幌ほどは積もりません。内陸で気温が低く、さらさらした雪で、積もったあとの沈み方や風の影響が違うためだと考えられます。
札幌は、海に近く、旭川ほど冷え込まないため、湿った重い雪になりやすい地域です。積雪が深く、雪の重さも増します。
太平洋側は、雪が少ない
釧路は降雪合計が127センチ、帯広は198センチ。札幌の4分の1から半分以下です。
ただし、少ないから安心とは言えません。太平洋側は、低気圧が発達すると一度に大雪になります。帯広や釧路では、冬の気温が低く、路面の凍結が厳しくなります。
日本海側と太平洋側で、雪の降り方が変わる理由は里雪型と山雪型の違いで説明しています。
2026〜27年の冬は、どうなる見通しか
結論です。降雪は平年並みか少なめの予想です。ただし、油断はできません。理由は、季節予報が「冬全体の平均」を示すもので、「1回の大雪」は予告しないからです。
気象庁の予報を整理します
- 寒候期予報(9月18日発表、12〜2月):北海道日本海側の降雪量は、少ない40%、平年並み40%、多い20%でした。
- 3か月予報(10月20日発表、11〜1月):日本海側の降雪量は「平年並みか少ない」とされています。気温は平年並みか高い見込みです。
- 背景:エルニーニョ現象が冬にかけて続くとみられています。そのため、強い寒気が長く居座りにくい傾向があります。
気象庁の季節予報にもとづく報道・解説をもとに整理しました。原文は気象庁の季節予報のページで確認できます。次の3か月予報は11月24日に発表される予定です。
数字を素直に読めば、「大雪の冬ではなさそう」です。
少雪予報の冬でも、ドカ雪は来ます
ここで、今年1月の札幌を思い出してください。
- 1月1日の最深積雪は18センチ。平年より少ないスタートでした。
- 1月25日、1日で48センチの大雪になりました。
- 最深積雪は、1メートルを超えました。
- 排雪が追いつかず、市民生活や交通に大きな乱れが出ました。
少雪のスタートだった冬でも、ひと晩で状況が変わりました。
季節予報は、冬の平均値の傾向です。ある日の大雪は、そこから読めません。「少雪の予報」は、備えを減らす理由にはなりません。
暖冬傾向の冬は、むしろ、雪が重くなりがちです。気温が高めだと、湿った重い雪になるからです。雪かきの負担が増え、屋根や木の枝への着雪、落雪、停電のリスクが上がります。
停電の仕組みは雪で停電するのは0度前後の湿った雪にまとめました。
12月は、凍った路面に気をつけます
気温が高めだと、雪が解けて、夜にまた凍ることが繰り返されます。路面は、でこぼこした氷になります。
札幌市消防局の資料では、12月から雪道での救急搬送が急に増えるとされています。転ぶ事故は、大雪の日よりも、気温が上がり下がりする日に増えます。
雪道で滑る理由は雪道で滑るのは新雪ではなく磨かれた氷で、くわしく書きました。
積雪の深さで、何が起こるかを比べます
結論です。積雪が何センチかで、危険の種類が変わります。表で、自分の状況に当てはめてください。
| 積雪の深さ | 起こりやすいこと | やること |
|---|---|---|
| 1〜10センチ | 路面が凍る。歩行中の転倒が増える | 冬用の靴に替える。急がず歩幅を小さくする |
| 10〜30センチ | 車の動きが重くなる。交差点で止まれない | 冬タイヤは必須。車間距離を2倍にする |
| 30〜50センチ | 車の下がこすれる。除雪しないと出入りできない | 玄関と車の周りを、毎日除雪する |
| 50センチ〜1メートル | 屋根や雪庇に重みがかかる。排雪が必要 | 屋根雪の様子を見る。落雪の下に立たない |
| 1メートル以上 | 道が狭くなる。除雪の事故が増える | 1人で屋根に登らない。排雪を事前に手配する |
