マンション高層階の防災|長周期地震動とエレベーター停止に備える対策

【2026年版】マンション高層階の防災・備え・注意点|地震・停電・避難を徹底解説

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「高層マンションって、地震のとき大丈夫なの?」「エレベーターが止まったら、荷物をどうやって運ぶの?」「上の階だから津波は関係ない。でも、他に何か注意することはある?」

高層マンションに住む方から、こうした疑問をよく聞きます。

高層マンション(タワーマンション)の数は、日本全国で急速に増えています。国土交通省のデータによると、20階建て以上の超高層マンションは全国に1,000棟以上あり、その多くが大都市圏に集中しています。

しかし、高層マンション特有の防災リスクを正しく理解している住民は、まだ多くありません。「上の階だから安全」という思い込みが、最も危険な誤解です。

本記事では、国土交通省や消防庁などが公表する資料と防災士としての知識をもとに、マンション高層階特有の防災リスク・備え・注意点を徹底解説します。

今日から実践できる対策をチェックリストつきで紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

目次

高層マンションは「低層住宅より安全」は半分正解・半分誤解

「高層マンションは耐震性が高いから安心」という声をよく聞きます。

確かに、1981年以降に建設されたマンションは「新耐震基準」、2000年以降は「改正耐震基準」に基づいて設計されています。倒壊リスクは木造住宅より低い傾向があります。

しかし、耐震性が高いことと「住み続けられること」「避難できること」は別の話です。

高層マンションには、低層住宅にはない固有のリスクが複数あります。それを正確に理解した上で備えることが、高層マンション防災の核心です。

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高層マンション特有のリスク①:長周期地震動(ゆっくり大きく揺れる)

高層マンション最大の地震リスクが長周期地震動です。

「長周期地震動」とは、周期が長い(1〜10秒程度)ゆっくりとした揺れが続く現象です。南海トラフ地震・首都直下地震などの大規模地震では、震源から数百km離れた場所でもこの長周期地震動が発生します。

高層建物は「固有周期が長い」という特性があります。長周期地震動の揺れの周期と建物の固有周期が一致すると、「共振現象」が起き、揺れが増幅されます。

その結果、震源から遠く離れていても、高層階では非常に大きく・長時間揺れ続けることがあります。

長周期地震動による具体的な被害

2011年の東日本大震災では、震源から約700km離れた大阪市の超高層ビルが最大2m以上揺れ続け、エレベーターが停止・家具が転倒・パニックになった居住者が続出しました。

長周期地震動の特徴的な被害は以下のとおりです。

  • 家具・冷蔵庫・本棚などが激しく移動・転倒する
  • 揺れが数分間(5〜10分以上)続くことがある
  • 船酔い・めまいのような症状が出て動けなくなる
  • キャスター付き家具・家電が部屋を動き回る
  • 水槽・花瓶などの水が大量にこぼれる
  • 天井・内装材が落下する
階数の目安 長周期地震動の揺れの特徴
10〜15階 1〜3分間の揺れが継続。家具転倒リスクが高い
20〜30階 揺れ幅が大きく3〜5分以上継続。立っていられなくなる
40〜50階以上 揺れ幅が1〜2m以上になることも。数分間にわたって激しい揺れが継続

長周期地震動への備え

長周期地震動への対策の基本は「家具の固定」です。高層階では低層住宅の2〜3倍以上の揺れが発生することを前提に、家具の固定を徹底してください。

  • 家具転倒防止器具(L字金具・突っ張り棒・固定ベルト)をすべての大型家具に設置する
  • キャスター付き家具・家電はキャスターをロックするか、キャスタースポンジマットで固定する
  • 冷蔵庫は専用の転倒防止ベルトで壁・柱に固定する
  • テレビ・モニターは転倒防止ワイヤー・粘着マットで固定する
  • 食器棚・本棚の扉は開き防止ラッチを設置する

