【2026年8月19日更新】台風18号(ソウデル)が発生しました
8月19日12時、トラック諸島近海で発達していた熱帯低気圧が台風18号になりました。アジア名はソウデル。今月に入って5つ目の台風です。19日15時の時点で中心気圧1000ヘクトパスカル、中心付近の最大風速20メートル、北西へゆっくり進んでいます。予報では、21日に南鳥島近海、23日に小笠原近海、24日に日本の南へ達する見込みです。経過は台風18号(ソウデル)の進路と経過にまとめています。
【この記事の要約】
結論から言います。「台風のたまご」の段階では、進路はまだ決まりません。それでも、備えを始める意味はあります。気象庁は「24時間以内に台風に発達する見込み」の熱帯低気圧について、位置・気圧・最大風速に加え、5日先までの進路と強度、そして暴風域に入る確率まで発表しているからです。台風になる条件は、熱帯低気圧のうち最大風速がおよそ17.2メートル毎秒以上になること。番号は発生した順に付き、日本に来なくても消費されます。そして米軍やヨーロッパの予想図は、目的が違うものです。この記事では、たまごの段階で何が分かり、何が分からないのかを整理します。
結論|たまごの段階でやるのは、二つだけです
進路が定まらない時期に、できることは限られます。けれど、ゼロではありません。
一、消耗品を買っておく
水、電池、カセットボンベ、常備薬。これらは、進路がどうなっても無駄になりません。
そして、近づいてからでは店から消えます。たまごの段階で買うのが、いちばん静かに済みます。
二、進路が決まる日を待つ
この段階で予報図とにらめっこしても、答えは出ません。数日待てば、精度は確実に上がります。
やることは、「いつ判断するかを決めておく」ことです。3日前になったら見直す、というふうに。
たまごの段階で不安になるのは、時間の使い方としてもったいない。そのぶんの労力を、消耗品の確認に回してください。
「台風のたまご」とは何か
まず、言葉を整理します。
正式な気象用語ではありません
「台風のたまご」は、報道やインターネットで使われる呼び方です。気象庁の用語ではありません。
指しているのは、これから台風に発達しそうな熱帯低気圧です。あるいは、その手前の雲のまとまりを含めて呼ぶこともあります。
熱帯低気圧と台風の違いは、風の強さだけです
ここが、いちばん誤解されています。
台風とは、熱帯低気圧のうち、最大風速がおよそ17.2メートル毎秒以上になったものです。
つまり、別のものではありません。同じ現象が、強さの基準を超えたときに呼び名が変わるだけです。
だから、「まだ台風じゃないから大丈夫」は成り立ちません。17.1メートル毎秒の熱帯低気圧と、17.3メートル毎秒の台風に、実質の差はありません。
定義の詳しい話は台風の定義とは?に、発生の仕組みは台風の仕組み・メカニズムにまとめました。
熱帯低気圧のまま大雨を降らせることもあります
台風にならなくても、大量の湿った空気を運んできます。
実際、台風から熱帯低気圧に変わったあとに、大雨で被害が出た例があります。風は弱まっても、雨は続くのです。
「熱帯低気圧に変わりました」を、安全の合図と受け取らないでください。
「24時間以内に台風に発達する見込み」の意味
ニュースでよく聞く表現です。ここから、情報の質が変わります。
気象庁の扱いが、格上げされます
この見込みが立つと、気象庁は台風とほぼ同じ扱いで情報を出し始めます。
| 発表されるもの | 内容 |
|---|---|
| 現在の位置 | 中心の場所、移動の方向と速さ |
| 中心気圧・最大風速 | いまの勢力 |
| 24・48・72時間先の予報 | どこへ進むか |
| 5日先までの進路と強度 | 120時間先まで見通せます |
| 暴風域に入る確率 | 2021年6月から、この段階で提供されています |
つまり、台風になる前から5日先まで見られます。これは、意外に知られていません。
だから、この言葉が出たら見始めてください
「台風のたまご」という言葉だけでは、まだ何も決まっていません。けれど「24時間以内に発達する見込み」が出たら、情報が揃い始めた合図です。
とくに「暴風域に入る確率」は、判断に直結します。自分の地域の数字が上がってきたら、行動の時期です。
番号は、いつ付くのか
よくある疑問です。