深さの区切りと内容は、当サイトが整理した一般的な目安です。地域や雪質で変わります。
雪の重さも、頭に入れておくと役立ちます。一般に、新雪は1立方メートルあたり50〜150キロ、湿った雪は300キロ前後、ざらめ雪は500キロ前後とされます。積雪が同じ深さでも、雪質で屋根にかかる重さは数倍変わります。
目安として、屋根に積雪1メートルがのっているとき、湿った雪なら1平方メートルあたり300キロ前後です。
この数字が、屋根や雪下ろしの危険の根拠になります。雪下ろしの事故は、毎年100人以上にのぼります。雪下ろしの事故は年100人以上と雪下ろしで死なないための7つの鉄則を、先に読んでください。
大雪警報の基準は、市町村で違います
警報の基準は、降雪の深さで決まっています。札幌市は12時間で40センチです。
基準は、その地域がふだんどれだけ雪に慣れているかで違います。雪の少ない地域は、同じ量でも警報になります。
くわしくは大雪警報の基準は市町村で違うを見てください。
11月のいま、何をいつまでにやるか
結論です。11月のうちに、車・家・備蓄の3つを済ませてください。平年の初雪はすでに過ぎ、根雪まであと1か月だからです。
車の準備|11月上旬から中旬が目安です
- 冬タイヤに替える。雪が降る前から、路面の凍結ははじまります。
- バッテリーを点検する。寒さで、始動できなくなる車が増えます。
- ウォッシャー液を、凍りにくいものに替える。
- 車載品をそろえる。スコップ、牽引ロープ、毛布、懐中電灯、携帯トイレ、軍手、飲み物と食べ物です。
- 燃料を、半分以下にしない。立ち往生したとき、エンジンを止められないことがあるからです。
車が雪で動けなくなったときの対処は雪でスタックしたら空転させない、マフラーが雪で埋まった場合は雪で車が埋まると一酸化炭素中毒ににあります。この2本は、車に乗る人は必ず読んでください。
家の準備|根雪の前に、屋外の作業を終えます
- 除雪機があれば、試運転をします。除雪機の詰まりは棒で取るに、事故の防ぎ方を書きました。
- 雪捨て場、排雪の置き場所を、家族で確認します。
- カーポートや物置、雨どいの傷みを見ます。
- 屋根の雪対策は、3つの方式から選べます。屋根の雪対策は3方式から選ぶが参考になります。
- 玄関前に、すべり止めの砂や融雪材を置きます。
備蓄|「閉じ込められる前提」で考えます
大雪で止まるのは、道路だけではありません。物流が止まり、灯油の配達も遅れます。
雪国の備蓄は、水と食料に加えて、灯油や暖房の燃料が柱です。目安は、半分になったら補充する習慣です。
くわしくは雪国の備蓄は閉じ込められる前提でに書いています。
停電に備える考え方は、いつでも同じです。懐中電灯、モバイルバッテリー、携帯ラジオ、防寒具。暖房が止まっても、体を温められる手段を2つ以上持ってください。
体の準備|転ばない歩き方を知っておきます
雪道で転ぶと、骨折や頭のけがにつながります。ふだんの服装と歩き方を、少し変えてください。
- 靴底が冬用か、すべり止めがあるものを選ぶ。
- 両手を空けておく。ポケットに入れたまま歩かない。
- 歩幅を小さくし、足の裏全体で地面を踏む。
- 横断歩道の白線と、日陰の路面に、とくに気をつける。
白線の上は、タイヤに磨かれて、ガラスのように滑ります。「ブラックアイスバーン」と呼ばれる、見えない氷にも注意してください。
冬の暦|月ごとに、やることを並べます
結論です。冬の備えは、月ごとに「やること」が変わります。平年の数字に合わせて、1年の流れを作りました。
| 時期 | 雪の様子(札幌の平年) | やること |
|---|---|---|
