【この記事の要約】
結論から言います。大雪でいちばん危ないのは、雪そのものではありません。動けなくなることです。道路で立ち往生し、停電で暖房が止まり、除雪に出て倒れる。これが実際に人を殺しています。2021年1月には、福井県の北陸自動車道で100台以上が立ち往生しました。そして除雪中の事故では、ある年に74人が亡くなり、その9割超が65歳以上でした。気象庁は、数年に一度の記録的な大雪に対して「顕著な大雪に関する気象情報」を出します。これが出たら、外に出ないでください。この記事では、何センチで何が起きるかと、動けなくなる前にやることをまとめます。
結論|大雪は「動けなくなる災害」です
地震や台風と違い、大雪はじわじわ進みます。だから、危険を感じにくい。
三つの形で、人が亡くなっています
一、除雪中の事故。屋根からの転落、落雪、除雪機。最も多い死因です。
二、車の立ち往生。閉じ込められ、燃料が尽き、一酸化炭素中毒や低体温症になります。
三、停電による低体温症。暖房が止まり、家の中で体温が下がります。
いずれも、雪に埋まって窒息したのではありません。雪が引き起こした「動けない状態」が原因です。
だから、備えは三つに絞れます
一、外に出ない判断ができるようにする。情報と、食料の備蓄です。
二、車で出かけない判断ができるようにする。そして、出るなら装備を積む。
三、停電しても暖を取れるようにする。
停電時の暖房は停電しても使える暖房はどれかにまとめました。
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警報の意味を知っておいてください
雪の情報は、雨とは仕組みが違います。
基準は、地域によってまったく違います
大雪警報の発表基準は、地域ごとに定められています。そして、その差は極端です。
雪の多い地域では数十センチが基準になる一方、雪の少ない地域では数センチで警報が出ます。
これは、いい加減なのではありません。その土地が耐えられる量が違うからです。普段降らない地域では、5センチでも交通が止まります。
ですから、「たった5センチで警報?」と思わないでください。その地域では、それが災害の量です。
「顕著な大雪に関する気象情報」が最も重い
これは、覚えておく価値のある情報です。
過去6時間に著しい降雪が観測され、その後も大雪警報の基準を大きく上回ると見込まれるときに発表されます。
目的は、数年に一度の記録的な大雪への注意を、素早く呼びかけること。
なぜこれが必要かというと、大雪特別警報は積雪の深さを基準にしているため、短時間に一気に降る雪には間に合わないからです。その隙間を埋めるために作られました。
この情報が出たら、外出を取りやめてください。とくに車での移動です。
降雪量と積雪量は、別のものです
混同されやすい言葉です。
降雪量は、一定の時間に降った雪の量。「6時間降雪量30センチ」のように使います。
積雪量は、地面に積もっている雪の深さ。降っては解け、沈むので、降雪量の合計とは一致しません。
危険を判断するときに効くのは、短い時間にどれだけ降ったかです。1日で30センチより、6時間で30センチのほうが、はるかに危険です。
何センチで、何が起きるのか
数字と実際の影響を、つないでおきます。
| 積雪 | 雪に慣れていない地域 | 雪国 |
|---|---|---|
| 数センチ | 交通が乱れる。転倒事故が増える | 影響はほとんどなし |
| 10センチ前後 | 道路が機能しなくなる。立ち往生が発生 | 通常の除雪で対応 |
| 20〜30センチ | 公共交通が止まる。物流が滞る | 除雪が追いつき始める |
| 50センチ超 | ほぼ機能停止 | 除雪作業が本格化 |
| 1メートル超 | — | 屋根の雪下ろしが必要になる |
| 2メートル超 | — | 建物の倒壊、孤立集落が出る |
同じ量でも、地域によって意味がまったく違います。
雪に慣れていない地域の10センチは、雪国の1メートルに相当する混乱を起こします。除雪の体制も、車の装備も、人の慣れも違うためです。
いちばん危ないのは、雪に慣れていない地域の大雪