台風になった瞬間に、発生順で付きます
その年に、北西太平洋または南シナ海で発生した順に、1号、2号と番号が振られます。
重要なのは、日本に来るかどうかは関係ないということです。フィリピン沖で発生して中国へ向かった台風も、番号を消費します。
だから、「今年は台風が多い」と感じても、日本に来た数とは別の話です。
たまごの段階では、番号は付いていません
報道で「次に発生すれば台風18号」といった言い方をするのは、まだ番号が確定していないからです。
発達しなければ、その番号は次のたまごに回ります。予約されているわけではありません。
2026年8月18日の例
この記事を書いている時点の状況を、例として挙げます。
8月18日21時、トラック諸島近海で熱帯低気圧が発達していました。気象庁は「24時間以内に台風に発達する見込み」と発表しています。
移動の方向は西、速度はゆっくり。この熱帯低気圧は、8月19日12時に台風18号(ソウデル)になりました。8月に入って5つ目の台風です。
この段階では、日本への影響はまだ分かりません。それが、たまごの段階の限界です。
名前も、同時に決まります
番号とは別に、アジア名という国際的な名前が付きます。台風委員会に加盟する14の国と地域が10個ずつ提案した、合計140個のリストから順番に使われます。
日本が提案した10個は、すべて星座の名前です。詳しくは台風の名前がダサいと言われる理由にまとめました。
米軍とヨーロッパの予想を、どう見るか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
目的が、それぞれ違います
台風の予想は、日本の気象庁だけが出しているのではありません。
アメリカの合同台風警報センターは、米軍の運用のために予報を出しています。艦船や航空機を守るための情報です。
ヨーロッパ中期予報センターは、世界の気象を数値計算するモデルを運用しています。中期の予測に強いとされています。
そして日本の気象庁は、日本国内の防災のために予報と警報を出しています。
どれが正しいという話ではありません。目的も、対象も、発表の形も違うのです。
日本での行動は、気象庁を基準にしてください
これが結論です。
避難情報も、警報も、交通機関の判断も、気象庁の情報をもとに動いています。他機関の予想が違っていても、日本の防災体制はそちらでは動きません。
他機関の図は、「別の見方もある」という参考として見てください。行動の根拠にはしないことです。
複数の予想がばらつくとき、それ自体が情報です
ここは、知っておくと役に立ちます。
各機関の予想が大きく食い違っているときは、まだ進路が定まっていないということです。
逆に、どこも似た進路を示し始めたら、精度が上がってきた合図です。
ですから、「米軍の予想だと日本に来る」と一つだけ取り出すのは、意味のない読み方です。ばらついているかどうかを見てください。
拡散されている画像に、注意してください
SNSでは、こうした予想図が切り取られて広がります。そして、古い図がいつまでも回ります。
確認してほしいのは二つです。いつの時点の図か。どこが出した図か。
この二つが書かれていない画像は、信用しないでください。災害時の情報の見分け方は震災デマの見分け方と対策にまとめました。
予報円は、勢力ではありません
もう一つ、誤解の多い部分です。
大きい円は、強い台風という意味ではありません
予報円は、中心が入ると予想される範囲です。つまり、不確かさの大きさを示しています。
円が大きい=進路が定まっていない。円が小さい=進路の予想が絞れている。
たまごの段階や、発生直後は、円が大きくなりがちです。これは台風が大きいのではなく、まだ分からないという意味です。
円の外に来ることもあります
予報円は、中心がその中に入る確率がおおむね7割とされる範囲です。裏を返せば、3割は外れます。
ですから、「円が自分の地域にかかっていないから大丈夫」とは言えません。
予報円の読み方は台風の強さ・大きさの違いと進路予想図の読み方に詳しくまとめました。
いつ、何をするか
時間軸で整理します。
| 時期 | 分かること | やること |
|---|---|---|
| たまごの段階 | ほぼ何も決まっていません | 消耗品を買う。それだけ |
| 発生直後(5日前後) | おおまかな方向 | 予定を確認しておく |
