【2026年8月13日 6時時点】
お盆の初日にあたる本日、東北から近畿にかけて大気の非常に不安定な状態が続いています。雷を伴った非常に激しい雨、つまり1時間に50ミリから80ミリの雨が降るおそれがあります。13日18時までに予想される24時間降水量は、東海地方で180ミリ、近畿地方で150ミリ、東北地方で120ミリ、関東甲信地方で100ミリです。あわせて、落雷、竜巻などの激しい突風、そして雹にも注意が必要です。12日には埼玉県や宮城県で土砂災害警戒情報が発表され、首都圏では倒木の被害も相次ぎました。不安定な状態は15日ごろまで続く見込みです。帰省や行楽で移動される方は、最新の情報を確認してください。
結論からお伝えします。今日は、屋外の予定を「いつでもやめられる形」にしておいてください。
ゲリラ雷雨の厄介なところは、朝の空を見ても分からないことです。晴れていても、昼過ぎに突然発達した積乱雲が現れます。そして、降りはじめてから避難場所を探すのでは間に合いません。
私は防災士として、こういう日にお伝えすることを決めています。予定を中止するかどうかではなく、中止できる状態にしておくかどうかです。屋根のある場所がすぐ近くにあるか。濡れて困るものを持っていないか。それだけで、その日の安全がかなり変わります。
2026年8月13日の状況
予想されている雨
| 地方 | 予想24時間降水量(13日18時まで) |
|---|---|
| 東海地方 | 180ミリ |
| 近畿地方 | 150ミリ |
| 東北地方 | 120ミリ |
| 関東甲信地方 | 100ミリ |
あわせて、1時間に30ミリから50ミリの激しい雨、局地的には50ミリから80ミリの非常に激しい雨が予想されています。
この数字が、どれくらいのものかを補足します。1時間に50ミリの雨は、道路が川のようになる降り方です。傘はほとんど役に立ちません。車のワイパーを最速にしても、前が見えにくくなります。滝のように降る、と表現される強さです。
そして、30ミリでも十分に危険です。この強さになると、下水道の処理が追いつかない場所が出てきます。普通の雨との差は、量だけでなく、水がどこへ行くかという点にも表れます。
昨日、すでに起きていること
8月12日には、神奈川県の相模湖で1時間に54.5ミリの雨が観測されました。東京でもゲリラ豪雨が発生しています。
つまり、これは予報だけの話ではありません。すでに現実に起きている現象が、今日も続くという状況です。昨日と同じことが、今日は別の場所で起こると考えてください。
12日に土砂災害警戒情報が発表された地域
12日には、複数の地域で土砂災害警戒情報が発表されました。これは警戒レベル4に相当する情報です。
| 県 | 発表された市町村 |
|---|---|
| 埼玉県 | 本庄市、小川町、ときがわ町、神川町、寄居町など。飯能市、入間市などでも継続 |
| 宮城県 | 栗原市西部 |
並んでいるのは、山を背にした地域です。埼玉県の秩父から比企にかけての一帯、そして宮城県の内陸部。いずれも、斜面のすぐ近くに人が住んでいる場所です。
ここで、報道の言葉について補足させてください。ニュースでは「レベル4土砂災害危険警報」という表現が使われることがあります。正式な名称は、土砂災害警戒情報です。都道府県と気象庁が共同で発表する情報で、警戒レベル4に相当します。名前が違っても、意味は同じです。
首都圏で倒木が相次ぎました
もうひとつ、12日に起きたことがあります。首都圏の各地で、倒木の被害が相次ぎました。走行中の車の記録装置が、目の前で木の倒れる瞬間をとらえた例も報じられています。
これは、台風15号の影響によるものです。そして今回の台風には、ふだんとは違う特徴がありました。
台風15号は、11日20時ごろに茨城県南部へ上陸した後、東から西へ向かって本州を進みました。日本付近の台風の多くは、西から東、あるいは南から北へ向かいます。今回は、その逆でした。