これは、はっきり申し上げます。
雪国では、除雪車があり、住民はスタッドレスタイヤを履き、雪の危険を知っています。体制ができています。
一方、めったに降らない地域では、除雪車の数が限られ、夏タイヤの車が走り、坂道で止まります。
そして、一台が止まると後続が詰まる。これが立ち往生の始まりです。
車の立ち往生が、最も命に近い
実際に起きたことを見てみます。
100台以上が動けなくなりました
2021年1月7日から8日にかけて、北陸地方で短時間に強い雪が降り、積雪が急増しました。福井県の北陸自動車道では、100台以上の車が立ち往生しています。
こうした事態は、その後も各地で繰り返されています。
閉じ込められると、何が起きるか
一、燃料が減っていく。暖房のためにエンジンをかけ続けると、思ったより早くなくなります。
二、マフラーが雪で塞がれる。排気ガスが車内に入り、一酸化炭素中毒を起こします。
三、トイレに行けない。水分を控え、脱水と血栓につながります。
四、燃料が尽きれば、暖房も止まる。そこから低体温症が始まります。
五、助けが来ない。除雪車すら、渋滞の中を進めません。
だから、こうしてください
一、大雪の予報が出たら、車を出さない。これが最も確実です。
二、出るなら、燃料を満タンにする。半分以下で出かけないでください。
三、スコップを積む。マフラーの除雪に使います。
四、毛布か寝袋、カイロ、飲み水、携帯トイレを積む。
五、止まったら、エンジンをかけ続けない。寒さは装備でしのぎ、暖房は間欠で。
マフラーの除雪でどれだけ濃度が下がるかは雪で車が埋まると一酸化炭素中毒にに、ホワイトアウトの怖さは吹雪でホワイトアウト、立ち往生したらにまとめました。
除雪が、いちばん人を殺しています
意外に思われるかもしれません。
74人が亡くなり、9割超が高齢者
ある年の集計では、除雪中の事故で74人が亡くなり、そのうち9割超が65歳以上でした。
内訳を見ると、屋根からの転落(はしごからの転落を含む)が40.5%、屋根からの落雪が16.8%です。
半分以上が、屋根に関わる事故です。
だから、屋根に登らない方法を考えてください
雪下ろしをしなければ、家が潰れる。その判断が必要な地域があるのは事実です。
それでも、減らす方法があります。
一、一人でやらない。下に見張りを置くだけで、事故の結果が変わります。
二、命綱を使う。ヘルメットも。
三、はしごを固定する。転落の多くが、はしごからです。
四、業者や地域の支援を使う。費用の補助を出す自治体があります。
五、雪止めや融雪の設備を検討する。屋根に登る回数そのものを減らせます。
詳しい手順は屋根の雪下ろしと落雪事故の対策と雪下ろし事故の原因と対策にまとめました。
地上の雪かきにも、危険があります
屋根に登らなくても、事故は起きます。
重い雪を持ち上げる動作は、心臓に負担をかけます。寒い朝、いきなり始めるのが最も危険です。
そして、雪は水を含むと極端に重くなります。見た目の量で判断しないでください。
やることは三つです。始める前に体を温める。持ち上げず、押して動かす。こまめに休む。
車の冬支度|タイヤで結果が決まります
立ち往生の多くは、一台のスリップから始まります。坂を登れなくなった車が、後続を全部止めるのです。
スタッドレスタイヤの寿命は、溝だけでは判断できません
夏タイヤなら、溝が減れば交換します。スタッドレスは、それだけでは足りません。
雪の上で効くのは、ゴムの柔らかさです。そして、ゴムは年数とともに硬くなります。溝が残っていても、硬くなれば効きません。
プラットフォームを見てください
スタッドレスタイヤには、プラットフォームという突起があります。
新品から50%摩耗すると、これが現れます。出てきたら、冬用タイヤとしての性能は保証されません。
見方は簡単です。タイヤの側面にある矢印をたどると、溝の中に段差があります。その段差と溝の底が同じ高さになっていたら、交換の時期です。
そして、プラットフォームが出ていなくても、年数が経ったものは硬くなっています。製造年週はタイヤの側面に4桁で刻まれています。
交換の目安は、気温7度
いつ履き替えるか。気温7度前後が目安とされています。