| 3日前 | 進路が絞れてくる | 備えを本格化。予定の変更を判断 |
| 2日前 | 影響の程度が見えてくる | ベランダの片づけ、窓の対策 |
| 前日 | ほぼ確定 | 買い物を済ませる。移動しない判断 |
| 当日 | — | 外に出ない。窓から離れる |
判断の山は3日前です。ここで動けば、たいていのことは間に合います。
台風前の具体的な準備は台風の完全ガイド【2026年版】に、窓の守り方は台風の窓ガラス対策にまとめました。
なぜ、たまごの段階では分からないのか
予報が外れるのではありません。まだ決まっていないのです。
台風は、自分では進路を決めていません
これが根本です。台風は、まわりの風に流されて動きます。
夏から秋にかけては、太平洋高気圧のふちに沿って動くのが基本の形です。高気圧が張り出していれば西へ、弱まれば北へ曲がります。
つまり、台風の進路を決めているのは、台風の外側にあるものです。
だから、高気圧の予想が変われば進路も変わります
数日先の高気圧の位置は、まだ確定していません。そこがずれれば、台風の進路も大きくずれます。
「予報が二転三転する」と言われますが、実際には、前提が変わっているのです。
だから、5日先の進路図を見て一喜一憂しても意味がありません。そこは、まだ答えのない領域です。
秋は、とくに読みにくくなります
季節が進むと、太平洋高気圧が弱まり、偏西風が南下してきます。
この時期は、台風が高気圧のふちを回ったあと、偏西風に乗って速度を上げながら日本へ向かう形になりやすい。
そして、秋雨前線があると、台風が来る前から雨が降り続きます。地盤が緩んだところに台風の雨が加わるため、被害が大きくなります。
この組み合わせの危険は秋雨前線とは?台風との組み合わせが危険な理由にまとめました。
情報を、どこで見るか
探す先を決めておくと、迷いません。
見る順番
一、気象庁の台風情報。これが基準です。位置、予報円、暴風域に入る確率。
二、自分の地域の警報・注意報。台風そのものより、こちらが行動の合図になります。
三、雨雲レーダーとキキクル。直前になったら、実際に降っている場所を見ます。
四、自治体の防災情報。避難所の開設や、避難情報が出ます。
レーダーの見方は豪雨レーダーの見方と使い方に、警戒レベルの意味は警戒レベルとは?1〜5の意味にまとめました。
停電すると、どれも見られなくなります
ここが盲点です。台風の情報を追っているうちに停電すれば、そこで情報が途切れます。
だから、電池で動くラジオを一つ用意してください。そして、モバイルバッテリーを満充電にしておく。
これは、たまごの段階でできることの一つです。進路が決まってからでは、店から消えます。
「暴風域に入る確率」の使い方
この数字が、いちばん行動に直結します。
自分の地域の確率が上がってきたら、それは進路がこちらに寄ってきたということです。
逆に、確率が下がっていけば、外れつつあるということ。進路図の線を見るより、この数字の推移を追うほうが分かりやすいと思います。
たまごの段階で、買っておくもの
進路がどうなっても無駄にならないものだけを挙げます。
| もの | なぜ、この段階で買うのか |
|---|---|
| 飲み水 | 断水に備えます。普段も使えます |
| 電池 | 近づくと真っ先に売り切れます |
| カセットボンベ | 停電しても調理できます |
| モバイルバッテリー | 持っているなら、充電しておくだけ |
| 常備薬 | 受診できなくなる可能性があります |
| 携帯トイレ | 断水すると、最初に困ります |
| 養生テープ | 台風が近づくと店から消えます |
| ブルーシート・土のう袋 | 被害が出たあとに要ります |
どれも、使わなければ次の台風に回せます。だから、早く買っても損をしません。
逆に、この段階でやらなくてよいこと
窓の養生。早く貼っても、日に焼けて剥がれます。前日で足ります。
ベランダの片づけ。2日前で間に合います。
予定のキャンセル。3日前に判断してください。
不安になること。これがいちばん、体力を消耗します。
過去の台風から分かっていること
備えの優先順位を決める材料です。
台風で人が亡くなる原因は、風より水です
強い風の映像が流れるため、風が最も危険だと思われがちです。けれど、実際に多くの命を奪ってきたのは水でした。