高層マンション特有のリスク②:エレベーターの長期停止

高層マンションの住民が最も実感しやすいリスクがエレベーターの停止です。

地震発生時、エレベーターは安全装置(地震感知器)が働いて自動的に停止します。震度5弱程度でも停止することがあります。

停止後の再稼働には、専門技術者による点検が必要です。大規模地震後は全国のエレベーターが一斉に停止するため、点検技術者が不足し、復旧まで数日〜1週間以上かかることがあります。

エレベーター停止時の問題

30階に住んでいる場合、エレベーターなしでは1回の外出・帰宅に階段で60階分(上り下りで)を歩く必要があります。

高齢者・障害のある方・小さい子供を持つ家庭・妊婦の方には、これは事実上「外出不可能」を意味します。エレベーター停止時に発生する具体的な問題は以下のとおりです。

  • 食料・水・生活用品の補充のための外出が困難になる
  • 救急搬送が遅れる(担架での階段搬送は時間・人手がかかる)
  • ゴミ出しができない(室内にゴミが溜まり衛生問題が発生)
  • ペットの散歩・医療機関への通院が困難になる
  • 在宅医療・介護が必要な方の支援が届きにくくなる

エレベーター停止への備え

エレベーター停止への最大の対策は「自室内に十分な備蓄を持つこと」です。

エレベーターが停止した状態でも、室内に食料・水・生活用品が揃っていれば、外出する必要がなくなります。高層マンション住民には「最低7日分・できれば2週間分の備蓄」を強くおすすめします。

また、階段での移動訓練も有効です。普段からエレベーターを使わずに階段で帰宅する習慣をつけておくと、緊急時の体力・所要時間の把握ができます。

高層マンション特有のリスク③:停電・ライフライン停止

高層マンションは電気への依存度が低層住宅より格段に高いです。

停電が発生すると、エレベーターだけでなく、給水ポンプ・排水システム・オートロック・インターホン・機械式駐車場・床暖房・24時間換気システムなど、建物の多くの機能が同時に停止します。

停電時に停止する主な設備

停止する設備 生活への影響 対策
給水ポンプ 断水(水が出なくなる) 飲料水・生活用水の備蓄
エレベーター 移動不能・閉じ込め 備蓄の充実・階段移動の習慣化
オートロック 解錠不能・または常時開放 手動解錠の操作方法を事前確認
24時間換気 室内の空気が循環しなくなる 窓を開けての換気(ただし高層では強風注意)
機械式駐車場 車が出し入れできなくなる 緊急時の手動操作方法を確認
床暖房・エアコン(電気式) 冬季の低体温・夏季の熱中症リスク 防寒グッズ・ポータブル電源の備蓄

停電対策の備え

高層マンションでの停電対策として最も重要なのはポータブル電源の備蓄です。

容量10,000Wh以上のポータブル電源があれば、スマートフォンの充電・LEDランタン・電気毛布・小型扇風機を数日間使用できます。

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また、マンションによっては非常用電源(自家発電装置)が設置されており、共用部の照明・エレベーター1基のみの運転・給水ポンプへの電力供給が一定時間可能なケースがあります。自分のマンションの非常用電源の仕様と稼働時間を管理組合・管理会社に事前に確認しておきましょう。

高層マンション特有のリスク④:断水と生活用水問題

高層マンションの給水は、地下または1階の受水槽に溜めた水を電動ポンプで各階に送る「加圧給水方式」が一般的です。

停電すると電動ポンプが止まり、断水が発生します。地震で受水槽・給水管が破損した場合も断水になります。断水になると、飲料水の確保だけでなく、トイレが使えなくなるという深刻な問題が発生します。

断水時のトイレ問題

高層マンションでは「断水中にトイレに水を流す」ことが非常に危険です。

排水管に水が流れなくなっている状態で無理に流すと、排水管内で汚物が詰まり、他の階のトイレから汚物が逆流する「排水管逆流」が起きることがあります。これは全戸に影響する深刻な問題です。