雪が降ってからでは遅い。そして、雪が降る日は交換の店も混み合います。
「まだ降らないから」で先延ばしにすると、最初の降雪日に夏タイヤで走ることになります。これが最も危険な状態です。
チェーンも積んでおいてください
スタッドレスを履いていても、大雪時にチェーンの装着が義務づけられる区間があります。
そして、装着は事前に一度練習しておいてください。吹雪の路肩で、説明書を読みながらやるのは現実的ではありません。
手が濡れて凍えます。作業用の防水手袋も一緒に積んでください。
車に積んでおくもの
| もの | なぜ要るか |
|---|---|
| スコップ | マフラーの除雪。これが命に直結します |
| 毛布か寝袋 | エンジンを切っても耐えられます |
| 使い捨てカイロ | 軽く、長くもちます |
| 飲み水と軽い食べ物 | 何時間動けなくなるか分かりません |
| 携帯トイレ | 我慢すると水分を控え、危険が増します |
| モバイルバッテリー | 連絡と情報の手段 |
| 長靴と防水手袋 | 外で作業することになります |
| 牽引ロープ・解氷スプレー | 脱出と、凍った鍵穴やワイパー用 |
そして、燃料を半分以下にしないこと。これが、すべての前提です。
止まってしまったら
一、ハザードランプを点け、可能なら三角表示板を出す。追突を防ぎます。
二、マフラーのまわりを除雪する。最優先です。降り続けるなら、繰り返してください。
三、エンジンを切り、装備で暖を取る。寒くなったら短時間かける、を繰り返します。
四、風下側の窓を、少し開けておく。
五、道路の管理者か警察に連絡する。位置を伝えれば、救助の計画に入ります。
詳しくは雪で車が埋まると一酸化炭素中毒ににまとめました。
雪かきで、体を壊さないために
屋根に登らなくても、事故は起きています。
心臓に、大きな負担がかかります
寒い朝、いきなり重い雪を持ち上げる。これは、心臓にとって非常に負担の大きい動作です。
気温が低いと血管が縮み、血圧が上がります。そこへ重労働が加わります。
だから、こうしてください。
一、始める前に、体を温める。室内で軽く動いてから出ます。
二、朝いちばんを避ける。気温が上がってからのほうが安全です。
三、こまめに休む。15分やったら休む、くらいで構いません。
四、水を飲む。寒くても汗をかいています。
五、一人でやらない。倒れたときに気づかれません。
持ち上げず、押してください
雪かきの動作で、腰と心臓に効くのは「持ち上げて放り投げる」ことです。
これを、「押して寄せる」に変えてください。雪を持ち上げず、地面を滑らせて動かします。
そのために、幅の広いスノープッシャーが向いています。スコップとは別の道具です。
どうしても持ち上げるときは、膝を曲げ、腰ではなく脚で持ち上げてください。そして、体をひねらないこと。
雪は、想像より重いものです
ふわふわの新雪と、水を含んだ雪では、重さがまったく違います。そして、時間が経つほど締まって重くなります。
だから、降っている最中に、こまめに除けるほうが結果的に楽になります。積もりきってからでは、重すぎて動かせません。
除雪機は、事故が多い道具です
楽になる一方で、手足を巻き込まれる重大な事故が毎年起きています。
守ることは、はっきりしています。詰まりを取るときは、必ずエンジンを止める。手ではなく、付属の棒を使う。
そして、安全装置を解除したまま使わないでください。手を離すと止まる仕組みには、意味があります。
停電が重なると、危険が跳ね上がります
大雪は、停電を伴います。
雪の重みで、電線が切れます
着雪した電線や、倒れた木が電線を切ります。そして、除雪が済むまで復旧作業に入れません。
つまり、大雪の停電は長引きます。道路が使えないためです。
暖房が止まると、次に水が凍ります
家の中の温度が下がると、水道管が凍結し、解けたときに破裂します。
そして、給湯器の凍結防止装置も電気で動いているため、停電すれば止まります。
対処は水道管が凍結したときの対処法と給湯器が止まる冬にまとめました。
買い物にも行けなくなります
物流が止まり、店の棚が空きます。そして、道が塞がれていれば補充もされません。