ということは、風の吹いてくる向きも、ふだんの台風とは違っていたことになります。長い年月をかけて、いつもの風向きに耐えるように枝を張ってきた木にとっては、経験のない方向から力がかかったことになります。倒木が広がった背景には、この事情もあると考えられます。
そして、倒木は台風が去った後も危険を残します。根が浮いた木は、その後の風や雨で倒れます。今日以降も、傾いた木や枝の折れた木には近づかないでください。
なぜ、この時期に集中するのか
今回の不安定な大気には、はっきりした原因があります。
台風15号から変わった熱帯低気圧に流れ込む、暖かく湿った空気。そして、上空の寒気。この二つが重なっています。
地表付近が暖かく湿っていて、上空が冷たい。この状態は、空気が上下にかき混ぜられやすくなります。暖かい空気は上へ昇り、冷やされて雲になります。そして、勢いよく昇るほど、雲は高く発達します。
これが、積乱雲です。大気が不安定というのは、この積乱雲が育ちやすい状態を指します。
台風15号は、11日20時ごろに茨城県南部へ上陸し、12日9時に日本海で熱帯低気圧に変わりました。台風としては終わったのに、その置き土産が今日の雨をつくっています。この経緯は台風15号の進路と対策にまとめました。
台風が去った後も終わりではない、という点は、台風のたびにお伝えしていることです。今回は、その典型的な形になっています。
八月中旬は、一年でいちばん多い時期です
もうひとつ、季節の話をしておきます。
ゲリラ雷雨と呼ばれる現象は、八月中旬に発生のピークを迎えます。地表が最も暖まり、空気が湿り、そこへ上空の寒気が入りやすくなる時期だからです。
そして、この時期はお盆と重なります。人が最も移動し、最も屋外にいる時期と、雷雨が最も多い時期が一致している。これが、毎年繰り返される構図です。
今年の発生予測
数字も出ています。今年のゲリラ雷雨の発生回数は、全国でおよそ十一万回にのぼると予測されています。そして、そのピークが八月中旬とされています。
十一万回という数字は、一日あたりに直すと数百回という規模です。珍しい現象ではなく、夏の日常だと考えたほうが実態に近いということになります。
不安定な状態は、15日ごろまで続く見込みです
今日一日で終わる話ではありません。
東京や首都圏では、15日ごろまで、湿った空気と上空の寒気の影響を受ける見込みとされています。つまり、お盆の期間を通して、急な雷雨が発生しやすい状態が続きます。
この点は、予定を組むうえで重要です。今日を乗り切れば終わり、ではありません。14日も15日も、同じ判断が必要になります。
そして、台風17号があります
8月12日9時、小笠原近海で台風17号が発生しました。大きさは大型です。
予報では、15日ごろに日本の東へ達し、その後は北寄りに進む見込みです。ただし、進路の不確実性が大きく、本州方面に近づかない可能性もあります。高気圧の張り出し方と、上空の寒気の動き次第で変わります。
現時点で本州に直撃する予想にはなっていません。それでも、お盆の後半に向けて、確認を続ける必要がある要素です。詳しくは台風17号(ナンカー)の進路と、予報円が大きいときの判断にまとめました。
空を見て、判断する
ゲリラ雷雨には、来る前のサインがあります。スマートフォンを見るのと同じくらい、空を見ることが役に立ちます。
積乱雲の見分け方
もくもくと縦に盛り上がった雲が見えたら、それが積乱雲の子どもです。夏の入道雲と呼ばれるものです。この段階では、まだ雨は降っていません。
これが成長すると、雲の頂上が平らに広がりはじめます。金床のような形になることから、そう呼ばれることがあります。この形が見えたら、その雲はすでに完成しています。雨と雷を降らせる段階です。
そして、雲の底が真っ黒になっているのも、危険なサインです。雨粒が大量に含まれ、光を通さなくなっている状態です。
体で感じるサイン
目で見る以外にも、気づく方法があります。
急に冷たい風が吹き出す。これは、積乱雲から吹き下ろす冷たい空気です。数分から数十分後に、雨が来ます。
遠くで雷鳴が聞こえる。音が届いている時点で、危険な範囲にいます。
あたりが急に暗くなる。頭上に雲が張り出しています。