| 10月下旬〜11月上旬 | 初雪。まだ積もらない | 冬タイヤへ交換。除雪機の試運転。灯油の確認 |
| 11月中旬〜下旬 | 積雪の初日。降雪は月30センチ | 車載品をそろえる。玄関まわりの雪かき道具を出す |
| 12月上旬 | 根雪がはじまる。降雪は月113センチ | 屋根の雪の様子を見る。凍結路面での転倒に注意 |
| 1月 | 降雪が最大。月137センチ | 排雪の手配。灯油は半分で補充。着雪と停電に備える |
| 2月 | 積雪がピーク。95センチ | 屋根の雪、雪庇、落雪に最も警戒する時期 |
| 3月 | 解けかけの重い雪。積雪82センチ | 落雪、雪崩、雪解けの水に注意。夜の再凍結にも |
| 4月 | 根雪が終わる。雪の終日は21日ごろ | 夏タイヤへの交換は、雪の予報を見てから。屋根と雨どいの点検 |
春の雪解けは、冬とは別の危険があります。屋根からの落雪、全層雪崩、雪の上の雨による融雪洪水です。雪解けの季節は危ないにまとめました。
3月に入って「もう冬は終わり」と思った頃に、事故が起きやすいことは、覚えておいてください。
自分の地域の雪を、調べる方法
結論です。いちばん確かなのは、お住まいの市町村に近い観測点の平年値を見ることです。この記事の表は、主要な7都市だけです。山沿いや峠の近くは、同じ札幌市内でも、数字がまったく違います。
たとえば札幌市内でも、平地と山沿いでは、積雪が大きく違います。平地で30センチの日に、山沿いは60センチということもあります。
調べる手順は、3つです
- 気象庁の「過去の気象データ検索」で、地点を選びます。
- 「平年値(年・月ごとの値)」を開き、降雪の深さと最深積雪を見ます。
- お住まいに近い、アメダスの観測点を探します。
観測点が遠い場合は、地域の道路情報や、自治体の除雪情報も役立ちます。除雪車の出動基準は、市町村のホームページに出ていることがあります。
ふだんの雪の量を知っておくと、予報の「平年より多い」「少ない」が、自分の生活にとってどれくらいかを、判断できるようになります。
家族の状況で、冬の備えは変わります
結論です。冬の備えは、家族に合わせて足してください。理由は、雪や寒さの影響が、人によって大きく違うからです。
| 家族の状況 | とくに気をつけること | 足すもの |
|---|---|---|
| 高齢の方がいる | 雪道での転倒。除雪や雪下ろしの無理 | すべり止めの靴、除雪を頼める人の確保。1人での雪下ろしはしない |
| 小さな子どもがいる | 寒さと、屋根からの落雪 | 防寒着の予備、落雪の下で遊ばせない決まり |
| 通院・透析などがある | 大雪で通院できなくなること | 主治医や病院と、大雪の日の対応を、早めに相談 |
| 車で通勤する | 朝の凍結と、立ち往生 | 車載品、早めの出発、公共交通への切り替え案 |
| 1人暮らし | 停電や雪で、孤立すること | 近所や知人との連絡方法、備蓄を多めに |
| 旅行・出張で来る | 飛行機や列車の遅れ、凍った路面 | 予備の日程、滑りにくい靴、ホテルの近くで食料を確保 |
持病のある方は、一般的な備えに加えて、主治医や自治体に個別の相談をしてください。透析や在宅医療は、停電や通行止めの影響を受けやすい治療です。
旅行や出張で北海道へ行く方へ
12月から2月の北海道は、雪で交通に遅れが出ることがあります。飛行機は、吹雪で欠航や遅延になります。列車も、雪で止まる日があります。
日程に余裕を持ち、予備の宿の候補を考えておいてください。靴は、観光用ではなく、冬用のすべりにくいものを選びます。
雪道に慣れていない方が、車で走るのは、特に注意が必要です。可能なら、公共交通を使うのが安全です。レンタカーを借りるなら、冬タイヤと、雪道の運転に慣れた人の同乗をおすすめします。