だから、雪国では冬のあいだ、常に数日分の食料を切らさないでください。これは災害の備蓄というより、生活の習慣です。
考え方はローリングストックとは?にまとめました。
雪の降らない地域こそ、危ない
この記事で、いちばんお伝えしたいことかもしれません。
年に一度の雪が、いちばん人を傷つけます
雪国では、住民が雪を知っています。装備も体制もあります。
一方、めったに降らない地域では、こうなります。
一、夏タイヤのまま走る。坂で止まり、立ち往生の起点になります。
二、除雪車の数が限られる。幹線道路が優先され、生活道路は後回しです。
三、雪の歩き方を知らない。転倒による骨折が急増します。
四、屋根が雪の重みを想定していない。カーポートや簡易な屋根が潰れます。
五、水道管が凍結対策されていない。むき出しの配管が破裂します。
都市部の大雪は、交通が止まります
電車が止まり、駅に人があふれる。タクシーは捕まらず、道路も渋滞します。
このとき、「歩いて帰ろう」が危険な判断になります。革靴で凍った歩道を数時間歩けば、転倒か低体温症です。
職場や駅にとどまるほうが安全なことが多いところです。そのために、職場に歩ける靴と防寒具を置いてください。
転倒を防ぐ歩き方
骨折は、それ自体が生活を止めます。特に高齢の方では、そこから寝たきりにつながることがあります。
一、歩幅を小さく。普段の半分くらいのつもりで。
二、足の裏全体で着地する。かかとから着くと滑ります。
三、手をポケットに入れない。転んだときに受け身が取れません。
四、両手を空ける。荷物はリュックに。
五、滑りやすい場所を知る。横断歩道の白線、マンホール、店の出入口、坂の下。
そして、靴に付ける滑り止めが数百円で買えます。年に数回しか降らない地域でも、一つ持っておく価値があります。
雪の重みが、建物を壊します
見落とされやすい危険です。
まず壊れるのは、簡易な屋根です
カーポート、テラスの屋根、車庫、物置。これらが最初に潰れます。
そして、下に車や人がいれば、巻き込まれます。雪の予報が出たら、カーポートに車を停めないという判断もあります。
雨が降ると、重さが増します
これが危険です。積もった雪が雨を吸うと、同じ量でも重さが大きく増します。
だから、大雪のあとに雨の予報が出たら、警戒を上げてください。降雪が止まっても、危険は続きます。
そして、気温が上がる日は落雪が増えます。軒下を歩かないでください。
空き家は、特に危ない
誰も雪下ろしをしない家は、雪が積もり続けます。そして、倒壊して隣家や道路に被害を出します。
実家が雪国で空き家になっているなら、冬前に地域の除雪サービスや管理を頼めないか調べてください。自治体が仲介している場合があります。
雪の災害は、他にもあります
積雪だけが問題ではありません。
雪崩
斜面に積もった雪が、まとまって滑り落ちます。速度が速く、逃げられません。
危険が高まるのは、まとまった降雪の直後、気温が急に上がったとき、雨が降ったときです。
斜面の近くに住んでいる方、山に入る方は、雪崩の危険がある地形を事前に確認してください。都道府県が危険箇所を公表しています。
暴風雪とホワイトアウト
降る雪より、積もった雪が風で舞い上がる地吹雪のほうが視界を奪います。
数メートル先も見えなくなり、自分がどこにいるか分からなくなります。車で走行中なら、停まることも危険です。
経験と対処は吹雪でホワイトアウト、立ち往生したらにまとめました。
融雪による洪水
春先、気温の上昇と雨が重なると、大量の雪解け水が一度に川へ流れ込みます。
雨量だけを見ていると、判断を誤ります。雪国では、春の増水にも注意が要ります。
洪水の種類は洪水の種類を徹底解説にまとめました。
大雪の前に、やっておくこと
予報が出てから、24時間でできることです。
一、車の燃料を満タンにする。停電すればスタンドも止まります。
二、灯油を買い足す。同じ理由です。
三、食料と飲み水を数日分。買い物に行けなくなります。
四、スマートフォンとモバイルバッテリーを満充電に。
五、電池とライトを手の届く場所へ。
六、スコップを玄関の内側に。外に置くと、雪に埋まって取れません。