この三つのどれかに気づいたら、屋根のある場所へ移動してください。「まだ降っていないから」と待っていると、移動の途中で降り出します。
時間帯にも傾向があります
ゲリラ雷雨は、午後から夕方にかけて発生しやすいという傾向があります。日射で地表が暖められ、上昇気流が強まる時間帯だからです。
ですから、屋外の予定を組むなら午前中が有利です。午後に長時間の屋外活動を入れないというだけでも、遭遇する確率は下がります。
ただし、これは傾向であって保証ではありません。上空の寒気の状況によっては、朝でも夜でも発生します。
都市で被害が大きくなる理由
同じ雨量でも、都市部では被害が大きくなります。理由がいくつも重なっています。
水がしみ込みません
土の地面なら、降った雨の多くは地中へ吸い込まれます。ところが、アスファルトとコンクリートで覆われた土地では、ほぼすべての水が表面を流れます。
行き先は、下水道です。しかし、下水道の能力には限りがあります。多くの都市では、1時間あたり50ミリ程度の雨に対応する設計になっています。
今日予想されているのは、局地的に1時間50ミリから80ミリです。設計の想定を超える降り方です。そうなると、水は地表にあふれます。
低い場所に集まります
あふれた水は、低いところへ流れます。地下鉄の入口、地下街、地下駐車場、そしてアンダーパス。
地下は、水が入りはじめてから満ちるまでが速いという特徴があります。階段を流れ落ちる水は、勢いがあるため上ることも困難になります。
地下にいるときに激しい雨の音が聞こえたら、水が入ってくる前に地上へ出てください。これは、判断が遅れると取り返しがつかなくなる場面です。
マンホールと側溝が見えなくなります
道路が冠水すると、水面の下が見えません。マンホールのふたが水圧で外れていることがあります。そこへ足を踏み入れれば、流されます。
側溝も同じです。ふだんは見えている溝が、水につかると分からなくなります。
ですから、冠水した道路は歩かないでください。やむを得ず歩く場合は、傘や棒で足元を探りながら進みます。
今日、警戒すべき五つのこと
気象庁が警戒を呼びかけているのは、次のとおりです。
一、土砂災害
とくに注意が必要なのは、台風15号の大雨で地盤が水を含んでいる地域です。関東から東海、北陸にかけては、まだ水が抜けきっていません。
この状態では、いつもより少ない雨量で土砂災害が起こります。判断の仕方は土砂災害警戒情報とは?大雨警報との違いと避難の判断、前ぶれと逃げ方は土石流とは?前ぶれ・逃げる方向・危険な場所の調べ方をご覧ください。
二、低い土地の浸水
短時間に大量の雨が降ると、下水道や側溝の能力を超えます。行き場のない水が地表にあふれる、内水氾濫です。
川から離れていても起こります。とくに危険なのは、周囲より低い場所です。地下室、地下駐車場、そしてアンダーパス。三十センチほどの水でも、水圧でドアが開かなくなります。
三、河川の増水
小さな川ほど、水位が上がるのが速くなります。流域が狭いぶん、降った雨がすぐ集まるためです。大きな川なら数時間かかる上昇が、小さな川では数十分で起こります。
そして、自分のいる場所で雨が降っていなくても、上流に降れば水位は上がります。川遊びやキャンプの予定がある方は、この点を必ず頭に入れてください。
四、落雷
今日の警戒事項に、はっきり含まれています。
雷は、積乱雲とセットで発生します。ゲリラ雷雨という呼び名のとおり、雨と雷は同時に来ます。雷鳴が聞こえた時点で、すでに落雷の危険がある範囲にいます。詳しくは後述します。
五、竜巻などの激しい突風
発達した積乱雲は、竜巻やダウンバーストと呼ばれる激しい下降気流を生むことがあります。
前ぶれとして知られているのが、次のような変化です。真っ黒な雲が近づく。急に冷たい風が吹き出す。大きな雷鳴や稲光がある。ひょうが降り出す。こうした変化があれば、頑丈な建物の中へ移動してください。
雷から身を守る
今日いちばん実用的な部分なので、少し詳しく書きます。
音が聞こえたら、もう危険な範囲です