雪かきは「量」より「やり方」で体を守ります
結論です。雪かきは、少しずつ、回数を分けて、無理をしないことです。理由は、雪の重さが体にかかる負担が、想像より大きいからです。
湿った雪をスコップですくうと、1回で数キロになります。それを何十回も繰り返せば、腰と心臓に大きな負担がかかります。
除雪中の事故では、死者の9割超が65歳以上です。くわしくは雪害とは?読み方は「せつがい」に書きました。
雪かきの基本の動き方
- 一度にすくう量を減らす。スコップに山盛りにしない。
- 腰ではなく、足を使う。膝を曲げ、体の近くで持ち上げる。
- 30分に一度は休む。水分をとり、体を温める。
- 朝の冷え込みの直後は、避ける。体が温まらないうちに力仕事をしない。
- 1人で、無理をしない。声をかけ合い、近所と助け合う。
胸の痛みや、息苦しさ、めまいを感じたら、すぐ中止してください。持病のある方や高齢の方は、除雪を業者や家族、近所の方に頼む選択肢も、早めに考えておきましょう。
雪かきは、がんばるほど良いわけではありません。無理をしないこと自体が、安全のための作業です。
停電したときの暖房は、安全を最優先にします
結論です。停電時の暖房は、「暖かさ」より「一酸化炭素と火事を防ぐこと」を先に考えてください。
雪の多い冬の停電は、寒さのなかで起きます。つい、あるもので暖を取りたくなります。ここに、事故の落とし穴があります。
- 石油ストーブやガスの機器は、必ず換気をします。閉め切った部屋で使うと、一酸化炭素中毒のおそれがあります。
- 屋外用のバーベキューコンロや、車のエンジンを、室内の暖房代わりに使わないでください。
- 灯油ストーブの給油は、火を消して、冷めてから行います。
- 暖かい部屋を1つに絞り、そこに家族が集まる。毛布と重ね着で、体温を守る。
停電中は、火災の通報や救急も、普段より時間がかかることがあります。無理な暖房より、重ね着と部屋を小さくする工夫が、安全です。
冬の避難所での寒さ対策は冬の避難所は床が最優先にまとめています。
天気の変わり目の、動き方を決めておきます
結論です。迷ったら、外に出ない側に倒してください。雪の日は、動かない判断が命を守ります。
| 天気の状況 | 判断 | 動き方 |
|---|---|---|
| 大雪の予報が出ている(前日) | 外出の予定を見直す | 食料と灯油を確認。車の燃料を入れる |
| 大雪警報(当日) | 不要不急の外出をやめる | どうしても出るなら、早めに。車には防寒品を積む |
| 暴風雪・吹雪の予報 | 運転を避ける | 地吹雪やホワイトアウトで、前が見えなくなる |
| 運転中に視界が消えた | 車を止める | ハザードを点け、車から出ない。ホワイトアウトの記事を参照 |
| 雪で車が動けなくなった | 救助を待つ | マフラーの雪を掘る。エンジンを入れっぱなしにしない |
| 屋根に雪が多く積もった | 1人で登らない | 業者や家族と一緒に。命綱と、2人以上の体制で |
立ち往生や大雪の車のことは大雪で危ないのは雪より「動けなくなること」が詳しいです。地吹雪の仕組みは地吹雪は晴れていても起きるに書きました。
雪の備えは、一つひとつは小さな作業です。けれど、冬が本番になると、できなくなることばかりです。晴れて、雪のない今日のうちに、できる分だけ済ませてください。家族や近所の人と、「大雪の日はどうするか」を、一度話しておくのもおすすめです。
この記事の情報源と、数字の読み方
- 初雪・積雪・根雪の平年値は、札幌管区気象台の「初雪などの平年値」にもとづきます(1990年8月〜2020年7月)。