七、給湯器と換気口のまわりを片づける。雪で塞がれると危険です。
この七つで、数日は動けます。
冬のクラスタを、まとめて置いておきます
この記事は入口です。状況に応じて、必要なところから読んでください。
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冬の災害は、単独では来ません。大雪と停電、停電と凍結、凍結と断水。すべてつながっています。
秋のうちに、一度だけ通してください
冬が来てからでは、店から物が消えます。そして、雪が降ってからタイヤを替えに行くのが、いちばん危ない移動になります。
10月から11月のあいだに、この記事の内容を一度だけ確認してください。年に一度、1時間で足ります。
そして、離れて暮らすご家族が雪国にいるなら、電話で三つだけ聞いてください。タイヤを替えたか、灯油はあるか、雪下ろしを一人でやっていないか。
雪の情報を、どこで見るか
判断の材料を、あらかじめ用意しておいてください。
見るべきものは、四つです
一、気象庁の警報・注意報。大雪注意報、大雪警報、そして大雪特別警報。段階で示されます。
二、顕著な大雪に関する気象情報。数年に一度の状況を、素早く知らせるものです。
三、降雪短時間予報。これから数時間にどれだけ降るかが分かります。行動を決めるのに、いちばん使えます。
四、道路の情報。通行止めや、チェーン規制の区間です。国土交通省や道路会社が公開しています。
スマートフォンで、先に登録しておく
降り始めてから探すのでは遅くなります。いまのうちに、自治体の防災メールに登録してください。
そして、停電するとインターネットが使えなくなります。電池で動くラジオを一つ用意してください。地域の情報が確実に入ります。
警戒レベルの読み方は警戒レベルとは?1〜5の意味にまとめました。
予報が外れることもあります
雪の予報は、雨より難しいものです。気温が1度違うだけで、雨になるか雪になるかが変わります。
だから、「思ったより降らなかった」ということが起きます。そのときに「今回も大丈夫だった」と学習しないでください。
外れたのではなく、その範囲に収まっただけです。次に同じ予報が出たとき、今度は当たるかもしれません。
よくある質問
Q. 雪に慣れていない地域です。何を用意すべきですか
まず、車を出さない判断ができるようにしてください。装備より、これが先です。
そのうえで、長靴、スコップ、滑り止め、そして数日分の食料。この四つがあれば足ります。
そして、雪の日は歩き方が変わります。歩幅を小さく、足の裏全体で着地してください。転倒による骨折が、非常に多く起きています。
Q. 何日分の備蓄が要りますか
雪国なら、冬のあいだは常に3日から1週間分を目安にしてください。
道路が塞がれると、支援も物流も入れません。能登半島地震では、孤立が2週間以上続いた地区がありました。雪でも同じことが起こりえます。
孤立への備えは能登半島地震とは?にまとめました。
Q. 大雪特別警報が出たら、どうすればよいですか
外に出ないでください。それが答えです。
大雪では、避難所へ移動すること自体が危険になります。雨や地震とは違い、多くの場合「動かない」ことが正解です。
ただし、建物が倒壊するおそれがある場合は別です。その判断は、自治体の指示に従ってください。
Q. 屋根の雪は、どのくらいで下ろすべきですか
建物の構造と、地域の基準によります。一律には言えません。
ただし、雪が水を含むと、重さは大きく増します。降雪量が同じでも、雨のあとは危険度が上がります。
判断に迷ったら、自治体や地域の建築業者に相談してください。そして、登るなら必ず二人以上で。
Q. スタッドレスタイヤは、何年で交換すべきですか
年数だけでは決まりません。使い方と保管の状態で変わります。
判断は二つの目で行ってください。
一、プラットフォームが出ていないか。出ていたら、雪道の性能は保証されません。
二、ゴムが硬くなっていないか。年数が経つと、溝が残っていても効かなくなります。
不安なら、タイヤ店で見てもらってください。多くの店が無料で点検してくれます。