覚えておいていただきたい原則があります。雷鳴が聞こえるということは、落雷の危険がある範囲にいるということです。
音は、およそ十数キロ先まで届きます。そして落雷は、雨が降っていない場所にも起こります。「まだ遠いから大丈夫」という判断は成り立ちません。
目安として広く知られているのが、稲光から雷鳴までの時間です。三十秒以内なら、すぐ安全な場所へ移動してください。そして、最後の雷鳴から三十分は屋外に出ないようにします。
安全な場所と、危険な場所
| 場所 | |
|---|---|
| 安全 | 鉄筋コンクリートの建物の中、車やバスや電車の中 |
| 危険 | 木の下、開けた場所、水辺、山の頂上、グラウンド、屋外プール |
いちばん多い誤解が、木の下です。雨宿りに適した場所に見えますが、雷に関しては最も危険な場所のひとつです。
木に落ちた雷は、そこから近くの人へ飛び移ることがあります。これを側撃といいます。木の下は、雷を引き寄せる場所のすぐ横にいることを意味します。
やむを得ず木の近くにいる場合は、幹や枝、葉から四メートル以上離れてください。木の高さの範囲内であっても、この距離を保つことが目安とされています。
車の中は安全です
意外に思われるかもしれませんが、車の中は安全な場所です。金属の車体が電流を外側に流すためです。
ただし、条件があります。窓を閉め、金属部分に触れないでください。そして、屋根のないオープンカーやバイク、自転車は対象外です。これらは危険です。
よくある誤解
金属を身につけているから落ちる、というのは誤りです。アクセサリーや傘の有無で、落雷の確率は変わりません。落ちるかどうかは、その場所の高さと形で決まります。
逆に言えば、金属を外しても安全にはなりません。外す時間があるなら、その時間で移動してください。
ゴム長靴やレインコートも、雷を防ぎません。落雷の電圧は非常に高く、ゴムの絶縁では防げません。
逃げ場がないときの姿勢
周囲に建物も車もない場合の、最後の手段です。
足をそろえてしゃがみ、頭を低くし、耳をふさぎます。地面に伏せてはいけません。地面を伝わる電流を受ける面積が広がるためです。
そして、傘やゴルフクラブ、釣り竿など、高く突き出るものは体から離してください。持っていること自体が雷を呼ぶわけではありませんが、その先端が周囲でいちばん高くなれば、落ちる場所になりえます。
複数人でいる場合は、互いに数メートル離れてください。一人に落ちたときに、全員が巻き込まれることを防ぐためです。かたまっていたくなる状況ですが、ここは離れる判断が正しくなります。
ただし、この姿勢はあくまで最後の手段です。優先すべきは、安全な場所へ移動することです。
移動する方へ
お盆の帰省や行楽と重なっています。移動中の判断について書きます。
車での移動
視界が失われます。1時間に50ミリを超える雨では、ワイパーを最速にしても前が見えにくくなります。無理に走らず、安全な場所に停めて雨が弱まるのを待ってください。
アンダーパスに入らないでください。外から水深が判断できず、進入した車が水没する事故が繰り返されています。
冠水した道路を通らないでください。およそ三十センチでエンジンが止まるおそれがあり、五十センチで車が浮きはじめます。
高速道路では、雹に注意してください。フロントガラスが割れることがあります。降り出したら、速度を落とし、可能なら屋根のある場所へ避難します。
鉄道での移動
激しい雨や雷では、運転を見合わせることがあります。お盆の時期は、一度止まると影響が長引きます。座席が満席で、振り替えも混み合うためです。時間に余裕を持ち、運行情報を確認しながら移動してください。
屋外のレジャー
川と海は、今日は判断を厳しくしてください。
川では、上流に降った雨で急に増水します。晴れていても、水位は上がります。中州にいれば、逃げ道がなくなります。
海では、雷から逃げる場所がありません。そして、台風15号が残したうねりもまだ残っています。お盆の海の危険については「お盆は溺れるから泳ぐな」は迷信?にまとめました。