高潮、洪水、土砂災害。伊勢湾台風では、高潮によって5,000人を超える方が亡くなっています。
詳しくは台風で危険なのは風より水にまとめました。
だから、確認するのはハザードマップです
台風が来ると分かったとき、まず見るべきは風速の予想ではありません。
自宅が浸水想定区域か、土砂災害警戒区域か。これで、逃げるかとどまるかが決まります。
そして、これは台風が来る前に調べておけることです。今日できます。
調べ方はハザードマップの見方にまとめました。
そして、上陸が最も多いのは9月です
8月ではありません。統計では、9月が最も多くなっています。
秋雨前線と重なり、海水温もまだ高い。この時期の台風が、いちばん条件が悪いのです。
いま8月にたまごを見ているなら、本番はこれからだと考えてください。
言葉の整理|混同されやすいもの
台風の情報には、似た言葉がいくつも出てきます。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 熱帯低気圧 | 熱帯の海上で生まれた低気圧。最大風速が17.2m/s未満のもの |
| 台風 | そのうち、最大風速がおよそ17.2m/s以上になったもの |
| 強い・非常に強い・猛烈な | 最大風速による「強さ」の階級 |
| 大型・超大型 | 風速15m/s以上の範囲の広さ。強さとは別 |
| 暴風域 | 風速25m/s以上が吹く、または吹く可能性のある範囲 |
| 強風域 | 風速15m/s以上の範囲 |
| 予報円 | 中心が入ると予想される範囲。不確かさの大きさ |
| 暴風警戒域 | 予報円内に進んだ場合に、暴風域に入るおそれのある範囲 |
| 温帯低気圧に変わる | 性質が変わっただけ。弱くなったとは限りません |
とくに注意したいのが、最後の二つです。
「大型で強い台風」の意味
この表現は、二つの尺度を並べたものです。
「大型」は広さ、「強い」は風速。別々のことを言っています。
ですから、「大型だが、強さの階級には達していない台風」もあります。範囲は広いのに、中心付近の風はそれほどでもない、という形です。
逆に、小さくても猛烈な台風もあります。この場合、影響する範囲は狭いものの、直撃すれば被害は大きくなります。
詳しい階級は台風の強さ・大きさの違いと進路予想図の読み方にまとめました。
「温帯低気圧に変わりました」は、安全宣言ではありません
これが、いちばん誤解を生む表現かもしれません。
温帯低気圧に変わるとは、構造が変わったという意味です。勢力が弱まったとは限りません。
むしろ、温帯低気圧に変わってから発達し、広い範囲に強い風と雨をもたらすことがあります。
そして、変わった時点で暴風域の表示がなくなります。だから、見た目には安全になったように見えてしまう。
「変わりました」と聞いても、警報が解除されるまでは警戒を続けてください。
気圧の数字を、どう読むか
ニュースでは必ず中心気圧が読み上げられます。
低いほど、強い台風です
標準的な気圧はおよそ1013ヘクトパスカルです。台風の中心気圧が低いほど、周囲との差が大きく、強い風が吹きます。
目安として、950を下回るような台風は、相当に強いと考えてください。
仕組みは台風のhPa(ヘクトパスカル)とは?にまとめました。
ただし、気圧だけでは決まりません
気圧が高めでも、広い範囲に強い風が吹く台風があります。そして、動きが遅い台風は、同じ場所に長く雨を降らせます。
だから、見るべきは三つです。強さ(風速)、大きさ(範囲)、そして動きの速さ。
とくに「ゆっくり」と表現される台風は要注意です。影響を受ける時間が長くなり、雨量が積み上がります。
この記事を読んだあと、やること
三つだけです。
一、いま家にある水と電池を数えてください。足りなければ、今日買っておく。
二、ハザードマップで自宅を確認してください。台風が近づいてからでは、落ち着いて見られません。
三、「3日前に判断する」と決めてください。それまでは、予報図を見すぎないこと。
たまごの段階でできるのは、この三つです。そして、この三つで十分です。
そして、次のたまごにも同じことが言えます
台風は、毎年20個以上発生します。そのたびに一から調べ直すのは、現実的ではありません。
だから、判断の手順を一度決めておいてください。この記事の時間軸の表が、そのまま使えます。