断水中は管理組合・管理会社の指示があるまでトイレを流してはいけません。

この対策として、携帯トイレ(凝固剤入り使い捨て袋タイプ)を大量備蓄しておくことが高層マンション住民には特に重要です。1人あたり50回分以上を備蓄してください。

飲料水・生活用水の備蓄量

高層マンションでは「外出して給水所から水を運んでくる」ことがエレベーター停止時には困難です。そのため、備蓄量は低層住宅より多めに確保してください。

用途 1人1日の目安 7日分(1人)
飲料水(そのまま飲む) 2リットル 14リットル
調理用水 1リットル 7リットル
歯磨き・洗面 0.5リットル 3.5リットル
合計目安 3〜4リットル 21〜28リットル

浴槽に常に水を張っておく「浴槽貯水」も有効です。防災用の浴槽専用ウォータータンク(ウォーターバッグ)を使えば、200リットル以上の水を清潔に保存できます。

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高層マンション特有のリスク⑤:火災と避難困難

高層マンションでの火災は、地上からの消防活動が困難です。日本のほとんどの消防はしご車の届く高さは最大約40m(10〜12階程度)です。それ以上の階では、はしご車による救助・放水が届きません。

そのため、高層マンションは「建物自体で火を消す・延焼を防ぐ」設備(スプリンクラー・防火区画・特別避難階段)が義務付けられています。しかしそれでも、停電・複合災害時には想定外の状況が起きます。

高層マンションの避難経路を今すぐ確認する

高層マンションに住む方が今すぐ確認すべきことがあります。

  • 特別避難階段の場所:火災時・エレベーター停止時に使う防煙設備つきの避難階段。必ず自室から最寄りの特別避難階段までの経路を歩いて確認する
  • 避難経路が2方向確保されているか:法令上、高層マンションは2方向の避難経路が義務付けられているが、自分の部屋からの具体的なルートを把握しておく
  • バルコニーの避難ハッチの使い方:上下階のバルコニーをつなぐ避難ハッチ(避難はしご)の開け方・使い方を確認する。ハッチの上に荷物を置かない
  • 避難経路の照明:停電時も非常用照明が点灯するか確認する

バルコニーの避難ハッチは多くの住民が存在を知りながら使い方を確認していません。年に1回は実際に開けてみることをおすすめします。

火災時に高層階でやってはいけないこと

  • エレベーターで逃げる:火災時はエレベーターを使ってはいけません。停電・熱による誤作動で閉じ込められる危険があります
  • 煙の充満した廊下を走る:煙は炎より速く広がります。煙を吸い込むと数分で意識を失います。姿勢を低くして移動し、煙が充満している場合は部屋に戻ってドアを閉め、バルコニーから救助を待つ判断も必要です
  • 窓から飛び降りる:高層階での窓からの脱出は死に直結します。建物内の避難設備を使ってください

高層マンション特有のリスク⑥:備蓄の「重量・スペース」問題

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高層マンションでの備蓄には、低層住宅とは異なる制約があります。

まず、エレベーターが停止した状態での重い荷物の運搬が困難になります。給水所から20〜30kgの水タンクを30階まで運ぶことは、若い成人男性でも非常に困難です。

次に、マンションの室内・収納スペースが限られるという問題もあります。戸建て住宅のような大きな倉庫・床下収納がないため、備蓄品をどこに置くかの工夫が必要です。

高層マンションでの賢い備蓄術

限られたスペースで最大限の備蓄を実現する方法を紹介します。

① ローリングストック法の徹底活用

日常的に食べる食品・飲料を多めに購入し、消費した分を補充するローリングストック法が最も効率的です。賞味期限切れのロスが出ず・収納スペースを圧迫せず・普段から食べ慣れたものを備蓄できます。

ローリングストックについてはローリングストックとは?やり方を具体的に解説【防災士も推奨】食品リスト・収納・管理方法まで完全ガイド【2026年版】をご覧ください。

② ベッド下・ソファ下・家具の隙間を活用

ベッド下のスペースは備蓄の収納場所として非常に優秀です。キャスターつきの収納ボックスを使えば出し入れも容易です。ソファ下・テレビボードの中・クローゼットの上段なども活用してください。