山では、雷に加えて、沢の増水と土砂災害の危険があります。尾根や山頂は、雷の危険が最も高い場所です。そして、雷が鳴りはじめてから下山を始めても、安全な高さまで下りるには時間がかかります。
登山を予定している方は、午前中に行動を終える計画にしてください。午後から雷雲が発達しやすいためです。引き返す時刻を先に決めておくことが、山では特に重要になります。
帰省先での判断は、難しくなります
お盆の時期に固有の問題があります。多くの人が、慣れない土地にいるということです。
土地の弱点を知らない
ふだん暮らしている場所なら、どこが冠水しやすいか、どの道が危ないかを体で知っています。ところが帰省先では、その知識がありません。
川がどこを流れているか。斜面がどこにあるか。低い土地はどこか。すべてが未知の状態で判断することになります。
対策は単純です。着いたら、地元の人に聞いてください。「このあたりで、大雨のとき危ない場所はありますか」。この一言で、地図には載っていない情報が手に入ります。
避難所を知らない
自分の家の避難所は知っていても、実家や旅行先の避難所は知りません。着いた日のうちに、一度確認しておいてください。スマートフォンで検索すれば、すぐ分かります。
判断する人が多すぎる
親戚が集まると、意思決定が難しくなります。誰が決めるのかが曖昧になり、「様子を見よう」に流れやすくなります。
とくに、年長者が「大丈夫」と言うと、若い世代が意見を出しにくいという場面があります。地元での経験が長いことは尊重すべきですが、過去に大丈夫だったことは、今回の保証にはなりません。
これを防ぐには、条件で決めておくのが有効です。「大雨警報が出たら、川には近づかない」。人の判断ではなく、情報を基準にする。そうすれば、誰の顔も立ちます。
子どもの人数が増えます
いとこ同士が集まると、子どもの人数が増えます。そして、大人の人数も増えます。すると、「誰かが見ているだろう」という状態が生まれます。
実際には、全員がそう思っていて、誰も見ていません。名前を挙げて、時間で区切って、見る役を決めてください。これは、水辺でも、雷のときでも同じです。
今すぐできること
一、雨雲の動きを見る。スマートフォンで、今いる場所の雨雲を確認できます。数十分先まで予測が表示されるものもあります。これが、ゲリラ雷雨に対して最も有効な道具です。
二、空を見る。もくもくと盛り上がった雲、真っ黒な雲底、遠くの雷鳴。これらが見えたら、屋根のある場所へ移動してください。
三、屋外の物を片づける。突風で飛ばされます。
四、排水口を確認する。ベランダや側溝が詰まっていると、水があふれます。
五、スマートフォンを充電する。落雷による停電が起こることがあります。
六、家の中でも、雷のときは電化製品から離れる。コンセントを伝って電流が入ることがあります。
屋外の予定がある方へ、三つの確認
今日これから出かける方は、次の三つだけ確認してください。
一、行き先で、屋根のある場所はどこか。公園、河川敷、キャンプ場、海水浴場。逃げ込める建物が近くにあるかどうかで、その場所の安全性が決まります。あずまやや簡易テントは、雷に対しては安全な場所になりません。
二、引き返す時刻を決めておく。「十四時になったら帰る」というように、時刻で区切ります。空模様で判断しようとすると、たいてい遅れます。
三、濡れて困るものを持たない。急な雨は避けられないことがあります。ならば、濡れても支障がない状態にしておくほうが確実です。荷物は防水の袋に入れ、スマートフォンも守ってください。
この三つは、予定を中止しなくてもできることです。楽しみを減らさずに、危険だけを減らすという考え方でお使いください。
今日出るかもしれない情報
「ゲリラ豪雨の警報」という言い方をされることがありますが、実際に発表されるのは別の名前の情報です。今日、目にする可能性があるものを整理しておきます。
| 情報の名前 | 意味 | とるべき行動 |
|---|---|---|
| 雷注意報 | 落雷や突風、雹のおそれ | 屋外の活動を見合わせる準備 |
| 竜巻注意情報 | 竜巻など激しい突風のおそれ | 頑丈な建物の中へ移動 |