一度決めてしまえば、次からは表を見るだけで済みます。
台風の記事を、状況別に置いておきます
この記事は、発生前の入口です。段階が進んだら、次を読んでください。
| いまの状況 | 読む記事 |
|---|---|
| たまごができた | この記事 |
| 台風の強さや大きさを知りたい | 強さ・大きさの違いと進路予想図の読み方 |
| 台風が3つある | トリプル台風とは? |
| 近づいてきた。何をすべきか | 台風の完全ガイド【2026年版】 |
| 窓をどう守るか | 台風の窓ガラス対策 |
| 逃げるか、とどまるか | 警戒レベルとは?1〜5の意味 |
| 停電した | 停電が長引いたときの対策 |
| 被害が出た | 台風で被災した後にやること |
| 雨漏りした | 雨漏りは火災保険で直せる? |
台風は、来る前・来ている最中・去ったあとで、やることがまったく違います。
そして、去ったあとがいちばん軽く見られがちです。屋根に登って転落する、修理業者に高額を請求される。被害はそこからも出ます。
今年の台風シーズンは、これからです
上陸が最も多いのは9月です。8月にたまごを見ている時点では、まだ本番ではありません。
だからこそ、いま消耗品を揃えておく意味があります。9月に入ってから慌てるより、はるかに楽です。
そして9月1日は防災の日、8月30日から9月5日は防災週間です。この時期に、備蓄の期限を一度見てください。
点検の項目は防災の日にやる防災グッズ点検にまとめました。
よくある質問
Q. たまごの段階で、旅行をキャンセルすべきですか
まだ判断できません。5日以上先の進路は、大きく変わります。
やるべきなのは、キャンセルの期限と、条件を確認しておくことです。いつまでなら無料か、どういう場合に振替ができるか。
そして、3日前に判断すると決めておいてください。それまでは、情報を見て不安になる時間を減らしたほうが得です。
Q. 熱帯低気圧のままなら、安全ですか
いいえ。風は弱くても、大量の雨を降らせます。
実際、台風から熱帯低気圧に変わったあとに、大雨で被害が出た例があります。名前が変わっただけで、水蒸気は減っていません。
雨の危険は大雨・洪水の完全ガイドにまとめました。
Q. 番号が飛ぶことはありますか
ありません。発生した順に、必ず連続して付きます。
ただし、日本に影響しない台風も番号を使います。だから「18号なのに、日本に来たのは3つだけ」ということが起こります。
Q. 台風が同時に複数あると、どうなりますか
近づきすぎると、互いに影響し合って進路が変わることがあります。藤原の効果と呼ばれる現象です。
このとき、予報はさらに難しくなります。予報円も大きくなります。
仕組みはトリプル台風とは?にまとめました。
Q. 発生する場所によって、日本への来やすさは変わりますか
傾向はありますが、断定はできません。
遠い海上で発生した台風ほど、日本に届くまでに時間がかかり、そのあいだに進路が変わる余地も大きくなります。
そして、季節によって流れが変わります。夏の終わりから秋にかけては、日本に向かう進路を取りやすくなる時期です。
上陸が最も多いのは9月です。その理由は台風の完全ガイドにまとめました。
Q. たまごの段階で、台風にならないこともありますか
あります。「24時間以内に発達する見込み」と発表されても、発達せずに消えることがあります。
海水温が足りない、上空の風が強すぎて渦がまとまらない。条件がそろわなければ、台風にはなりません。
だから、「たまごができた=台風が来る」ではありません。過度に身構える必要はないのです。
Q. 発生してから日本に来るまで、何日かかりますか
発生した場所によって、大きく違います。遠い南の海上で生まれれば1週間近くかかることもあり、日本の近海で生まれれば1〜2日で影響が出ます。
そして、近くで発生した台風のほうが、備える時間が短くなります。「まだ小さいから」と油断できません。
だから、日数ではなく「暴風域に入る確率」と警報で判断してください。
Q. 進路が日本からそれても、影響はありますか
あります。台風から離れた場所でも、湿った空気が流れ込んで大雨になることがあります。
とくに、台風と前線が組み合わさると、台風本体が来る前から降り続きます。