③ 重いものは低い場所・軽いものは高い場所に収納

地震時の安全確保のためにも、重い備蓄品(缶詰・水のペットボトル・ポータブル電源)は床に近い低い場所に収納してください。高い棚に重いものを置くと、長周期地震動で落下・転倒する危険があります。

④ 「水の重さ」問題への対策

水は1リットルあたり1kgです。7日分(21〜28リットル)は21〜28kgになります。一度に大量購入すると運搬・収納が大変です。定期的に少量ずつ購入するか、ウォーターサーバーを備蓄兼用として利用する方法もあります。

おすすめはウォーターサーバーになります。詳しくは防災にウォーターサーバーは役立つ?停電・断水などの災害時の使い方・選び方・おすすめ機種【2026年最新版】をご覧ください。

高層マンション防災:今日から準備すべきグッズリスト

【最優先グッズ】

① 家具転倒防止器具一式

長周期地震動対策の最重要アイテムです。L字金具・突っ張り棒・転倒防止ベルトを全ての大型家具(本棚・食器棚・冷蔵庫・タンス)に設置してください。設置には電動ドライバーがあると便利です。

② 携帯トイレ(1人あたり50回分以上)

断水時のトイレ問題は高層マンション住民にとって最も深刻な課題のひとつです。凝固剤入りの使い捨て袋タイプを大量備蓄してください。防臭袋も一緒に備蓄しましょう。

③ 飲料水(7〜14日分)

エレベーター停止時は給水所から水を運ぶことが困難です。2リットルペットボトルを多めにストックしておくことを推奨します。浴槽用ウォーターバッグも有効です。

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④ 非常食(7〜14日分)

アルファ米・缶詰・レトルト食品・栄養補助バー・ゼリー飲料を組み合わせて備蓄してください。エレベーター停止時は「買い出しに行けない」前提で備蓄量を設定してください。

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⑤ ポータブル電源(10,000Wh以上推奨)

停電時の照明・スマートフォン充電・電気毛布・扇風機への給電に使用します。高層マンションでは停電が長期化しやすいため、大容量モデルを推奨します。

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⑥ LEDランタン・ヘッドライト

停電時の室内・廊下・階段移動に必須です。ヘッドライトは両手を使いながら暗い非常階段を降りる際に特に重要です。1人1本備えてください。

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⑦ 防災ヘルメット・防災頭巾

長周期地震動での家具・物品の落下・飛散から頭部を守るために重要です。就寝時の枕元に常備してください。折りたたみ式ヘルメットはコンパクトに収納できます。

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⑧ スリッパ・厚底シューズ(割れたガラス対策)

地震後の室内はガラス・陶器・割れた食器の破片が散乱します。素足で歩くと重傷を負います。ベッドのすぐそばに丈夫な底のスリッパ・シューズを常備してください。夜間の地震でもすぐに履けるよう準備しておきましょう。

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⑨ 防煙マスク・火災用マスク

高層マンションの火災時、煙による死亡リスクは炎よりも高いです。防煙マスク(煙・有毒ガスを一定時間フィルタリングするマスク)を家族人数分備えてください。使い方を事前に練習しておきましょう。

⑩ 携帯ラジオ(手回し・ソーラー充電対応)

停電時にはテレビが使えなくなります。ラジオは電波が届く限り情報を収集できる最も信頼性の高いメディアです。手回し充電・ソーラー充電・乾電池の複数電源に対応したモデルを選んでください。

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⑪ モバイルバッテリー(20,000mAh以上)

スマートフォンは情報収集・救助要請・家族との連絡に不可欠です。大容量モバイルバッテリーをポータブル電源と並行して備えてください。

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⑫ 救急セット・常備薬(最低7日分)

エレベーター停止時は病院への通院が困難になります。常備薬は最低7日分・できれば2週間分を備蓄してください。持病のある方・お薬手帳をお持ちの方は、かかりつけ医に「災害時の薬の備蓄」について相談しておくことをおすすめします。

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高層マンション防災の「お互い様」精神:コミュニティの重要性