| 大雨注意報 | 災害のおそれ(レベル2相当) | 避難先と経路を確認 |
| 大雨警報 | 重大な災害のおそれ(レベル3相当) | 高齢者等は避難を開始 |
| 土砂災害警戒情報 | 土砂災害の危険が高い(レベル4相当) | 危険な場所から全員避難 |
| 記録的短時間大雨情報 | 数年に一度の激しい雨が実際に降った | すでに災害が起きうる状態 |
記録的短時間大雨情報に注意してください
この表のなかで、性格が違うものがあります。いちばん下の記録的短時間大雨情報です。
ほかの情報が「これから危ない」を伝えるのに対し、これは「その地域にとって数年に一度しかないような激しい雨が、実際に降った」という実況を伝えるものです。
つまり、この情報が出たときには、すでに大量の雨が降った後です。予告ではありません。発表を見たら、その時点で身の安全を確保する行動に切り替えてください。
キキクルを開いてください
そして、いちばん自分に近い情報が、気象庁の危険度分布です。土砂災害、浸水、洪水のそれぞれについて、一キロ四方の細かさで、いまいる場所の危険度が色で表示されます。
色は、黄、赤、紫、黒と変わります。紫になったら、警戒レベル四に相当します。市町村からの避難指示を待つ必要はありません。
市町村単位の警報より、はるかに具体的な判断ができます。今日のように局地的な雨が予想される日には、この差が大きくなります。
よくある質問
「ゲリラ豪雨警報」という警報はありますか
ありません。ゲリラ豪雨は、正式な気象用語ではありません。報道などで使われる呼び名です。実際に発表されるのは、大雨警報、洪水警報、雷注意報、竜巻注意情報、そして記録的短時間大雨情報などです。「ゲリラ豪雨の警報が出た」と聞いたら、それがどの情報なのかを確かめてください。言葉の違いはゲリラ豪雨とは?いつから使われる言葉かで詳しく扱っています。
線状降水帯とは違うのですか
違います。ゲリラ豪雨は狭い範囲に短時間降るもので、線状降水帯は帯状の範囲に数時間降り続くものです。続く時間がまったく違います。二つの違いは線状降水帯とゲリラ豪雨は何が違う?にまとめました。
晴れているのに雷が鳴るのはなぜですか
積乱雲は、遠くにあっても音が届きます。そして、落雷は雨の降っていない場所にも起こります。雲の中心から離れた場所へ落ちることがあるためです。晴れていても、雷鳴が聞こえたら安全な場所へ移動してください。
雹が降ってきたらどうすればよいですか
屋内に入ってください。大きな雹は、けがをするだけでなく、車のガラスを割ることもあります。車の中にいるなら、そのままとどまるほうが安全です。雹については雹(ひょう)とは?発生する仕組みと季節で詳しく扱っています。
お盆の予定は中止すべきですか
すべてを中止する必要はありません。ただ、屋外で長時間過ごす予定、とくに川、海、山の予定は、判断を厳しくしてください。そして、中止や変更の基準を先に決めておくことをおすすめします。「雷注意報が出たら屋内に移る」といった形です。当日に迷うと、たいてい「もう少し様子を見よう」に傾きます。
雨雲レーダーは、どこまで先が分かりますか
実況に加えて、数十分から一時間ほど先の予測が表示されるものがあります。ゲリラ雷雨に対しては、この短時間の予測がいちばん役に立ちます。雨雲が自分のいる方向へ向かっているかを見て、屋根のある場所へ移動する時間を確保できます。使い方は雨雲レーダーの見方で詳しく扱っています。
建物の中にいれば、雷は完全に安全ですか
鉄筋コンクリートの建物であれば、かなり安全です。ただし、建物に落ちた雷が、電線や配管を伝って室内に入ることがあります。雷が近いときは、電化製品や電源コード、水道の蛇口から離れてください。有線の機器を使うのも避けたほうが無難です。雷が収まってから使い始めれば十分です。
洗濯物や布団はどうすればよいですか
朝から晴れていても、午後に急な雨が来ることがあります。大気が不安定と予報された日は、外に干さないほうが確実です。とくに帰省や外出で家を空ける日は、取り込めません。今日のような日は、はじめから室内干しにしておいてください。