そして、保管の仕方で寿命が変わります。直射日光と高温を避け、屋内に置いてください。
Q. 雪が降る地域に引っ越します。何から揃えますか
順番があります。
一、スタッドレスタイヤ。車を使うなら、これが最優先です。
二、スノープッシャーとスコップ。雪を押す道具と、掘る道具は別です。
三、長靴と滑り止め。
四、電気を使わない暖房。停電に備えます。
五、灯油と、その保管容器。
そして、近所の人に聞いてください。その土地の雪の降り方や、除雪のルールは、住んでいる人がいちばんよく知っています。
地域での助け合いの仕組みは自主防災組織とは?にまとめました。
Q. 屋根の雪下ろしを頼むと、いくらかかりますか
建物の大きさと雪の量、そして地域によって大きく変わります。一律には言えません。
ただし、高齢者や障害のある方の世帯を対象に、費用を補助する制度を持つ自治体があります。
「(市区町村名)雪下ろし 補助」で検索してみてください。そして、シーズン前に申し込みが必要な制度もあります。降ってからでは間に合わないことがあります。
Q. 大雪のとき、会社を休んでよいですか
この記事の答えははっきりしています。命に関わる判断です。
立ち往生に巻き込まれれば、何時間も動けません。そして、そこで一酸化炭素中毒や低体温症が起きています。
「顕著な大雪に関する気象情報」が出ているなら、それは数年に一度の状況です。移動しないという判断を、堂々としてください。
Q. 玄関前の雪かきは、どこまでやればよいですか
まず、自分が出られる幅を確保してください。そのうえで、道路まで出られる導線を作ります。
そして、除けた雪をどこに置くかを先に決めてください。これを考えずに始めると、置き場がなくなります。
やってはいけないのは、道路の真ん中や、他人の敷地の前に出すこと。そして、側溝や排水口を塞ぐことです。解けたときに水があふれます。
Q. 除雪車が置いていった雪が、家の前に積まれます
雪国でよくある悩みです。除雪車は道路を通すために、雪を路肩へ寄せます。その結果、玄関前や車庫の前に壁ができます。
これを防ぐ完全な方法はありませんが、除雪車が通る時間帯を知っておくと対処しやすくなります。自治体に聞けば、おおよそ分かります。
そして、通る前に車を出しておく、通ったあとにまとめて片づけるという段取りにすると、二度手間が減ります。
Q. 高齢の親が一人で雪かきをしています
いちばん止めたい状況です。除雪中の死亡事故は、9割超が65歳以上でした。
できることは三つです。
一、自治体の支援制度を調べる。高齢者世帯の除雪を、費用の補助や人の派遣で支える制度があります。
二、地域の助け合いにつなぐ。自主防災組織や社会福祉協議会が窓口になっていることがあります。
三、「一人でやらないで」と繰り返し伝える。そして、やるなら誰かに声をかけてから始めるよう約束してください。
冬の備えは、ひとつずつが独立していません。暖房が止まれば水道が凍り、雪が積もれば買い物に行けなくなります。あわせてポータブル電源は寒いと性能が下がる?、防災用寝袋の選び方、エマージェンシーシートおすすめ10選もご覧ください。
雪道での転倒は、新雪より踏み固められた氷で起きます。雪道で滑るのは新雪ではなく磨かれた氷にまとめました。
まとめ
要点を並べます。
一、大雪で危ないのは、雪ではなく「動けなくなること」です。
二、「顕著な大雪に関する気象情報」が出たら、外出をやめてください。
三、大雪警報の基準は地域で違います。数センチでも、その土地では災害です。
四、車で出るなら、燃料を満タンに。スコップと毛布を積んでください。
五、除雪中の事故で74人が亡くなり、9割超が高齢者でした。半分以上が屋根に関わる事故です。
六、大雪の停電は長引きます。道路が使えないためです。
七、冬のあいだは、常に数日分の食料と燃料を切らさないでください。
雪は、静かに積もります。そして気づいたときには、外に出られなくなっています。
だから、判断は降り始める前にしてください。予報を見て、今日は出かけないと決める。それが、いちばん確実な対策です。
冬の停電への備えは停電対策【冬編】に、備えの順番は防災は何から始める?にまとめています。