高層マンションの防災において、個人の備えと同じくらい重要なのが住民同士のコミュニティ・助け合いです。

エレベーターが停止した高層マンションで、高齢者・障害のある方・妊婦の方・乳幼児を持つ家庭を支援できるのは、同じマンションの住民だけです。

管理組合・自主防災組織への参加

マンションの管理組合が主催する防災訓練・避難訓練には積極的に参加してください。訓練では以下のことを確認・体験できます。

  • 非常階段の場所・所要時間の確認
  • 避難ハッチの使い方の体験
  • 非常用電源の稼働時間・使用可能設備の確認
  • 近隣住民との顔見知り関係の構築
  • 要支援者(高齢者・障害のある方)の把握と支援計画の共有

自主防災組織がないマンションでは、管理組合に設立を提案することも重要な防災活動です。

近隣住民との「挨拶」が命を救う

日頃から近隣の住民と挨拶を交わしておくことが、緊急時の助け合いに直結します。特に以下の情報を近隣と共有しておくと、災害時の対応がスムーズになります。

  • 家族構成・人数(何人家族か)
  • 高齢者・要支援者が家族にいるか
  • ペットを飼っているか
  • 連絡先(携帯電話番号)

季節別:高層マンションの注意点

夏季(6〜9月)の注意点

高層階は地上より気温が低いと思われがちですが、太陽の直射日光を遮る建物・木々が少ないため、実際には強い日差しにさらされます。停電時にエアコンが使えなくなると、高層階でも熱中症リスクが高まります。

  • USB扇風機・充電式扇風機をポータブル電源と組み合わせて使用する
  • 経口補水液・スポーツドリンクを多めに備蓄する
  • 遮光カーテン・窓の断熱フィルムを設置して日射を遮る
  • 夜間は外気が室温より低い場合、窓を開けて換気する(ただし高層階は強風に注意)

冬季(12〜3月)の注意点

冬季に停電が起きると、高層マンションは特に冷えやすいです。コンクリート造のマンションは気密性が高い反面、暖房が止まると室内温度が急速に下がることがあります。

  • 電気毛布(USB・12V対応)をポータブル電源と組み合わせて使用する
  • ダウンジャケット・防寒インナーを室内で着込める準備をする
  • 使い捨てカイロを多めに備蓄する(体幹・脇の下・首を温める)
  • 断熱カーテン・窓の隙間テープで冷気の侵入を防ぐ

高層マンション防災チェックリスト

カテゴリ チェック項目 確認
家具・室内の安全 全ての大型家具に転倒防止器具を設置している □
家具・室内の安全 テレビ・モニターに転倒防止ワイヤー・粘着マットを設置している □
家具・室内の安全 食器棚・本棚の扉に開き防止ラッチを設置している □
家具・室内の安全 ベッドそばにスリッパ・厚底シューズを常備している □
家具・室内の安全 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っている □
備蓄(水・食料) 飲料水を7日分以上備蓄している □
備蓄(水・食料) 非常食を7日分以上備蓄している □
備蓄(水・食料) 浴槽用ウォーターバッグを用意している □
備蓄(水・食料) 携帯トイレを50回分以上備蓄している □
電源・照明 ポータブル電源(1,000Wh以上)を用意している □
電源・照明 LEDランタンを用意している □
電源・照明 ヘッドライトを1人1本用意している □
電源・照明 大容量モバイルバッテリーを用意している □
安全・避難 防災ヘルメット・防災頭巾を枕元に常備している □
安全・避難 防煙マスクを家族人数分用意している □
安全・避難 非常階段の場所・避難ハッチの使い方を確認している □
安全・避難 マンションの非常用電源の仕様を確認している □
情報収集 手回し・ソーラー充電対応の携帯ラジオを用意している □
医療・衛生 常備薬を7日分以上備蓄している □
医療・衛生 救急セットを用意している □
コミュニティ 近隣の住民と顔見知りになっている □
コミュニティ マンションの防災訓練に参加したことがある □