- 降雪の深さ合計、最深積雪、雪日数は、気象庁の平年値(1991〜2020年)にもとづきます。
- 2026年の冬の見通しは、気象庁の季節予報と、それを解説した気象予報士の記事を突き合わせました。
- 今年1月の札幌の大雪の数字は、気象予報士の解説記事によります。
平年値は、10年ごとに見直されます。過去30年間の平均です。ですから「例年はこうだ」という目安にはなりますが、「今年はこうなる」という予言ではありません。
日付が1週間ずれるのは、ふつうのことです。数字は、備えの目安として使ってください。
この記事は、11月24日に3か月予報が更新されたあと、見通しの部分を更新する予定です。
最後に、この記事の数字は、毎年更新される気象庁の発表で、いつでも確かめられます。冬のあいだも、天気予報と合わせて見てください。
よくある質問
Q. 札幌の初雪は、例年いつですか
平年は10月28日です。年によって、10月上旬から11月上旬まで幅があります。
Q. 根雪とは何ですか。いつからですか
春まで解けずに積もり続ける雪です。札幌の根雪の初日は、平年で12月6日ごろです。
Q. 札幌の積雪は、どのくらいになりますか
1年でいちばん積もったときの深さは、平年で約97センチです。ピークは2月です。観測史上の最大は、1939年2月の169センチです。
Q. 札幌と旭川では、どちらが雪が多いですか
降る量は旭川が多く、年間557センチです。札幌は479センチです。一方、積もる深さは札幌が97センチで、旭川の89センチより深くなります。
Q. 釧路や帯広は、雪が少ないと考えてよいですか
降雪量は少ないです。ただし、低気圧が発達すると一度に大雪になります。冬の寒さで、路面の凍結は厳しくなります。
Q. 今年の冬は、雪が少ないと聞きました。備えは減らしてよいですか
減らさないでください。冬全体の予報が少雪でも、ある日に大雪になることはあります。今年1月の札幌は、1日で48センチ降りました。
Q. 雪道で転ばない、いちばんのコツは何ですか
歩幅を小さくして、足の裏全体で歩くことです。両手を空けて、ポケットに手を入れない。白線の上と日陰は、特に滑ります。
Q. 冬タイヤには、いつ替えればよいですか
11月上旬から中旬が目安です。初雪が降る前から、路面は凍りはじめます。雪が降ってからでは、店が混み、替えられないことがあります。
Q. 雪の重さは、どのくらいですか
一般に、新雪は1立方メートルあたり50〜150キロ、湿った雪は300キロ前後、ざらめ雪は500キロ前後です。積雪の深さが同じでも、雪質で重さは数倍違います。
Q. 大雪のとき、いつ避難すればよいですか
雪の災害は、洪水のように「避難所へ行く」とは限りません。停電や立ち往生に備え、家の中で数日過ごせる備蓄を持つことが基本です。ただし、屋根が危ない、家が傾くなど、建物に危険を感じたら、すぐ避難してください。
まとめ|雪は「降る量」「積もる量」「時期」の3つで読みます
札幌の雪は、10月28日ごろに初雪、12月6日ごろに根雪。年間479センチが降り、97センチ積もります。12月は、11月の約4倍も降ります。
道内の地域差は大きく、旭川や稚内は札幌と並ぶ雪の国。釧路は4分の1です。
2026年の冬は、少雪の見通しです。それでも、1日で48センチ降った1月の札幌のように、ひと晩で様子が変わります。
私が、数字を並べて、いちばん伝えたかったのは次の3つです。
- 雪の備えの期限は、12月に入る前の11月です。
- 「少雪の予報」は、1回の大雪を否定しません。
- 迷ったら、外に出ず、屋根に登らず、動かない側へ。
今日は、冬タイヤの予約と、車に積むスコップの確認から始めてください。それだけで、この冬の不安は、かなり小さくなります。