ペットはどうすればよいですか
雷の音を怖がる犬や猫は多くいます。屋外につないでいる場合は、屋内に入れてください。驚いて逃げ出す事故が起きています。散歩は、雷の可能性がある時間帯を避け、午前中に済ませるのが安全です。
「レベル4土砂災害危険警報」とは何ですか
報道で使われる表現で、正式な名称は土砂災害警戒情報です。都道府県と気象庁が共同で発表し、警戒レベル4に相当します。これが出たら、危険な場所にいる人は避難を終えているべき段階です。準備を始める段階ではありません。12日には埼玉県や宮城県の複数の市町村で発表されました。
倒木には、まだ注意が必要ですか
必要です。台風で根が浮いた木は、その後の風や雨で倒れます。幹が傾いている木、根元の地面が盛り上がっている木、枝が折れて引っかかっている木。これらの下は通らないでください。とくに、今日のような雨と風が予想される日は危険が増します。公園や河川敷、山道では、頭上にも目を向けてください。
この雨はいつまで続きますか
この記事は8月13日6時時点の情報にもとづいています。大気の不安定な状態は、上空の寒気の動き次第で変わります。最新の情報は、気象庁の発表でご確認ください。そして八月から九月は、台風の発生が最も多い時期でもあります。ひとつ去っても次があると考えて、備えを片づけないでください。
まとめ
2026年8月13日の状況について、整理します。
お盆の初日にあたる本日、東北から近畿にかけて大気の非常に不安定な状態が続いています。1時間に50ミリから80ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあり、13日18時までの24時間降水量は東海180ミリ、近畿150ミリ、東北120ミリ、関東甲信100ミリと予想されています。
原因は、台風15号から変わった熱帯低気圧に流れ込む暖かく湿った空気と、上空の寒気です。台風は終わりましたが、その影響は続いています。
警戒すべきは五つ。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水、落雷、そして竜巻などの激しい突風です。
雷については、雷鳴が聞こえた時点で危険な範囲にいます。安全なのは鉄筋コンクリートの建物と車の中。危険なのは木の下、開けた場所、水辺、山の頂上です。金属を外しても安全にはなりませんし、ゴムでは防げません。
そして、八月中旬はゲリラ雷雨が一年で最も多い時期です。お盆と重なるため、人が最も移動する時期と、雷雨が最も多い時期が一致しています。
12日には、埼玉県の本庄市、小川町、ときがわ町、神川町、寄居町、そして宮城県の栗原市西部などで土砂災害警戒情報が発表されました。首都圏では倒木の被害も相次いでいます。そして、不安定な状態は15日ごろまで続く見込みです。今日を乗り切れば終わり、ではありません。
最後にひとつ。今日は、予定を「いつでもやめられる形」にしておいてください。雨雲の動きをスマートフォンで確認する。空を見る。屋根のある場所を意識しておく。この三つだけで、ゲリラ雷雨に対する備えとしてはかなりのところまで届きます。
そしてもうひとつ。今日の雨は、台風15号が残していったものです。台風そのものは12日の朝に熱帯低気圧へ変わり、ニュースからも消えました。それでも、送り込まれた湿った空気は残り、上空の寒気と出会って雨をつくっています。
災害は、名前がついているあいだだけ危険なのではありません。名前が消えた後にも、影響は続きます。台風が去った後の数日、地盤は水を含んだままで、川の水位も高いままです。そこへ、今日の雨が乗ります。
ですから、今日の判断は、いつもより一段階厳しくしてください。同じ雨量でも、条件が違います。
お盆は、家族が集まる大切な時間です。予定を全部やめる必要はありません。ただ、屋外の予定については、雨雲の動きを見ながら柔軟に決めていただければと思います。やめられる状態にしておくこと。それが、今日いちばん役に立つ備えです。
この記事は、状況の変化に応じて更新します。