マンション高層階の防災アイテム

🛒 カテゴリ別・おすすめアイテム

エレベーター停止・断水を想定した高層階ならではの備えです。

🎒 サンコー 折りたたみウォータータンク 20L

給水車・給水所から高層階まで水を運ぶための大容量タンクです。

🚽 アイリスオーヤマ 非常用トイレ BS-15

エレベーター停止時、水洗トイレが使えなくなった際の備えです。

🔋 Jackery ポータブル電源 240

在宅避難時の照明・通信手段確保に役立ちます。

よくある質問:マンション高層階の防災について

Q. タワーマンションは地震で倒壊しますか?

1981年以降の新耐震基準・2000年以降の改正耐震基準に基づいて建設されたマンションは、震度6強〜7の地震でも倒壊しないよう設計されています。

超高層マンション(60m以上)はさらに厳しい「時刻歴応答解析」による構造計算が義務付けられています。倒壊リスクは低いですが、「倒壊しない」ことと「快適に住み続けられる」「安全に避難できる」は別の問題です。

Q. 地震が来たら、高層階からすぐ避難すべきですか?

地震直後に高層階から階段で避難することは、必ずしも正解ではありません。揺れが続いている間・収まった直後は、暗い非常階段での移動は転倒・落下のリスクがあります。

まず自室を安全な状態にして(ガラス片を避ける・火気を確認する)、落ち着いてから状況を確認することが重要です。火災・浸水など室内にとどまることが危険な状況以外は、むやみに外に飛び出さないことが基本です。

Q. マンションの何階以上から「高層階」として特別な備えが必要ですか?

一般的には10階以上から長周期地震動の影響が顕著になります。20階以上では特に大きな揺れが想定されます。エレベーター停止の影響は6〜7階以上から「日常生活への支障」として実感しやすくなります。何階に住んでいる場合でも、本記事で紹介した備えを実践することをおすすめします。

Q. マンションの管理組合に何を求めればいいですか?

以下の項目を管理組合に確認・要望することをおすすめします。非常用電源の仕様・燃料(軽油)の備蓄量と稼働可能時間の確認。防災倉庫の備蓄内容(ハンマー・ロープ・発電機・飲料水など)の確認と補充。

防災訓練の定期開催(年1回以上)の要望。要支援者リストの作成と支援計画の策定。エレベーター停止時の荷物搬送ルール・支援体制の整備です。

Q. 高層マンションへの引っ越しを検討しています。防災面で確認すべきことは?

以下の点を確認してから購入・入居を決めることをおすすめします。建築年(1981年以降の新耐震基準・2000年以降の改正基準かどうか)の確認。免震構造・制震構造・耐震構造のどれかの確認(免震・制震のほうが揺れが小さい)。

非常用電源の有無・稼働時間。防災倉庫の備蓄内容。管理組合の防災活動の有無・頻度。ハザードマップでの浸水・液状化リスクの確認(高層階でも建物自体が傾く・沈下するリスクは低層と変わらない)です。

「高層だから安全」ではなく「高層だから特別な備えが必要」

本記事を読んで、高層マンション特有のリスクをご理解いただけたでしょうか。

「高い階に住んでいるから津波・浸水は大丈夫」というのは事実です。しかし一方で、「長周期地震動」「エレベーター停止」「断水・停電の長期化」「避難の困難さ」という、低層住宅にはない固有リスクが存在します。

今日できることは1つだけです。本記事のチェックリストを印刷して、まず「家具の転倒防止」と「携帯トイレの備蓄」から始めてみてください。

南海トラフ地震・首都直下地震はいつ発生してもおかしくない状況です。高層マンションという快適な住環境を、災害時にも安心できる場所にするための備えを、今日から一歩ずつ進めましょう。

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9月1日は防災の日/8月30日〜9月5日は防災週間

1年に一度、備えを点検する日です。10分でできることから始めてください。

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防災ベーシック編集部です。公的機関の情報をもとに、防災・備蓄・災害対策の基本をわかりやすくお伝えします。

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