そして、海ではうねりが先に届きます。晴れていても波が高くなるため、海岸に近づかないでください。
Q. 台風の進路予想は、どのくらい当たりますか
年々、精度は上がっています。それでも、先になるほど不確かです。
だからこそ、予報円という形で「どれくらい不確かか」も一緒に示されています。
大事なのは、当たるかどうかを気にするより、外れた場合にどうするかを決めておくことです。「来なければ、買った水は次に使う」。それだけで済みます。
Q. 会社や学校の判断は、いつ出ますか
多くの場合、前日の夕方から当日の朝です。気象情報が固まってからになります。
ただし、判断を待たずに自分で決めてよい場面があります。暴風警報が出ている、公共交通が止まっている、といった状況です。
そして、行けるかどうかより、帰れるかどうかを考えてください。朝は動いていても、夕方に止まることがあります。
Q. 「たまご」という言葉は、いつ使われますか
報道やインターネットで、台風になりそうな段階を指すときに使われます。親しみやすい表現ですが、正式な用語ではありません。
気象庁の発表では、「熱帯低気圧」または「24時間以内に台風に発達する見込み」という言い方になります。
検索するときは「台風のたまご」でも構いませんが、実際の情報は気象庁の熱帯低気圧の欄で確認してください。
Q. 熱帯低気圧に、名前や番号は付きますか
台風になるまでは付きません。気象庁の発表では「熱帯低気圧a」のように、記号で区別されます。
ですから、「台風18号のたまご」という言い方は、正確ではありません。発達して初めて18号になります。
そして、別の熱帯低気圧が先に台風になれば、番号はそちらに付きます。
Q. 沖縄や離島では、どう考えればよいですか
本州より早く、そして高い頻度で影響を受けます。たまごの段階から進路に入っていることが珍しくありません。
そして、船が止まれば物資が入らなくなります。台風が去っても、欠航が続けば店の棚は戻りません。
だから、本州より備蓄を厚く、そして早めに動いてください。3日前ではなく、5日前の判断でちょうどよい場面があります。
Q. 毎回この記事を読み返すのは大変です
覚えていただきたいのは、三つだけです。
たまごの段階では消耗品を買う。3日前に判断する。行動の基準は気象庁。
この三つがあれば、細かい用語を忘れていても困りません。
Q. 気象庁のどのページを見ればよいですか
気象庁の「台風情報」のページです。台風だけでなく、台風に発達する見込みの熱帯低気圧も、ここに掲載されます。
見るのは三つで足ります。
一、現在位置と予報円。どこにあり、どこへ向かうか。
二、暴風域に入る確率。自分の地域を選んで、数字の推移を見ます。
三、自分の市区町村の警報・注意報。行動の合図は、最終的にここです。
そして、いまのうちにブックマークしておいてください。近づいてから探すと、広告だらけの転載サイトにたどり着きます。
なお、同じ年に発生した台風16号については台風16号(ペイロー)は日本に影響なしにまとめています。同時に複数の台風が出たときの見分け方も、あわせて解説しました。
名前の付け方には決まりがあります。ハリケーンの名前はなぜ人名なのかにまとめました。
まとめ
要点を並べます。
一、「台風のたまご」は正式な気象用語ではありません。台風になりそうな熱帯低気圧のことを指しています。
二、台風と熱帯低気圧の違いは、最大風速がおよそ17.2メートル毎秒以上になったかどうかだけです。
三、「24時間以内に台風に発達する見込み」が出たら、5日先までの進路と強度、そして暴風域に入る確率まで見られます。
四、番号は発生順に付き、日本に来ない台風でも消費されます。そして、台風になるまで番号は決まりません。
五、米軍やヨーロッパの予想は、目的そのものが違います。日本での行動は、気象庁を基準にしてください。
六、予報円の大きさは、台風の勢力ではなく、進路の不確かさを表しています。
七、判断の山は3日前です。たまごの段階でやるのは、消耗品を買うことだけで十分です。予報図を見続けても、答えは出ません。
台風の情報は、早く出るほど不確かです。そして、確かになるころには時間がありません。
だから、いつ判断するかを先に決めておいてください。3日前に見直す、と決めるだけで、毎回悩まずに済みます。
備え全体の順番は防災は何から始める?最初にやること8ステップにまとめています。

